JP7215930B2 - 引抜き加工用潤滑剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ステンレス鋼材等の鉄系材料の引抜き加工用潤滑剤に関する。
ステンレス鋼材(SUS)等の鉄系材料は、非鉄金属材料と比べて、加工硬化性が大きく、工具と材料が凝着しやすいため、伸線加工する際の加工性に劣り、製品寸法のばらつきが大きくなりやすいという問題がある。このため、鉄系材料の伸線加工や引抜き加工のような塑性加工に際して、線材とダイスとの間の摩擦低減に使用する潤滑剤には極圧剤などの成分が添加されている。
このような鉄系材料の塑性加工用潤滑剤としては、特許文献1にステンレス管の冷間引抜加工用の潤滑剤として、融点が約50~80℃のパラフィン蝋に、塩素化パラフィンと、リン酸エステル又は亜リン酸エステルとを配合してなる常温で半固体状もしくは固体状の金属引抜加工用潤滑剤が開示されている。
ステンレス鋼材のような難加工材の塑性加工には、塩素化合物が効果的であることが知られている。しかしながら、地球環境への配慮の点から、非塩素系の塑性加工用潤滑剤の開発が進められている。特許文献2では、ステンレスの深絞り加工に用いられる塑性加工用潤滑剤組成物として、亜鉛ジチオホスフェート40~70質量%と、硫黄系極圧剤20~50質量%と、有機酸塩1~40質量%とを含有する塑性加工用潤滑剤組成物が開示されている。
しかしながら、有機酸塩を含む潤滑剤は、引抜き加工時の熱処理後に、金属残渣が伸線に残りやすいという問題がある。
一方、非鉄金属のような柔らかい金属の伸線加工には、種々の潤滑剤が知られている。例えば、特許文献3では、40℃の粘度が600cSt以上の高分子ポリマーからなるベース油と、その2~25重量%量の油脂又は脂肪族ジカルボン酸とを含有する潤滑油が開示されている。特許文献3では、油脂や脂肪族ジカルボン酸の優れた潤滑性や、温度に対する粘度低下が小さいというベース油の特性を活かして、線材表面に対する潤滑剤の付着力を高め、高速伸線において、優れた耐焼付き性及び潤滑性能を発揮し、円滑な伸線加工を可能にすることが開示されている。
しかしながら、ステンレス鋼材(SUS)のように硬く、しかも特に細径の線材を引き抜く場合、特許文献3のような粘度の高い潤滑剤では、線材への付着量が増加するために、引抜き加工時に線材とダイスとの間で磨耗粉を噛み込んで断線に繋がるなどの問題がある。
特開昭62-153396号公報 特開2014-145052号公報 特開平1-282297号公報
本発明は、ステンレス鋼材(SUS)等の難加工な鉄系材料用の引抜き加工用潤滑剤であって、細線や特殊な形状の線材であっても、引抜き時に断線したり、引抜き後に線材に焼付き及び残渣物の発生しない、引抜き加工用潤滑剤を提供することを目的とする。
本発明の引抜き加工用潤滑剤は、基油及び分岐オレフィンポリマーを含有し、前記分岐オレフィンポリマーの含有量が0.01~5重量%であり、前記分岐オレフィンポリマーが、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、エチレン・プロピレン共重合体、及びスチレン・ブタジエン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、かつ、平均分子量が1万~500万であり、該引抜き加工用潤滑剤の40℃における動粘度が1~50mm2/sであることを特徴とする。
前記分岐オレフィンポリマーの含有量が0.1~3重量%であることが好ましい。
前記分岐オレフィンポリマーは、ポリイソブチレン又はポリプロピレンであることが好ましい。
該引抜き加工用潤滑剤の40℃における動粘度は、1~30mm2/sであることが好ましい。
前記基油はエステル、鉱油、及び引火点が50~150℃の溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明によれば、分岐オレフィンポリマーを潤滑剤に特定量で添加して、動粘度を1~50mm2/sの範囲に調整することにより、引抜き加工時の断線を抑え、また、引抜き後に線材に焼付き等が残らない、引抜き加工用潤滑剤を提供することができる。すなわち、前記引抜き加工用潤滑剤は、低粘度であるため、線材に少量で均一に皮膜を形成できるため、線材とダイスとの間に潤滑剤が介在することで断線がなく、引抜き後に焼付きによる変色等が生じたりすることがない。よって、ステンレス鋼材(SUS)等の難加工の線材でしかも、細線の材料の引抜き加工にも好適に用いられる。また、前記引抜き加工用潤滑剤は、引抜き加工後に線材に残渣物を生じることもない。
図1はバウデン試験機の模式図である。 図2はSUS線材を超硬ダイスの中を通して引き抜き、細径に加工する様子を示す図である。
本発明の引抜き加工用潤滑剤は、基油及び分岐オレフィンポリマーを含有し、前記分岐オレフィンポリマーの含有量が0.01~5重量%であり、前記分岐オレフィンポリマーが、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、エチレン・プロピレン共重合体、及びスチレン・ブタジエン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、かつ、平均分子量が1万~500万であり、該引抜き加工用潤滑剤の40℃における動粘度が1~50mm2/sである。
以下、上記引抜き加工用潤滑剤の各要件について詳細に説明する。
上記引抜き加工用潤滑剤は、基油及び分岐オレフィンポリマーを含有する。
