JP2023166182A - マスクブランクス、ハーフトーンマスク、製造方法 - Google Patents

マスクブランクス、ハーフトーンマスク、製造方法 Download PDF

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成浩 諸沢
Narihiro Morosawa
祐一 古山
Yuichi Furuyama
正弘 関根
Masahiro Sekine
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Abstract

Figure 2023166182000001
【課題】ピンホール欠陥を発生させないこと、かつ、ダメージ発生を抑制可能とすること、を両立する。
【解決手段】透明基板Sと、透明基板の表面に積層されたCrを主成分とするハーフトーン層11と、ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層12と、エッチングストッパー層に積層されたCrを主成分とする遮光層13と、を備えるマスクブランクスであって、エッチングストッパー層が低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとを有し、365nm~465nmの波長範囲において、低エッチングレート領域での消光係数と高エッチングレート領域での消光係数との差Δkの最小値が、0.31(0.836-0.527)~0.41(1.025-0.615)の範囲に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明はマスクブランクス、ハーフトーンマスク、製造方法に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のFPD(flat panel display,フラットパネルディスプレイ)用の基板は複数のマスクを用いることで製造されているが、工程削減のために半透過性のハーフトーンマスクを用いてマスク枚数を削減することができる。
さらにカラーフィルターや有機ELディスプレイ等では感光性有機樹脂を半透過性のマスクを用いて露光と現像を行い有機樹脂の形状を制御することで、適切な形状のスペーサーや開口部を形成することが可能になる。このためにハーフトーンマスクの重要度が高まっている(特許文献1等)。
これらのハーフトーンマスクは遮光層とハーフトーン層(半透過層)を用いて形成される。ハーフトーンマスクは半透過層が遮光層の上に形成される場合と、下に形成される場合の2つの構造が存在するが、半透過層が遮光層の下に存在する、いわゆる下置き構造の需要が高くなっている。
下置き構造のハーフトーンマスクはブランクスメーカーでハーフトーン層と遮光層の積層膜を形成した後で、マスクメーカーにおいてそれぞれの膜を所望のパターンで露光、現像、エッチングすることでマスクを完成させることが可能であるために短期間にマスクを形成できるという利点を有する。
FPD用マスクの遮光層の材料としては、Crを用いるのが一般的であり、ハーフトーン層の材料としてもCrを用いるのが望ましい。Crは優れた薬液耐性を示し、マスクとしての加工方法も確立されている。
さらにCrを用いてハーフトーン層を形成することで透過率の波長依存性が小さくできるという利点も有する。
Crを用いて遮光層とハーフトーン層を形成する場合には所望のパターンを形成するために、Crのエッチング液によりエッチングがされないエッチングストッパー層を遮光層とハーフトーン層の間に成膜する必要がある。特許文献2には、エッチングストッパー層として金属シリサイド化合物が記載されている。
特開2006-106575号公報 特開2017-182052号公報
ここで、エッチングストッパー層を含めて、フォトマスクにおける各層においては光学特性の許容範囲が極めて狭い。このため、各層の光学密度および膜厚の自由度が少なくなる。たとえば、エッチングストッパー層の膜厚は極めて小さくなる。
エッチングストッパー層では、その選択比が充分ある場合でも所定値よりも膜厚が薄い部分があった場合など、ピンホール欠陥が発生する可能性がある。ピンホール欠陥は発生した場合、パーティクル付着などとは異なり、マスクブランクス、フォトマスクとしてのリカバリーができない。
したがって、ピンホール欠陥を防止するために、エッチングストッパー層のエッチング耐性を高くする対応が考えられる。しかし、エッチングストッパー層のエッチングレートが低くなり過ぎるとエッチングストッパー層のエッチング時間が長くなるため、ガラス基板表面などへのダメージが発生するという不具合が発生する可能性があり好ましくない。
このため、エッチングストッパー層において、ピンホール欠陥を発生させないこと、かつ、エッチング時間を所定の範囲に収めること、を両立する必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ピンホール欠陥を発生させないこと、かつ、エッチング時間を所定の範囲に収めてダメージ発生を抑制可能とすること、を両立可能なエッチングストッパー層を有するマスクブランクス、ハーフトーンマスクを提供可能とするという目的を達成しようとするものである。
(1)本発明の一態様にかかるマスクブランクスは、
透明基板と、
前記透明基板の表面に積層されたハーフトーン層と、
前記ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層と、
前記エッチングストッパー層に積層された遮光層と、
を備えるマスクブランクスであって、
前記ハーフトーン層と前記遮光層とがCrを主成分とし、
前記エッチングストッパー層が金属シリサイド化合物からなり、
前記エッチングストッパー層は、その膜厚方向にエッチングレートの低い低エッチングレート領域と、エッチングレートの高い高エッチングレート領域と、を有し、
350nm~436nmの波長範囲において、前記低エッチングレート領域での屈折率と前記高エッチングレート領域での屈折率との差Δnの最小値が、0.190(2.411-2.602)~0.256(2.451-2.701)の範囲に設定される、
ことにより上記課題を解決した。
(2)本発明のマスクブランクスは、上記(1)において、
365nmの波長において、前記低エッチングレート領域での屈折率が2.4以下であり、前記高エッチングレート領域での屈折率が2.6以上である、
ことができる。
(3)本発明の他の態様にかかるマスクブランクスは、
透明基板と、
前記透明基板の表面に積層されたハーフトーン層と、
前記ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層と、
前記エッチングストッパー層に積層された遮光層と、
を備えるマスクブランクスであって、
前記ハーフトーン層と前記遮光層とがCrを主成分とし、
前記エッチングストッパー層が金属シリサイド化合物からなり、
前記エッチングストッパー層は、その膜厚方向にエッチングレートの低い低エッチングレート領域と、エッチングレートの高い高エッチングレート領域と、を有し、
365nm~465nmの波長範囲において、前記低エッチングレート領域での消光係数と前記高エッチングレート領域での消光係数との差Δkの最小値が、0.31(0.836-0.527)~0.41(1.025-0.615)の範囲に設定される、
ことにより上記課題を解決した。
(4)本発明のマスクブランクスは、上記(3)において、
365nmの波長において、前記低エッチングレート領域での消光係数が0.6以下であり、前記高エッチングレート領域での消光係数が0.8以上である、
ことができる。
(5)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層の膜厚方向において、前記低エッチングレート領域と前記高エッチングレート領域との間にエッチングレートの変化する中間領域を有する、
ことができる。
(6)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記低エッチングレート領域の膜厚が3nm以上10nm以下であり、前記高エッチングレート領域の膜厚が10nm以上である、
ことができる。
(7)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層の膜厚方向が20nm~40nmの範囲に設定される、
ことができる。
(8)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層の膜厚方向において、前記低エッチングレート領域が前記遮光層に近接して形成される、
ことができる。
(9)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層がモリブデンシリサイド化合物からなる、
ことができる。
(10)本発明の他の態様にかかるマスクブランクスの製造方法は、
上記(1)から(4)のいずれかに記載されたマスクブランクスの製造方法であって、
前記透明基板に、前記ハーフトーン層と前記エッチングストッパー層と前記遮光層とを順に積層する工程を有し、
前記エッチングストッパー層を、Siおよび、Ni、Co、Fe、Ti、Al、Nb、Mo、WおよびHfから選択された少なくとも1種の金属を主成分として、スパッタリングにより成膜する際に、スパッタリング電力量、成膜雰囲気としての酸素含有ガス流量、成膜雰囲気としての窒素含有ガス流量から選択される1以上のパラメータを制御して膜厚方向に前記低エッチングレート領域と前記高エッチングレート領域とを形成する、
ことができる。
(11)本発明のハーフトーンマスクの製造方法は、
上記(1)から(4)のいずれかに記載されたマスクブランクスを用いてハーフトーンマスクを製造する方法であって、
前記遮光層上に所定のパターンを有するマスクを形成する工程と、
この形成したマスク越しに前記遮光層をウェットエッチングする工程と、前記エッチングストッパー層をウェットエッチングする工程と、を有する、
ことができる。
(12)本発明のハーフトーンマスクの製造方法は、上記(11)において、
前記遮光層をウェットエッチングする工程において、
エッチャントとして、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いる、
ことができる。
(13)本発明のハーフトーンマスクの製造方法は、上記(12)において、
前記エッチングストッパー層をウェットエッチングする工程において、
エッチャントとして、フッ素系のエッチング液を用いる、
ことができる。
(14)本発明のハーフトーンマスクは、
上記(13)に記載の製造方法により製造された
ことができる。
(1)本発明の一態様にかかるマスクブランクスは、
透明基板と、
前記透明基板の表面に積層されたハーフトーン層と、
前記ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層と、
前記エッチングストッパー層に積層された遮光層と、
を備えるマスクブランクスであって、
前記ハーフトーン層と前記遮光層とがCrを主成分とし、
前記エッチングストッパー層が金属シリサイド化合物からなり、
前記エッチングストッパー層は、その膜厚方向にエッチングレートの低い低エッチングレート領域と、エッチングレートの高い高エッチングレート領域と、を有し、
350nm~436nmの波長範囲において、前記低エッチングレート領域での屈折率と前記高エッチングレート領域での屈折率との差Δnの最小値が、0.190(2.411-2.602)~0.256(2.451-2.701)の範囲に設定される、
ことにより上記課題を解決した。
この構成によれば、所定波長の屈折率で表現されるエッチング耐性(膜の強さ)を所定範囲に設定した低エッチングレート領域と高エッチングレート領域とが形成されたエッチングストッパー層を有することで、エッチングストッパー層における光学特性をフォトマスクからの要請にしたがった状態を維持しつつ、低エッチングレート領域によってパターニング時にエッチングストッパー層が充分なエッチング耐性を呈してピンホール欠陥の発生を防止するとともに、同時に、高エッチングレート領域によってエッチングストッパー層全体としてのエッチング時間を短縮して、ガラス基板等に不必要なダメージを与えることを防止できる。つまり、遮光層のエッチング時におけるピンホール発生防止あるいはピンホール欠陥発生の要因除去を可能とし、同時に、エッチングストッパー層のエッチング時におけるガラス基板その他におけるダメージ発生を防止することが可能となる。
(2)本発明のマスクブランクスは、上記(1)において、
