JP7225798B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
5.10≦{(LBS)+(MBS)}×(BC)≦:5.50 …(1)
5.10≦{(LMS)+(MMS)}×(BC)≦:5.50 …(2)
〔但し、(LBS)≧0.820及び(LMS)≧0.820である。〕
を満たすようにゴルフボールを設計することにより、ヘッドスピードが速くないゴルファーが、ドライバー(W#1)やアイアンショット等の全てのクラブで打撃したときに満足する飛び性能が十分に得られるとともに、フルショットする全ての番手において、ソフト感と飛び感とを両立させた打感を得ることができることを見出し、本発明のゴルフボールをなすに至ったものである。
1.コア、包囲層、中間層及びカバーを具備する4層以上からなるゴルフボールであって、上記コアの中心硬度(Cc)がショアC硬度で45~51であり、上記コアの表面硬度(Cs)がショアC硬度で70~80であり、上記コアの中心と表面との硬度差(Cs-Cc)がショアC硬度で20以上であり、上記ゴルフボールの入射速度35m/s,45m/s,55m/sの反発係数(COR値)をそれぞれ(LBS),(MBS),(HBS)とし、上記コアに上記中間層を被覆した球体(中間層被覆球体)の入射速度35m/s,45m/s,55m/sの反発係数(COR値)をそれぞれ、(LMS),(MMS),(HMS)とすると共に、上記ゴルフボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでの圧縮変形量(mm)を(BC)とするとき、下記式(1)及び式(2)、
5.10≦{(LBS)+(MBS)}×(BC)≦5.50 …(1)
5.10≦{(LMS)+(MMS)}×(BC)≦5.50 …(2)
〔但し、(LBS)≧0.820及び(LMS)≧0.820である。〕
を満たすことを特徴とするゴルフボール。
2.上記コアの入射速度35m/sの反発係数(COR値)を(LCS)とするとき、
(LCS)≦0.815
である上記1記載のゴルフボール。
3.上記コアの入射速度45m/sの反発係数(COR値)を(MCS)とするとき、
(MCS)≦0.756
である上記1又は2記載のゴルフボール。
4.上記ゴルフボールの反発係数において、下記式(3)、
5.90≦{(MBS)+(HBS)}/(LBS)×(BC)≦6.50 …(3)
を満たす上記1~3のいずれかに記載のゴルフボール。
5.上記中間層被覆球体の反発係数において、下記式(4)、
5.85≦{(MMS)+(HMS)}/(LMS)×(BC)≦6.50 …(4)
を満たす上記1~4のいずれかに記載のゴルフボール。
6.下記の表面硬度の関係式、
カバー表面のショアD硬度>中間層表面のショアD硬度>コア中心のショアD硬度
を満たす上記1~5のいずれかに記載のゴルフボール。
7.下記の表面硬度の関係式、
カバー表面のショアD硬度>中間層表面のショアD硬度>包囲層表面のショアD硬度>コア中心のショアD硬度
を満たす上記6記載のゴルフボール。
8.上記ゴルフボール及び中間層被覆球体の反発係数において、
(MBS)≧0.780、及び
(MMS)≧0.775
である上記1~7のいずれかに記載のゴルフボール。
9.上記コアの反発係数において、下記式(5)、
5.00≦{(MCS)+(LCS)}×(BC)≦5.35 …(5)
を満たす上記3~8のいずれかに記載のゴルフボール。
10.上記コアの反発係数において、下記式(6)、
5.70≦{(MCS)+(HCS)}/(LCS)×(BC)≦6.10 …(6)
を満たす上記3~9のいずれかに記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、コアと中間層とカバーとを有するものである。なお、本発明において、カバーとは、ボール構造において最外層に位置する部材であって、通常、射出成形等の成形によって形成される。また、カバーの外表面には、通常、多数個のディンプルが該カバー材の射出成形と同時に形成されるものである。
カバーの材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは55以上、より好ましくは59以上、さらに好ましくは61以上であり、上限値として、好ましくは70以下、より好ましくは68以下、さらに好ましくは65以下である。また、カバー表面硬度(ボール表面硬度とも言う。)は、ショアD硬度で、好ましくは61以上、より好ましくは65以上、さらに好ましくは67以上であり、上限値としては、好ましくは76以下、より好ましくは74以下、さらに好ましくは71以下である。これらのカバーの材料硬度及びボール表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、ドライバー(W#1)打撃時にスピンが増えるとともにボール初速が低くなり、飛距離が出なくなることがある。上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、繰り返し打撃耐久時の割れ耐久性が悪くなることがある。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは40以上、より好ましくは45以上、さらに好ましくは50以上であり、上限値として、好ましくは62以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは58以下である。また、コア等の球体を中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度は、ショアD硬度で、好ましくは46以上、より好ましくは51以上、さらに好ましくは56以上であり、上限値としては、好ましくは68以下、より好ましくは66以下、さらに好ましくは64以下である。これらの中間層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時のスピン量が増えすぎて飛距離が出なくなったり、飛び感がなくなることがある。上記の材料硬度及び表面硬度が硬すぎると、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなり、ソフト感がなくなることがある。
