JP6809709B2 - 難燃剤組成物及び難燃性木質材料 - Google Patents

難燃剤組成物及び難燃性木質材料 Download PDF

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Description

本発明は、難燃剤組成物及び難燃性木質材料に関する。
一般に住宅建築用の内装材又は外装材には、加工性がよく軽量で、しかも強度及び経済性に優れた木質材料が広く使用されている。その一方で、木質材料は着火し易く燃え易いために火災に対する安全性に乏しいという欠点があった。
従来、このような木質材料を難燃化するために、リン酸系又はホウ酸系の難燃剤が使用されている。該難燃剤は水に溶解させて水溶液として、木質材料に塗布(コーティング)、又は含浸させる。塗布(コーティング)では木質材料の表面層にしか難燃性を付与できないため、十分な難燃性能を付与するためには、木質材料の内部に難燃剤を導入することができる含浸処理が好ましい。
難燃性能を向上させるために、以下のような難燃剤が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。特許文献1には、ホスホン酸とアンモニアとを含む水溶液からなる木質材料用難燃化剤であって、該水溶液の全量に対し、35〜55質量%の範囲のホスホン酸と、7.2〜14質量%の範囲のアンモニアとを含む木質材料用難燃化剤が記載されている。特許文献2には、水100重量部、硼砂30〜50重量部、硼酸10〜30重量部、リン酸水素ナトリウム10〜30部と少量の着色剤を含む耐火剤溶液が記載されている。特許文献3には、ホウ酸とホウ砂が、室温以上に加温された温度でのそれぞれの単独化合物の溶解度を超える量で包含されてなるホウ素化合物の液状組成物が記載されている。特許文献4には、リン酸グアニジンの他にリン酸を助剤として使用し、水とリン酸グアニジンとリン酸との重量比を100:15〜75:0〜20とした木材の不燃化・準不燃化薬液が記載されている。しかしながら、特許文献1〜4に記載の木質材料用難燃剤が含浸された木質材料はいずれも吸湿性が高く、湿気により難燃剤がしみ出すという欠点がある。特に高温多湿である日本の環境では、難燃性木質材料の吸湿性を低くすることが望まれていた。
よって、高温高湿の環境下でも吸湿性が十分に低く、かつ難燃性能にも優れた難燃性木質材料の開発が求められている。
特開2016−7822号公報 特開2007−55271号公報 特開2006−219329号公報 特開2007−160570号公報
本発明は、吸湿性が低く、かつ難燃性能にも優れた難燃性木質材料、及び該難燃性木質材料を製造するために使用する難燃剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者が低吸湿性及び難燃性能に優れた難燃性木質材料を開発すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するリン酸化合物および特定構造を有する窒素化合物を含む難燃剤組成物を使用することで上記課題を解決することができることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記1〜9に示す難燃剤組成物及び難燃性木質材料に係る。
項1.下記(A)成分及び(B)成分を含有する木質材料用難燃剤を、8質量%以上含む難燃剤組成物であって、
該(A)成分の酸価に対する該(B)成分のモル当量が0.65以上である、難燃剤組成物。
(A)成分:下式(1)で表される有機リン化合物
Figure 0006809709
(式(1)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基又はハロゲン原子を示す。mは0以上3以下の整数であり、nは0以上2以下の整数である。)
(B)成分:下式(2)で表される窒素化合物
Figure 0006809709
(式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基を示す。
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、o−トルイル基、m−トルイル基、又はp−トルイル基を示す。
は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、−C(=O)−NH、又は−C(=NH)−NHを示す。)
項2.前記木質材料用難燃剤が、下記(C)成分をさらに含み、前記(B)成分が、前記(A)成分の酸価に対して0.65モル当量と、該(C)成分の酸価に対して1モル当量との総和以上に含まれる、上記項1に記載の難燃剤組成物。
(C)成分:下式(3)で表される無機リン化合物
Figure 0006809709
(式(3)中、kは0以上100以下の整数を示す。)
項3.前記式(3)において、kが0である上記項2に記載の難燃剤組成物。