365nmの波長において、前記低エッチングレート領域での屈折率が2.4以下であり、前記高エッチングレート領域での屈折率が2.6以上である、
ことができる。
この構成によれば、低エッチングレート領域での屈折率を上記の条件とすることで、充分なエッチング耐性を呈することができるとともに、高エッチングレート領域での屈折率を上記の条件とすることで、エッチングストッパー層としてのエッチング時間が過剰に伸びることなくダメージ発生を防止することを同時に可能とすることができる。
(3)本発明の他の態様にかかるマスクブランクスは、
透明基板と、
前記透明基板の表面に積層されたハーフトーン層と、
前記ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層と、
前記エッチングストッパー層に積層された遮光層と、
を備えるマスクブランクスであって、
前記ハーフトーン層と前記遮光層とがCrを主成分とし、
前記エッチングストッパー層が金属シリサイド化合物からなり、
前記エッチングストッパー層は、その膜厚方向にエッチングレートの低い低エッチングレート領域と、エッチングレートの高い高エッチングレート領域と、を有し、
365nm~465nmの波長範囲において、前記低エッチングレート領域での消光係数と前記高エッチングレート領域での消光係数との差Δkの最小値が、0.31(0.836-0.527)~0.41(1.025-0.615)の範囲に設定される、
ことにより上記課題を解決した。
この構成によれば、所定波長の消光係数で表現されるエッチング耐性(膜の強さ)を所定範囲に設定した低エッチングレート領域と高エッチングレート領域とが形成されたエッチングストッパー層を有することで、エッチングストッパー層における光学特性をフォトマスクからの要請にしたがった状態を維持しつつ、低エッチングレート領域によってパターニング時にエッチングストッパー層が充分なエッチング耐性を呈してピンホール欠陥の発生を防止するとともに、同時に、高エッチングレート領域によってエッチングストッパー層全体としてのエッチング時間を短縮して、ガラス基板等に不必要なダメージを与えることを防止できる。つまり、遮光層のエッチング時におけるピンホール発生防止あるいはピンホール欠陥発生の要因除去を可能とし、同時に、エッチングストッパー層のエッチング時におけるガラス基板その他におけるダメージ発生を防止することが可能となる。
(4)本発明のマスクブランクスは、上記(3)において、
365nmの波長において、前記低エッチングレート領域での消光係数が0.6以下であり、前記高エッチングレート領域での消光係数が0.8以上である、
ことができる。
この構成によれば、低エッチングレート領域での消光係数を上記の条件とすることで、充分なエッチング耐性を呈することができるとともに、高エッチングレート領域での消光係数を上記の条件とすることで、エッチングストッパー層としてのエッチング時間が過剰に伸びることなくダメージ発生を防止することを同時に可能とすることができる。
(5)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層の膜厚方向において、前記低エッチングレート領域と前記高エッチングレート領域との間にエッチングレートの変化する中間領域を有する、
ことができる。
この構成によれば、膜厚方向に低エッチングレート領域から高エッチングレート領域に向けて屈折率および/または消光係数が増加する中間領域を有することで、エッチングストッパー層として必要な光学特性を有したまま、ピンホール欠陥発生防止に充分なエッチング耐性と、ダメージ発生を防止可能な短いエッチング時間とを両立することができる。
また、膜特性の傾斜した中間領域によりエッチング加工後の断面形状において、急峻な変化を低減して、なだらかに変化させることが可能になるために、マスクを形成した際の線幅ばらつきを低減することが出来るという作用効果を奏することができる。
(6)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(5)のいずれかにおいて、
前記低エッチングレート領域の膜厚が3nm以上10nm以下であり、前記高エッチングレート領域の膜厚が10nm以上である、
ことができる。
この構成によれば、低エッチングレート領域の膜厚を上記の範囲とすることにより、屈折率および/または消光係数に応じてピンホール欠陥発生防止に充分なエッチング耐性を呈することの可能な低エッチングレート領域の膜厚下限を維持するとともに、エッチングストッパー層のエッチング時間が長くなり過ぎないように屈折率および/または消光係数に応じて低エッチングレート領域の膜厚上限を維持することができる。同時に、高エッチングレート領域の膜厚を上記の範囲とすることにより、エッチングストッパー層のエッチング時間が長くなり過ぎないように、屈折率および/または消光係数に応じて高エッチングレート領域の膜厚下限を維持することができ、ダメージ発生を防止可能な短いエッチング時間とを両立することができる。
なお、高エッチングレート領域の膜厚上限は、フォトマスクとして要求される膜特性により設定することができる。
(7)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(6)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層の膜厚方向が20nm~40nmの範囲に設定される、
ことができる。
この構成によれば、フォトマスクとして要求される膜特性を有して、屈折率および/または消光係数に応じてピンホール欠陥発生防止に充分なエッチング耐性を呈することと、屈折率および/または消光係数に応じてエッチングストッパー層のエッチング時間が長くなり過ぎないようにすることができる。
(8)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(7)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層の膜厚方向において、前記低エッチングレート領域が前記遮光層に近接して形成される、
ことができる。
この構成によれば、遮光層のパターニングにおいて、エッチングストッパー層でエッチングストップ能を呈することが可能となり、所定のパターニングを正確な形状におこなうことが可能となる。同時に、エッチング耐性の高い低エッチングレート領域が先にエッチング液に接触することで、充分なエッチングストップ能を呈することができる。
(9)本発明のマスクブランクスは、上記(1)から(8)のいずれかにおいて、
前記エッチングストッパー層がモリブデンシリサイド化合物からなる、
ことができる。
この構成によれば、クロムを含有する遮光層およびハーフトーン層におけるパターニングにおいて、ピンホール欠陥発生防止に充分なエッチング耐性を呈することと、エッチングストッパー層のエッチング時間が長くなり過ぎない屈折率および/または消光係数に応じたエッチングストッパー層とすることができる。
(10)本発明の他の態様にかかるマスクブランクスの製造方法は、
上記(1)から(9)のいずれかに記載されたマスクブランクスの製造方法であって、
前記透明基板に、前記ハーフトーン層と前記エッチングストッパー層と前記遮光層とを順に積層する工程を有し、
前記エッチングストッパー層を、Siおよび、Ni、Co、Fe、Ti、Al、Nb、Mo、WおよびHfから選択された少なくとも1種の金属を主成分として、スパッタリングにより成膜する際に、スパッタリング電力量、成膜雰囲気としての酸素含有ガス流量、成膜雰囲気としての窒素含有ガス流量から選択される1以上のパラメータを制御して膜厚方向に前記低エッチングレート領域と前記高エッチングレート領域とを形成する、
ことができる。
この構成によれば、上述したようにエッチングストッパー層における成膜条件のパラメータを設定することで、所定の屈折率および/または消光係数を有する低エッチングレート領域と高エッチングレート領域とを形成することが可能となる。
(11)本発明のハーフトーンマスクの製造方法は、
上記(1)から(9)のいずれかに記載されたマスクブランクスを用いてハーフトーンマスクを製造する方法であって、
前記遮光層上に所定のパターンを有するマスクを形成する工程と、
この形成したマスク越しに前記遮光層をウェットエッチングする工程と、前記エッチングストッパー層をウェットエッチングする工程と、を有する、
ことができる。
この構成によれば、エッチングストッパー層のエッチングに際して、エッチングレートを上記膜特性に即して制御することができる。これにより、エッチングストッパー層のエッチング処理時間を短縮して、透明基板表面にダメージを与えてしまうことを防止可能とし、Crを主成分とする遮光層をエッチングする際に、充分な選択性を有するエッチングストッパー層として、エッチングストップ能を呈し、所定の屈折率および/または消光係数を有するエッチングストッパー層によって、遮光層のエッチングの際に充分なエッチングストップ能を呈するとともに、エッチングストッパー層およびハーフトーン層のエッチングに際して、遮光層の形状が所望の状態であることを維持し、ハーフトーン層にダメージを与えてしまうことを防止して、所望の形状を有するフォトマスクを製造することが可能となる。
(12)本発明のハーフトーンマスクの製造方法は、上記(11)において、
前記遮光層をウェットエッチングする工程において、
エッチャントとして、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いる、
ことができる。
(13)本発明のハーフトーンマスクの製造方法は、上記(11)または(12)において、
前記エッチングストッパー層をウェットエッチングする工程において、
エッチャントとして、フッ素系のエッチング液を用いる、
ことができる。
(14)本発明のハーフトーンマスクは、
上記(11)から(13)のいずれかに記載の製造方法により製造された
ことができる。
本発明によれば、エッチングストッパー層のエッチングに際して、エッチングレートを屈折率および/または消光係数に即して制御することを可能とし、また、透明基板表面にダメージを与えてしまうことを防止可能とし、ハーフトーン層にピンホール欠陥が発生してしまうことを防止して、所望の形状を有するフォトマスクを製造することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るマスクブランクスの第1実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るハーフトーンマスクの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態における成膜装置を示す模式図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態における成膜装置を示す模式図である。 本発明に係るハーフトーンマスクの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 本発明に係るハーフトーンマスクの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 本発明に係るハーフトーンマスクの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 本発明に係るハーフトーンマスクの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 本発明に係るエッチングストッパー層における波長に対する屈折率の変化を示すグラフである。 本発明に係るエッチングストッパー層における波長に対する消光係数の変化を示すグラフである。 本発明に係るエッチングストッパー層におけるスパッタリング電力量に対する屈折率および消光係数の変化を示すものである。 本発明に係るエッチングストッパー層における屈折率および消光係数の変化とエッチングレートの変化との関係を示すものである。
以下、本発明に係るマスクブランクス、ハーフトーンマスク、製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるマスクブランクスを示す模式断面図であり、図において、符号MBは、マスクブランクスである。
本実施形態に係るマスクブランクスMBは、例えば、露光光の波長が365nm~436nmの範囲で使用されるハーフトーンマスクに供されるものとされ、図1に示すように、透明基板Sと、この透明基板S上に形成されたハーフトーン層11と、ハーフトーン層11上に形成されたエッチングストッパー層12と、このエッチングストッパー層12上に形成された遮光層13とで構成される。
