JP7217620B2 - マスクブランクスおよびマスク - Google Patents
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Description
FPDの製造等に用いられる大板用のフォトマスクにおいては、ウェットエッチング加工によってパターン形成がおこなわれる。
なお、表面に反射防止層と遮光層とが形成された構造のマスクにおいて、表面の反射率は、反射防止層と遮光層との屈折率差、および、これらの膜厚によって規定される。
クロムニウムを用いて反射防止層を形成するためには、反射率を低減するために、クロムニウムからなる反射防止層中の酸素濃度を高めて、遮光層よりも屈折率を低下させる必要がある。通常クロムニウムをウェットエッチングする際には、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むウェットエッチング液を用いられる。
つまり、従来の技術では、上記のような光学仕様を満たして、断面形状の良好なマスクを製造することができないという問題があった。
1.より高い光学濃度のマスクを実現すること。
2.より反射率の低いマスクを実現すること。
3.微細パターンの形状悪化を防止すること。
4.上記の目的を同時に実現すること。
透明基板と、
前記透明基板の上に形成された反射防止層と、
前記反射防止層の上に形成されクロムを主成分とする遮光層と、
前記遮光層に接して形成されクロムを主成分とする反射防止層と、
前記遮光層よりもエッチングレートが低減されて前記反射防止層と厚さ方向に接しない位置で前記遮光層を厚さ方向に分割するエッチングレート低減層と、
を有し、
露光光の波長λが365nm~436nmの範囲で使用され、
OD値が5よりも高く、反射率が5%よりも低く設定され、
前記エッチングレート低減層が、前記遮光層の厚さ方向に一層または二層設けられて前記遮光層よりも高い酸素濃度とされるとともに前記遮光層よりも高い炭素濃度とされ、
前記反射防止層と接している前記遮光層において、前記エッチングレート低減層までの膜厚が、前記波長λが405nmの場合に、前記波長λに対してλ*20/405nm以上に設定され、
前記エッチングレート低減層によって厚さ方向に分割された前記遮光層の分割数に応じて、前記遮光層の側面から奥に向けた前記透明基板の表面と平行な方向に対するエッチング量を削減する、
ことにより上記課題を解決した。
本発明のマスクブランクスは、
前記遮光層の酸素濃度が、膜厚方向の前記透明基板側に接する前記エッチングレート低減層よりも、さらに、前記透明基板側に位置する前記遮光層の酸素濃度に比べて高くなるように設定されるとともに、
前記遮光層の炭素濃度が、膜厚方向の前記透明基板側に接する前記エッチングレート低減層よりも、さらに、前記透明基板側に位置する前記遮光層の炭素濃度に比べて高くなるように設定され、
前記遮光層の側面から奥に向けた前記透明基板の表面と平行な方向に対するエッチング量を、前記エッチングレート低減層によって分割されて前記透明基板との距離である厚さ方向の位置が異なる前記遮光層でそれぞれ均等化する、
ことができる。
本発明のマスクブランクスは、
前記エッチングレート低減層の組成が、酸素濃度が20%以上、炭素濃度は30%以上である、
ことができる。
本発明のマスクブランクスは、
前記遮光層が、酸素と窒素と炭素を含有するクロムニウム膜を用いて形成され、
厚さ方向に分割された前記遮光層の合計膜厚は100nm以上である、
ことができる。
本発明のマスクブランクスは、
前記反射防止層の膜厚が、前記波長λが405nmの場合に、前記波長λに対してλ*25/405~λ*30/405、または、λ*95/405~λ*100/405の範囲に設定される
ことができる。
本発明のマスクブランクスは、
前記透明基板との距離が異なる複数層の前記エッチングレート低減層では、
前記透明基板との距離に応じた前記エッチングレート低減層の膜厚が、前記反射防止層から前記透明基板に向けて増加される、
ことができる。
本発明のマスクブランクスは、
前記反射防止層の酸素濃度は50%以上である、
ことができる。
本発明のマスクは、上記のいずれかに記載されたマスクブランクスを用いて製造されたことができる。
該透明基板に形成されクロムを主成分とする遮光層と、
前記遮光層に接して形成されクロムを主成分とする反射防止層と、
を有し、
前記遮光層が、前記反射防止層と厚さ方向に接しない位置に、エッチングレートを前記遮光層よりも低減したエッチングレート低減層を有する。
言い換えると、厚さ方向で遮光層の途中位置に設けられたエッチングレート低減層によって、遮光層そのものが厚さ方向に分断されている。
また、マスクとしての所望の光学仕様とは、マスク使用時となる露光工程において必要な所定波長λを有する露光光に対して、光学濃度ODの値と反射率の値とを所望の状態に維持することを意味する。