項4.前記(A)成分と前記(C)成分の質量比が70:30〜1:99である、上記項2又は3に記載の難燃剤組成物。
項5.前記(A)成分が、下式(1−i)で表される化合物である、上記項1〜4のいずれかに記載の難燃剤組成物。
Figure 0006809709
(式(1−i)中、R1aは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
項6.前記(B)成分が、下式(2−i)で表される化合物である、上記項1〜5のいずれかに記載の難燃剤組成物。
Figure 0006809709
(式(2−i)中、R6aは、水素原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、−C(=O)−NH、又は−C(=NH)−NHを示す。)
項7.前記木質材料用難燃剤を28質量%以上含む、上記項1〜6のいずれかに記載の難燃剤組成物。
項8.上記項1〜7のいずれかに記載の難燃剤組成物を含浸処理させた難燃性木質材料であって、難燃性木質材料中に前記木質材料用難燃剤が下式(a)の含浸率で20%以上含まれる、難燃性木質材料。
Figure 0006809709
項9.前記含浸率が80%以上である、上記項8に記載の難燃性木質材料。
本発明の難燃性木質材料は、吸湿性が十分に低く、かつ優れた難燃性能を発揮することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.難燃剤組成物
本発明の難燃剤組成物は、特定構造のリン化合物と特定構造の窒素化合物とを含む木質材料用難燃剤を、8質量%以上含むことを特徴とする。難燃剤組成物中に含まれる特定構造のリン化合物ならびに特定構造の窒素化合物が木質材料に含浸されることにより、優れた低吸湿性及び難燃性を有する難燃性木質材料を得ることができる。
1−1.有機リン化合物
本発明で使用する木質材料用難燃剤は、以下の式(1)で表される有機リン化合物(以下、「(A)成分」ともいう。)を含む。
Figure 0006809709
(式(1)中、R、m、及びnは、前記に同じ。)
式(1)のRにおいて、炭素数1〜6のアルキル基として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
式(1)のRにおいて、炭素数1〜6のアルコキシ基として、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペンチルオキシ等の分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。
式(1)のRにおいて、ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
(A)成分中にRが複数個存在する場合には、複数個のRは同一でもよいし、異なっていてもよい。
mは0以上3以下の整数であり、好ましくは0又は1の整数であり、より好ましくは、0である。
nは0以上2以下の整数であり、好ましくは0である。
(A)成分の中で、好ましくは式(1−i):
Figure 0006809709
(式(1−i)中、R1aは、前記に同じ。)
で表される化合物である。
式(1−i)のR1aにおいて、炭素数1〜4のアルキル基として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、及びn−ブチルの直鎖状のアルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルの分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
式(1−i)のR1aにおいて、炭素数1〜4のアルコキシ基として、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、及びn−ブトキシの直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、及びtert−ブトキシの分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。
(A)成分の中で、より好ましくは式(1−i)において、R1aが水素原子である化合物である。