透明基板Sとしては、透明性および光学的等方性に優れた材料が用いられ、例えば、石英ガラス基板を用いることができる。透明基板Sの大きさは特に制限されず、当該マスクを用いて露光する基板(例えばLCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどのFPD用基板、半導体基板)に応じて適宜選定される。本実施形態では、径寸法100mm程度の基板や、一辺50~100mm程度から、一辺1000mm以上までの矩形基板に適用可能であり、さらに、厚み1mm程度、最大辺寸法1800mm程度以上のガラス基板、厚み8mm、厚み10mm以上の石英ガラス基板などにも用いることができる。
また、透明基板Sの表面を研磨することで、透明基板Sのフラットネスを低減するようにしてもよい。透明基板Sのフラットネスは、例えば、20μm以下とすることができる。これにより、マスクの焦点深度が深くなり、微細かつ高精度なパターン形成に大きく貢献することが可能となる。さらにフラットネスは10μm以下と、小さい方が良好である。
ハーフトーン層11は、Crを主成分とするものであり、具体的には、Cr単体、並びにCrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つで構成することができ、また、これらの中から選択される2種以上を積層して構成することもできる。
エッチングストッパー層12としては、窒素を含有する金属シリサイド化合物膜、例えば、Ni、Co、Fe、Ti、Al、Nb、Mo、WおよびHfから選択された少なくとも1種の金属や、これらの金属どうしの合金とSiとを含む膜や、特に、モリブデンシリサイド化合物膜、MoSi(X≧2)膜(例えばMoSi膜、MoSi膜やMoSi膜など)が挙げられる。
エッチングストッパー層12の膜特性に関しては、フォトマスクとして必要な光学特性を有するとともに、耐エッチング性能を示す指標として後述する屈折率nおよび/または消光係数kを有している。エッチングストッパー層12は、屈折率nおよび/または消光係数kに応じたMoSi膜としてのMoとSiとの組成比、窒素濃度、酸素濃度等を選択することができる。
たとえば、エッチングストッパー層12としてのMoSi膜におけるXの値は2.0~3.7の範囲とすることができる。ここで、MoSi膜におけるXの値をこの範囲内で小さくすると、エッチングレートを高くすることができる。また、MoSi膜におけるXの値をこの範囲内で大きくすると、屈折率nおよび/または消光係数kを高くすることができる。
従って、所定の組成比となるターゲットを選択して成膜をおこなうとともに、所定の成膜条件のパラメータを設定した場合、エッチングストッパー層12での屈折率nおよび/または消光係数kを制御することができる。
そのために本実施形態においてはXの値が2.3~3.7のターゲットを用いることができる。Siの比率が小さい程、Crを主成分とする層に対するエッチング選択比を大きくする等、所定の範囲に設定する自由度を増大することが可能となる。
また、MoSi膜中の窒素濃度を制御することで、MoSi膜の屈折率nおよび/または消光係数kを、窒素濃度に対応した所望の値に設定することが可能である。たとえば、窒素濃度を高くすると、エッチングレートを低下させることができる。
また、MoSi膜中の酸素濃度を制御することで、MoSi膜の屈折率nおよび/または消光係数kを、酸素濃度に対応した所望の値に設定することが可能である。たとえば、酸素濃度を高くすると、エッチングレートを低下させることができる。
また、MoSi膜の成膜中におけるスパッタ電力によって設定される成膜速度を制御することで、MoSi膜の屈折率nおよび/または消光係数kを、スパッタリング電力量に対応した所望の値に設定することが可能である。たとえば、スパッタリング電力量を低くすると、エッチングレートを低下させることができる。
これ以外にも、MoSi膜の成膜中における成膜条件のパラメータを制御することで、MoSi膜の屈折率nおよび/または消光係数kを、成膜条件のパラメータに対応した所望の値に設定することが可能である。
さらに、これらの組成等の制御を組み合わせてエッチングストッパー層12での屈折率nおよび/または消光係数kを制御することができる。
エッチングストッパー層12は、その膜厚方向にエッチングレートが低く設定される低エッチングレート領域12Aと、エッチングレートが高く設定される高エッチングレート領域12Bと、が設けられる。
本実施形態のエッチングストッパー層12では、厚さ方向において、高エッチングレート領域12Bに対して低エッチングレート領域12Aが遮光層13に近接して位置する。つまり、積層順としては、透明基板S、ハーフトーン層11、高エッチングレート領域12B、低エッチングレート領域12A、遮光層13となる。
低エッチングレート領域12Aは、高エッチングレート領域12Bに対して屈折率が低く設定される。具体的には、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aと高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bとの差Δn(n12B-n12A)の最小値が、350nm~436nmの波長範囲において、0.190(2.411-2.602)~0.256(2.451-2.701)の範囲に設定される。
ここで、屈折率の差Δn(n12B-n12A)とは、たとえば、後述する図9に示すように、該当する波長範囲において、低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとの間で算出される。ここでは、低エッチングレート領域12Aの屈折率n12Aの波長に対する変化の一例が低E.R.で示されており、高エッチングレート領域12Bの屈折率n12Bの波長に対する変化の一例が高E.R.で、それぞれ示されている。なお、図9において、低E.R.、あるいは、高E.R.、などにおける、低低、低、中、高、高高は、便宜的に表したものである。
365nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aが2.4以下であり、高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bが2.6以上である。
さらに、350nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aが2.41であり、高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bが2.60である。屈折率の差Δn(n12B-n12A)は0.191となる。
さらに、365nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aが2.42であり、高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bが2.63である。屈折率の差Δn(n12B-n12A)は0.213となる。
さらに、405nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aが2.44であり、高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bが2.68である。屈折率の差Δn(n12B-n12A)は0.242となる。
さらに、436nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aが2.45であり、高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bが2.70である。屈折率の差Δn(n12B-n12A)は0.256となる。
さらに、450nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aが2.45であり、高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bが2.71である。屈折率の差Δn(n12B-n12A)は0.253となる。
低エッチングレート領域12Aは、高エッチングレート領域12Bに対して消光係数k12Aが低く設定される。具体的には、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aと高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bとの差Δk(k12B-k12A)の最小値が、350nm~436nmの波長範囲において、0.31(0.836-0.527)~0.41(1.025-0.615)の範囲に設定される。
ここで、消光係数の差Δk(k12B-k12A)とは、たとえば、後述する図10に示すように、該当する波長範囲において、低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとの間で算出される。ここでは、低エッチングレート領域12Aの消光係数k12Aの波長に対する変化の一例が低E.R.で示されており、高エッチングレート領域12Bの消光係数k12Bの波長に対する変化の一例が高E.R.で、それぞれ示されている。なお、図10において、低E.R.、あるいは、高E.R.、などにおける、低低、低、中、高、高高は、便宜的に表したものである。
365nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aが0.6以下であり、高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bが0.8以上である。
さらに、350nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aが1.20であり、高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bが0.614である。消光係数の差Δk(k12B-k12A)は0.410となる。
さらに、365nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aが0.980であり、高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bが0.596である。消光係数の差Δk(k12B-k12A)は0.384となる。
さらに、405nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aが0.885であり、高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bが0.553である。消光係数の差Δk(k12B-k12A)は0.332となる。
さらに、436nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aが0.835であり、高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bが0.530である。消光係数の差Δk(k12B-k12A)は0.309となる。
さらに、450nmの波長において、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aが0.820であり、高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bが0.517である。消光係数の差Δk(k12B-k12A)は0.300となる。
エッチングストッパー層12の膜厚が20nm~40nmの範囲に設定される。低エッチングレート領域12Aの膜厚が3nm以上10nm以下の範囲に設定される。高エッチングレート領域12Bの膜厚が10nm以上の範囲に設定される。高エッチングレート領域12Bの膜厚は10nm以上30nm以下の範囲に設定されてもよい。
なお、低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとにおいては、MoSi膜の組成に関してはMoとSiの組成比が、いずれも同じ比率に設定することができるが、異なる組成比とすることも可能である。
なお、エッチングストッパー層12において、低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとは、その界面が明確に存在してもよく、また、低エッチングレート領域12Aから高エッチングレート領域12Bに向けて、厚さ方向に屈折率nおよび/または消光係数kが傾斜する中間領域を有するように形成することもできる。
