以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る液晶表示装置1について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の概略構成を示す図である。
液晶表示装置1は、液晶セルを含む表示パネルを複数重ね合わせて構成された画像表示装置の一例であって、静止画像又は動画像の画像(映像)を表示する。
図1に示すように、本実施の形態における液晶表示装置1は、複数の表示パネルとして、観察者に近い位置(前側)に配置された第1表示パネル100と、第1表示パネル100より観察者から遠い位置(後側)に配置された第2表示パネル200とを備える。
さらに、液晶表示装置1は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の後側に配置されたバックライト300を備える。具体的に、バックライト300は、第2表示パネル200の後側に配置されている。
第1表示パネル100は、メインパネルであって、ユーザが視認する画像を表示する。本実施の形態において、第1表示パネル100は、カラー画像を表示する。第1表示パネル100には、入力映像信号に応じたカラー画像を第1画像表示領域101(アクティブ領域)に表示するために、第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103が設けられている。
具体的には、第1表示パネル100の液晶セルには、第1ソースドライバ102が実装された第1ソースFPC104と、第1ゲートドライバ103が実装された第1ゲートFPC105とが接続されている。第1ソースFPC104及び第1ゲートFPC105は、例えば、異方性導電性フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)を用いた熱圧着によって、第1表示パネル100における液晶セルの各種信号線の電極端子と接続されている。
また、第1ソースFPC104の第1表示パネル100側とは反対側の部分には、第1回路基板106が接続されている。第1回路基板106は、略矩形板状のプリント基板(PCB;Printed Circuit Board)であり、第1回路基板106には、複数の電子部品が実装されている。第1回路基板106は、第1タイミングコントローラ410から出力された各種信号を第1ソースFPC104に実装された第1ソースドライバ102に伝達する機能を有する。
第1表示パネル100の第1画像表示領域101にカラー画像を表示する場合、第1タイミングコントローラ410から出力される各種信号が第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103に入力される。
第2表示パネル200は、第1表示パネル100の背面側に配置されるサブパネルである。本実施の形態において、第2表示パネル200は、第1表示パネル100に表示されるカラー画像に対応した画像のモノクロ画像(白黒画像)を、そのカラー画像に同期させて表示する。第2表示パネル200には、入力映像信号に応じたモノクロ画像を第2画像表示領域201に表示するために、第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203が設けられている。
具体的には、第2表示パネル200の液晶セルには、第2ソースドライバ202が実装された第2ソースFPC204と、第2ゲートドライバ203が実装された第2ゲートFPC205とが接続されている。第2ソースFPC204及び第2ゲートFPC205は、例えば、異方性導電性フィルムを用いた熱圧着によって、第2表示パネル200における液晶セルの各種信号線の電極端子と接続されている。
また、第2ソースFPC204の第2表示パネル200側とは反対側の部分には、第2回路基板206が接続されている。第2回路基板206は、略矩形板状のプリント基板(PCB)であり、第2回路基板206には、複数の電子部品が実装されている。第2回路基板206は、第2タイミングコントローラ420から出力された各種信号を第2ソースFPC204に実装された第2ソースドライバ202に伝達する機能を有する。
第2表示パネル200の第2画像表示領域201にモノクロ画像を表示する場合、第2タイミングコントローラ420から出力される各種信号が第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203に入力される。
第1画像表示領域101及び第2画像表示領域201は、マトリクス状に配列された複数の画素を有する。第1画像表示領域101の画素数と第2画像表示領域201の画素数とは同じであってもよいし異なっていてもよいが、メインパネルである第1表示パネル100における第1画像表示領域101の画素数を、サブパネルである第2表示パネル200における第2画像表示領域201画素数よりも多くするとよい。
また、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の駆動方式は、例えばIPS(In Plane Switching)方式又はFFS(Fringe Field Switching)方式等の横電界方式であるが、これに限るものではなく、VA(Vertical Alignment)方式又はTN(Twisted Nematic)方式等であってもよい。
バックライト300は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の背面側に配置された光源ユニットであり、第1表示パネル100及び第2表示パネル200に向けて光を照射する。本実施の形態において、バックライト300は、平面状の均一な拡散光(散乱光)をむらなく照射する面光源ユニットである。
バックライト300は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を光源とするLEDバックライトであるが、これに限るものではない。また、本実施の形態において、バックライト300は、直下型であり、複数のLEDが二次元的に配置されている。例えば、複数のLEDが、画素の水平列(行方向)及び垂直列(列方向)に沿ってマトリクス状に配列されている。また、バックライト300は、光源からの光を拡散させるために拡散板(拡散シート)及び光の配光を制御するプリズムシート等の光学部材を有していてもよい。なお、バックライト300は、直下型に限るものではなく、エッジ型であってもよい。
液晶表示装置1は、さらに、第1表示パネル100の第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103を制御する第1タイミングコントローラ410と、第2表示パネル200の第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203を制御する第2タイミングコントローラ420と、第1タイミングコントローラ410及び第2タイミングコントローラ420に画像データを出力する画像処理部430とを備える。
画像処理部430は、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラ410に第1画像データDAT1を出力し、第2タイミングコントローラ420に第2画像データDAT2を出力する。また画像処理部430は、第1タイミングコントローラ410及び第2タイミングコントローラ420に同期信号等の制御信号(図1では省略)を出力する。第1画像データDAT1は、カラー表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は、モノクロ表示用の画像データである。
このように、本実施の形態に係る液晶表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の2つの表示パネルを重ね合わせて画像を表示しているので、黒を引き締めることができる。これにより、高コントラスト比の画像を表示することができる。
また、液晶表示装置1は、例えばHDR(High Dynamic Range)対応テレビであり、バックライト300として、ローカルディミング制御を行うことができるバックライトを用いることにより、さらに高コントラスト比かつ高画質のカラー画像を表示することができる。