具体的には、(A)成分として、例えば、(4−アミノベンジル)ホスホン酸、(4−ブロモベンジル)ホスホン酸、(2−クロロベンジル)ホスホン酸、(3−クロロベンジル)ホスホン酸、(4−クロロベンジル)ホスホン酸、(4−シアノベンジル)ホスホン酸、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、(4−フルオロベンジル)ホスホン酸、(4−ヨードベンジル)ホスホン酸、(4−イソプロピルベンジル)ホスホン酸、(3−メトキシベンジル)ホスホン酸、(4−メトキシベンジル)ホスホン酸、(2−メチルベンジル)ホスホン酸、(3−メチルベンジル)ホスホン酸、(4−メチルベンジル)ホスホン酸、(4−ニトロベンジル)ホスホン酸、(4−ヒドロキシベンジル)ホスホン酸、フェニルホスホン酸、(4−アミノフェニル)ホスホン酸、(4−ブロモフェニル)ホスホン酸、(4−ヒドロキシフェニル)ホスホン酸、3−ホスホノ安息香酸、4−ホスホノ安息香酸、(2−メチルフェニル)ホスホン酸、(3−メチルフェニル)ホスホン酸、(4−メチルフェニル)ホスホン酸、(2−エチルフェニル)ホスホン酸、(3−エチルフェニル)ホスホン酸、(4−エチルフェニル)ホスホン酸、(2−n−プロピルフェニル)ホスホン酸、(3−n−プロピルフェニル)ホスホン酸、(4−n−プロピルフェニル)ホスホン酸、(2−イソプロピルフェニル)ホスホン酸、(3−イソプロピルフェニル)ホスホン酸、(4−イソプロピルフェニル)ホスホン酸、(2−n−ブチルフェニル)ホスホン酸、(3−n−ブチルフェニル)ホスホン酸、(4−n−ブチルフェニル)ホスホン酸、(2−イソブチルフェニル)ホスホン酸、(3−イソブチルフェニル)ホスホン酸、(4−イソブチルフェニル)ホスホン酸、(2−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸、(3−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸、(4−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸、(2−n−ペンチルフェニル)ホスホン酸、(3−n−ペンチルフェニル)ホスホン酸、(4−n−ペンチルフェニル)ホスホン酸、(2−n−ヘキシルフェニル)ホスホン酸、(3−n−ヘキシルフェニル)ホスホン酸、(4−n−ヘキシルフェニル)ホスホン酸、(2−メトキシフェニル)ホスホン酸、(3−メトキシフェニル)ホスホン酸、(4−メトキシフェニル)ホスホン酸、(2−エトキシフェニル)ホスホン酸、(3−エトキシフェニル)ホスホン酸、(4−エトキシフェニル)ホスホン酸、(2−n−プロポキシフェニル)ホスホン酸、(3−n−プロポキシフェニル)ホスホン酸、(4−n−プロポキシフェニル)ホスホン酸、(2−イソプロポキシフェニル)ホスホン酸、(3−イソプロポキシフェニル)ホスホン酸、(4−イソプロポキシフェニル)ホスホン酸、(2−n−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(3−n−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(4−n−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(2−イソブトキシフェニル)ホスホン酸、(3−イソブトキシフェニル)ホスホン酸、(4−イソブトキシフェニル)ホスホン酸、(2−tert−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(3−tert−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(4−tert−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(2−n−ペンチルオキシフェニル)ホスホン酸、(3−n−ペンチルオキシフェニル)ホスホン酸、(4−n−ペンチルオキシフェニル)ホスホン酸、(2−n−ヘキシルオキシフェニル)ホスホン酸、(3−n−ヘキシルオキシフェニル)ホスホン酸、(4−n−ヘキシルオキシフェニル)ホスホン酸、(2−フェニルエチル)ホスホン酸等が挙げられる。
これらの中でも、好ましい(A)成分は、フェニルホスホン酸、(2−メチルフェニル)ホスホン酸、(3−メチルフェニル)ホスホン酸、(4−メチルフェニル)ホスホン酸、(2−エチルフェニル)ホスホン酸、(3−エチルフェニル)ホスホン酸、(4−エチルフェニル)ホスホン酸、(2−n−プロピルフェニル)ホスホン酸、(3−n−プロピルフェニル)ホスホン酸、(4−n−プロピルフェニル)ホスホン酸、(2−イソプロピルフェニル)ホスホン酸、(3−イソプロピルフェニル)ホスホン酸、(4−イソプロピルフェニル)ホスホン酸、(2−n−ブチルフェニル)ホスホン酸、(3−n−ブチルフェニル)ホスホン酸、(4−n−ブチルフェニル)ホスホン酸、(2−イソブチルフェニル)ホスホン酸、(3−イソブチルフェニル)ホスホン酸、(4−イソブチルフェニル)ホスホン酸、(2−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸、(3−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸、(4−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸、(2−メトキシフェニル)ホスホン酸、(