JP7220294B2 - 多関節ロボット、多関節ロボットの制御方法及び多関節ロボットの制御プログラム - Google Patents

多関節ロボット、多関節ロボットの制御方法及び多関節ロボットの制御プログラム Download PDF

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Description

本明細書は、多関節ロボット、多関節ロボットの制御方法及び多関節ロボットの制御プログラムに関する。
多関節ロボットの一形式として、特許文献1には、ワークを保持可能であるワーク把持部と、ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、ワーク把持部から受け取ったワークを反転する反転装置と、を備えたものが開示されている。
国際公開第2015/145575号
上述した特許文献1に記載されている多関節ロボットにおいては、ワーク把持部に保持されているワークを反転装置に受け渡すなど移動させる際に、保持されているワーク又はワーク把持部が反転装置の一部などの被接触物に接触するという問題があった。
このような事情に鑑みて、本明細書は、ワーク把持部に保持されているワークを移動させる際にワーク把持部やワークの被接触物への接触を抑制することができる多関節ロボットを開示する。
本明細書は、ワークを保持可能であるワーク把持部と、前記ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、前記ワーク把持部に保持されている前記ワークとワーク角度設定用基準面との間で形成される角度であるワーク角度を、所定の保持角度にて一定に保持したまま前記ワーク把持部を移動させるように前記複数の軸を制御する制御装置と、を備え、前記複数の軸は、前記ワーク把持部外に位置する第1回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第1軸と、前記ワーク把持部内に位置する第2回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第2軸と、を含んで構成され、前記制御装置は、前記第1軸及び前記第2軸の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、前記ワーク角度を前記保持角度にて一定に保持する多関節ロボット、多関節ロボットの制御方法及び多関節ロボットの制御プログラムを開示する。
本開示によれば、ワーク角度設定用基準面に対してワーク把持部ひいてはワークを所定の保持角度にて一定に保持したまま移動させることが可能となる。さらに、所定の保持角度をワーク把持部やワークが被接触物に接触しない角度に設定することで、多関節ロボット、多関節ロボットの制御方法及び多関節ロボットの制御プログラムは、ワーク把持部に保持されているワークを移動させる際にワーク把持部やワークの被接触物への接触(衝突、干渉)を抑制することが可能となる。
また、複数の軸は、ワーク把持部外に位置する第1回転軸まわりにワーク把持部を回転可能である第1軸と、ワーク把持部内に位置する第2回転軸まわりにワーク把持部を回転可能である第2軸と、を含んで構成され、制御装置は、第1軸及び第2軸の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、ワーク角度を保持角度にて一定に保持する。これによれば、簡便な方法により、ワーク角度を保持角度にて一定に保持することが可能となる。
多関節ロボットが適用された加工システム10の第1実施形態を示す正面図である。 図1に示す旋盤モジュール30Aを示す側面図である。 図1に示すドリミルモジュール30Bを示す側面図である。 図1に示す加工前ストックモジュール30Cを示す側面図である。 多関節ロボット70を示す側面図である。 多関節ロボット70を示す平面図である。 反転装置76の背面図である。 多関節ロボット70を示すブロック図である。 図8に示す制御装置90にて実施されるプログラムを表すフローチャートである。 A軸角度θA、B軸角度θB、C軸角度θC、RC軸角度θRC、及びこれらの関係を示す図である。 RC軸を所定の保持角度θRCaに変更した直後における、A軸角度θA1、B軸角度θB1、C軸角度θC1、及びRC軸角度θRC1、及びこれらの関係を示す図である。 RC軸角度を所定の保持角度θRCaに保持する制御(RC軸保持制御)を説明するための図である。 ワーク角度保持動作によるワークWの反転装置76への受け渡し及び受け取りを説明するための図である。 多関節ロボット70の第2実施形態であるワークWのワーク室への搬入出を説明するための図である。 多関節ロボット70の第2実施形態において制御装置90にて実施されるプログラムを表すフローチャートである。
(第1実施形態)
(加工システム)
以下、多関節ロボットが適用された加工システムの一例である第1実施形態について説明する。加工システム10は、図1に示すように、複数のベースモジュール20と、そのベースモジュール20に設けられた複数(本第1実施形態では10個)の作業機モジュール30と、多関節ロボット(以下、ロボットと称する場合もある。)70(例えば、図2参照)と、を備えている。以下の説明では、加工システム10に関する「前後」,「左右」,「上下」を、加工システム10の正面側から見た場合における前後,左右,上下として扱うこととする。
作業機モジュール30は、複数種類あり、旋盤モジュール30A、ドリミルモジュール30B、加工前ストックモジュール30C、加工後ストックモジュール30D、検測モジュール30E、仮置モジュール30Fなどである。
(旋盤モジュール)
旋盤モジュール30Aは、旋盤がモジュール化されたものである。旋盤は、加工対象物であるワークWを回転させて、固定した切削工具43aで加工する工作機械である。旋盤モジュール30Aは、図2に示すように、可動ベッド41、主軸台42、工具台43、工具台移動装置44、加工室45、走行室46及びモジュール制御装置47を有している。
可動ベッド41は、複数の車輪41aを介してベースモジュール20に設けられたレール(不図示)上を前後方向に沿って移動する。主軸台42は、ワークWを回転可能に保持するものである。主軸台42は、前後方向に沿って水平に配置された主軸42aを回転可能に支持する。主軸42aの先端部にはワークWを把持するチャック42bが設けられる。主軸42aは、回転伝達機構42cを介してサーボモータ42dによって回転駆動される。
工具台43は、切削工具43aに送り運動を与える装置である。工具台43は、いわゆるタレット型の工具台であり、ワークWを切削する複数の切削工具43aが装着される工具保持部43bと、工具保持部43bを回転可能に支持するとともに所定の切削位置に位置決め固定可能である回転駆動部43cと、を有している。
工具台移動装置44は、工具台43ひいては切削工具43aを上下方向(X軸方向)及び前後方向(Z軸方向)に沿って移動させる装置である。工具台移動装置44は、工具台43をX軸方向に沿って移動させるX軸駆動装置44aと、工具台43をZ軸方向に沿って移動させるZ軸駆動装置44bとを有している。
X軸駆動装置44aは、可動ベッド41に設けられたコラム48に対して上下方向に沿って摺動可能に取り付けられたX軸スライダ44a1と、X軸スライダ44a1を移動させるためのサーボモータ44a2とを有している。Z軸駆動装置44bは、X軸スライダ44a1に対して前後方向に沿って摺動可能に取り付けられたZ軸スライダ44b1と、Z軸スライダ44b1を移動させるためのサーボモータ44b2とを有している。
加工室45は、ワークWを加工するための部屋(空間)であり、加工室45内には、チャック42b、工具台43(切削工具43a、工具保持部43b及び回転駆動部43c)が収容されている。加工室45は、前壁45a、天井壁45b、左右壁及び後壁(何れも不図示)によって区画されている。加工室45は、ワークWを搬入出可能な「ワーク室」である。前壁45aには、ワークWが入出される入出口45a1が形成されている。入出口45a1は、図示しないモータによって駆動するシャッタ45cによって開閉される。尚、シャッタ45cの開状態(開位置)を実線にて、閉状態(閉位置)を二点鎖線にて示す。
走行室46は、加工室45の入出口45a1に臨んで設けられた部屋(空間)である。走行室46は、前壁45a及び前面パネル31によって区画されている。走行室46内は、後述するロボット70が走行可能である。モジュール制御装置47は、回転駆動部43c、工具台移動装置44などを駆動させる装置である。
(ドリミルモジュール)
