JP7363081B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
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Description
ボールの表面硬度(ショアC硬度)≦中間層被覆球体の表面硬度(ショアC硬度)
を満たすこと、更には、ドライバーを用いた打撃試験(ヘッドスピード40m/s)において、ドライバーとゴルフボールとの接触開始から該ゴルフボールの変形量が最も大きくなるまでに要する時間(t1)と、上記ゴルフボールの変形量が最も大きくなった状態から該ゴルフボールと上記ドライバーのクラブフェースとが離間するまでに要する時間(t2)との合計(t1+t2)が、705μsec以上であるようにゴルフボールを作製したところ、このゴルフボールをヘッドスピードが速くないゴルファーがドライバー(W#1)及び6番アイアン(ミドル/ロングアイアン)で打撃すると良好な飛び性能が得られるとともに、アプローチショット時においてボールにスピンをかけやすく、ショートゲーム性に優位であり、ソフトで心地のよい打感が得られること、更には耐傷付き性をも具備したゴルフボールであることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
1.コア、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアはゴム組成物により形成され、上記コアの中心硬度がショアC硬度で40~50であり、上記コアの表面硬度がショアC硬度で66~76であると共に、上記カバーはポリウレタン材料を主材として形成されるものであり、ボールの表面硬度(ショアC硬度)と、コアを中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度との関係が、下記式
ボールの表面硬度(ショアC硬度)≦中間層被覆球体の表面硬度(ショアC硬度)
を満たすものであり、且つ、ドライバーを用いた打撃試験(ヘッドスピード40m/s)において、ドライバーとゴルフボールとの接触開始から該ゴルフボールの変形量が最も大きくなるまでに要する時間(t1)と、上記ゴルフボールの変形量が最も大きくなった状態から該ゴルフボールと上記ドライバーのクラブフェースとが離間するまでに要する時間(t2)との合計(t1+t2)が、705μsec以上であり、上記時間(t1)と上記時間(t2)の比(t2/t1)が、1.35以上であり、更には、コアの、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)が4.5mm以上であり、ゴルフボールの、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでのたわみ(mm)が3.8mm以上であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
2.上記コアの中心と表面との硬度差(Cs-Cc)が、ショアC硬度で20以上である上記1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
3.上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5としたとき、下記の面積A~F
・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5)
について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)>0 を満たす上記1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
4.上記コア硬度分布の面積A~Fについて、(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)≧0 を満たす上記3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
5.上記コア硬度分布の面積A~Fについて、0<〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.60 を満たす上記3又は4記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
6.上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層のショアC硬度が40~80である上記1~5のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
7.上記カバーの材料硬度(ショアC硬度)から上記塗膜層のショアC硬度を引いた値が-20以上30以下である上記6記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
8.コアの、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)をA、ゴルフボールの、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでのたわみ(mm)をBとするとき、B/Aの値が0.60以上0.81以下である上記1~7のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、コア、中間層及びカバーを具備するものである。例えば、図1に示すように、コア1と、該コア1を被覆する中間層2と、該中間層を被覆するカバー3を有しているマルチピースソリッドゴルフボールGが挙げられる。なお、上記カバー3は、塗膜層を除き、ゴルフボールの層構造での最外層に位置するものである。上記カバー(最外層)3の表面には、通常、空力特性の向上のためにディンプルDが多数形成される。また、カバー3の表面には、塗膜層4が形成される。
・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5)
