(本開示の一態様を得るに至った経緯)
以下、本開示の実施の形態を説明するのに先立ち、本開示の一態様を得るに至った経緯について説明する。
光硬化性樹脂からなる接合部材によって接合された2枚の表示パネルを有する液晶表示装置を長時間使用すると、通電時に表示画面の周辺部に枠状の輝度ムラが発生するおそれがある。例えば、このような液晶表示装置1Xを2000時間使用すると、図13の散点状のハッチングで示されるように、液晶表示装置1Xの表示画面(有効領域)の周辺部に枠状の輝度ムラが発生することがある。このように、液晶表示装置1Xに枠状の輝度ムラが発生すると、表示画像の品質が低下する。なお、図13において、枠状の黒塗り部分は、ブラックマトリクスが形成された無効領域である。
この枠状の輝度ムラが発生する原因について本願発明者らが検討したところ、本願発明者らは、図14に示すように、OCAである接合部材500Xによって貼り合わされた第1表示パネル100及び第2表示パネル200を有する液晶表示装置1Xを長時間使用すると、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の接合部材500Xが周縁以外の領域で収縮し、第1表示パネル100が有する第1液晶セル110の第1TFT基板111と第2表示パネル200が有する第2液晶セル210の第2TFT基板211とに、中央に向かう引っ張り応力が発生する。この引っ張り応力によって第1表示パネル100の第1TFT基板111と第2表示パネル200の第2TFT基板211とが歪んで、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の各々の端部領域における第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さ(セル厚)が変動することで、枠状の輝度ムラが発生するのではないかと推定した。つまり、枠状の輝度ムラの発生は、液晶表示装置における表示パネルの液晶セルの端部領域の厚さが変動したことに起因しているのではないかと推定した。なお、図14では、偏光板が省略されており、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の各々は、一対の偏光板によって挟まれている。
本願発明者らは、この推定のもとに、枠状の輝度ムラが実際に発生した液晶表示装置の輝度を測定するとともに、液晶セルの厚さの変動に関するシミュレーションを行った。その結果を図15に示す。
図15の(a)は、枠状の輝度ムラが実際に発生した液晶表示装置を2次元輝度計で計測したときの2次元輝度分布を示す図であり、図15の(b)は、図15の(a)のB-B線(短軸方向)における断面輝度分布を示す図である。図15の(c)は、2枚の表示パネルの間の接合部材(OCA)の端部領域が収縮したときに、一方の表示パネルの液晶セルの短軸方向における厚さの変化(セル厚分布)のシミュレーション結果を示す図である。
図15の(b)と図15の(c)とを比較して分かるように、輝度分布とセル厚分布とがおおむね一致していることが分かった。つまり、2枚の表示パネルの間の接合部材の端部領域が収縮して表示パネルの液晶セルの厚さが変動した結果、枠状の輝度ムラが発生していると考えられる。
この結果をもとに、本願発明者らは、さらに、接合部材の端部領域が収縮する原因について検討した。具体的には、本願発明者らは、接合部材を構成する樹脂材料が光硬化性樹脂であることに着目し、接合部材の端部領域の収縮の原因が光硬化性樹脂にあるのではないかと考えて鋭意検討した。
その結果、接合部材の端部領域の収縮は、光硬化性樹脂の硬化反応率の分布に起因していることをつきとめた。以下、その検討結果について説明する。
2枚の表示パネルを貼り合わせるための接合部材を構成する光硬化性樹脂には、重合開始剤が含まれている。重合開始剤は、光が照射されると励起(活性化)して開裂反応等を起こし、ラジカル等の硬化反応を開始させるための物質を生成する。光硬化性樹脂を露光して硬化させることで、2枚の表示パネルを貼り合わせるためのフィルム状の接合部材が生成される。
このとき、接合部材を構成する光硬化性樹脂の硬化反応率は100%に至っておらず、接合部材を構成する光硬化性樹脂には重合開始剤が残留していると考えられる。このため、光硬化性樹脂からなる接合部材によって貼り合わされた2枚の表示パネルを有する液晶表示装置を長時間使用すると、接合部材を構成する光硬化性樹脂に残留する重合開始剤が使用時のバックライトの光によって事後的に反応し、光硬化性樹脂の追硬化(追加反応)が発生する。この光硬化性樹脂の追硬化(後硬化)は、光硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂であっても、バックライトからの光で生じる。
このとき、バックライトの光の照射による重合開始剤のラジカル発生量は、接合部材を構成する光硬化性樹脂に残留している重合開始剤の量とバックライトの光の照射光量(積算光量)とに依存する。
したがって、光硬化性樹脂に残留している重合開始剤の量が少なかったり、液晶表示装置の使用時間が短くてバックライトの光の照射光量が少なかったりすると、重合開始剤のラジカル発生量が少なくなる。逆に、光硬化性樹脂に残留している重合開始剤の量が多かったり、液晶表示装置の使用時間が長くてバックライトの光の照射光量が多かったりすると、重合開始剤のラジカル発生量が多くなる。
一方、接合部材によって貼り合わされた2枚の表示パネルを有する液晶表示装置において、接合部材の端縁(側端面)は空気に曝されている。このため、空気に含まれる酸素が接合部材の端縁から侵入する。この場合、接合部材の端縁から侵入した酸素によって、接合部材の中央領域よりも接合部材の端部領域の方が酸素濃度が高くなっている。酸素は、光硬化性樹脂に含まれる重合開始剤の励起を阻害する。したがって、光硬化性樹脂によって構成された接合部材では、この酸素による重合阻害によって、とりわけ貼合シートの端部領域においてバックライトの光による光硬化性樹脂の上記追硬化が抑制されることになる。
このように、接合部材によって貼り合わされた2枚の表示パネルを有する液晶表示装置を長時間使用した場合に枠状の輝度ムラが発生する原因の一つは、接合部材を構成する光硬化性樹脂に残留する重合開始剤がバックライトの光によって追硬化する中で、接合部材の端部領域では、酸素による重合阻害によって接合部材の中央領域よりも光硬化性樹脂の追硬化が抑制されたことにあると考えられる。
本願発明者らは、この知見をもとに鋭意検討した結果、2枚の表示パネルを接合するための接合部材の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を小さくすることで、枠状の輝度ムラによる表示画像の品質の低下を抑制できるという着想を得た。
本開示は、このような新規な着想に基づいてなされたものであり、枠状の輝度ムラによる表示画像の品質の低下を抑制できる液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置を提供する。
以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る液晶表示装置1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の概略構成を示す図である。
液晶表示装置1は、液晶セルを含む表示パネルを複数重ね合わせて構成された画像表示装置の一例であって、静止画像又は動画像の画像(映像)を表示する。
図1に示すように、本実施の形態における液晶表示装置1は、複数の表示パネルとして、観察者に近い位置(前側)に配置された第1表示パネル100と、第1表示パネル100より観察者から遠い位置(後側)に配置された第2表示パネル200とを備える。
さらに、液晶表示装置1は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の後側に配置されたバックライト300を備える。具体的に、バックライト300は、第2表示パネル200の後側に配置されている。
第1表示パネル100は、メインパネルであって、ユーザが視認する画像を表示する。本実施の形態において、第1表示パネル100は、カラー画像を表示する。第1表示パネル100には、入力映像信号に応じたカラー画像を第1画像表示領域101(アクティブ領域)に表示するために、第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103が設けられている。
具体的には、第1表示パネル100の液晶セルには、第1ソースドライバ102が実装された第1ソースFPC(Flexible Printed Circuits)104と、第1ゲートドライバ103が実装された第1ゲートFPC105とが接続されている。
また、第1ソースFPC104の第1表示パネル100側とは反対側の部分には、第1回路基板106が接続されている。第1回路基板106は、略矩形板状のプリント基板(PCB;Printed Circuit Board)であり、第1回路基板106には、複数の電子部品が実装されている。第1回路基板106は、第1タイミングコントローラ410から出力された各種信号を第1ソースFPC104に実装された第1ソースドライバ102に伝達する機能を有する。
第1表示パネル100の第1画像表示領域101にカラー画像を表示する場合、第1タイミングコントローラ410から出力される各種信号が第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103に入力される。
