JP3245026U - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

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【課題】ロングヒッターのドライバー打撃時に対して飛距離を落とす距離を大きくしても、アベレージヒッターのドライバー打撃時及びアイアン打撃時の飛距離の落とす距離を少なくしたゴルフボールを提供する。【解決手段】コア1、中間層2及びカバー3を具備し、該カバーの外表面には多数のディンプルDが形成されるマルチピースソリッドゴルフボールGであって、コアに中間層を被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度とボールの表面硬度との関係が、下記式を満たし、(ボールの表面硬度)<(中間層被覆球体の表面硬度)(硬度はショアC硬度)ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量が2.7mm以下であると共に、コアの硬度分布を特定の断面硬度に設計し、ディンプルの総体積が314~375mm3である。【選択図】図1

Description

本考案は、コア、中間層及びカバーを具備し、該カバーの外表面には多数のディンプルが形成されるマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
2022年3月にR&AとUSGAとからゴルフボールの製造業者に対して、将来的にゴルフボールの標準総合距離(ODS)のテスト条件を変更することにより、ロングヒッターの飛距離を抑制する研究を開始するとの通知があった。このため、単純に飛距離を落とすのではなく、ロングヒッターのドライバー打撃時に対して飛距離を落とす距離を大きくしつつ、アベレージヒッターのドライバー打撃時の飛距離およびアイアン打撃時の飛距離を落とす距離は少なくすることにより、ロングヒッターのドライバー打撃時の飛距離が落ちること以外に対するプレーへの影響を小さくするゴルフボールにすることが好ましい。また、上記の変更により、飛距離を落としたゴルフボールについてプロや上級者が使用しても違和感が生じないように、ショートゲームのスピン特性についても、現在のツアーで使用されているボールに近似の性能となるようにボールを設計することが望まれる。
なお、過去において、ボール初速を通常のゲームボールよりも低い76.5m/s以下に制約したゴルフボールがいくつか提案されている。このような技術文献としては、例えば、下記の特許文献1~5が挙げられる。
しかしながら、上記提案のゴルフボールについては、いずれも、単にゲームボールより飛距離が出ないように設計された練習場向けの練習ボールである。従って、ロングヒッターがドライバー(W#1)で打撃した時の飛距離を落としつつも、アベレージヒッターの飛距離の落ちる距離をロングヒッターの飛距離の落ちる距離よりも小さくするようなゴルフボールの設計はなされていない。
また、ボール表面に形成されるディンプルについて、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球容積、即ち、ディンプル体積占有率VRを所定範囲に特定して、高ヘッドスピード(HS)領域における飛距離を抑制しながら、低HS領域において優位な飛距離を得ることのできるゴルフボールとして、下記の特許文献6~14が挙げられる。
しかしながら、上記提案のゴルフボールについては、アベレージヒッターがアイアンで打撃した時の飛距離が大きく低下してしまうことがあった。また、アイアン打撃時のランが大きくなりすぎてしましい、狙ったところに止め難いこともあった。従って、ロングヒッターのドライバー打撃時の飛距離が落ちること以外に対するプレーへの影響をできるだけ小さくするゴルフボールを開発することが望ましい。
特開2012-228470号公報 特開2014-069045号公報 特開2013-138857号公報 特開2013-138839号公報 特開2013-138840号公報 特開2011-218160号公報 特開2011-218161号公報 特開2011-218162号公報 特開2011-240122号公報 特開2011-240123号公報 特開2011-240124号公報 特開2011-240125号公報 特開2011-240126号公報 特開2011-240127号公報
本考案は、上記事情に鑑みなされたもので、将来的にゴルフボールの標準総合飛距離(ODS)のテスト条件を変更することにより、ロングヒッターの飛距離を抑制するルールに変更される可能性が出てきたことに対して、単純に飛距離を落とすのではなく、ロングヒッターのドライバー打撃時に対して飛距離を落とす距離を大きくしつつも、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の飛距離の落とす距離を少なくし、更に、アイアン打撃時のランを小さくすることで狙ったところにボールが止まり易くすることにより、プロや上級者のニーズを満足させることができるゴルフボールを提供することを目的とする。
本考案者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コア、中間層及びカバーを具備し、該カバーの外表面には多数のディンプルが形成されるマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、中間層被覆球体の表面硬度とボールの表面硬度との関係が、下記式
(ボールの表面硬度)<(中間層被覆球体の表面硬度)
(但し、硬度はショアC硬度を意味する。)
を満たし、ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量が2.7mm以下であると共に、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCm、中点Mから内側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度をそれぞれCm-2、Cm-4、Cm-6、中点Mから外側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度をそれぞれCm+2、Cm+4、Cm+6、コアの表面のショアC硬度をCsとしたとき、下記の式
(Cs-Cc)/(Cm-Cc)≧4.0
を満たし、更に、下記の面積A~F
・面積A: 1/2×2×(Cm-4-Cm-6)
・面積B: 1/2×2×(Cm-2-Cm-4)
・面積C: 1/2×2×(Cm-Cm-2)
・面積D: 1/2×2×(Cm+2-Cm)
・面積E: 1/2×2×(Cm+4-Cm+2)
・面積F: 1/2×2×(Cm+6-Cm+4)
について、下記式
{(面積D+面積E)-(面積A+面積B)}≧4.0
を満たし、且つ、上記ディンプルの総体積が314~375mm3となるようにゴルフボールを設計することにより、ロングヒッターの飛距離を抑制するルールに準ずるゴルフボールにおいて、ロングヒッターのドライバー打撃時に対して飛距離を落とす距離が大きくなっても、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の飛距離の落とす距離はできるだけ少なくすることにより、ロングヒッターのドライバー打撃時の飛距離が落ちること以外に対するプレーへの影響を小さくしたゴルフボールを見出し、本考案をなすに至ったものである。また、本考案のゴルフボールは、プロや上級者が使用して違和感が生じないように、ショートゲームのスピン特性についても、現在のツアーで使用されているボールに近似の性能を有する。更には、本考案のゴルフボールは、アイアン打撃時のランを大きくせずに、狙ったところに止めやすくすることにより、プロや上級者のニーズを満足させることができる。
なお、上記の「ロングヒッター」とは、ドライバー(W#1)打撃時のヘッドスピードが約50m/s以上のユーザーであり、上記の「アベレージヒッター」とは、ドライバー(W#1)打撃時のヘッドスピードが約45m/s以下のユーザーを意味する。
従って、本考案は、下記のマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
1.コア、中間層及びカバーを具備し、該カバーの外表面には多数のディンプルが形成されるマルチピースソリッドゴルフボールであって、コアに中間層を被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度とボールの表面硬度との関係が、下記式
(ボールの表面硬度)<(中間層被覆球体の表面硬度)
(但し、硬度はショアC硬度を意味する。)
を満たし、ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量が2.70mm以下であると共に、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCm、中点Mから内側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度をそれぞれCm-2、Cm-4、Cm-6、中点Mから外側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度をそれぞれCm+2、Cm+4、Cm+6、コアの表面のショアC硬度をCsとしたとき、下記の式
(Cs-Cc)/(Cm-Cc)≧4.0
を満たし、更に、下記の面積A~F
・面積A: 1/2×2×(Cm-4-Cm-6)
・面積B: 1/2×2×(Cm-2-Cm-4)
・面積C: 1/2×2×(Cm-Cm-2)
・面積D: 1/2×2×(Cm+2-Cm)
・面積E: 1/2×2×(Cm+4-Cm+2)
・面積F: 1/2×2×(Cm+6-Cm+4)
について、下記式
{(面積D+面積E)-(面積A+面積B)}≧4.0
