JP7226240B2 - 物品搬送ロボット - Google Patents

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    • B60P9/00Other vehicles predominantly for carrying loads, e.g. load carrying vehicles convertible for an intended purpose

Description

本明細書では、路面を走行する走行部と、前記走行部の上側に設けられ、物品を保持可能な保持部と、を備えた物品搬送ロボットを開示する。
近年、自律走行可能なロボットを用いて物品を搬送する物品搬送ロボットが提案されている。例えば、特許文献1には、物品を自律的に搬送する物品搬送ロボットが開示されている。具体的には、特許文献1の物品搬送ロボットは、走行部と、角型リング状の胴体部(保持部に対応)と、を有し、胴体部を貫通する開口部に、物品が収容または載置されるバスケット、箱、またはトレイが着脱可能に取り付けられる。
また、近年、走行部の上側に堅牢なコンテナ(保持部に対応)を有し、当該コンテナの内部に物品を収容して搬送する物品搬送ロボットも多数提案されている。このように堅牢なコンテナ内に収容箱等を収容することで、搬送過程での収容箱の落下や盗難が防止できる。
特許第6336235号公報
ところで、こうした物品搬送ロボットの保持部は、その要求される条件が、状況によって異なる。例えば、物品搬送ロボットが走行している際、保持部は、走行部より外側に張り出さないようにコンパクトであることが要求される。また、物品搬送ロボットが、配送元または配送先のユーザの正面に到達すれば、当該ユーザは、物品を出し入れするために、保持部の内部にアクセスする。このとき、保持部は、ユーザが、立ち位置や向きを変えることなく、その正面に位置する保持部の内部に容易にアクセスできる形態であることが要求される。
このように、保持部の形態として、要求される条件は、物品搬送ロボットの状況によって異なってくる。こうした様々な条件を満たそうとした場合、保持部のデザイン上の制約が大きくなる。
そこで、本明細書では、保持部のデザイン上の制約を軽減できる物品搬送ロボットを開示する。
本明細書で開示する物品搬送ロボットは、路面を走行する走行部と、前記走行部の上側に設けられ、物品を保持可能な保持部であって、その高さ方向に延びる横振り軸回りに回転可能に設けられた保持部と、前記走行部の駆動および前記保持部の前記横振り軸回りの回転角度を制御するコントローラと、を備え、前記保持部の幅方向寸法は、前記保持部の前後方向寸法よりも大きく、少なくとも前記保持部の前面には、前記物品を出し入れするための取り出し口が設けられており、前記コントローラは、走行時には、前記保持部の両側面が、ロボットの前後方向を向き、前記物品の出し入れの際には、前記保持部の前記前面が、前記ロボットの前方を向くように、前記保持部の前記横振り軸回りの回転角度を制御する、ことを特徴とする。
かかる構成とすることで、保持部の向きを状況に応じて変更できる。これにより、保持部のデザインを特別なものにしなくても、保持部の姿勢を変えることで、様々な要望に応えることができるため、保持部のデザイン上の制約を軽減できる。また、物品搬送ロボットから周囲の人へのメッセージを、当該保持部の「動き」で伝えることができるため、人が、物品搬送ロボットに対する親しみを感じやすくなる。
走行時に、水平寸法の小さい側面を、ロボットの前後方向に向けることで、当該ロボットがユーザに近づいていっても、ユーザが圧迫感を感じにくい。一方、物品の出し入れ時に、取り出し口が設けられた前面を、ロボットの前方に向けることで、ユーザは、その立ち位置や向きを変えることなく、物品の出し入れを行なえるため、ユーザの作業負担を軽減できる。
この場合、前記保持部の前記両側面の少なくとも一方には、画像を表示するサイドディスプレイが設けられていてもよい。
走行時には、保持部の側面が、ロボットの前後を向く。かかる側面にディスプレイを設けた場合、周辺の人は、当該ディスプレイの表示を見るために、ロボットとともに移動しなくても、ディスプレイの表示を見ることができる。つまり、保持部の側面にディスプレイを設けた場合、保持部の前面または後面にディスプレイを設ける場合に比べて、より多くの人に、より長時間、ディスプレイの表示を見てもらえる。
この場合、前記保持部は、前後に貫通し、その内側に前記物品を1以上、保持可能な角型のリング体を有してもよい。
リング体の場合、コンテナに比べて、保持部を軽量化、小型化できる。なお、リング体の場合、コンテナに比べてディスプレイを設置できる「面」が限られる。しかし、保持部にリング体を設けるとともに、当該リング体の側面にサイドディスプレイを設け、ロボット走行時には、この側面をロボット前後方向に向けることで、保持部の軽量化、小型化を図りつつ、注意喚起や宣伝広告に有効なディスプレイを確保できる。
また、前記保持部は、前記走行部に対して、前記ロボットの幅方向に延びる縦振り軸回りにも揺動可能に設けられており、前記コントローラは、前記保持部の前記縦振り軸回りの揺動角度も制御してもよい。
かかる構成とすることで、物品搬送ロボットの状況に応じて、保持部の水平面に対する傾きを適切に保つことができる。また、物品搬送ロボットから周囲の人へ、より多くのメッセージを、当該保持部の「動き」で伝えることができるため、人が、物品搬送ロボットに対する親しみをより感じやすくなる。
本明細書で開示する物品搬送ロボットによれば、保持部のデザイン上の制約を軽減できる。
