JP7221003B2 - 部分めっき方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部分めっき方法に関し、特に、帯板状の被めっき材上の所定の部分をめっきする、部分めっき方法に関する。
従来、帯板状の被めっき材上の所定の部分をめっきする方法として、予め被めっき材のめっきを施さない部分(非めっき領域)にテープを貼り、このテープによって被めっき材の一部がマスキングされた状態で被めっき材にめっきを施し、めっき後にテープを除去する方法が知られている。
また、回転可能な略円筒形の非導電性部材からなるマスク部材の外周面に長尺の帯板状の被めっき材を密着させて搬送しながら、マスク部材に形成された複数の開口部の各々を介して、被めっき材にめっき液を供給するとともに、マスク部材の内周面側に配置されたアノードとカソードとしての被めっき材との間に電流を流して、被めっき材上のマスク部材の各々の開口部に対向する部分をめっきする方法も知られている。
しかし、従来の部分めっき方法では、被めっき材上の所定の部分に貴金属のめっき皮膜を形成する場合に、コスト削減のために、貴金属のめっき皮膜が形成される部分の面積を小さくすると、そのめっき部分以外の部分にもめっき皮膜が形成されて、めっき部分の位置精度が十分でなくなり、また、めっき部分の周縁部におけるめっき皮膜が厚くなって、めっき皮膜の膜厚分布が不均一になるという問題がある。
このような問題を解消するため、シート状またはフープ状の金属板に形成されたリードフレームなどの製品を連続的または間欠的に搬送させながら、製品の所定箇所に電着レジスト皮膜を形成し、露光および現像などの処理を経て、所定の部分を除去(所定の形状にパターニング)し、その所定の部分にめっきを施す方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、帯状の金属板素材に保持されたリードフレーム製品を連続的または間欠的に搬送させながら、リードフレーム製品の表面に電着レジスト皮膜を形成し、この電着レジスト皮膜の所定領域を露光した後に、現像して電着レジスト皮膜の所定領域を除去し、その所定領域にめっきを施した後、電着レジスト皮膜を剥離除去する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8-296083号公報(段落番号0008~0012) 特開平10-152795号公報(段落番号0007)
しかし、特許文献1~2の方法では、電着レジスト皮膜の硬化、パターニング(所定部分の除去)および剥離に長時間を要するため、長手方向に沿って連続的に搬送される帯板状の条材上の小さな領域にめっき皮膜を形成する場合に、比較的低速度で条材を搬送するか、あるいは、条材の搬送経路を長くする必要がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、長手方向に沿って連続的に搬送される帯板状の条材上の小さな領域にめっき皮膜を形成する場合に、条材の搬送速度を低下させたり搬送経路を長くしなくても、十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができる、部分めっき方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、基材の表面にアルカリ剥離型の電着レジスト皮膜を形成し、この電着レジスト皮膜の所定の部分をレーザー加工機により除去して、電着レジスト皮膜を貫通する開口部を形成し、この電着レジスト皮膜の開口部にめっき皮膜を形成した後、電着レジスト皮膜を剥離することにより、長手方向に沿って連続的に搬送される帯板状の条材上の小さな領域にめっき皮膜を形成する場合に、条材の搬送速度を低下させたり搬送経路を長くしなくても、十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による部分めっき方法は、基材の表面にアルカリ剥離型の電着レジスト皮膜を形成し、この電着レジスト皮膜の所定の部分をレーザー加工機により除去して、電着レジスト皮膜を貫通する開口部を形成し、この電着レジスト皮膜の開口部にめっき皮膜を形成した後、電着レジスト皮膜を剥離することを特徴とする。