ドリミルモジュール30Bは、ドリルによる孔開けやミーリング加工等を行うマシニングセンタがモジュール化されたものである。マシニングセンタは、固定したワークWに対し、回転する工具(回転工具)を押し当てて加工する工作機械である。ドリミルモジュール30Bは、図3に示すように、可動ベッド51、主軸ヘッド52、主軸ヘッド移動装置53、ワークテーブル54、加工室55、走行室56及びモジュール制御装置57を有している。
可動ベッド51は、複数の車輪51aを介してベースモジュール20に設けられたレール(不図示)上を前後方向に沿って移動する。主軸ヘッド52は、主軸52aを回転可能に支持する。主軸52aの先端(下端)部には、ワークWを切削する切削工具52b(例えば、ドリルやエンドミル等)が装着可能である。主軸52aは、サーボモータ52cによって回転駆動される。
主軸ヘッド移動装置53は、主軸ヘッド52ひいては切削工具52bを上下方向(Z軸方向)、前後方向(X軸方向)及び左右方向(Y軸方向)に沿って移動させる装置である。主軸ヘッド移動装置53は、主軸ヘッド52をZ軸方向に沿って移動させるZ軸駆動装置53aと、主軸ヘッド52をX軸方向に沿って移動させるX軸駆動装置53bと、主軸ヘッド52をY軸方向に沿って移動させるY軸駆動装置53cと、を有している。Z軸駆動装置53aは、X軸スライダ53eに対して摺動可能に取り付けられたZ軸スライダ53d(主軸ヘッド52が固定されている)をZ軸方向に沿って移動させる。X軸駆動装置53bは、Y軸スライダ53fに対して摺動可能に取り付けられたX軸スライダ53eをX軸方向に沿って移動させる。Y軸駆動装置53cは、可動ベッド51に設けられた本体58に対して摺動可能に取り付けられたY軸スライダ53fをY軸方向に沿って移動させる。
ワークテーブル54は、ワークWを固定保持する。ワークテーブル54は、本体58の前面に設けられたワークテーブル回転装置54aに固定されている。ワークテーブル回転装置54aは、前後方向に沿って延びる軸線まわりに回転駆動される。これにより、ワークWを所望の角度に傾斜させた状態で切削工具52bにより加工することができる。尚、ワークテーブル54は、本体58の前面に直接固定してもよい。また、ワークテーブル54は、ワークWを把持するチャック54bが設けられている。
加工室55は、ワークWを加工するための部屋(空間)であり、加工室55内には、主軸52a、切削工具52b、ワークテーブル54、ワークテーブル回転装置54aが収容されている。加工室55は、前壁55a、天井壁55b、左右壁及び後壁(何れも不図示)によって区画されている。加工室55は、ワークWを搬入出可能な「ワーク室」である。前壁55aには、ワークWが入出される入出口55a1が形成されている。入出口55a1は、図示しないモータによって駆動するシャッタ55cによって開閉される。尚、シャッタ55cの開状態(開位置)を破線にて、閉状態(閉位置)を二点鎖線にて示す。
走行室56は、加工室55の入出口55a1に臨んで設けられた部屋(空間)である。走行室56は、前壁55a及び前面パネル31によって区画されている。走行室56内は、後述するロボット70が走行可能である。尚、隣り合う走行室46(または56)は、加工システム10の並設方向全長に亘って連続する空間を形成する。また、モジュール制御装置57は、主軸52a(サーボモータ52c)、主軸ヘッド移動装置53などを駆動させる装置である。
(ストックモジュール、検測モジュール)
加工前ストックモジュール30Cは、加工システム10にワークWを投入するモジュール(ワーク投入モジュール。また、単に投入モジュールと称する場合もある。)である。加工前ストックモジュール30Cは、図4に示すように、外装パネル61、ワークプール62、投入テーブル63、リフト64、およびシリンダ装置65を有している。外装パネル61は、加工前ストックモジュール30Cの前部を覆うパネルであり、内部にストック室66が設けられている。ストック室66内には、投入テーブル63が収容されている。ストック室66は、外装パネル61の側面に設けられた入出口61aを介して隣接する作業機モジュール30の走行室46,56に連通(開口)している。ストック室66は、ワークWを搬入出可能な「ワーク室」である。
ワークプール62は、前後方向(X軸方向)に延設されて、上下方向に重ねられる複数の収納段62a(例えば、本第1実施形態では4段)を有している。収納段62aは複数のワークWが収容可能である。投入テーブル63は、ワークWが載置可能であり、ワークプール62の前後方向における前端の上方側に設けられている。投入テーブル63は、ロボット70にワークWを受け取らせる位置(つまり投入位置)に配置されている。
リフト64は、ワークプール62の前方に設けられている。リフト64は、ワークプール62からワークWを1つずつ受け取り、投入テーブル63の高さまで搬送する。シリンダ装置65は、ワークプール62の前方上方に設けられている。シリンダ装置65は、リフト64上のワークWを投入テーブル63上まで押し出す。
加工後ストックモジュール30Dは、加工システム10によって実施されるワークWに対する一連の加工が完了した完成品を収納して排出するモジュール(ワーク排出モジュール。また単に排出モジュールと称する場合もある。)である。加工後ストックモジュール30Dも、投入テーブル63と同様にワークWを載置して搬出するための搬出テーブル又は搬出コンベア(いずれも不図示)を有している。搬出テーブル又は搬出コンベアは、ストック室66と同様のストック室(不図示)に収容されている。
検測モジュール30Eは、ワークW(例えば加工後のワークW)を検測するものである。仮置モジュール30Fは、加工システム10による一連の加工工程中において、ワークWを仮置きするためのものである。検測モジュール30E及び仮置モジュール30Fは、旋盤モジュール30A及びドリミルモジュール30Bと同様に、走行室(不図示)を有している。
(ロボット)
ロボット70は、図5に示すように、走行可能であり、走行部71、及び本体部72を有している。
(走行部)
走行部71は、走行室46,56内を左右方向(作業機モジュール30の並設方向:Y軸方向)に沿って走行可能である。走行部71は、主として図5に示すように、走行駆動装置71bによって走行部本体71aを左右方向に沿って直動するための走行駆動軸(以下、X軸と称する場合もある。尚、このX軸はロボット制御系のX軸であり、加工システム10のX軸方向とは異なる。)71cを有している。走行部本体71aの背部(後部)には、走行駆動軸71cのスライダ71c2が取り付けられている。走行駆動軸71cは、ベースモジュール20の前側面に設けられて水平方向(左右方向)に沿って延在するレール71c1と、レール71c1に摺動可能に係合する複数のスライダ71c2とから構成されている。
走行部本体71aは走行駆動装置71bが設けられている。走行駆動装置71bは、サーボモータ71b1、駆動力伝達機構(不図示)、ピニオン71b2、ラック71b3などから構成される。サーボモータ71b1の回転出力によってピニオン71b2が回転する。ピニオン71b2はラック71b3に歯合する。ラック71b3は、ベースモジュール20の前側面に設けられて水平方向(左右方向)に沿って延在する。
サーボモータ71b1は、ロボット制御装置90(図8参照。以下、制御装置90と称する場合もある。)に接続されている。サーボモータ71b1は、制御装置90からの指示に従って回転駆動され、ピニオン71b2がラック71b3を転動する。これにより、走行部本体71aは、走行室46,56内を左右方向に沿って走行可能である。また、サーボモータ71b1は、サーボモータ71b1に流れる電流を検知する電流センサ71b4(図8参照)が内蔵されている。サーボモータ71b1は、サーボモータ71b1の位置(例えば、回転角度)を検知する位置センサ(例えば、レゾルバ、エンコーダ)71b5(図8参照)が内蔵されている。電流センサ71b4及び位置センサ71b5の検出結果は、制御装置90に送信されている。
(本体部)
本体部72は、主として図5,6に示すように、旋回テーブル(テーブル)73と、旋回テーブル73に設けられたアーム部74とから構成されている。
(旋回テーブル)
旋回テーブル73は、図6に示すように、旋回テーブル73に設けられたテーブル駆動軸(以下、D軸と称する場合もある。)73aと、テーブル駆動軸73aを回転駆動するテーブル駆動装置73bとを有している。テーブル駆動装置73bは、走行部本体71aに設けられている。テーブル駆動装置73bは、テーブル駆動軸73aに設けられた歯車(不図示)、この歯車に歯合するピニオン(不図示)、サーボモータ73b1、サーボモータ73b1の出力をピニオンに伝達する駆動力伝達機構(不図示)などから構成されている。