(a-1)オレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(a-2)オレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0~0:100になるように配合した(A)ベース樹脂と、
(B)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを
質量比で100:0~50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(C)分子量が228~1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5~120質量部と、
(D)上記(A)成分及び(C)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1~17質量部
とを必須成分として配合してなる樹脂組成物を例示することができる。
載される中間層の樹脂材料(A)~(D)成分を好適に採用することができる。
5.10≦{(LBS)+(MBS)}×(BC)≦5.50 …(1)
5.10≦{(LMS)+(MMS)}×(BC)≦5.50 …(2)
〔但し、(LBS)≧0.820及び(LMS)≧0.820である。〕
5.90≦{(MBS)+(HBS)}/(LBS)×(BC)≦6.50 …(3)
を満たすことが望ましい。この数式の上限値としては、好ましくは6.30以下である。
5.85≦{(MMS)+(HMS)}/(LMS)×(BC)≦6.50 …(4)
を満たすことが望ましい。この数式の上限値としては、好ましくは6.30以下である。
5.00≦{(MCS)+(LCS)}×(BC)≦5.35 …(5)
を満たすことが望ましい。この数式の上限値としては、好ましくは5.30以下である。
5.70≦{(MCS)+(HCS)}/(LCS)×(BC)≦6.10 …(6)
を満たすことが望ましい。
各層の硬度関係については、以下の数式(I)を満たすことが好適である。
カバー表面のショアD硬度>中間層表面のショアD硬度>コア中心のショアD硬度
…(I)
ゴルフボールに包囲層を含む場合は、以下の数式(II)を満たすことが好適である。
カバー表面のショアD硬度>中間層表面のショアD硬度>包囲層表面のショアD硬度>コア中心のショアD硬度 …(II)
上記の硬度関係を満たさないと、良好な飛びと、ソフトな打感と飛び感を併せ持つ打感が得られない場合がある。
コアの形成
表1に示した各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した後、155℃、15分の加硫条件により加硫成形することによりソリッドコアを作製した。
・ポリブタジエンA:JSR社製、商品名「BR01」
・ポリブタジエンB:JSR社製、商品名「BR51」
・アクリル酸亜鉛:「ZN-DA85S」(日本触媒社製)
・有機過酸化物(1):ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日油社製)
・有機過酸化物(2):1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC-40」(日油社製)
・水:純水(正起薬品工業社製)
・老化防止剤:2,2-メチレンビス(4-メチル-6-ブチルフェノール)、商品名ノクラックNS-6(大内新興化学工業社製)
・硫酸バリウム:ヒ性硫酸バリウム バリコ#100(白水化学工業社製)
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学工業社製)
・ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
次に、実施例1,2及び比較例1については、コアの周囲に、表2に示した配合の包囲層材料を用いて射出成形法により包囲層を形成し、その後に、同表に示した配合の中間層材料を用いて射出成形法により中間層を形成し、包囲層及び中間層を被覆した球体を得た。比較例2,3については、コアの周囲に、表2に示した配合の中間層材料を用いて射出成形法により中間層を形成し、中間層を被覆した球体を得た。
次に、実施例1,2及び比較例1~3については、上記で得た中間層被覆球体の周囲に、表2に示した配合のカバー材料を用いて射出成形法によりカバー(最外層)を形成した。この際、カバー表面には、全ての実施例及び比較例に共通する所定の多数のディンプルを形成した。
「ハイトレル」:東レデュポン社製ポリエステルエラストマー
「HPF1000」:Dupont HPF(商標)1000
「HPF2000」:Dupont HPF(商標)2000
「ハイミラン、AM7318、AM7327、AM7329」:三井・デュポンポリケミカル社製のアイオノマー
「サーリン9320」:Dupont社製のアイオノマー
「AN4221C」:三井・デュポンポリケミカル社製の「ニュクレル」
「T-8290、T-8283」:ディーアイシーゴベストロポリマー社製の商標パンデックス、熱可塑性ポリウレタン
「ポリエチレンワックス」:三洋化成社製の「サンワックス161P」
「イソシアネート化合物」:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
「ステアリン酸マグネシウム」:日油社製の「マグネシウムステアレートG」
「酸化マグネシウム」:協和化学工業社製の「キョーワマグMF-150」
「酸化チタン」:堺化学工業社製
23.9±1℃の温度で、任意の表面5箇所を測定し、その平均値を1個の各球体の測定値とし、測定個数10個での平均値を求めた。
23.9±1℃の温度で、任意のディンプルのない部分を15箇所測定し、その平均値を1個のボールの測定値とし、測定個数10個のボールの平均値を求めた。
各球体を硬板の上に置き、初期荷重10kgをかけた状態から終荷重130kgをかけたときまでの各球体の圧縮変形量をそれぞれ計測した。なお、上記の圧縮変形量はいずれも23.9℃に温度調整した後の測定値である。また、測定器はミュー精器株式会社製の高荷重コンプレッションテスターを使用し、加圧ヘッドのダウン速度は、4.7mm/秒で計測した。