第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、互いに貼り合わされており、バックライト300とともに、金属製又は樹脂製の保持部材(フレーム又はシャーシ)に保持される。
次に、第1表示パネル100と第2表示パネル200との貼り合わせ構造について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の構成を示す断面図である。
図2に示すように、液晶表示装置1は、第1表示パネル100と、第2表示パネル200と、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を接合する接合部材250とを備える。
第1表示パネル100は、第1液晶セル110と、第1液晶セル110を挟む一対の第1偏光板120とを有する。
第1液晶セル110は、第1TFT(Thin Film Transistor)基板111と、第1TFT基板111に対向する第1対向基板112と、第1TFT基板111及び第1対向基板112の間に配置された第1液晶層113とを備える。本実施の形態において、第1液晶セル110は、第1対向基板112が第1TFT基板111よりも前方に位置するように配置されている。
第1TFT基板111は、ガラス基板等の透明基板にTFT層(不図示)が形成された基板である。TFT層には、マトリクス状に配列された画素の各々に対応して設けられたTFT及びTFTを駆動する配線等が形成されている。TFT層の平坦化層上には、第1液晶層113に電圧を印加するための画素電極が形成されている。
第1対向基板112は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層としてカラーフィルタ層が形成されたCF基板である。第1対向基板112の画素形成層は、ブラックマトリクス(黒色部)及びカラーフィルタ(着色部)を有する。ブラックマトリクスは、例えば格子状又はストライプ状に形成されており、ブラックマトリクスには、画素を構成するマトリクス状の複数の開口部が形成されている。ブラックマトリクスの各開口部内にはカラーフィルタが形成されている。つまり、ブラックマトリクスは、カラーフィルタを囲んでいる。各カラーフィルタは、例えば、赤色用のカラーフィルタ、緑色用のカラーフィルタ、又は、青色用のカラーフィルタである。各色のカラーフィルタは、各画素に対応している。なお、画素形成層を覆うようにオーバーコート層が形成されている。さらに、オーバーコート層の表面には配向膜が形成されている。
第1液晶層113は、第1TFT基板111と第1対向基板112との間に封止されている。第1液晶層113は、例えば、第1TFT基板111及び第1対向基板112の外周端部に沿って封止部材を額縁状に形成することで封止される。第1液晶層113の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。
第1液晶セル110を挟む一対の第1偏光板120は、第1液晶セル110の接合部材250側(第2液晶セル210側)の面に貼り付けられた接合側の第1偏光板121と、第1液晶セル110の接合部材250側とは反対側の面に貼り付けられた非接合側の第1偏光板122とによって構成されている。
具体的には、接合側の第1偏光板121は、第1液晶セル110の第1TFT基板111の表面に貼り付けられるとともに、接合部材250に接合される。一方、非接合側の第1偏光板122は、第1液晶セル110の第1対向基板112の表面に貼り付けられている。
一対の第1偏光板120(接合側の第1偏光板121、非接合側の第1偏光板122)は、偏光方向が互いに直交するように配置されている。つまり、一対の第1偏光板120は、クロスニコルで配置されている。
一対の第1偏光板120の各々は、例えば樹脂材料からなるシート状の偏光フィルムである。本実施の形態において、一対の第1偏光板120のうち接合部材250に接合される接合側の第1偏光板121は、偏光子121aと、偏光子121aの接合部材250側に配置される光拡散粘着層121bとを有する。偏光子121a及び光拡散粘着層121bの各々は、例えば、TAC(Triacetylcellulose:トリアセチルセルロース)フィルム等の透明樹脂フィルムによって支持されている。一方、一対の第1偏光板120のうち接合部材250に接合されない非接合側の第1偏光板122は、接合側の第1偏光板121と同様に、偏光子及びTAC等を有しているが、光拡散粘着層を有していない。
なお、一対の第1偏光板120の各々には、最外層として透明保護フィルムが含まれていてもよい。また、一対の第1偏光板120の一方には、位相差板(位相差フィルム)が含まれていてもよい。
第2表示パネル200は、第2液晶セル210と、第2液晶セル210を挟む一対の第2偏光板220とを有する。
第2液晶セル210は、第2TFT基板211と、第2TFT基板211に対向する第2対向基板212と、第2TFT基板211及び第2対向基板212の間に配置された第2液晶層213とを備える。本実施の形態において、第2液晶セル210は、第2TFT基板211が第2対向基板212よりも前方に位置するように配置されているが、第2対向基板212が第2TFT基板211よりも前方に位置するように配置されていてもよい。
第2TFT基板211は、第1TFT基板111と同様の構成であり、ガラス基板等の透明基板にTFT層(不図示)が形成された基板である。
第2対向基板212は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層が形成された基板である。第2対向基板212の画素形成層は、画素を構成するマトリクス状の複数の開口部が形成されたブラックマトリクスを有する。第2対向基板212の画素形成層を覆うようにオーバーコート層が形成されている。さらに、オーバーコート層の表面には配向膜が形成されている。また、本実施の形態において、第2表示パネル200はモノクロ画像を表示するので、第2対向基板212の画素形成層には、カラーフィルタが形成されていない。したがって、第2対向基板212の画素形成層のブラックマトリクスの開口部内にはオーバーコート層が充填されている。
第2液晶層213は、第2TFT基板211と第2対向基板212との間に封止されている。第2液晶層213は、例えば、第2TFT基板211及び第2対向基板212の外周端部に沿って封止部材を額縁状に形成することで封止される。第2液晶層213の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。
第2液晶セル210を挟む一対の第2偏光板220は、第1偏光板120と同様の構成であり、第2液晶セル210の接合部材250側(第1液晶セル110側)の面に貼り付けられた接合側の第2偏光板221と、第2液晶セル210の接合部材250側とは反対側の面に貼り付けられた非接合側の第2偏光板222とによって構成されている。
具体的には、接合側の第2偏光板221は、第2液晶セル210の第2対向基板212の表面に貼り付けられるとともに、接合部材250に接合される。一方、非接合側の第2偏光板222は、第2液晶セル210の第2TFT基板211の表面に貼り付けられている。
一対の第2偏光板220(接合側の第2偏光板221、非接合側の第2偏光板222)は、偏光方向が互いに直交するように配置されている。つまり、一対の第2偏光板220は、クロスニコルで配置されている。
一対の第2偏光板220の各々は、例えば樹脂材料からなるシート状の偏光フィルムである。本実施の形態において、一対の第2偏光板220のうち接合部材250に接合される接合側の第2偏光板221は、偏光子221aと、偏光子221aの接合部材250側に配置される光拡散粘着層221bとを有する。偏光子221a及び光拡散粘着層221bの各々は、例えば、TACフィルム等の透明樹脂フィルムによって支持されている。一方、一対の第2偏光板220のうち接合部材250に接合されない非接合側の第2偏光板222は、接合側の第2偏光板221と同様に、偏光子及びTAC等を有しているが、光拡散粘着層を有していない。