このパターン形成における形状悪化とは、エッチング後に、遮光層の側面に凹部が形成されてしまい、パターンの線幅等が所定の瀬運法を維持しないようなことを意味する。
しかし、上記の光学仕様を満たすために、反射防止層と遮光層とのエッチングレートの差を解消することは、従来の技術で、できなかったものである。
これにより、光学濃度ODの値と反射率の値とを所望の状態に維持して、マスクにおけるエッチング後のパターン形状悪化を防止することができる。特に、エッチングレート低減層のエッチングレートが、遮光層のエッチングレートより小さく設定されることで、パターン形成時のウェットエッチングにおいて、遮光層が側面から大きくエッチングされてしまうことを防止できる。
これにより、反射防止層と遮光層との界面付近の構造、および、反射防止層と遮光層との膜厚、組成によって設定される光学仕様が、初期に設定された所望の状態を維持することできる。
ここで、厚さ方向の中央部とは、反射防止層側と接する遮光層の膜厚が、反射率を所定値とするために必要な範囲を維持するとともに、エッチングレート低減層が、遮光層を除いて反射防止層を含む他の層と接していないことを意味する。
これにより、エッチングレート低減層が、遮光層よりも低いエッチングレートを有することが可能である。
これにより、高い酸素濃度とされたエッチングレート低減層が、さらに低いエッチングレートを有することが可能である。
さらに、高い炭素濃度により、エッチングレートを更に低下させることができる。
これにより、エッチングされる順番が早い遮光層のほうが、エッチングされる順番が遅い遮光層に比べて、低いエッチングレートを有することができる。つまり、エッチングされる時間の長い反射防止層に近い位置の遮光層のほうが、エッチングされる時間の短い遮光層に比べて、低いエッチングレートを有することができる。
これにより、透明基板に対して異なる厚さ方向の位置、つまり、透明基板との距離が異なる遮光層で、遮光層の側面から奥に向けて、つまり、透明基板の表面と平行な方向に対するエッチング量を、それぞれ均等化することが可能となる。これにより、エッチング後のパターン形状悪化をより一層防止することができる。
これにより、透明基板に対して異なる厚さ方向の位置、つまり、透明基板との距離が異なる遮光層で、それぞれ酸素濃度を所定の状態に設定された遮光層におけるエッチングレートを、さらに低下する等、厚さ方向位置に対応して、エッチングレートに対する設定をそれぞれおこなうことが可能とある。
さらに、厚さ方向位置に対応して、炭素濃度を段階的に設定することにより、遮光層における深さ方向でのエッチングレートを制御することができる。
これにより、透明基板に対して異なる厚さ方向の位置、つまり、透明基板との距離が異なる遮光層で、遮光層の側面から奥に向けて、つまり、透明基板の表面と平行な方向に対するエッチング量を、それぞれ均等化することが可能となる。これにより、エッチング後のパターン形状悪化をより一層防止することができる。
OD値が5よりも高く、反射率が5%よりも低く設定される。
このような光学仕様を満たすことにより、高精細のFPD製造等に用いて好適なマスクを製造可能なマスクブランクスを提供することができる。
このような光学仕様を満たすことにより、高精細のFPD製造等に用いて好適なマスクを製造可能なマスクブランクスを提供することができる。
このような光学仕様を満たすことにより、高精細のFPD製造等に用いて好適なマスクを製造可能なマスクブランクスを提供することができる。
このような光学仕様を満たすことにより、高精細のFPD製造等に用いて好適なマスクを提供することができる。
図1は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す斜視図であり、図において、符号MBは、マスクブランクスである。
つまり、本実施形態に係るマスクブランクスMBは、遮光層11A,11Bが、エッチングレート低減層12によって、厚さ方向に分断されている。
遮光層11Aおよび遮光層11Bは、Cr(クロム)を含有するものであり、O(酸素)および/またはC(炭素)を含むことができる。さらに、遮光層11Aおよび遮光層11Bは、N(窒素)を含むことができる。
このため、反射防止層13として用いられる酸素と窒素と炭素を含有するクロムニウム膜において、波長365~436nmにおける屈折率が2.5以下、消衰係数が1.0以下であることが望ましい。
なお、本実施形態のマスクブランクスMBは、上記の光学仕様(光学特性)を満たしており、後述するエッチング特性を維持していれば、これ以外の特性は限定されない。
本実施形態のマスク(フォトマスク)Mは、図2に示すように、マスクブランクスMBにおいて、ガラス基板(透明基板)Sの露出した透過領域と、遮光層11Aからパターン形成された遮光パターン11Aa、エッチングレート低減層12からパターン形成されたエッチングレート低減パターン12a、遮光層11Bからパターン形成された遮光パターン11Ba、反射防止層13からパターン形成された反射防止パターン13a、がガラス基板(透明基板)Sに積層されている遮光領域と、を有する。