サーボモータ73b1は、制御装置90(図8参照)に接続されている。サーボモータ73b1は、制御装置90からの指示に従って回転駆動され、ピニオンがテーブル駆動軸73aを回転する。これにより、旋回テーブル73は、テーブル駆動軸73aの回転軸まわりに回転可能である。また、サーボモータ73b1は、サーボモータ73b1に流れる電流を検知する電流センサ73b2(図8参照)が内蔵されている。サーボモータ73b1は、サーボモータ71b1と同様に、サーボモータ73b1の位置を検知する位置センサ73b3(図8参照)が内蔵されている。電流センサ73b2及び位置センサ73b3の検出結果は、制御装置90に送信されている。
(反転装置)
旋回テーブル73は、ワークWを反転する反転装置76が設けられている。反転装置76は、ワークWを保持可能であるワーク把持部(以下、単に把持部と称する場合もある。)85から受け取ったワークWを反転し、反転したワークWを把持部85に受け渡すことができる。反転装置76は、図5,7に示すように、取付台76a、回転装置76b、把持装置76c、一対の把持爪(以下、反転装置チャックと称する場合もある。)76d,76dから構成されている。
取付台76aは、支持部材73cに固定され、取付台76aの取付面には回転装置76bが取り付けられている。尚、取付台76aは、旋回テーブル73に固定されてもよい。回転装置76bは、回転装置76bの上部に固定された把持装置76cを取付台76aに対して水平回転させる装置である。水平回転は所定の鉛直軸まわりの回転である。回転装置76bは、例えば圧縮エアを作動流体として回転駆動力を発生させる。把持装置76cは、ワークWを把持可能である一対の把持爪76d,76dを直動させて開閉させることにより、ワークWを掴んだり放したりする装置である。把持装置76cは、例えば圧縮エアを作動流体として移動(開閉)駆動力を発生させてもよく、モータを駆動させたりコイルに磁力を発生させたりして開閉駆動力を発生させてもよい。
(アーム部)
アーム部74は、駆動軸(またはアーム)が直列に並んでいる、いわゆるシリアルリンク型のアームである。アーム部74は、主として図5,6に示すように、第1アーム81、第1アーム駆動軸(以下、A軸と称する場合もある。)82、第2アーム83、第2アーム駆動軸(以下、B軸と称する場合もある。)84、把持部85、及び把持部駆動軸(以下、C軸と称する場合もある。)86から構成されている。
主として図5,6に示すように、第1アーム81は、棒状に形成されており、旋回テーブル73に第1アーム駆動軸82を介して回転可能に連結されている。具体的には、第1アーム駆動軸82は、旋回テーブル73上に設けられた支持部材73cに回転可能に支持されている。第1アーム駆動軸82は、第1アーム81の基端部が固定されている。第1アーム駆動軸82は、第1アーム駆動装置81bにより回転駆動される。第1アーム駆動装置81bは、支持部材73cに設けられたサーボモータ81b1、サーボモータ81b1の出力を第1アーム駆動軸82に伝達する駆動力伝達機構(不図示)などから構成されている。
サーボモータ81b1は、制御装置90に接続されている。サーボモータ81b1は、制御装置90からの指示に従って回転駆動され、第1アーム駆動軸82を回転する。これにより、第1アーム81は、第1アーム駆動軸82の回転軸まわりに回転可能である。また、サーボモータ81b1は、サーボモータ81b1に流れる電流を検知する電流センサ81b2(図8参照)が内蔵されている。サーボモータ81b1は、サーボモータ71b1と同様に、サーボモータ81b1の位置を検知する位置センサ81b3(図8参照)が内蔵されている。電流センサ81b2及び位置センサ81b3の検出結果は、制御装置90に送信されている。
主として図5,6に示すように、第2アーム83は、棒状に形成されており、第1アーム81に第2アーム駆動軸84を介して回転可能に連結されている。具体的には、第2アーム駆動軸84は、第1アーム81の先端部に回転可能に支持されている。第2アーム駆動軸84は、第2アーム83の基端部が固定されている。第2アーム駆動軸84は、把持部85外(把持部85の自転領域外)に位置する第1回転軸(第2アーム駆動軸84の回転軸)まわりに把持部85を回転可能である「第1軸」である。「第1軸」は、把持部85を第2アーム駆動軸84の回転軸まわりに公転させるための駆動軸である。第2アーム駆動軸84は、第2アーム駆動装置83bにより回転駆動される。第2アーム駆動装置83bは、第1アーム81に設けられたサーボモータ83b1、サーボモータ83b1の出力を第2アーム駆動軸84に伝達する駆動力伝達機構(不図示)などから構成されている。
サーボモータ83b1は、制御装置90に接続されている。サーボモータ83b1は、制御装置90からの指示に従って回転駆動され、第2アーム駆動軸84を回転する。これにより、第2アーム83は、第2アーム駆動軸84の回転軸まわりに回転可能である。また、サーボモータ83b1は、サーボモータ83b1に流れる電流を検知する電流センサ83b2(図8参照)が内蔵されている。サーボモータ83b1は、サーボモータ71b1と同様に、サーボモータ83b1の位置を検知する位置センサ83b3(図8参照)が内蔵されている。電流センサ83b2及び位置センサ83b3の検出結果は、制御装置90に送信されている。
主として図5,6に示すように、把持部85は、第2アーム83に把持部駆動軸86を介して回転可能に連結されている。具体的には、把持部駆動軸86は、第2アーム83の先端部に回転可能に支持されている。把持部駆動軸86は、把持部85の把持部本体85aが固定されている。把持部駆動軸86は、把持部85内(把持部85の自転領域内)に位置する第2回転軸(把持部駆動軸86の回転軸)まわりに把持部85を回転可能である「第2軸」である。「第2軸」は、把持部85を把持部駆動軸86の回転軸まわりに自転させるための駆動軸である。把持部駆動軸86は、把持部駆動装置85bにより回転駆動される。把持部駆動装置85bは、第2アーム83に設けられたサーボモータ85b1、サーボモータ85b1の出力を把持部駆動軸86に伝達する駆動力伝達機構85b2などから構成されている。尚、把持部本体85aは、ワークWをそれぞれ把持する一対のチャック(ロボットチャック)85c,85cが着脱可能である。一対のロボットチャック85c,85cは、把持部本体85aの前面及び前面の反対側の後面に設けられている。
サーボモータ85b1は、制御装置90に接続されている。サーボモータ85b1は、制御装置90からの指示に従って回転駆動され、把持部駆動軸86を回転する。これにより、把持部本体85aひいては把持部85は、把持部駆動軸86の回転軸まわりに回転可能である。また、サーボモータ85b1は、サーボモータ85b1に流れる電流を検知する電流センサ85b3(図8参照)が内蔵されている。サーボモータ85b1は、サーボモータ71b1と同様に、サーボモータ85b1の位置を検知する位置センサ85b4(図8参照)が内蔵されている。電流センサ85b3及び位置センサ85b4の検出結果は、制御装置90に送信されている。
尚、上述した走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86が把持部85を移動させるための「複数の軸」である。本第1実施形態では軸の数は5軸であるが、複数であればよい。また、「複数の軸」は、「第1軸」である第2アーム駆動軸84と、「第2軸」である把持部駆動軸86と、を含んで構成されている。
(入出力装置など)
また、加工システム10は、入出力装置11、入出力装置12、及び記憶装置13(図8参照)をさらに有している。入出力装置11は、図1に示すように、作業機モジュール30の前面に設けられており、作業者が各種設定、各種指示などを加工システム10(特にベースモジュール20)に入力したり、作業者に対して運転状況など加工システム10(特にベースモジュール20)の情報を表示したりするためのものである。入出力装置12は、図1に示すように、作業機モジュール30の前面に設けられており、作業者が各種設定、各種指示などを加工システム10(特に作業機モジュール30)に入力したり、作業者に対して運転状況など加工システム10(特に作業機モジュール30)の情報を表示したりするためのものである。記憶装置13は、後述する保持角度θRCaなどを記憶している。入出力装置11,12は、HMI(ヒューマンマシンインターフェース)、マンマシンインターフェースなどの人間と機械とが情報をやり取りする装置である。
(ロボット制御装置)