この部分めっき方法において、電着レジスト皮膜の形成は、基材の少なくとも一方の面の略全面を覆うように行われるのが好ましい。電着レジスト皮膜の剥離は、電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に溶解させることにより行われるのが好ましく、電着レジスト皮膜に紫外線を照射した後に電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に溶解させることにより行われるのがさらに好ましい。電着レジスト皮膜のアルカリ溶液への溶解は、電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に浸漬することにより行われるのが好ましく、電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に浸漬する際に、めっき皮膜を形成した基材を陰極として電流を流すのがさらに好ましい。基材が長尺の帯板状の条材(または長尺の帯板状の条材から打ち抜かれた(コネクタやリードフレームなどの)電子部品用の条材)である場合には、電着レジスト皮膜の形成、除去および剥離は、条材を長手方向に沿って連続的に搬送しながら行われるのが好ましく、めっき皮膜は、条材を連続的にめっき浴内に送給して形成されるのが好ましい。めっき皮膜は、電気めっきまたは無電解めっきにより形成されるのが好ましく、Ni、Ni合金、Au、Au合金、AgまたはAg合金からなるのが好ましい。電着レジスト皮膜は、ポジ型レジストであるのが好ましく、電着レジスト皮膜を形成する前に、基材の表面に下地めっき皮膜を形成するのが好ましい。レーザー加工機は、波長300~1200nmのレーザーマーカーであるのが好ましく、YVOレーザーマーカーであるのが好ましい。
本発明によれば、長手方向に沿って連続的に搬送される帯板状の条材上の小さな領域にめっき皮膜を形成する場合に、条材の搬送速度を低下させたり搬送経路を長くしなくても、十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができる。
実施例8~11で使用したコネクタ用板材を概略的に示す平面図である。 図1のコネクタ用板材にAuめっき皮膜を形成した状態を示す拡大図である。
本発明による部分めっき方法の実施の形態では、基材の表面にアルカリ剥離型の電着レジスト皮膜を形成し、この電着レジスト皮膜の所定の部分をレーザー加工機により除去して、電着レジスト皮膜を貫通する開口部を形成し、この電着レジスト皮膜の開口部にめっき皮膜を形成した後、電着レジスト皮膜を剥離する。
この部分めっき方法では、電着レジスト皮膜としてアルカリ剥離型の電着レジスト皮膜を使用する。このアルカリ剥離型の電着レジスト皮膜として、ポジ型レジストを使用するのが好ましい。電着レジスト皮膜の形成は、基材の少なくとも一方の面の略全面を覆うように行われるのが好ましい。電着レジスト皮膜の形成は、基材を10~30℃のレジスト浴に浸漬して150~300V(好ましくは200~270V)の電圧で5~30秒間通電した後、50~150℃で10~600秒間加熱して乾燥(熱風乾燥)させてベーキングを行うことにより形成することができる。電着レジスト皮膜の形成の際に、基材を予めレジスト浴に3~60秒間浸漬した後に通電するのが好ましい。
電着レジスト皮膜の剥離は、電着レジスト皮膜を水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液に溶解させることにより行われるのが好ましい。このアルカリ溶液中のアルカリの濃度は、0.2~2質量%であるのが好ましい。電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に溶解させる前に、電着レジスト皮膜に紫外線を照射してもよい。電着レジスト皮膜のアルカリ溶液への溶解は、電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に3~600秒間(好ましくは3~60秒間)浸漬することにより行うことができ、電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に浸漬する際に、めっき皮膜を形成した基材を陰極として電流を流すのがさらに好ましい。
めっき皮膜は、電気めっきまたは無電解めっきにより形成されるのが好ましく、Ni、Ni合金、Au、Au合金、AgまたはAg合金からなるのが好ましい。なお、電着レジスト皮膜を形成する前に、基材の表面に(CuやNiからなる)下地めっき皮膜を形成するのが好ましい。
レーザー加工機は、波長300~1200nmのレーザーマーカーであるのが好ましく、YVOレーザーマーカーであるのが好ましい。
基材が長尺の帯板状の条材である場合には、電着レジスト皮膜の形成、除去および剥離は、条材を長手方向に沿って連続的に搬送しながら行われるのが好ましい。この場合、めっき皮膜(および下地めっき皮膜)は、条材を連続的にめっき浴内に送給して形成されるのが好ましい。