ターゲットS12bは、ガラス基板Sに成膜するために必要な組成を有する材料からなる。
ターゲットS22bは、ガラス基板Sに成膜するために必要な組成を有する材料からなる。
このとき、成膜条件として、クロムをターゲットとしたDCスパッタリングにより、スパッタリングガスとして、アルゴン、窒素(N2)などを含む状態で、スパッタリングをおこなうことができる。
ここで、炭素含有ガスとしては、CO2(二酸化炭素)、CH4(メタン)、C2H6(エタン)、CO(一酸化炭素)等を挙げることができる。酸素含有ガスとしては、CO2(二酸化炭素)、O2(酸素)、N2O(一酸化二窒素)、NO(一酸化窒素)等を挙げることができる。
フォトレジスト層は、ポジ型でもよいしネガ型でもよいが、たとえば、ポジ型とすることができる。フォトレジスト層としては、液状レジストが用いられる。
一例として、レジストパターンは、透過領域においては、形成する遮光パターン11Ba、エッチングレート低減パターン12a、遮光パターン11Aa、反射防止パターン13aの開口幅寸法に対応した開口幅を有する形状に設定される。
したがって、その層自身よりも低い(ガラス基板Sに近い)位置にある層に対するエッチングが進行する間、当該層には、エッチング液が当接してエッチングが進行することになる。
したがって、遮光層11Aの厚さ方向のエッチングが終了し、所定の幅寸法にまでエッチングが進行した後も、エッチングレート低減層12および遮光層11Bに対するエッチングが進行する。このため、エッチングレート低減層12および遮光層11Bに対するエッチングが進行する間中、遮光層11Aには、エッチング液が当接してエッチングが進行する。
ここで、図12に示すように、遮光層11が一層として形成された場合を考える。エッチングレート低減層12は設けられていない。遮光層11の膜厚は、遮光層11A,11Bの合計された膜厚に等しく設定される。なお、マスクとしての光学仕様(光学特性)は、図1に示すマスクブランクスMB、あるいは、図2に示すマスクMと同等となるように、膜厚、組成が設定されている。
同様に、エッチングレート低減層12と遮光層11Bとの界面付近において、遮光層11Bが奥行き方向ssのエッチング量を抑制することができる。
以上により、本実施形態のマスクMを製造することができる。
この結果、遮光層11A,11Bの過剰なエッチングを抑制することができる。したがって、各パターン13a,11Aa,12a,11Baの形状が所望の状態からずれてしまうことを防止できる。
これにより、高精細のFPD製造に用いて好適なマスクMを提供することが可能となる。
しかも、これらの光学仕様(光学特性)および、パターン形状の維持のために、ガス流量を設定するだけで、上記のマスクブランクスMB、マスクMを実現することができる。
さらに、本実施形態にかかるマスクMでは、露光光として波長436nmを用いた場合に対して、光学濃度ODの値5.0以上と、の反射率5%以下の値と、の状態を維持することができる。
あるいは、光学濃度と反射率の値を必要に応じて調整することができる。
における反射防止層(高酸素濃度Cr膜)厚と、反射率との関係を示すグラフである。
ここで、本実施形態のマスクブランクスMBにおける反射率は、図5に示すように、遮光層11Aの厚さによって変動する。したがって、5%程度以下となる低反射率を実現するためには、遮光層11Aの厚さを20nm以上に設定することが必要である。ここで、図5における反射率の測定波長は405nmである。
図7は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、エッチングレート低減層の層数に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
つまり、本実施形態に係るマスクブランクスMBは、遮光層11A,11B,11Cが、エッチングレート低減層12A,12Bによって、厚さ方向に3つに分断されている。
あるいは、エッチングレート低減層12Aおよびエッチングレート低減層12Bは、膜厚の寸法を膜厚方向で変化させて、反射防止層13側からガラス基板S側に向けて、膜厚を増加させることもできる。
なお、本実施形態のマスクブランクスMBは、第1実施形態と同様に、上記の光学仕様(光学特性)を満たしており、後述するエッチング特性を維持していれば、これ以外の特性は限定されない。
この結果、遮光層11A~11Cの過剰なエッチングをさらに抑制することができる。したがって、パターン形状の悪化をより一層防止することができる。
これにより、高精細のFPD製造に用いて、さらに好適なマスクMを提供することが可能となる。
