JP7224038B2 - 既設杭の撤去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物などの構造物を取り除く工事に付随して、前記構造物の基礎として土中に打設・埋設されている既設杭を地表側に撤去する撤去装置に関する。
例えば、水平回転し且つ下端に掘削刃を有するケーシングと、該ケーシング内に出没可能となるよう回転可能に設けられた把持爪とを備え、該把持爪は、前記ケーシングを土中に挿入する際には、その湾曲した先端部をケーシングの内周面に凹設した爪収容部内に待避させ、前記ケーシングを地表側に引き抜く際には、周囲の土の抵抗を受ける該把持爪の後端部による回転モーメントによって、前記先端部をケーシングの中心軸側に回転移動させ、該先端部により既設杭の底部を支持可能とした既設杭の引き抜き装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、前記引き抜き装置では、前記ケーシングを土中に挿入する際に、前記把持爪の湾曲した先端部をケーシングの内周面に凹設した爪収容部内に待避させせるので、前記ケーシングの内周面に施す加工が煩雑となる問題点があった。
また、水平回転し且つ下端にビットを有する管体と、該管体の打ち込み時とは逆方向に回転する際に当該管体の内方に張り出す羽根部材と、前記管体の逆方向に回転する際に土の抵抗を受けて前記羽根部材を前記のように張り出させる抵抗手段とを備え、該抵抗手段は前記羽根部材の下端面の中央付近から下方に突起状物を設けることで構成され、前記ビットの先端は前記抵抗手段よりも下方に突出している杭の撤去装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、前記杭の撤去装置では、前記抵抗手段が前記羽根部材の下端面の中央付近(一部分)から下方に突起状物として設けられているため、該抵抗手段を含む前記羽根部材の形状が複雑で且つ製作し難いと共に、前記抵抗手段が破損し易く、安定した張り出し作用が得られにくい。更に、前記管材の先端面側に前記羽根部材を収容するための切り欠き加工が必要となる、という問題点があった。
特開2009-46876号公報(第1~11頁、図1~10) 特許第4374338号公報(第1~10頁、図1~7)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、管体の内周面などに煩雑な加工を要さないと共に、前記管体の内側に回転させて既設杭を支持する羽根部材も製作し易く、且つ耐久性にも優れている既設杭の撤去装置を提供する、ことを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、発明者による鋭意探求による結果、管体の下端面に水平回転可能に取り付ける羽根部材の外端側に土の抵抗を受ける抵抗部を一体に設けると共に、該抵抗部の回転を規制するストッパを前記管体の外周面に配置する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による既設杭の撤去装置は、既設杭に外装する管体と、該管体の先端面に設けられ、前記管体の中心軸側に移動可能な羽根部材と、を備えた土中に埋設された既設杭を撤去する装置であって、前記羽根材は、前記管体の先端面に回転可能に取り付けられ、前記管体を底面視で逆方向に回転させた時に、土の抵抗を受ける抵抗部を、当該羽根部材における前記管体の外周面の外方に延設しており、前記管体を底面視で正方向に回転させた時に、前記抵抗部による前記羽根部材の回転を規制するストッパを前記管体の外周面に設けている、ことを特徴とする。
前記のような撤去装置によれば、前記羽根部材は前記管体の先端面に回転可能に取り付けられ、該管体と共に前記羽根部材を底面視で逆方向に回転させた時には、前記抵抗部は該羽根部材における管体の外周面の外方に延設し、該管体と共に前記羽根部材を底面視で正方向に回転させた時には、前記抵抗部による前記羽根部材の回転を規制するストッパが前記管体の外周面に設けられている。そのため、前記正回転時には、前記羽根部材は管体と共に、土中に埋設された撤去すべき既設杭の外周側に沿って下降し、前記逆回転時には、土の抵抗圧力を受ける抵抗部によって前記羽根部材の先端部が前記管体の中心軸側で当接して、前記既設杭の最深部を支持可能とする。その結果、前記逆回転を継続することで、既設杭を管体と共に、地表側に引き上げて撤去することができる。
