JP6894099B2 - 木質材料処理剤組成物、木質材料の処理方法及びそれにより処理された木質材料 - Google Patents

木質材料処理剤組成物、木質材料の処理方法及びそれにより処理された木質材料 Download PDF

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Description

本発明は、木質材料処理剤組成物、木質材料の処理方法及びそれにより処理された木質材料に関する。
木質材料は、古来より建築材料として広く用いられており、建築様式の変化にかかわらず、独特の風合いを有する建築材料として、現在においても、構造材のみならず、外装材及び内装材としても広く用いられている。しかし、木質系材料には、腐朽性、可燃性等の問題があり、わが国において最も広く用いられているヒノキ、スギ等の針葉樹においては、硬度の低さに起因する傷の付きやすさ、乾燥収縮/湿潤膨張の繰り返しによる寸法安定性の低さ等の問題も有している。
上述のような、木質材料における腐朽性及び可燃性の低減、硬度及び寸法安定性の向上等のために、処理剤を表面に塗布し、又は内部に含浸させることが広く行われており、種々の処理剤及び処理方法が提案されている。
例えば、有機又は無機ハロゲン系難燃剤が、木質材料の難燃処理剤として古くから用いられている。また、ピロリン酸メラミン等の窒素系難燃剤も用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、原料木材に含浸した2種以上の水溶性化合物の反応生成物である不溶性不燃性化合物が定着し、2個以上のアルデヒド基を有する化合物で原料木材の水酸基間を架橋した変性木材を、ホルムアルデヒド誘導体の蒸気雰囲気中で、且つ酸触媒の存在下で加熱してホルマール化することにより、難燃性を保持し、且つ寸法安定性を改善した改質木材の製法が開示されている。
特許文献3には、難燃性金属塩と、アクリル系重合体が木質内に含浸され、硬化したアクリル系重合体が木質内で難燃性物質を包囲しており、火炎に対する抵抗力を有し、寸法が安定し生活環境にも悪影響を与えない難燃性重合体含浸木材が開示されている。
特許文献4及び5には、木質系材料の発煙燃焼及び赤熱燃焼の抑制効果を有するホウ酸塩を防火剤として利用した、防火、耐火、不燃材料、及び不燃木材板がそれぞれ開示されている。
特許文献6には、「吸湿性」、「不燃薬剤の滲み出し」などの問題を解決する木質材料用不燃化薬剤として、水にカルボン酸あるいはその無水物が溶解されるとともに、塩基性チッ素化合物のリン酸塩がその溶解度以上溶解されていることを特徴とする木質材料用不燃化薬剤が開示されている。
特開平6−218708号公報 特開平6−143209号公報 特開2000−141318号公報 特開2005−112700号公報 特開2006−182024号公報 特開2010−162727号公報
しかしながら、ハロゲン系難燃剤や特許文献1に記載の窒素系難燃剤は、燃焼時に有害ガスを発生し、また変色の原因となるという問題点を有している。
特許文献2に記載の改質木材の製法においては、木材内部に残留するホルムアルデヒドが、いわゆるシックハウス症候群や、環境への悪影響の原因となるおそれがある。
特許文献3に記載の難燃性重合体含浸木材においては、含浸させたアクリル系重合体の前駆体の重合が完全に進行しない場合があり、寸法安定性の低下等の問題が生じうる。
特許文献4に記載の防火、耐火、不燃材料、及び特許文献5に記載の不燃木材板においては、木材の吸脱湿に伴い、水溶性のホウ酸化合物が溶脱し、表面で析出して表面が白くなる白華現象を起こすという欠点がある。処理コスト低減を目的とするホウ酸の水溶性の向上のためにアルカリ類を添加する場合が多いが、このような場合、アルカリ類の吸湿性によりホウ酸の溶脱が促進され、白華現象の発生がより顕著になるおそれがある。
内外壁用の木材等において、このような白華現象が発生すると、その価値が低下してしまうと共に、これらの材料においては、処理後に、反りやねじれ等の変形を生じやすく、寸法及び形状安定性に乏しいという欠点も存在する。また、白華現象が起こると、塗料との親和性が低下するので、市販の塗料を用いることができず、塗装コストの増大という問題も生じる。
