JP4221608B2 - 不燃木材板の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、このように便利な木材であっても燃え易いという難点があって、これを建築用の資材または種々の調度品の材料として利用する場合には、必要に応じてこの難点を解消するために木材を難燃化するための技術が従来種々提案されている。
〔1〕 厚さ6〜60mmの木材板を乾燥させて含水率9重量%以下となした後、この木材板を液温40〜70℃の硼酸と水溶性硼酸塩と水溶性リン酸塩と水溶性アルカリ金属珪酸塩と少量の着色剤との混合水溶液からなる耐火剤溶液、すなわち水100重量部、硼砂20〜46重量部、硼酸10〜15重量部、リン酸水素ナトリウム5〜10重量部と少量の着色剤とからなる第1水溶液80〜99容量%と、2〜8重量%の珪酸ナトリウム水溶液からなる第2水溶液20〜1容量%との混合液からなる耐火剤溶液、中に40〜70torrの減圧下に6〜72時間浸漬し、その後前記木材板を耐火剤溶液から取り出して、常温で1〜30日間乾燥させ、さらに30〜80℃で5時間〜9日間乾燥させて、含水率18重量%以下となすことを特徴とする、着色不燃木材板の製造方法。
〔2〕 厚さ6〜60mmの木材板を乾燥させて含水率9重量%以下となした後、この木材板を液温40〜70℃の硼酸と水溶性硼酸塩と水溶性リン酸塩と水溶性アルカリ金属珪酸塩と少量の着色剤との混合水溶液からなる耐火剤溶液、すなわち水100重量部、硼砂20〜46重量部、硼酸10〜15重量部、リン酸水素ナトリウム5〜10重量部と少量の着色剤とからなる第1水溶液80〜99容量%と、2〜8重量%の珪酸ナトリウム水溶液からなる第2水溶液20〜1容量%との混合液からなる耐火剤溶液、中に40〜70torrの減圧と6〜15気圧の加圧を付与して6〜72時間浸漬し、その後前記木材板を耐火剤溶液から取り出して、常温で1〜30日間乾燥させ、さらに30〜80℃で5時間〜9日間乾燥させて、含水率18重量%以下となすことを特徴とする着色不燃木材板の製造方法。
〔4〕 被処理物である前記木材板が杉、桐、松、楢、ブナ、タモ、朴の木、サワラ、檜及び桜から選択されるいずれか1種の木材板であることを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の着色不燃木材板の製造方法。
また、この不燃木材板の製造に用いられる本発明の耐火剤溶液は耐火性の無機質成分で構成されているので、加熱されても有害ガスを発生することがなく、高い安全性を具えている。
また、含浸処理容器内の雰囲気空気圧を変化させて耐火剤溶液に減圧−加圧を繰り返し作用させることにより、被処理木材板に耐火剤溶液を含浸させることも好ましい。
処方例1(耐火剤溶液1):固形分36.9重量%液
第1水溶液
水 900g
硼砂 400g
硼酸 120g
リン酸二水素ナトリウム無水塩 60g
第2水溶液
水 96g
メタ珪酸ナトリウム無水塩 4g
上記の第2水溶液は、容器の中に入れた96gの水に4gのメタ珪酸ナトリウム無水塩を加えて、このメタ珪酸ナトリウム無水塩が完全に溶けるまで液を攪拌し、次いで10mlのコロイダルシリカ30nを加えて白濁した液が透明になるまで液を静止させることによって製造される。
このようにして調製された第1水溶液と第2水溶液とを常温で混合、攪拌すると、薄い灰色の混合水溶液が得られる。
この耐火剤溶液1は一般に、厚さ24mm以上の板材を不燃化するのに好ましく使用される。
第1水溶液
水 900g
硼砂 150g
無水硼酸(B2 O3 ) 90g
リン酸二水素ナトリウム無水塩 4g
第2水溶液
水 96g
メタ珪酸ナトリウム無水塩 4g
製造方法は耐火剤溶液1の場合と同様。