第2表示パネル200は、第1表示パネル100の背面側に配置されるサブパネルである。本実施の形態において、第2表示パネル200は、第1表示パネル100に表示されるカラー画像に対応した画像のモノクロ画像(白黒画像)を、そのカラー画像に同期させて表示する。第2表示パネル200には、入力映像信号に応じたモノクロ画像を第2画像表示領域201に表示するために、第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203が設けられている。
具体的には、第2表示パネル200の液晶セルには、第2ソースドライバ202が実装された第2ソースFPC204と、第2ゲートドライバ203が実装された第2ゲートFPC205とが接続されている。
また、第2ソースFPC204の第2表示パネル200側とは反対側の部分には、第2回路基板206が接続されている。第2回路基板206は、略矩形板状のプリント基板(PCB)であり、第2回路基板206には、複数の電子部品が実装されている。第2回路基板206は、第2タイミングコントローラ420から出力された各種信号を第2ソースFPC204に実装された第2ソースドライバ202に伝達する機能を有する。
第2表示パネル200の第2画像表示領域201にモノクロ画像を表示する場合、第2タイミングコントローラ420から出力される各種信号が第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203に入力される。
第1画像表示領域101及び第2画像表示領域201は、画像が表示される表示画面に対応する領域であり、マトリクス状に配列された複数の画素を有する。第1画像表示領域101の画素数と第2画像表示領域201の画素数とは同じであってもよいし異なっていてもよい。
また、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の駆動方式は、例えばIPS(In Plane Switching)方式又はFFS(Fringe Field Switching)方式等の横電界方式であるが、これに限るものではなく、VA(Vertical Alignment)方式又はTN(Twisted Nematic)方式等であってもよい。
バックライト300は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の背面側に配置された光源ユニットであり、第1表示パネル100及び第2表示パネル200に向けて光を照射する。本実施の形態において、バックライト300は、平面状の均一な拡散光(散乱光)をむらなく照射する面光源ユニットである。
バックライト300は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を光源とするLEDバックライトであるが、これに限るものではない。また、本実施の形態において、バックライト300は、直下型であるが、エッジ型であってもよい。なお、バックライト300の具体的な構成については後述する。
液晶表示装置1は、さらに、第1タイミングコントローラ410及び第2タイミングコントローラ420に画像データを出力する画像処理部430を備える。
画像処理部430は、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラ410に第1画像データDAT1を出力し、第2タイミングコントローラ420に第2画像データDAT2を出力する。また画像処理部430は、第1タイミングコントローラ410及び第2タイミングコントローラ420に同期信号等の制御信号(図1では省略)を出力する。第1画像データDAT1は、カラー表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は、モノクロ表示用の画像データである。
このように、本実施の形態に係る液晶表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の2つの表示パネルを重ね合わせて画像を表示しているので、黒を引き締めることができる。これにより、高コントラスト比の画像を表示することができる。
次に、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の詳細な構造について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の構成を示す断面図である。
図2に示すように、液晶表示装置1は、第1表示パネル100と、第2表示パネル200と、バックライト300とを備えるとともに、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を接合する接合部材500を備える。
接合部材500によって接合された第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、液晶モジュール2を構成している。つまり、液晶表示装置1は、液晶モジュール2と、バックライト300とを備える。本実施の形態において、バックライト300は、液晶モジュール2の第2表示パネル200側に配置されている。したがって、バックライト300は、液晶モジュール2の第2表示パネル200に向けて光を照射する。
第1表示パネル100は、第1液晶セル110と、第1液晶セル110を挟む一対の第1偏光板120とを有する。
第1液晶セル110は、第1TFT(Thin Film Transistor)基板111と、第1TFT基板111に対向する第1対向基板112と、第1TFT基板111及び第1対向基板112の間に配置された第1液晶層113とを備える。本実施の形態において、第1液晶セル110は、第1対向基板112が第1TFT基板111よりも前方に位置するように配置されているが、第1TFT基板111が第1対向基板112よりも前方に位置するように配置されていてもよい。
第1TFT基板111は、ガラス基板等の透明基板にTFT層(不図示)が形成された基板である。TFT層には、マトリクス状に配列された画素の各々に対応して設けられたTFT及びTFTを駆動する配線等が形成されている。TFT層の平坦化層上には、第1液晶層113に電圧を印加するための画素電極が形成されている。
第1対向基板112は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層としてカラーフィルタ層が形成されたCF基板である。第1対向基板112の画素形成層は、ブラックマトリクス(黒色部)及びカラーフィルタ(着色部)を有する。ブラックマトリクスは、例えば格子状又はストライプ状に形成されており、ブラックマトリクスには、画素を構成するマトリクス状の複数の開口部が形成されている。ブラックマトリクスの各開口部内にはカラーフィルタが形成されている。つまり、ブラックマトリクスは、カラーフィルタを囲んでいる。各カラーフィルタは、例えば、赤色用のカラーフィルタ、緑色用のカラーフィルタ、又は、青色用のカラーフィルタである。各色のカラーフィルタは、各画素に対応している。なお、画素形成層を覆うようにオーバーコート層が形成されている。さらに、オーバーコート層の表面には配向膜が形成されている。
第1液晶層113は、第1TFT基板111と第1対向基板112との間に封止されている。具体的には、第1液晶層113は、第1TFT基板111に形成された配向膜と第1対向基板112に形成された配向膜との間に封止されている。第1液晶層113の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。なお、第1液晶層113の厚さ(セルギャップ)は、例えば、2.5μm~6μmであるが、これに限るものではない。
一対の第1偏光板120は、第1液晶セル110の接合部材500側(第2液晶セル210側)の面に貼り付けられた接合側の第1偏光板121と、第1液晶セル110の接合部材500側とは反対側の面に貼り付けられた非接合側の第1偏光板122とによって構成されている。
具体的には、接合側の第1偏光板121は、第1液晶セル110の第1TFT基板111の表面に貼り付けられるとともに、接合部材500に接合される。一方、非接合側の第1偏光板122は、第1液晶セル110の第1対向基板112の表面に貼り付けられている。
一対の第1偏光板120(接合側の第1偏光板121、非接合側の第1偏光板122)は、偏光方向が互いに直交するように配置されている。つまり、一対の第1偏光板120は、クロスニコルで配置されている。
一対の第1偏光板120の各々は、例えば樹脂材料からなるシート状の偏光フィルムである。本実施の形態において、一対の第1偏光板120のうち接合部材500に接合される接合側の第1偏光板121は、偏光子121aと、偏光子121aの接合部材500側に配置される光拡散粘着層121bとを有する。偏光子121a及び光拡散粘着層121bの各々は、例えば、TAC(Triacetylcellulose:トリアセチルセルロース)フィルム等の透明樹脂フィルムによって支持されている。一方、一対の第1偏光板120のうち接合部材500に接合されない非接合側の第1偏光板122は、接合側の第1偏光板121と同様に、偏光子及びTAC等を有しているが、光拡散粘着層を有していない。
なお、一対の第1偏光板120の各々には、最外層として透明保護フィルムが含まれていてもよい。また、一対の第1偏光板120の一方には、位相差板(位相差フィルム)が含まれていてもよい。
第2表示パネル200は、第2液晶セル210と、第2液晶セル210を挟む一対の第2偏光板220とを有する。
第2液晶セル210は、第2TFT基板211と、第2TFT基板211に対向する第2対向基板212と、第2TFT基板211及び第2対向基板212の間に配置された第2液晶層213とを備える。本実施の形態において、第2液晶セル210は、第2TFT基板211が第2対向基板212よりも前方に位置するように配置されているが、第2対向基板212が第2TFT基板211よりも前方に位置するように配置されていてもよい。