更に、特許文献4に記載の防火、耐火、不燃材料、及び特許文献5に記載の不燃木材板に使用されているホウ酸は毒性を有しており、成人の場合、1〜3g摂取すると中毒症状が発症し、10〜20gが致死量であると言われている。かかる事情に鑑みて、ホウ酸に代わる難燃剤を含む木質材料処理剤組成物が求められている。ホウ酸と共に広く用いられている無機難燃剤としてリン酸塩が挙げられるが、リン酸塩の場合にも、難燃剤の滲み出しや白華現象の発生が知られており、難燃性の向上と白華現象の抑制とは、この場合においてもトレードオフの関係にある。
特許文献6に記載の木質材料用不燃化薬剤において、短期的な白華現象や不燃薬剤の滲み出しは抑制されているものの、乾燥及び湿潤が繰り返し起こる実際の使用条件下における長期的な白華現象及び薬剤の滲み出しの抑制において課題が残る。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、木材等の木質材料の難燃性等を向上させると共に、処理後の木質材料について、長期間にわたり白華や滲み出しの問題の生じにくい木質材料処理剤組成物、それを用いた木質材料の処理方法、及びそれにより処理された木質材料を提供することを目的とする。
なお、本発明における「木質材料」には、樹木より得られるいわゆる「木材」の他に、草本類の茎、葉等より得られ、セルロース及びリグニンを主な成分とする材料が含まれるものとする。
本発明の第1の態様は、下記の成分a、b及びcを含む水溶液状の組成物であって、
成分a:グアニジン炭酸
成分b:グアニジンリン酸塩
成分c:コハク酸
前記成分a、b及びcの質量比をA:B:Cとした場合、A、B、Cについて下記の関係式(1)〜(5)が成立することを特徴とする木質材料処理剤組成物を提供することにより、上記課題を解決するものである。
A+B+C=100 (1)
3≦C≦18 (2)
3≦C<8のとき、8≦A≦13 (3)
8≦C<13のとき、3≦A≦18 (4)
13≦C≦18のとき、13≦A≦18 (5)
なお、本発明において用いられる「成分a、b及びc」という表記は、「成分a、成分b及び成分c」と同義である。
本態様に係る木質材料処理剤組成物に含まれるリン酸イオンは、それを含浸させた木質材料の燃焼時にいわゆる炭化層を形成してその内部への酸素の供給を遮断することにより、燃焼防止効果を発揮できる。また、本態様に係る木質材料処理剤組成物は合成樹脂を含まないため、これにより処理された木質材料において廃棄時の処理の問題が生じないと共に、ホウ酸を用いていないため、過度の吸湿性を有しない。更に、成分組成を上記の様にすることにより、乾燥及び湿潤が繰り返し起こる使用条件下においても、長期にわたり白華現象及び薬剤の滲み出しを抑制することを可能にする。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る木質材料処理剤組成物を木質材料に含浸させることを特徴とする木質材料の処理方法を提供することにより、上記課題を解決するものである。
この場合において、減圧下で所定時間放置した木質材料を木質材料処理剤組成物に浸漬し、加圧下で該木質材料処理剤組成物を木質材料に含浸させることが好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様に係る木質材料の処理方法で処理することを特徴とする木質材料を提供することにより上記課題を解決するものである。
このようにして得られる木質材料は、未処理の木質材料に比べ難燃性が向上しており、白華現象の発生による意匠性の低下等の問題が生じにくいため、内装材及び外装材として好適に用いることができる。また、経時変化による変形及び変色が発生しにくいため、耐久性にも優れている。
この場合において、木質材料は、建築基準法施行令(昭和二十五年十一月十六日政令第三百三十八号)第1条第5号の準不燃材料、同条第6号の難燃材料、及び建築基準法(昭和二十五年五月二十四日法律第二百一号)第2条第9号の不燃材料の基準のいずれかに適合するものであることが好ましい。