この耐火剤溶液2は一般に、厚さ15〜24mmの板材を不燃化するために好ましく使用される。
第1水溶液
水 900g
硼砂 200g
無水硼酸(B2 O3 ) 120g
リン酸二水素ナトリウム無水塩 4g
第2水溶液
水 96g
メタ珪酸ナトリウム無水塩 4g
製造方法は耐火剤溶液1の場合と同様。
この耐火剤溶液3は一般に、厚さ9〜12mmの板材を不燃化するのに好ましく使用される。
第1水溶液
水 900g
四硼酸ナトリウム無水塩 100g
硼砂 200g
無水硼酸(B2 O3 ) 80g
硼酸 100g
リン酸二水素ナトリウム無水塩 25g
第2水溶液
水 96g
メタ珪酸ナトリウム無水塩 4g
製造方法は耐火剤溶液1の場合と同様。
第1水溶液
水 900g
硼砂 350g
硼酸 150g
リン酸アルミニウム 5g
第2水溶液
水 96g
メタ珪酸ナトリウム無水塩 4g
水 900g
硼砂 350g
硼酸 150g
リン酸アルミニウム 5g
さらに液温が92℃になるまで液を加熱することによって製造される。
なお、上記の第2水溶液の調製は前記耐火剤溶液1での調製と同様にして行われた。
このようにして調製された第1水溶液と第2水溶液とを常温で混合、攪拌すると、薄い灰色の混合水溶液(液比重=1.22、液温30℃で測定)が得られる。
この耐火剤溶液5及び6は一般に、厚さ9mm以上の板材を不燃化するのに好ましく使用され、該耐火剤溶液を用いて不燃化処理された耐火木材は、前記耐火剤溶液1〜4よりも優れた燃焼試験成績のものとなった。
また、上記の耐火剤溶液中に、天然又は合成の顔料又は染料等の着色料を添加しておけば、不燃木材に適宜の着色や模様を施すこともでき、この着色や模様は強固な硼珪酸ガラスに伴って形成されるので、非常に強固かつ堅牢であるという特徴を具えている。
このような着色料としては、上記の木工用顔料及び染料等を挙げることができる。
本発明によれば、耐火剤の木材板に対する含浸が最大限に促進されて、その含浸量を著しく増大させることができる結果、建築基準法に規定される不燃材料ないし準不燃材料の条件を完全に満たす木材板が提供される。
実施例1:
試験体として、次の杉板白身2種(A体及びB体)を用意した。
A体:D=61mm×L=200mm×T=14mm、
重さ=50.69g、体積=170.8cm3 、比重=0.296、
含水率=15.1%
B体:D=61mm×L=200mm×T=14mm、
重さ=49.98g、体積=170.8cm3 、比重=0.293、
含水率=14.6%
時間 0:00 A、B試験体をステンレス容器内で、減圧下で加温乾燥して、これらの 試験体の含水率を目標値の0%まで低下させる。
時間 3:10 乾燥した前記のA、B試験体を容器に入れて、減圧下で50℃に加温し 試験体内の空気を抜く。
時間 3:35 加温、減圧を停止する。試験体を取り出す。
時間 3:40 ステンレス容器内にA、B試験体を並べて、その各々に重石を載せる。
耐火剤溶液を注入し、これらの試験体を液中に埋没させる。
時間 3:43 真空含浸装置の中に充填された耐火剤溶液に試験体を漬け込んで、この 真空含浸装置を50℃の加温状態に設定して減圧する。
時間 4:20 加温減圧で70torrまで引圧し、減圧の電源を切り、その状態を維 持する。
時間 5:30 減圧下70torrで50℃を維持する。(約24時間含浸処理する)
時間29:00 加温装置の電源を切る。
時間29:30 常圧に戻して、A、B試験体を薬液から取り出す。
時間29:50 80℃における減圧下の雰囲気中で試験体に乾燥処理を施す。
時間30:00 乾燥処理を終了させて試験体を取り出し、全工程を完了させる。
時間33:00 全工程を完了させる。た試験体について燃焼試験を実施する。