しかも、前記管体に対して特別な加工を施す必要がなく、且つ前記抵抗部は、底面(平面)視で前記羽根部材の基端側を兼用しているため、破損などによる不具合を低減し、安定し且つ耐久性に優れた撤去作業が可能となる。
尚、本発明において、底面視における前記管体の正方向回転とは、平面視と反対方向となるため、本願に添付の図面では左回り(反時計回り)となり、逆方向回転とは、前記図面では右回り(時計回り)として表示される。
また、前記管体は、既設杭の外側を包囲(外装)するよう水平回転しつつ土中に挿入され、土中(深層)側の先端面に回転可能に取り付けた羽根部材によって前記既設杭の最深部分を支持した状態で、前記既設杭と共に地表側に引き上げられる。該管体は、撤去すべき既設杭の長さに応じて、所要数の円筒体を垂直に連設されている。
更に、前記羽根部材は、少なくも1枚が前記管体の先端面において回転可能に支持される。2枚以上の羽根部材を併用する場合には、前記管体の中心軸に対して点対称となる当該管体の先端面における位置ごとに、各羽根部材の回転中心を配置される。
また、前記羽根部材は、一端(外端)側に前記抵抗部と回転中心とを有し、他端側は、底面視で前記管体の先端面と重複するようカーブした湾曲部となっており、該湾曲部は前記抵抗部が土の抵抗を明けた際に、管体の中心軸側に張り出す。
更に、前記羽根部材の湾曲した先端部は、前記抵抗部が土の圧力を受けて回転した際に、前記管体の中心軸側に回転移動する。そのため、複数の羽根部材を併用する形態では、複数の羽根部材の各先端部が前記管体の中心軸側に点対称状に移動して互いに接近する。
加えて、前記管体の先端面のうち、前記羽根部材が取り付けられていない位置、あるいは、前記先端面に隣接する前記管体の外周面には、所要数の掘削刃(カッタービット)が取り付けられている。
また、本発明の第2の局面による既設杭の撤去装置は、前記羽根部材の抵抗部は、前記管体の正方向回転時に土の抵抗を受ける第1の抵抗面と、前記管体の逆方向回転時に土の抵抗を受ける第2の抵抗面と有し、前記管体の半径方向に沿った法線に対し、前記第1の抵抗面との挟角は、前記第2の抵抗面との挟角よりも大きい。
かかる構成の撤去装置によれば、前記正回転時において土の抵抗圧力を受ける第1の抵抗面と前記法線との挟角が、前記逆回転時において土の抵抗圧力を受ける第2の抵抗面と前記法線との挟角よりも大きい。その結果、前記正回転時において受ける土の圧力を比較的少なくできるので、土中への回転を伴う挿入作業をスムーズに行えると共に、前記逆正回転時において受ける土の圧力を比較的大きくできるので、前記羽根部材の回転を確実に行え、該羽根部材の先端部によって既設杭の最深部を確実に支持した状態で、地表側へ引き抜きことができる。
尚、前記第1の抵抗面は、底面視で単一の長い斜辺となり、前記第2の抵抗面は、底面視で短い内外2つの斜辺と管材の法線に近接する1つの辺とからなる。
更に、本発明の第3の局面による既設杭の撤去装置は、前記管体を底面視で正方向に回転させた場合において、前記管体の外周面を側面視した際に、前記羽根部材の抵抗部は、前記ストッパに重なっている。
かかる構成の撤去装置によれば、前記正回転時において、側面視で前記羽根部材の抵抗部が前記ストッパに重なっているので、土の抵抗圧力を前記抵抗部における前記第1の抵抗面に集中させ得る。その結果、前記抵抗部における第2の抵抗面と、これに一部が面接触している前記ストッパとを防護することができる。
加えて、本発明の第4の局面による既設杭の撤去装置は、前記抵抗部における前記ストッパとの重なり部分と該ストッパとの間には、隙間が位置している。
かかる構成の撤去装置によれば、前記羽根部材の抵抗部における前記ストッパとの重なり部分と該ストッパとの間に隙間が位置していることで、前記逆回転時において、前記隙間内に土が容易に進入するので、前記第2の抵抗面に対し前記土の圧力が効果的に加えられる。その結果、前記逆回転時における羽根部材の回転と、これに伴う前記既設杭の支持とを一層確実に行うことが可能となる。
尚、前記ストッパの底面視による形状は、ほぼ4分の1の円形状を呈し、その曲線部分を前記隙間側に面するように前記管材の外周面に固着されると共に、当該ストッパの底面は、前記管材の先端面よりも土中側に深く突出している。