なお、「建築基準法施行令第1条第5号の準不燃材料」とは、建築材料(本発明においては木質材料)のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間、次の(1)〜(3)に掲げる要件(建築基準法施行令第108条の2各号。建築物の外部の仕上げに用いるものにあっては、次の(1)及び(2)に掲げる要件。以下同じ。)を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいい、「同条第6号の難燃材料」とは、建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後5分間、次の(1)〜(3)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいい、「建築基準法第2条第9号の不燃材料」とは、建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間、次の(1)〜(3)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
(1)燃焼しないものであること。
(2)防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
(3)避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
以上述べたように、本発明によれば、成分の組み合わせ及び組成比を最適化することにより、木質材料の難燃性等を向上させると共に、長期間にわたり白華や薬剤の滲み出しの問題の生じにくい木質材料処理剤組成物が得られる。また、本発明によれば、木質材料処理剤組成物を用いた木質材料の処理方法及びそれにより処理された木質材料が得られる。
難燃処理を行った板材における木質材料処理剤組成物の各成分の組成と乾湿繰り返し試験の結果との関係を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る木質材料処理剤組成物(以下、「木質材料処理剤組成物」と略称される場合がある。)は、下記の成分a、b及びcを含む水溶液状の組成物であり、塗布又は加圧注入により木質材料に含浸させることができる。
成分a:グアニジン炭酸
成分b:グアニジンリン酸塩
成分c:コハク酸
成分a、b及びcの質量比をA:B:Cとした場合、A、B、Cについて下記の関係式(1)〜(5)が成立する。
A+B+C=100 (1)
3≦C≦18 (2)
3≦C<8のとき、8≦A≦13 (3)
8≦C<13のとき、3≦A≦18 (4)
13≦C≦18のとき、13≦A≦18 (5)
例えば、A、B、Cの間には、上記の関係式(1)〜(5)に加え、下記の関係式(6)、(7)、(8)が成立する。
5≦A≦15 (6)
C=5のとき、A=10 (7)
C=15のとき、A=15 (8)
A、B及びCが、上記の関係式(1)〜(5)が成立する範囲から逸脱する場合、難燃性及び乾燥及び湿潤が繰り返し起こる使用条件下において長期にわたり白華現象及び薬剤の滲み出しを抑制する性能の一方又は双方が低下する。
木質材料処理剤組成物は、グアニジン炭酸塩、グアニジンリン酸塩又はリン酸及びコハク酸を水と混合し溶解させることにより調製される。それぞれの成分の量は、グアニジン炭酸塩、グアニジンリン酸塩及びコハク酸が、それぞれ上記の範囲内の量となるように適宜調節される。木質材料処理剤組成物は、例えば、水溶液1Lあたり、20〜100gのグアニジン炭酸塩と、350〜600gのグアニジンリン酸塩と、30〜120gのコハク酸とを含んでいる。水への溶解時には、各成分の溶解を促進するために、攪拌、超音波照射等を行ってもよく、溶解度を向上させるために加熱してもよい。
pHの調節及び難燃性の向上等のために、上記以外の他の成分を木質材料処理剤組成物に添加してもよい。添加することができる成分としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物、アルミニウム塩等が挙げられる。
本発明の第2の実施形態に係る木質材料は、本発明の第1の実施形態に係る木質材料処理剤組成物を木質材料に含浸させる工程を有する木質材料の処理方法を用いて製造される。
木質材料の種類としては特に制限されず、任意の種類の樹木、草本類の茎、葉等より得られ、セルロース及びリグニンを主な成分とする材料を用いることができ、木材の場合、無垢材のみならず、単板積層材、直交集成材、合板、集成材、繊維板、パーティクルボード等を用いることもできる。また、形状及び寸法についても特に制限されない。