物品搬送ロボットを利用した物品の配送の様子を示す図である。 保持部を持ち上げた状態の物品搬送ロボットの斜視図である。 保持部を横振りさせた状態の物品搬送ロボットの斜視図である。 物品搬送ロボットの電気的構成を示すブロック図である。 物品搬送ロボットを側方から見た模式図である。 走行時における物品搬送ロボットを側方から見た模式図である。 物品を引き渡す際の物品搬送ロボットを側方から見た模式図である。 傾斜面を走行する際の物品搬送ロボットを側方から見た模式図である。 段差を乗り越える際の物品搬送ロボットを側方から見た模式図である。 横移動する物品搬送ロボットを上から見た模式図である。 旋回する物品搬送ロボットを上から見た模式図である。 斜め移動する物品搬送ロボットを上から見た模式図である。 カバーを取り外した物品搬送ロボットを斜め前方からみた一部分解斜視図である。 カバーを取り外した物品搬送ロボットを斜め後方からみた一部分解斜視図である。 センター軸周辺での縦断面図である。 連結軸周辺での縦断面図である。 物品搬送ロボットの他の例を示す模式図である。
以下、図面を参照して物品搬送ロボット10の構成について説明する。図1は、物品搬送ロボット10を利用した物品110の配送の様子を示す図である。物品搬送ロボット10は、後に詳説するように物品110を保持可能であり、一般的な道路や屋内通路を自律走行可能な移動ロボットである。図示例では、この物品搬送ロボット10は、配送元106から中継所102、あるいは、中継所102から配送先108へ、物品110を搬送するのに利用される。管理センタ100は、配送元106の個人や企業、あるいは、物流の中継所102から物品搬送の依頼を受け付ける。こうした搬送依頼は、例えば、インターネットを介した通信により送られる。搬送依頼を受け付ければ、管理センタ100は、物品搬送ロボット10を配送元106に移動させる。物品搬送ロボット10は、配送元106において、物品110を受け取り、配送元106の最寄りの中継所102に搬送する。
配送元106の最寄りの中継所102から配送先108の最寄りの中継所102まで、物品110は、運送トラック104等を利用する一般的な物流システムを用いて運送される。配送先108の最寄りの中継所102から配送先108まで、物品110は、再び、物品搬送ロボット10を用いて搬送される。このとき、管理センタ100は、中継所102あるいは配送先108の個人や企業等から、配送希望時間等のリクエストを受け付けてもよい。物品搬送ロボット10は、管理センタ100からの指示により、物品110を中継所102から配送先108へと搬送する。
なお、ここで説明した物品搬送ロボット10の利用形態は一例であり、適宜、変更されてもよい。例えば、上述の例では、物品110は、中継所102を経由して、配送先108に配送される。しかし、物品搬送ロボット10は、配送元106から受け取った物品110を、中継所102を経ることなく、直接、配送先108へ搬送してもよい。
次に、物品搬送ロボット10の構成について説明する。図2、図3は、物品搬送ロボット10の斜視図である。なお、以下の説明において、特に注釈が無い限り、「前後方向」、「幅方向」、「高さ方向」とは、物品搬送ロボット10の前後方向、幅方向、高さ方向を意味する。また、物品搬送ロボット10の前後方向は、前輪20および後輪24の並び方向であり、物品搬送ロボット10の幅方向は、右側の前輪20および左側の前輪20の並び方向であり、物品搬送ロボット10の高さ方向は、前後方向および幅方向に直交する方向である。さらに、以下の各図において、「Fr」、「Up」、「Rh」は、それぞれ、物品搬送ロボット10の前方、上方、右側方を示す。
物品搬送ロボット10は、複数の車輪を有する走行部14と、当該走行部14の上側に設けられた保持部12と、に大別される。本例の保持部12は、角形リング状のリング体16を有する。リング体16は、高さ方向に延びる一対のサイド部材16Sと、サイド部材16Sの上端同士および下端同士を連結する上横部材16Uおよび下横部材16Lと、を有する。
ここで、後に詳説するように、また、図2および図3の比較から明らかな通り、この保持部12は、当該保持部12の高さ方向に延びる横振り軸Aaを中心として回転可能となっている。また、保持部12は、物品搬送ロボット10の幅方向に延びる縦振り軸Abを中心として揺動可能となっている。以下では、保持部12が、横振り軸回りに回転する動きを「横振り」、保持部12が、縦振り軸Ab回りに揺動する動きを「縦振り」と呼ぶ。
保持部12が横振りまたは縦振りした場合、物品搬送ロボット10全体としての前後方向、幅方向、高さ方向と、保持部12単独での前後方向、幅方向、高さ方向が不一致となる。そこで、以下では、保持部12を基準とする方向を示す場合には、「保持部12の前後方向」等のように、「方向」の前に「保持部12の」との注釈を記載する。「保持部12の」との注釈が無い場合は、物品搬送ロボット10全体の方向を意味する。なお、「保持部12の前後方向」とは、リング体16の貫通方向であり、「保持部12の幅方向」とは、一対のサイド部材16Sの並び方向であり、「保持部12の高さ方向」とは、保持部12の前後方向および幅方向に直交する方向である。したがって、図2では、保持部12の前後方向は、物品搬送ロボット10全体としての前後方向と一致している。一方、図3では、保持部12の前後方向は、物品搬送ロボット10全体としての前後方向に対して90度回転している。
保持部12の幅方向寸法L1(図3参照)は、保持部12の前後方向寸法L2よりも充分に大きい。また、保持部12の幅方向寸法L1は、走行部14の幅方向寸法L3より僅かに大きく、走行部14の前後方向寸法L4よりも小さい。一方、保持部12の前後方向寸法は、走行部14の幅方向寸法L3および前後方向寸法L4のいずれと比べても、充分に小さい。したがって、物品搬送ロボット10および保持部12の前後方向が一致する場合、保持部12は、平面視において、走行部14から僅かに外側に飛び出す。一方、保持部12の前後方向が、物品搬送ロボット10の前後方向に対して90度回転している場合、保持部12は、平面視において、走行部14の外形内に収まる。