燃焼試験の結果、全ての試験体が防火性能レベルで「不燃材料」の性能 として「不燃」の評価となった。
(1)90℃の水95gに硼砂40gを加えて透明な液が得られるまで攪拌することによって、液温は約92℃に上昇する。
(2)上記の(1)で得られた液にリン酸二水素ナトリウム6gを添加して、液が透明になるで攪拌する。
(3)上記の(2)で得られた液に硼酸12gを添加して、液が常温になるまで自然放冷させる。
(4)上記の(3)で得られた液にメタ珪酸ナトリウム4%水溶液(水ガラス水溶液)5gを添加することによって、耐火剤溶液が得られる。
上記3時35分時におけるA体の重量43.99g、比重0.257、含水率0%、
B体の重量43.55g、比重0.255、含水率0%、
上記41時30分時におけるA体の重量182.3g、比重1.07、重量比259%、
B体の重量186.7g、比重1.09、重量比273%、
注)重量比=当初試験体重量に対する耐火剤溶液の含浸量の百分率
=(41時30分時重量−当初試験体重量)÷当初試験体重量×100
また、この試験体中に含浸された耐火剤の含浸状態を調べたところ、杉板の導管部ばかりでなく、この導管部の周囲の組織にも、耐火剤が導管の方向に沿って含浸されていることが確認された。
試験体として、次の杉板白身3種(a体、b体及びc体)を用意した。
a体:D=100mm×L=300mm×T=24mm、
重さ=264.2g、体積=720cm3 、比重=0.36、
含水率=24.23%
b体:D=100mm×L=300mm×T=18mm、
重さ=202.82g、体積=540cm3 、比重=0.37、
含水率=16.5%
c体:D=100mm×L=300mm×T=15mm、
重さ=157.9g、体積=450cm3 、比重=0.35、
含水率=15.7%
11月18日
時間14:45 a体、b体及びc体を50℃の加温された減圧下で乾燥する。
時間17:00 途中でa体、b体及びc体の含水率を測定して、この含水率が3%程度低下したことが分かる。
乾燥を翌日の昼まで継続させる。
時間13:00 常圧にして、各試験体について計測すると、次の結果が得られた。
昨日に比べて3〜10%程度減の乾燥度であった。
a体:重さ=243.2g、含水率=15.7%
b体:重さ=190.3g、含水率= 9.0%
c体:重さ=151.2g、含水率=12.0%
時間13:10 乾燥を早めるため、マイクロウエーブをかける。
30sec×8回、2450±30MHz、出力0〜5kW。
時間16:30 再度、60℃で温風乾燥機に入れて、翌朝まで乾燥させる。
時間10:00 常圧にして、各試験体について計測すると、次の結果が得られた。
昨日に比べて6〜10%程度減の乾燥度であった。
a体は再度13:00まで乾燥させる。
a体:重さ=139.5g、含水率=3.2%
b体:重さ=180.6g、含水率=2.9%
c体:重さ=140.2g、含水率=4.0%
時間13:10 試験体をアルミトレイに並べて重石を載せ、実施例1で用いたの と同じ耐火剤溶液を注入する。
時間13:30 真空ポンプで70torr1時間減圧した後、常圧に戻し、10気圧で 耐火剤溶液の加圧含浸を開始する。
時間13:00 真空ポンプの電源を切って、加圧を停止させる。(含浸完了)
時間13:10 試験体について計測すると、次の結果が得られた。
a体:重さ=1030.4g、含水率=測定不能
(100%を越えている)
b体:重さ=558.1g、含水率=測定不能
(100%を越えている)
c体:重さ=483g、含水率=測定不能
(100%を越えている)
時間17:00 試験体の乾燥を温風乾燥機により60℃で開始する。