木質材料処理剤組成物の木質材料への含浸は、任意の公知の方法を用いて行うことができる。含浸の方法としては、木質材料の表面に木質材料処理剤組成物を塗布し浸透させる方法及び加圧注入する方法が挙げられるが、厚みの大きな板材、柱材等については、後者の方法がより好ましく、木質材料の防虫処理等において広く用いられている、JISA9002に準拠した加圧注入方法が特に好ましく用いられる。なお、木質材料処理剤組成物中への浸漬及び加圧を行う前に、木質材料に含まれる空気等の気体成分を除去し、含浸量を増大させるために、減圧下で所定時間木質材料を放置する減圧処理を行ってもよい。また、含浸量を増大させる別の方法として、120℃程度の蒸気で加熱後減圧乾燥を行う蒸煮減圧処理を行ってもよい。
より具体的には、圧力容器中で木質材料処理剤組成物中に浸漬した木質材料を所定の時間、所定の圧力で加圧することにより木質材料処理剤組成物の含浸(加圧注入)が行われる。加圧時の圧力及び加圧時間は、木質材料の形状及び寸法、含浸させようとする物質の量等に応じて適宜調節される。加圧は、浸漬容器中の気体の圧力を増大させることによって行ってもよく、浸漬容器に注入した木質材料処理剤組成物の静水圧を増大させることによって行ってもよい。
処理後、圧力容器から取り出された木質材料は、表面に付着した木質材料処理剤組成物を除去するために水で洗浄され、乾燥される。乾燥は、自然乾燥及び熱風乾燥のいずれでもよい。なお、含浸量を増大させるために、後述する質量変化の測定結果のいかんに関わらず、乾燥後の木質材料について上述の加圧注入処理を繰り返し行ってもよい。
例えば、木質材料処理剤組成物の含浸前後の前記木質材料の質量変化を木質材料の各々について測定し、単位体積あたりの含浸量が所定値以下のものについては、再度木質材料処理剤組成物の含浸を行うことが好ましい。再度含浸を行った木質材料についても、各々について含浸前後の質量変化を測定し、なおも単位体積あたりの含浸量が所定値に達しないものについては廃棄する。或いは、含浸前後の木質材料について非破壊検査等による物理的又は化学的特性の評価を行い、所定の基準に満たないものについて、再度木質材料処理剤組成物の含浸を行い又は廃棄するようにしてもよい。
含浸処理後に含浸容器に残留した木質材料処理剤組成物は、必要ならば含有成分の分析及び/又は不足する成分の補充を行った上で、再度含浸処理に用いることができる。この場合において、木質材料処理剤組成物に着色が見られる場合には、含浸により木質材料への着色が起こり、品質低下を起こすおそれがあるが、活性炭処理を行うことにより着色分を除去することが可能である。
このようにして得られる木質材料は、建築基準法施行令第1条第5号の準不燃材料、同条第6号の難燃材料、又は建築基準法第2条第9号の不燃材料の基準に適合する。上述のこれらの基準に適合するか否かについては、これらの基準法で定める技術的基準に適合する任意の試験方法により確認することができるが、試験方法の具体例としては、ISO−5660に準拠するコーンカロリーメーター法による発熱性試験が挙げられる。
コーンカロリーメーターとは、大きさ10cm×10cmの試験片をコーン型ヒーターで加熱し、発生するガス中の酸素濃度を測定する装置である。試験片は、50kw/mで加熱し、電気スパークで着火させ、燃焼による減少する酸素濃度より、発熱量及び発熱速度が計算される。
このようにして求められる発熱速度が、所定時間(不燃材料:20分、準不燃材料:10分、難燃材料:5分)の合計発熱量が8MJ/m未満であり、かつ200kW/mを超える発熱速度が10秒以上継続しない場合、発熱性試験に合格したと判定される。
このようにして得られる木質材料は、材質、大きさ、形状、不燃性能等に応じて任意の用途に用いることができる。必要に応じて、表面加工(サンドペーパー、カンナ等による表面研削、塗装等)等の加工を適宜行ってもよい。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
1.木質材料処理剤組成物の調製(実施例1〜5及び比較例1〜11)
水1Lを容器に入れ、グアニジン炭酸塩、グアニジンリン酸塩及びコハク酸を下記の表1に示す質量比で加えて撹拌し(合計質量550g)、透明な水溶液である木質材料処理剤組成物を得た。
Figure 0006894099
2.難燃処理板材の調製
ヒノキ又はイエローパイン製の板材(W=100mm、L=200mm、T=14mm、体積0.28×10−3、含水率15%以下)、及び上記1.において調製した木質材料処理剤組成物を用い、下記のようにして処理を行った。