第2TFT基板211は、第1TFT基板111と同様の構成であり、ガラス基板等の透明基板にTFT層(不図示)が形成された基板である。
第2対向基板212は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層が形成された基板である。第2対向基板212の画素形成層は、画素を構成するマトリクス状の複数の開口部が形成されたブラックマトリクスを有する。第2対向基板212の画素形成層を覆うようにオーバーコート層が形成されている。さらに、オーバーコート層の表面には配向膜が形成されている。また、本実施の形態において、第2表示パネル200はモノクロ画像を表示するので、第2対向基板212の画素形成層には、カラーフィルタが形成されていない。したがって、第2対向基板212の画素形成層のブラックマトリクスの開口部内にはオーバーコート層が充填されている。
第2液晶層213は、第2TFT基板211と第2対向基板212との間に封止されている。具体的には、第2液晶層213は、第2TFT基板211に形成された配向膜と第2対向基板212に形成された配向膜との間に封止されている。第2液晶層213の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。なお、第2液晶層213の厚さ(セルギャップ)は、例えば、第1液晶層113と同様に、2.5μm~6μmであるが、これに限るものではない。
第2液晶セル210を挟む一対の第2偏光板220は、第1偏光板120と同様の構成であり、第2液晶セル210の接合部材500側(第1液晶セル110側)の面に貼り付けられた接合側の第2偏光板221と、第2液晶セル210の接合部材500側とは反対側の面に貼り付けられた非接合側の第2偏光板222とによって構成されている。
具体的には、接合側の第2偏光板221は、第2液晶セル210の第2TFT基板211の表面に貼り付けられるとともに、接合部材500に接合される。一方、非接合側の第2偏光板222は、第2液晶セル210の第2対向基板212の表面に貼り付けられている。
一対の第2偏光板220(接合側の第2偏光板221、非接合側の第2偏光板222)は、偏光方向が互いに直交するように配置されている。つまり、一対の第2偏光板220は、クロスニコルで配置されている。
一対の第2偏光板220の各々は、例えば樹脂材料からなるシート状の偏光フィルムである。本実施の形態において、一対の第2偏光板220のうち接合部材500に接合される接合側の第2偏光板221は、偏光子221aと、偏光子221aの接合部材500側に配置される光拡散粘着層221bとを有する。偏光子221a及び光拡散粘着層221bの各々は、例えば、TACフィルム等の透明樹脂フィルムによって支持されている。一方、一対の第2偏光板220のうち接合部材500に接合されない非接合側の第2偏光板222は、接合側の第2偏光板221と同様に、偏光子及びTAC等を有しているが、光拡散粘着層を有していない。
なお、一対の第2偏光板220の各々には、最外層として透明保護フィルムが含まれていてもよい。また、一対の第2偏光板220の一方には、位相差板(位相差フィルム)が含まれていてもよい。
接合部材500は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する。具体的には、接合部材500は、第1表示パネル100の接合側の第1偏光板121と第2表示パネル200の接合側の第2偏光板221とを接合している。本実施の形態において、接合部材500は、接合側の第1偏光板121の光拡散粘着層121bに接しているとともに、接合側の第2偏光板221の光拡散粘着層221bに接している。
接合部材500は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを貼り合わせるための粘着層として機能する。具体的には、接合部材500は、光学透明粘着シート(OCA)からなるフィルム状の接合シート(貼合シート)である。
接合部材500は、例えば、紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂によって構成されている。光硬化性樹脂としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ポリエステル系、又は、エポキシ系等の化合物が挙げられる。本実施の形態において、接合部材500は、アクリル系の紫外線硬化性樹脂によって構成されている。なお、「光硬化性樹脂」とは、露光により硬化し得る樹脂組成物を意味する。また、「露光」とは、紫外線等の光を照射することを意味する。
接合部材500は、予め固化することにより得られたシート状の光硬化性樹脂組成物を第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に挿入して露光することで硬化させたものであってもよいし、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の一方の上に液状の光硬化性樹脂組成物を塗布した後、その上に第1表示パネル100及び第2表示パネル200の他方を積層して露光することで硬化させたものであってもよい。
光硬化性樹脂は、溶剤を除去するための加熱を行う必要がないので、光硬化性樹脂としては無溶剤型であるとよい。「無溶剤型」とは、溶剤を含まない又は溶剤の含有割合が硬化性樹脂の総重量(100重量%)のうち5重量%以下であることを意味する。また、「溶剤」とは、沸点が150℃以下の液体(揮発性希釈剤)を意味する。なお、溶剤を含まない光硬化性樹脂を用いることで乾燥工程を省くことができるので、光硬化性樹脂は、溶剤を含まない方がよい。
また、光硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂と比べて、低温で硬化するとともに硬化速度が速い。このため、光硬化性樹脂を用いることで、低温かつ短い時間で第1表示パネル100と第2表示パネル200とを貼り合わせることができる。
光硬化性樹脂等の硬化性樹脂は、典型的には、硬化性基を有する硬化性化合物と、重合開始剤(反応開始剤)とを含む。また、硬化性樹脂には、必要に応じて、重合開始剤以外の他の化合物が含まれてもよい。他の化合物としては、可塑剤又は安定剤、連鎖移動剤等の添加剤等が挙げられる。
接合部材500によって接合された第1表示パネル100及び第2表示パネル200(液晶モジュール2)は、バックライト300とともに、フレーム等の保持部材によって保持される。
次に、実施の形態1に係る液晶表示装置1の製造方法について、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3Aは、実施の形態1に係る液晶表示装置1の製造方法における接合工程を説明するための図であり、図3Bは、同製造方法におけるエージング工程を説明するための図である。
本実施の形態に係る液晶表示装置1の製造方法では、まず、図3Aに示すように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材500によって接合することで液晶モジュール2を作製する(接合工程)。
例えば、第2表示パネル200を準備して、第2表示パネル200の上に接合部材500を貼り合わせ、その後、接合部材500の上から第1表示パネル100を貼り合わせる。これにより、第1表示パネル100及び第2表示パネル200が接合部材500によって貼り合わされた液晶モジュール2を作製することができる。なお、先に第1表示パネル100に接合部材500を貼り合わせて、その後、接合部材500の上に第2表示パネル200を貼り合わせてもよい。
液晶モジュール2を作製した後は、図3Bに示すように、液晶モジュール2に可視光を照射してエージングを行う(エージング工程)。本実施の形態では、図3Bに示すように、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて可視光を照射している。具体的には、30℃~50℃の温度環境下(例えば45℃で一定の温度環境下)で、3日間~20日間程度(例えば14日間程度)、バックライト300の光を液晶モジュール2に連続照射する。
このように、液晶モジュール2に可視光を照射してエージングを行うことによって、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化を積極的に促進させることができる。これにより、接合部材500の全域の光硬化性樹脂の硬化反応率を高くすることができるとともに、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置1の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを抑制できるので、液晶表示装置1の表示画像の品質が低下することを抑制できる。
なお、エージング工程では、大気よりも酸素が少ない環境下で液晶モジュール2のエージングを行うとよい。酸素が少ない環境下としては、例えば、窒素雰囲気下又は減圧雰囲気下が挙げられる。
このように、大気よりも酸素が少ない環境下で液晶モジュール2のエージングを行うことで、エージング中に、接合部材500の端縁(側端面)から接合部材500の内部に酸素が侵入することを防止できる。この結果、エージング工程で接合部材500に残留する重合開始剤が追硬化する過程において、エージングする前から接合部材500内に存在していた酸素が追硬化で消費された後は、接合部材500内への新たな酸素の侵入がないので、新たな酸素による重合開始剤の重合阻害を抑制できる。これにより、接合部材500の端部領域に残留する重合開始剤を効率良く追硬化させることができるので、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を一層小さくすることができる。したがって、枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
