JP2001303060A - 難燃剤及びその難燃剤を含浸させた建築用木質部材 - Google Patents
難燃剤及びその難燃剤を含浸させた建築用木質部材Info
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Abstract
を含浸させることにより、火災に対して有効な不燃化或
いは難燃化の建築用木質部材を得ることである。また、
上記不燃剤、難燃剤として発煙を抑え、残炎を少なく
し、且つ有害物質の発生を無くした薬剤を創案したもの
である。 【解決手段】 リン酸と尿素の縮合物の水溶液をアンモ
ニア水にてpHを調整し、硼酸アンモニウム、スルファミ
ン酸アンモニウムを加えたことを特徴とする難燃剤。
Description
れる木質部材に適用する不燃剤或いは難燃剤及び該不燃
・難燃剤を含浸させた建築用木質部材に関するものであ
る。
の自然災害、或いは火災や人の侵入等に対して安全を確
保する安全性、水、音、光、熱、形状、色彩、使用形
態、行動形態等に関して快適感や効率性を確保する居住
性、そして所定の期間、上記安全性や居住性を確保し続
けるのに必要となる性能を有する耐久性等が要求され
る。その中でも、木造建築、或いは木材を使用した建築
物では、火災からの安全性が強く求められている。上記
火災に対して求められている建築用部材の安全性につい
て、その火災の発生状況に即して述べると、出火段階で
は出火元からの熱で容易に着火しないような内装仕上げ
部材が要求され、次に、万一着火した場合でも容易に火
災が拡大しないような内装仕上げ部材が要求される。そ
の際、煙や有害ガスの発生量を極力少なくする内装仕上
げ部材が要求される。
階でその拡大を食い止める事が極めて重要なこととな
る。上記事項を考慮し、建築基準法には防火・防災基準
が規定され、木材に関しても所定の規準を達成するため
の不燃或いは難燃材料等に対する所定の数値が規定され
ている。建築基準法の防火・防災規準に適合する木材と
して、下記のような試験項目と材料の表面試験規準があ
る。
性能を有する材料で、火災初期の燃焼現象が少なく,避
難行動を妨げる大量の発煙及び防火上有害な損傷の無い
材料としている。具体的には、建築用準不燃材料とし
て、木毛セメント板、石膏ボード、金属サイディング等
のように、木、紙、プラスチック等を少量含んだ素材で
構成されている材料がその対象となっている。
繊維板、難燃プラスチック等で構成されている材料がそ
の対象となっている。更に、上記材料を形成するために
使用する接着剤、バインダー、フィルム等には、ホルマ
リン系樹脂や塩素系樹脂が使用され、それらの材料はホ
ルマリンガスの発生や燃焼時にはダイオキシン等の有害
物質を発生させている。上記のように、木材を難燃材料
とするには様々な要因により極めて困難であり、木材本
来の素材を残した状態で難燃材料を得ることはできなか
った。
不燃剤或いは難燃剤を含浸させることにより、火災に対
して有効な不燃化或いは難燃化の建築用木質部材を得る
ことである。また、上記不燃剤、難燃剤として発煙を抑
え、残炎を少なくし、且つ有害物質の発生を無くした薬
剤を創案したものである。
決したもので、 リン酸と尿素の縮合物の水溶液をアン
モニア水にてpHを調整し、硼酸アンモニウム、スルファ
ミン酸アンモニウムを加えた難燃剤を特徴としている。
ンモニア水にてpHを調整し、硼酸アンモニウム、スルフ
ァミン酸アンモニウム、臭化アンモニウムを加えた難燃
剤を特徴としている。
グアニジンの混合水溶液にリン酸及びアンモニア水にて
pHを調整し、硼酸化合物系難燃剤を混合した難燃剤を特
徴としている。
ルフォン酸塩の混合水溶液と硼酸化合物系難燃剤を混合
した難燃剤を特徴としている。
カルバメート、スルファミン酸アンモニウムの混合水溶
液を固形分30%以上に調整した難燃剤を特徴としてい
る。
カルバメート、スルファミン酸アンモニウム、臭化アン
モニウムの混合水溶液を固形分30%以上に調整した難