中間領域における屈折率nは、低エッチングレート領域12Aでの屈折率n12Aから高エッチングレート領域12Bでの屈折率n12Bへと単調に変化することができる。
中間領域における消光係数kは、低エッチングレート領域12Aでの消光係数k12Aから高エッチングレート領域12Bでの消光係数k12Bへと単調に変化することができる。
エッチングストッパー層12の膜厚方向において、低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとの間にエッチングレートの変化する中間領域を有する場合には、中間領域の厚さは、3nm~5nmの範囲となるように設定される。
エッチングストッパー層12としては、屈折率nおよび/または消光係数kを設定することで、エッチングストッパー層12としてのエッチングに対する膜特性、つまり、エッチングレートを設定することができる。
これにより、エッチングストッパー層12より上側(表面側、外側)に位置する遮光層13のエッチングにおいては、エッチングストッパー層12が高い選択性を有して、エッチングストッパー層12のエッチングレートを低くし、エッチングストッパー層12がエッチング耐性を有し、ハーフトーン層11へのダメージ発生を防止するように膜組成を設定することができる。この場合、遮光層13との界面側である低エッチングレート領域12Aの屈折率nおよび/または消光係数kを低くすることが好ましい。同時に、低エッチングレート領域12Aの膜厚を上述した範囲とすることが好ましい。
同時に、エッチングストッパー層12のエッチングにおいては、エッチングレートを低くして、エッチング処理時間を短くし、ガラス基板(透明基板)Sがエッチングされることを抑制して、ガラス基板(透明基板)Sにおけるダメージ発生を防止することが可能となる。この場合、ハーフトーン層11側である高エッチングレート領域12Bの屈折率nおよび/または消光係数kを高くすることが好ましい。同時に、高エッチングレート領域12Bの膜厚を上述した範囲とすることが好ましい。
遮光層13は、Crを主成分とするものであり、具体的には、Crおよび窒素を含むものとされる。さらに、遮光層13が厚み方向に異なる組成を有することもでき、この場合、遮光層13として、Cr単体、並びにCrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つ、または、2種以上を積層して構成することもできる。
遮光層13は、所定の光学特性が得られる厚み(例えば、80nm~200nm)で形成される。
ここで、遮光層13とハーフトーン層11とは、どちらもクロム系薄膜であり、かつ、酸化窒化されているが、比較すると、ハーフトーン層11の方が遮光層13よりも酸化度が大きく、酸化されにくいように設定されている。
本実施形態のマスクブランクスMBは、例えばFPD用ガラス基板に対するパターニング用マスクであるハーフトーンマスクMを製造する際に適用することができる。特に、辺長さが1000mm以上の大型の基板からなるハーフトーンマスクMを製造する際に適用することができる。
図2は、本実施形態におけるマスクブランクスから製造されるハーフトーンマスクを示す断面図である。
本実施形態のハーフトーンマスクMは、図2に示すように、マスクブランクスMBにおいて、ガラス基板(透明基板)Sの露出した透過領域M1と、ハーフトーン層11からパターン形成されたハーフトーンパターン11aのみがガラス基板(透明基板)Sに形成されているハーフトーン領域M2と、ハーフトーン層11とエッチングストッパー層12と遮光層13とからパターン形成されたハーフトーンパターン11aとエッチングストッパーパターン12aと遮光パターン13aとが積層された遮光領域M3と、を有する。
このハーフトーンマスクMにおいて、ハーフトーン領域M2は、たとえば、露光処理において、半透過性を透過光にもたせることが可能な領域とされる。遮光領域M3は、露光処理において、遮光パターン13aによって、照射光を透過しないことが可能な領域とされる。
たとえば、ハーフトーンマスクMによれば、露光処理において、波長領域の光、特にg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)を含む複合波長を露光光として用いることができる。これにより、露光と現像をおこなって有機樹脂の形状を制御して、適切な形状のスペーサーや開口部を形成することが可能になる。また、パターン精度が大幅に向上し、微細かつ高精度なパターン形成が可能となる。
このハーフトーンマスクによれば、上記波長領域の光を用いることでパターン精度の向上を図ることができ、微細かつ高精度なパターン形成が可能となる。これにより、高画質のフラットパネルディスプレイ等を製造することができる。
以下、本実施形態のマスクブランクスMBの製造方法について説明する。
本実施形態におけるマスクブランクス10Bは、図3または図4に示す製造装置により製造される。
図3に示す製造装置S10は、インターバック式のスパッタリング装置とされ、ロード・アンロード室S11と、ロード・アンロード室S11に密閉機構S13を介して接続された成膜室(真空処理室)S12とを有するものとされる。
ロード・アンロード室S11には、外部から搬入されたガラス基板Sを成膜室S12へと搬送するか成膜室S12を外部へと搬送する搬送機構S11aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気機構S11bが設けられる。
成膜室S12には、基板保持機構S12aと、成膜材料を供給する手段として、ターゲットS12bを有するカソード電極(バッキングプレート)S12cと、バッキングプレートS12cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S12dと、この室内に所定のガスを導入するガス導入機構S12eと、成膜室S12の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気機構S12fと、が設けられている。
基板保持機構S12aは、搬送機構S11aによって搬送されてきたガラス基板Sを受け取り、成膜中にターゲットS12bと対向するようにガラス基板Sを保持するとともに、ガラス基板Sをロード・アンロード室S11からの搬入およびロード・アンロード室S11へ搬出可能とされている。
ターゲットS12bは、ガラス基板Sに成膜するために必要な組成を有する材料からなる。電源S12dは、ガラス基板Sに成膜するために必要な成膜速度を得られるように制御可能である。
図3に示す製造装置S10においては、ロード・アンロード室S11から搬入したガラス基板Sに対して、成膜室(真空処理室)S12においてスパッタリング成膜をおこなった後、ロード・アンロード室S11から成膜の終了したガラス基板Sを外部に搬出する。
成膜工程においては、ガス導入機構S12eから成膜室S12にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S12cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS12b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S12cのターゲットS12bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板Sに付着することにより、ガラス基板Sの表面に所定の膜が形成される。
この際、ハーフトーン層11の成膜と、エッチングストッパー層12の成膜と、遮光層13の成膜とで、必要な組成を有するターゲットS12bに交換する。また、ハーフトーン層11の成膜と、エッチングストッパー層12の成膜と、遮光層13の成膜とで、ガス導入機構S12eから異なる量の窒素含有ガス、酸素含有ガス、アルゴンガスなどの必要な成膜ガスを供給するとともに、その分圧を制御するように切り替えて、その組成を設定した範囲内にする。さらに、ハーフトーン層11の成膜と、エッチングストッパー層12の成膜と、遮光層13の成膜とで、電源S12dから供給するスパッタリング電力量を切り替えて、ガラス基板Sに成膜する膜において必要な膜特性を得るための成膜速度を得られるように制御する。
さらに、これらハーフトーン層11の成膜と、エッチングストッパー層12の成膜と、遮光層13の成膜に加え、他の膜を積層する場合には、対応するターゲット、ガス等のスパッタ条件としてスパッタリングにより成膜するか、他の成膜方法によって該当膜を積層して、本実施形態のマスクブランクスMBを製造する。
また、図4に示す製造装置S20は、インライン式のスパッタリング装置とされ、ロード室S21と、ロード室S21に密閉機構S27を介して接続された成膜室(真空処理室)S22と、成膜室S22に密閉機構S28を介して接続された成膜室(真空処理室)S23と、成膜室S23に密閉機構S29を介して接続されたアンロード室S25と、を有するものとされる。
ロード室S21には、外部から搬入されたガラス基板Sを成膜室S22へと搬送する搬送機構S21aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気機構S21bが設けられる。
成膜室S22には、基板保持機構S22aと、成膜材料を供給する手段として、ターゲットS22bを有するカソード電極(バッキングプレート)S22cと、バッキングプレートS22cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S22dと、この室内にガスを導入するガス導入機構S22eと、成膜室S22の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気機構S22fと、が設けられている。
基板保持機構S22aは、搬送機構S21aによって搬送されてきたガラス基板Sを受け取り、成膜中にターゲットS22bと対向するようにガラス基板Sを保持するとともに、ガラス基板Sをロード室S21からの搬入および成膜室S23への搬出入が可能とされている。
ターゲットS22bは、ガラス基板Sに成膜するために必要な組成を有する材料からなる。ターゲットS22bは、たとえばクロム系膜の成膜に対応することができる。電源S22dは、ガラス基板Sに成膜するために必要な成膜速度を得られるように制御可能である。
成膜室S23には、基板保持機構S23aと、成膜材料を供給する手段として、ターゲットS23bを有するカソード電極(バッキングプレート)S23cと、バッキングプレートS23cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S23dと、この室内にガスを導入するガス導入機構S23eと、成膜室S23の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気機構S23fと、が設けられている。
基板保持機構S23aは、搬送機構S22aによって搬送されてきたガラス基板Sを受け取り、成膜中にターゲットS23bと対向するようにガラス基板Sを保持するとともに、ガラス基板Sを成膜室S22への搬出入およびアンロード室S25へ搬出可能とされている。
ターゲットS23bは、ガラス基板Sに成膜するために必要な組成を有する材料からなる。ターゲットS23bは、たとえばシリサイド系膜の成膜に対応することができる。電源S23dは、ガラス基板Sに成膜するために必要な成膜速度を得られるように制御可能である。
アンロード室S25には、成膜室S22から搬入されたガラス基板Sを外部へと搬送する搬送機構S25aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気機構S25bが設けられる。
図4に示す製造装置S20においては、ロード室S21から搬入したガラス基板Sに対して、成膜室(真空処理室)S22および成膜室S23においてスパッタリング成膜をおこなった後、アンロード室S25から成膜の終了したガラス基板Sを外部に搬出する。
以下、図4に示す製造装置S20における成膜について説明する。図3に示す製造装置S10における成膜については、S20番代をS10番代に読み替えるとともに、対応する構成として読み替えることで同様におこなうことができる。