ここで、エージング工程の具体例について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図である。なお、図4において、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されているが、実際は、図3Bに示すように、互いに貼り合わされている。また、図4では、第1表示パネル100が黒表示状態になっていることを示すために、便宜上、第1画像表示領域101にハッチングを施している。
図4に示すように、液晶モジュール2のエージングを行う際は、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて可視光を照射する。本実施の形態における液晶表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200のうち第2表示パネル200がバックライト300側に位置するように液晶モジュール2が配置されているので、液晶モジュール2の第2表示パネル200側からバックライト300の白色光が照射される。具体的には、バックライト300を全点灯させてバックライト300から出射する白色光を液晶モジュール2に照射している。このように、バックライト300を用いることで、別途照明装置等の他の光源を用いることなく液晶モジュール2のエージングを行うことができる。
また、本実施の形態において、第2表示パネル200は、第2液晶セル210と、第2液晶セル210の接合部材500側の面に設けられた第2偏光板220とを有しており、液晶モジュール2のエージング工程では、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域と中央領域とで透過率が同程度となるように第2表示パネル200を制御している。具体的には、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域と中央領域とで画素の諧調が同程度となるように第2液晶セル210を駆動している。例えば、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の全域における画素の諧調を同じにして、第2画像表示領域201の全域の透過率を同じにしている。本実施の形態では、第2表示パネル200の第2液晶セル210を駆動することで、第2画像表示領域201の全域の画素の諧調を高くして、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の全体に白画像を表示させている。つまり、第2表示パネル200は、白画像を表示している。
これにより、液晶モジュール2のエージングを行う際に、液晶モジュール2の第2表示パネル200側に配置されたバックライト300から出射する光は、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の全域を透過するので、接合部材500の第2表示パネル200側の面の全体にわたってバックライト300の光が照射する。したがって、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化の反応は、接合部材500の全体にわたって効率良く行われるため、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を一層小さくすることができる。この結果、液晶表示装置1の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
また、本実施の形態において、液晶モジュール2のエージングを行う際、第1表示パネル100を黒表示状態にしている。具体的には、第1表示パネル100は、黒画像を表示している。例えば、第1表示パネル100の第1液晶セル110を駆動することで、第1表示パネル100の第1画像表示領域101の全体に黒画像を表示させている。
上記のように第2表示パネル200に白画像を表示させることによってバックライト300の光は第2表示パネル200及び接合部材500を透過することになるが、第1表示パネル100に黒画像を表示させておくことで、バックライト300の光は、第1表示パネル100を透過しなくなる。これにより、第2表示パネル200を透過したバックライト300の光を、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の接合部材500に効率良く入光させることができる。したがって、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化の反応が一層効率良く行われるので、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差をさらに小さくすることができる。この結果、液晶表示装置1の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態1の変形例1に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図である。
なお、図5においても、図4と同様に、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されている。また、図5においても、第1表示パネル100が黒表示状態になっていることを示すために、便宜上、第1画像表示領域101にハッチングを施している。
図5に示すように、本変形例においても、液晶モジュール2のエージング工程では、バックライト300の光を液晶モジュール2に照射しているが、本変形例では、接合部材500の端部領域には、接合部材500の中央領域よりも強い強度でバックライト300の光が照射されている。
具体的には、上記実施の形態1では、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域と中央領域とで透過率が同程度となるように第2表示パネル200を制御して液晶モジュール2のエージングを行ったが、本変形例では、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2表示パネル200の第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くして液晶モジュール2のエージングを行っている。具体的には、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域の画素の諧調を第2表示パネル200の第2画像表示領域201の中央領域の画素の諧調よりも高くすることで、第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしている。
この場合、第2画像表示領域201の周縁領域の画素の諧調は、第2画像表示領域201の中央領域の画素の諧調に対して1.5倍以上高くなっているとよい。これにより、接合部材500の端部領域に照射される可視光の光強度を、接合部材500の中央領域に照射される可視光の光強度に対して1.5倍以上強くすることができる。
このように、第2表示パネル200において第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くすることで、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。
本変形例において、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域(中央領域よりも透過率が高くなっている領域)は、図5に示すように、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における矩形枠状の周辺部分の領域である外側領域A1である。また、第2画像表示領域201において、外側領域A1以外の領域は、外側領域A1よりも内側の領域である内側領域A2である。なお、第2画像表示領域201の中央領域は、第2画像表示領域201の中央とその周辺の領域である。具体的には、第2画像表示領域201の中央領域は、内側領域A2における中央とその周辺の領域である。
一例として、第2表示パネル200の長辺の長さをL1とし、第2表示パネル200の短辺の長さをL2とすると、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における矩形枠状の外側領域A1(つまり第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域)は、第2表示パネル200の短辺側では、当該短辺の端縁を基準に第2表示パネル200の長軸方向に沿ってL1×2%の位置と当該短辺の端縁を基準に長軸方向に沿ってL1×20%の位置との間の領域に位置し、かつ、第2表示パネル200の長辺側では、当該長辺の端縁を基準に第2表示パネル200の短軸方向に沿ってL2×3%の位置と当該長辺の端縁を基準に短軸方向に沿ってL2×30%の位置との間の領域に位置する。
この場合、本変形例では、図5に示すように、第2表示パネル200の外側領域A1の画素の諧調を第2表示パネル200の内側領域A2の画素の諧調よりも2倍程度高くしている。これにより、第2表示パネル200の外側領域A1の透過率を第2表示パネル200の内側領域A2の透過率よりも2倍程度高くすることができる。この結果、第2表示パネル200の外側領域A1に対面する接合部材500の端部領域に照射されるバックライト300の光は、第2表示パネル200の内側領域A2に対面する接合部材500の内側領域に照射されるバックライト300の光よりも2倍程度強くなる。