11月22日 温風乾燥機により60℃で乾燥させる。
11月23日 温風乾燥機により60℃で乾燥させる。
11月24日 温風乾燥機により60℃で乾燥させる。
11月25日 温風乾燥機により60℃で乾燥させる。
11月26日
時間13:10 試験体について計測すると、次の結果が得られた。乾燥度60%減程度 なので、乾燥温度を80℃にする。
a体:重さ=439.2g、含水率=14.0%
b体:重さ=271.6g、含水率=16.0%
c体:重さ=247.5g、含水率=13.0%
時間16:00 乾燥完了。試験体を燃焼試験用にカットする。
時間17:00 全工程が完了する。
時間10:00 上記の全工程が完了した試験体について燃焼試験を実施する。
時間11:30 燃焼試験が終了する。燃焼試験の結果、全ての試験体が防火性能レベル で「不燃材料」の性能として「不燃」の評価となった。
すなわち、以上の全工程が完了した各試験体に関するコーンカロリーメータ試験の結果は下記の通りであって、それのグラフ図は図1〜図3に示す通りであった。 なお、図1、図2及び図3は、それぞれa体、b体及びc体に関するグラフ図である。
a体:着火時間=142秒、
総発熱量(MJ/m2 ) =5分間:0.91、
10分間:1.8、
20分間:2.9
裏面まで貫通する亀裂等:なし
10秒以上継続する200kW/m2 を越える発熱:なし
防火性能レベル=不燃
総発熱量(MJ/m2 ) =5分間:0.55、
10分間:1.61、
20分間:6.02
裏面まで貫通する亀裂等:なし
10秒以上継続する200kW/m2 を越える発熱:なし
防火性能レベル=不燃
c体:着火時間=805秒、
総発熱量(MJ/m2 ) =5分間:0.34、
10分間:0.79、
20分間:7.71
裏面まで貫通する亀裂等:なし
10秒以上継続する200kW/m2 を越える発熱:なし
防火性能レベル=不燃
試験体として、次の桐板を用意して、上記の実施例1及び2と同様にして、不燃化された試験体を製造し、その特性を調べた結果、次のような結果が得られた。
試験体の面積:0.008840m2
試験体の厚さ:15.0mm
試験体の質量:98.50g
含水率=1%
この不燃化処理によって得られた桐板の含水率は18%であった。
コーンカロリーメーターによる燃焼試験の条件は次の通りであった。
輻射量:50.0kW/m2 (ヒーター温度:670.3℃)
排気流量:0.024m3 /sec
(排気温度:18.7℃、排気圧力:138.931Pa)
オリフィスタイプ:ラージ
サンプル距離:25mm
試験時間:1200.00sec(サンプリング間隔:2sec)
総発熱量:3.77 MJ/m2
最大発熱速度(HRR):812.10secにおいて6.11kW/m2
平均発熱速度(HRR):3.01kW/m2
平均発熱速度 T60: 0.38kW/m2
平均発熱速度 T180:1.13kW/m2
平均発熱速度 T300:1.11kW/m2
最終サンプル質量:57.37g
サンプル質量減少:41.13g
着火時間:着火せず(20分間)
200k超過継続時間:0.0sec
200k超過総時間: 0.0sec
裏面に達する亀裂の有無:無し
貫通孔の有無:無し
平均燃焼有効発熱量(HOC):0.81MJ/kg
平均質量減少率(MLR):3.951g/s・m2
平均比減光面積(SEA):48.94m2 /kg
図4は、この試験体について燃焼試験を実施した上記の結果を示すグラフ図である。
試験体として、次の杉板を用意して、上記の実施例1及び2と同様にして、不燃化された試験体を製造し、その特性を調べた結果、次のような結果が得られた。
試験体の面積:0.008840m2
試験体の厚さ:15.0mm
試験体の質量:99.40g