3−メトキシフェニル)ホスホン酸、(4−メトキシフェニル)ホスホン酸、(2−エトキシフェニル)ホスホン酸、(3−エトキシフェニル)ホスホン酸、(4−エトキシフェニル)ホスホン酸、(2−n−プロポキシフェニル)ホスホン酸、(3−n−プロポキシフェニル)ホスホン酸、(4−n−プロポキシフェニル)ホスホン酸、(2−イソプロポキシフェニル)ホスホン酸、(3−イソプロポキシフェニル)ホスホン酸、(4−イソプロポキシフェニル)ホスホン酸、(2−n−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(3−n−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(4−n−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(2−イソブトキシフェニル)ホスホン酸、(3−イソブトキシフェニル)ホスホン酸、(4−イソブトキシフェニル)ホスホン酸、(2−tert−ブトキシフェニル)ホスホン酸、(3−tert−ブトキシフェニル)ホスホン酸、及び(4−tert−ブトキシフェニル)ホスホン酸である。
より好ましい(A)成分は、フェニルホスホン酸、(2−メチルフェニル)ホスホン酸、及び(3−メチルフェニル)ホスホン酸、及び(4−メチルフェニル)ホスホン酸であり、さらに好ましくは、フェニルホスホン酸である。
1−2.窒素化合物
本発明で使用する木質材料用難燃剤は、以下の一般式(2)で表される窒素化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)を含む。
Figure 0006809709
(式(2)中、R、R、R、R、及びRは、前記に同じ。)
(B)成分の中で、好ましくは、式(2−i):
Figure 0006809709
(式(2−i)中、R6aは、前記に同じ。)
で表される化合物である。
より好ましい(B)成分は、前記式(2−i)において、R6aが、水素原子、−C(=O)−NH、又は−C(=NH)−NHである化合物である。
具体的には、(B)成分として、例えば、グアニジン、アミノグアニジン、ジシアンジアミド、ニトログアニジン、1−ニトロソグアニジン、グアニル尿素、ビグアニド、メトホルミン、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−n−プロピルグアニジン、1−イソプロピルグアニジン、2−メチルグアニジン、2−エチルグアニジン、2−n−プロピルグアニジン、2−イソプロピルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。
これらの中でも、好ましい(B)成分は、グアニジン、アミノグアニジン、ジシアンジアミド、ニトログアニジン、1−ニトロソグアニジン、グアニル尿素、及びビグアニドである。
より好ましい(B)成分は、グアニジン、グアニル尿素、及びビグアニドであり、さらに好ましくはグアニジンである。
1−3.無機リン化合物
本発明で使用する木質材料用難燃剤は、必要に応じて、以下の式(3)で表される無機リン化合物(以下、「(C)成分」ともいう。)を含んでもよい。
Figure 0006809709
(式(3)中、kは、前記に同じ。)
(C)成分の中で、好ましくは前記式(3)において、kが0又は1の整数である化合物である。より好ましくは、前記式(3)において、kが0である化合物である。
具体的には、(C)成分として、例えば、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
これらの中でも、好ましい(C)成分は、リン酸、及びピロリン酸であり、より好ましくは、リン酸である。
前記木質材料用難燃剤に含まれる、(A)成分(有機リン化合物)と(B)成分(窒素化合物)との割合は、(A)成分の酸価に対する(B)成分のモル当量で表される。前記木質材料用難燃剤が、(A)成分及び(B)成分を含む場合、低吸湿性を付与する観点から、前記木質材料用難燃剤中に、前記(B)成分が、前記(A)成分の酸価に対して0.65モル当量以上含まれることが必要である。(A)成分の酸価に対して、(B)成分を0.65モル当量以上含むことにより、低吸湿性に優れた難燃性木質材料を得ることができる。前記(B)成分の配合量の上限値は特に限定されず、(A)成分の酸価に対して、1.6モル当量以下が好ましく、1.3モル当量以下がより好ましい。
前記木質材料用難燃剤が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む場合には、前記木質材料用難燃剤中に、前記(B)成分が、前記(A)成分の酸価に対して0.65モル当量と、前記(C)成分の酸価に対して1モル当量との総和以上の量が含まれることが好ましい。上記条件を満たすように上記(B)成分を含むことで、より低吸湿性に優れた難燃性木質材料を得ることができる。