を満たし、且つ、上記ディンプルの総体積が314~375mm3であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
2.上記ディンプルの総面積が43~52mm2である上記1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
3.上記コアの表面硬度と上記中間層被覆球体の表面硬度との関係が、下記式
(中間層被覆球体の表面硬度)≧(コアの表面硬度)
(但し、硬度はショアC硬度を意味する。)
を満たす上記1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
4.上記コアの硬度分布において、下記の式
(Cs-Cc)≧22
を満たす上記1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
5.上記コアの硬度分布において、下記の式
面積E>面積D>面積C
を満たす上記1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本考案のゴルフボールによれば、R&AとUSGAから将来的にゴルフボールの標準総合飛距離(ODS)のテスト条件を変更することにより、ロングヒッターの飛距離を抑制するルールに変更される可能性が出てきたことに対して、単純に飛距離を落とすのではなく、ロングヒッターのドライバー打撃時に対して飛距離を落とす距離を大きくし、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の飛距離の落とす距離を少なくすることにより、ロングヒッターのドライバー打撃時の飛距離が落ちること以外に対するプレーへの影響を小さくすることができる。また、本考案のゴルフボールは、プロや上級者が使用して違和感が生じないように、ショートゲームのスピン特性についても、現在のツアーで使用されているボールに近似の性能を有し、更には、アイアン打撃時のランを大きくせずに、狙ったところに止めやすくすることにより、プロや上級者のニーズを満足させることができる。
本考案の一実施態様であるゴルフボールの概略断面図である。 コア硬度分布の面積A~Fを説明するために、実施例1のコア硬度分布データを用いて説明した概略図である。 実施例1~3及び比較例1~5のコア硬度分布を示すグラフである。 比較例6~10のコア硬度分布を示すグラフである。 実施例1~3及び比較例1~7,10で用いたディンプル(1)~(4)の配列態様(模様)であり、(A)は、ディンプルの平面図を示し、(B)は、その側面図を示す。 比較例8で用いたディンプル(5)の配列態様(模様)であり、(A)は、ディンプルの平面図を示し、(B)は、その側面図を示す。
以下、本考案につき、更に詳しく説明する。
本考案のマルチピースソリッドゴルフボールは、コア、中間層及びカバーを有するものであり、例えば、図1にその一例を示す。図1に示したゴルフボールGは、単層コア1と、該コア1を被覆する単層の中間層2と、該中間層を被覆する単層のカバー3を有している。このカバー3は、塗料層を除き、ゴルフボールの層構造での最外層に位置するものである。コア及び中間層の各層は、図1に示すような単層のほか、複数層に形成することができる。なお、上記カバー(最外層)3の表面には、通常、空力特性の向上のためにディンプルDが多数形成される。また、カバー3の表面には、特に図示してはいないが、通常、塗料層が形成される。以下、上記の各層について詳述する。
上記コアは、ゴム材を主材とするゴム組成物を加硫することにより得られる。コア材料がゴム組成物ではないとコアの反発性が低くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)及びアイアン打撃時において、所望の飛距離が得られなくなることがある。このゴム組成物としては、通常、基材ゴムを主体とし、これに、共架橋剤、架橋開始剤、不活性充填材、有機硫黄化合物等を配合させてゴム組成物を得るものである。
上記コアとしては、特に、下記(A)~(E)成分
(A)基材ゴム
(B)共架橋剤
(C)水またはモノカルボン酸金属塩
(D)有機過酸化物
(E)有機硫黄化合物
を含有するゴム組成物により形成されることが好適である。
(A)基材ゴムとしては、ジエン系ゴムを含むことができる。このジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
(B)共架橋剤は、α,β-不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩である。不飽和カルボン酸として、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常5質量部以上、好ましくは9質量部以上、更に好ましくは13質量部以上、上限として通常60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
(C)水については、特に制限はなく、蒸留水であっても水道水であってもよいが、特には、不純物を含まない蒸留水を使用することが好適に採用される。水の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上配合することが好ましく、より好ましくは0.2質量部以上であり、上限としては、好ましくは2質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下である。
コア材料に直接的に(C)成分として水または水を含む材料を配合することにより、コア配合中の有機過酸化物の分解を促進することができる。また、コア用ゴム組成物中の有機過酸化物は、温度によって分解効率が変化することが知られており、ある温度よりも高温になるほど分解効率が上がる。温度が高すぎると、分解したラジカル量が多くなりすぎてしまい、ラジカル同士で再結合や不活性化してしまうことになる。その結果、架橋に有効に働くラジカルが減ることになる。ここで、コア加硫の際に有機過酸化物が分解することで分解熱が発生するとき、コア表面付近は加硫モールドの温度とほぼ同程度を維持しているが、コア中心付近は外側から分解していった有機過酸化物の分解熱が蓄積されるため、モールド温度よりもかなり高温になる。コアに直接的に水または水を含む材料を配合した場合、水は有機過酸化物の分解を助長する働きがあるため、上述したようなラジカル反応をコア中心とコア表面において変化させることができる。即ち、コア中心付近では有機過酸化物の分解が更に助長され、ラジカルの不活性化がより促されることで有効ラジカル量が更に減少するため、コア中心とコア表面との架橋密度が大きく異なるコアを得ることができ、且つ、コア中心部の動的粘弾性特性の異なるコアを得ることができる。
また、上記の水の代わりに、モノカルボン酸金属塩を採用することができる。モノカルボン酸金属塩は、カルボン酸が金属塩に対して配位結合していると推定され、化学式で〔CH2=CHCOO〕2Znで表わされるジアクリル酸亜鉛のようなジカルボン酸金属塩とは区別される。モノカルボン酸金属塩は、脱水縮合反応をすることによりゴム組成物中に水をもたらすため、上記水と同様の効果を得ることができる。また、モノカルボン酸金属塩は、粉体としてゴム組成物に配合することができるため、作業工程を簡略化することができると共に、ゴム組成物中に均一に分散させることが容易である。なお、上記の反応を効果的に行うためには、モノ塩であることが必要である。モノカルボン酸金属塩の配合量は、基材ゴム100質量部に対して1質量部以上配合することが好ましく、より好ましくは3質量部以上である。上限としては、モノカルボン酸金属塩の配合量は、60質量部以下配合することが好ましく、より好ましくは50質量部以下である。上記モノカルボン酸金属塩の配合量が少なすぎると、適切な架橋密度を得ることが困難となり、十分にゴルフボールの低スピン効果を得ることができないことがある。また、配合量が多すぎる場合には、コアが硬くなりすぎるため、適切な打感を保つことが困難になる場合がある。
上記のカルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ステアリン酸等を使用することができる。置換金属としては、Na、K、Li、Zn、Cu、Mg、Ca、Co、Ni、Pb等が挙げられるが、好ましくはZnが好適に用いられる。具体例としては、モノアクリル酸亜鉛、モノメタクリル酸亜鉛等が挙げられ、特に、モノアクリル酸亜鉛を用いることが好ましい。
(D)有機過酸化物としては、熱分解温度が比較的高温な有機過酸化物を使用することが好適であり、具体的には、1分間半減期温度が約165~185℃の高温な有機過酸化物を使用するものであり、例えば、ジアルキルパーオキサイド類を挙げることができる。ジアルキルパーオキサイド類として、例えば、ジクミルパーオキサイド(日油社製「パークミルD」)、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ25B」)、ジ(2-t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(日油社製「パーブチルP」)等が挙げられ、ジクミルパーオキサイドを好適に用いることができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用してもよい。半減期は、有機過酸化物の分解速度の程度を表す指標の一つであり、もとの有機過酸化物が分解して、その活性酸素量が1/2になるまでに要する時間によって示される。コア用ゴム組成物における加硫温度は、通常、120~190℃の範囲内であり、その範囲内では、1分間半減期温度が約165℃~185℃と高温な有機過酸化物は比較的遅く熱分解する。本考案で用いられるゴム組成物によれば、加硫時間の経過とともに増加する遊離ラジカルの生成量を調整することにより、後述する特定の内部硬度形状を有するゴム架橋物であるコアを得ることができる。