なお、一対の第2偏光板220の各々には、最外層として透明保護フィルムが含まれていてもよい。また、一対の第2偏光板220の一方には、位相差板(位相差フィルム)が含まれていてもよい。
接合部材250は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する。具体的には、接合部材250は、第1表示パネル100の接合側の第1偏光板121と第2表示パネル200の接合側の第2偏光板221とを接合している。本実施の形態において、接合部材250は、接合側の第1偏光板121の光拡散粘着層121bに接しているとともに、接合側の第2偏光板221の光拡散粘着層221bに接している。
接合部材250は、第1偏光板120に接合される第1接合層251と、第2偏光板220に接合される第2接合層252と、第1接合層251及び第2接合層252の間に位置する第3接合層253とを有する。具体的には、接合部材250の最外層である第1接合層251は、一対の第1偏光板120のうちの接合側の第1偏光板121に接合される。また、接合部材250の最外層である第2接合層252は、一対の第2偏光板220のうちの接合側の第2偏光板221に接合される。
本実施の形態において、接合部材250は、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の3層構造である。したがって、第3接合層253は、最外層である第1接合層251及び第2接合層252に挟まれた中間層である。
第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の各々は、フィルム状の光学透明粘着シート(OCA)からなる接合シートであり、例えばアクリル系等の樹脂材料によって構成されている。つまり、接合部材250は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを貼り合わせるための粘着層である。
このように構成された接合部材250では、第1接合層251及び第2接合層252の硬さが、第3接合層253の硬さよりも硬くなっている。言い換えると、中間層の第3接合層253は、最外層の第1接合層251及び第2接合層252よりも柔らかい。この場合、例えば、硬い方の第1接合層251及び第2接合層252の平均分子量は、20万以上100万以下であり、柔らかい方の第3接合層253の平均分子量は、15万以上60万以下である。
また、接合部材250の各接合層(第1接合層251、第2接合層252、第3接合層253)の硬さ(硬度)は、各接合層の貯蔵弾性率に関連している。具体的には、貯蔵弾性率が低いと硬さが低くなり、貯蔵弾性率が高いと硬さが高くなる。本実施の形態において、硬い方の第1接合層251及び第2接合層252の23℃における貯蔵弾性率は、一例として、0.1MPa~0.5MPaであり、柔らかい方の第3接合層253の23℃における貯蔵弾性率は、一例として、0.06MPa~0.1MPaである。なお、接合部材250の各接合層の貯蔵弾性率は、例えば、粘弾性測定器を用いてねじりせん断法により測定することができる。
また、本実施の形態において、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の各々の膜厚は、いずれも同じである。一例として、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の各々の膜厚は、等しく、接合部材250のトータルの膜厚(総厚)は、300μm以上である。
次に、本実施の形態に係る液晶表示装置1の効果等について、本開示の技術を得るに至った経緯も含めて説明する。
液晶セルと液晶セルを挟む一対の偏光板とを有する表示パネルをOCAによって2枚貼り合わせる場合、2枚の表示パネルの偏光板同士がOCAによって貼り合わされることになる。
例えば、図3に示すように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250Xによって貼り合わせる場合、まず、図3(a)に示すように、第2表示パネル200を準備し、次に、図3(b)に示すように、第2表示パネル200の上に、例えば1枚のOCAからなる接合部材250Xを貼り合わせ、その後、図3(c)に示すように、接合部材250Xの上から第1表示パネル100を貼り合わせる。
ここで、第1表示パネル100の第1偏光板120及び第2表示パネル200の第2偏光板220の表面には微小凹凸が存在する。このような微小凹凸は、偏光板の製造過程で生じたり、アンチグレア処理等の表面処理等によって生じたりする。
このとき、接合部材250Xの厚さが薄い場合、接合部材250Xには柔軟性がなく、接合部材250Xは比較的硬いものとなる。
このため、図3(d)に示すように、接合部材250Xを介して第1表示パネル100と第2表示パネル200とを押し付けて第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250Xによって貼り合わせる際、硬い接合部材250Xでは第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸を吸収することができない。
この結果、第1偏光板120の微小凹凸が第1液晶セル110の第1TFT基板111(ガラス基板)を歪ませることになる。また、第2偏光板220の微小凹凸が第2液晶セル210の第2対向基板212(ガラス基板)を歪ませることになる。これにより、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが生じて、表示画像の品質が低下する。
そこで、厚さが厚い接合部材を用いることが考えられるが、接合部材として市販されているOCAは、一般的には最大厚さに限界があり、厚さの観点では、OCAの選択肢が少ない。
一方、接合部材250Yとして柔らかいOCAを用いると、図4の(a)及び(b)に示すように、第2表示パネル200の上に接合部材250Yを貼り合わせる際に、接合部材250Yの貼り合わせ開始地点である第2表示パネル200の端部から、第2偏光板220と接合部材250Yとの界面に気泡500Yが入り込みやすくなる。なお、図4では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の端部を示している。
次に、図4(c)に示すように、接合部材250Yの上から第1表示パネル100を貼り合わせる。図示しないが、このときにも、第1表示パネル100の端部から、第1偏光板120と接合部材250Yとの界面に気泡が入り込む場合がある。
このように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する接合部材250Yとして柔らかいOCAを用いると、第1表示パネル100又は第2表示パネル200と接合部材250Yとの界面に気泡500Yが侵入し、気泡噛みが発生しやすくなる。なお、気泡500Yの大きさは、例えば、φ1mm~φ2mm程度である。
その後、図4(d)に示すように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを押し付けて第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250Yによって貼り合わせることになるが、このとき、画像表示領域(アクティブ領域)に気泡500Yが存在していると、表示画像の品質が低下する。
また、気泡500Yが画像表示領域外に存在していたとしても、図4(d)に示すように、熱が加わることで気泡500Yが内側に進行して画像表示領域に侵入してくる。もちろん、気泡500Yが画像表示領域内に存在していた場合には、熱が加わることで、気泡500Yが画像表示領域の中央部側にさらに進行し、気泡500Yが目立つことになる。これにより、表示画像の品質がさらに低下する。
本開示の技術は、このような知見に基づいてなされたものであり、本願発明者らが鋭意検討した結果、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する接合部材250を材料物性の異なる接合層の積層構造とし、各層の硬さを調整することで、液晶セルの厚さムラ及び気泡噛みによる表示画像の品質の低下を抑制できることを見出した。