(A)は本発明による一形態の撤去装置を示す垂直断面図、(B)は(A)中の矢印Bの視覚による前記撤去装置の底面図、(C)は(B)中の矢印Cで示す部分を回転して示した部分拡大図、(D)は羽根部材の斜視図である。 (A)は前記撤去装置の正回転時における底面図、(B)は前記撤去装置の逆回転時における底面図、(b)は変形形態の部分図、(C)は(A)中の矢印Cで示す部分を示す部分拡大図、(D)は(B)中の矢印Dで示す部分を示す部分拡大図である。 (A)、(C)、(E)は異なる形態の撤去装置の正回転時における底面図、(B)、(D)(F)はこれらの撤去装置の逆回転時における底面図である。 この発明の他の実施の形態を示す模式図である。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1(A)は、本発明による一形態の既設杭の撤去装置1を示す垂直断面図、(B)は、(A)中の矢印Bの視覚による前記撤去装置1の底面図である。尚、以下の図面において、底面視における管体2の正方向回転とは、平面視と反対方向となるため、各底面図では左回り(反時計回り)となり、底面視における管体2の逆方向回転とは、各底面図では右回り(時計回り)として表示される。
前記既設杭の撤去装置1は、例えば、建て替えるべき建物を取り壊した後、その敷地内の土中に埋設している既設杭Pを撤去するため、該既設杭P付近の地表上に配車した図示しないクレーン車の俯仰ブームの先端から回転駆動装置を介して吊り下げられ、図1(A)、(B)に示すように、正方向に回転しつつ土中に降下して、前記既設杭Pを包囲して外装する管体(ケーシング)2を有している。該管体2は、円柱形の中空部2sを内包する鋼製の円筒体であり、前記既設杭Pの長さに応じて、所要数が同軸心にして連結されている。
尚、図1(B)中で示す矢印は、前記管体2を土中に挿入する際の正方向の回転(以下、単に正回転と称する)を示す。
図示のように、前記管体2のリング形の先端面3における点対称の位置には、一対の羽根部材10a,10bが、前記先端面3から垂下したピン4を介して、水平回転可能に取り付けられている。該羽根部材10a,10bは、底面視で円弧形状の本体11と、先細形状の先端部18と、前記管体2の外周面から接線状に外方(基端側)に突出した抵抗部12とを備えた金属製の一体物である。前記抵抗部12の前記先端面3側には、前記ピン4を受け入れる軸受け穴19が形成されている。
前記抵抗部12は、図1(C)で拡大して示すように、前記管体2の外周面から接線状に外方に延びた比較的長い第1の抵抗面13と、該抵抗面13の外端から前記管体2の外周面側に接近するように傾斜した斜面14、前記第1の抵抗面13と平行状の斜面15、および前記先端面3の半径方向にほぼ沿った径面16からなる第2抵抗面17とを有している。
図1(C)に示すように、前記管体2の先端面3の半径方向に沿った法線Lに対し、該法線Lと前記第1の抵抗面13とに挟まれた挟角(角度)αは、前記法線Lと前記第2の抵抗面17とに挟まれた挟角βよりも大きい。なお、挟角β2は前記法線Lに対して負(マイナス)方向の角度である。
また、前記羽根部材10a,10bは、前記本体11、先端部18、および抵抗部12を底面視で一体に有しているが、図1(A)(C)に示すように、前記先端部18はその先端側の厚みを薄くしているが、前記抵抗部12の一部には、図1(D)で例示するように、前記管体2の外方に常時突出し、且つ後述する逆回転時に、羽根部材10a,10bの回転角度を規制する厚肉部20が地表側に突出している。該厚肉部20は、羽根部材10a,10bの側面に面接触する曲面21を有する。
更に、図1(A)、(B)に示すように、前記管体2を正方向に回転した時に、前記羽根部材10a,10bを図示の位置ごとに留まるようにするため、それらの抵抗部12の前記径面16に面接触する一対のストッパ7が前記管体2の外周面に点対称に固着(例えば、溶接)されている。
前記ストッパ7は、例えば、鋼片を熱間鍛造した鋼製であって、底面視がほぼ4分の1円形状を呈し、且つその丈寸法が前記厚肉部20よりも大であると共に、該ストッパ7の底面(先端面)は、前記管体2の先端面3よりも下方(土中の深部)に突出している。
加えて、図1(A)、(B)に示すように、前記管体2の先端面3側には、該先端面3に隣接する外周面に基部が取り付けられた複数の掘削刃(カッタービット)5が等間隔に且つ下向きに突出している。
以下において、前記撤去装置1の使用方法を図2によって説明する。尚、以下の各底面図では、先端面3を含む管体2とその回転方向の矢印と示すと共に、前記既設杭Pと前記掘削刃5とを省略している。