成膜工程においては、ガス導入機構S22eから成膜室S22にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源S22dからバッキングプレート(カソード電極)S22cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS22b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S22内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S22cのターゲットS22bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板Sに付着することにより、ガラス基板Sの表面に所定の膜が形成される。
この際、成膜室S22において、ハーフトーン層11の成膜と、遮光層13の成膜とで、必要な組成を有するターゲット22bに交換することもできる。また、ハーフトーン層11の成膜と、遮光層13の成膜とで、ガス導入機構S22eから異なる量の窒素含有ガス、酸素含有ガス、アルゴンガスなどの必要な成膜ガスを供給するとともに、その分圧を制御するように切り替えて、その組成を設定した範囲内にする。さらに、ハーフトーン層11の成膜と、遮光層13の成膜とで、電源S22dから供給するスパッタリング電力量を切り替えて、ガラス基板Sに成膜する膜において必要な膜特性を得るための成膜速度を得られるように制御する。
さらに、成膜室S22での成膜工程においては、ガス導入機構S23eから成膜室S23にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源S23dからバッキングプレート(カソード電極)S23cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS23b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S23内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S23cのターゲットS23bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板Sに付着することにより、ガラス基板Sの表面に所定の膜が形成される。
この際、成膜室S23において、エッチングストッパー層12の成膜で、必要な組成を有するターゲット23bを選択する。また、エッチングストッパー層12の成膜で、ガス導入機構S23eから異なる量の窒素含有ガス、酸素含有ガス、アルゴンガスなどの必要な成膜ガスを供給するとともに、その分圧を制御するように切り替えて、その組成を設定した範囲内にする。さらに、エッチングストッパー層12の成膜で、電源S23dから供給するスパッタリング電力量を切り替えて、ガラス基板Sに成膜する膜において必要な膜特性を得るための成膜速度を得られるように制御する。
さらに、これらハーフトーン層11の成膜と、エッチングストッパー層12の成膜と、遮光層13の成膜に加え、他の膜を積層する場合には、対応するターゲット、ガス種、スパッタリング電力量等のスパッタ条件としてスパッタリングにより成膜するか、他の成膜方法によって該当膜を積層して、本実施形態のマスクブランクスMBを製造する。
上記のまたは製造装置S20においては、まず、成膜室S22でガラス基板S上に、DCスパッタリング法などを用いて、Crを主成分とするハーフトーン層11を成膜する。この際、ハーフトーン層11の成膜においては、Crを主成分とするターゲットS22bを用いる。
次に、成膜室S23でMoおよびSiを主成分とするエッチングストッパー層12をハーフトーン層11上に成膜する。
エッチングストッパー層12の成膜においては、MoおよびSiを主成分とし、上述した組成比を有するターゲットS23bを用い、ガス導入機構S22eを用いて所定のガスを含有するガス雰囲気(成膜雰囲気)とするとともに、電源S22dを用いて、上述した高エッチングレート領域12Bの屈折率nおよび/または消光係数kとなるように、成膜条件としてのスパッタリング電力量、雰囲気ガス中の窒素濃度、酸素濃度等を設定する。
さらに、低エッチングレート領域12Aの屈折率nおよび/または消光係数kとなるように、成膜条件としてのスパッタリング電力量、雰囲気ガス中の窒素濃度、酸素濃度等を設定する。なお、中間領域を形成する場合には、膜厚に応じて成膜条件としてのスパッタリング電力量、雰囲気ガス中の窒素濃度、酸素濃度等を変化させることができる。
このとき、エッチングストッパー層12の成膜を一時中断する、または、断続的に成膜するとともに、成膜条件としてのパラメータを切り替えて、高エッチングレート領域12Bと低エッチングレート領域12Aとの界面を形成することができる。
あるいは、エッチングストッパー層12の成膜を連続的におこなうとともに、成膜条件としてのパラメータを徐々に増減するように変化させて、高エッチングレート領域12Bから低エッチングレート領域12Aへと傾斜した屈折率nおよび/または消光係数kを有するように形成することができる。
次に、成膜室S22において、Crを主成分とする遮光層13をエッチングストッパー層12上に成膜する。
このとき、成膜条件として、クロムをターゲットとしたDCスパッタリングにより、スパッタリングガスとして、アルゴン、窒素(N)などを含む状態で、スパッタリングをおこなうことができる。
さらにスパッタリングの進行に伴い、その条件を変化させることで、ガラス基板S側にクロム層を有し、その上に酸化クロム層を有する状態として遮光層13を成膜することなどができる。
なお、遮光層13、および、ハーフトーン層11の成膜においては、それぞれの層で要求される光学特性に応じて、成膜室S22において、必要な組成のターゲットS22bに交換して、さらに、雰囲気ガスの種類・成膜条件をそれぞれ選択することもできる。
以下、このように製造された本実施形態のマスクブランクスMBからハーフトーンマスクを製造する方法について説明する。
図5は、本実施形態におけるマスクブランクスによるハーフトーンマスクの製造工程を示す断面図であり、図6は、本実施形態におけるマスクブランクスによるハーフトーンマスクの製造工程を示す断面図である。
ここで、マスクブランクスMBは、図1に示すように、ハーフトーン層11とエッチングストッパー層12と遮光層13とが成膜された領域と、ガラス基板Sが露出した透過領域M1とを有する。
次に、図5に示すように、マスクブランクスMBの最上層である遮光層13の上にフォトレジスト層PR1を形成する。このとき、透過領域M1にもフォトレジスト層PR1を形成する。
フォトレジスト層PR1は、ポジ型でもよいしネガ型でもよいが、ポジ型とすることができる。フォトレジスト層PR1としては、液状レジストが用いられる。
続いて、図6に示すように、フォトレジスト層PR1を露光するとともに現像することで、遮光層13の上にレジストパターンPR1aが形成される。レジストパターンPR1aは、遮光層13、エッチングストッパー層12のエッチングマスクとして機能し、遮光層13、エッチングストッパー層12を除去するハーフトーン領域M2のエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。一例として、レジストパターンPR1aは、ハーフトーン領域M2においては、形成する遮光パターン13a、エッチングストッパーパターン12aの開口幅寸法に対応した開口幅を有する形状に設定される。
次いで、図7に示すように、このレジストパターンPR1a越しに所定のエッチング液(エッチャント)を用いて遮光層13をウェットエッチングする工程を開始する。
エッチング液としては、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いることができ、例えば、硝酸や過塩素酸等の酸を含有する硝酸セリウム第2アンモニウムを用いることが好ましい。
ここで、エッチングストッパー層12はこのエッチング液に対して遮光層13に比べて高い耐性を有するため、まず、遮光層13のみがパターニングされて遮光パターン13aが形成される。遮光パターン13aは、レジストパターンPR1aに対応した開口幅を有しハーフトーン領域M2に対応する形状とされる。
このとき、エッチングストッパー層12の低エッチングレート領域12Aは、エッチング液に対して、必要な選択比を有し、エッチングレートが極めて小さく設定されていることで、充分なエッチング耐性を有する。したがって、エッチングストッパー層12にピットなどのダメージが発生することはなく、遮光層13と同系統のCrを有するハーフトーン層11にダメージが発生することがない。
次いで、図8に示すように、レジストパターンPR1aを除去する。レジストパターンPR1aの除去には、公知のレジスト剥離液を用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
その後、遮光パターン13a越しに所定のエッチング液を用いてエッチングストッパー層12をウェットエッチングする工程を開始する。
エッチング液としては、エッチングストッパー層12がMoSiである場合には、エッチング液として、フッ素系、つまり、フッ化水素酸、珪フッ化水素酸、フッ化水素アンモニウムから選ばれる少なくとも一つのフッ素化合物と、過酸化水素、硝酸、硫酸から選ばれる少なくとも一つの酸化剤とを含むものを用いることが好ましい。
エッチングストッパー層12のウェットエッチングでは、遮光パターン13aに覆われていないハーフトーン領域M2において、低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとが順にエッチングされる。低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとの屈折率nおよび/または消光係数kに応じて、低エッチングレート領域12Aのエッチングレートは小さく、高エッチングレート領域12Bのエッチングレートは大きくなる。これにより、エッチングストッパー層12のウェットエッチング時間を短くして、透過領域M1において露出したガラス基板(透明基板)S表面に対するエッチングによるダメージ発生を防止することができる。
つまり、エッチングストッパー層12は、エッチング液に対して、膜厚方向で必要な選択比を有し、エッチングレートが低エッチングレート領域12Aに対して高く設定されていることで、エッチングストッパー層12のエッチング時間が不必要に増えてしまうことがない。したがって、ガラス基板Sの透過領域M1等にダメージが発生することはない。
エッチングストッパー層12がエッチングされてハーフトーン層11が露出した時点で、エッチングストッパー層12のエッチングは終了する。これにより、ハーフトーン領域M2において、ハーフトーン層11が露出する。
これにより、図2に示すように、光学的に設定された所定の遮光パターン13aとエッチングストッパーパターン12aと、ハーフトーンパターン11aとを有し、透過領域M1とハーフトーン領域M2と遮光領域M3とが形成されたハーフトーンマスクMを得ることができる。
本実施形態によれば、エッチングストッパー層12に低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとを形成するとともに、膜厚方向の屈折率nおよび/または消光係数kを上述したように設定したことで、エッチングストッパー層12のエッチングに際して、エッチングレートをこれらの屈折率nおよび/または消光係数kに即して制御することができる。これにより、エッチングストッパー層12のエッチング耐性を向上してピンホール欠陥の発生を防止するとともに、同時に、エッチングストッパー層12のエッチング処理時間を短縮して、ガラス基板Sの表面にダメージを与えてしまうことを防止可能とすることができる。
本実施形態によれば、エッチングストッパー層12に低エッチングレート領域12Aと高エッチングレート領域12Bとを形成したことで、最初にエッチングが進行しはじめる遮光層13とエッチングストッパー層12との界面におけるエッチングストッパー層12の屈折率nおよび/または消光係数kを低くすることで、界面におけるエッチングの過剰な進行を抑制することができる。
これにより、Crを主成分とする遮光層13をエッチングする際に、充分な選択性を有しエッチングストップ能を呈して、所望の形状を有するハーフトーンマスクMを製造することが可能となる。これにより、遮光層13のエッチング処理において、ハーフトーン層11にダメージを与えてしまうことを防止可能とすることができる。
なお、図5に示すように、透過領域M1として、上記のエッチング工程と同様に、フォトレジスト層を形成して、ハーフトーン層11とエッチングストッパー層12と遮光層13とからなる積層膜にパターンを形成して、ガラス基板Sが露出した領域とすることもできる。あるいは、透過領域M1として、ハーフトーン層11とエッチングストッパー層12と遮光層13とを積層する際に、スパッタマスク等によって、成膜をおこなわずにガラス基板Sが露出した領域とすることもできる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