前記基油は、鉱油、エステル、及び引火点が50~150℃の溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
鉱油は、石油由来の油であり、その成分のほとんどが芳香族炭化水素、パラフィン系炭化水素及びナフテン系炭化水素である。動粘度範囲は2~1000mm2/sと広く、様々な粘度の鉱油があるが、本発明では、動粘度が2~100mm2/sの鉱油を用いることがより好ましい。本発明において、粘度は動粘度を指す。動粘度とは、粘度をその試料の同一条件下(温度、圧力)における密度で除した値(mm2/s)である。
エステルは、一般式R1C(=O)OR2(R1は炭素数8~20のアルキル基;R2は炭素数1~24のアルキル基)で表される脂肪酸エステル油、及びポリオールエステルが好ましい。脂肪酸エステル油の具体例には、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸2-エチルヘキシル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸プロピル、カプリン酸ブチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、及びオレイン酸ブチル等がある。ポリオールエステルの具体例には、ペンタエリスリトールテトラオレート、トリメチロールプロパントリカプレート、トリメチロールプロパンヤシ前留脂肪酸エステル、トリメチロールプロパントリオレエート、トリメチロールプロパンテトラヘプタノエート及び各種コンプレックスエステル等がある。
引火点が50~150℃の溶剤には、炭化水素系溶剤が挙げられる。具体的には、ノナン、デカン、ウンデカン及びドデカン等のノルマルパラフィン系炭化水素;2,2,4-トリメチルペンタン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン、2-メチルペンタン及び2,2-ジメチルブタン等のイソパラフィン系炭化水素;シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン及びデカヒドロナフタレン等のナフテン系炭化水素等の飽和炭化水素溶剤;ならびにベンゼン、トルエン、キシレン及びアルキルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤;オレフィン系炭化水素等の不飽和炭化水素溶剤等が挙げられる。
すなわち、本発明の引抜き加工用潤滑剤には、潤滑剤に通常用いられる基油を添加することができる。これらのうち、鉱油及びエステルが好ましく、潤滑性や、鉄系線材の新生面への吸着性の点からはエステル油がより好ましい。エステル油は分子内に金属と強く結合する極性基を有しており、金属表面に潤滑性の良好な吸着膜を形成するためである。また、エステル油でも長い炭素鎖を持つ化合物では、当該炭素鎖部分が物理吸着や化学吸着により、金属表面に吸着膜を形成する。このため、エステルは、引抜き材料やダイス等の金属表面に吸着膜を形成し、比較的低温で低荷重の条件下にも摩耗低減効果を発揮する。
上記基油は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
基油の含有量は、基油と分岐オレフィンポリマーとの合計中、通常95~99.99重量%、好ましくは97~99.9重量%、より好ましくは98~99.9重量%である。上記基油の含有量を上記範囲内で適宜変更することにより、引抜き加工用潤滑剤の動粘度を容易に調整することができる。
分岐オレフィンポリマーは、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、エチレン・プロピレン共重合体及びスチレン・ブタジエン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、かつ、平均分子量が1万~500万である。
なお、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、エチレン・プロピレン共重合体、及びスチレン・ブタジエン共重合体は水素添加してもよく、該水素添加は、完全な水素化飽和でも、部分的な水素添加でもよい。
これらの分岐オレフィンポリマーは、ポリイソブチレン又はポリイソプレンが好ましい。また、その平均分子量は3万~400万であることが好ましく、5万~300万であることがより好ましい。なお、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)を指す。分岐オレフィンポリマーの平均分子量を1万~500万の範囲内で適宜変更することにより、引抜き加工用潤滑剤の動粘度を調整することができる。分子量が大きいほど粘度は高く、分子量が小さいほど粘度は低くなる。分岐オレフィンポリマーの平均分子量が500万を超えると、基油との相溶性が低下し、均一な状態を保てなくなることがある。一方、分岐オレフィンポリマーの平均分子量が1万を下回ると、引抜き加工用潤滑剤の潤滑性が不十分なことがある。
分岐オレフィンポリマーの含有量は、基油及び分岐オレフィンポリマーの合計中、0.01~5重量%、好ましくは0.1~3重量%、より好ましくは0.1~2重量%である。上記分岐オレフィンポリマーの含有量が0.01重量%未満であると、引抜き加工用潤滑剤の潤滑性が十分でないことがある。一方、5重量%超であると、高粘度化のために線材表面へ摩耗粉が噛み込むことによる断線のリスクが増加する。
本発明では、引抜き加工用潤滑剤中に、屈曲した構造を有する分岐オレフィンポリマーを添加することで、該分岐オレフィンポリマーがそのレオペクシー性により、せん断応力の高い過大な摩擦状態にあっても油膜破断が発生し難くなり、焼付きの防止が可能となる。