搬送対象の物品110は、リング体16の内側に保持される。図示例では、サイド部材16Sには、複数のサポートレール18が設けられており、このサポートレール18により箱状の物品110が下側から支えられる。この場合、物品110は、少なくとも一部がリング体16の外側に露出した状態で搬送される。また、物品110は、リング体16の貫通孔を通じて出し入れされる。したがって、リング体16の貫通孔は、物品110を出し入れするための取り出し口19として機能する。なお、ここで例示した物品110の保持形態は、一例であり、適宜変更されてもよい。例えば、リング体16の上横部材16Uにフック等を設けておき、手提げ付き袋状の物品110を吊り保持するのでもよい。また、保持部12は、保持した物品110の落下や盗難を防止するためのロック機構を有してもよい。例えば、リング体16に、物品110がセットされた場合に突出するように電気的に制御され、突出することで物品110(または物品110を収容する収容容器)の一部と係合するロックピン等を設けてもよい。
ここで、リング体16に替えて、物品110を完全収容するコンテナを設けることも考えられる。しかし、コンテナの場合、保持部12のサイズが大きくなり、重量も増加しやすい。一方、物品110の一部を外部に露出した状態で保持するリング体16の場合、コンテナに比べて、小型かつ軽量にできる。なお、当然ながら、サイズや重量が問題にならないのであれば、リング体16に替えて、コンテナ等、他の形態の保持部12を設けてもよい。
サイド部材16Sの外面には、画像を表示するサイドディスプレイ48が設けられている。サイドディスプレイ48は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成される。このサイドディスプレイ48には、例えば、物品搬送ロボット10の現在の状況(例えば「搬送中」や「右折予定」等)を示す画像や、宣伝広告用の画像、装飾用の画像等が表示される。かかるサイドディスプレイ48を設けることで、周辺の人々の注意を喚起したり、宣伝したりできる。
このように、保持部12の側面にディスプレイを設けるのは、他に適当な面が少ないためである。すなわち、保持部12を角形リング状とした場合、上述したように、保持部12を軽量化できる一方で、前面および背面は、その大部分が貫通しているため、ディスプレイを設ける「面」が、限られてしまう。そこで、本例では、保持部12の側面にディスプレイを設けている。なお、当然ながら、保持部12の前面および後面に十分な「面」が存在する場合、例えば、保持部12がコンテナ型の場合には、前面および後面にもディスプレイを設けてもよい。
走行部14は、前後方向に並ぶ前輪20、中輪22、および後輪24が、左右それぞれに一つずつ設けられている。この前輪20、中輪22、後輪24は、後述する前リンク60および後リンク62(いずれも図2、図3では見えず)で連結されている。前リンク60および後リンク62は、それぞれ前リンクカバー28および後リンクカバー30で覆われている。前リンク60および後リンク62を、縦振り軸Abを中心として、相対的に揺動させることで、図2に示すように、中輪22および保持部12を上方に持ち上げることができるが、これについては、後述する。また、一対の中輪22の間には、センター軸69や固定フレーム80等(いずれも図2、図3では見えず)が配置されるが、これらは、センターカバー32により覆われている。
前輪20および後輪24は、メカナムホイールで構成される。メカナムホイールは、車輪の円周面に沿って複数の樽状の転動体26が、車軸に対して45度傾いた姿勢で取り付けられたホイールである。かかるメカナムホイールを設けることで、物品搬送ロボット10を全方位移動させることができるが、これについても後述する。なお、中輪22は、円周面に転動体26を有さない、一般的な車輪で構成される。また、ここで説明した走行部14の構成は、一例であり、走行部14は、一般的な道路や屋内の通路を走行できるのであれば、その構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、車輪の個数は、六つに限らず、四つでもよいし、六つより多くてもよい。また、車輪に替えて、他の走行機構、例えば、「キャタピラ」等の商品名で知られている無限軌道等を設けてもよい。
ここで、図2、図3から明らかな通り、本例では、前リンクカバー28を、幅方向に間隔を開けて二つ、設けている。この前リンクカバー28それぞれの前端面には、滑り止め34が、設けられている。滑り止め34は、前リンクカバー28に比べて、摩擦係数が高い素材、例えば、ゴムや高摩擦樹脂等で構成される。この滑り止め34は、図2に示すように、保持部12を持ち上げるために、前リンクカバー28(ひいては前リンク60)を後上がりに、後リンクカバー30(ひいては後リンク62)を前上がりに大きく傾けた際、路面に接地する。そして、この滑り止め34が路面に接地することで、物品搬送ロボット10の路面に対する意図しない動きを防止できる。また、滑り止め34は、前リンクカバー28に比べて柔らかい素材で構成してもよい。かかる構成とすることで、滑り止め34は、前リンクカバー28が、人や物に衝突した際の衝撃を和らげるクッション部材としても機能する。また、ここでは、前リンクカバー28の前端面にのみ滑り止め34を設けているが、前リンクカバー28の前端面に替えて、または、加えて後リンクカバー30の後端面にも滑り止め34を設けてもよい。