各層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に成形し、2週間以上放置した。その後、ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠して計測した。
各球体の表面に対して針を垂直になるように押し当てて計測した。なお、ボール(カバー)の表面硬度は、ボール表面においてディンプルが形成されていない陸部における測定値である。ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠したタイプDデュロメータによって計測した。
米国Automated Design CORporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ゴルフボールのCOR値を測定した。ゴルフボールを空気圧により、35~55m/sの初速で発射する。約0.8メートルの距離に速度計測センサーが配置されており、約1.2メートル離れて配置された板金にゴルフボールがぶつかると、ゴルフボールは速度計測センサーを通過するようにはね返る。COR値は、戻り速度を初速で除算した値である。中間層被覆球体、コアも上記ゴルフボールと同様に計測される。これらの各球体の所定初速における各COR値を下記表4に示す。
ゴルフ打撃ロボットに各種の下記のドライバー(W#1)をつけて、下記の表5に示した条件で打撃した時の飛距離を測定し、下記表の基準で判定した。
ドライバー(W#1)によるヘッドスピードが30~45m/sのアマチュアユーザーによる実打における官能評価を行い、「ソフト感」及び「飛び感」の両方について下記の基準で判定した。
(1)“ソフト感”の判定基準
ソフト感があると評価した人20人中12人以上 … ○
ソフト感があると評価した人20人中7~11人 … △
ソフト感があると評価した人20人中6人以下 … ×
(2)“飛び感”の判定基準
飛び感があると評価した人20人中12人以上 … ○
飛び感があると評価した人20人中7~11人 … △
飛び感があると評価した人20人中6人以下 … ×
比較例1は、表4の式(2)の値が5.10を下回り、その結果、飛び感が劣ると共に、HS=45m/sでのドライバー(W#1)で打撃した飛距離が劣る。
比較例2は、表4の式(1)の値及び式(2)の値が、いずれも5.50を上回り、また、(LBS)値及び(LMS)値が0.820を下回り、その結果、飛び感が劣ると共に、HS=45m/sでのドライバー(W#1)で打撃した飛距離が劣る。
比較例3は、表4の式(1)の値および式(2)の値が、いずれも5.10を下回り、その結果、ソフト感が劣ると共に、HS=35m/sでのドライバー(W#1)で打撃した飛距離が劣る。
比較例4は、表4の式(1)の値が5.50を上回り、その結果、飛び感が劣ると共に、HS=45m/sでのドライバー(W#1)で打撃した飛距離が劣る。
Claims (10)
- コア、包囲層、中間層及びカバーを具備する4層以上からなるゴルフボールであって、上記コアの中心硬度(Cc)がショアC硬度で45~51であり、上記コアの表面硬度(Cs)がショアC硬度で70~80であり、上記コアの中心と表面との硬度差(Cs-Cc)がショアC硬度で20以上であり、上記ゴルフボールの入射速度35m/s,45m/s,55m/sの反発係数(COR値)をそれぞれ(LBS),(MBS),(HBS)とし、上記コアに上記中間層を被覆した球体(中間層被覆球体)の入射速度35m/s,45m/s,55m/sの反発係数(COR値)をそれぞれ、(LMS),(MMS),(HMS)とすると共に、上記ゴルフボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでの圧縮変形量(mm)を(BC)とするとき、下記式(1)及び式(2)、
5.10≦{(LBS)+(MBS)}×(BC)≦5.50 …(1)
5.10≦{(LMS)+(MMS)}×(BC)≦5.50 …(2)
〔但し、(LBS)≧0.820及び(LMS)≧0.820である。〕
を満たすことを特徴とするゴルフボール。 - 上記コアの入射速度35m/sの反発係数(COR値)を(LCS)とするとき、
(LCS)≦0.815
である請求項1記載のゴルフボール。 - 上記コアの入射速度45m/sの反発係数(COR値)を(MCS)とするとき、
(MCS)≦0.756
である請求項1又は2記載のゴルフボール。 - 上記ゴルフボールの反発係数において、下記式(3)、
5.90≦{(MBS)+(HBS)}/(LBS)×(BC)≦6.50 …(3)
を満たす請求項1~3のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 上記中間層被覆球体の反発係数において、下記式(4)、
5.85≦{(MMS)+(HMS)}/(LMS)×(BC)≦6.50 …(4)
を満たす請求項1~4のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 下記の表面硬度の関係式、
カバー表面のショアD硬度>中間層表面のショアD硬度>コア中心のショアD硬度
を満たす請求項1~5のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 下記の表面硬度の関係式、
カバー表面のショアD硬度>中間層表面のショアD硬度>包囲層表面のショアD硬度>コア中心のショアD硬度
を満たす請求項6記載のゴルフボール。 - 上記ゴルフボール及び中間層被覆球体の反発係数において、
(MBS)≧0.780、及び
(MMS)≧0.775
である請求項1~7のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 上記コアの反発係数において、下記式(5)、
5.00≦{(MCS)+(LCS)}×(BC)≦5.35 …(5)
を満たす請求項3~8のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 上記コアの反発係数において、下記式(6)、
5.70≦{(MCS)+(HCS)}/(LCS)×(BC)≦6.10 …(6)
を満たす請求項3~9のいずれか1項記載のゴルフボール。
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