なお、液晶モジュール2のエージング工程においては、接合部材500の中央領域には、バックライト300の光が照射されていなくてもよい。具体的には、第2表示パネル200の内側領域A2に対面する接合部材500の領域には、バックライト300の光が照射されていなくてもよい。つまり、第2表示パネル200の外側領域A1に対面する接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光が照射されていてもよい。
この場合、例えば、第2表示パネル200の第2液晶セル210を駆動して、第2表示パネル200の外側領域A1に白を表示させ、かつ、第2表示パネル200の外側領域A1以外の領域(内側領域A2)に黒を表示させることで、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしてもよい。これにより、接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光を照射させることができる。
以上、本変形例における液晶表示装置の製造方法によれば、上記実施の形態1と同様に、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化を積極的に促進させることができるので、接合部材500の全域の硬化反応率を高くすることができるとともに、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを抑制することができる。
特に、本変形例では、液晶モジュール2のエージングを行う際に、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしている。
これにより、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。この結果、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
なお、本変形例において、液晶モジュール2のエージングを行う際は、第1表示パネル100に黒画像を表示させ、バックライト300を全灯にしている。
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態1の変形例2に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図である。
なお、図6においても、図4と同様に、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されている。また、図6においても、第1表示パネル100が黒表示状態になっていることを示すために、便宜上、第1画像表示領域101にハッチングを施している。
本変形例でも、上記変形例1と同様に、液晶モジュール2のエージングを行う際に、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて液晶モジュール2に可視光を照射している。この場合、本変形例でも、上記変形例1と同様に、接合部材500の端部領域には、接合部材500の中央領域よりも強い強度でバックライト300の光が照射されている。
ただし、上記変形例1では、第2表示パネル200を制御して第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くすることで、接合部材500の中央領域よりも強い強度で接合部材500の端部領域にバックライト300の光を照射させたが、本変形例では、バックライト300のLEDを部分駆動させてバックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くすることで、接合部材500の中央領域よりも強い強度で接合部材500の端部領域にバックライト300の光を照射させている。
この場合、バックライト300の周縁領域の発光強度は、バックライト300の中央領域の発光強度に対して1.5倍以上強いとよい。これにより、接合部材500の端部領域に照射される可視光の光強度を、接合部材500の中央領域に照射される可視光の光強度に対して1.5倍以上強くすることができる。
このように、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くすることで、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。
本変形例において、バックライト300の周縁領域(中央領域よりも発光強度が高くなっている領域)は、図6に示すように、バックライト300における矩形枠状の周辺部分の領域である外側領域B1である。また、バックライト300の全発光領域において、外側領域B1以外の領域は、外側領域B1よりも内側の領域である内側領域B2である。なお、バックライト300の中央領域は、バックライト300の中央とその周辺の領域である。具体的には、バックライト300の中央領域は、内側領域B2における中央とその周辺の領域である。
なお、本変形例でも、液晶モジュール2のエージング工程においては、接合部材500の中央領域には、バックライト300の光が照射されていなくてもよい。具体的には、第2表示パネル200の内側領域A2に対面する接合部材500の領域には、バックライト300の光が照射されていなくてもよい。つまり、第2表示パネル200の外側領域A1に対面する接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光が照射されていてもよい。
この場合、例えば、バックライト300を部分駆動して、バックライト300の外側領域B1のLED(例えば最外周のLEDのみ)を点灯させるとともに、バックライト300の内側領域B2のLEDを消灯させることで、接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光を照射することができる。
以上、本変形例における液晶表示装置の製造方法によれば、上記実施の形態1と同様に、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化を積極的に促進させることができるので、接合部材500の全域の硬化反応率を高くすることができるとともに、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを抑制することができる。
特に、本変形例では、液晶モジュール2のエージングを行う際に、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くしている。
これにより、上記変形例1と同様に、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。この結果、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
なお、本変形例において、液晶モジュール2のエージングを行う際は、第1表示パネル100に黒画像を表示させ、第2表示パネル200に白画像を表示させている。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図7A及び図7Bを用いて説明する。図7A及び図7Bは、実施の形態2に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図であり、図7Aは、同エージング工程における第1のエージング工程を、図7Bは、同エージング工程における第2のエージング工程を示している。
なお、図7A及び図7Bにおいても、図4と同様に、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されている。また、図7A及び図7Bにおいても、第1表示パネル100が黒表示状態になっていることを示すために、便宜上、第1画像表示領域101にハッチングを施している。
図7A及び図7Bに示すように、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様に、液晶モジュール2のエージングを行う際に、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて液晶モジュール2に可視光を照射している。
本実施の形態が上記実施の形態1と異なる点は、液晶モジュール2をエージングする工程である。具体的には、上記実施の形態1では、液晶モジュール2にエージングを行っている期間中は、第1表示パネル100、第2表示パネル200及びバックライト300を同じ状態にしたままであったが、本実施の形態では、液晶モジュール2にエージングを行っている期間中に、第2表示パネル200及びバックライト300のいずれかの状態を途中で変更している。つまり、液晶モジュール2のエージング工程を第1のエージング工程と第2のエージング工程との2段階に分けて行っている。具体的には、第2表示パネル200の表示態様をエージングの途中で変更している。
本実施の形態におけるエージング工程では、まず、図7Aに示すように、第1のエージング工程として、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域及び中央領域の透過率を同じにしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を行う。