については、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)の値が後述する特定範囲を満たすことが好適である。なお、図2には、実施例1のコア硬度分布データを用いて面積A~Fを説明した概略図を示す。このように面積A~Fは、各特定距離の差を底辺とし、各位置硬度の差を高さに持つ各三角形の面積である。
0≦〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.60
を満たすことが好適である。この値の下限値として、より好ましくは0.02以上、さらに好ましくは0.04以上である。一方、上記数式の上限値は、より好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.30以下である。上記の値が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記の値が大きすぎると、実打初速が低くなり飛距離が出なくなり、または繰り返し打撃の際の割れ耐久性が悪くなることがある。
(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)≧0
を満たすことが好適であり、この値の下限値として、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上である。一方、この値の上限値としては、好ましくは8.0以下、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは4.0以下である。上記の値が小さすぎると、ドライバー(W#1)打撃時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。上記の値が大きすぎると、実打初速が低くなり飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃の際の割れ耐久性が悪くなることがある。
(i)スチームや超音波によりミスト状の水をゴム組成物(配合材料)の全部または一部にあてる方法
(ii)ゴム組成物の全部または一部を水に浸漬させる方法
(iii)ゴム組成物の全部または一部を恒湿槽等の湿度管理可能な場所において高湿度環境下に一定時間放置する方法
なお、高湿度環境とはゴム組成物等を湿らせることができる環境であれば特に制限されるものではないが湿度40~100%であることが好ましい。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは54以上、より好ましくは58以上、さらに好ましくは62以上であり、上限値として、好ましくは72以下、より好ましくは69以下、さらに好ましくは66以下である。また、ショアC硬度では、好ましくは82以上、より好ましくは87以上、さらに好ましくは92以上であり、上限値として、好ましくは100以下、より好ましくは98以下、さらに好ましくは97以下である。
(a-1)オレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(a-2)オレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0~0:100になるように配合した(A)ベース樹脂と、
(B)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを
質量比で100:0~50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(C)分子量が228~1500の脂肪酸及び/又はその誘導体5~80質量部と、
(D)上記(A)成分及び(C)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1~17質量部
とを必須成分として配合してなる樹脂組成物を例示することができる。
カバーの材料硬度は、特に制限はないが、ショアD硬度で、好ましくは27以上、より好ましくは32以上、さらに好ましくは38以上であり、上限値として、好ましくは60以下、より好ましくは55以下、さらに好ましくは50以下である。ショアC硬度では、好ましくは46以上、より好ましくは53以上、さらに好ましくは61以上であり、上限値として、好ましくは89以下、より好ましくは83以下、さらに好ましくは76以下である。
ボールの表面硬度(ショアC硬度)≦中間層被覆球体の表面硬度(ショアC硬度)
を満たすことが必要である。
コアの形成
表1に示した各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した後、155℃、15分の加硫条件により加硫成形することによりソリッドコアを作製した。
・ポリブタジエン:JSR社製、商品名「BR730」
・アクリル酸亜鉛:「ZN-DA85S」(日本触媒社製)
・有機過酸化物:ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日油社製)
・水:純水(正起薬品工業社製)
・老化防止剤:2,2-メチレンビス(4-メチル-6-ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS-6」(大内新興化学工業社製)
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学工業社製)
・ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
「ハイミラン」:三井・デュポンポリケミカル社製のアイオノマー
「サーリン」:デュポン社製のアイオノマー
「HPF1000」:Dupont HPF(商標)1000
「T-8295、T-8283」:ディーアイシーコベストロポリマー社製の製品名「パンデックス」(MDI-PTMGタイプの熱可塑性ポリウレタン)
「ハイトレル4001」:東レデュポン社製のポリエステルエラストマー
「ポリテールH」:三菱化成(株)製のポリヒドロキシ炭化水素系重合体
「トリメチロールプロパン」:東京化成工業社製
「酸化チタン」:堺化学工業社製
「ポリエチレンワックス」:三洋化成社製の商品名「サンワックス161P」