(E)有機硫黄化合物は、コアの反発性を上げる方向にコントロールするために配合することができる。有機硫黄化合物として具体的には、チオフェノール、チオナフトール、ハロゲン化チオフェノール又はそれらの金属塩を配合することが推奨され、より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール等の亜鉛塩、硫黄数が2~4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられるが、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドを好適に用いることができる。
有機硫黄化合物の配合量は、上限値として、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下である。この配合量が多すぎると、コアの硬さが軟らかくなりすぎ、あるいはコアの反発が高くなりすぎてロングヒッターのドライバー打撃時の飛距離が出すぎることがある。一方、この配合量の下限値としては、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上である。この配合量が少なすぎると、コアの反発が低くなりすぎて、アベレージヒッターのドライバー打撃時およびロングヒッター/アベレージヒッター両者のアイアン打撃時の飛距離が低くなりすぎることがある。
上記ゴム組成物には上記(A)~(E)成分以外の成分として、充填材、老化防止剤などを配合することができる。
充填材としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。充填材の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは4質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは12質量部以上とすることができる。また、この配合量の上限は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下とすることができる。この配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
老化防止剤としては、例えば、ノクラックNS-6、同NS-30、同200、同MB(大内新興化学工業(株)製)等の市販品を採用することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤の配合量については、特に制限はないが、基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、上限として好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると、適正なコア硬度傾斜が得られずに好適な反発性、耐久性及びフルショット時の低スピン効果を得ることができない場合がある。
上記コアは、上記各成分を含有するゴム組成物を加硫硬化させることにより製造することができる。例えば、バンバリーミキサーやロール等の混練機を用いて混練し、コア用金型を用いて圧縮成形又は射出成型し、有機過酸化物や共架橋剤が作用するのに十分な温度として、100~200℃、好ましくは140~180℃、10~40分の条件にて成形体を適宜加熱することにより、該成形体を硬化させて製造することができる。
本考案では、上記コアは単層もしくは複数層に形成されるが、単層に形成されることが好適である。複数層のゴム製コアに作製すると、繰り返し打撃した時に界面から剥離が生じ、早期に割れてしまう場合がある。
コアの直径は、37.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは38.0mm以上、さらに好ましくは38.4mm以上である。この直径の上限値は、好ましくは40.0mm以下、より好ましくは39.4mm以下、さらに好ましくは38.8mm以下である。コアの直径が小さすぎると、ボール初速が低くなりすぎたり、あるいはボール全体のたわみ量が小さくなり、フルショット時のボールのスピン量が増えてしまい、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。一方、コアの直径が大きすぎると、フルショット時のスピン量が増えてしまいアベレージヒッターの所望の飛距離が得られなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量(mm)は、特に制限はないが、好ましくは2.5mm以上、より好ましくは2.7mm以上、更に好ましくは2.9mm以上であり、上限値として、好ましくは3.9mm以下、より好ましくは3.6mm以下、さらに好ましくは3.3mm以下である。上記コアのたわみ量が小さすぎる、即ち、コアが硬すぎると、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがあり、あるいは打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記コアのたわみ量が大きすぎる、即ち、コアが軟らかすぎると、ボールの反発性が低くなりすぎてアベレージヒッターにとって飛ばなくなり、あるいは打感が軟らかくなりすぎ、または繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなり、アイアン打撃時のランが大きくなりすぎることがある。
次に、上記コアの硬度分布については説明する。なお、以下に説明するコアの硬度はショアC硬度を意味する。このショアC硬度は、ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計にて計測した硬度値である。
上記コアの中心硬度(Cc)は、好ましくは57以上、より好ましくは59以上、さらに好ましくは61以上であり、その上限値は、好ましくは67以下、より好ましくは65以下、さらに好ましくは63以下である。この値が大きすぎると、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなり、あるいは打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記の値が小さすぎると、反発性が低くなりアベレージヒッターの所望の飛距離が得られなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなり、アイアン打撃時にランが大きくなり、プロや上級者のニーズを満足できないことがある。
上記コアの中心と表面の中間の位置M(以下「中間位置M」ともいう。)から内側に6mmの位置硬度(Cm-6)は、特に制限されるものではないが、好ましくは58以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは62以上とすることができ、また、その上限も特に制限はなく、好ましくは68以下、より好ましくは66以下、更に好ましくは64以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの中心硬度(Cc)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの中心と表面の中間の位置M(以下「中間位置M」ともいう。)から内側に4mmの位置硬度(Cm-4)は、特に制限されるものではないが、好ましくは60以上、より好ましくは62以上、更に好ましくは64以上とすることができ、また、その上限も特に制限はなく、好ましくは69以下、より好ましくは67以下、更に好ましくは65以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの中心硬度(Cc)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの中間位置Mから内側に2mmの位置硬度(Cm-2)は、特に制限されるものではないが、好ましくは61以上、より好ましくは63以上、更に好ましくは65以上とすることができ、また、その上限も特に制限はなく、好ましくは70以下、より好ましくは68以下、更に好ましくは66以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの中心硬度(Cc)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの中間位置Mの断面硬度(Cm)は、特に制限されるものではないが、好ましくは62以上、より好ましくは64以上、更に好ましくは66以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは71以下、より好ましくは69以下、更に好ましくは67以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの中心硬度(Cc)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの表面硬度(Cs)は、好ましくは80以上、より好ましくは82以上、さらに好ましくは84以上であり、その上限値は、好ましくは91以下、より好ましくは89以下、さらに好ましくは87以下である。この値が大きすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなり、あるいは打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記の値が小さすぎると、反発性が低くなり、あるいはフルショット時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。