燃剤を特徴としている。
縮合リン酸カルバメート、スルファミン酸アンモニウ
ム、臭化アンモニウムを完全に溶解し、固形分30%以
上に調整した難燃剤を特徴としている。
せた建築用木質部材。 1、予め、木材に含まれる水分及び油脂分を取り除き、
木材の部材中の空隙を確保する。 2、上記木材に、上記いずれかの難燃剤を充分に浸透さ
せる。 3、その後、常温或いは高温にて、減圧及び加圧処理を
数回繰り返し、部材中に難燃剤が100〜250%含浸した木
材を得る。 4、その後、適宜温度と時間により乾燥させて難燃木質
部材を得る。
アニジン30%の水溶液を50℃に加熱し、完全に溶解させ
た後、リン酸及びアンモニア水にてpH7.0〜8.0とし、
20℃まで冷却して難燃剤水溶液(試作水溶液1)を得
る。上記試作水溶液1を50%、既存の硼酸化合物系難燃
剤(金属イオン封鎖剤の水溶液或いは湿潤浸透性界面活
性剤の水溶液のいずれかに、硼酸化合物を常温で5g/
水100gに相当する溶解度以上になるように混合し、
この混合物を60℃以上に水熱反応せしめて得た高濃度
硼酸化合物)50%を混合して得られた難燃剤水溶液(試
作水溶液2)をアルダー(大きさ220mm×220mm、厚さ30m
m)の材料に対し、常温及び高温にて減圧、加圧注入法
により充填を行う。減圧、加圧は以下の通りである。減
圧は50mmHgにて1〜2時間、加圧は5kg/cm2にて1〜2時
間を2回繰り返す。
〜100℃にて48時間の乾燥を行う。上記実施例1によっ
て含浸処理及び乾燥させたアルダーの性能試験を行った
結果は、下記の通りである。
準に適合する難燃性能が得られた。これは、リン酸化合
物、スルファミン酸化合物、硼酸化合物がバランスよく
混合された水溶液を使用することにより建築規準法に規
定する難燃材料の基準に適合する難燃材料を得る事が出
来ることを証明している。
ン酸塩の50%水溶液を50%、既存の硼酸化合物系難燃剤
(金属イオン封鎖剤の水溶液或いは湿潤浸透性界面活性
剤の水溶液のいずれかに、硼酸化合物を常温で5g/水
100gに相当する溶解度以上になるように混合し、こ
の混合物を60℃以上に水熱反応せしめて得た高濃度硼
酸化合物)50%を混合して得た難燃剤(試作水溶液3)
をアルダー(大きさ220mm×220mm、厚さ30mm)の材料に
対して、常温及び高温にて減圧、加圧注入法により充填
を行う。減圧、加圧は以下の通りである。減圧は50mmHg
にて1〜2時間、加圧は5kg/cm2にて1〜2時間を2回繰り
返す。
〜100℃にて48時間の乾燥を行う。上記実施例2によっ
て含浸処理及び乾燥させたアルダーの性能試験を行った
結果は、下記の通りである。
フォン酸塩、硼酸化合物の混合物(固形分30%以上)を
木材に約100%含浸させる事により難燃基準に適合する
木材を得る事が出来る。
ルバメート15%、スルファミン酸アンモニウム5%の水
溶液を50〜70℃にて完全に溶解し常温(20℃)まで冷却
して得られた水溶液(難燃剤1)を使用してアルダー
(大きさ220mm×220mm、厚さ15mm)、杉(大きさ220mm
×220mm、厚さ15mm)の木材に処理した。木材は予め木
材に含まれる水分及び油脂分を取り除き、木材の空隙を
充分に確保する処理を行った材料を使用し、水分率を2
%以下に乾燥する。また、ステンレス製圧力容器に木材
が浮力により移動しないように固定し、上記難燃剤1
を、木材に充分に浸漬するまで添加充填する。常温にて
減圧(50mmHg)2時間処理を行い、次に加圧(5kg/c
m2)にて2時間処理を行い、それを2回繰り返し処理を行
う。
98%、杉に203%含浸した木材を得た。次に、難燃剤1を
廃液し、木材を取り出し、40℃にて24時間、70℃にて48
時間の乾操を行う。上記木材を湿度40%以下の恒温槽に
て1ヶ月保存を行い、JIS A−1321 表面加熱試験(加
熱時間6分)を行った結果、下記の通りとなった。
適合する木材を得ることが出来た。