制御装置90は、走行駆動装置71bを駆動して走行駆動軸71cを、テーブル駆動装置73bを駆動してテーブル駆動軸73aを、第1アーム駆動装置81bを駆動して第1アーム駆動軸82を、第2アーム駆動装置83bを駆動して第2アーム駆動軸84を、把持部駆動装置85bを駆動して把持部駆動軸86を制御する。制御装置90は、専用の装置を設けてもよいが、作業機モジュール30のモジュール制御装置47、57にて兼用(代用)するようにしてもよい。
制御装置90は、図8に示すように、入出力装置11、記憶装置13、各サーボモータ71b1,73b1,81b1,83b1,85b1、各電流センサ71b4,73b2,81b2,83b2,85b3、及び各位置センサ71b5,73b3,81b3,83b3,85b4に接続されている。
制御装置90は、マイクロコンピュータ(不図示)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも不図示)を備えている。CPUは、各種プログラムを実施して、各電流センサ71b4,73b2,81b2,83b2,85b3及び各位置センサ71b5,73b3,81b3,83b3,85b4の検出結果や入出力装置11の入力結果を取得したり、入出力装置11、反転装置76及び各サーボモータ71b1,73b1,81b1,83b1,85b1を制御したりする。RAMは同プログラムの実施に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
(ワーク角度保持動作(反転装置へのワークの受け渡し及び受け取り))
さらに、上述した制御装置90による多関節ロボット70のワーク角度保持動作について図9に示すフローチャートに沿って説明する。尚、ワーク角度は、把持部85に保持されているワークWとワーク角度設定用基準面Rf0との間で形成される角度である。ワーク角度設定用基準面Rf0は、ワーク角度を設定(定義)するための基準面であり、例えば、鉛直面でもよく、水平面でもよい。また、ワーク角度保持動作は、上述した複数の軸(例えば、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86)を制御して、ワーク角度を所定の保持角度θRCaにて一定に保持したまま把持部85を移動させる動作である。
さらに、ワークWを反転装置76へ受け渡し及び受け取りを実施する場合、所定の保持角度θRCaは、把持部85に保持されているワークWがワークWの着脱位置WPの参照面Rf1(保持角度設定用参照面(図13の二点鎖線にて示す))に対して平行となる角度に設定されるのが好ましい。さらに、所定の保持角度θRCaは、把持部85やワークWが反転装置76の一部例えば把持装置76cの上部などの被接触物に接触しない角度に設定されるのが好ましい。保持角度設定用参照面は、着脱位置WP又は着脱位置WPに位置するワークWに係る面であって、保持角度θRCaを設定するために参照する参照面である。具体的には、所定の保持角度θRCaは、90度または270度である。ワークWの着脱位置WPの参照面Rf1は、例えば、ワークWが反転装置76に鉛直状態となるように取り付けられるので鉛直面であるのが好ましい。
制御装置90は、図9に示すフローチャートを実施する。制御装置90は、ステップS102において、ロボット70を駆動させて、前工程からワークWを受け取る。例えば、前工程は、ワークWが加工前ストックモジュール30Cに載置されている工程であり、旋盤モジュール30Aやドリミルモジュール30Bでの加工工程である。尚、このとき、アーム部74は、通常運転モードで駆動されている。通常運転モードでは、A軸82及びB軸84の角速度及び角加速度は比較的小さい値に(遅く)設定され、C軸86の角速度及び角加速度は比較的大きい値に(速く)設定されている。
制御装置90は、ステップS104において、反転モードの要否を判定する。反転モードは、ワークWを保持している把持装置76cが回転装置76bにより水平回転されて反転され、ワークWが反転されるモードである。制御装置90は、ワークWの加工プログラムなどからワークWの反転の要否を判定する。例えば、次工程にワークWを反転させて送る場合には、ワークWの反転が必要であり、ワークWを反転させないでそのままの向きで送る場合には、ワークWの反転は不要である。
制御装置90は、反転モードが必要でない場合には(ステップS104にて「NO」)、ステップS132において、ロボット70を駆動させて、前工程にて把持部85により把持したワークWを反転させないで把持したまま次工程へ送る。制御装置90は、反転モードが必要である場合には(ステップS104にて「YES」)、ロボット70を駆動させて、前工程にて把持部85により把持したワークWを反転させ、把持し直して次工程へ送る。
具体的には、制御装置90は、ステップS106において、テーブル駆動装置73bを駆動させて、D軸73aをD軸第1ポイントへ駆動させる。D軸第1ポイントは、本第1実施形態では、ロボット70が加工室45又は55前に位置している場合、ロボット70の本体部72の前側(正面側)が加工室45又は55の方向を向くD軸の角度(例えば0度)である。尚、ロボット70の本体部72の前側は反転装置76が搭載されている側(後側)の反対側である。ロボット70の本体部72の前側が加工前ストックモジュール30Cを向く場合には、D軸の角度は-90度であり、ロボット70の本体部72の前側が加工後ストックモジュール30Dを向く場合には、D軸の角度は90度である。
制御装置90は、ステップS108において、把持部駆動装置85bを駆動させて、RC軸角度(ワーク角度のことである。)が所定の保持角度θRCaとなるようにC軸86をC軸第1ポイントへ駆動させる。制御装置90は、現在のA軸角度θA0、現在のB軸角度θB0、及びRC軸の所定の保持角度θRCaから、C軸の目標角度であるθC1(C軸第1ポイントである)を算出することができる。
最初に、A軸角度θA、B軸角度θB、C軸角度θC、RC軸角度θRC、及びこれらの関係について図10を参照して説明する。
A軸角度θAは、A軸82(ひいてはA軸82の回転軸)を基点として第1アーム81と鉛直線(1点鎖線で示す)又は鉛直面とのなす角度である。B軸角度θBは、B軸84(ひいてはB軸84の回転軸)を基点として第1アーム81と第2アーム83とのなす角度である。C軸角度θCは、C軸86(ひいてはC軸86の回転軸)を基点として第2アーム83と把持部85(ひいてはロボットチャック85c)とのなす角度である。尚、図10では、C軸角度θCは、第2アーム83とロボットチャック85cの軸線方向(実線にて示す)とのなす角度であり、一方のロボットチャック85cのみを図示している。RC軸角度θRCは、上述したワーク角度のことであり、把持部85に保持されているワークW(ロボットチャック85cの軸線方向(開口方向))とワーク角度設定用基準面Rf0である鉛直面(1点鎖線で示す)との間で形成される角度である。尚、RC軸角度θRCは、鉛直面でなく水平面とのなす角度でもよい。また、RC軸角度θRCは、原点を地上に有する直交座標系((RY,RZ)座標で示される。)における角度(絶対的な角度)である。
図10から明らかなように、A軸角度θA、B軸角度θB、C軸角度θC、及びRC軸角度θRCは、下記数1に示す関係がある。尚、図10に示すB軸84は鉛直線(1点鎖線で示す)又は鉛直面が通過しており、A軸82、B軸84及びC軸86を通過する1点鎖線で示す鉛直線は互いに平行である。
(数1)
θRC=θC-(θB-θA)
=θA-θB+θC
次に、現在のA軸角度θA0、現在のB軸角度θB0、RC軸の所定の保持角度θRCa、及びC軸の目標角度であるθC1の関係を説明する。図11に示すように、RC軸を所定の保持角度θRCaに変更した直後(変更後)における、A軸角度θA1、B軸角度θB1、C軸角度θC1、及びRC軸角度θRC1は、上記数1から、下記数2に示す関係がある。
(数2)
θRC1=θA1-θB1+θC1
上記数2を変形して、C軸の目標角度であるθC1は、下記数3に示すように、A軸角度θA1、B軸角度θB1、及びRC軸角度θRC1により表すことができる。
(数3)
θC1=θRC1-θA1+θB1
ここで、RC軸角度θRC1は、所定の保持角度θRCaである。また、A軸82及びB軸84は回転されないで、C軸86のみ回転されるので、A軸角度θA1は、RC軸を所定の保持角度θRCaに変更する直前(変更前、現在)における、A軸角度θA0と同じ値であり、B軸角度θB1は、変更前(現在)における、B軸角度θB0と同じ値である。
よって、C軸の目標角度であるθC1は、下記数4に示すように、A軸角度θA0、B軸角度θB0、及びRC軸の所定の保持角度θRCaにより表すことができる。
(数4)
θC1=θRCa-θA0+θB0
制御装置90は、このように算出したC軸の目標角度であるθC1(C軸第1ポイントである)となるように、把持部駆動装置85bを駆動させる。