上記コアの中間位置Mからコア表面に向けて外側(以下、単に「外側」という。)に2mmの位置硬度(Cm+2)は、特に制限されるものではないが、好ましくは66以上、より好ましくは68以上、更に好ましくは70以上とすることができ、また、その上限も特に制限はなく、好ましくは75以下、より好ましくは73以下、更に好ましくは71以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの表面硬度(Cs)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの中間位置Mから外側に4mmの位置硬度(Cm+4)は、特に制限されるものではないが、好ましくは71以上、より好ましくは73以上、更に好ましくは75以上とすることができ、また、その上限も特に制限はなく、好ましくは80以下、より好ましくは78以下、更に好ましくは76以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの表面硬度(Cs)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの中間位置Mから外側に6mmの位置硬度(Cm+6)は、特に制限されるものではないが、好ましくは75以上、より好ましくは77以上、更に好ましくは79以上とすることができ、また、その上限も特に制限はなく、好ましくは85以下、より好ましくは83以下、更に好ましくは81以下とすることができる。これらの硬度を逸脱した場合、上記コアの表面硬度(Cs)で説明したのと同様の不利な結果を招くおそれがある。
上記コアの表面硬度から中心硬度を引いた値、即ち、Cs-Ccの値は、好ましくは22以上、より好ましくは23以上、さらに好ましくは24以上であり、その上限値は、好ましくは32以下、より好ましくは29以下、さらに好ましくは26以下である。この値が小さすぎると、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。一方、この値が大きすぎると、反発性が低くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
また、上記コアの硬度分布について、(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値を適正化することが好適である。(Cs-Cc)の値は、コアの中心と表面との硬度差を示し、(Cm-Cc)の値は、コア表面及びコア中心の中間点と、コア中心との硬度差を示すものであり、上記式は、これらの硬度差の比を表す。(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値は4.0以上であり、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上であり、上限値として、好ましくは12.0以下、より好ましくは11.0以下、さらに好ましくは9.5以下である。この値が小さすぎると、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られない場合がある。一方、この値が大きすぎると、反発性が低くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時およびロングヒッター/アベレージヒッターの両者のアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記コア硬度分布においては、下記の面積A~F
・面積A: 1/2×2×(Cm-4-Cm-6)
・面積B: 1/2×2×(Cm-2-Cm-4)
・面積C: 1/2×2×(Cm-Cm-2)
・面積D: 1/2×2×(Cm+2-Cm)
・面積E: 1/2×2×(Cm+4-Cm+2)
・面積F: 1/2×2×(Cm+6-Cm+4)
について、(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0以上であり、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上であり、上限値としては、好ましくは12.0以下、より好ましくは10.0以下、さらに好ましくは8.0以下である。この値が小さすぎると、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。一方、この値が大きすぎると、反発性が低くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
また、上記コアの硬度分布から計算される各面積の関係については、下記式
面積E>面積D>面積C
を満たすことが好適である。この関係式を満足しないと、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。
更に、下記式
{(面積D+面積E)-(面積A+面積B)}×(Cs-Cc)の値を適正化することが好適である。この値としては、120以上であり、好ましくは130以上、より好ましくは140以上であり、上限値として、好ましくは220以下、より好ましくは200以下、さらに好ましくは190以下である。この値が小さすぎると、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。一方、この値が大きすぎると、反発性が低くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
なお、図2には、実施例1のコア硬度分布データを用いて面積A~Fを説明した概略図を示す。このように面積A~Fは、各特定距離の差を底辺とし、各位置硬度の差を高さに持つ各三角形の面積である。
次に、中間層について説明する。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、ショアC硬度で、好ましくは90以上、より好ましくは92以上、さらに好ましくは93以上であり、上限値として、好ましくは100以下、より好ましくは98以下、さらに好ましくは96以下である。ショアD硬度では、好ましくは61以上、より好ましくは63以上、さらに好ましくは65以上であり、上限値として、好ましくは72以下、より好ましくは70以下、さらに好ましくは67以下である。
コアを中間層で被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度は、ショアC硬度で、好ましくは95以上、より好ましくは96以上、さらに好ましくは97以上であり、上限値として、好ましくは100以下、より好ましくは99以下、さらに好ましくは98以下である。ショアD硬度では、好ましくは68以上、より好ましくは69以上、さらに好ましくは70以上であり、上限値として、好ましくは78以下、より好ましくは75以下、さらに好ましくは72以下である。
これらの中間層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショットした時にスピン量がかかりすぎたり、実打初速が低くなったりして、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の飛距離が出なくなることがある。一方、中間層の材料硬度及び表面硬度が上記範囲より硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなり、またはパターやショートアプローチ実施時の打感が硬くなったり、アプローチした時のスピンがかかりずらくなることがある。
中間層の厚さは、好ましくは0.9mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.1mm以上である。一方、中間層の厚さの上限値としては、好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.4mm以下、さらに好ましくは1.2mm以下である。また、中間層の厚さは、後述するカバーより厚くすることが好適である。中間層の厚さが、上記範囲を外れ、あるいはカバーより薄くなると、ドライバー(W#1)打撃時のボ-ルの低スピン効果が足りずアベレージヒッターにおけるドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の狙いの飛距離が出なくなることがある。また、中間層が薄すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、中間層の厚さが上記範囲より厚すぎると、打感が悪くなることがある。
中間層厚さからカバー厚さを引いた値は、好ましくは0mmより大きく、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上であり、上限値としては、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下、さらに好ましくは0.4mm以下である。この値が上記範囲を逸脱すると、フルショットでのボールのスピン量が増えたり、実打初速が低くなるなどして、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の飛距離が出なくなることがある。一方、この値が小さすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
中間層の材料については、アイオノマー樹脂を主材料として採用することが好適である。アイオノマー樹脂を主材料として採用する場合、亜鉛中和型アイオノマー樹脂とナトリウム中和型アイオノマー樹脂とを混合して主材として用いることができる。また、アイオノマー樹脂材料としては、不飽和カルボン酸の含量(「酸含量」ともいう)16質量%以上の高酸含量アイオノマー樹脂を含むことができる。