上記引抜き加工用潤滑剤には、基油及び分岐オレフィンポリマーに加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、ポリスルフィド及び硫化油脂等の硫黄系極圧添加剤、炭酸カルシウム等の無機物、リン酸エステル及び亜リン酸エステル等のリン系極圧添加剤、亜鉛ジチオホスフェート、並びに、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の耐熱樹脂といった添加剤を添加してもよい。これらの添加剤の含有量は、組成物全体中、通常0.1~30重量%、好ましくは0.1~15重量%、より好ましくは0.1~5重量%である。
上記引抜き加工用潤滑剤は、基油、分岐オレフィンポリマー及びその他の任意成分を通常の方法で攪拌・混合して調製することができる。
上記引抜き加工用潤滑剤の40℃における動粘度は、通常1~50mm2/s、好ましくは1~30mm2/sである。動粘度が50mm2/sを超えると、付着量の増加に繋がり、引抜き加工時に磨耗粉等を噛み込み断線に繋がる懸念がある。
ここで、上記引抜き加工用潤滑剤の潤滑性は、図1に示すように、滑り距離試験により評価する。すなわち、引抜き加工用潤滑剤1を支持台3に載せた試験鋼板2上に少量滴下し、鋼球5を一定荷重Wで押し付け、該引抜き加工用潤滑剤1を一定の滑り速度で滑らせて、鋼球5に働く摩擦力Pをストレインゲージにより検出し、μ=P/Wの式により摩擦係数μを算出する。本発明では、25mmの距離を20回摺動させた際の平均摩擦係数を潤滑性としている。
本発明の引抜き加工用潤滑剤は、特に、ステンレス鋼(SUS)に代表される難加工の鉄系金属の引抜き加工に好適に用いられる。図2は、このような難加工材の代表例である、SUS線材7を超硬ダイス6の中を通して引き抜き、細線に加工する様子を示している。上記引抜き加工用潤滑剤は、特に、細線化加工に好適で、線径0.1~1mmの細線を得ることができる。なお、本発明の引抜き加工用潤滑剤が、その他の用途、例えば、プレス加工、絞り加工、しごき加工、曲げ加工、転造加工及び冷間鍛造加工などの潤滑剤としても広く使用可能であることはいうまでもない。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により制限されるものではない。
〔実施例1〕
[1]引抜き加工用潤滑剤の調製
基油としてカプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)99.9重量%と、分岐オレフィンポリマーとしてポリイソプレン(平均分子量5万)0.1重量%とを混合して、試料を調製した。
各成分の含有量を表2に示す。なお、実施例及び比較例において、基油及び分岐オレフィンポリマーの合計を100重量%とする。
[2]引抜き加工用潤滑剤の評価
(1)動粘度
JIS K 2283に準拠して測定した。具体的には、キャノンフェンスケ粘度計に所定量の試料を入れ、所定の温度になるまで静置した。その後、所定の範囲を試料が通過する時間を測定し、係数を用いて動粘度を算出した。結果を表2に示す。
(2)潤滑性(摩擦係数)
バウデン試験により、各試料の潤滑性を評価した。具体的には、試料を試験鋼板上に塗布し、鋼球を一定荷重(負荷荷重W)で押し付け、摺動速度Vで往復運動させた。その際、鋼球に働く摩擦力Pをストレインゲージにより検出し、μ=P/Wの式により摩擦係数μを算出した。試験機の概要を図1に、試験条件を表1に示す。
Figure 0007215930000001
結果を表2に示す。摩擦係数が低いほど、潤滑剤として優れた性能を有する。摩擦係数が0.15未満であれば良好、0.15~0.20は概ね良好、0.20を超える場合は問題ありと判断した。
(3)残渣物試験
熱重量分析(TGA)により、各試料の残渣の有無を確認した。
試料15±3mgを載せたアルミニウムパンをチャンバー内に置いて、300ml/分の流量で空気フロー下に昇温速度20℃/分で800℃まで加熱した後、残渣の量を目視で観察した。表2中、残渣なしを「なし」とし、残渣ありを「あり」と表記した。
(4)付着量試験
鋼板(60mm×80mm)を試料中に全浸漬した後、引き上げて、垂直に吊り下げて24時間静置した。静置前及び静置後の重量の変化から試料の付着性を評価した。表2中、付着量が20mg未満であれば良好、20mg以上では問題ありと判断した。
〔実施例2〕
実施例1において、分岐オレフィンポリマーとしてポリイソプレン(平均分子量5万)に代えてポリイソプレン(平均分子量300万)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例3〕
実施例1において、分岐オレフィンポリマーとしてポリイソプレン(平均分子量5万)に代えてポリイソプレン(平均分子量50万)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例4〕
実施例1において、基油として、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)に代えて鉱油(動粘度10mm2/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例5〕
実施例1において、基油として、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)に代えてイソパラフィン系溶剤(動粘度2.5mm2/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例6〕