具体的には、本実施の形態における液晶表示装置1では、図2に示すように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する接合部材250を、第1表示パネル100の第1偏光板120に接合される第1接合層251と、第2表示パネル200の第2偏光板220に接合される第2接合層252と、第1接合層251及び第2接合層252の間に位置する第3接合層253との積層構造とし、さらに、第1接合層251及び第2接合層252の硬さを第3接合層253の硬さよりも硬くしている。
これにより、第1表示パネル100の第1偏光板120及び第2表示パネル200の第2偏光板220の表面に微小凹凸が存在していたとしても、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが生じることを抑制できる。さらに、第1表示パネル100又は第2表示パネル200と接合部材250との間に気泡が侵入することも抑制できる。
この点について、図5を用いて詳細に説明する。図5は、実施の形態1に係る液晶表示装置1において、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250によって貼り合わせるときの様子を説明するための図である。なお、図5では、液晶表示装置1における第1表示パネル100及び第2表示パネル200の接合部分の拡大断面図を示している。
第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250によって貼り合わせる場合、まず、図5(a)に示すように、第2表示パネル200を準備する。
次に、図5(b)に示すように、第2表示パネル200の上に、接合部材250を貼り合わせる。このとき、第2表示パネル200の上に、第2接合層252、第3接合層253及び第1接合層251をこの順で1枚ずつ貼り合わせる。具体的には、まず、第2表示パネル200の第2偏光板220(接合側の第2偏光板221)の上に、第2接合層252を貼り合わせ、その後、第2接合層252の上に第3接合層253を貼り合わせ、その後、第3接合層253の上に第1接合層251を貼り合わせる。
次に、図5(c)に示すように、接合部材250の上に第1表示パネル100を貼り合わせる。その後、図5(d)に示すように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを押し付けて第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250によって接合する。
このとき、接合部材250のうち第1表示パネル100の第1偏光板120に接合される第1接合層251と第2表示パネル200の第2偏光板220に接合される第2接合層252とは硬い素材で構成されている。これにより、第1表示パネル100又は第2表示パネル200と接合部材250との界面に気泡が侵入することを抑制することができる。
また、接合部材250の一部に柔らかい第3接合層253を用いているので、第1接合層251及び第2接合層252が硬い素材で構成されていても、接合部材250を介して第1表示パネル100と第2表示パネル200とが押し付けられたときに、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸を第3接合層253によって吸収することができる。つまり、柔らかく柔軟性のある第3接合層253が変形することで、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の押し付けによる第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸からの応力を吸収することができる。
これにより、第1偏光板120の微小凹凸によって第1液晶セル110の第1TFT基板111が歪んだり、第2偏光板220の微小凹凸が第2液晶セル210の第2対向基板212が歪んだりすることを抑制できるので、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが生じることを抑制できる。
また、柔らかい第3接合層253を第2接合層252の上に貼り合わせる際に、第2接合層252と第3接合層253との間に気泡が侵入するおそれがあるが、次に、第3接合層253の上に硬い第1接合層251を貼り合わせることになるので、第2接合層252と第3接合層253との間に侵入した気泡を脱泡させることができる。
なお、本実施の形態では、第2表示パネル200に接合部材250を貼り合わせる際、第2表示パネル200の上に、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253を1枚ずつ順に貼り合わせたが、これに限らない。例えば、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253を先にまとめて貼り合わせて予め一体となった1つの接合部材250を作製しておいて、この接合部材250を第2表示パネル200に貼り合わせてもよい。この場合も、接合部材250内に硬い第1接合層251及び第2接合層252が存在するので、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250で貼り合わせる際に、第1表示パネル100又は第2表示パネル200と接合部材250との間に気泡が侵入することを抑制できる。また、接合部材250内に柔らかい第3接合層253が存在するので、接合部材250を介して第1表示パネル100と第2表示パネル200とが押し付けられたときに、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸を第3接合層253によって吸収することができる。
このように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する接合部材250を、柔らかい素材の第3接合層253を硬い素材の第1接合層251及び第2接合層252で挟み込む構成にすることで、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが生じたり第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の2つの部材同士の界面に気泡が入り込んだりすることを抑制できる。したがって、表示画像の品質が低下することを抑制できる。
なお、接合部材250の膜厚は、例えば300μm以上であるとよい。これにより、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸を接合部材250で効果的に吸収することができるので、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚みムラを効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る液晶表示装置1によれば、表示画像の品質の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態では、接合部材250における3つの接合層(第1接合層251、第2接合層252、第3接合層253)の各々の厚さは同じにしたが、各接合層の厚さは異なっていてもよい。
この場合、柔軟性を有する第3接合層253の厚さは、第1接合層251の厚さ及び第2接合層252の厚さよりも厚い方がよい。例えば、図6に示される実施の形態1の変形例1に係る液晶表示装置1Aのように、接合部材250Aにおいて、第1接合層251の厚さをd1とし、第2接合層252の厚さをd2とし、第3接合層253の厚さをd3とすると、d3>d1、d3>d2にするとよい。
この場合、本変形例(図6)の接合部材250Aのトータル膜厚は、上記実施の形態に1おける接合部材250のトータル膜厚と同じであるが、本変形例の接合部材250Aは、上記実施の形態における接合部材250よりも、中間層である第3接合層253の厚さが厚くなっている。また、本変形例では、接合部材250Aのトータル膜厚を維持したたま、第3接合層253の膜厚を大きくしている。