ルバメート15%、スルファミン酸アンモニウム3%、臭
化アンモニウム2%の水溶液を50〜70℃にて完全に溶解
し、常温まで冷却して固形分30%以上に調整して得られ
た水溶液(難燃剤2)を使用し、杉(大きさ220mm×220m
m、厚さ15mm)の木材に適用する。該木材は予め木材に
含まれる水分及び油脂分を取り除き、木材の空隙を充分
に確保する処理を行った材料を使用し、水分率を2%以
下に乾燥する。
により移動しないように固定し、上記難燃剤2を、木材
に充分に浸漬するまで添加充填する。常温にて減圧(50
mmHg)2時間処理を行い、次に加圧(5kg/cm2)にて2時
間処理を行い、それを2回繰り返し処理を行う。上記木
材を湿度40%以下の恒温槽にて1ヶ月保存を行い、JIS
A−1321 表面加熱試験(加熱時間6分)を行った結果、
下記の通りとなった。
りに臭化アンモニウムを加えた場合も、難燃基準に適合
する木材を得ることが出来た。
加え、アンモニア水にてpH8.0〜8.5に調整し、五ホウ
酸アンモニウム13部、スルファミン酸アンモニウム4
部、臭化アンモニウム1部の水溶液を50〜70℃にて完全
に溶解し、アンモニア水にてpH8.0〜8.5に調整した
後、常温に冷却し、固形分30%以上に調整して得られた
水溶液(難燃剤3)を用いて杉(大きさ220mm×220mm、
厚さ12mm)の木材に適用する。該木材は予め木材に含ま
れる水分及び油脂分を取り除き、木材の空隙を充分に確
保する処理を行った材料を使用し、水分率を2%以下に
乾燥する。
により移動しないように固定し、上記難燃剤3を木材に
充分に浸漬するまで添加充填する。常温にて減圧(50mm
Hg)2時間処理を行い、次に加圧(5kg/cm2)にて2時間
処理を行い、それを2回繰り返し処理を行う。上記木材
を湿度40%以下の恒温槽にて1ヶ月保存を行い、JIS A
−1321 表面加熱試験(加熱時間6分)を行った結果、
下記の通りとなった。
%以上の場合は難燃基準に適合した木材を得ることが出
来、100%以下の含浸量では難燃基準に適合した木材を
得ることは出来なかった。
加え、アンモニア水にてpH8.0〜8.5とし、五ホウ酸ア
ンモニウム10部、スルファミン酸アンモニウム5部、臭
化アンモニウム2部を加え、50〜70℃にて完全に溶解
し、その後20℃まで冷却した水溶液(難燃剤4)を用い
て杉(大きさ220mm×220mm,厚さ12mm)の木材に適用す
る。該木材は予め木材に含まれる水分及び油脂分を取り
除き、木材の空隙を充分に確保する処理を行った材料を
使用し、水分率を2%以下に乾燥する。
により移動しないように固定し、上記難燃剤4を木材に
充分に浸漬する量を添加充填する。常温にて減圧(50mm
Hg)2時間処理を行い、次に加圧(5kg/cm2)にて2時間
処理を行い、それを2回繰り返し処理を行う。上記木材
を湿度40%以下の恒温槽にて1ヶ月保存を行い、日本建
築総合試験所にて、昭和51年建設省告示第1231号に規定
する防火性能試験を行った結果、下記の通りとなった。
った。
規定する試験に合格と認められ、難燃材料として使用出
来る木材を得ることが出来た。
化合物としては、ホウ酸、硼砂、ホウ酸アンモニウム等
である。リン酸化合物としては、縮合リン酸カルバメー
ト、リン酸グアニジン等である。スルファミン酸化合物
としては、スルファミン酸グアニジン、アミドスルホン
酸塩等である。その他、リン酸塩、臭化塩等を使用して
いる。また、上記実施例では建築用木質部材として、ア
ルダー、杉を対象として述べたが、その他、スプルス、
ヒバ、ヒノキ、米杉、松、米ヒバ等の他の部材に含浸し
て難燃部材が得られることは言うまでもない。
す。
鎖剤の水溶液或いは湿潤浸透性界面活性剤の水溶液のい
ずれかに、硼酸化合物を常温で5g/水100gに相当
する溶解度以上になるように混合し、この混合物を60
℃以上に水熱反応せしめて得た高濃度硼酸化合物)に、
杉(大きさ220mm×220mm,厚さ 25mm)を浸漬し、密閉