実施例1において、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)の量を99.9重量%から99.5重量%に変更したこと、および、ポリイソプレン(平均分子量5万)の量を0.1重量%から0.5重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例7〕
実施例1において、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)の量を99.9重量%から99.0重量%に変更したこと、及び、ポリイソプレン(平均分子量5万)の量を0.1重量%から1.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例8〕
実施例1において、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)の量を99.9重量%から98.0重量%に変更したこと、及び、ポリイソプレン(平均分子量5万)の量を0.1重量%から2.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例9〕
実施例1において、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)の量を99.9重量%から97.0重量%に変更したこと、及び、ポリイソプレン(平均分子量5万)の量を0.1重量%から3.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
〔実施例10〕
実施例1において、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)の量を99.9重量%から99.99重量%に変更したこと、及び、ポリイソプレン(平均分子量5万)の量を0.1重量%から0.01重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、得られた引抜き加工用潤滑剤を評価した。
分岐オレフィンポリマーの含有量を1.0重量%(実施例7)、2.0重量%(実施例8)、
及び3.0重量%(実施例9)と増加させるにつれて、動粘度が高くなり、付着量が増加した。分岐オレフィンポリマーの添加量を適切に調節することで、所望の引抜き加工用潤滑剤が得られることがわかる。実施例10の試料では、分岐オレフィンポリマーの含有量が少なかったため、他の実施例と比べて摩擦係数が高くなった。
〔比較例1〕
基油であるカプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)を試料とし、実施例1と同様にして、該試料を評価した。
比較例1の試料は、高い摩擦係数を示した。分岐オレフィンポリマーを添加しなかったため、潤滑性が低かったためと考えられる。
〔比較例2〕
実施例1において、カプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)の量を99.9重量%から40重量%に変更したこと、基油として、カプリル酸2-エチルヘキシルに加えて、ペンタエリスリトールテトラオレート(動粘度64mm2/s)54重量%を使用したことと、及び、ポリイソプレン(平均分子量5万)の量を0.1重量%から6.0重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を調製した。
実施例1と同様にして、前記試料を評価した。
比較例2の試料では、分岐オレフィンポリマーの含有量が多かったため、動粘度の上昇および付着量の増加が確認された。
〔比較例3〕
基油としてカプリル酸2-エチルヘキシル(動粘度2.5mm2/s)95重量%と、カルシウムスルホネート5.0重量%とを混合して、試料を調製した。
実施例1と同様にして、前記試料を評価した。
比較例3の試料では、カルシウムスルホネートを添加したため、TGAの結果、金属とみられる残渣物が認められた。
Figure 0007215930000002
Figure 0007215930000003
1 引抜き加工用潤滑剤
2 試験鋼板
3 支持台
4 円柱棒
5 鋼球
6 超硬ダイス
7 SUS線材

Claims (4)

  1. 基油及び分岐オレフィンポリマーを含有する伸線加工用潤滑剤であって、
    前記分岐オレフィンポリマーの含有量が0.01~5重量%であり、
    前記分岐オレフィンポリマーが、ポリイソプレン及びスチレン・ブタジエン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、かつ、平均分子量が1万~500万であり、
    伸線加工用潤滑剤の40℃における動粘度が1~50mm2/sであることを特徴とする伸線加工用潤滑剤。
  2. 前記分岐オレフィンポリマーの含有量が0.1~3重量%である、請求項1に記載の伸線加工用潤滑剤。
  3. 該引抜き加工用潤滑剤の40℃における動粘度が1~30mm2/sである、請求項1又は2に記載の伸線加工用潤滑剤。
  4. 前記基油がエステル、鉱油、及び引火点が50~150℃の溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1~のいずれか一項に記載の伸線加工用潤滑剤。
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