このように、柔らかい第3接合層253の厚さを厚くすることで、上記実施の形態1における液晶表示装置1と比べて、第1偏光板120及び第2偏光板220の表面の微小凹凸がより吸収しやすくなる。これにより、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さのムラを一層抑制できる。しかも、接合部材250Aのトータル膜厚を厚くすることなく、第3接合層253の厚さを厚くすることで、接合部材250Aの厚さを無駄に大きくすることなく、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さのムラを抑制することができる。これにより、薄型で高画質の液晶表示装置1Aを実現できる。
また、本実施の形態において、接合部材250は、3つの接合層(第1接合層251、第2接合層252、第3接合層253)の積層構造であり、また、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の長さ(幅)が同一である。
この場合、接合部材250の端部において、第1接合層251の端部、第2接合層252の端部及び第3接合層253の端部がずれていてもよい。このとき、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253を順次貼り合わせていく際に、第1接合層251の端部、第2接合層252の端部及び第3接合層253の端部を意図的にずらしてもよいし、意図せずに発生する貼り合わせずれによって、第1接合層251の端部、第2接合層252の端部及び第3接合層253の端部がずれていてもよい。
ただし、第1接合層251の端部、第2接合層252の端部及び第3接合層253の端部がずれすぎて、図7に示すように、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の端部のいずれかが他の端部からはみ出して、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の端部の一部が他の端部を覆ってしまうと、接合部材250の端部で気泡を巻き込んでしまうおそれがある。
そこで、図8に示される液晶表示装置1Bのように、接合部材250Bの端部において、第1接合層251の端部、第3接合層253の端部及び第2接合層252の端部は、階段状にずれているとよい。
具体的には、図8では、第2表示パネル200から第1表示パネル100に向かって、第2接合層252の長さ(幅)、第3接合層253の長さ(幅)及び第1接合層251の長さ(幅)を順次小さくすることで、接合部材250Bの端部を段差状にしている。
これにより、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253を順次貼り合わせる際に、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の端部がはみ出すことを抑制できる。したがって、接合部材250の端部で気泡が巻き込まれることを抑制できるので、表示画像の品質が低下することを抑制できる。
また、図8に示す接合部材250Bの端部において、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の段差のずれ量W(階段の踏みしろ部分)は、200μm以上400μm以下であるとよい。つまり、第1接合層251の端部と第3接合層253の端部とのずれ量、及び、第3接合層253と第2接合層252の端部とのずれ量は、200μm以上400μm以下であるとよい。
OCA等の接合層1枚の貼り合わせ精度は100μm程度である。したがって、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の段差のずれ量Wを200μm~400μmにすることで、仮に、貼り合わせずれが生じたとしても、第1接合層251、第2接合層252及び第3接合層253の端部の一部が他の端部を覆ってしまうことがない。これにより、接合部材250の端部で気泡が巻き込まれることを確実に抑制することができる。
また、接合部材250Bの端部の階段状の部分は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の画像表示領域(アクティブ領域)外に位置しているとよい。具体的には、接合部材250Bの端部の階段状の部分は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の画像表示領域の境界となるブラックマトリクスの額縁領域と重なる位置に形成されているとよい。また、この場合、接合部材250Bの端部の階段状の部分は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を保持する中間フレームと重なる位置に形成することができる。
このように、接合部材250Bの端部の階段状の部分を第1表示パネル100及び第2表示パネル200の画像表示領域(アクティブ領域)外に位置させることで、接合部材250Bの端部の階段状の部分にゴミ等の異物が付着しても表示画像の品質が低下することを抑制できる。
また、接合部材250Bの端部の形状は、階段の形状に合わせて加工するとよい。例えば、打ち抜き刃を用いて大判シートからOCA等の接合層を個々に打ち抜く場合、打ち抜き刃が引き抜かれる際に接合層の端面にだれた粘着樹脂を除去したり接合層の端面をフラットな面にしたりするために、打ち抜き後の接合層の端面に切削加工を施すとよい。あるいは、打ち抜き刃を用いるのではなく、レーザーカットにより接合層を大判シートから打ち抜くことで、接合層の端面をフラットな面にしてもよい。
なお、図8では、第2表示パネル200から第1表示パネル100に向かって、第2接合層252の長さ(幅)、第3接合層253の長さ(幅)及び第1接合層251の長さ(幅)を順次小さくすることで、接合部材250Bの端部を段差状にしたが、これに限らない。例えば、第1表示パネル100から第2表示パネル200に向かって、第1接合層251の長さ(幅)、第3接合層253の長さ(幅)及び第2接合層252の長さ(幅)を順次小さくすることで、接合層250Bの端部を段差状にしてもよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る液晶表示装置1Cについて、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態2に係る液晶表示装置1Cの構成を示す断面図である。
図9に示すように、本実施の形態における液晶表示装置1Cは、上記実施の形態1における液晶表示装置1と同様に、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する3層構造の接合部材250Cを備えている。
具体的には、本実施の形態における接合部材250Cは、第1表示パネル100の第1偏光板120に接合される第1接合層251Cと、第2表示パネル200の第2偏光板220に接合される第2接合層252Cと、第1接合層251C及び第2接合層252Cの間に位置する中間層(第3の層)253Cとを有する。
本実施の形態における液晶表示装置1Cと上記実施の形態における液晶表示装置1とでは、接合部材を構成する3つの接合層の硬さの大小関係が異なる。具体的には、上記実施の形態1における接合部材250では、第1接合層251及び第2接合層252の硬さが中間層253の硬さよりも硬くなっていたが、本実施の形態における接合部材250Cでは、第1接合層251C及び第2接合層252Cの硬さが中間層253Cの硬さよりも柔らかくなっている。つまり、本実施の形態における接合部材250Cでは、中間層253Cの硬さが第1接合層251C及び第2接合層252Cの硬さよりも硬くなっている。