なお、電着レジストとして(ポジ型レジストなどの)アルカリ剥離型の電着レジストを使用すると、ネガ型レジストを使用する場合と比べて非常に薄い電着レジスト皮膜を形成することができるため、電着レジスト皮膜の形成時間を短縮できる。また、ネガ型レジストを使用する場合のように(めっき皮膜を形成する前に)紫外線を照射する必要はなく、乾燥前の電着レジスト皮膜も薄く且つ皮膜中の含水量も比較的少ないため、電着レジスト皮膜の乾燥時間も短くすることができる。また、電着レジスト皮膜のパターニングを行うために、露光および現像を行う必要はなく、レーザー加工機により電着レジスト皮膜の一部を除去すればよいので、電着レジスト皮膜のパターニング時間も短縮できる。さらに、電着レジスト皮膜を剥離するために、アルカリ溶液に浸漬すればよく、電着レジスト皮膜も薄いので、(膨潤剥離型レジストなどと比べて)電着レジスト皮膜の剥離時間も短縮できる。このように、電着レジストとしてアルカリ剥離型の電着レジストを使用すると、電着レジスト皮膜の形成時間、パターニング時間および剥離時間を短縮することができるため、基材の一部にめっき皮膜を形成する処理時間を大幅に(少なくとも30分以上)短縮することができる。
以下、本発明による部分めっき方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
基材(被めっき材)として銅合金(DOWAメタル株式会社製のNB109)からなる50mm×70mm×0.2mmの大きさの銅合金板を用意し、前処理として、水洗し、アルカリ脱脂し、水洗し、酸洗した。
次に、スルファミン酸Niめっき液を使用して、電流密度5A/dmで膜厚が1μmになるまで電気めっきを行って、上記の前処理後の基材上に下地Niめっき皮膜を形成した。
次に、下地Niめっき皮膜を形成した基材をレジスト浴(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製のPEPR2400フォトレジスト(アルカリ剥離型のアニオン電着レジスト))に浸漬して、基材を陽極として200Vの電圧で10秒間通電して、下地Niめっき皮膜上にポジ型レジスト皮膜を形成した後、105℃で60秒間加熱して乾燥させることによりベーキングを行って厚さ10μmの電着レジスト皮膜を形成した。
次に、レーザー加工機として波長532nmのYVOレーザー(株式会社キーエンス製のYVOグリーンレーザマーカMD-S9900A)を使用して、レーザー光の強度を60%、レーザースポットのピッチを20μm、レーザー光の1スポット当たりの照射時間を約0.5秒、印字回数(レーザー光の照射回数)を3回として、2mm×2mmの略正方形の開口部を電着レジスト皮膜に形成して、その開口部から下地Niめっき皮膜を露出させた。なお、この開口部を形成する際に、下地Niめっき皮膜の最表面も僅かに除去されていた。
次に、露出した下地Niめっき皮膜の表面を酸洗した後、シアン金カリウムを主成分とするAuめっき液を使用して、液温55℃、電流密度10A/dmで膜厚が0.5μmになるまで電気めっきを行って、下地Niめっき皮膜の露出面にAuめっき皮膜を形成した。
次に、下地Niめっき皮膜上に形成された電着レジスト皮膜を50℃の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムの濃度は0.5質量%)に60秒間浸漬して搖動させることにより、電着レジスト皮膜を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて、電着レジスト皮膜を除去(剥離)した後、ドライヤーにより室温で乾燥させた。なお、電着レジスト皮膜は、水酸化ナトリウム水溶液により、全て除去(剥離)されていた。
このようにして得られためっき材について、光学顕微鏡によりAuめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の外観は良好であり、Auめっき皮膜の輪郭は極めてシャープであった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、比較的速い処理により行うことができ、十分な位置精度(設計値に対して±0.02mm以内のずれ)で比較的均一な厚さのAuめっき皮膜を形成することができた。
[実施例2]
レーザー加工機として波長1064nmのYVOレーザー(株式会社キーエンス製のハイブリッドレーザーマーカーMD-X1000)を使用して、レーザー光の強度を20%、レーザースポットのピッチを60μm、レーザー光の1スポット当たりの照射時間を約0.1秒、印字回数(レーザー光の照射回数)を1回とした以外は、実施例1と同様の方法により、めっき材を作製した。なお、電着レジスト皮膜は、水酸化ナトリウム水溶液により、全て除去(剥離)されていた。
得られためっき材について、実施例1と同様の方法により、Auめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の表面が僅かにくすんで見え、下地Niめっき皮膜の表面が僅かに荒れていたが、Auめっき皮膜の密着性は十分であった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、(下地Niめっき皮膜の最表面も僅かに除去されていたが)極めて速い処理により行うことができ、実施例1と同様に十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができた。