一例として、第1のエージング工程では、バックライト300を全灯にするとともに、第1表示パネル100に黒画像を表示させ、かつ、第2表示パネル200に白画像を表示させた状態で、液晶モジュール2にバックライト300の光を照射する。この場合、例えば、30℃~50℃の温度環境下(例えば45℃で一定の温度環境下)で、2日間~10日間程度(例えば7日間程度)、バックライト300の光を液晶モジュール2に連続照射する。第1のエージング工程では、接合部材500の全面にバックライト300の光が照射する。つまり、第1のエージング工程は、接合部材500の全面に可視光が照射する全面照射工程である。
なお、第1のエージング工程では、大気よりも酸素が少ない環境下(窒素雰囲気下又は減圧雰囲気下等)で液晶モジュール2のエージングを行うとよい。
次に、図7Bに示すように、第1のエージング工程の後に、第2のエージング工程として、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を行う。なお、第2のエージング工程は、第1のエージング工程に連続して行っている。
一例として、第2のエージング工程では、バックライト300を全灯にするとともに、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の画素の諧調を第2画像表示領域201の中央領域の画素の諧調よりも高くすることで、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くして液晶モジュール2にバックライト300の光を照射する。この場合、例えば、30℃~50℃の温度環境下(例えば45℃で一定の温度環境下)で、2日間~10日間程度(例えば7日間程度)、バックライト300の光を液晶モジュール2に連続照射する。また、第2のエージング工程でも、大気よりも酸素が少ない環境下(窒素雰囲気下又は減圧雰囲気下等)で液晶モジュール2のエージングを行うとよい。
このように、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くすることで、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。
本実施の形態では、第2表示パネル200の第2画像表示領域201において、外側領域A1の画素の諧調を内側領域A2の画素の諧調よりも高くしている。この場合、外側領域A1の画素の諧調は内側領域A2の画素の諧調よりも1.5倍以上(例えば2倍程度)高くなっているとよい。
なお、本実施の形態でも、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における外側領域A1及び内側領域A2は、上記実施の形態1の変形例1と同様である。具体的には、図7Bに示すように、第2表示パネル200の長辺の長さをL1とし、第2表示パネル200の短辺の長さをL2とすると、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における矩形枠状の外側領域A1(つまり第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域)は、第2表示パネル200の短辺側では、当該短辺の端縁を基準に第2表示パネル200の長軸方向に沿ってL1×2%の位置と当該短辺の端縁を基準に長軸方向に沿ってL1×20%の位置との間の領域に位置し、かつ、第2表示パネル200の長辺側では、当該長辺の端縁を基準に第2表示パネル200の短軸方向に沿ってL2×3%の位置と当該長辺の端縁を基準に短軸方向に沿ってL2×30%の位置との間の領域に位置する。
また、第2のエージング工程においては、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の周縁領域に白を表示させ、かつ、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域以外の領域に黒を表示させることで、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしてもよい。つまり、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域以外の領域に対面する接合部材500の領域には、バックライト300の光が照射されていなくてもよい。例えば、第2表示パネル200の外側領域A1に白を表示させ、第2表示パネル200の内側領域A2に黒を表示させてもよい。これにより、第2表示パネル200の内側領域A2に対面する接合部材500の領域にはバックライト300の光が照射されずに、第2表示パネル200の外側領域A1に対面する接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光が照射される。この場合、第2のエージング工程は、接合部材500の端部領域のみに部分的に可視光が照射される部分照射工程である。
以上、本実施の形態における液晶表示装置の製造方法によれば、上記実施の形態1と同様に、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化を積極的に促進させることができるので、接合部材500の全域の硬化反応率を高くすることができるとともに、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを抑制することができる。
特に、本実施の形態における液晶表示装置の製造方法では、エージング工程を、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域及び中央領域の透過率を同じにしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる第1のエージング工程と、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の端部領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる第2のエージング工程との2段階に分けて行っている。
これにより、第2のエージング工程において、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。この結果、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
なお、本実施の形態では、第1のエージング工程の後に第2のエージング工程を行ったが、これに限らない。具体的には、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を先に行って、その後に、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域及び中央領域の透過率を同じにしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を行ってもよい。
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8A及び図8Bは、実施の形態2の変形例に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図である。図8Aは、同エージング工程の第1のエージング工程を示しており、図8Bは、同エージング工程の第2のエージング工程を示している。
なお、図8A及び図8Bにおいても、図4と同様に、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されている。また、図8A及び図8Bにおいても、第1表示パネル100が黒表示状態になっていることを示すために、便宜上、第1画像表示領域101にハッチングを施している。
本変形例でも、上記実施の形態2と同様に、液晶モジュール2のエージングを行う際に、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて液晶モジュール2に可視光を照射している。この場合、本変形例でも、上記実施の形態2と同様に、エージング工程を、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域及び中央領域の透過率を同じにしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる第1のエージング工程と、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の透過率を第2画像表示領域201中央領域の透過率よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる第2のエージング工程との2段階に分けて行っている。
ただし、上記実施の形態2では、第2表示パネル200の表示態様をエージングの途中で変更したが、本変形例では、バックライト300の発光態様をエージングの途中で変更している。
具体的には、まず、図8Aに示すように、上記実施の形態2と同様に、第1のエージング工程として、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域及び中央領域の透過率を同じにしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を行う。本変形例における第1のエージング工程は、上記実施の形態2における第1のエージング工程と同じである。
次に、図8Bに示すように、第2のエージング工程として、バックライト300のLEDを部分駆動させてバックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を行う。