本実施の形態における接合部材250Cにおいて、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cの各々は、フィルム状のOCAからなる接合シートである。例えば、柔らかいOCAである第1接合層251C及び第2接合層252Cとしては、上記実施の形態1における接合部材250の第3接合層253を用いることができる。また、硬いOCAである中間層253Cとしては、上記実施の形態1における接合部材250の第1接合層251又は第2接合層252を用いることができる。この場合、中間層253Cは、第3接合層となる。なお、中間層253Cの厚さは、第1接合層251Cの厚さ及び第2接合層252Cの厚さよりも厚い方がよいが、これに限らない。
このように、中間層253Cの硬さが第1接合層251C及び第2接合層252Cの硬さよりも硬い接合部材250Cを用いて第1表示パネル100と第2表示パネル200とを貼り合わせることによって、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の2つの部材同士の界面に気泡が侵入することを抑制できる。
例えば、上記実施の形態1のように、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cを1枚ずつ順に貼り合わせる場合、最初に、第2表示パネル200の上に柔らかい第2接合層252Cを貼り合わせる際に第2表示パネル200と第2接合層252Cとの間に気泡が侵入したとしても、次に、第2接合層252Cの上に硬い中間層253Cを貼り合わせることになるので、第2表示パネル200と第2接合層252Cとの間に侵入した気泡を脱泡させることができる。その後、中間層253Cの上に第1接合層251Cを貼り合わせる際に中間層253Cと第1接合層251Cとの間に気泡が侵入したとしても、次に、第1接合層251Cの上に硬い第1表示パネル100を貼り合わせることになるので、中間層253Cと第1接合層251Cとの間に侵入した気泡を脱泡させることができる。
なお、第2表示パネル200に接合部材250Cを貼り合わせる際、第1接合層251、第2接合層252及び中間層253Cを1枚ずつ順に貼り合わるのではなく、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cが予め一体となった1つの接合部材250Cを用いて第1表示パネル100と第2表示パネル200とを貼り合わせてもよい。この場合も、接合部材250C内に硬い中間層250Cが存在しているので、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250Cで貼り合わる際に、第1表示パネル100又は第2表示パネル200と接合部材250Cとの間に気泡が侵入することを抑制できる。
さらに、本実施の形態でも、接合部材250C内に柔らかい第1接合層251C及び第2接合層252Cが存在するので、上記実施の形態1と同様に、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸を中間層253Cによって吸収することができる。これにより、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸によって第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが発生することを抑制できる。
以上、本実施の形態における液晶表示装置1Cでは、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合する接合部材250Cが、硬い素材の中間層253Cを柔らかい素材の第1接合層251C及び第2接合層252Cで挟み込む構成になっている。これにより、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の2つの部材同士の界面に気泡が入り込むことを抑制できるとともに、第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが生じることを抑制できる。したがって、表示画像の品質が低下することを抑制できる。
また、本実施の形態における中間層253Cは、樹脂によって構成されているが、中間層253Cは、樹脂よりも硬い素材であるガラスによって構成されている方がよい。この場合、中間層253Cとしては、ガラス板を用いることができる。
これにより、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の2つの部材同士の界面に気泡が残留することを抑制することができる。
また、図9に示される液晶表示装置1Cにおける接合部材250Cでは、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cの長さ(幅)が同一であって、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cの各々の端部が面一になっているが、これに限らない。
例えば、接合部材250Cの端部において、第1接合層251Cの端部、第2接合層252Cの端部及び中間層253Cの端部がずれていてもよい。具体的には、第2接合層252Cの長さ(幅)、中間層253Cの長さ(幅)及び第1接合層251Cの長さ(幅)を順次小さくしたり順次大きくしたりすることで、接合部材250Cの端部を階段状にしてもよい。
これにより、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cを順次貼り合わせる際に、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cの端部がはみ出すことを抑制できる。したがって、接合部材250Cの端部で気泡が巻き込まれることを抑制できるので、表示画像の品質が低下することを抑制できる。
また、図10に示される液晶表示装置1Dのように、接合部材250Dの端部において、硬い中間層253Cの端部が柔らかい第1接合層251C及び第2接合層252Cの各々の端部よりも突出しているとよい。例えば、中間層253Cの長さを、第1接合層251Cの長さ及び第2接合層252Cの長さよりも長くするとよい。
この構成により、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cを1つずつ順に貼り合わせる場合であっても、第1接合層251C、第2接合層252C及び中間層253Cが一体となった接合部材250Cを貼り合わせる場合であっても、柔らかい接合層(第1接合層251C、第2接合層252C)の端部が他の接合層の端部からはみ出して垂れることがないので、垂れた接合層の端部で気泡を巻き込んでしまうことを抑制することができる。
なお、図10において、中間層253Cの端部は、接合部材250Cの全周において第1接合層251Cの端部及び第2接合層252Cの端部よりも突出しているが、これに限らない。例えば、平面視形状が矩形の接合部材250Cの場合、中間層253Cの端部は、4辺のうちの1辺、2辺又は3辺において第1接合層251Cの端部及び第2接合層252Cの端部よりも突出していればよい。この場合、貼り合わせ方向の1辺又は2辺において、中間層253Cの端部が第1接合層251Cの端部及び第2接合層252Cの端部よりも突出しているとよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る液晶表示装置1Eについて、図11及び図12を用いて説明する。図11は、実施の形態3に係る液晶表示装置1Eの部分断面図である。図12は、図11の拡大断面図である。なお、図11及び図12では、第1ゲートFPC105及び第2ゲートFPC205が設けられたゲートドライバ側の端部を示している。
図11及び図12に示すように、液晶表示装置1Eは、第1表示パネル100と、第2表示パネル200と、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を接合する接合部材250Eと、バックライト300と、フレーム600とを備える。なお、本実施の形態におけるバックライト300及びフレーム600の構造は、上記実施の形態1、2にも適用することができる。
フレーム600は、第1表示パネル100と第2表示パネル200とバックライト300とを保持する保持部材である。本実施の形態において、フレーム600は、上フレーム610(第1フレーム)と、中フレーム620(第2フレーム)と、下フレーム630(第3フレーム)とによって構成されている。