ここで、本発明におけるマスクブランクス、ハーフトーンマスクの具体例として、まず、マスクブランクスの製造について説明する。
<実験例1>
まず、マスクを形成するためのガラス基板上に、半透過性のハーフトーン層を形成する。この際に形成するハーフトーン層はクロムニウム、酸素、窒素、炭素等を含有する膜であることが望ましい。ハーフトーン層に含有するクロムニウム、酸素、窒素、炭素の組成と膜厚を制御することで所望の透過率を有するハーフトーン膜を得ることが可能である。
その後、エッチングストッパー層として金属シリサイド膜を形成する。金属シリサイド膜としては、様々な膜を用いることが可能であるが、本実施例においてはモリブデンシリサイドを用いる。この際にモリブデンシリサイドを形成するためには反応性スパッタリング法を用いて形成する。
モリブデンシリサイドは膜中に窒素、酸素等を含有しないと酸やアルカリ溶液に対して非常に容易にエッチングされるという性質を有している。そのため、モリブデンシリサイドをエッチングストッパー層として用いる場合において窒素、酸素等を含有するモリブデンシリサイドを用いる。なお、エッチングストッパー層として窒素または酸素のいずれかを含有するモリブデンシリサイドを用いることもできる。
ここで、ここで反応性スパッタリング法を用いてモリブデンシリサイドを形成する場合には、添加ガスに酸素含有ガスとして、酸素ガス、一酸化炭素や二酸化炭素、酸化窒素、等を用いることで膜中に酸素を含有するモリブデンシリサイドを形成することが可能であり、さらに添加ガスのガス流量を制御することで、モリブデンシリサイドに含有される酸素の含有量も制御することが可能である。
同様に、反応性スパッタリング法を用いてモリブデンシリサイドを形成する場合には、添加ガスに窒素含有ガスとして、窒素や一酸化窒素や二酸化窒素等を用いることで膜中に窒素を含有するモリブデンシリサイドを形成することが可能であり、さらに添加ガスのガス流量を制御することで、モリブデンシリサイドに含有される窒素の含有量も制御することが可能である。
さらに、窒素、酸素等の含有量が変わらない膜蘇生であっても、成膜速度を変化させることで、エッチングに対する特性を変化させることができる。
本実施例においては、エッチングストッパー層としてのモリブデンシリサイド膜の膜特性として屈折率nを用いる。
その後、クロムニウムを主成分とする遮光層を成膜する。
この際に遮光層の反射率を低減するために酸素濃度を高めた屈折率が低い反射防止層を遮光層表面に形成する。このように、金属シリサイド膜をエッチングストッパー層とした下置き構造のハーフトーンマスクブランクスを形成する。
さらに、このハーフトーンマスクブランクスからハーフトーンマスクを形成する。
この場合には、まずレジストプロセスを用いて、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離のプロセス工程を経ることで遮光層を所望のパターンに加工する。ここで、遮光層をエッチングする際に、エッチングストッパー層が遮光層のエッチング液によってエッチングされないことが重要である。
クロムニウムを主成分とする遮光層を用いる場合においては、エッチング液として硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合液を用いることが一般的であるが、モリブデンシリサイドをエッチングストッパー層として用いる場合においては、モリブデンシリサイドがクロムニウムのエッチング液に対してほとんどエッチングされないために、良好なエッチングストッパー層として機能する。
次にモリブデンシリサイド膜についても、同様にレジストプロセスを用いて、エッチングストッパー層を加工する。
この際、モリブデンシリサイド膜を成膜した後に、エッチングしただけではエッチング後の加工形状が所望の状態にならない場合があることが判明した。具体的には、遮光層とエッチングストッパー層の界面のみエッチングが加速して進行することで、界面に隙間が発生してしまう場合がある。これは、遮光層を形成するクロムニウムを主成分とする膜とエッチングストッパー層の密着性に問題があるために発生するものと推測される。
遮光層と接する界面のモリブデンシリサイドの屈折率nを低くして、低エッチングレート領域12Aとし、その下層のモリブデンシリサイド膜の屈折率nを高くして、高エッチングレート領域12Bとすることで、遮光層とエッチングストッパー層との界面におけるエッチングの加速を抑制することが可能となる。
モリブデンシリサイド膜の深さ方向での屈折率nを制御する方法としては、モリブデンシリサイド膜を積層化して、層毎の屈折率nを変化させることも可能であるし、モリブデンシリサイド膜の深さ方向で連続的に屈折率nを変化させることも可能である。
モリブデンシリサイド膜を積層化して、層ごとの屈折率nを変化させる方法としては、それぞれの層を成膜する際のスパッタリング電力によって成膜速度を変化させる手法を採用することができる。つまり、バッキングプレート、ターゲットへと供給するスパッタリング電力量を膜厚変化に応じて増減することで、膜厚に応じた成膜速度を変化させて、モリブデンシリサイド膜中の屈折率nを厚さ方向に制御することが可能である。
また、スパッタ成膜中にスパッタリング電力量を時間的に変化させることでモリブデンシリサイド膜の深さ方向での屈折率nが連続的に変化するように制御することも可能である。
ここでは、本実験例のハーフトーンマスクブランクスにおける諸元を示す。
ガラス基板寸法;500mm×1200mm
モリブデンシリサイド膜ターゲット組成比;Si/Mo=2.3
スパッタガス;Ar,N
スパッタ圧;0.2Pa
図11にモリブデンシリサイドの成膜条件のパラメータとして、スパッタリング電力量を変化させて成膜したモリブデンシリサイド膜において、波長365nmに対する光学定数としての屈折率nの変化を示す。図11においては、スパッタリング電力量をPowerと記載する。
次に、この屈折率nを変化させたモリブデンシリサイド膜をエッチングストッパー層12として形成した下置き構造のハーフトーンマスクブランクスにおいて、それぞれエッチングして、ハーフトーン層11におけるピンホール欠陥の有無を確認した。
ここで、モリブデンシリサイド膜をエッチングするために用いたエッチング液は、フッ化水素酸と酸化剤を含む溶液である。
その結果、波長365nmに対するモリブデンシリサイド膜の屈折率nが2.4以下で膜厚が3nm以上であれば、ピンホール欠陥が発生しないことが確認できた。
同様に、図11にモリブデンシリサイドの成膜条件のパラメータとして、スパッタリング電力量(Power)を変化させて成膜したモリブデンシリサイド膜において、波長365nmに対する光学定数としての消光係数kの変化を示す。
次に、この消光係数kを変化させたモリブデンシリサイド膜をエッチングストッパー層12として形成した下置き構造のハーフトーンマスクブランクスにおいて、それぞれエッチングして、ハーフトーン層11におけるピンホール欠陥の有無を確認した。
ここで、モリブデンシリサイド膜をエッチングするために用いたエッチング液は、フッ化水素酸と酸化剤を含む溶液である。
その結果、波長365nmに対するモリブデンシリサイド膜の消光係数kが0.6以下で膜厚が3nm以上であれば、ピンホール欠陥が発生しないことが確認できた。
<実験例2>
次に、実験例2として、実験例1と同様にモリブデンシリサイド膜の波長365nmに対する屈折率nと光学定数としての消光係数kとを変化させた。この実験例においては、モリブデンシリサイド膜の成膜条件のパラメータとして、スパッタリング時の雰囲気ガスのうち、窒素ガスの分圧を変化させた。
図12にモリブデンシリサイドの成膜条件のパラメータとして、スパッタリング時の窒素ガスの分圧を変化させて成膜したモリブデンシリサイド膜において、波長365nmに対する光学定数としての屈折率nおよび消光係数kの変化を示す。図12においても、スパッタリング電力量をPowerと記載する。また、図12には、波長365nmに対する屈折率nおよび消光係数kと、モリブデンシリサイド膜のエッチングレートとの関係を示す。
図12において、MoSi E.R.は、モリブデンシリサイドのエッチングレートを意味し、Quartz E.Rは、ガラス基板のエッチングレートを意味している。また、MoSi E.R./Quartz E.Rは、ガラス基板のエッチングレートに対するモリブデンシリサイドのエッチングレートの比を意味している。
次に、この屈折率nを変化させたモリブデンシリサイド膜をエッチングストッパー層12として形成した下置き構造のハーフトーンマスクブランクスにおいて、それぞれエッチングして、ハーフトーン層11におけるピンホール欠陥の有無を確認した。
ここで、モリブデンシリサイド膜をエッチングするために用いたエッチング液は、フッ化水素酸と酸化剤を含む溶液である。
その結果、波長365nmに対するモリブデンシリサイド膜の屈折率nが2.4以下で膜厚が3nm以上であれば、ピンホール欠陥が発生しないことが確認できた。
同様に、波長365nmに対するモリブデンシリサイド膜の消光係数kが0.6以下で膜厚が3nm以上であれば、ピンホール欠陥が発生しないことが確認できた。
<実験例3>
次に、実験例1,2のように、エッチング耐性が高いモリブデンシリコンでエッチングストッパー層12の全体を均一に形成し、このハーフトーンマスクブランクスをエッチングによりパターニングすると、トータルのエッチング時間が長くなりすぎ、ガラス基板表面にダメージが発生した。
そこで、低エッチングレート領域12Aとしての膜厚を3nmとして、それよりガラス基板Sに近接する部分のエッチング耐性を弱くし、この領域を高エッチングレート領域12Bとした。
つまり、モリブデンシリサイド膜の深さ方向での屈折率nおよび消光係数kを変化させて、これをエッチングストッパー層12としたハーフトーンマスクブランクスを形成した。
この際、実験例2と同様に、成膜時の窒素分圧を変化させることで、モリブデンシリサイド膜の屈折率nおよび消光係数kを変化させた。
モリブデンシリサイド膜の深さ方向での窒素濃度を制御する方法としては、モリブデンシリサイド膜を積層化して、層毎の窒素濃度を変化させることも可能であるし、モリブデンシリサイド膜の深さ方向で連続的に窒素濃度を変化させることも可能である。
モリブデンシリサイド膜を積層化して、層ごとの窒素濃度を変化させる方法としては、それぞれの層を成膜する際のガス流量を変化させる手段を採用することができる。
スパッタリング法を用いる場合においては、窒素元素を含有するガスである窒素、一酸化窒素、二酸化窒素等のガス流量を不活性ガスであるアルゴン等のガス流量と比較して制御することで、モリブデンシリサイド膜中の窒素濃度を制御することが可能である。
また、スパッタ成膜中に窒素を含むガス流量比を時間的に変化させることでモリブデンシリサイド膜の深さ方向での窒素濃度を連続的に制御することも可能である。インライン型やインターバック型のスパッタ装置を使う場合においては、窒素ガスとその他のガスの比率をターゲットに対する位置で制御することで、深さ方向において窒素濃度を制御することが可能である。
その結果、モリブデンシリサイド膜において、低エッチングレート領域12Aでの波長365nmに対する屈折率が2.4以下であり、高エッチングレート領域12Bでの波長365nmに対する屈折率が2.6以上であり、低エッチングレート領域12Aの膜厚が3nm以上で、深さ方向の残部が高エッチングレート領域12Bであれば、ピンホール欠陥が発生しないことが確認でき、かつ、他の層やガラス基板表面へのダメージが発生しないことが確認できた。
同様に、モリブデンシリサイド膜において、低エッチングレート領域12Aでの波長365nmに対する消光係数kが0.6以下であり、高エッチングレート領域12Bでの波長365nmに対する消光係数が0.8以上であり、低エッチングレート領域12Aの膜厚が3nm以上で、深さ方向の残部が高エッチングレート領域12Bであれば、ピンホール欠陥が発生しないことが確認でき、かつ、他の層やガラス基板表面へのダメージが発生しないことが確認できた。
また、モリブデンシリサイド膜の波長に対する屈折率nの変化を図9および以下に示す。ここで、低低E.R.は窒素分圧100%に対応し、低E.R.は窒素分圧40%に対応し、中E.R.は窒素分圧30%に対応し、高E.R.は窒素分圧20%に対応し、高高E.R.は窒素分圧10%に対応している。
波長(nm) 、 低低E.R. 、 低E.R. 、 中E.R. 、 高E.R. 、 高高E.R.