加圧含浸装置のタンク内に板材を入れ、浮上防止処置を行った後に、タンク内圧を負圧度−0.9kPaに減圧後、1時間減圧処理を行った。減圧状態のタンク内に木質材料処理剤組成物(板材1m当たり2,000L)を速やかに加え、板材が浸漬された状態でタンク内を加圧して、タンク内圧1MPaで90分間保持後、30分かけて大気圧まで自然減圧した。タンクから取り出した板材表面の余分な液を布でふき取り、2週間自然乾燥した。次に室温60℃前後の温風乾燥室中で1週間乾燥させた。乾燥後の含水率は15%以下であった。
1枚の板材を用いて、処理前後の質量の差から、重量増加率を求めたところ、50〜75%であった。また、処理後長期間放置しても、反り、ねじれ等の変形、及び変色のいずれも見られなかった。
3.不燃性能試験
発熱性試験は、ISO−5660に準拠したコーンカロリーメーターを用い、100mm×100mmの板材を用いて行った。輻射熱量50kW/mのバーナーで放射熱を供給しながら電気スパークで点火し、20分間の総発熱量を測定した。その結果、上記2.において難燃処理した板材20分間の総発熱量は、3.60〜7.93MJ/mであり、いずれも建築基準法第2条第9号の不燃材料の基準に適合していることが確認された。
4.吸湿試験及び乾湿繰り返し試験
JISA1437に準拠して、板材の吸湿性試験を行った。その結果、上記2.において難燃処理を行った全ての板材について、吸湿率は14〜26%であった。また、公益財団法人日本住宅・木材技術センターの「優良木質建材等の品質性能基準・白華抑制塗装木質建材」を参考に(木口部のシールを行わなかった以外は、同基準に記載の方法に準拠した。)、上記2.において難燃処理を行った板材を用いて、下記の手順にしたがい乾湿繰り返し試験を行い、板材からの木質材料処理剤の滲み出しの有無及び白華現象の有無について検討を行った。
難燃処理板材(ヒノキ材)を60°傾けた状態で立てかけ、40℃、相対湿度90%の高温恒湿器内に24時間静置後、送風乾燥機内で60℃、24時間乾燥させた。以上を1サイクルとし、25サイクル繰り返し試験実施後も木質材料処理剤の滲み出しが観測されなかったものを合格とした。各実施例及び比較例において、2枚ずつの難燃処理板材を用いて行った乾湿繰り返し試験の結果を下記の表2に示す。
Figure 0006894099
表2において、2枚の試験片共に25サイクル経過後も板材からの木質材料処理剤の滲み出しが確認されなかったものを「○」、25サイクル目に板材からの木質材料処理剤の滲み出しが確認されたものを「△」、25サイクル未満で板材からの木質材料処理剤の滲み出しが確認されたものを「×」で示した。上記の結果から、グアニジン炭酸塩(成分a)、グアニジンリン酸塩(成分b)及びコハク酸(成分c)の質量比をA:B:Cとした場合、A、B、Cについて下記の関係式(1)〜(4)が成立する場合に、良好な結果(図1参照。図1において、表2における結果が「○」である組成を黒丸(closed circle)、「△」又は「×」である組成を白丸(open circle)で示した。)が得られることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記の成分a、b及びcを含む水溶液状の組成物であって、
    成分a:グアニジン炭酸
    成分b:グアニジンリン酸塩
    成分c:コハク酸
    前記成分a、b及びcの質量比をA:B:Cとした場合、A、B、Cについて下記の関係式(1)〜(5)が成立することを特徴とする木質材料処理剤組成物。
    A+B+C=100 (1)
    3≦C≦18 (2)
    3≦C<8のとき、8≦A≦13 (3)
    8≦C<13のとき、3≦A≦18 (4)
    13≦C≦18のとき、13≦A≦18 (5)
  2. 請求項1に記載の木質材料処理剤組成物を木質材料に含浸させることを特徴とする木質材料の処理方法。
  3. 減圧下で所定時間放置した木質材料を前記木質材料処理剤組成物に浸漬し、加圧下で該木質材料処理剤組成物を木質材料に含浸させることを特徴とする請求項2に記載の木質材料の処理方法。
  4. 請求項2又は3に記載の木質材料の処理方法で処理することにより得られることを特徴とする木質材料。
  5. 建築基準法施行令第1条第5号の準不燃材料、同条第6号の難燃材料、及び建築基準法第2条第9号の不燃材料の基準のいずれかに適合することを特徴とする請求項4に記載の木質材料。
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