次に、こうした物品搬送ロボット10の電気的構成について図4を参照して説明する。物品搬送ロボット10には、当該物品搬送ロボット10の自律走行を可能にするために、通信インターフェース(以下「通信I/F」と略す)42およびセンサ群44が、設けられている。通信I/F42は、外部機器と通信するためのもので、携帯電話会社等が提供する回線を利用したモバイルデータ通信や、ブルートゥース(登録商標)等を利用した中距離または近距離無線通信等を含む各種通信のためのハードウェアを含む。通信相手の外部機器としては、例えば、何らかの通信センタに設置された通信端末、個人が所有する携帯通信端末、他の物品搬送ロボット等が含まれる。物品搬送ロボット10は、この通信I/F42を介して、目的地情報や道路状況等を取得してもよい。
センサ群44は、物品搬送ロボット10の走行状態および周辺環境を検知する1以上のセンサを含む。こうしたセンサ群44は、例えば、速度センサ、カメラ、ミリ波レーダ、赤外線センサ、LiDAR、超音波センサ、GPSセンサ、加速度センサ、およびジャイロセンサの少なくとも一つを含む。また、センサ群44は、保持部12の姿勢を検知するためのセンサ、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサおよび傾斜センサの少なくとも一つを含んでもよい。後述するコントローラ40は、センサ群44で検知された検知結果および通信I/F42を介して取得された情報に基づいて、各種モータ50,52,54,56,58を駆動する。
バッテリ46は、物品搬送ロボット10に設けられた各種電気機器に電力を供給する。このバッテリ46は、物品搬送ロボット10に固定されていてもよい。その場合、物品搬送ロボット10は、当該バッテリ46を充電するための充電器と、当該充電器を外部電源と接続する充電ケーブルと、を有してもよい。また、バッテリ46は、物品搬送ロボット10に対して着脱自在であり、必要に応じて、物品搬送ロボット10の外部に取り出されて、充電されてもよい。また、バッテリ46は、無線で充電されてもよい。例えば、物品搬送ロボット10および物品搬送ロボット10の外部に、それぞれ、コイルとコンデンサを組み込み、二組のコイルとコンデンサの磁界共鳴により電力を供給する非接触充電方式を取り入れてもよい。
サイドディスプレイ48は、上述した通り、保持部12の側面に配置されるディスプレイである。このサイドディスプレイ48の表示は、コントローラ40により制御される。また、図4では、図示しないが、物品搬送ロボット10は、さらに、聴覚的または視覚的に、周囲の人々に情報を提示する他の出力手段、例えば、ランプやスピーカー、ブザー等(いずれも図示せず)を有してもよい。
前輪モータ50は、前輪20を回転駆動させるモータである。この前輪モータ50は、一つの前輪20につき一つずつ設けられている。したがって、物品搬送ロボット10全体では、二つの前輪モータ50が、設けられている。同様に、後輪モータ52は、後輪24を回転駆動させるモータで、左右に一つずつ、合計二つ設けられている。なお、本例では、前輪20および後輪24に駆動モータを設けているが、当然ながら、中輪22にも、駆動モータを設けてもよい。また、前輪20および後輪24の一方にのみ駆動モータを設け、その他の車輪は、従輪としてもよい。
立ち上がりモータ54は、前リンク60と後リンク62を縦振り軸Abを中心として相対的に揺動させ、これにより、保持部12および中輪22を持ち上げるモータである。縦振りモータ56は、保持部12を縦振り軸Abを中心として揺動させ、これにより、保持部12を縦振りさせるモータである。横振りモータ58は、保持部12を、横振り軸Aa回りに回転させ、これにより、保持部12を縦振りさせるモータである。こうした複数のモータ50,52,54,56,58は、十分な出力が得られるのであれば、その種類は、特に限定されない。なお、これらモータ50,52,54,56,58は、非通電時に、その回転をロックできるブレーキ、例えば、電磁ブレーキを有してもよい。
コントローラ40は、物品搬送ロボット10に搭載された電気機器の駆動を制御する。コントローラ40は、少なくとも、プロセッサ40aと、メモリ40bと、を有するマイクロコンピュータである。コントローラ40の各機能は、プロセッサ40aがメモリ40bに格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、プロセッサ40aは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また、コントローラ40を構成するプロセッサ40aは、物理的に一つである必要はなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサで構成されてもよい。同様に、メモリ40bも、物理的に一つの要素である必要はなく、物理的に離れた位置に存在する複数のメモリで構成されてもよい。また、メモリは、半導体メモリ(例えばRAM、ROM、ソリッドステートドライブ等)および磁気ディスク(例えば、ハードディスクドライブ等)の少なくとも一つを含んでもよい。
次に、こうした物品搬送ロボット10の動作について、図5~図7を参照して説明する。図5~図7は、物品搬送ロボット10を側方から見た模式図である。なお、図5~図7では、前リンク60および後リンク62の形状を簡略化して図示している。
上述した通り、また、図5Aに示すように、保持部12は、当該保持部12の高さ方向に延びる横振り軸Aa回りに回転可能となっている。以下では、この横振り軸Aa回りの回転角度を「横振り角度α」と呼ぶ。この横振り角度αは、物品搬送ロボット10全体の前後方向と保持部12の前後方向が一致するとき、すなわち、図2、図5Aの状態のときを0度とする。また、保持部12は、幅方向に延びる縦振り軸Abを中心として揺動可能となっている。保持部12が、揺動することで、保持部12と後リンク62とが成す角度β(以下「縦振り角度β」という)が変化する。