[実施例3]
レーザー加工機として波長1064nmのYVOレーザー(株式会社キーエンス製のハイブリッドレーザーマーカーMD-X1000)を使用して、レーザー光の強度を20%、レーザースポットのピッチを30μm、レーザー光の1スポット当たりの照射時間を約0.3秒、印字回数(レーザー光の照射回数)を1回とした以外は、実施例1と同様の方法により、めっき材を作製した。なお、電着レジスト皮膜は、水酸化ナトリウム水溶液により、全て除去(剥離)されていた。
得られためっき材について、実施例1と同様の方法により、Auめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の表面が僅かにくすんで見え、下地Niめっき皮膜の表面が僅かに荒れていたが、Auめっき皮膜の密着性は十分であった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、(下地Niめっき皮膜の最表面も僅かに除去されていたが)速い処理により行うことができ、実施例1と同様に十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができた。
[実施例4~7]
実施例4では、電着レジスト皮膜の形成の際に、下地Niめっき皮膜を形成した基材をレジスト浴に予め30秒間浸漬させた後に通電し、実施例5では、電着レジスト皮膜の形成の際に、下地Niめっき皮膜を形成した基材をレジスト浴に予め5秒間浸漬させた後に通電し、電着レジスト皮膜の剥離の際に、水酸化ナトリウム水溶液に15秒間浸漬し、実施例6では、電着レジスト皮膜の形成の際に、下地Niめっき皮膜を形成した基材をレジスト浴に予め5秒間浸漬させた後に通電し、電着レジスト皮膜の剥離の際に、水酸化ナトリウムの濃度が2質量%の水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬し、実施例7では、電着レジスト皮膜の形成の際に、下地Niめっき皮膜を形成した基材をレジスト浴に予め5秒間浸漬させた後に通電し、電着レジスト皮膜の剥離の際に、基材を陰極として200Vの電圧を印加しながら、水酸化ナトリウムの濃度が2質量%の水酸化ナトリウム水溶液に5秒間浸漬した以外は、それぞれ実施例1と同様の方法により、めっき材を作製した。なお、電着レジスト皮膜は、水酸化ナトリウム水溶液により、全て除去(剥離)されていた。
得られためっき材について、実施例1と同様の方法により、Auめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の外観は良好であり、Auめっき皮膜の輪郭は極めてシャープであった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、(下地Niめっき皮膜の最表面も僅かに除去されていたが)速い処理により行うことができ、実施例1と同様に十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができた。
[実施例8]
図1に示すように、基材(被めっき材)として、幅51mm×厚さ0.64mmの銅合金(黄銅C2600-1/2H)からなる銅合金板をプレス加工により打ち抜いて、幅0.64mm、長さ7mmの端子(ピン)部10aと位置決め用穴10bと打ち抜き穴10cが形成された形状のコネクタ用板材10を用意し、前処理として、電解脱脂し、水洗し、酸洗した。
次に、スルファミン酸Niめっき液を使用して、液温50℃、電流密度10A/dmで膜厚が1μmになるまで49秒間電気めっきを行って、上記の前処理後の基材上に下地Niめっき皮膜を形成した。
次に、下地Niめっき皮膜を形成した基材をレジスト浴(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製のPEPR2400フォトレジスト(アルカリ剥離型のアニオン電着レジスト))に18秒間浸漬(プレディップ)し、基材を陽極として250Vの電圧で18秒間通電して、下地Niめっき皮膜上にポジ型レジスト皮膜を形成し、水洗した後、ドライヤーで30秒間加熱して乾燥させることによりベーキングを行って厚さ15μmの電着レジスト皮膜を形成した。
次に、レーザー加工機として波長532nmのYVOレーザー(株式会社キーエンス製のYVOグリーンレーザマーカMD-S9900A)を使用して、レーザー光の強度を60%、レーザースポットのピッチを20μm、レーザー光の1スポット当たりの照射時間を約0.5秒、スキャンスピードを1000mm/s、印字回数(レーザー光の照射回数)を8回として、幅0.64mm×長さ5.5mmの略矩形の開口部を基材のピン部上の電着レジスト皮膜に形成して、その開口部から下地Niめっき皮膜を露出させた。なお、この開口部を形成する際に、下地Niめっき皮膜の最表面も僅かに除去されていた。