第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、上記実施の形態1、2と同様の構成である。したがって、第1表示パネル100は、第1TFT基板111、第1対向基板112及び第1液晶層113を有する第1液晶セル110と、第1液晶セル110を挟む一対の第1偏光板120とを備える。
第1液晶層113は、第1TFT基板111及び第1対向基板112を一対の第1基板として、この一対の第1基板の間に第1液晶層113を封止する第1封止部材114を有する。例えば、第1封止部材114は、第1TFT基板111及び第1対向基板112の外周端部に沿って額縁状に形成されている。一例として、第1封止部材114の幅は、1~2mm程度であるが、これに限らない。
また、第1液晶セル110は、第1画像表示領域101(アクティブ領域)の周辺の領域に形成された第1周縁遮光層115を有する。第1周縁遮光層115は、第1対向基板112に形成されている。第1周縁遮光層115は、例えば、第1画像表示領域101に形成されたブラックマトリクスと同様の材料によって形成することができる。
第2液晶層213は、第2TFT基板211及び第2対向基板212を一対の第2基板として、この一対の第2基板の間に第2液晶層213を封止する第2封止部材214を有する。例えば、第2封止部材214は、第2TFT基板211及び第2対向基板212の外周端部に沿って額縁状に形成されている。一例として、第2封止部材214の幅は、第1封止部材114の幅と同じであって、1~2mm程度であるが、これに限らない。
本実施の形態において、第2封止部材214は、第1液晶セル110の第1封止部材114よりも外側の位置に形成されている。具体的には、第2封止部材214の外側の端部は、第1封止部材114の外側の端部よりも外方に位置しており、第2封止部材214の内側の端部は、第1封止部材114の内側の端部よりも外方に位置している。
また、第2液晶セル210は、第2画像表示領域201(アクティブ領域)の周辺の領域に形成された第2周縁遮光層215を有する。第2周縁遮光層215は、第2対向基板212に形成されている。第2周縁遮光層215は、例えば、第2画像表示領域201に形成されたブラックマトリクスと同様の材料によって形成することができる。
本実施の形態において、第2周縁遮光層215は、第1液晶セル110の第1周縁遮光層115よりも外側の位置に形成されている。具体的には、第2周縁遮光層215の外側の端部は、第1周縁遮光層115の外側の端部よりも外方に位置しており、第2周縁遮光層215の内側の端部は、第1周縁遮光層115の内側の端部よりも外方に位置している。このように、第2周縁遮光層215の内側の端部を第1周縁遮光層115の内側の端部よりも外方に位置させることで、液晶表示装置1Eの表示画面を斜めから見たときに表示画像の端部の画質が悪く見えてしまうことを抑制することができる。
バックライト300は、複数のLED310と、透明基板320と、光学シート330と、反射板340とを有する。
複数のLED310の各々は、発光素子の一例である。LED310としては、例えば白色光を発する白色LED光源を用いることができる。本実施の形態において、バックライト300は、直下型バックライトであり、複数のLED310は、二次元的に配置されている。具体的には、複数のLED310は、下フレーム630の本体部631の底部にマトリクス状に配列されている。本実施の形態において、複数のLED310は、下フレーム630の凹部に配置された反射板340の底面上に配置されている。
LED310の前方(光出射側)には、透明基板320及び光学シート330が配置されている。つまり、透明基板320及び光学シート330は、下フレーム630の本体部631と対向している。
透明基板320は、例えば、可視光に対して透明なガラス板である。この場合、透明基板320としては、機械的強度に優れた強化ガラスを用いるとよい。このように、透明基板320としてガラス板を用いることで、熱による膨張又は収縮が小さくて高い剛性を有する透明基板320を実現できる。
透明基板320は、外周端部が下フレーム630の支持部632に支持されている。具体的には、透明基板320の外周端部は、支持部632に載置された反射板340のフランジ部の上に載置されている。
光学シート330は、LED310の前方(光出射側)に配置される。本実施の形態において、光学シート330は、透明基板320の前面に貼り合わされている。光学シート330は、LED310から出射する光に対して光学作用を付与する。光学シート330としては、例えば、LED310からの光を拡散させるための拡散板(拡散シート)及び/又はプリズムシート等を用いることができる。光学シート330は、例えば樹脂材料によって構成された樹脂シートである。なお、光学シート330は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
反射板340は、複数のLED310の光を反射する機能を有する。反射板340は、下フレーム630の本体部631の底部に配置されている。反射板340は、例えば鋼板又はアルミ板等の薄金属板によって構成されている。この場合、反射板340の表面には、白塗装が施されているとよい。なお、反射板340は、白色の樹脂材料によって構成されていてもよい。
上述のように、フレーム600は、上フレーム610と、中フレーム620と、下フレーム630とによって構成されている。上フレーム610、中フレーム620及び下フレーム630は、例えばネジにより互いに固定されている。
第1フレームである上フレーム610は、フレーム600において上側に配置されたフロントフレームである。本実施の形態において、上フレーム610は、平面視形状が矩形枠状で断面形状がL字状の金属フレームであり、鋼板又はアルミニウム板等の高い剛性を有する金属材料によって構成されている。一例として、上フレーム610は、所定形状にカットされた金属板に折り曲げ等のプレス加工を施すことで形成することができる。
上フレーム610は、第1表示パネル100の周辺部を覆う第1ベゼル部611と、第1ベゼル部611から下フレーム630側に延在する第1側壁部612とを有する。第1ベゼル部611は、第1側壁部612の上端からフランジ状に突出しており、第1表示パネル100の表面の外周端部の全周を覆うように枠状に形成されている。
第2フレームである中フレーム620は、上フレーム610と下フレーム630との間に配置されたミドルフレームである。中フレーム620は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200をバックライト300側から支持している。本実施の形態において、中フレーム620は、平面視形状が矩形枠状で断面形状がL字状の金属フレームであり、鋼板又はアルミニウム板等の高い剛性を有する金属材料によって構成されている。一例として、中フレーム620は、所定形状にカットされた金属板に折り曲げ等のプレス加工を施すことで形成することができる。
中フレーム620は、第2表示パネル200の周辺部を覆う第2ベゼル部621と、第2ベゼル部621から下フレーム630側に延在する第2側壁部622とを有する。第2ベゼル部621は、第2側壁部622の上端からフランジ状に突出しており、第2表示パネル200の裏面の外周端部の全周を覆うように枠状に形成されている。
第3フレームである下フレーム630は、フレーム600において背面側に配置されたリアフレームである。本実施の形態において、下フレーム630は、全体として凹状に形成された金属筐体であり、鋼板又はアルミニウム板等の高い剛性を有する金属材料によって構成されている。
下フレーム630は、バックライト300のLED310を内部に収容する本体部631と、バックライト300の透明基板320及び反射板340を支持する支持部632とを有する。
このように構成される液晶表示装置1Eでは、上記実施の形態1における液晶表示装置1と同様に、第1表示パネル100と第2表示パネル200とが接合部材250Eによって接合されているが、本実施の形態における接合部材250Eは、上記実施の形態1における接合部材250と異なり、単層構造であり、1つのOCAのみによって構成されていてもよい。