また、前輪20、中輪22および後輪24は、前リンク60および後リンク62を介して連結されている。また、走行部14の中央付近には、縦振り軸Abに沿って延びるセンター軸69が存在する。前リンク60は、縦振り軸Abと前輪20との距離を拘束するもので、センター軸69と前輪20とを直線的に連結する。中輪22の車軸、すなわち、中車軸66は、前リンク60に固定されている。したがって、中輪22と縦振り軸Abとの距離も拘束されている。後リンク62は、縦振り軸Abと後輪24との距離を拘束するもので、センター軸69と後輪24とを直線的に連結する。後リンク62は、センター軸69(ひいては縦振り軸Ab)を中心として、前リンク60に対して揺動可能である。後リンク62が、前リンク60に対して揺動することで、両者の間の角度γ(以下「リンク開き角度γ」という)が変更される。
コントローラ40は、物品搬送ロボット10を走行させる際には、図5Bに示すように、保持部12の側面が物品搬送ロボット10の前後方向を、保持部12の貫通方向が物品搬送ロボット10の幅方向を向くように、保持部12を横振り軸Aa回りに90度回転させる。これにより、物品搬送ロボット10の走行時における圧迫感を低減できる。すなわち、保持部12の幅方向寸法L1は、保持部12の前後方向寸法L2よりも大きい。そのため、横振り角度αが0度の場合、すなわち、水平寸法が大きい保持部12前面が、物品搬送ロボット10の前方を向いている場合、当該物品搬送ロボット10を正面から見たときに、物品搬送ロボット10全体が幅広で大きい印象を与える。かかる状態の物品搬送ロボット10が、ユーザに近づいていくと、ユーザに圧迫感を与える。また、この場合、保持部12の幅方向寸法L1は、走行部14の幅方向寸法L3よりも大きいため、保持部12が、走行部14の外側に突出してしまい、周辺の他部材に干渉しやすくなる。
一方、横振り角度αが90度の場合、すなわち、水平寸法が小さい保持部12側面が、物品搬送ロボット10の前方を向いている場合、物品搬送ロボット10を正面から見たときに、物品搬送ロボット10全体が幅狭で小さい印象を与える。かかる状態であれば、物品搬送ロボット10が、ユーザに近づいていっても、ユーザに与える圧迫感を小さくできる。また、この場合、保持部12は、走行部14の外形範囲内に収まるため、保持部12の他部材への干渉が効果的に防止される。
また、走行中、保持部12の側面を、物品搬送ロボット10の前後方向に向けることで、保持部12の側面に設けられたサイドディスプレイ48の表示を周辺の人々が見やすくなる。すなわち、サイドディスプレイ48が、物品搬送ロボット10の幅方向を向いている場合(すなわち図5Aの状態の場合)、当該サイドディスプレイ48の表示を見るためには、人は、物品搬送ロボット10の側方に位置するように、物品搬送ロボット10とともに移動し続けなければならない。一方、サイドディスプレイ48が、物品搬送ロボット10の前後方向を向いている場合(すなわち図5Bの状態の場合)、人は、物品搬送ロボット10の前後方向にいれば、当該サイドディスプレイ48の表示を見ることができ、人が物品搬送ロボット10と同じ速度で移動する必要はない。そのため、サイドディスプレイ48を前後方向に向ければ、より多くの人に、より長時間、サイドディスプレイ48の表示を見せることができる。サイドディスプレイ48に表示される画像は、周辺の人々への注意喚起や宣伝広告を目的としているが、サイドディスプレイ48を前後方向に向けることで、この注意喚起や宣伝広告の効果を高めることができる。特に、本例の保持部12は、リング状であるため、保持部12の前面および背面にディスプレイを設けることは、困難である。そのため、走行時に、保持部12の側面を、ロボット前後方向に向けることは、注意喚起および宣伝広告の観点から非常に有利である。
一方、物品搬送ロボット10が、物品の配送先ユーザと向かい合う位置まで到達し、物品を引き渡す際には、コントローラ40は、図6に示すように、保持部12の取り出し口19(すなわち貫通孔)がロボット前方を、保持部12の側面がロボット幅方向を向くように、保持部12の横振り角度αを0度に戻す。かかる構成とすることで、物品の取り出し口19が、配送先ユーザの正面を向くことになる。これにより、配送先ユーザは、その位置や向きを変えなくても、物品を保持部12から取り出すことができる。
また、コントローラ40は、この時、図6に示すように、保持部12が僅かに後上がりに傾くように、保持部12を縦振り軸Ab回りに縦振りさせてもよい。この場合、保持部12の前面が斜め上方向、ひいては、配送先ユーザの頭部付近を向くことになる。この物品搬送ロボット10の姿勢は、「お座り」の姿勢の犬や猫が、人の顔を見上げる際の姿勢に近いため、配送先ユーザに、当該物品搬送ロボット10への愛着や親しみを与えることができる。
また、物品を引き渡す際、コントローラ40は、図6に示すように、保持部12および中輪22が持ち上がるように、前リンク60を後リンク62に対して揺動させ、リンク開き角度γを変更させる。保持部12を上昇させることで、ユーザが物品を出し入れしやすくなる。また、リンク開き角度γを変更して保持部12の高さを変更することで、ロボットの重量増加を防止でき、また、ユーザのロボットへの親しみを向上できる。
すなわち、保持部12の高さを変更するだけであれば、専用の昇降機構を設けることも考えられる。例えば、走行部14と保持部12との間に、モータおよびスプライン軸を用いた直動機構を設け、この直動機構で保持部12を昇降させることも考えられる。しかしながら、この場合、保持部12の昇降のために専用の機構が必要となるため、重量増加やコストアップを招く。