次に、露出した下地Niめっき皮膜の表面を酸洗した後、シアン金カリウムを主成分とするAuめっき液を使用して、液温55℃、電流密度10A/dmで膜厚が1.3μmになるまで電気めっきを行って、下地Niめっき皮膜の露出面に(図2において符号12で示す)Auめっき皮膜を形成した。
次に、下地Niめっき皮膜上に形成された電着レジスト皮膜を55℃の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムの濃度は1質量%)に30秒間浸漬して搖動させることにより、電着レジスト皮膜を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて、電着レジスト皮膜を除去(剥離)し、水洗した後、ドライヤーにより室温で乾燥させた。なお、電着レジスト皮膜は、水酸化ナトリウム水溶液により、全て除去(剥離)されていた。
このようにして得られためっき材について、光学顕微鏡によりAuめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の外観は良好であり、Auめっき皮膜の輪郭は極めてシャープであった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、比較的速い処理により行うことができ、十分な位置精度(設計値に対して±0.02mm以内のずれ)で比較的均一な厚さのAuめっき皮膜を形成することができた。なお、Auめっき皮膜を形成する際に基材のピン部の側面に電着レジスト皮膜が形成されていたため、基材のピン部の側面にはAuめっき被膜が形成されていなかった。なお、基材の幅方向中央部におけるAuめっき皮膜の厚さを長手方向に沿って測定したところ、1.25~1.50μmの範囲内であり、Auめっき皮膜の厚さは比較的均一であった。
[実施例9]
レジスト浴への浸漬時間を6秒間とし、通電時間を6秒間として、厚さ5μmのレジスト皮膜を形成した以外は、実施例8と同様の方法により、めっき材を作製した。
得られためっき材について、実施例8と同様の方法により、Auめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の外観は良好であり、Auめっき皮膜の輪郭は極めてシャープであった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、比較的速い処理により行うことができ、十分な位置精度(設計値に対して±0.02mm以内のずれ)で比較的均一な厚さのAuめっき皮膜を形成することができた。なお、Auめっき皮膜を形成する際に基材のピン部の側面に電着レジスト皮膜が形成されていたため、基材のピン部の側面にはAuめっき被膜が形成されていなかった。なお、基材の幅方向中央部におけるAuめっき皮膜の厚さを長手方向に沿って測定したところ、1.3~1.6μmの範囲内であり、Auめっき皮膜の厚さは比較的均一であった。
[実施例10]
Auめっきの際の電流密度を15A/dmとして膜厚が1.5μmになるまで電気めっきを行ってAuめっき被膜を形成した以外は、実施例8と同様の方法により、めっき材を作製した。
得られためっき材について、実施例8と同様の方法により、Auめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の外観は良好であり、Auめっき皮膜の輪郭は極めてシャープであった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、比較的速い処理により行うことができ、十分な位置精度(設計値に対して±0.02mm以内のずれ)で比較的均一な厚さのAuめっき皮膜を形成することができた。なお、Auめっき皮膜を形成する際に基材のピン部の側面に電着レジスト皮膜が形成されていたため、基材のピン部の側面にはAuめっき被膜が形成されていなかった。なお、基材の幅方向中央部におけるAuめっき皮膜の厚さを長手方向に沿って測定したところ1.5~2.0μmの範囲内であり、Auめっき皮膜の厚さは比較的均一であった。
[実施例11]
基材(被めっき材)として、幅58mm×厚さ0.64mmの銅合金(黄銅C2600-1/2H)からなる銅合金板材をプレス加工により打ち抜いて、幅2.2mm、長さ8mmの端子(ピン)部を形成したコネクタ用板材を用意し、基材のピン部上の電着レジスト皮膜に形成する開口部を幅2.2mm×長さ5.3mmの略矩形の開口部とし、Auめっきの際の電流密度を15A/dmとしてAuめっき皮膜の厚さを0.8μmとした以外は、実施例8と同様の方法により、めっき材を作製した。