349.3289 、 2.256867 、 2.411265 、 2.435675 、 2.601973 、 2.656682
350.9153 、 2.257991 、 2.412372 、 2.437143 、 2.605597 、 2.66277
352.5017 、 2.259095 、 2.413452 、 2.438593 、 2.609116 、 2.668776
354.0881 、 2.260177 、 2.414502 、 2.440027 、 2.61253 、 2.674701
355.6744 、 2.261237 、 2.415523 、 2.441442 、 2.615841 、 2.680545
357.2607 、 2.262277 、 2.416514 、 2.442838 、 2.619053 、 2.686306
358.847 、 2.263298 、 2.417479 、 2.444218 、 2.622167 、 2.691979
360.4332 、 2.264301 、 2.418419 、 2.44558 、 2.625189 、 2.69756
362.0195 、 2.265289 、 2.419335 、 2.446925 、 2.62812 、 2.703047
363.6057 、 2.266262 、 2.42023 、 2.448253 、 2.630964 、 2.708434
365.1918 、 2.267223 、 2.421104 、 2.449565 、 2.633724 、 2.71372
366.778 、 2.268172 、 2.42196 、 2.450861 、 2.636402 、 2.718901
368.3642 、 2.26911 、 2.422799 、 2.45214 、 2.639 、 2.723974
369.9503 、 2.27004 、 2.423622 、 2.453404 、 2.641521 、 2.728936
371.5364 、 2.270962 、 2.42443 、 2.454653 、 2.643968 、 2.733786
373.1225 、 2.271877 、 2.425225 、 2.455886 、 2.646341 、 2.738519
374.7085 、 2.272786 、 2.426009 、 2.457105 、 2.648644 、 2.743134
376.2946 、 2.273691 、 2.426781 、 2.458309 、 2.650879 、 2.747628
377.8806 、 2.274593 、 2.427544 、 2.459499 、 2.653046 、 2.752001
379.4666 、 2.275491 、 2.428298 、 2.460675 、 2.655149 、 2.756248
381.0525 、 2.276389 、 2.429045 、 2.461836 、 2.657187 、 2.760369
382.6385 、 2.277285 、 2.429785 、 2.462984 、 2.659164 、 2.764362
384.2243 、 2.278181 、 2.43052 、 2.464119 、 2.66108 、 2.768225
385.8102 、 2.279077 、 2.43125 、 2.465241 、 2.662938 、 2.771957
387.3961 、 2.279975 、 2.431975 、 2.466349 、 2.664737 、 2.775556
388.9819 、 2.280875 、 2.432698 、 2.467445 、 2.666481 、 2.779021
390.5677 、 2.281777 、 2.433418 、 2.468529 、 2.668169 、 2.782353
392.1535 、 2.28268 、 2.434134 、 2.4696 、 2.669805 、 2.78556
393.7393 、 2.283582 、 2.434846 、 2.470659 、 2.671391 、 2.788647
395.325 、 2.284483 、 2.435554 、 2.471705 、 2.672928 、 2.79162
396.9107 、 2.285381 、 2.436256 、 2.47274 、 2.674419 、 2.794484
398.4964 、 2.286275 、 2.436953 、 2.473763 、 2.675865 、 2.797245
400.082 、 2.287164 、 2.437644 、 2.474775 、 2.677268 、 2.799908
401.6677 、 2.288047 、 2.438328 、 2.475774 、 2.67863 、 2.802479
403.2532 、 2.288924 、 2.439005 、 2.476762 、 2.679953 、 2.804961
404.8388 、 2.289793 、 2.439674 、 2.477739 、 2.681238 、 2.80736
406.4243 、 2.290654 、 2.440336 、 2.478704 、 2.682488 、 2.80968
408.0099 、 2.291506 、 2.440989 、 2.479659 、 2.683703 、 2.811925
409.5953 、 2.292348 、 2.441633 、 2.480602 、 2.684885 、 2.8141
411.1808 、 2.29318 、 2.442269 、 2.481534 、 2.686036 、 2.816209
412.7662 、 2.294 、 2.442895 、 2.482455 、 2.687157 、 2.818254
414.3516 、 2.294808 、 2.443511 、 2.483366 、 2.688249 、 2.820241
415.937 、 2.295604 、 2.444118 、 2.484266 、 2.689315 、 2.822172
417.5223 、 2.296387 、 2.444715 、 2.485156 、 2.690354 、 2.824051
419.1076 、 2.297156 、 2.445301 、 2.486035 、 2.691369 、 2.825881
420.6929 、 2.297911 、 2.445876 、 2.486903 、 2.69236 、 2.827666
422.2782 、 2.298652 、 2.44644 、 2.487762 、 2.693329 、 2.829409
423.8634 、 2.299378 、 2.446993 、 2.48861 、 2.694278 、 2.831111
425.4485 、 2.300088 、 2.447535 、 2.489449 、 2.695206 、 2.832777
427.0337 、 2.300783 、 2.448065 、 2.490277 、 2.696115 、 2.834409
428.6188 、 2.301461 、 2.448584 、 2.491095 、 2.697007 、 2.836009
430.2039 、 2.302123 、 2.44909 、 2.491904 、 2.697881 、 2.83758
431.789 、 2.302768 、 2.449585 、 2.492703 、 2.69874 、 2.839124
433.374 、 2.303398 、 2.450069 、 2.493493 、 2.699583 、 2.840642
434.959 、 2.304012 、 2.450542 、 2.494274 、 2.700412 、 2.842134
436.544 、 2.304611 、 2.451006 、 2.495046 、 2.701226 、 2.8436
438.1289 、 2.305196 、 2.45146 、 2.495811 、 2.702026 、 2.845042
439.7138 、 2.305767 、 2.451905 、 2.496568 、 2.702812 、 2.846459
441.2987 、 2.306324 、 2.452343 、 2.497318 、 2.703586 、 2.847853
442.8835 、 2.30687 、 2.452773 、 2.498061 、 2.704347 、 2.849223
444.4683 、 2.307402 、 2.453196 、 2.498798 、 2.705096 、 2.850571
446.0531 、 2.307923 、 2.453613 、 2.499528 、 2.705833 、 2.851897
447.6378 、 2.308433 、 2.454024 、 2.500252 、 2.706559 、 2.853201
449.2225 、 2.308931 、 2.454429 、 2.500971 、 2.707273 、 2.854484
450.8072 、 2.309419 、 2.45483 、 2.501684 、 2.707978 、 2.855747
また、モリブデンシリサイド膜の波長に対する消光係数kの変化を図10および以下に示す。ここで、低低E.R.は窒素分圧100%に対応し、低E.R.は窒素分圧40%に対応し、中E.R.は窒素分圧30%に対応し、高E.R.は窒素分圧20%に対応し、高高E.R.は窒素分圧10%に対応している。
波長(nm) 、 低低E.R. 、 低E.R. 、 中E.R. 、 高E.R. 、 高高E.R.
349.328949 、 0.489276 、 0.615144 、 0.740586 、 1.024858 、 1.344557
350.915344 、 0.487492 、 0.613128 、 0.738761 、 1.020491 、 1.340879
352.501709 、 0.485725 、 0.611141 、 0.736959 、 1.016098 、 1.337082
354.088074 、 0.483977 、 0.609182 、 0.735179 、 1.011676 、 1.333163
355.674377 、 0.482247 、 0.607251 、 0.733421 、 1.007224 、 1.329121
357.260681 、 0.480533 、 0.605347 、 0.731685 、 1.002748 、 1.324967
358.846954 、 0.478836 、 0.603468 、 0.729969 、 0.998257 、 1.320715
360.433197 、 0.477152 、 0.601612 、 0.728272 、 0.993759 、 1.316381
362.01947 、 0.475481 、 0.599778 、 0.726593 、 0.989262 、 1.311977
363.605652 、 0.473821 、 0.597964 、 0.724932 、 0.984773 、 1.307515
365.191833 、 0.472172 、 0.596168 、 0.723286 、 0.980299 、 1.303008
366.778015 、 0.470531 、 0.59439 、 0.721656 、 0.975846 、 1.298466
368.364166 、 0.468898 、 0.592627 、 0.72004 、 0.971421 、 1.2939
369.950287 、 0.467271 、 0.590879 、 0.718438 、 0.967029 、 1.28932
371.536407 、 0.465651 、 0.589144 、 0.716849 、 0.962677 、 1.284735
373.122467 、 0.464035 、 0.587422 、 0.715272 、 0.958369 、 1.280154
374.708527 、 0.462423 、 0.58571 、 0.713706 、 0.95411 、 1.275585
376.294556 、 0.460813 、 0.584008 、 0.712151 、 0.949906 、 1.271037
377.880554 、 0.459206 、 0.582316 、 0.710606 、 0.945759 、 1.266516
379.466553 、 0.457601 、 0.580631 、 0.70907 、 0.941676 、 1.26203
381.052521 、 0.455996 、 0.578954 、 0.707543 、 0.937659 、 1.257585
382.638458 、 0.454391 、 0.577283 、 0.706025 、 0.933713 、 1.253188
384.224335 、 0.452785 、 0.575618 、 0.704514 、 0.929841 、 1.248843
385.810242 、 0.451179 、 0.573957 、 0.703011 、 0.926046 、 1.244557
387.396088 、 0.44957 、 0.5723 、 0.701514 、 0.922331 、 1.240335
388.981934 、 0.447959 、 0.570647 、 0.700023 、 0.9187 、 1.236182
390.567719 、 0.446346 、 0.568997 、 0.698539 、 0.915152 、 1.232098
392.153503 、 0.444732 、 0.567352 、 0.697062 、 0.911683 、 1.228083
393.739288 、 0.443116 、 0.565712 、 0.695594 、 0.908291 、 1.224134
395.325012 、 0.441501 、 0.56408 、 0.694134 、 0.904971 、 1.220249
396.910706 、 0.439886 、 0.562455 、 0.692684 、 0.901721 、 1.216426