前記管体2を正回転しつつ土中に挿入する時において、図2(A),(C)に示すように、前記羽根部材10a,10bは、これらの抵抗部12を除いて、底面視で前記管体2の先端面3と重複している。この際、前記抵抗部12における第1の抵抗部13が、前記回転に伴って生じる土圧を主に受ける。かかる土圧に抗して、前記羽根部材10a,10bが前述の姿勢を保つため、これらにおける第2の抵抗面17と、前記管体2の外周面に固着した一対のストッパ7とが個別に面接触している。
具体的には、図2(C)に示すように、第2の抵抗面17中の径面16の外側部分と、ストッパ7の径面9とが面接触することで、前記羽根部材10a,10bの不用意な回転を阻止している。
尚、前記ストッパ7は、図2(C)に示すように、外方に常時露出する曲面8と前記径面9とを備えている。更に、該ストッパ7の曲面8と、前記第2の抵抗面17の斜面15との間には、横V字形状の隙間Sが位置している。
従って、前記管材2を正方向に回転させつつ土中に順次降下させることにより、土圧を比較的少なくして、前記図1(A)で示したように、当該管材2の中空部2s内に前記既設杭Pを包囲することができる。即ち、該管材2は、前記既設杭Pを外装する。
次いで、前記既設杭Pを前記管体2と共に、地表側に引き上げる時には、図2(B),(D)に示すように、底面視で前記管体2を逆方向に回転(以下、単に逆回転と称する)させる。すると図示のように、前記羽根部材10a,10bにおける第2の抵抗面17側に対し、且つ前記厚肉部20の面積に対して、土圧が主に加えられる。この際、前記土圧は、前記隙間Sを介して第2の抵抗面17の斜面15と径面16とに対して特に強く作用する。
その結果、前記羽根部材10a,10bには、前記ピン4を回転中心とした回転モーメントが生じるので、図2(B),(D)に示すように、該羽根部材10a,10bの各先端部18が管材2の中心軸側に回転移動すると共に、各抵抗部12が法線Lにほぼ沿うように管材2の外方に突出する。
この際、前記羽根部材10a,10bの各先端部18は、管材2の中心軸に対し、底面視で点対称の位置にあると共に、これらの前記厚肉部20の曲面21が管材2の外周面に当接するため、図2(B)、(D)で示す姿勢よりも大きく過度に回転することを阻止している。
尚、図2(C),(D)中で示すように、前記管体2の内周面に底面視が扇形状を呈し、底面が前記先端面3よりも図示で下方に突出する内側ストッパ23を固着することより、羽根部材10a,10bの各先端部18が接触しない形態にも適用可能としても良い。前記内側ストッパ23は、羽根部材10a等側に曲面24を有している。
更には、図2(b)の部分図で示すように、前記羽根部材10a,10bの各先端部18の先端同士が前記管材2の中心軸を超えた位置に達して、前記先端部18の側面同士が当接して停止するようにしても良い。
前記のように各先端部18を前記管体2の中心軸側に回転させ、各抵抗部12を外方に突出させた姿勢の羽根部材10a,10bを先端面3に有する当該管材2を、逆方向に回転しつつ地表側に順次引き上げる。その途中で、羽根部材10a,10bの厚肉部20が管材2の外周面に当接し、且つ互いに面接触している一対の先端部18が、前記既設杭Pを管材2の中空部2s内において支持した状態で地表側に引き上げる。
よって、前記管体2を逆方向に回転させつつ地表上に引き上げることによって、前記既設杭Pを土中から撤去することができる。
前記一対の羽根部材10a,10bを管材2の先端面3に取り付け、且つこれら付近の外周面に一対のストッパ7を設けた前記撤去装置1によれば、前記羽根部材10a,10bは管体2と共に、土中に埋設された撤去すべき既設杭Pの外周側に沿って下降し、前記逆回転時には、土圧を受ける抵抗部12によって羽根部材10a,10bの先端部18が前記管体2の中心軸側で当接ないし接近して、前記既設杭Pの最深部を支持可能とする。その結果、前記逆回転を継続することで、既設杭Pを管体2と共に、地表側に引き上げて撤去することができる。
しかも、前記管体2に対して特別な加工を施す必要がなく、厚肉部20を含む前記抵抗部12は、底面視で前記羽根部材10a,10bの基端側を兼用しているため、破損などによる不具合を低減でき、安定し且つ耐久性に優れた撤去作業が可能となる。