制御装置90は、ステップS110において、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持したままB軸84をB軸第1ポイントへ駆動させる。換言すると、この制御は、B軸84を駆動させつつ、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持する制御である。具体的には、制御装置90は、B軸84及びC軸86の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、RC軸角度(ワーク角度)を保持角度θRCaにて一定に保持する。
RC軸角度を所定の保持角度θRCaに保持する制御(RC軸保持制御)について図12を参照して説明する。位置P1にあるC軸86が位置P2に移動する場合について説明する。C軸86が位置P1に位置する場合には、RC軸角度θRC1は、上記数1に基づいて、下記数5に示すように、A軸角度θA1、B軸角度θB1、及びC軸角度θC1により表すことができる。
(数5)
θRC1=θA1-θB1+θC1
ただし、RC軸角度θRC1、A軸角度θA1、B軸角度θB1、及びC軸角度θC1は、C軸86が位置P1に位置する場合のRC軸角度、A軸角度、B軸角度、及びC軸角度である。
また、RC軸角度が保持角度θRCaに保持された状態でB軸84が回転駆動されて位置P2に位置する場合には、RC軸角度θRC2は、上記数1に基づいて、下記数6に示すように、A軸角度θA2、B軸角度θB2、及びC軸角度θC2により表すことができる。尚、A軸82は回転駆動させないで回転固定されている。
(数6)
θRC2=θA2-θB2+θC2
ただし、RC軸角度θRC2、A軸角度θA2、B軸角度θB2、及びC軸角度θC2は、C軸86が位置P2に位置する場合のRC軸角度、A軸角度、B軸角度、及びC軸角度である。
さらに、RC軸角度θRC1及びRC軸角度θRC2は、保持角度θRCaに保持されているので、同じ値である。A軸角度θA1及びA軸角度θA2は、A軸82は回転固定されているので、同じ値である。よって、数5-数6を実行すると、下記数7を算出することができる。
(数7)
0=-θB1+θC1-(-θB2+θC2)
さらに上記数7を変形すると、下記数8を算出することができる。
(数8)
θC1-θC2=θB1-θB2
上記数8は、RC軸角度を保持角度θRCaに保持した状態でB軸84を回転駆動させた場合には、B軸角度の差分とC軸角度の差分が等しいことを示している。換言すると、B軸84及びC軸86の両方の角度差を一致させることにより、RC軸角度を保持角度θRCaにて一定に保持することができる。すなわち、B軸84及びC軸86の両方を同じ角速度及び角加速度で駆動させることにより、RC軸角度(ワーク角度)を保持角度θRCaにて一定に保持することができる。
さらに、本第1実施形態においては、制御装置90は、B軸84及びC軸86のうち反転モードでない通常運転モードにおける角速度の速い軸(C軸86)の角速度及び角加速度を角速度の遅い軸(B軸84)の角速度及び角加速度に合わせることにより、B軸84及びC軸86の両方の角速度及び角加速度を一致させている。尚、通常運転モードは、例えば、反転モード前後においてワークWを主軸42aやワークテーブル54に着脱する運転モードである。
このように、制御装置90は、B軸84及びC軸86のうち反転モードでない通常運転モードにおける角速度の速い軸(C軸86)の角速度及び角加速度を角速度の遅い軸(B軸84)に合わせることにより、B軸84及びC軸86の両方の角速度及び角加速度を一致させることとなる。その結果、制御装置90は、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持したままB軸84をB軸第1ポイントへ駆動させることができる。尚、B軸84をB軸第1ポイントへ駆動させる際に、A軸82はA軸第1ポイントへ駆動されるのが好ましい。このとき、A軸82は、B軸84と同時に駆動してもよく、B軸84より先に駆動してもよい。
B軸第1ポイントは、図13に示すように、A軸角度が所定角度(A軸第1ポイント)である場合に、RC軸角度を保持角度θRCaに保持されているワークWを反転装置76の着脱位置WP(二点鎖線にて示す)に置くためのB軸84の角度θBa(例えば、-10度)である。尚、第2アーム83が第1アーム81の右側(又は下側)に位置する場合(例えば、図12に示す状態)に、B軸角度は正の値であり、第2アーム83が第1アーム81の左側(又は上側)に位置する場合(例えば、図13に示す状態)に、B軸角度は負の値である。また、A軸第1ポイントは、本実施形態では、ロボット70がX軸駆動される際に、アーム部74が基本姿勢となるA軸角度θAa(例えば、2.7度)である。例えば、基本姿勢は、ロボット70を上方から視た場合、第1アーム81及び第2アーム83が旋回テーブル73の輪郭内に収まる姿勢である。X軸駆動は、ロボット70をロボット制御系のX軸(走行駆動軸)の延設方向、すなわち加工システム10のY軸方向に沿って移動させる駆動である。
前述したように、ステップS110の処理により、ロボットチャック85cに把持されているワークWは、RC軸角度を保持角度θRCaに保持された状態にて、着脱位置WPまで搬送される。
制御装置90は、ステップS112において、X軸71cをX軸第1ポイントへ駆動させる。X軸第1ポイントは、例えば、次工程の作業機モジュール30前の位置である。さらに、制御装置90は、ステップS114において、緩めた状態(開いた状態)の反転装置チャック76dを締める(閉じる)チャック締め動作を実行する。これにより、ロボットチャック85cにより把持されて着脱位置WPに搬送されたワークWは、反転装置76に保持される。さらに、制御装置90は、ステップS116において、締めた(閉じた)状態のロボットチャック85cを緩める(開く)チャック緩め動作を実行する。これにより、ワークWは、ロボット70の把持部85から反転装置76へ受け渡される。
制御装置90は、ステップS118において、上述したステップS110と同様に、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持したまま、B軸第1ポイントにあるB軸84をB軸第2ポイントへ駆動させる。尚、B軸第2ポイントは、図13に示すように、A軸角度が所定角度(A軸第1ポイント)である場合に、ワークWを保持していない把持部85を反転装置76から離れた退避位置に置くためのB軸角度θBb(例えば、20度)である。図13においては、退避位置にある第2アーム83及び把持部85を破線にて示す。退避位置は、回転装置76bを駆動させて反転装置76を水平回転させたとき、その反転装置76及び反転装置76に把持されているワークWがロボット70の把持部85に干渉しない位置に設定されている。このようにロボット70の把持部85を退避位置に退避した後に、制御装置90は、ステップS120において、回転装置76bを駆動させて反転装置76を水平回転させることにより、ワークWを反転させる(ワーク反転動作)。
さらに、制御装置90は、反転されたワークWをロボット70の把持部85により受け取る。具体的には、制御装置90は、ステップS122において、上述したステップS110と同様に、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持したまま、B軸第2ポイントにあるB軸84をB軸第3ポイント(θBc)へ駆動させる。尚、B軸第3ポイント(θBc)は、上述したB軸第1ポイント(θBa)と同じ位置であり、ロボット70の把持部85を反転装置76の着脱位置WPに配置させる位置である。これにより、制御装置90は、ワークWを把持していない把持部85を、反転装置チャック76dに保持されているワークWを受け取り可能な位置(ワークWの着脱位置に対応する位置)まで移動させることができる。
次に、制御装置90は、ステップS124において、緩めた(開いた)状態のロボットチャック85cを締める(閉じる)チャック締め動作を実行する。これにより、反転装置チャック76dに把持されていたワークWは、ロボットチャック85cにも把持される。さらに、制御装置90は、ステップS126において、締めた状態(閉じた状態)の反転装置チャック76dを緩める(開く)チャック緩め動作を実行する。これにより、ワークWは、反転装置76からロボット70の把持部85へ受け取られる。