得られためっき材について、実施例8と同様の方法により、Auめっき皮膜の表面を観察したところ、Auめっき皮膜の外観は良好であり、Auめっき皮膜の輪郭は極めてシャープであった。また、電着レジスト皮膜の開口部の形成は、比較的速い処理により行うことができ、十分な位置精度(設計値に対して±0.02mm以内のずれ)で比較的均一な厚さのAuめっき皮膜を形成することができた。なお、Auめっき皮膜を形成する際に基材のピン部の側面に電着レジスト皮膜が形成されていたため、基材のピン部の側面にはAuめっき被膜が形成されていなかった。なお、基材の幅方向中央部におけるAuめっき皮膜の厚さを長手方向に沿って測定したところ、0.7~0.9μmの範囲内であり、Auめっき皮膜の厚さは比較的均一であった。
上述したように、実施例1~11では、比較的速い処理により、十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができるので、条材を比較的高速度で搬送する場合にも、十分な位置精度で比較的均一な厚さのめっき皮膜を形成することができる。
10 コネクタ用板材
10a 端子(ピン)部
10b 位置決め用穴
10c 打ち抜き穴
12 Auめっき皮膜

Claims (13)

  1. 基材をアルカリ剥離型のアニオン電着レジスト浴に浸漬して通電することにより、基材の少なくとも一方の面の略全面を覆うようにポジ型レジスト皮膜を形成し、このポジ型レジスト皮膜を乾燥することにより、ポジ型レジストからなるアルカリ剥離型の電着レジスト皮膜を形成し、この電着レジスト皮膜の所定の部分をレーザー加工機により除去して、電着レジスト皮膜を貫通する開口部を形成し、この電着レジスト皮膜の開口部にめっき皮膜を形成した後、電着レジスト皮膜を剥離することを特徴とする、部分めっき方法。
  2. 前記電着レジスト皮膜の剥離が、前記電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に溶解させることにより行われることを特徴とする、請求項1に記載の部分めっき方法。
  3. 前記電着レジスト皮膜の剥離が、前記電着レジスト皮膜に紫外線を照射した後に前記電着レジスト皮膜をアルカリ溶液に溶解させることにより行われることを特徴とする、請求項1に記載の部分めっき方法。
  4. 前記電着レジスト皮膜の前記アルカリ溶液への溶解が、前記電着レジスト皮膜を前記アルカリ溶液に浸漬することにより行われることを特徴とする、請求項2または3に記載の部分めっき方法。
  5. 前記電着レジスト皮膜を前記アルカリ溶液に浸漬する際に、前記めっき皮膜を形成した前記基材を陰極として電流を流すことを特徴とする、請求項4に記載の部分めっき方法。
  6. 前記基材が長尺の帯板状の条材であり、前記電着レジスト皮膜の形成、乾燥、除去および剥離が、前記条材を長手方向に沿って連続的に搬送しながら行われることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の部分めっき方法。
  7. 前記基材が、長尺の帯板状の条材から打ち抜かれたコネクタまたはリードフレーム用条材であり、前記電着レジスト皮膜の形成、乾燥、除去および剥離が、前記条材を長手方向に沿って連続的に搬送しながら行われることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の部分めっき方法。
  8. 前記めっき皮膜が、前記条材を連続的にめっき浴内に送給して形成されることを特徴とする、請求項6または7に記載の部分めっき方法。
  9. 前記めっき皮膜が、電気めっきまたは無電解めっきにより形成されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の部分めっき方法。
  10. 前記めっき皮膜が、Ni、Ni合金、Au、Au合金、AgまたはAg合金からなることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の部分めっき方法。
  11. 電着レジスト皮膜を形成する前に、前記基材の表面に下地めっき皮膜を形成することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の部分めっき方法。
  12. 前記レーザー加工機が、波長300~1200nmのレーザーマーカーであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の部分めっき方法。
  13. 前記レーザー加工機が、YVOレーザーマーカーであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の部分めっき方法。
JP2018138968A 2017-08-31 2018-07-25 部分めっき方法 Active JP7221003B2 (ja)

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