含水率=9%
この不燃化処理によって得られた桐板の含水率は18%であった。
コーンカロリーメーターによる燃焼試験の条件は次の通りであった。
輻射量:50.0kW/m2 (ヒーター温度:670.3℃)
排気流量:0.024m3 /sec
(排気温度:18.7℃、排気圧力:138.931Pa)
オリフィスタイプ:ラージ
サンプル距離:25mm
試験時間:1200.00sec(サンプリング間隔:2sec)
総発熱量:5.68 MJ/m2
最大発熱速度(HRR):1092.10secにおいて8.65kW/m2
平均発熱速度(HRR):4.52kW/m2
平均発熱速度 T60: 0.37kW/m2
平均発熱速度 T180:1.04kW/m2
平均発熱速度 T300:1.96kW/m2
最終サンプル質量:61.56g
サンプル質量減少:37.84g
着火時間:着火せず(20分間)
200k超過継続時間:0.0sec
200k超過総時間: 0.0sec
平均燃焼有効発熱量(HOC):1.33MJ/kg
平均質量減少率(MLR):3.579g/s・m2
平均比減光面積(SEA):4.894m2 /kg
図5は、この試験体について燃焼試験を実施した上記の結果を示すグラフ図である。
試験体として、次の桐板を用意して、上記の実施例1及び2と同様にして、不燃化された試験体を製造し、その特性を調べた結果、次のような結果が得られた。
試験体の面積:0.008840m2
試験体の厚さ:15.0mm
試験体の質量:104.60g
含水率=1%
この不燃化処理によって得られた桐板の含水率は18%であった。
コーンカロリーメーターによる燃焼試験の条件は次の通りであった。
輻射量:50.0kW/m2 (ヒーター温度:670.3℃)
排気流量:0.024m3 /sec
(排気温度:18.7℃、排気圧力:138.931Pa)
オリフィスタイプ:ラージ
サンプル距離:25mm
試験時間:1200.00sec(サンプリング間隔:2sec)
総発熱量:4.97 MJ/m2
最大発熱速度(HRR):1182.10secにおいて7.74kW/m2
平均発熱速度(HRR):3.95kW/m2
平均発熱速度 T60: 0.25kW/m2
平均発熱速度 T180:1.18kW/m2
平均発熱速度 T300:1.810kW/m2
最終サンプル質量:64.00g
サンプル質量減少: 40.60g
着火時間:着火せず(20分間))
200k超過継続時間:0.0sec
200k超過総時間: 0.0sec
裏面に達する亀裂の有無:無し
貫通孔の有無: 無し
平均燃焼有効発熱量(HOC):1.08MJ/kg
平均質量減少率(MLR):4.076g/s・m2
平均比減光面積(SEA):2.31m2 /kg
図6は、この試験体について燃焼試験を実施した上記の結果を示すグラフ図である。
試験体として、次の杉板を用意して、上記の実施例1及び2と同様にして、不燃化された試験体を製造し、その特性を調べた結果、次のような結果が得られた。
試験体の面積:0.008840m2
試験体の厚さ:21.0mm
試験体の質量:152.00g
含水率=10%
この不燃化処理によって得られた杉板の含水率は18%であった。
コーンカロリーメーターによる燃焼試験の条件は次の通りであった。
輻射量:50.0kW/m2 (ヒーター温度:670.3℃)
排気流量:0.024m3 /sec
(排気温度:18.7℃、排気圧力:138.931Pa)
オリフィスタイプ:ラージ
サンプル距離:25mm
試験時間:1200.00sec(サンプリング間隔:2sec)
総発熱量:4.34 MJ/m2
最大発熱速度(HRR):1044.10secにおいて6.42kW/m2
平均発熱速度(HRR):3.46kW/m2