ここで、本明細書においての酸価とは、pHが7以上11以下の範囲内に現れる中和点(変曲点)を終点とし、前記終点までに要する溶液量から算出される数値のことである。なお、酸価の測定は、JIS K 0070の電位差滴定法に準じて、前記(A)成分単体若しくはその溶液、及び前記(C)成分単体若しくはその溶液を試料として、滴定にアルカリ溶液を用いて行う。
前記木質材料用難燃剤が、リン化合物として(A)成分及び(C)成分の両方を含む場合、(A)成分と(C)成分との割合は、質量比で70:30〜1:99であることが好ましく、60:40〜15:85がより好ましい。
本発明の難燃剤組成物には、上述した木質材料用難燃剤が、8質量%以上含まれる。難燃性向上の観点から、28質量%以上含まれることが好ましい。上限については特に限定されず、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
本発明の難燃剤組成物において、木質材料用難燃剤として前記(A)成分及び前記(B)成分を含む場合、木質材料用難燃剤中に、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計量で50質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましく、前記(A)成分及び前記(B)成分のみからなることがさらに好ましい。また、木質材料用難燃剤として前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分を含む場合には、木質材料用難燃剤中に、前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計量で50質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましく、前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分のみからなることがさらに好ましい。
前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分に加えて、木質材料用難燃剤として使用可能な難燃剤を、本発明の効果を阻害しない範囲内で使用することができる。このような難燃剤として、従来より公知の難燃剤を広く使用することができる。公知の難燃剤として、例えば、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、尿素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、スルファミン酸、スルファミン酸グアニジン、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸アンモニウム等を挙げることができる。
本発明の難燃剤組成物は、上記木質材料用難燃剤に加えて、溶媒、添加剤等を含むことができる。
溶媒として、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、二硫化炭素等が挙げられる。これらの中で、水、メタノール、及びエタノールが好ましく、水がより好ましい。
添加剤として、前記木質材料用難燃剤以外の公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤として、染料、着色顔料、消泡剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、塩化合物等を挙げることができる。前記添加剤は、含浸処理に使用される難燃剤溶液中に添加して含浸処理することにより、木質材料に難燃性以外の効果を付与することができる。前記添加剤の添加量は、木質材料の難燃性を阻害しない範囲で適宜調整すればよい。
2.難燃性木質材料
本発明の難燃性木質材料は、上述した木質材料用難燃剤を含む難燃剤組成物で含浸処理されたものである。難燃性木質材料中に特定構造のリン化合物及び特定構造の窒素化合物を含む木質材料用難燃剤が特定の比率で含まれることにより、優れた低吸湿性及び難燃性を発揮することができる。
本発明の難燃性木質材料中には、前記木質材料用難燃剤が、下式(a)の含浸率で20%以上含まれる。
Figure 0006809709
前記木質材料用難燃剤が20%以上の含浸率で含まれることにより、本発明の難燃性木質材料は優れた難燃性能を発揮することができる。含浸率の下限値は、80%以上がより好ましい。前記含浸率の上限値は、特に限定されない。難燃性木質材料の輸送時又は建築作業時の取り扱いの観点から、170%以下が好ましく、130%以下がより好ましい。
2−1.木質材料