制御装置90は、ステップS128において、上述したステップS118と同様に、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持したまま、B軸第3ポイントにあるB軸84をB軸第4ポイント(θBd)へ駆動させる。尚、B軸第4ポイント(θBdは、B軸第2ポイント(θBbと同じ位置である。これにより、ロボット70の把持部85を退避位置まで移動させることができる。このようにロボット70の把持部85を退避位置まで移動させた後に、制御装置90は、ステップS130において、反転モードを終了させて、通常運転モードに戻す。制御装置90は、反転モード中においてB軸84及びC軸86の両方が同じ角速度及び角加速度となるように制御していたが、通常運転モードの角速度及び角加速度に戻すため、B軸84の角速度及び角加速度をそのまま維持するとともに、C軸86の角速度及び角加速度を増大させる。
そして、制御装置90は、ステップS132において、ワークWを次工程に送る。例えば、制御装置90は、反転装置76から受け取ったワークWを旋盤モジュール30Aの主軸42aやドリミルモジュール30Bのワークテーブル54に搬送する。
さらに、上述したワーク角度保持動作によるワークWの反転装置76への受け渡し及び受け取りについて図13を参照して説明する。図13の一点鎖線にて、図12に示す位置P1にC軸86が位置するとともに、RC軸が所定の保持角度θRCaに保持された状態のアーム部74を示している。アーム部74は、この第1状態からワークWを反転装置76に受け渡し、反転させたワークWを反転装置76から受け取り、最初の第1状態(図13にて一点鎖線で示す。)に戻す。
アーム部74においてワークWを例えば投入テーブル63、主軸42aやワークテーブル54から受け取った後から最初の第1状態となるまでの間(通常運転モード)には、C軸86は、A軸82及びB軸84より速い角速度及び角加速度にて制御されている。最初の第1状態となったアーム部74においてワークWを反転装置76に受け渡して受け取った後に再び第1状態に戻すまでの間(反転モード)には、C軸86は、B軸84と同じ角速度及び角加速度にて制御されている。これにより、把持部85ひいてはワークWを所定の保持角度θRCaにて一定に保持したまま移動させることができる。その後、アーム部74において第1状態に戻したワークWを例えば主軸42aやワークテーブル54に受け渡すまでの間(通常運転モード)には、C軸86は、A軸82及びB軸84より速い変更前の角速度及び角加速度にて制御される。
アーム部74が第1状態にあるときには、A軸角度はθAa(A軸第1ポイント)に、B軸角度はθBeに、C軸角度はRC軸が保持角度θRCaとなるようにC軸第1ポイントに制御される(ステップS108)。次に、ワークWを把持して第1状態にあるアーム部74は着脱状態(図13にて二点鎖線にて示す。)まで移動(変形)される(ステップS110)。このとき、A軸角度はθAaに維持され、B軸角度はθBeからθBaに駆動制御されるとともに、C軸角度はB軸角度と同じ角速度及び角加速度で駆動制御される。その結果、把持部85ひいてはワークWは、RC軸角度を保持角度θRCaに保持した状態にて着脱位置WPに移動される。
このとき、RC軸角度は把持部85やワークWが反転装置76の一部に接触しない角度に設定されているので、把持部85に保持されているワークWを移動させる際に把持部85やワークWの接触(衝突、干渉)を抑制することが可能となる。さらに、把持部85及びワークWを着脱位置WPに対して平行に接近させることができるので、把持部85やワークWが着脱位置WPに対して傾きながら接近する場合と比較して、把持部85やワークWの接触をより確実に抑制することが可能となる。
着脱位置WPに移動されたワークWは、ロボットチャック85cから反転装置チャック76dに受け渡される(ステップS114,116)。その後、アーム部74は、退避状態(図13にて破線にて示す。)に移動(変形)される(退避動作:ステップS118)。このとき、A軸角度はθAaに維持され、B軸角度はθBaからθBbに駆動制御されるとともに、C軸角度はB軸角度と同じ角速度及び角加速度で駆動制御される。その結果、把持部85は、RC軸角度を保持角度θRCaに保持した状態にて着脱状態から退避状態に移動されるので、把持部85を移動させる際に把持部85の接触(衝突、干渉)を抑制することが可能となる。
アーム部74が退避状態となっている間に、ワークWは反転装置76により反転される(ステップS120)。その後、退避状態にあるアーム部74は、再び着脱状態まで移動(変形)される(ステップS122)。このとき、A軸角度はθAaに維持され、B軸角度はθBbからθBc(=θBa)に駆動制御されるとともに、C軸角度はB軸角度と同じ角速度及び角加速度で駆動制御される。その結果、把持部85(ワークWを不保持)は、RC軸角度を保持角度θRCaに保持した状態にて着脱状態に移動される。
着脱位置WPに移動された把持部85は、反転装置チャック76dに保持されていたワークWをロボットチャック85cに受け取る(ステップS124,126)。その後、アーム部74は、上述した退避動作と同様に、退避状態(図13にて破線にて示す。)に移動(変形)される(ステップS128)。このとき、A軸角度はθAaに維持され、B軸角度はθBcからθBd(=θBb)に駆動制御されるとともに、C軸角度はB軸角度と同じ角速度及び角加速度で駆動制御される。その結果、ワークWを把持している把持部85は、RC軸角度を保持角度θRCaに保持した状態にて着脱状態から退避状態に移動されるので、把持部85を移動させる際に把持部85及びワークWの接触(衝突、干渉)を抑制することが可能となる。その後、アーム部74は、さらに第1状態まで移動(変形)される。
上述した第1実施形態によるロボット70は、ワークWを保持可能である把持部85(ワーク把持部)と、把持部85を移動させるための走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86(複数の軸)と、把持部85に保持されているワークWとワーク角度設定用基準面Rf0との間で形成される角度であるRC軸角度(ワーク角度)を、保持角度θRCa(所定の保持角度)にて一定に保持したまま把持部85を移動させるように走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86を制御する制御装置90と、を備えている。
これによれば、ワーク角度設定用基準面Rf0に対して把持部85ひいてはワークWを保持角度θRCaにて一定に保持したまま移動させることが可能となる。さらに、保持角度θRCaを把持部85やワークWが被接触物に接触しない角度に設定することで、ロボット70は、把持部85に保持されているワークWを移動させる際に把持部85やワークWの被接触物への接触(衝突、干渉)を抑制することが可能となる。
また、上述した第1実施形態によるロボット70の制御方法は、ワークWを保持可能である把持部85と、把持部85を移動させるための走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86(複数の軸)と、を備えたロボット70の制御方法であって、把持部85に保持されているワークWとワーク角度設定用基準面Rf0との間で形成される角度であるRC軸角度を、保持角度θRCaにて一定に保持したまま把持部85を移動させるように走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86を制御する。これによっても、上述したロボット70の作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
また、上述した第1実施形態によるロボット70の制御プログラムは、ワークWを保持可能である把持部85と、把持部85を移動させるための走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86(複数の軸)と、を備えたロボット70の制御プログラムであって、把持部85に保持されているワークWとワーク角度設定用基準面Rf0との間で形成される角度であるRC軸角度を、保持角度θRCaにて一定に保持したまま把持部85を移動させるように走行駆動軸71c、テーブル駆動軸73a、第1アーム駆動軸82、第2アーム駆動軸84、及び把持部駆動軸86を制御する。これによっても、上述したロボット70の作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
また、上述した第1実施形態によるロボット70においては、上述した複数の軸は、把持部85外に位置する第1回転軸まわりに把持部85を回転可能である第2アーム駆動軸84(第1軸)と、把持部85内に位置する第2回転軸まわりに把持部85を回転可能である把持部駆動軸86(第2軸)と、を含んで構成され、制御装置90は、第2アーム駆動軸84及び把持部駆動軸86の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、RC軸角度を保持角度θRCaにて一定に保持する。