状態にて、減圧ー加圧処理を行い、含浸量(A)215%
(溶液)の杉と(B)含浸量253%の杉を得た。常温乾操
で6日間、次に70℃にて48時間の乾燥を行い、JIS A−1
321の表面加熱試験を行った結果、下記の通りとなっ
た。
らなかった。
鎖剤の水溶液或いは湿潤浸透性界面活性剤の水溶液のい
ずれかに、硼酸化合物を常温で5g/水100gに相当
する溶解度以上になるように混合し、この混合物を60
℃以上に水熱反応せしめて得た高濃度硼酸化合物)に、
アルダー(大きさ220mm×220mm,厚さ30mm)、杉(大き
さ220mm×220mm、厚さ30m)を浸漬し、密閉状態にて、
減圧ー加圧処理を行い、(C)アルダー含浸量160%、
(D)アルダー含浸量91%、(E)杉含浸量94.5%の物
を得た。常温乾操で6日間、次に70℃にて48時間の乾燥
を行い、JIS A−1321の表面加熱試験を難燃材料に適合
する試験方法(加熱時間6分)にて行った結果、下記の
通りとなった。
する性能には至らなかった。
会社製)を用い、アルダーに浸漬し、密閉状態にて、減
圧ー加圧処理を行い、アルダー(大きさ220mm×220mm、
厚さ30mm)の材料に対し(F)含浸量89.3%、(G)含
浸量79.1%の物を得た。常温乾操で6日間、次に70℃に
て48時間の乾燥を行い、JIS A−1321の表面加熱試験を
難燃材料に適合する試験方法(加熱時間6分)にて行っ
た結果、下記の通りとなった。
性能には至らなかった。
酸化合物、硼酸化合物をバランスよく混合した水溶液を
使用することにより、難燃材料としての基準に適合する
難燃剤を得ることが可能となった。特に、スルファミン
酸化合物を混合することにより、火災時等の温度上昇に
より窒素ガスを発生させ、残炎を抑えることが出来るも
のである。また、臭化アンモニウムを採用することによ
り木材の難燃性を高めることが可能となった。
Claims (8)
- 【請求項1】リン酸と尿素の縮合物の水溶液をアンモニ
ア水にてpHを調整し、硼酸アンモニウム、スルファミン
酸アンモニウムを加えたことを特徴とする難燃剤。 - 【請求項2】リン酸と尿素の縮合物の水溶液をアンモニ
ア水にてpHを調整し、硼酸アンモニウム、スルファミン
酸アンモニウム、臭化アンモニウムを加えたことを特徴
とする難燃剤。 - 【請求項3】リン酸グアニジンとスルファミン酸グアニ
ジンの混合水溶液にリン酸及びアンモニア水にてpHを調
整し、硼酸化合物系難燃剤を混合したことを特徴とする
難燃剤。 - 【請求項4】縮合リン酸カルバメート、アミドスルフォ
ン酸塩の混合水溶液と硼酸化合物系難燃剤を混合したこ
とを特徴とする難燃剤。 - 【請求項5】五ホウ酸アンモニウム、縮合リン酸カルバ
メート、スルファミン酸アンモニウムの混合水溶液を固
形分30%以上に調整したことを特徴とする難燃剤。 - 【請求項6】五ホウ酸アンモニウム、縮合リン酸カルバ
メート、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウ
ムの混合水溶液を固形分30%以上に調整したことを特
徴とする難燃剤。 - 【請求項7】ホウ酸をアンモニア水にて溶解し、縮合リ
ン酸カルバメート、スルファミン酸アンモニウム、臭化
アンモニウムを完全に溶解し、固形分30%以上に調整
したことを特徴とする難燃剤。 - 【請求項8】下記の工程よりなる難燃剤を含浸させた建
築用木質部材。 1、予め、木材に含まれる水分及び油脂分を取り除き、
木材の部材中の空隙を確保する。 2、上記木材に、上記請求項1〜7のいずれか1に記載
の難燃剤を充分に浸透させる。 3、その後、常温或いは高温にて、減圧及び加圧処理を
数回繰り返し、部材中に難燃剤が100〜250%含浸した木
材を得る。 4、その後、適宜温度と時間により乾燥させて難燃木質
部材を得る。 【0001】
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