難燃化の対象である木質材料の形状は特に制限はない。例えば、木材を機械的に破砕若しくは切削し、又は化学的に処理して、細片状(チップ、ストランド等)、木毛状等としたものを原料として製造される、合板、合板用単板、集成材、パーティクルボード、ファイバーボード等;天然の木材から切り出された板材、紙、パルプ等が挙げられる。木質材料の用途についても特に制限はなく、家具、住宅建築材料等を木質材料として使用することができる。木材の種類についても特に制限はなく、カエデ、カシ、キリ、クリ、ケヤキ、ブナ、カバ、ヤチダモ、スギ、ヒノキ、マツ、イチョウ、イブキ、ツガ等が挙げられる。
2−2.難燃性木質材料の製造方法
木質材料を難燃化するための処理方法は公知の方法を使用することができ、例えば、塗布、コーティング、含浸、注入などが挙げられる。この中で、含浸および注入による処理方法が好ましい。
含浸処理及び/又は注入処理を行う場合、木質材料用難燃剤、必要により他の添加剤及び溶媒を含む難燃剤組成物を用いることが好ましい。溶媒として、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、二硫化炭素等が挙げられる。これらの中で、水、メタノール、及びエタノールが好ましく、水がより好ましい。
含浸処理を行う方法は特に限定されず、加圧による含浸処理方法、減圧による含浸処理方法、常圧による含浸処理方法、及びこれらを組み合わせた含浸処理方法等が挙げられる。いずれの方法を用いてもよいが、木質材料用難燃剤を容易に注入する観点から、少なくとも加圧による含浸処理方法又は減圧による含浸処理方法を含むことが好ましく、少なくとも減圧による含浸処理方法を含むことがより好ましい。加圧は通常200〜3000kPa程度、好ましくは400〜2000kPa程度で、減圧は通常0.1〜50kPa程度、好ましくは2〜30kPa程度で実施される。含浸処理時間は特に限定されず、難燃化処理を行う木質材料の大きさに合わせて適宜変更することができる。例えば、5分間〜24時間程度である。
含浸処理を行うときの、難燃剤組成物の温度は特に限定されない。室温(15〜25℃程度)でもよいし、必要に応じて、25〜100℃の範囲に調節してもよい。
本発明の難燃性木質材料は、必要とされる難燃性能に応じて木質材料用難燃剤の含浸量を適宜調節することができる。木質材料単位体積あたりの注入した木質材料用難燃剤の重量(単位:kg/m又はg/cm)で表される。また、乾燥時の木質材料に対して注入した木質材料用難燃剤の重量は、下記式(a)で表される含浸率で表すことができる。よって、前記含浸率が20%以上になるように、前記木質材料用難燃剤の注入量を調節する。
Figure 0006809709
含浸率の下限値は、80%以上が好ましい。前記含浸率の上限値は特に限定されず、170%以下が好ましく、130%以下がより好ましい。
含浸処理を行うに際し、処理に供する木質材料は、予め乾燥させておくことが好ましい。乾燥方法は、天日乾燥、加熱炉を用いた強制乾燥等のいずれでもよい。乾燥の程度は、通常、木材に反り、割れ等が生じない範囲で可能な限り乾燥させるのが好ましい。
含浸処理後の木質材料は、乾燥させることが好ましい。乾燥の温度は、通常30〜150℃程度、好ましくは50〜100℃程度で行う。乾燥炉は溶媒の沸点以上に加熱できるものであればよく、例えば、熱風式乾燥炉、赤外線式乾燥炉等を使用することができる。
本発明の難燃性木質材料は、難燃性に優れつつ、吸湿性が抑制されている。よって、本発明の難燃性木質材料はそのまま、住宅、店舗、及びその他の建築構造物の内外装、家具材、土木基礎材等に利用することができる。また、木質材料の表面を公知の防水剤を用いて防水塗装して用いることも可能である。
以下、実施例の一部を紹介するが、ここに記された内容が全てではなく、これらによって本発明の範囲が制約されるものではない。
(実施例1)
以下の方法に従い、難燃性木質材料試験片を作製した。
(1)難燃剤組成物の調製
フェニルホスホン酸(酸価:687.45mgKOH/g、東京化成工業(株)製)121.1g及び水500gを容器に取り、フェニルホスホン酸が溶解するまで撹拌した。この水溶液に、撹拌しながら炭酸グアニジン(東京化成工業(株)製)92.2gを加え、難燃剤組成物(固体換算26.6質量%)を調製した。フェニルホスホン酸に対して0.65モル当量の炭酸グアニジンは86.9gと算出された。よって、実施例1の難燃剤組成物には、6%過剰のグアニジンが含まれる。
(2)難燃性木質材料試験片の製造
木質材料として、100mm×100mm×18mmのスギ辺材板目板を使用した。上記木質材料を60℃の送風乾燥器で十分に乾燥し、初期乾燥後の重量Wを秤量した。上記木質材料を難燃剤組成物中に沈め、室温(25℃)で減圧装置を用いて5〜7kPaで3〜4時間減圧した後、常圧に戻して一晩浸漬し含浸処理した。その後60℃の送風乾燥器で恒量になるまで乾燥し、難燃性木質材料を得た。難燃性木質材料試験片の重量Wを計測し、以下の式(a)により含浸率を算出した。
Figure 0006809709
(比較例1)
難燃剤組成物による含浸処理を行わずに、60℃の送風乾燥器で恒量になるまで乾燥した木質材料を試料として用いた。