平均発熱速度 T60: 0.35kW/m2
平均発熱速度 T180:0.97kW/m2
平均発熱速度 T300:1.16kW/m2
最終サンプル質量:113.77g
サンプル質量減少: 38.23g
着火時間:着火せず(20分間)
200k超過継続時間:0.0sec
200k超過総時間: 0.0sec
裏面に達する亀裂の有無:無し
貫通孔の有無: 無し
平均燃焼有効発熱量(HOC):1.00MJ/kg
平均質量減少率(MLR):3.771g/s・m2
平均比減光面積(SEA):3.09m2 /kg
図7は、この試験体について燃焼試験を実施した上記の結果を示すグラフ図である。
したがって、本発明によれば、建築物や調度品等の材料として広範囲に利用できる有利な不燃木材板が提供される。
Claims (4)
- 厚さ6〜60mmの木材板を乾燥させて含水率9重量%以下となした後、この木材板を液温40〜70℃の硼酸と水溶性硼酸塩と水溶性リン酸塩と水溶性アルカリ金属珪酸塩と少量の着色剤との混合水溶液からなる耐火剤溶液、すなわち水100重量部、硼砂20〜46重量部、硼酸10〜15重量部、リン酸水素ナトリウム5〜10重量部と少量の着色剤とからなる第1水溶液80〜99容量%と、2〜8重量%の珪酸ナトリウム水溶液からなる第2水溶液20〜1容量%との混合液からなる耐火剤溶液、中に40〜70torrの減圧下に6〜72時間浸漬し、その後前記木材板を耐火剤溶液から取り出して、常温で1〜30日間乾燥させ、さらに30〜80℃で5時間〜9日間乾燥させて、含水率18重量%以下となすことを特徴とする、着色不燃木材板の製造方法。
- 厚さ6〜60mmの木材板を乾燥させて含水率9重量%以下となした後、この木材板を液温40〜70℃の硼酸と水溶性硼酸塩と水溶性リン酸塩と水溶性アルカリ金属珪酸塩と少量の着色剤との混合水溶液からなる耐火剤溶液、すなわち水100重量部、硼砂20〜46重量部、硼酸10〜15重量部、リン酸水素ナトリウム5〜10重量部と少量の着色剤とからなる第1水溶液80〜99容量%と、2〜8重量%の珪酸ナトリウム水溶液からなる第2水溶液20〜1容量%との混合液からなる耐火剤溶液、中に40〜70torrの減圧と6〜15気圧の加圧を付与して6〜72時間浸漬し、その後前記木材板を耐火剤溶液から取り出して、常温で1〜30日間乾燥させ、さらに30〜80℃で5時間〜9日間乾燥させて、含水率18重量%以下となすことを特徴とする着色不燃木材板の製造方法。
- 厚さ6〜60mmの木材板を乾燥させて含水率9重量%以下となした後、この木材板を液温40〜70℃の硼酸と水溶性硼酸塩と水溶性リン酸塩と水溶性アルカリ金属珪酸塩と少量の着色剤との混合水溶液からなる耐火剤溶液、すなわち水100重量部、硼砂20〜46重量部、硼酸10〜15重量部、リン酸アルミニウム3〜16重量部と少量の着色剤とからなる第1水溶液80〜99容量%と、2〜8重量%の珪酸ナトリウム水溶液からなる第2水溶液20〜1容量%との混合液からなる耐火剤溶液、中に40〜70torrの減圧と6〜15気圧の加圧を付与して6〜72時間浸漬し、その後前記木材板を耐火剤溶液から取り出して、常温で1〜30日間乾燥させ、さらに30〜80℃で5時間〜9日間乾燥させて、含水率18重量%以下となすことを特徴とする着色不燃木材板の製造方法。
- 被処理物である前記木材板が杉、桐、松、楢、ブナ、タモ、朴の木、サワラ、檜及び桜から選択されるいずれか1種の木材板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色不燃木材板の製造方法。
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