一例として、第2のエージング工程では、第2表示パネル200に白画像を表示させ、第1表示パネル100に黒画像を表示させて、中央領域よりも周縁領域の方の発光強度を高くしたバックライト300の光を液晶モジュール2に照射する。この場合、例えば、30℃~50℃の温度環境下(例えば45℃で一定の温度環境下)で、2日間~10日間程度(例えば7日間程度)、バックライト300の光を液晶モジュール2に連続照射する。また、第2のエージング工程では、大気よりも酸素が少ない環境下(窒素雰囲気下又は減圧雰囲気下等)で液晶モジュール2のエージングを行うとよい。
このように、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くすることで、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。
本変形例では、図8Bに示すように、バックライト300の外側領域B1の発光強度を、バックライト300の内側領域B2の発光強度よりも高くしている。この場合、バックライト300の外側領域B1の発光強度は、バックライト300の内側領域B2の発光強度に対して1.5倍以上、好ましくは2倍以上強くなっているとよい。
なお、本変形例においても、バックライト300の外側領域B1及び内側領域B2は、上記実施の形態1の変形例2と同様である。具体的には、バックライト300の周縁領域(中央領域よりも発光強度が高くなっている領域)は、図8Bに示すように、バックライト300における矩形枠状の周辺部分の領域である外側領域B1である。また、バックライト300の全発光領域において、外側領域B1以外の領域は、外側領域B1よりも内側の領域である内側領域B2である。なお、バックライト300の中央領域は、バックライト300の中央とその周辺の領域である。具体的には、バックライト300の中央領域は、内側領域B2における中央とその周辺の領域である。
また、第2のエージング工程においては、バックライト300の周縁領域のみを点灯させ、かつ、バックライト300の周縁領域以外の領域を消灯させることで、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くしてもよい。つまり、接合部材500の中央領域には、バックライト300の光が照射されておらず、接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光が照射されていてもよい。この場合、第2のエージング工程は、接合部材500の端部領域のみに部分的に可視光が照射される部分照射工程である。
以上、本変形例における液晶表示装置の製造方法によれば、上記実施の形態1と同様に、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化を積極的に促進させることができるので、接合部材500の全域の硬化反応率を高くすることができるとともに、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを抑制することができる。
特に、本変形例では、エージング工程を、バックライト300を全灯にしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる第1のエージング工程と、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる第2のエージング工程との2段階に分けて行っている。
これにより、第2のエージング工程において、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。この結果、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
なお、本実施の形態では、第1のエージング工程の後に第2のエージング工程を行ったが、これに限らない。具体的には、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を先に行って、その後に、バックライト300を全灯にしてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射させる工程を行ってもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態3に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図である。なお、図9においても、図4と同様に、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されている。
図9に示すように、本実施の形態においても、上記実施の形態1、2と同様に、液晶モジュール2のエージングを行う際に、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて液晶モジュール2に可視光を照射している。
ただし、本実施の形態では、液晶モジュール2の第2表示パネル200側から可視光を照射するだけではなく、液晶モジュール2の第1表示パネル100側からも可視光を照射して液晶モジュール2のエージングを行っている。
具体的には、液晶モジュール2の第1表示パネル100側には、可視光を照射する照明装置301が配置されている。照明装置301としては、例えば、バックライト300と同じ構成のバックライトを用いることができるが、これに限らない。なお、本実施の形態において、バックライト300及び照明装置301は、全点灯させている。
一例として、30℃~50℃の温度環境下(例えば45℃で一定の温度環境下)で、3日間~20日間程度(例えば14日間程度)、バックライト300及び照明装置301の光を液晶モジュール2に連続照射する。この場合、大気よりも酸素が少ない環境下(窒素雰囲気下又は減圧雰囲気下等)で、バックライト300及び照明装置301の光を液晶モジュール2に照射するとよい。
また、本実施の形態において、液晶モジュール2のエージングを行う際は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200にはいずれも白画像を表示させている。
これにより、液晶モジュール2の第2表示パネル200側に配置されたバックライト300から出射する光は、第2表示パネル200の第2画像表示領域201の全域を透過するので、接合部材500の第2表示パネル200側の面の全体にわたってバックライト300の光が照射する。
また、液晶モジュール2の第1表示パネル100側に配置された照明装置301から出射する光は、第1表示パネル100の第1画像表示領域101の全域を透過するので、接合部材500の第1表示パネル100側の面の全体にわたって照明装置301の光が照射する。
このように、本実施の形態では、接合部材500の両面に可視光が照射される。つまり、接合部材500の両面から接合部材500に可視光が入光する。これにより、接合部材500に残留する重合開始剤の追硬化を一層促進させることができるとともに、追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を短時間で且つ効果的に小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、1回のエージング工程によって液晶モジュール2のエージングを行ったが、上記実施の形態2と同様に、エージング工程を2段階に分けて行ってもよい。
(実施の形態3の変形例)
次に、実施の形態3の変形例について、図10を用いて説明する。図10は、実施の形態3の変形例に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す図である。なお、図10においても、図4と同様に、第1表示パネル100、接合部材500及び第2表示パネル200は、説明上、便宜的に分離して図示されている。
図9に示すように、本変形例においても、液晶モジュール2のエージング工程では、バックライト300と照明装置301とによって液晶モジュール2に可視光を照射しているが、本変形例では、接合部材500の端部領域には、接合部材500の中央領域よりも強い強度でバックライト300の光が照射されている。
具体的には、上記実施の形態3では、第2表示パネル200に白画像を表示して第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域と中央領域とで透過率が同程度となるように第2表示パネル200を制御して液晶モジュール2のエージングを行ったが、本変形例では、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くして液晶モジュール2のエージングを行っている。具体的には、第2画像表示領域201の周縁領域の画素の諧調を第2画像表示領域201の中央領域の画素の諧調よりも高くすることで、第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしている。このように、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くすることで、接合部材500に照射される可視光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。
本変形例では、第2表示パネル200の外側領域A1の画素の諧調を、第2表示パネル200の内側領域A2の画素の諧調よりも高くしている。この場合、第2表示パネル200の外側領域A1の画素の諧調は、第2表示パネル200の内側領域A2の画素の諧調よりも1.5倍以上(例えば2倍程度)高くなっているとよい。なお、本実施の形態でも、第2表示パネル200の外側領域A1及び内側領域A2は、上記実施の形態1の変形例1と同様である。