また、一般に、人は、動物、特に、愛玩動物である犬や猫と類似したものに愛着や親しみを感じやすい。そして、犬や猫等の四足歩行動物は、胴体または頭部の高さを大きく変える際には、その脚の姿勢を変化させることが多い。例えば、犬および猫は、前脚および後脚が地面に付き、頭部が低い位置にある「伏せ」の姿勢から、前脚を立たせることで、頭部が地面から離れた「お座り」の姿勢に変化する。上述した直動機構を利用して、走行部14の姿勢を変えることなく、保持部12の高さのみを変更する動きは、こうした四足歩行動物の動きと大きく異なるため、ユーザが物品搬送ロボット10への親しみを感じにくい。
一方、本例のように、後リンク62を前リンク60に対して揺動させて、中輪22および保持部12を持ち上げる動きは、四足歩行動物の動き、特に、犬猫が「伏せ」の姿勢から「お座り」の姿勢に変化するときの動きに近いため、ユーザが物品搬送ロボット10への親しみを感じやすくなる。ただし、当然ながら、保持部12を昇降できるのであれば、リンク開き角度γを変更するのではなく、上述したような直動機構を設けるのでもよい。また、そもそも、保持部12が、適切な高さにあるのであれば、保持部12は、昇降できなくてもよい。
また、保持部12の縦振りは、物品を出し入れする場合に限らず、様々な場面で行ってもよい。例えば、図7Aに示すように、物品搬送ロボット10が、傾斜面を走行する際を考える。この場合、保持部12を水平に保つためには、保持部12を後リンク62に対して揺動させ、縦振り角度βを変更する必要がある。そこで、傾斜面を走行する際には、コントローラ40は、保持部12が水平を保つように、縦振りモータ56を駆動してもよい。なお、保持部12の傾斜角度を検知するために、保持部12または走行部14またはその両方に、姿勢を検知するためのセンサ、例えば、傾斜センサや、加速度センサ、ジャイロセンサ等を設けてもよい。コントローラ40は、これら姿勢検知用のセンサでの検知結果に基づいて、縦振り角度βを制御してもよい。
また、保持部12の縦振りおよび保持部12の横振りを利用して、物品搬送ロボット10から周囲の人へのメッセージを伝えるようにしてもよい。例えば、物品搬送ロボット10が、配送先ユーザの正面に停止した際に、コントローラ40は、保持部12が一時的に前上がり傾斜になるように、縦振りさせてもよい。かかる動きを行うことで、配送先ユーザに、物品搬送ロボット10が、「お辞儀をする」、あるいは、「頷いている」ような印象を与えることができる。また、ユーザが望ましくない行動をとった場合には、コントローラ40は、保持部12を左右に往復するように横振りさせてもよい。この場合、当該ユーザに、物品搬送ロボット10が、「頭を横に振っている」ような印象を与えることができ、当該ユーザの行動が適切でないことを把握させることができる。そして、このように物品搬送ロボット10の動きで、人にメッセージを伝えることにより、ユーザは、物品搬送ロボット10に対して生き物に近い印象を持ちやすくなり、物品搬送ロボット10への親しみが向上する。
さらに、これまで述べた通り、物品搬送ロボット10には、カメラ等のセンサが搭載されている。これらのセンサを保持部12に設けるとともに、必要に応じて、保持部12を揺動および横振りさせることで、センサの検知方向を変化させることができる。例えば、図2、図3に示すように、上横部材16Uおよび下横部材16Lの前端面にカメラ44aを設けた場合、保持部12を横振り軸Aa回りに回転させることで、当該カメラ44aで撮影する方向を変更できる。つまり、保持部12を横振り可能とすることで、センサを多くの面に設けなくても、多方向の状況を確認することができる。
また、リンク連結された片側三輪の車輪を有することで、段差や斜面も安定して走行することができる。例えば、図7Bに示すように、段差を乗り越えるために、前輪20を持ち上げた際にも、残りの中輪22および後輪24(すなわち物品搬送ロボット10全体として四輪)は、路面に接地した状態を維持できる。そのため、物品搬送ロボット10の重心が安定し、物品搬送ロボット10の転倒や揺れを効果的に防止できる。
以上の説明から明らかな通り、本例では、保持部12は、必要に応じて、横振り軸Aa回りおよび縦振り軸Ab回りに回転できる。これにより、物品搬送ロボット10の状況に応じて、保持部12の姿勢を自由に変更できる。そして、これにより、保持部12のデザインを特別なものにしなくても、姿勢を変えることで、様々な要望に応えることができるため、保持部12のデザイン上の制約を軽減できる。例えば、保持部12の姿勢が変更できない場合、保持部12の幅方向寸法L1は、走行時に他部材との干渉を避けるために、走行部14の幅方向寸法L3より小さくしなければならない。一方、本例のように、保持部12を横振り可能とすれば、保持部12の幅方向寸法L1を走行部14の幅方向寸法L3より大きくしても、他部材との干渉を避けられるため、保持部12の幅方向寸法L1に関する制約が軽減される。
また、保持部12を、横振り軸Aa回りおよび縦振り軸Ab回りに回転可能とすることで、上述した通り、保持部12は、その動きにより、ユーザにメッセージを伝えることができる。その結果、ユーザの物品搬送ロボット10に対する親しみを向上できる。
次に、メカナムホイールを利用した物品搬送ロボット10の全方位移動について説明する。本例では、前輪20および後輪24をメカナムホイールとしているため、リンク開き角度γを変更して、中輪22を持ち上げることで、物品搬送ロボット10を全方位移動させることができる。これについて、図8A~図8Cを参照して説明する。図8A~図8Cは、物品搬送ロボット10を上から見た模式図である。図8A~図8Cにおいて、白抜き矢印は、物品搬送ロボット10の進行方向を示し、車輪の横に記載した矢印は、各車輪の回転方向を示す。すなわち、車輪の横に記載した紙面上向きの矢印は、車輪が前に進む方向の回転(以下「前進回転」という)を示し、紙面下向きの矢印は車輪が後に進む方向の回転(以下「後退回転」という)を示す。