また、前記管体2の正回転時において土圧を受ける第1の抵抗面13と前記法線Lとの挟角αが、前記管体2の逆回転時において土圧を受ける第2の抵抗面17と法線Lとの挟角βよりも大きいので、前記正回転時において受ける土圧を比較的少なくできるため、土中への回転を伴う挿入作業をスムーズに行える。一方、前記逆回転時において受ける土圧を比較的大きく受けるため、羽根部材10a,10bを管材2の径方向に沿った姿勢に回転できるので、これらの先端部18同士により既設杭Pを確実に支持した状態で、地表側へ引き抜きことができる。
更に、前記管体2の正回転時において、側面視で前記羽根部材10a,10bの抵抗部12が前記ストッパ7に重なっていることで、土圧を前記抵抗部12における前記第1の抵抗面13に集中させ得るため、前記抵抗部12における第2の抵抗面17と、これに面接触している前記ストッパ7とを防護できる。
加えて、前記羽根部材10a,10bの抵抗部12における前記ストッパ7との重なり部分と該ストッパ7との間に隙間Sが位置しているため、前記逆回転時において、前記隙間S内に土が容易に進入し、前記第2の抵抗面17に対し前記土圧が効果的に加えられる。その結果、前記逆回転時における羽根部材10a,10bの回転操作と、前記既設杭Pの支持とを一層確実に行うことができる。
図3(A),(B)は、前記管体2の先端面3側に1つの羽根部材10と1つのストッパ7とを有する撤去装置1aにおける正方向の回転時および逆方向の回転時の底面図である。
上記撤去装置1aは、図3(A)に示すように、前記管体2の先端面3に1つの羽根部材10を前記同様に回転可能に取り付け、該羽根部材10の抵抗部12側の管体2の外周面に前記同様のストッパ7を固着すると共、該ストッパ7にほぼ隣接する管材2の内周面に前記同様の内側ストッパ20を固着したものである。
前記撤去装置1aは、1つの羽根部材10だけてあっても、図3(A)に示す正回転時には、土圧を抵抗部12の前記第1の抵抗面13において受けている。
一方、図3(B)に示す逆回転時には、土圧を抵抗部12の前記第2の抵抗面17が受けることで、前記羽根部材10の先端部18側が管体2の中心軸側に回転する。この場合、図示のように、前記羽根部材10における前記厚肉部20の曲面21が管材2の外周面に面接触するか、あるいは根部材10の基端側の緩い曲面が内側ストッパ23の曲面24に面接触することにより、前記先端部18を管体2の中心軸付近の位置に保持することができる。
また、図3(C),(D)は、前記管体2の先端面3側に3つの羽根部材10a~10cと3つのストッパ7とを有する撤去装置1bにおける正回転時および逆回転時の底面図である。
上記撤去装置1bは、図3(C)に示すように、前記管体2の先端面3に3つの羽根部材10a~10cを点対称の位置に回転可能に取り付け、該羽根部材10a~10cの各抵抗部12側の管体2の外周面ごとに前記同様である3つのストッパ7を点対称に固着したものである。
前記撤去装置1bは、3つの羽根部材10a~10cを備え、図3(C)に示す正回転時には、土圧を羽根部材10a~10cの抵抗部12の前記第1の抵抗面13において受けられる。一方、図3(D)に示す逆回転時には、土圧を羽根部材10a~10cの抵抗部12の前記第2の抵抗面17が受けることで、前記羽根部材10a~10cの各先端部18側が管体2の中心軸側に回転する。この際、3つの先端部18同士が違い名点対称で且つ当接し合っているので、前記既設杭Pの最深部を支持することができる。
尚、羽根部材10a~10cの前記厚肉部20、あるいは、前記同様の内側ストッパ23を用いることで、3つの前記先端部18が互いに離れていても、管体2が外装した既設杭Pを支持することが可能となる。あるいは、羽根部材10a~10cの各先端部18を管材2の中心軸よりも反対側の位置まで回転させ、各先端部18の側面同士が底面視で巴状に当接するようにしても良い。
更に、図3(E),(F)は、前記管体2の先端面3側に4つの羽根部材10a~10dと4つのストッパ7とを有する撤去装置1cにおける正回転時および逆回転時の底面図である。
上記撤去装置1cは、図3(E)に示すように、前記管体2の先端面3に4つの羽根部材10a~10dを点対称の位置に回転可能に取り付け、該羽根部材10a~10dの各抵抗部12側の管体2の外周面ごとに前記同様である4つのストッパ7を点対称に固着したものである。