実施例1及び比較例1の難燃性木質材料について、以下の発熱性試験及び吸湿性試験を行った。
[難燃性試験]
ISO5660に準拠してコーンカロリーメーター試験を行い、5分後、10分後、及び20分後に総発熱量を測定した。総発熱量の結果から、難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[吸湿性試験]
難燃性木質材料を40℃、90%RHの恒温恒湿器に恒量になるまで放置し、下式(b)により吸湿率を算出した。
Figure 0006809709
吸湿率が25%以下のものを「2」とし、25%を超え50%以下のものを「1」とし、50%を超えるものを「0」とした。結果を表1に示す。
Figure 0006809709
表1より、難燃剤組成物による含浸処理を行わなかった比較例1の木質材料試験片は、実施例1と比べてコーンカロリーメーター試験による総発熱量が高いことがわかった。実施例1の難燃性木質材料試験片は、低吸湿性でありながら難燃性にも優れていることがわかる。
(実施例2)
以下の方法に従い、難燃性木質材料試験片を作製した。
フェニルホスホン酸(酸価は実施例1と同じ、東京化成工業(株)製)75.0g、85質量%のリン酸(酸価:954.05mgKOH/g、キシダ化学(株)製)37.8g(フェニルホスホン酸:リン酸の質量比=70:30)、及び水745.6gを容器に取り、溶解するまで撹拌した。この水溶液に、撹拌しながら炭酸グアニジン(東京化成工業(株)製)123.1gを加え、難燃剤組成物(固体換算20質量%)を調製した。その後は実施例1の(2)に記載の方法に従い、難燃性木質材料を得た。フェニルホスホン酸に対して0.65モル当量の炭酸グアニジンは53.8gであり、リン酸の酸価に対して1モル当量の炭酸グアニジンは57.9gであることから、必要な炭酸グアニジンの量(両者の総和)は111.7gと算出された。よって、実施例2の難燃剤組成物には、10%過剰のグアニジンが含まれる。
(実施例3)
フェニルホスホン酸20.0g、85質量%のリン酸23.5g(フェニルホスホン酸:リン酸の質量比=50:50)、水673.7g、炭酸グアニジン53.8gとし、木質材料用難燃剤水溶液(固体換算10質量%)を調製した以外は実施例2と同様にして難燃性木質材料を得た。フェニルホスホン酸に対して0.65モル当量の炭酸グアニジンは14.4gであり、リン酸の酸価に対して1モル当量の炭酸グアニジンは36.0gであることから、必要な炭酸グアニジンの量(両者の総和)は50.4gと算出された。よって、実施例3の難燃剤組成物には、7%過剰のグアニジンが含まれる。
(実施例4)
フェニルホスホン酸63.0g、85質量%のリン酸172.9g(フェニルホスホン酸:リン酸の質量比=30:70)、水937.7g、炭酸グアニジン310.1gとし、木質材料用難燃剤水溶液(固体換算30質量%)を調製した以外は実施例2と同様にして難燃性木質材料を得た。フェニルホスホン酸に対して0.65モル当量の炭酸グアニジンは45.2gであり、リン酸の酸価に対して1モル当量の炭酸グアニジンは264.9gであることから、必要な炭酸グアニジンの量(両者の総和)は310.1gと算出された。よって、実施例4の難燃剤組成物には、両者の総和と等量のグアニジンが含まれる。
(比較例2)
フェニルホスホン酸108.8g、85質量%のリン酸54.9g(フェニルホスホン酸:リン酸の質量比=70:30)、水598.4g、炭酸グアニジン159.5gとし、木質材料用難燃剤水溶液(固体換算30質量%)を調製した以外は実施例2と同様にして難燃性木質材料を得た。フェニルホスホン酸に対して0.65モル当量の炭酸グアニジンは78.1gであり、リン酸の酸価に対して1モル当量の炭酸グアニジンは84.1gであることから、必要な炭酸グアニジンの量(両者の総和)は162.2gと算出された。よって、実施例3の難燃剤組成物のグアニジン含有量は、必要量より2%少ないことがわかる。
(比較例3)
前記特許文献2(特開2007−55271号公報)を参考に、ホウ酸を主成分とする木質材料用難燃剤水溶液を下記の通り調製した以外は、実施例2と同様にして難燃性木質材料を得た。水900gを容器の中に入れて90℃に加熱した後、硼砂(四硼酸ナトリウム10水塩)(キシダ化学(株)製)350gとリン酸アルミニウム(キシダ化学(株)製)5gとホウ酸(キシダ化学(株)製)150gとを加えて液が透明になるまで攪拌し、さらに液温が92℃になるまで液を加熱することによって木質材料用難燃剤水溶液を(固体換算36質量%)を調製した。
(比較例4)
前記特許文献5(特開2007−160570号公報)を参考に、リン酸グアニジンからなる木質材料用難燃剤水溶液を下記の通り調製した以外は、実施例2と同様にして難燃性木質材料を得た。85質量%のリン酸水溶液(キシダ化学(株)製)195g、及び水822.9gを容器に取り、撹拌しながら炭酸グアニジン240.5gを加え、木質材料用難燃剤水溶液(固体換算27.5質量%)を調製した。リン酸の酸価に対して1モル当量の炭酸グアニジンは298.7gと算出された。よって、比較例4の難燃剤組成物のグアニジン含有量は、必要量より19%少ないことがわかる。