イソシアネート化合物:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
次に、全ての実施例及び比較例に共通する塗料組成物として、下記表3に示す塗料組成物Iを使用し、多数形成されたカバー(最外層)表面に、エアースプレーガンにより上記塗料を塗装し、厚み15μmの塗膜層を形成したゴルフボールを作製した。
環流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管及び温度計を備えた反応装置に、トリメチロールプロパン140質量部、エチレングリコール95質量部、アジピン酸157質量部、1,4-シクロヘキサンジメタノール58質量部を仕込み、撹拌しながら200~240℃まで昇温させ、5時間加熱(反応)させた。その後、酸価4,水酸基価170,重量平均分子量(Mw)28,000の「ポリエステルポリオール(A)」を得た。
次に、上記の合成したポリエステルポリオール(A)を酢酸ブチルで溶解させ、不揮発分70質量%のワニスを調整した。
塗料の弾性仕事回復率の測定には、厚み50μmの塗膜シートを使用して測定する。測定装置は、エリオニクス社の超微小硬度計「ENT-2100」が用いられ、測定の条件は、以下の通りである。
・圧子:バーコビッチ圧子(材質:ダイヤモンド、角度α:65.03°)
・荷重F:0.2mN
・荷重時間:10秒
・保持時間:1秒
・除荷時間:10秒
塗膜の戻り変形による押し込み仕事量Welast(Nm)と機械的な押し込み仕事量Wtotal(Nm)とに基づいて、下記数式によって弾性仕事回復率が算出される。
弾性仕事回復率=Welast / Wtotal × 100(%)
上記表3のショアC硬度及びショアM硬度は、厚さ2mmのシートを作成し、3枚重ねて試験片としてASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計及びショアM硬度計を用いてそれぞれ計測した。
23.9±1℃の温度で、3時間以上温調した後に、任意の表面5箇所を測定し、その平均値を1個の各球体の測定値とし、測定個数10個での平均値を求めた。
23.9±1℃の温度で、3時間以上温調した後に、任意のディンプルのない部分を15箇所測定し、その平均値を1個のボールの測定値とし、測定個数10個のボールの平均値を求めた。
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従ってショアC硬度でコア表面硬度を計測した。コアの中心及び各コアの所定位置における断面硬度については、コアを半球状にカットして断面を平面にして測定部分に硬度計の針を垂直に押し当てて測定した。ショアC硬度の値で示される。
また、コアの中心硬度Cc、コアの表面硬度をCs、コアの中心と表面との中点硬度CM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5については、下記の面積A~F・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5)
を計算し、下記の3個の数式の値を求めた。
・(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)
・(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)
・〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)
なお、コア硬度分布の面積A~Fの説明として、実施例1のコア硬度分布データを用いて面積A~Fを表した概略図を図2に示す。
各層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に成形し、2週間以上放置した。その後、ショアC硬度およびショアD硬度はASTM D2240規格に準拠して計測した。
各球体の表面に対して針を垂直になるように押し当てて計測した。なお、ボール(カバー)の表面硬度は、ボール表面においてディンプルが形成されていない陸部における測定値である。ショアD硬度はASTM D2240規格に準拠したタイプDデュロメータによって計測し、ショアC硬度は、ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計にて計測した。
各球体を硬板の上に置き、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでのたわみ量をそれぞれ計測した。なお、上記のたわみ量は23.9℃に温度調節した後の測定値である。また、測定器はミュー精器株式会社製の高荷重コンプレッションテスターを使用し、加圧ヘッドのダウン速度は、4.7mm/秒で計測した。
ゴルフ打撃ロボットに、メタルヘッド製ドライバー(W#1)として、ブリヂストンスポーツ社製、製品名「PHYZ」(ロフト角10.5°)を取り付け、ヘッドスピード(HS)40m/sの条件でゴルフボールを打撃した。打撃中のゴルフボールについては、高速度ビデオカメラ(Photron社製、FASTCAM SA-Z)を用いて撮影し、撮影画像を解析し、ドライバーとゴルフボールとの接触開始から該ゴルフボールの変形量が最も大きくなるまでに要する時間(t1)と、上記ゴルフボールの変形量が最も大きくなった状態から該ゴルフボールと上記ドライバーのクラブフェースとが離間するまでに要する時間(t2)との2つの時間(μsec)を求めた。なお、打撃を真横から撮影した画像を用いて、クラブフェースとゴルフボールとの接触面から飛行方向におけるゴルフボールの直径が最も小さくなる時点を、ゴルフボールの変形量が最も大きい時点とする。
ゴルフ打撃ロボットに各種のクラブ(W#1,I#6)をつけて、下記の表6に示した条件で打撃した時の飛距離を測定し、下記表の基準で判定した。
ゴルフ打撃ロボットにサンドウエッジ(SW)をつけてヘッドスピード20m/sにて打撃した時のスピンの量で下記の基準により判断した。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「TourB XW-1 SW」を使用した。
(判断基準)
スピン量が5700rpm以上 ・・・ ○