前記撤去装置1cは、4つの羽根部材10a~10dを備え、図3(E)に示す正回転時には、土圧を羽根部材10a~10dの抵抗部12の前記第1の抵抗面13において受けられる。一方、図3(F)に示す逆回転時には、土圧を羽根部材10a~10dの抵抗部12の前記第2の抵抗面17が受けることで、前記羽根部材10a~10dの各先端部18側が管体2の中心軸側に回転する。この際、前記同様に4つの先端部18同士が互いに点対称で且つ当接ないし接近した位置で保持されているので、前記既設杭Pの最深部を支持することができる。
尚、羽根部材10a~10dの各先端部18が管材2の中心軸よりも反対側の位置まで回転して停止させ、各先端部18の側面同士が底面視で巴状に当接するようにしても良い。あるいは、前記撤去装置1b,1cにおいて、前記管材2の内周面に羽根部材10a~10c,10dと同数の内側ストッパ23を前記同様に設けても良い。
以上のような撤去装置1a~1cによっても、前記撤去装置1と同様な効果を奏することができる。
図4にこの発明の他の実施形態を示す。
この例では、管材2と管材2との継ぎ目(溶接される)に隙間を設け、そこに羽根部材10a、10bを設けている。この例では、部品の共通化の観点から、この羽根部材10a、10bは管材2の先端に設けられるものと同一にしている。即ち、抵抗部20を備えており、管材2が正転するときは羽根部材10a、10bは管材2と管材2との継ぎ目に収まっているが、管材2が逆転すると、管材2より外訪へ張り出した抵抗部20が強い土の干渉を受けて管材2内に突出する。ここに、管材2内には杭が存在しているので、羽根部材10a、10bは杭の側面に当接する。その結果、羽根部材10a、10bがスクレイパの役割をして、杭側面の土をそぎ落す。よって、杭の引き抜き作業が容易になる。
したがって、羽根部材10a、10bは杭に接触できる長さを備えればよい。また、羽根部材は1本でもよい。
上記の例では、管材2と管材2との継ぎ目に羽根部材を配置したが、管材の途中にスリットを穿設して、そこに羽根部材を収めることもできる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明によれば、管体の内周面側に煩雑な加工を要さず、前記管体の内側に回転させて既設杭を支持する羽根部材も製作し易く、且つ耐久性にも優れている既設杭の撤去装置を確実に提供できる。
1,1a~1c…………撤去装置
2…………………………管材
3…………………………先端面
7…………………………ストッパ
10,10a~10d…羽根部材
12………………………抵抗部
13………………………第1の抵抗面
14~16,17………第2の抵抗面
P…………………………既設杭
L…………………………法線
S…………………………隙間
α,β……………………挟角

Claims (4)

  1. 既設杭に外装する管体と、
    前記管体の先端面に設けられ、前記管体の中心軸側に移動可能な羽根部材と、を備えた土中に埋設された既設杭を撤去する装置であって、
    前記羽根部材は、前記管体の先端面に回転可能に取り付けられ、前記管体を底面視で逆方向に回転させた時に、土の抵抗を受ける抵抗部を、当該羽根部材における前記管体の外周面の外方に延設しており、
    前記管体を底面視で正方向に回転させた時に、前記抵抗部による前記羽根部材の回転を規制するストッパを前記管体の外周面に設けている、
    ことを特徴とする既設杭の撤去装置。
  2. 前記羽根部材の抵抗部は、前記管体の正方向回転時に土の抵抗を受ける第1の抵抗面と、前記管体の逆方向回転時に土の抵抗を受ける第2の抵抗面と有し、
    前記管体の半径方向に沿った法線に対し、前記第1の抵抗面との挟角は、前記第2の抵抗面との挟角よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の既設杭の撤去装置。
  3. 前記管体を底面視で正方向に回転させた場合において、前記管体の外周面を側面視した際に、前記羽根部材の抵抗部は、前記ストッパに重なっている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の既設杭の撤去装置。
  4. 前記抵抗部における前記ストッパとの重なり部分と該ストッパとの間には、隙間が位置している、
    ことを特徴とする請求項3に記載の既設杭の撤去装置。
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