実施例2〜4及び比較例2〜4の難燃性木質材料について、以下の発熱性試験及び吸湿性試験を行った。
[発熱性試験]
発熱性試験は、ISO5660に準拠して行った。コーンカロリーメーターにより試験を行い、以下の3つの基準に基づいて難燃性を評価した。
(1)総発熱量が8MJ/m以下。
(2)最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m を超えないこと。
(3)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂および穴がないこと。
上記3つの基準を20分間満たしたものを「不燃材料」とし、10分間満たしたものを「準不燃材料」とし、5分間満たしたものを「難燃材料」とし、いずれも満たさないものを「不合格」とした。結果を表2に示す。
[吸湿性試験]
上記実施例1及び比較例1と同じ方法を用いて試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006809709
表2より、比較例2〜4の難燃性木質材料試験片は、実施例2〜4と比べて吸湿率が高いことがわかった。
一方、実施例2〜4の難燃性木質材料試験片は、低吸湿性に優れており、発熱性試験による難燃性能が準不燃材料以上と評価された。

Claims (9)

  1. 下記(A)成分及び(B)成分を含有する木質材料用難燃剤を、8質量%以上含む難燃剤組成物であって、
    該(A)成分の酸価に対する該(B)成分のモル当量が0.65以上である、難燃剤組成物。
    (A)成分:下式(1)で表される有機リン化合物
    Figure 0006809709
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基又はハロゲン原子を示す。mは0以上3以下の整数であり、nは0以上2以下の整数である。)
    (B)成分:下式(2)で表される窒素化合物
    Figure 0006809709
    (式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基を示す。
    、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、o−トルイル基、m−トルイル基、又はp−トルイル基を示す。
    は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、−C(=O)−NH、又は−C(=NH)−NHを示す。)
  2. 前記木質材料用難燃剤が、下記(C)成分をさらに含み、前記(B)成分が、前記(A)成分の酸価に対して0.65モル当量と、該(C)成分の酸価に対して1モル当量との総和以上に含まれる、請求項1に記載の難燃剤組成物。
    (C)成分:下式(3)で表される無機リン化合物
    Figure 0006809709
    (式(3)中、kは0以上100以下の整数を示す。)
  3. 前記式(3)において、kが0である請求項2に記載の難燃剤組成物。
  4. 前記(A)成分と前記(C)成分の質量比が70:30〜1:99である、請求項2又は3に記載の難燃剤組成物。
  5. 前記(A)成分が、下式(1−i)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃剤組成物。
    Figure 0006809709
    (式(1−i)中、R1aは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
  6. 前記(B)成分が、下式(2−i)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の難燃剤組成物。
    Figure 0006809709
    (式(2−i)中、R6aは、水素原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、−C(=O)−NH、又は−C(=NH)−NHを示す。)
  7. 前記木質材料用難燃剤を28質量%以上含む、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の難燃剤組成物を含浸処理させた難燃性木質材料であって、難燃性木質材料中に前記木質材料用難燃剤が下式(a)の含浸率で20%以上含まれる、難燃性木質材料。
    Figure 0006809709
  9. 前記含浸率が80%以上である、請求項8に記載の難燃性木質材料。
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