中間層材料には、任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。例えば、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量としては、基材樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
中間層材料については、後述するカバー材で好適に用いられるポリウレタンとの密着度を高めるために中間層表面を研磨することが好適である。更に、その研磨処理の後にプライマー(接着剤)を中間層表面に塗布するか、もしくは材料中に密着強化材を添加することが好ましい。
コアに中間層を被覆した球体(中間層被覆球体)に対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量(mm)は、2.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.2mm以上、さらに好ましくは2.4mm以上である。一方、上記たわみ量の上限値としては、好ましくは3.4mm以下、より好ましくは3.1mm以下、更に好ましくは2.8mm以下である。中間層被覆球体のたわみ量が小さすぎる、即ち、硬すぎると、スピン量が増えすぎてしまい、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の飛距離が出なくなることがあり、または打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記のたわみ量が大きすぎる、即ち、上記球体が軟らかすぎると、アイアン打撃時にスピン量が少なくなりランが多くなり過ぎ、所望する距離のコントロールが難しくなったり、打感が軟らかくなりすぎたり、あるいは繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
次に、カバーについて説明する。
カバーの材料硬度は、特に制限はないが、ショアC硬度で、好ましくは50以上、より好ましくは57以上、さらに好ましくは63以上であり、上限値として、好ましくは86以下、より好ましくは74以下、さらに好ましくは71以下である。ショアD硬度では、好ましくは30以上、より好ましくは35以上、さらに好ましくは40以上であり、上限値として、好ましくは57以下、より好ましくは53以下、さらに好ましくは50以下である。
中間層被覆球体をカバーで被覆した球体(ボール)の表面硬度は、ショアC硬度で、好ましくは73以上、より好ましくは78以上、さらに好ましくは83以上であり、上限値として、好ましくは95以下、より好ましくは92以下、さらに好ましくは90以下である。ショアD硬度では、好ましくは50以上、より好ましくは53以上、さらに好ましくは56以上であり、上限値として、好ましくは70以下、より好ましくは65以下、さらに好ましくは61以下である。
これらのカバーの材料硬度及び表面硬度が上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショットでスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の飛距離が出なくなることがある。一方、カバーの材料硬度及び表面硬度が上記範囲より硬すぎると、アプローチでのスピンが掛からなくなり、あるいは耐擦過傷性が悪くなることがある。
カバーの厚さは、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.6mm以上である。一方、カバーの厚さの上限値としては、好ましくは1.2mm以下、より好ましくは0.9mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。上記カバーが厚すぎると、フルショット時にボールの反発性が足りなくなったり、あるいはスピン量が多くなるなどして、その結果、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の飛距離が出なくなることがある。一方、上記カバーが薄すぎると、耐擦過傷性が悪くなり、あるいはアプローチでのスピンが掛からなくなりコントロール性が不足することがある。
上記カバーの材料としては、ショートゲームでのスピンコントロール性と耐擦過傷性との観点から、ゴルフボールのカバー材で使用される各種のウレタン樹脂を使用することができる。更には量産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンを主体とした樹脂材料を使用することが好適である。さらには、熱可塑性ポリウレタン及びポリイソシアネート化合物を主成分とする樹脂配合物により形成することが好適である。
上記カバーの材料には、必要に応じて、上記のポリウレタン樹脂以外の種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
上述したコア,中間層及びカバー(最外層)の各層を積層して形成されたマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法については、公知の射出成形法等の常法により行なうことができる。例えば、コアの周囲に中間層材料を射出成形用金型で射出して中間層被覆球体を得、最後に、最外層であるカバーの材料を射出成形することによりマルチピースのゴルフボールを得ることができる。また、半殻球状に成形した2枚のハーフカップを予め用意し、これでコアや中間層被覆球体を包み加熱加圧成形することによりゴルフボールを作製することもできる。
ゴルフボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量(mm)は、2.00mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.20mm以上、さらに好ましくは2.30mm以上である。一方、上記たわみ量の上限値としては、2.70mm以下であり、好ましくは2.60mm以下、より好ましくは2.50mm以下である。ゴルフボールのたわみ量が小さすぎる、即ち、硬すぎると、スピン量が増えすぎてしまい、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃及びアイアン打撃時の飛距離が出なくなることがあり、または打感が硬くなりすぎることがある。一方、上記のたわみ量が大きすぎる、即ち、上記球体が軟らかすぎると、アイアン打撃時にスピン量が少なくなりランが多くなり過ぎ、所望する距離のコントロールが難しくなったり、打感が軟らかくなりすぎたり、あるいは繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
各球体の表面硬度の関係について
本考案は、中間層被覆球体の表面硬度とボールの表面硬度との関係が、アベレージヒッターにおけるドライバー(W#1)打撃及びアイアンフルショット時の優位な飛距離と、ショートゲーム時のコントロール性との両立の点から、下記式
(ボールの表面硬度)<(中間層被覆球体の表面硬度)
を満たすことを要する。中間層被覆球体の表面硬度からボールの表面硬度を引いた値は、ショアC硬度で、好ましくは0より大きく、より好ましくは4以上、さらに好ましくは7以上であり、上限値としては、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下である。上記値が0以下であると、アベレージヒッターにおけるドライバー及びアイアンフルショット時における優位な飛距離と、ショートゲーム時のコントロール性の両立が困難になることがある。一方、上記値が大きすぎると、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の飛距離が狙いの距離より低くなることがある。
中間層被覆球体の表面硬度からコアの表面硬度を引いた値は、ショアC硬度で、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、さらに好ましくは9以上であり、上限値としては、好ましくは20以下、より好ましくは17以下、さらに好ましくは14以下である。上記範囲を逸脱すると、フルショットした時のボールのスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。
中間層被覆球体の表面硬度からコアの中心硬度を引いた値は、ショアC硬度で、好ましくは27以上、より好ましくは30以上、さらに好ましくは33以上であり、上限値としては、好ましくは43以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは37以下である。上記値が小さすぎると、フルショット時にボールのスピン量が増え、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。一方、上記値が大きすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなり、または実打初速が低くなりアベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。また、アイアン打撃時にランが大きくなり、プロや上級者のニーズを満足できなくなることがある。
コア直径とボールの直径について
コア直径とボール直径との関係、即ち、(コア直径)/(ボール直径)の値が、0.878以上であることが好ましく、より好ましくは0.890以上、さらに好ましくは0.899以上である。一方、上限値としては、好ましくは0.937以下、より好ましくは0.923以下、さらに好ましくは0.909以下である。この値が小さすぎると、ボール初速が低くなり、あるいはボール全体のたわみ量が小さくなりボールが硬くなってしまい、フルショット時のボールのスピン量が増え、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の飛距離が狙いより低くなることがある。一方、上記値が大きすぎると、フルショット時のボールのスピン量が増えて、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の飛距離が狙いより低くなることがあり、あるいは繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