398.496399 、 0.438272 、 0.56084 、 0.691244 、 0.898536 、 1.212664
400.082031 、 0.436659 、 0.559234 、 0.689815 、 0.895415 、 1.20896
401.667664 、 0.435049 、 0.557639 、 0.688398 、 0.892354 、 1.205313
403.253235 、 0.433442 、 0.556056 、 0.686994 、 0.889351 、 1.201721
404.838806 、 0.431838 、 0.554485 、 0.685602 、 0.886401 、 1.198183
406.424347 、 0.430237 、 0.552927 、 0.684224 、 0.883504 、 1.194698
408.009857 、 0.428641 、 0.551383 、 0.68286 、 0.880657 、 1.191264
409.595337 、 0.427049 、 0.549854 、 0.68151 、 0.877856 、 1.187879
411.180817 、 0.425463 、 0.54834 、 0.680176 、 0.8751 、 1.184542
412.766205 、 0.423882 、 0.546842 、 0.678856 、 0.872387 、 1.181253
414.351624 、 0.422306 、 0.54536 、 0.677553 、 0.869714 、 1.17801
415.936951 、 0.420737 、 0.543895 、 0.676265 、 0.867079 、 1.174811
417.522308 、 0.419174 、 0.542447 、 0.674994 、 0.864481 、 1.171656
419.107605 、 0.417617 、 0.541017 、 0.67374 、 0.861917 、 1.168544
420.692932 、 0.416068 、 0.539605 、 0.672504 、 0.859386 、 1.165474
422.278168 、 0.414526 、 0.538212 、 0.671284 、 0.856886 、 1.162444
423.863373 、 0.412991 、 0.536839 、 0.670082 、 0.854415 、 1.159455
425.448547 、 0.411465 、 0.535484 、 0.668899 、 0.851972 、 1.156504
427.033691 、 0.409946 、 0.53415 、 0.667733 、 0.849554 、 1.153591
428.618835 、 0.408435 、 0.532835 、 0.666586 、 0.847161 、 1.150715
430.203918 、 0.406933 、 0.531541 、 0.665457 、 0.844792 、 1.147877
431.789001 、 0.405439 、 0.530267 、 0.664347 、 0.842444 、 1.145074
433.374023 、 0.403954 、 0.529013 、 0.663255 、 0.84012 、 1.142307
434.959045 、 0.402477 、 0.527778 、 0.66218 、 0.837819 、 1.139577
436.544006 、 0.401009 、 0.526562 、 0.661123 、 0.835542 、 1.136885
438.128906 、 0.399549 、 0.525364 、 0.660082 、 0.833289 、 1.13423
439.713806 、 0.398098 、 0.524183 、 0.659057 、 0.831062 、 1.131612
441.298676 、 0.396655 、 0.52302 、 0.658048 、 0.828859 、 1.129032
442.883484 、 0.395221 、 0.521873 、 0.657055 、 0.826683 、 1.12649
444.468323 、 0.393796 、 0.520743 、 0.656076 、 0.824532 、 1.123987
446.05307 、 0.392379 、 0.519628 、 0.655112 、 0.822408 、 1.121522
447.637848 、 0.39097 、 0.518529 、 0.654162 、 0.820311 、 1.119095
449.222504 、 0.38957 、 0.517444 、 0.653226 、 0.818241 、 1.116708
450.80719 、 0.388178 、 0.516374 、 0.652303 、 0.816198 、 1.114359
これらから、一例として、モリブデンシリサイド膜の成膜において、高エッチングレート領域12Bに対応するように、スパッタリング電力量(Power)を7.5kW以上として15nm成膜し、さらに、低エッチングレート領域12Aに対応するように、スパッタリング電力量(Power)を4.2kW以下として5nm成膜してエッチングストップ層を形成することができる。
同様に、一例として、モリブデンシリサイド膜の成膜において、高エッチングレート領域12Bに対応するように、窒素ガス分圧(%)を50%以上として15nm成膜し、さらに、低エッチングレート領域12Aに対応するように、窒素ガス分圧(%)を20%以下として5nm成膜してエッチングストップ層を形成することができる。
上記の結果から、本発明によれば、エッチングストッパー層におけるエッチングレートを屈折率nおよび/または消光係数kによって規制してこれを所定の状態に設定することで、ガラス基板表面のダメージをなくし、ピンホール欠陥がなく、パターニング形状の正確性の高いフォトマスクを製造可能とすることができることがわかる。
なお、上記の実施形態および実施例においては、フォトマスクとしてハーフトーンマスク、および、ハーフトーンマスクブランクスについて記載しているが、ハーフトーン膜を位相シフト膜に変えれば金属シリサイド膜をエッチングストッパー層とする下置き位相シフトマスクブランクスおよび位相シフトマスクを形成することが可能である。本発明の技術を用いることで同様にピンホール欠陥を防止して基板ダメージの発生しない下置き位相シフトマスクを製造することが可能である。
この場合、上記の実施形態および実施例において、符号11を読み替えた位相シフト層11としては、300nm以上500nm以下の波長領域の何れかの光(例えば、波長365nmのi線)に対して略180°の位相差をもたせることが可能な厚さ(例えば、90~170nm)で形成されることができる。位相シフト層11も、同様にCrを含有することができ、フォトマスクとして必要な光学特性を有して形成される。
さらに、位相シフト層11、エッチングストッパー層12、遮光層13、の積層された位相シフトマスクブランクスMBから形成された各パターニング形状である位相シフトパターン11a、エッチングストッパーパターン12a、遮光パターン13aとしては、位相シフトマスクMとして必要なそれぞれの所定パターン形状となる。これに対応して、各図において符号M2で示すハーフトーン領域には、ガラス基板Sの表面が露出する領域が形成されていてもよい。
また、位相シフト層11の厚みは、i線に対して略180°の位相差をもたせる厚みとすることができる。さらに、h線またはg線に対して略180°の位相差をもたせることが可能な厚みで位相シフト層11を形成してもよい。ここで「略180°」とは、180°又は180°近傍を意味し、例えば、180°±10°以下である。
本発明の活用例として、半導体およびフラットディスプレイ用のマスクおよびマスクブランクスを挙げることができる。
MB…マスクブランクス
M…ハーフトーンマスク
M1…透過領域
M2…ハーフトーン領域
M3…遮光領域
S…ガラス基板(透明基板)
PR1…フォトレジスト層
PR1a…レジストパターン
11…ハーフトーン層
11a…ハーフトーンパターン
12…エッチングストッパー層
12a…エッチングストッパーパターン
13…遮光層
13a…遮光パターン

Claims (14)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の表面に積層されたハーフトーン層と、
    前記ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層と、
    前記エッチングストッパー層に積層された遮光層と、
    を備えるマスクブランクスであって、
    前記ハーフトーン層と前記遮光層とがCrを主成分とし、
    前記エッチングストッパー層が金属シリサイド化合物からなり、
    前記エッチングストッパー層は、その膜厚方向にエッチングレートの低い低エッチングレート領域と、エッチングレートの高い高エッチングレート領域と、を有し、
    350nm~436nmの波長範囲において、前記低エッチングレート領域での屈折率と前記高エッチングレート領域での屈折率との差Δnの最小値が、0.190(2.411-2.602)~0.256(2.451-2.701)の範囲に設定される、
    ことを特徴とするマスクブランクス。
  2. 365nmの波長において、前記低エッチングレート領域での屈折率が2.4以下であり、前記高エッチングレート領域での屈折率が2.6以上である、
    ことを特徴とする請求項1記載のマスクブランクス。
  3. 透明基板と、
    前記透明基板の表面に積層されたハーフトーン層と、
    前記ハーフトーン層に積層されたエッチングストッパー層と、
    前記エッチングストッパー層に積層された遮光層と、
    を備えるマスクブランクスであって、
    前記ハーフトーン層と前記遮光層とがCrを主成分とし、
    前記エッチングストッパー層が金属シリサイド化合物からなり、
    前記エッチングストッパー層は、その膜厚方向にエッチングレートの低い低エッチングレート領域と、エッチングレートの高い高エッチングレート領域と、を有し、
    365nm~465nmの波長範囲において、前記低エッチングレート領域での消光係数と前記高エッチングレート領域での消光係数との差Δkの最小値が、0.31(0.836-0.527)~0.41(1.025-0.615)の範囲に設定される、
    ことを特徴とするマスクブランクス。
  4. 365nmの波長において、前記低エッチングレート領域での消光係数が0.6以下であり、前記高エッチングレート領域での消光係数が0.8以上である、
    ことを特徴とする請求項3記載のマスクブランクス。
  5. 前記エッチングストッパー層の膜厚方向において、前記低エッチングレート領域と前記高エッチングレート領域との間にエッチングレートの変化する中間領域を有する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のマスクブランクス。
  6. 前記低エッチングレート領域の膜厚が3nm以上10nm以下であり、前記高エッチングレート領域の膜厚が10nm以上である、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のマスクブランクス。
  7. 前記エッチングストッパー層の膜厚方向が20nm~40nmの範囲に設定される、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のマスクブランクス。
  8. 前記エッチングストッパー層の膜厚方向において、前記低エッチングレート領域が前記遮光層に近接して形成される、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のマスクブランクス。
  9. 前記エッチングストッパー層がモリブデンシリサイド化合物からなる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のマスクブランクス。
  10. 請求項1から4のいずれかに記載されたマスクブランクスの製造方法であって、
    前記透明基板に、前記ハーフトーン層と前記エッチングストッパー層と前記遮光層とを順に積層する工程を有し、
    前記エッチングストッパー層を、Siおよび、Ni、Co、Fe、Ti、Al、Nb、Mo、WおよびHfから選択された少なくとも1種の金属を主成分として、スパッタリングにより成膜する際に、スパッタリング電力量、成膜雰囲気としての酸素含有ガス流量、成膜雰囲気としての窒素含有ガス流量から選択される1以上のパラメータを制御して膜厚方向に前記低エッチングレート領域と前記高エッチングレート領域とを形成する、
    ことを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
  11. 請求項1から4のいずれかに記載されたマスクブランクスを用いてハーフトーンマスクを製造する方法であって、
    前記遮光層上に所定のパターンを有するマスクを形成する工程と、
    この形成したマスク越しに前記遮光層をウェットエッチングする工程と、前記エッチングストッパー層をウェットエッチングする工程と、を有する、
    ことを特徴とするハーフトーンマスクの製造方法。
  12. 前記遮光層をウェットエッチングする工程において、
    エッチャントとして、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いる、
    ことを特徴とする請求項11記載のハーフトーンマスクの製造方法。
  13. 前記エッチングストッパー層をウェットエッチングする工程において、
    エッチャントとして、フッ素系のエッチング液を用いる、
    ことを特徴とする請求項12記載のハーフトーンマスクの製造方法。
  14. 請求項13記載の製造方法により製造されたことを特徴とするハーフトーンマスク。
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