これによれば、簡便な方法により、RC軸角度を保持角度θRCaにて一定に保持することが可能となる。
また、上述した第1実施形態によるロボット70においては、制御装置90は、第2アーム駆動軸84(第1軸)及び把持部駆動軸86(第2軸)のうち角速度の速い軸を角速度の遅い軸に合わせることにより、第2アーム駆動軸84及び把持部駆動軸86の両方の角速度及び角加速度を一致させる。
これによれば、比較的速度の遅い安定した動作により把持部85ひいてはワークWを確実に移動させることができる。
また、上述した第1実施形態によるロボット70においては、ロボット70は、ワークWを着脱位置に着脱可能に保持すると共にワークWを保持したまま反転させる反転装置76と把持部85との間でワークWを受け渡し及び受け取りを実施可能であり、制御装置90は、受け渡し及び受け取りを実施する際には、保持角度θRCaを、把持部85に保持されているワークWが着脱位置の参照面Rf1に対して平行となる角度に設定する。
これによれば、把持部85及びワークWは着脱位置WPに対して平行に接近することができるので、把持部85やワークWが着脱位置WPひいては反転装置76に対して傾きながら接近する場合と比較して、把持部85やワークWの接触をより確実に抑制することが可能となる。
尚、上述した第1実施形態においては、A軸82を固定し、B軸84及びC軸86を駆動するようにしたが、B軸84を固定し、A軸82及びC軸86を駆動するようにしてもよい。この場合、第1アーム駆動軸82は、把持部85外に位置する第1回転軸(第1アーム駆動軸82の回転軸)まわりに把持部85を回転可能である「第1軸」である。「第1軸」は、把持部85を第1アーム駆動軸82の回転軸まわりに公転させるための駆動軸である。
(第2実施形態)
次に、ロボット70が適用された加工システムの第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態においては、ロボット70が反転装置76と把持部85との間でワークWを受け渡し及び受け取りを実施する際に、保持角度θRCaを、把持部85に保持されているワークWが着脱位置の参照面Rf1に対して平行となる角度に設定するようにしたが、本第2実施形態では、ワークWを、ワークWを搬入出可能なワーク室(加工室45,55、ストック室66など)に搬入出する際に、保持角度θRCaを、把持部85に保持されているワークWが加工室45,55及びストック室66の開口周縁部に対向する仮想平面Rf21に対して平行となる角度に設定するようにした。
所定の保持角度θRCaは、把持部85やワークWが前壁45aの入出口45a1の下縁部などの被接触物に接触しない角度に設定されるのが好ましい。仮想平面Rf21は、保持角度θRCaを設定するために参照する参照面であり、ワークWが入出口45a1の下縁部に接触することなくRC軸角度を保持角度θRCaにて一定に保持したまま把持部85を移動させるために必要な角度(例えば水平面に対する角度)を有する平面である。尚、保持角度θRCaは、ロボットチャック85cの軸線方向が直線L1の延設方向と一致する角度θk1に設定されている。また、角度θk1は、上記数1に示すように、θA-θB+θCにより算出することができる。これらθA,θB,θCは、ロボットチャック85cの軸線方向が直線L1の延設方向と一致する条件を満足する値である。
例えば、仮想平面Rf21は、B軸84の回転軸と入出口45a1の下縁部とを結んだ直線L1上にC軸86が位置するとともにロボットチャック85cの軸線方向が直線L1の延設方向と一致する場合において、ロボットチャック85cが把持しているワークWの把持面Waの反対側の解放面Wbを含む平面である。すなわち、B軸84を駆動させて、ワークWを仮想平面Rf21に平行な状態を維持しながらB軸84の回転軸まわりに回動(公転)させた場合、C軸86が直線L1上に位置するときに、C軸86すなわち把持部85に把持されたワークWが入出口45a1の下縁部に最接近する。このとき、ワークWが入出口45a1の下縁部に接触することはない。
尚、本第2実施形態では、仮想平面Rf21に代えて、仮想平面Rf22を採用するようにしてもよい。仮想平面Rf22は、直線L1上にC軸86が位置するとともにロボットチャック85cの軸線方向が直線L1の延設方向と所定角度だけずれているときにおいて、ロボットチャック85cが把持しているワークW(図14にて破線にて示す。)の解放面Wbを含む平面である。但し、直線L1に対して所定角度だけ傾いている解放面Wbを有するワークWを仮想平面Rf22に平行な状態を維持しながらB軸84まわりに回動(公転)させた場合に、ワークWが入出口45a1の下縁部に接触しない場合に限る。このとき、保持角度θRCaは、ロボットチャック85cの軸線方向が直線L1の延設方向から所定角度だけずれる角度θk2(θk1-所定角度<θk2<θk1+所定角度)に設定されている。また、所定角度は、例えば、C軸86を直線L1上に位置した状態で回動させたときに、ワークWの一部が仮想平面Rf3を超えて下側に位置しない角度に設定することができる。仮想平面Rf3は、仮想平面Rf21に平行であり入出口45a1の下縁部に接する平面であって、ワークWが入出口45a1の下縁部に接する平面である。
(ワーク角度保持動作(ワーク室へのワークの搬入出))
さらに、上述した制御装置90による多関節ロボット70のワーク角度保持動作について図15に示すフローチャートに沿って説明する。制御装置90は、ステップS202において、ロボット70を駆動させて、前工程からワークWを受け取る。例えば、前工程は、ワークWが加工前ストックモジュール30Cに載置されている工程であり、旋盤モジュール30Aやドリミルモジュール30Bでの加工工程である。
制御装置90は、ステップS204において、ワークWを保持している把持部85のワーク室への搬入出の要否を判定する。制御装置90は、ワークWの加工プログラムなどからワーク室への搬入出の要否を判定する。例えば、ワーク室への搬入出が必要な場合は、加工前ストックモジュール30Cの投入テーブル63に載置されているワークWを搬出する場合、旋盤モジュール30Aの主軸42aにワークWを着脱する場合、ドリミルモジュール30Bのワークテーブル54にワークWを着脱する場合である。
制御装置90は、ワーク室への搬入出が必要でない場合には(ステップS204にて「NO」)、ステップS214において、ロボット70を駆動させて、前工程にて把持部85により把持したワークWを次工程へ送る。制御装置90は、ワーク室への搬入出が必要である場合には(ステップS204にて「YES」)、ロボット70を駆動させて、前工程にて把持部85により把持したワークWをワーク室へ搬入出する。
ワークWをワーク室へ搬入する場合には、制御装置90は、ステップS206において、B軸84をC軸86より遅い角速度及び角加速度にて搬入前位置(図14にて二点鎖線にて示す。)へ駆動させる。尚、通常運転モードは、例えば、ワーク室への搬入出前後においてワークWを主軸42aやワークテーブル54に着脱するアーム部74の運転モードである。B軸84が搬入出前位置(搬入前位置であり、後述する搬出前位置である。)と搬入出後位置(後述する、搬入後位置であり、搬出後位置である。)との間を移動するワーク室への搬入出中は、ロボット70の運転モードは通常運転モードではない。通常運転モードでは、A軸82及びB軸84の角速度及び角加速度は比較的小さい値に(遅く)設定され、C軸86の角速度及び角加速度は比較的大きい値に(速く)設定されている。
制御装置90は、ステップS208において、把持部駆動装置85bを駆動させて、RC軸角度(ワーク角度のことである。)が所定の保持角度θRCaとなるようにC軸86をC軸第2ポイントへ駆動させる。このとき、C軸86は、B軸84より速い角速度及び角加速度にて駆動される。C軸第2ポイントは、上述したC軸第1ポイントの算出処理と同様に算出することができる。
制御装置90は、ステップS210において、上述したステップS110と同様に、RC軸を所定の保持角度θRCaに一定に保持したままB軸84を搬入後位置(図14にて一点鎖線にて示す。)へ駆動させる。このとき、制御装置90は、B軸84及びC軸86の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、RC軸角度(ワーク角度)を保持角度θRCaにて一定に保持しながら把持部85を公転させる。このように、ロボットチャック85cに把持されているワークWは、RC軸角度を保持角度θRCaに保持された状態にて、搬入前位置から搬入後位置まで搬送される。