各球体のたわみ量の関係について
コア及びボールの各球体に対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量(mm)をそれぞれC(mm)、B(mm)としたとき、C-Bの値は、好ましくは0.30mm以上、より好ましくは0.40mm以上、さらに好ましくは0.50mm以上であり、上限値は、好ましくは0.90mm以下、より好ましくは0.80mm以下、さらに好ましくは0.70mm以下である。この値が大きすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなったり、実打初速が低くなって、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の所望の飛距離が得られなくなり、または、アイアン打撃時にランが大きくなりすぎることがある。一方、この値が小さすぎると、打感が硬くなりすぎたり、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。
コア及び中間層被覆球体の各球体に対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量(mm)をそれぞれC(mm)、M(mm)としたとき、C-Mの値は、好ましくは0.30mm以上、より好ましくは0.35mm以上、さらに好ましくは0.40mm以上であり、上限値は、好ましくは0.65mm以下、より好ましくは0.60mm以下、さらに好ましくは0.55mm以下である。この値が大きすぎると、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなったり、実打初速が低くなって、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。一方、この値が小さすぎると、打感が硬くなりすぎたり、フルショットした時のスピン量が多くなり、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時及びアイアン打撃時の所望の飛距離が得られなくなることがある。
カバーの外表面には多数のディンプルを形成することができる。カバー表面に配置されるディンプルについては、特に制限はないが、好ましくは280個以上、好ましくは300個以上、より好ましくは310個以上であり、上限として、好ましくは450個以下、より好ましくは400個以下、さらに好ましくは350個以下具備することができる。ディンプルの個数が上記範囲を逸脱すると、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の飛距離が低くなることがある。
ディンプルの形状については、円形、各種多角形、デュードロップ形、その他楕円形など1種類又は2種類以上を組み合わせて適宜使用することができる。例えば、円形ディンプルを使用する場合には、直径は2.5mm以上6.5mm以下程度、深さは0.08mm以上0.30mm以下とすることができる。
ディンプルの総面積は、好ましくは43mm2以上であり、より好ましくは46mm2以上、さらに好ましくは48mm2以上であり、上限値としては、好ましくは52mm2以下、より好ましくは50mm2以下、さらに好ましくは49mm2以下である。この総面積の値が上記範囲を逸脱すると、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の飛距離が低くなることがある。なお、ディンプルの総面積は、ディンプルの縁に囲まれた平面で定義されるディンプル面積の合計を意味する。
ディンプルの総体積は、314mm2以上であり、好ましくは322mm2以上、より好ましくは330mm2以上であり、上限値としては、375mm2以下、より好ましくは363mm2以下、より好ましくは351mm2以下である。この値が上記範囲より大きいと、ロングヒッターのドライバー(W#1)打撃時の飛距離が落ちすぎ、または、アベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の飛距離について狙いの飛距離が得られない場合がある。また、この場合、弾道が低くなり、キャリーが出にくくなり、谷や池を越え難くなることがある。一方、上記の値が小さすぎると、ロングヒッターのドライバー(W#1)打撃時の飛距離が落ちずに、R&AおよびUSGAが想定する新たな飛距離ルールの標準距離よりも飛びすぎるおそれがある。なお、ディンプルの総体積は、各ディンプルの体積(ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプル体積)×個数の総和を意味する。
各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.38以上、さらに好ましくは0.40以上であり、上限値としては、0.80以下、より好ましくは0.70以下、さらに好ましくは0.60以下である。このV0値が上記範囲を逸脱すると、ロングヒッター及びアベレージヒッターのドライバー(W#1)打撃時の飛距離が狙いより低くなることがある。
なお、本考案のマルチピースソリッドゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径は42.672mm内径のリングを通過しない大きさであり、質量は好ましくは45.0~45.93gに形成することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本考案を具体的に説明するが、本考案は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1~3、比較例1~10〕
コアの形成
実施例1及び比較例1,3~7については、表1に示した各例のゴム組成物を調製した後、表1に示す各例の加硫条件により加硫成形することによりソリッドコアを作製した。
実施例2,3及び比較例2,8~10については、上記と同様に、表1の配合に基づいてコアを作製する。
Figure 0003245026000002
上記の配合についての詳細は下記のとおりである。
・ポリブタジエン A:商品名「BR01」(ENEOSマテリアル社製)
・ポリブタジエン B:商品名「Diene645」(FIRESTONE POLYMERS社)
・ポリブタジエン C:商品名「BUDENE 1224G」(Goodyear Tire & Rubber Company社)
・イソプレンゴム:商品名「IR2200」(JSR社製)
・スチレン・ブタジエンゴム:商品名「SBR1507」(JSR社製)
・アクリル酸亜鉛:商品名「ZN-DA85S」(日本触媒社製)
・メタクリル酸亜鉛:商品名「ZDA-90」(浅田化学工業社製)
・ステアリン酸亜鉛:商品名「BR-3T」(Akrochem社製)
・有機過酸化物(I):ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日油社製)
・有機過酸化物(II):1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC-40」(日油社製)
・硫黄:商品名「サンミックスS-80N」(三新化学工業社製、ゴム用粉末硫黄を80wt%含有したもの)
・水:純水(正起薬品工業社製)
・老化防止剤:2,2-メチレンビス(4-メチル-6-ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS-6」(大内新興化学工業社製)
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学工業社製)
・ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
中間層及びカバー(最外層)の形成
次に、実施例1及び比較例1,3~7については、射出成形用金型を用いて、コア表面の周囲に、表2に示す中間層の樹脂材料No.1またはNo.2により射出成形し、中間層を形成した。次いで、別の射出成形用金型を用いて、上記の中間層被覆球体の周囲に、表2に示すカバー(最外層)の樹脂材料No.3により射出成形し、カバーを形成した。この際、カバー表面には、下記に記載する所定の多数のディンプルを形成した。
実施例2,3及び比較例2,8~10については、射出成形用金型を用いて、コア表面の周囲に、表2に示す中間層の樹脂材料No.1またはNo.2により射出成形し、中間層を形成する。次いで、別の射出成形用金型を用いて、上記の中間層被覆球体の周囲に、表2に示すカバー(最外層)の樹脂材料No.3により射出成形し、カバーを形成する。比較例8については、射出成形用金型を用いて、コア表面の周囲に、表2に示す樹脂材料No.4により射出成形し、カバーを形成する。この際、カバー表面には、下記に記載する所定の多数のディンプルを形成する。
Figure 0003245026000003
表2の配合成分の詳細は下記のとおりである。
「ハイミラン1605」「ハイミラン1557」「ハイミラン1706」及び「AM7318」三井・ダウポリケミカル社製のアイオノマー
「トリメチロールプロパン」(TMP)東京化成工業社製
「TPU(1)」ディーアイシーコベストロポリマー社製の商品名「パンデックス」、エーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン、材料硬度(ショアD)「50」