本実施の形態において、接合部材250Eは、軟らかい素材によって構成されている。例えば、接合部材250Eは、上記実施の形態1における接合部材250の第3接合層253と同程度の軟らかさである。接合部材250Eは、例えばアクリル系等の樹脂材料によって構成されている。
また、接合部材250Eは、例えば厚さが300μm以上である。
このように、接合部材250Eは、厚くて軟らかいOCAによって構成されているので、上記実施の形態1と同様に、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸を接合部材250Eによって吸収することができる。これにより、第1偏光板120及び第2偏光板220の微小凹凸によって第1液晶セル110及び第2液晶セル210の厚さにムラが発生することを抑制できる。
一方、接合部材250Eは軟らかいOCAのみによって構成されているので、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250Eによって貼り合わせる際に、接合部材250Eの端部において、第1表示パネル100と接合部材250Eとの間又は第2表示パネル200と接合部材250Eとの間に気泡が侵入するおそれがある。例えば、仮に接合部材250Eの端部が第1表示パネル100の第1偏光板120の端部及び第2表示パネル200の第2偏光板220の端部よりもはみ出していると、接合部材250Eの端部が第1偏光板120側又は第2偏光板220側に垂れてしまって、第1偏光板120又は第2偏光板220と接合部材250Eとの間に気泡が侵入するおそれがある。この結果、気泡がアクティブ領域に侵入して表示画像の品位が低下するおそれがある。
しかも、接合部材250Eの端部が垂れると、接合部材250Eの端部における接着層の成分(アクリル酸等)が第1偏光板120と第1液晶セル110との界面又は第2偏光板220と第2液晶セル210との界面に侵入して第1偏光板120又は第2偏光板220が劣化するおそれがある。この結果、表示画像の品位が低下するおそれがある。
そこで、本実施の形態における液晶表示装置1Eでは、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の任意の端部において、接合部材250Eの端部(POCA)が、第1偏光板120の端部(PPOL)及び第2偏光板220の端部(PPOL)よりも内側に位置している。つまり、接合部材250Eの端部が、第1偏光板120の端部及び第2偏光板220の端部よりもアクティブ領域(第1画像表示領域101、第2画像表示領域201)側に位置している。
このように、接合部材250Eの端部(POCA)が第1偏光板120の端部(PPOL)及び第2偏光板220の端部(PPOL)よりも内側に位置していることで、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材250Eによって貼り合わせる際に、第1偏光板120又は第2偏光板220と接合部材250Eとの間に気泡が侵入することを抑制することができる。
また、接合部材250Eの端部(POCA)が第1偏光板120の端部(PPOL)及び第2偏光板220の端部(PPOL)よりも内側に位置していると、接合部材250Eの端部が垂れることがない。これにより、接合部材250Eの端部における接着層の成分が第1偏光板120と第1液晶セル110との界面又は第2偏光板220と第2液晶セル210との界面に侵入して第1偏光板120又は第2偏光板220が劣化することを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態における液晶表示装置1Eでは、接合部材250Eの端部(POCA)が第1偏光板120の端部(PPOL)及び第2偏光板220の端部(PPOL)よりも内側に位置しているので、接合部材250Eの周辺に気泡が侵入したり接合部材250Eの粘着層の成分によって第1偏光板120又は第2偏光板220が劣化したりすることを抑制できる。この結果、表示画像の品位が低下することを抑制できる。
なお、本実施の形態では、接合部材250Eの第1ゲートFPC105側の端部が第1偏光板120の端部及び第2偏光板220の端部よりも内側に位置するように構成されているが、これに限らない。例えば、接合部材250Eの第1ソースFPC104側の端部が第1偏光板120の端部及び第2偏光板220の端部よりも内側に位置するように構成されていてもよいし、接合部材250Eの第1ゲートFPC105側の端部及び接合部材250Eの第1ソースFPC104側の端部の両方(つまり全ての端部)が第1偏光板120の端部及び第2偏光板220の端部よりも内側に位置するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の端部において、接合部材250Eの端部(POCA)は、第1液晶セル110の第1周縁遮光層115の内側の端部(PBM1)及び第2液晶セル210の第2周縁遮光層215の内側の端部(PBM2)よりも外側に位置している。
この構成により、液晶表示装置1Eの表示画面を斜めから見たときに表示画像の端部の画質が悪く見えてしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の端部において、接合部材250Eの端部(POCA)は、上フレーム610の第1ベゼル部611の内側の端部(PFR)及び中フレーム620の第2ベゼル部621の内側の端部(PFR)よりも外側に位置している。つまり、接合部材250Eの端部(POCA)が、上フレーム610の第1ベゼル部611の開口端部及び中フレーム620の第2ベゼル部621の開口端部よりも外側に位置している。
この構成により、液晶表示装置1Eの表示画面を斜めから見たときに表示画像の端部の画質が悪く見えてしまうことを一層抑制することができる。一例として、第1液晶セル110の第1周縁遮光層115の内側の端部(PBM1)から上フレーム610の端部(PFR)までの距離L1は2.52mmである。
また、本実施の形態では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の端部において、接合部材250Eの端部(POCA)は、第1液晶セル110の第1封止部材114の外側の端部(PSL1)及び第2液晶セル210の第2封止部材214の外側の端部(PSL2)よりも内側に位置している。
この構成により、接合部材250Eが不必要に長くなってしまうことを抑制できるので、接合部材250Eを第1表示パネル100又は第2表示パネル200に貼り合わせる際に第1表示パネル100又は第2表示パネル200と接合部材250Eとの間に気泡が入り込むことを抑制することができる。これにより、表示画像の品位が低下することを一層抑制できる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態1、2に適用してもよい。つまり、本実施の形態は、接合部材250Eを3つの接合層からなる3層構造にした場合にも適用することができる。また、接合部材250Eを3層構造にした場合、3つの接合層の一部の端部を階段状にずらしてもよい。
(その他の変形例)
以上、本開示に係る液晶表示装置について、実施の形態1~3に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態1、2において、接合部材250、250A、250B、250C及び250Dは、3つの接合層で構成されていたが、これに限らず、4つ以上の接合層によって構成されていてもよい。
また、上記実施の形態1~3において、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを接合部材で接合する際、第2表示パネル200に接合部材を貼り合わせ、その後、第1表示パネル100を貼り合わせたが、これに限らない。すなわち、第1表示パネル100に接合部材を貼り合わせ、その後、第2表示パネル200を貼り合わせてもよい。
その他、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。