図8は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、積層順に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
つまり、本実施形態に係るマスクブランクスMBは、遮光層11A,11Bが、エッチングレート低減層12によって、厚さ方向に分断されている。
なお、本実施形態における反射率は、ガラス基板Sを透過した光に対して所定値に設定することができる。
図9は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第2実施形態と異なるのは、積層順に関する点であり、これ以外の上述した第2実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
つまり、本実施形態に係るマスクブランクスMBは、遮光層11A,11B,11Cが、エッチングレート低減層12A,12Bによって、厚さ方向に3つに分断されている。
なお、本実施形態における反射率は、ガラス基板Sを透過した光に対して所定値に設定することができる。
図10は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第2実施形態と異なるのは、反射防止層の層数に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
つまり、本実施形態に係るマスクブランクスMBは、両面に反射防止層13A,13Bが形成されて、その間の遮光層11A,11Bが、エッチングレート低減層12によって、厚さ方向に分断されている。
また、反射防止層13Bとしては、反射防止層13Bの屈折率と遮光層11Bの屈折率との差を大きくすることで反射率を低減することが可能となる。
このため、反射防止層13Bとして用いられる酸素と窒素と炭素を含有するクロムニウム膜において、波長365~436nmにおける屈折率が2.5以下、消衰係数が1.0以下であることが望ましい。
ここで、図12に示した例と同様に、図13に示すように、遮光層11が一層として形成された場合を考える。
同様に、エッチングレート低減層12と遮光層11Bとの界面付近において、遮光層11Bが奥行き方向ssのエッチング量を抑制することができる。
図11は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第5実施形態と異なるのは、反射防止層の層数に関する点であり、これ以外の上述した第5実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
つまり、本実施形態に係るマスクブランクスMBは、両面に反射防止層13A,13Bが形成されて、その間の遮光層11A,11B,11Cが、エッチングレート低減層12A,12Bによって、厚さ方向に3つに分断されている。
また、本実施形態にかかるマスクブランクスMBから製造されたマスクMは、両面反射率を5%程度以下に設定することができる。
まず、実験例1として、図13に示したマスクに対応して、両面に反射防止層を設け、遮光層が複数層に分断されていないマスクブランクスを製造した。
その後、先に記載した酸素と窒素と炭素を含有するクロムニウム膜を用いた反射防止層と同様の膜を遮光層の上に形成する。
このとき、OD値を5程度に設定した。
次に、実験例2として、図10に示すように、両面に反射防止層を設け、遮光層が二層に分断されたマスクブランクスを製造した。
このように、遮光層を3層化して酸素濃度と炭素濃度の高い領域(エッチングレート低減層)を1層形成したマスクブランクスを用いて、マスクを形成する。
さらに、実験例3として、図11に示すように、両面に反射防止層を設け、遮光層が3層に分断されたマスクブランクスを製造した。
このように、遮光層を5層化して酸素濃度と炭素濃度の高い領域(エッチングレート低減層)を2層形成したマスクブランクスを用いて、マスクを形成する。
この結果から、実験例1~3のマスクでは、いずれも、反射率と光学濃度については、所望の特性を満たすことが可能なことがわかる。
これは、ウェットエッチングの際のエッチングレートが反射防止層と遮光層で大きく異なるために生じる。
これは酸素濃度と炭素濃度を高めることで、この領域(エッチングレート低減層)のエッチングレートを低減することが可能であり、従来問題となっていた膜厚中央部の過剰なエッチングを抑制することができるためである。
これは酸素濃度と炭素濃度を高めることで、この領域(エッチングレート低減層)のエッチングレートを低減することが可能であり、従来問題となっていた膜厚中央部の過剰なエッチングを、よりいっそう抑制することができるためである。