スピン量が5700rpm未満 ・・・ ×
ドライバー(W#1)によるヘッドスピードが30~40m/sのアマチュアユーザーによるフルショットしたときの「ソフト感」について下記の基準で判定した。
20人中12人以上がソフト感ありと評価 ・・・ ○
ソフト感があり良い打感と評価した人20人中7~11人 ・・・ △
ソフト感があり良い打感と評価した人20人中6人以下 ・・・ ×
ゴルフ打撃ロボットに、フェースに刻まれた溝が角溝でロフト角52°のウエッジを取り付け、ヘッドスピード(HS)40m/sにて打撃し、下記の判定基準により耐傷付き性について評価した。
〔判定基準〕
○:“傷の付き難さ”が実施例1のボールと同等又はそれ以上
×:実施例1よりも傷が目立つ
比較例1は、カバー材料がアイオノマー樹脂を主材とするものであり、その結果、耐傷付き性に劣るとともに、飛距離にも劣る。
比較例2は、ボール表面硬度が中間層表面硬度より硬いものであり、その結果、アプローチ時のボールのスピン量が少なくなり、また、カバーが傷付きやすい。
比較例3は、ボール表面硬度が中間層表面硬度より硬く、かつ中間層が軟らかいため、その結果、フルショットでスピン量が増加し、飛距離が劣る。
比較例4は、ドライバーでの打撃した時のボールの変形時間(t1+t2)が705μsec未満となり、フルショットでスピン量が増加していまい、特にアイアンで打撃した時に飛距離が劣るとともに、打感が硬い。
比較例5は、コアに単層カバーを被覆したツーピースの構造であり、その結果、ボールのスピン量が多くなり、飛距離が劣る。
Claims (8)
- コア、中間層及びカバーを具備するマルチピースソリッドゴルフボールであって、上記コアはゴム組成物により形成され、上記コアの中心硬度がショアC硬度で40~50であり、上記コアの表面硬度がショアC硬度で66~76であると共に、上記カバーはポリウレタン材料を主材として形成されるものであり、ボールの表面硬度(ショアC硬度)と、コアを中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度との関係が、下記式
ボールの表面硬度(ショアC硬度)≦中間層被覆球体の表面硬度(ショアC硬度)
を満たすものであり、且つ、ドライバーを用いた打撃試験(ヘッドスピード40m/s)において、ドライバーとゴルフボールとの接触開始から該ゴルフボールの変形量が最も大きくなるまでに要する時間(t1)と、上記ゴルフボールの変形量が最も大きくなった状態から該ゴルフボールと上記ドライバーのクラブフェースとが離間するまでに要する時間(t2)との合計(t1+t2)が、705μsec以上であり、上記時間(t1)と上記時間(t2)の比(t2/t1)が、1.35以上であり、更には、コアの、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)が4.5mm以上であり、ゴルフボールの、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでのたわみ(mm)が3.8mm以上であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。 - 上記コアの中心と表面との硬度差(Cs-Cc)が、ショアC硬度で20以上である請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの表面のショアC硬度をCs、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCM、中点Mからコア表面側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM+2.5、CM+5.0及びCM+7.5とし、中点Mからコア中心側に2.5mm、5.0mm及び7.5mmの位置のショアC硬度をそれぞれ、CM-2.5、CM-5.0及びCM-7.5としたとき、下記の面積A~F
・面積A:1/2×2.5×(CM-5.0-CM-7.5)、
・面積B:1/2×2.5×(CM-2.5-CM-5.0)、
・面積C:1/2×2.5×(CM-CM-2.5)、
・面積D:1/2×2.5×(CM+2.5-CM)、
・面積E:1/2×2.5×(CM+5-CM+2.5)、及び
・面積F:1/2×2.5×(CM+7.5-CM+5)
について、(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)>0 を満たす請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 上記コア硬度分布の面積A~Fについて、(面積D+面積E)-(面積A+面積B+面積C)≧0 を満たす請求項3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記コア硬度分布の面積A~Fについて、0<〔(面積D+面積E+面積F)-(面積A+面積B+面積C)〕/(Cs-Cc)≦0.60 を満たす請求項3又は4記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記カバー表面には塗膜層が形成され、該塗膜層のショアC硬度が40~80である請求項1~5のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記カバーの材料硬度(ショアC硬度)から上記塗膜層のショアC硬度を引いた値が-20以上30以下である請求項6記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- コアの、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)をA、ゴルフボールの、初期荷重10kgfをかけた状態から終荷重130kgfをかけたときまでのたわみ(mm)をBとするとき、B/Aの値が0.60以上0.81以下である請求項1~7のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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