尚、ワークWをワーク室から搬出する場合には、図14にて一点鎖線にて示す搬入後位置が搬出前位置であり、図14にて二点鎖線にて示す搬入前位置が搬出後位置である。この場合にも、ロボットチャック85cに把持されているワークWは、RC軸角度を保持角度θRCaに保持された状態にて、搬出前位置から搬出後位置まで搬送される。
ワーク室へのワークWの搬入出中には、RC軸角度は把持部85やワークWが入出口45a1の下縁部に接触しない角度θk1(又は角度θk2)に設定されているので、把持部85に保持されているワークWを移動させる際にワークWの入出口45a1の下縁部への接触(衝突、干渉)を抑制することが可能となる。さらに、把持部85及びワークWを仮想平面Rf3に対して平行移動させながら入出口45a1の下縁部に接近させることができるので、把持部85やワークWを仮想平面Rf3に対して比較的大きく傾けながら接近させる場合と比較して、把持部85やワークWの接触をより確実に抑制することが可能となる。
さらに、制御装置90は、ステップS212において、ワーク室への搬入出を終了させて、運転モードを通常運転モードに戻す。制御装置90は、ワーク室への搬入出中においてB軸84及びC軸86の両方が同じ角速度及び角加速度となるように制御していたが、通常運転モードの角速度及び角加速度に戻すため、B軸84の角速度及び角加速度をそのまま維持するとともに、C軸86の角速度及び角加速度を増大させる。
そして、制御装置90は、ステップS214において、ワークWを次工程に送る。例えば、制御装置90は、反転装置76から受け取ったワークWを旋盤モジュール30Aの主軸42aやドリミルモジュール30Bのワークテーブル54に搬送する。
上述した第2実施形態においては、ロボット70は、把持部85に把持されているワークWを、ワークWを搬入出可能なワーク室((加工室45,55、ストック室66)に搬入出することが可能であり、制御装置90は、ワークWの搬入出を実施する際には、保持角度θRCaを、把持部85に保持されているワークWがワーク室の開口周縁部(入出口45a1の下縁部)に対向する仮想平面Rf21(保持角度設定用参照面)に対して平行となる角度に設定する。
これによれば、把持部85及びワークWは入出口45a1の下縁部に対して平行に接近することができるので、把持部85やワークWが入出口45a1の下縁部に対して比較的大きく傾きながら接近する場合と比較して、把持部85やワークWの接触をより確実に抑制することが可能となる。
45,55…加工室(ワーク室)、66…ストック室(ワーク室)、70…ロボット(多関節ロボット)、71c,73a,82,84,86…駆動軸(軸)、71b,73b,81b,83b,85b…駆動装置、76…反転装置、84…第2アーム駆動軸(第1軸)、85…把持部(ワーク把持部)、86…把持部駆動軸(第2軸)、90…制御装置、Rf0…ワーク角度設定用基準面、Rf1…参照面(保持角度設定用参照面)、Rf21…仮想平面、W…ワーク、θRCa…保持角度。

Claims (6)

  1. ワークを保持可能であるワーク把持部と、
    前記ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、
    前記ワーク把持部に保持されている前記ワークとワーク角度設定用基準面との間で形成される角度であるワーク角度を、所定の保持角度にて一定に保持したまま前記ワーク把持部を移動させるように前記複数の軸を制御する制御装置と、
    を備えた多関節ロボットであって、
    前記複数の軸は、前記ワーク把持部外に位置する第1回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第1軸と、前記ワーク把持部内に位置する第2回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第2軸と、を含んで構成され、
    前記制御装置は、前記第1軸及び前記第2軸の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、前記ワーク角度を前記保持角度にて一定に保持する多関節ロボット。
  2. 前記制御装置は、前記第1軸及び前記第2軸のうち前記角速度の速い軸を前記角速度の遅い軸に合わせることにより、前記第1軸及び前記第2軸の両方の前記角速度及び前記角加速度を一致させる請求項1に記載の多関節ロボット。
  3. ワークを保持可能であるワーク把持部と、
    前記ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、
    前記ワーク把持部に保持されている前記ワークとワーク角度設定用基準面との間で形成される角度であるワーク角度を、所定の保持角度にて一定に保持したまま前記ワーク把持部を移動させるように前記複数の軸を制御する制御装置と、
    を備えた多関節ロボットであって、
    前記多関節ロボットは、前記ワークを着脱位置に着脱可能に保持すると共に前記ワークを保持したまま反転させる反転装置と前記ワーク把持部との間で前記ワークを受け渡し及び受け取りを実施可能であり、
    前記制御装置は、前記受け渡し及び受け取りを実施する際には、前記保持角度を、前記ワーク把持部に保持されている前記ワークが前記着脱位置の参照面に対して平行となる角度に設定する多関節ロボット。
  4. ワークを保持可能であるワーク把持部と、
    前記ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、
    前記ワーク把持部に保持されている前記ワークとワーク角度設定用基準面との間で形成される角度であるワーク角度を、所定の保持角度にて一定に保持したまま前記ワーク把持部を移動させるように前記複数の軸を制御する制御装置と、
    を備えた多関節ロボットであって、
    前記多関節ロボットは、前記ワーク把持部に把持されている前記ワークを、前記ワークを搬入出可能なワーク室に搬入出することが可能であり、
    前記制御装置は、前記ワークの搬入出を実施する際には、前記保持角度を、前記ワーク把持部に保持されている前記ワークが前記ワーク室の開口周縁部に対向する仮想平面に対して平行となる角度に設定する多関節ロボット。
  5. ワークを保持可能であるワーク把持部と、
    前記ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、を備えた多関節ロボットの制御方法であり、
    前記ワーク把持部に保持されている前記ワークとワーク角度設定用基準面との間で形成される角度であるワーク角度を、所定の保持角度にて一定に保持したまま前記ワーク把持部を移動させるように前記複数の軸を制御する多関節ロボットの制御方法であって、
    前記複数の軸は、前記ワーク把持部外に位置する第1回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第1軸と、前記ワーク把持部内に位置する第2回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第2軸と、を含んで構成され、
    前記多関節ロボットの制御方法は、前記第1軸及び前記第2軸の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、前記ワーク角度を前記保持角度にて一定に保持する多関節ロボットの制御方法。
  6. ワークを保持可能であるワーク把持部と、
    前記ワーク把持部を移動させるための複数の軸と、を備えた多関節ロボットの制御プログラムであり、
    前記ワーク把持部に保持されている前記ワークとワーク角度設定用基準面との間で形成される角度であるワーク角度を、所定の保持角度にて一定に保持したまま前記ワーク把持部を移動させるように前記複数の軸を制御する多関節ロボットの制御プログラムであって、
    前記複数の軸は、前記ワーク把持部外に位置する第1回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第1軸と、前記ワーク把持部内に位置する第2回転軸まわりに前記ワーク把持部を回転可能である第2軸と、を含んで構成され、
    前記多関節ロボットの制御プログラムは、前記第1軸及び前記第2軸の両方の角速度及び角加速度を一致させることにより、前記ワーク角度を前記保持角度にて一定に保持する多関節ロボットの制御プログラム。
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