中輪22を持ち上げた状態で、図8Aに示すように、前輪20および後輪24をそれぞれ、前後に隣接する他の車輪と逆方向、かつ、左右に隣接する他の車輪と逆方向に回転させる場合を考える。すなわち、左右片側(図示例では右側)の前輪20を前進回転させ、後輪24を後退回転させるとともに、左右反対側(図示例では左側)の前輪20を後退回転させ、後輪24を前進回転させた場合を考える。この場合、物品搬送ロボット10は、当該ロボット自身の向きを変えることなく、左右片側方向(図示例では右側)に横移動する。
また、図8Bに示すように、前輪20および後輪24をそれぞれ、前後に隣接する他の車輪と同一方向、かつ、左右に隣接する他の車輪と逆方向に回転させる場合を考える。すなわち、左右片側(図示例では右側)の前輪20および後輪24を後退回転させ、左右反対側(図示例では左側)の前輪20および後輪24を前進回転させる場合を考える。この場合、物品搬送ロボット10は、その場で旋回できる。
さらに、図8Cに示すように、左右片側の前輪20および左右反対側の後輪24を前進回転させ、残りの前輪20および後輪24を回転させない場合、物品搬送ロボット10を前方かつ左右片側方向に進むように、斜めに移動させることができる。
次に、こうした物品搬送ロボット10の走行部14の機械的な構成について、図9から図12を参照して説明する。図9、図10は、カバーを取り外した物品搬送ロボット10の一部分解斜視図であり、図9は、斜め前方から、図10は、斜め後方から見た図である。また、図11は、センター軸69周辺での縦断面図であり、図12は、連結軸86周辺での縦断面図である。
走行部14の中央部分には、後端面および底面が開口された略箱形の固定フレーム80が設けられている。また、この固定フレーム80を幅方向に横切るように、センター軸69が設けられている。センター軸69は、縦振り軸Abと一致する位置および向きに設けられている。
センター軸69の幅方向両端には、前リンク60が固着されている。前リンク60は、前輪20とセンター軸69を連結する。前リンク60の形状は、特に限定されないが、本例では、前リンク60を、その厚み方向が、物品搬送ロボット10の幅方向と平行になるように配置されたプレート部材としている。前リンク60の後端近傍には、中輪22の車軸である中車軸66が、前リンク60の前端近傍には、前輪20の車軸である前車軸64が、それぞれ取り付けられている。したがって、センター軸69、前輪20および中輪22の相対的な位置関係は、前リンク60により拘束されている。前リンク60には、さらに、前輪20を回転駆動させるための前輪モータ50が設けられている。
また、図10に示すように、センター軸69の軸方向中央部分には、連結フレーム76がセンター軸69に対して回転可能に取り付けられている。この連結フレーム76の上面および底面には一対の後リンクプレート72が、取り付けられる。後リンクプレート72は、前端から後方に延びた後、左右に広がるような、平面視で略T字状のプレート部材である。この一対の後リンクプレート72の間には、後輪モータ52、立ち上がりモータ54、縦振りモータ56が、配置され、固定される。後輪モータ52は、後輪24を回転駆動させるモータである。後輪モータ52の幅方向外側端部には、連結ブラケット74が取り付けられている。この連結ブラケット74には、後輪モータ52の車軸である後車軸68が取り付けられている。また、連結ブラケット74の上面および底面には、後リンクプレート72が、ボルト等により締結される。したがって、連結フレーム76、後リンクプレート72、および、連結ブラケット74は、センター軸69(ひいては縦振り軸Ab)と後輪24との距離を拘束し、センター軸69と後輪24を連結する後リンク62として機能する。
立ち上がりモータ54は、前リンク60を後リンク62に対して揺動させることで、保持部12および中輪22を持ち上げるモータである。また、縦振りモータ56は、固定フレーム80、ひいては、当該固定フレーム80に連結された保持部12を、後リンク62に対して、縦振り軸Ab回りに揺動させるモータである。これらモータと各部材との機械的な連結について図11を参照して説明する。
図11に示すように、センター軸69の中央には、ベアリングを介して、連結フレーム76が、回転可能に取り付けられている。この連結フレーム76の上面および底面には、後リンクプレート72が締結されている。立ち上がりモータ54および縦振りモータ56(図11では見えず)は、この後リンクプレート72に固定されている。
さらに、センター軸69には、傘歯車である立ち上がりギヤ70も固着されている。立ち上がりギヤ70は、センター軸69と強固に連結されており、センター軸69とともに回転する。また、立ち上がりギヤ70は、センター軸69(ひいては縦振り軸Ab)と同心である。立ち上がりモータ54の出力軸には、この立ち上がりギヤ70と噛み合う傘歯車(図示せず)が取り付けられている。立ち上がりモータ54は、後リンクプレート72に締結されているため、立ち上がりモータ54の回転に伴い、立ち上がりギヤ70とともにセンター軸69および前リンク60が、後リンク62に対して縦振り軸Abを中心として揺動する。そして、これにより、前リンク60と後リンク62との成すリンク開き角度γが変更され、中輪22および保持部12が昇降する。
保持部12が連結される固定フレーム80は、ベアリングを介して、センター軸69に対して回転可能に取り付けられている。この固定フレーム80の側面には、傘歯車である縦振りギヤ78が、固着されている。この縦振りギヤ78は、センター軸69(ひいては縦振り軸Ab)と同心である。縦振りモータ56の出力軸には、この縦振りギヤ78と噛み合う傘歯車(図示せず)が取り付けられている。さらに、縦振りモータ56は、後リンクプレート72に締結されているため、縦振りモータ56の回転に伴い、縦振りギヤ78とともに固定フレーム80および保持部12が、後リンク62に対して、縦振り軸Abを中心として揺動する。