「TPU(2)」ディーアイシーコベストロポリマー社製の商品名「パンデックス」、エーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン、材料硬度(ショアD)「47」
各実施例及び比較例のディンプルについては、下記のディンプル(1)~(5)をそれぞれ用いた。各ディンプル態様には、直径及び深さが異なるNo.1~No.8の8種類の円形ディンプルが含まれる。その詳細について下記の表3に示す。また、ディンプル(1)~(4)の配列態様(模様)を図5に示す。図5(A)は、ディンプルの平面図を示し、図5(B)は、その側面図である。また、ディンプル(5)の配列態様(模様)を図6に示す。図6(A)は、ディンプルの平面図を示し、図6(B)は、その側面図である。
Figure 0003245026000004
ディンプルの定義
縁:ディンプル中心を通る断面において最も高いところ
直径:ディンプルの縁に囲まれた平面の直径
深さ:ディンプルの縁に囲まれた平面からのディンプルの最大深さ
ディンプル体積:ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプル体積
ディンプル総面積:ディンプルの縁に囲まれた平面で定義されるディンプル面積の合計を意味する。
ディンプル総体積:各ディンプルの体積(ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプル体積)×個数の総和
円柱体積比:ディンプルと同直径の深さの円柱の体積に対する、ディンプル体積の比
得られた各ゴルフボールにつき、コアの各位置における内部硬度、コアや各被覆球体の外径、各層の厚さ及び材料硬度、各被覆球体の表面硬度、ボール初速などの諸物性を下記の方法で評価し、表4~7に示す。
コア硬度分布
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従ってショアC硬度で表面硬度を計測する。コアの中心及び所定位置については、コアを半球状にカットして断面を平面にして、中心部分及び表4,5に示した所定位置に硬度計の針を垂直に押し当てて測定し、中心及び各位置の硬度をショアC硬度の値で示す。硬度の測定には、ショアC型硬度計を備えた高分子計器株式会社製の自動ゴム硬度計「P2」が用いられる。硬度の値は最大値を読み取る。測定は、全て、23±2℃の環境下でなされる。なお、表中の数値はショアC硬度の値である。
また、コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度Cc、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度Cm、中点Mから内側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度Cm-2、Cm-4、Cm-6、中点Mから外側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度Cm+2、Cm+4、Cm+6、コアの表面のショアC硬度Csについては、下記の面積A~F
・面積A: 1/2×2×(Cm-4-Cm-6)
・面積B: 1/2×2×(Cm-2-Cm-4)
・面積C: 1/2×2×(Cm-Cm-2)
・面積D: 1/2×2×(Cm+2-Cm)
・面積E: 1/2×2×(Cm+4-Cm+2)
・面積F: 1/2×2×(Cm+6-Cm+4)
を計算し、下記の4個の数式の値を求める。
(1)面積A+面積B
(2)面積D+面積E
(3)(面積D+面積E)-(面積A+面積B)
(4){(面積D+面積E)-(面積A+面積B)}×(Cs-Cc)
コア硬度分布の面積A~Fの説明として、実施例1のコア硬度分布データを用いて面積A~Fを表した概略図を図2に示す。
また、実施例1~3及び比較例1~10のコア硬度分布のグラフを図3、図4に示す。
コア及び中間層被覆球体の各球体の外径
恒温槽にて23.9±1℃の温度で少なくとも3時間以上温度調節し、23.9±2℃の室内にて、任意の表面5箇所を測定し、その平均値を1個の各球体の測定値とし、測定個数10個での平均値を求める。
ボールの直径
恒温槽にて23.9±1℃の温度で少なくとも3時間以上温度調節し、23.9±2℃の室内にて、任意のディンプルのない部分を15箇所測定し、その平均値を1個のボールの測定値とし、測定個数10個のボールの平均値を求める。
コア、中間層被覆球体、及びボールのたわみ量
各対象被覆球体を硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのたわみ量を計測する。なお、上記のたわみ量は、恒温槽にて23.9±1℃の温度で少なくとも3時間以上温度調節し、23.9±2℃の室内にて計測した測定値である。測定器はミュー精器社製の高荷重コンプレッションテスターを使用し、コア、各層の被覆球体またはボールを圧縮する加圧ヘッドのダウン速度は10mm/sとする。
中間層及びカバーの材料硬度(ショアC硬度,ショアD硬度)
各層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に成形し、23±2℃の温度下にて2週間放置する。測定時には3枚のシートが重ね合わされる。ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計及びショアD硬度計にて、それぞれショアC硬度及びショアD硬度を計測する。硬度の測定には、ショアC型硬度計もしくはショアD型硬度計を取り付けた高分子計器株式会社製の自動ゴム硬度計「P2」が用いられる。硬度の値は最大値を読み取る。計測方法はASTM D2240規格に従う。
中間層被覆球体及びボールの各球体の表面硬度
各球体の表面に対して針を垂直になるように押し当てて計測する。なお、ボール(カバー)の表面硬度は、ボール表面においてディンプルが形成されていない陸部における測定値である。ASTM D2240規格に準拠したショアC硬度計及びショアD硬度計にて、それぞれショアC硬度及びショアD硬度を計測する。硬度の測定には、ショアC型硬度計もしくはショアD型硬度計を取り付けた高分子計器株式会社製の自動ゴム硬度計「P2」が用いられる。硬度の値は最大値を読み取る。計測方法はASTM D2240規格に従う。
各球体の初速
R&Aと同型のHye Precision Products製のCOR型初速計を用いて、各球体の初速を23.9±2℃で計測する。その測定原理は以下のとおりである。
エアの圧力を35.5、36.5、39.5、40.5psiの4段階に変更して、ボールを、それぞれの空気圧により、4段階の入射速度で発射し、バリアに衝突させて、そのCOR(反発係数)を測定する。即ち、エアの圧力を4段階に変更して入射速度とCORとの相関式を作る。同様に入射速度と接触時間との相関式を作る。
そして、これらの相関式から、入射速度43.83m/s時のCOR(反発係数)及び接触時間(μs)を求め、下記の初速換算式に代入し、各球体の初速を算出する。
IV=136.8+136.3e+0.019tc
〔ここで、eは反発係数、tcは衝突速度143.8ft/s(43.83m/s)での接触時間(μs)である。〕
各球体の初速の計測において、バレル径は、計測物の外径との間の片側のクリアランスが0.2~2.0mmの間で選択される。コアについては、実施例1~3及び比較例1~7,9,10は39.88mm、比較例8は41.53mmのバレル径を選択する。中間層被覆球体については全例が41.53mm、ボールについては全例が43.18mmのバレルを選択する。
Figure 0003245026000005
Figure 0003245026000006
Figure 0003245026000007
Figure 0003245026000008
各ゴルフボールの飛び(W#1)(I#6)及びアプローチ時のコントロール性について下記の方法で評価する。その結果を表8に示す。
飛び評価(W#1,HS54m/s)
ゴルフ打撃ロボットにドライバーのクラブをつけて、ヘッドスピード(HS)54m/sにて打撃した時の、スピン量及び飛距離(トータル)を測定する。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「TourB XD-5 ドライバー(2017年モデル)」(ロフト角8.5°)を使用し、下記の判定基準により評価する。
〔判定基準〕
○ ・・・ 比較例1対比のトータルが-8.0m以下、-20.0m以上である。
△ ・・・ 比較例1対比のトータルが-20.0m未満である。
× ・・・ 比較例1対比のトータルが-8.0mより大きい。
飛び評価(W#1,HS45m/s)
ゴルフ打撃ロボットにドライバーのクラブをつけて、ヘッドスピード(HS)45m/sにて打撃した時の、スピン量及び飛距離(トータル)を測定する。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「J015 ドライバー(2016年モデル)」(ロフト角9.5°)を使用し、下記の判定基準により評価する。
〔判定基準〕
○ ・・・ 比較例1対比のトータルが-5.0m以上である。
△ ・・・ 比較例1対比のトータルが-10.0m以上、-5.0m未満である。
× ・・・ 比較例1対比のトータルが-10.0m未満である。
飛び評価(W#1,HS40m/s)
ゴルフ打撃ロボットにドライバーのクラブをつけて、ヘッドスピード(HS)40m/sにて打撃した時の、スピン量及び飛距離(トータル)を測定する。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「J015 ドライバー(2016年モデル)」(ロフト角9.5°)を使用し、下記の判定基準により評価する。
〔判定基準〕
○ ・・・ 比較例1対比のトータルが-5.0m以上である。