ここでは、組成分析はオージェ電子分光法を用いて行った。図17~図19において、いずれも、縦軸は、各組成の濃度(atm%)、横軸は、表面からの距離(深さ)を意味するスパッタリング時間である。なお、図17~図19において、左がスパッタリングを開始した表面側、右がガラス基板側を示している。
また、実験例2のマスクブランクスでは、図18に示すように、膜厚中央部に酸素濃度と炭素濃度の高い領域(エッチングレート低減層)が形成されているおり、遮光層を3層に分割したことが確認できる。
さらに、実験例2のマスクブランクスでは、図18に示すように、遮光層において、ガラス基板側から表面側に向けて、酸素濃度、および炭素濃度がいずれもエッチングレート低減層を挟んで段階的に増加するように形成されていることがわかる。
また、実験例3のマスクブランクスでは、図19に示すように、2層目と4層目に酸素濃度と炭素濃度の高い領域(エッチングレート低減層)が形成されているおり、遮光層を5層に分割したことが確認できる。
さらに、実験例3のマスクブランクスでは、図19に示すように、遮光層において、ガラス基板側から表面側に向けて、酸素濃度、および炭素濃度がいずれもエッチングレート低減層を挟んで段階的に増加するように形成されていることがわかる。
MB…マスクブランクス
11A,11B,11C…遮光層
11Aa,11Ba…遮光パターン
12,12A,12B…エッチングレート低減層
13,13A,13B…反射防止層
S…ガラス基板(透明基板)
X…凹部
Claims (8)
- 透明基板と、
前記透明基板の上に形成された反射防止層と、
前記反射防止層の上に形成されクロムを主成分とする遮光層と、
前記遮光層に接して形成されクロムを主成分とする反射防止層と、
前記遮光層よりもエッチングレートが低減されて前記反射防止層と厚さ方向に接しない位置で前記遮光層を厚さ方向に分割するエッチングレート低減層と、
を有し、
露光光の波長λが365nm~436nmの範囲で使用され、
OD値が5よりも高く、反射率が5%よりも低く設定され、
前記エッチングレート低減層が、前記遮光層の厚さ方向に一層または二層設けられて前記遮光層よりも高い酸素濃度とされるとともに前記遮光層よりも高い炭素濃度とされ、
前記反射防止層と接している前記遮光層において、前記エッチングレート低減層までの膜厚が、前記波長λが405nmの場合に、前記波長λに対してλ*20/405nm以上に設定され、
前記エッチングレート低減層によって厚さ方向に分割された前記遮光層の分割数に応じて、前記遮光層の側面から奥に向けた前記透明基板の表面と平行な方向に対するエッチング量を削減する、
ことを特徴とするマスクブランクス。 - 前記遮光層の酸素濃度が、膜厚方向の前記透明基板側に接する前記エッチングレート低減層よりも、さらに、前記透明基板側に位置する前記遮光層の酸素濃度に比べて高くなるように設定されるとともに、
前記遮光層の炭素濃度が、膜厚方向の前記透明基板側に接する前記エッチングレート低減層よりも、さらに、前記透明基板側に位置する前記遮光層の炭素濃度に比べて高くなるように設定され、
前記遮光層の側面から奥に向けた前記透明基板の表面と平行な方向に対するエッチング量を、前記エッチングレート低減層によって分割されて前記透明基板との距離である厚さ方向の位置が異なる前記遮光層でそれぞれ均等化する、
ことを特徴とする請求項1記載のマスクブランクス。 - 前記エッチングレート低減層の組成が、酸素濃度が20%以上、炭素濃度は30%以上である、
ことを特徴とする請求項1または2記載のマスクブランクス。 - 前記遮光層が、酸素と窒素と炭素を含有するクロムニウム膜を用いて形成され、
厚さ方向に分割された前記遮光層の合計膜厚は100nm以上である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のマスクブランクス。 - 前記反射防止層の膜厚が、前記波長λが405nmの場合に、前記波長λに対してλ*25/405~λ*30/405、または、λ*95/405~λ*100/405の範囲に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のマスクブランクス。
- 前記透明基板との距離が異なる複数層の前記エッチングレート低減層では、
前記透明基板との距離に応じた前記エッチングレート低減層の膜厚が、前記反射防止層から前記透明基板に向けて増加される、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載のマスクブランクス。 - 前記反射防止層の酸素濃度は50%以上である、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか記載のマスクブランクス。 - 請求項1から7のいずれかに記載されたマスクブランクスを用いて製造されたことを特徴とするマスク。
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