この場合、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域に白を表示させ、かつ、第2画像表示領域201における周縁領域以外の領域に黒を表示させることで、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしてもよい。つまり、第2表示パネル200の第2画像表示領域201における周縁領域以外の領域に対面する接合部材500の領域には、バックライト300の光が照射されていなくてもよい。例えば、第2表示パネル200の外側領域A1に白を表示させ、第2表示パネル200の内側領域A2に黒を表示させてもよい。これにより、第2表示パネル200の内側領域A2に対面する接合部材500の領域にはバックライト300の光が照射されずに、第2表示パネル200の外側領域A1に対面する接合部材500の端部領域のみにバックライト300の光が照射される。
このように、本変形例では、液晶モジュール2のエージングを行う際に、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしている。
これにより、第2表示パネル200を透過して接合部材500に照射されるバックライト300の光の強度は、接合部材500の中央領域よりも接合部材500の端部領域の方が高くなる。この結果、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
なお、本変形例では、第1表示パネル100に白画像を表示させた状態で、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くして液晶モジュール2のエージングを行ったが、これに限らない。例えば、第2表示パネル200の方に白画像を表示させた状態にして、第1表示パネル100における第1画像表示領域101の周縁領域の透過率を第1画像表示領域101の中央領域の透過率よりも高くして液晶モジュール2のエージングを行ってもよい。つまり、液晶モジュール2のエージングを行う際は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の一方については白画像を表示させて、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の他方については画像表示領域における周縁領域の透過率を中央領域の透過率よりも高くすればよい。
また、本変形例では、第1表示パネル100又は第2表示パネル200についての画像表示領域の周縁領域の透過率を中央領域の透過率よりも高くすることで接合部材500の中央領域よりも強い強度で接合部材500の端部領域にバックライト300の光を照射させたが、上記実施の形態1の変形例1と同様に、バックライト300又は照明装置301のLEDを部分駆動させてバックライト300又は照明装置301の周縁領域の発光強度をバックライト300又は照明装置301の中央領域の発光強度よりも高くすることで、接合部材500の中央領域よりも強い強度で接合部材500の端部領域にバックライト300又は照明装置301の光を照射させてもよい。
また、本変形例においても、1回のエージング工程によって液晶モジュール2のエージングを行ったが、上記実施の形態2と同様に、エージング工程を2段階に分けて行ってもよい。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について、図11を用いて説明する。図11は、実施の形態4に係る液晶表示装置の製造方法におけるエージング工程の具体例を模式的に示す断面図である。
図11に示すように、本実施の形態では、液晶モジュール2のエージングを行う際、接合部材500の端面(側面)に向けて可視光を照射している。具体的には、白色光等の可視光を照射する照明装置302を用いて、接合部材500の端面に向けて可視光を照射している。
この場合、第1表示パネル100及び第2表示パネル200のいずれにも黒画像を表示させて液晶モジュール2のエージングを行ってもよい。つまり、照明装置302からの光のみで接合部材500の端面に可視光を照射してもよい。
これにより、接合部材500全体において重合開始剤の追硬化を促進させる際に、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを効果的に抑制することができる。
なお、接合部材500の端面に向けて可視光を照射する照明装置302は、接合部材500の全周にわたって配置されているとよい。つまり、接合部材500の端面の全周にわたって可視光が照射されるとよい。
また、本実施の形態では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200にはいずれも黒画像を表示させたが、これに限らない。例えば、第1表示パネル100に黒画像を表示させ、かつ、第2表示パネル200に白画像を表示させた状態で、液晶表示装置1が有するバックライト300を用いて液晶モジュール2の第2表示パネル200側から可視光を照射してもよい。この場合、接合部材500の第2表示パネル200側の面にバックライト300の光が照射されるとともに、接合部材500の端面に照明装置302の光が照射される。
これにより、酸素による重合開始剤の重合阻害が発生しやすい接合部材500の端部領域において、重合開始剤の追硬化の反応を効率良く行わせることができる。したがって、接合部材500の端部領域と中央領域とにおける光硬化性樹脂の硬化反応率の差を適切に小さくすることができるので、液晶表示装置の表示画面に枠状の輝度ムラが発生することを一層抑制することができる。
(その他の変形例)
以上、本開示に係る液晶表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂があるが、上記実施の形態における接合部材500は、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂のうち光硬化性樹脂のみによって構成されていたが、これに限らない。具体的には、接合部材500は、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂の両方によって構成されていてもよい。
また、上記実施の形態1~4において、接合部材500は、1つの層によって構成されていたが、複数の層によって構成されていてもよい。例えば、接合部材500は、厚み方向に積層された複数の粘着層によって構成されていてもよい。
また、上記実施の形態1~4において、第1表示パネル100がカラー画像を表示し、第2表示パネル200がモノクロ画像を表示する構成としたが、これに限らない。例えば、第1表示パネル100がモノクロ画像を表示し、第2表示パネル200がカラー画像を表示する構成であってもよい。
また、上記実施の形態1~4では、2つの表示パネルを用いたが、これに限らない。例えば、3つ以上の表示パネルを用いてもよい。この場合、隣り合う2つの表示パネルの間ごとに接合部材が挿入されていればよい。
また、上記実施の形態1~4では、接合部材500は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合したが、これに限らない。具体的には、図12に示すように、接合部材500は、第1表示パネル100と透明基板600とを接合してもよい。透明基板600は、例えば、ガラス基板又は透明樹脂基板等からなる保護基板である。この場合、接合部材500で貼り合わされた第1表示パネル100及び透明基板600と、バックライト300とを備える液晶表示装置は、デジタルサイネージ又はタッチパネル等のディスプレイデバイスとして用いることができる。
また、本開示の技術は、液晶表示装置の製造方法だけではなく、液晶表示装置そのものにも適用することができる。
この場合、本開示の液晶表示装置は、例えば、接合部材500によって接合された第1表示パネル100及び第2表示パネル200を有する液晶モジュール2と、液晶モジュール2の第2表示パネル200側に配置されたバックライト300とを備えており、第1表示パネル100に黒画像を表示させてバックライト300の光を液晶モジュール2に照射するエージング処理を行う機能を有する。つまり、液晶表示装置が出荷された後(例えば液晶表示装置が組み込まれたディスプレイが設置された状態)において、液晶表示装置自身が自らエージング処理を行う。この場合、ユーザ側に位置する第1表示パネル100が黒表示になっているので、エージング処理によってバックライト300の光が発光していても、ユーザにはバックライト300の光が届かない。つまり、ユーザに気付かせることなくエージング処理を行うことができる。このエージング処理は、例えば、液晶表示装置を有するディスプレイの画面に画像が表示されていないとき(例えば消灯時)に行うことができる。また、エージング処理は、例えば、液晶表示装置又はディスプレイが内蔵する回路によって行うことができる。つまり、液晶表示装置又はディスプレイは、所定の時期にエージング処理を自動で行う回路を有していてもよい。また、このエージング処理については、上記実施の形態1~4を適用することができる。例えば、エージング処理を行う際は、バックライト300の周縁領域の発光強度をバックライト300の中央領域の発光強度よりも高くしたり、第2表示パネル200における第2画像表示領域201の周縁領域の透過率を第2画像表示領域201の中央領域の透過率よりも高くしたりするとよい。なお、エージング処理を行う際のエージング時間は、ディスプレイの使用時間(画像を表示するときのバックライトの点灯時間)及び温度履歴等に基づいて決定してもよい。
その他、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。