△ ・・・ 比較例1対比のトータルが-10.0m以上、-5.0m未満である。
× ・・・ 比較例1対比のトータルが-10.0m未満である。
飛び評価(I#6,HS42m/s)
ゴルフ打撃ロボットに6番アイアン(I#6)をつけて、ヘッドスピード(HS)42m/sで打撃した時の、スピン量及び飛距離(トータル)を測定する。また、ランのみの距離(トータル-キャリー)を求める。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「JGR Forged I#6(2016年モデル)」を使用し、下記の判定基準により評価する。
〔判定基準/トータル〕
○ ・・・ 比較例1対比のトータルが0m以上である。
△ ・・・ 比較例1対比のトータルが-5.0m以上、0m未満である。
× ・・・ 比較例1対比のトータルが-5.0m未満である。
〔判定基準/ラン〕
○ ・・・ ランが6.0m以下である。
× ・・・ ランが6.0mより大きい。
飛び評価(I#6,HS35m/s)
ゴルフ打撃ロボットに6番アイアン(I#6)をつけて、ヘッドスピード(HS)35m/sで打撃した時の、スピン量及び飛距離(トータル)を測定する。また、ランのみの距離(トータル-キャリー)を求める。クラブは、ブリヂストンスポーツ社製の「JGR Forged I#6(2016年モデル)」を使用し、下記の判定基準により評価する。
〔判定基準/トータル〕
○ ・・・ 比較例1対比のトータルが0m以上である。
△ ・・・ 比較例1対比のトータルが-5.0m以上、0m未満である。
× ・・・ 比較例1対比のトータルが-5.0m未満である。
〔判定基準/ラン〕
○ ・・・ ランが6.0m以下である。
× ・・・ ランが6.0mより大きい。
アプローチ時のスピン量の評価
ゴルフ打撃ロボットにサンドウエッジをつけてヘッドスピード(HS)15m/sにて打撃した時のスピンの量で判断する。スピン量は同様に打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定する。サンドウエッジは、ブリヂストンスポーツ社製の「TourStage TW-03(ロフト角57°)2002年モデル」を使用する。
〔判定基準〕
〇 ・・・ スピン量4500rpm以上
× ・・・ スピン量4500rpm未満
Figure 0003245026000009
表8の結果に示されるように、比較例1~10のゴルフボールは、本考案品(実施例)に比べて以下の点で劣る。
比較例1は、現在、プロや上級者が使用するツアーボールの一つの実施形態であり、ディンプル総体積が314mm3より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)54m/sでの飛距離が出すぎてしまう。
比較例2は、ディンプル総体積が375mm3より大きい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)54m/sにて打撃した飛距離が落ちすぎると共に、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS45)m/sにて打撃した飛距離が劣る。
比較例3は、ディンプル総体積が314mm3より小さく、ボールの所定荷重負荷時のたわみ量が2.7mmより大きく、また、コア硬度分布における(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)54m/sにて打撃した飛距離が出すぎてしまうと共に、6番アイアン(I#6)打撃時のランが大きくなってしまう。
比較例4は、ボールの所定荷重負荷時のたわみ量が2.7mmより大きく、コア硬度分布における(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)45m/sにて打撃した飛距離が劣ると共に、6番アイアン(I#6)打撃時のランが大きくなってしまう。
比較例5は、ディンプル総体積が314mm3より小さく、ボールの所定荷重負荷時のたわみ量が2.7mmより大きく、更に、コア硬度分布における(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)45m/s及び40m/sにて、それぞれ打撃した飛距離が劣ると共に、6番アイアン(I#6)打撃時の飛距離が劣る。
比較例6は、ディンプル総体積が314mm3より小さく、ボールの所定荷重負荷時のたわみ量が2.7mmより大きく、更に、コア硬度分布における(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)45m/s及び40m/sにて、それぞれ打撃した飛距離が劣ると共に、6番アイアン(I#6)打撃時の飛距離に劣り、更に、6番アイアン(I#6)、ヘッドスピード(HS)42m/s打撃時のランが大きくなってしまう。
比較例7は、ディンプル総体積が314mm3より小さく、ボールの所定荷重負荷時のたわみ量が2.7mmより大きく、また、コア硬度分布における(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0より小さく、(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)45m/sにて打撃した飛距離が劣ると共に、6番アイアン(I#6)打撃時の飛距離に劣り、更に、6番アイアン(I#6)、ヘッドスピード(HS)35m/s打撃時のランが大きくなってしまう。
比較例8は、練習場向けのツーピース構造のゴルフボールであり、中間層がないボール構造であり、コア硬度分布における(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0より小さく、(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)54m/sにて打撃した飛距離が落ちすぎると共に、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)45m/s及び40m/s、6番アイアン(I#6)にて、それぞれ打撃した飛距離が劣る。
比較例9は、コア硬度分布における(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0より小さく、(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)40m/s、及び6番アイアン(I#6)にて、それぞれ打撃した飛距離が実施例より劣る。
比較例10は、コア硬度分布における(面積D+面積E)-(面積A+面積B)の値が4.0より小さく、(Cs-Cc)/(Cm-Cc)の値が4.0より小さい。その結果、ドライバー(W#1)でヘッドスピード(HS)40m/s、及び6番アイアン(I#6)にて、それぞれ打撃した飛距離が実施例より劣る。
G ゴルフボール
1 コア
2 中間層
3 カバー
D ディンプル

Claims (5)

  1. コア、中間層及びカバーを具備し、該カバーの外表面には多数のディンプルが形成されるマルチピースソリッドゴルフボールであって、コアに中間層を被覆した球体(中間層被覆球体)の表面硬度とボールの表面硬度との関係が、下記式
    (ボールの表面硬度)<(中間層被覆球体の表面硬度)
    (但し、硬度はショアC硬度を意味する。)
    を満たし、ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときのたわみ量が2.70mm以下であると共に、上記コアの硬度分布において、コアの中心のショアC硬度をCc、コアの中心と表面との中点MのショアC硬度をCm、中点Mから内側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度をそれぞれCm-2、Cm-4、Cm-6、中点Mから外側に2mm、4mm、6mmの位置のショアC硬度をそれぞれCm+2、Cm+4、Cm+6、コアの表面のショアC硬度をCsとしたとき、下記の式
    (Cs-Cc)/(Cm-Cc)≧4.0
    を満たし、更に、下記の面積A~F
    ・面積A: 1/2×2×(Cm-4-Cm-6)
    ・面積B: 1/2×2×(Cm-2-Cm-4)
    ・面積C: 1/2×2×(Cm-Cm-2)
    ・面積D: 1/2×2×(Cm+2-Cm)
    ・面積E: 1/2×2×(Cm+4-Cm+2)
    ・面積F: 1/2×2×(Cm+6-Cm+4)
    について、下記式
    {(面積D+面積E)-(面積A+面積B)}≧4.0
    を満たし、且つ、上記ディンプルの総体積が314~375mm3であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 上記ディンプルの総面積が43~52mm2である請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. 上記コアの表面硬度と上記中間層被覆球体の表面硬度との関係が、下記式
    (中間層被覆球体の表面硬度)≧(コアの表面硬度)
    (但し、硬度はショアC硬度を意味する。)
    を満たす請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  4. 上記コアの硬度分布において、下記の式
    (Cs-Cc)≧22
    を満たす請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  5. 上記コアの硬度分布において、下記の式
    面積E>面積D>面積C
    を満たす請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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