次に、保持部12を横振り軸Aa回りに回転させる機構について説明する。図9、図10に示すように、走行部14には、支持フレーム88が、設けられている。支持フレーム88は、保持部12を構成するリング体16(図8、図9では図示せず)の底面に固着される部材である。この支持フレーム88は、固定軸82、横振りギヤ84、および連結軸86を介して、固定フレーム80に連結されている。
すなわち、図12に示すように、固定軸82は、固定フレーム80の上面に締結され、傘歯車である横振りギヤ84は、固定軸の上面に締結される。さらに、横振りギヤ84の上面には、連結軸86が、締結されている。この固定軸82、横振りギヤ84、および連結軸86は、横振り軸Aaと同心である。支持フレーム88の底面からは、円筒状の連結リブ88aが突出しており、当該連結リブ88aは、ベアリングを介して、連結軸86に対して回転可能に連結されている。
支持フレーム88の底面には、さらに、横振りモータ58が取り付けられている。この横振りモータ58は、保持部12を横振り軸Aa回りに回転させるモータである。横振りモータ58の出力軸には、横振りギヤ84と噛み合う傘歯車90が取り付けられている。この場合、横振りモータ58の回転に伴い、支持フレーム88および保持部12が、横振り軸Aa回りに回転する。
なお、ここで説明した構成は、一例であり、保持部12が横振り軸Aa回りに回転できるのであれば、適宜、変更されてもよい。例えば、本例では、保持部12の縦振りの揺動軸(すなわち縦振り軸Ab)と、リンク60,62の揺動軸と、を一致させているが、これらは、完全に分離されていてもよい。例えば、図13に示すように、前リンク60および後リンク62の上側に、支持プレート91を設け、当該支持プレート91の上に縦振り軸Abを設けてもよい。図13の場合、支持プレート91と、前リンク60または後リンク62と、は、連結リンク92により連結されている。連結リンク92は、前リンク60および後リンク62に形成されたカム孔94に係合するカムピン92aを有する。また、走行部14を、前リンク60および後リンク62を有さない構成、例えば、車輪に替えて無限軌道を有する構成としてもよい。
また、図9において、横振りモータ58の出力動力を、横振り軸Aa回りの回転として、支持フレーム88に伝達できるのであれば、傘歯車に替えて、他の伝達部材を用いてもよい。例えば、他の種類の歯車や、プーリー等を用いてもよい。また、横振りモータ58は、支持フレーム88ではなく、固定フレーム80に固定されてもよい。また、これまでの説明では、保持部12は、縦振り、および、昇降が可能となっているが、これらの動作は、できなくてもよい。さらに、本例では、物品搬送ロボット10を自律走行可能としているが、物品搬送ロボット10は、遠隔操縦されるものでもよい。
10 物品搬送ロボット、12 保持部、14 走行部、16 リング体、18 サポートレール、19 取り出し口、20 前輪、22 中輪、24 後輪、26 転動体、28 前リンクカバー、30 後リンクカバー、32 センターカバー、34 滑り止め、40 コントローラ、42 通信I/F、44 センサ群、44a カメラ、46 バッテリ、48 サイドディスプレイ、50 前輪モータ、52 後輪モータ、54 立ち上がりモータ、56 縦振りモータ、58 横振りモータ、60 前リンク、62 後リンク、64 前車軸、66 中車軸、68 後車軸、69 センター軸、70 立ち上がりギヤ、72 後リンクプレート、74 連結ブラケット、76 連結フレーム、78 縦振りギヤ、80 固定フレーム、82 固定軸、84 横振りギヤ、86 連結軸、88 支持フレーム、88a 連結リブ、90 傘歯車、91 支持プレート、92 連結リンク、92a カムピン、94 カム孔、100 管理センタ、102 中継所、104 運送トラック、106 配送元、108 配送先、110 物品。

Claims (4)

  1. 路面を走行する走行部と、
    前記走行部の上側に設けられ、物品を保持可能な保持部であって、その高さ方向に延びる横振り軸回りに回転可能に設けられた保持部と、
    前記走行部の駆動および前記保持部の前記横振り軸回りの回転角度を制御するコントローラと、
    を備え
    前記保持部の幅方向寸法は、前記保持部の前後方向寸法よりも大きく、
    少なくとも前記保持部の前面には、前記物品を出し入れするための取り出し口が設けられており、
    前記コントローラは、走行時には、前記保持部の両側面が、ロボットの前後方向を向き、前記物品の出し入れの際には、前記保持部の前記前面が、前記ロボットの前方を向くように、前記保持部の前記横振り軸回りの回転角度を制御する、
    ことを特徴とする物品搬送ロボット。
  2. 請求項に記載の物品搬送ロボットであって、
    前記保持部の前記両側面の少なくとも一方には、画像を表示するサイドディスプレイが設けられている、ことを特徴とする物品搬送ロボット。
  3. 請求項1または2に記載の物品搬送ロボットであって、
    前記保持部は、前後に貫通し、その内側に前記物品を1以上、保持可能な角型のリング体を有する、ことを特徴とする物品搬送ロボット。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の物品搬送ロボットであって、
    前記保持部は、前記走行部に対して、前記ロボットの幅方向に延びる縦振り軸回りにも揺動可能に設けられており、
    前記コントローラは、前記保持部の前記縦振り軸回りの揺動角度も制御する、
    ことを特徴とする物品搬送ロボット。
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