JP7214572B2 - パレット交換装置によるワーク重量検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は工作機械(マシニングセンタ:MC)のパレット交換装置(APC)によるワーク重量検出方法に関する。
一般に工作機械はパレット交換装置を備え、未加工ワークを載せて機外側の段取りステーションに搬入されたパレットと、加工済ワークを載せ機内側のパレット脱着位置に到着した機内テーブル上のパレットを、パレット交換装置の一対のアームを昇降・旋回することにより交換する(特許文献1、2参照)。
特許第4310156号公報 特開2009-208202号公報 特公平7-22863号公報 特許第2717605号公報
一方、パレット交換装置のサイクルタイムを短縮するため、ワーク重量の変化によるパレット交換装置の負荷変動に基づいてサーボ機構の追従感度を設定するKV値(サーボループゲイン)を変えるようにしたパレット交換装置が提案されている(特許文献3、4参照)。しかしながら、サーボ機構の負荷から個々のワーク重量を精度良く検出することが難しく、KV値を適切に制御できないためにハンチングやオーバーシュートを引き起こす可能性があった。勿論、ワーク重量を検出する専用工程を設けることも可能であるが、そうするとサイクルタイムと設備コストが増大する。
そこで本発明の目的は、サイクルタイムと設備コストを増大することなく、パレット交換装置によって個々のワーク重量を精度良く検出することにある。
前記課題を解決するため、本発明のワーク重量検出方法は、垂直な旋回軸の回りに旋回可能かつ前記旋回軸に沿って昇降可能であって、ワークを搭載するパレットを支持可能な一対のフォークが前記旋回軸の半径方向両側に延びたパレット支持部材を、サーボ機構によって旋回および昇降することでパレットを交換するパレット交換装置において、
ワークが搭載されたパレットをフォークに移載するため前記パレット支持部材を前記サーボ機構によって段階的に上昇させる際に、第1段階の上昇によって前記一対のフォークのうち片側のフォークに第1のワークを搭載したパレットを移載し、当該移載によって前記サーボ機構に作用する負荷に基づいて第1のワークの重量を検出した後、第2段階の上昇によって反対側のフォークに第2のワークを搭載したパレットを移載し、当該移載によって前記サーボ機構に作用する負荷の増分に基づいて第2のワークの重量を検出するようにしたことを特徴とする。
本発明はパレット交換装置の動作を利用することで、サイクルタイムと設備コストを増大することなく個々のワーク重量を精度良く検出することができる。
本発明の実施形態に係るパレット交換装置を使用した工作機械の(a)側面図と(b)平面図である。 パレット交換装置の正面図である。 パレット交換装置を機外側から見た斜視図である。 パレット交換装置の要部を示す斜視図である。 機内テーブルの側面図である。 機内テーブルの平面図である。 段取りステーションのパレット支持台を斜め下方から見た斜視図である。 パレット支持部材が最高の第3の高さに位置するパレット交換装置の側面図である。 パレット支持部材が最低の定位置に位置するパレット交換装置の側面図である。 パレット交換装置の作動ステージを示すもので、パレット支持部材が最低の定位置から最高の第3の高さに移動するまでを示す図である。 パレット交換装置の作動ステージを示すもので、パレット支持部材が最高の第3の高さで180°水平旋回し、第2の高さに移動して機内テーブルを加工位置に逃がすまでを示す図である。 パレット交換装置の作動ステージを示すもので、パレット支持部材が第1の高さから最低の定位置に移動するまでを示す図である。 作動ステージに対応してフォークの高さ位置、荷重、速度を時間軸に沿って示す図である。 パレット交換方法のフローチャートである。
以下、図面に基いて本発明の実施形態に係るパレット交換装置と、このパレット交換装置を使用した工作機械(マシニングセンタ)について説明する。なお、各図面で共通する部材には原則として同じ符号を付すことで、一度説明した部材についてはその後の重複した説明を省略することとする。
(工作機械の概要)
図1(a)(b)は工作機械(マシニングセンタ)100の側面図と平面図を示すもので、工作機械100は機枠110の図示右側が機内側で左側が機外側である。機内側に工具が取付けられる主軸120が移動可能に配設され、機外側にワークの搬入・搬出設備が配設される。パレット交換装置200は機内側と機外側の中間位置に配設されている。機枠110の側面には操作パネル130が水平方向に旋回可能に配設されている。
図2A、図2Bに示すように、パレット交換装置200は垂直な旋回部材210を有する。この旋回部材210の上下両端部は、図2Bの矩形枠状のフレーム体の下辺部201中央上面と上辺部203中央下面にそれぞれ回転可能に軸支されている。下辺部201と上辺部203は、左右の側辺部202、202で連結されることで矩形枠状のフレーム体を構成している。
旋回部材210はその垂直な旋回軸210aを中心として旋回可能とされている。この旋回軸210aは、後述する機内側パレット脱着位置と機外側段取りステーションの中間に位置する。旋回部材210には図2Cに示すように、矩形枠状のフレーム体の内側を閉塞する仕切部材207が取付けられる。この仕切部材207は、機内側の切削屑や切削油の外部飛散を防止するためのもので、仕切部材207によって機内側と機外側が隔絶される。
矩形枠状のフレーム体の上辺部203の中央上面に、ギヤードモータ211とカムボックス212が配設されている。ギヤードモータ211の水平回転軸がカムボックス212の側面に配置された入力軸に連結され、カムボックス212の下面に配置された出力軸に旋回部材210の上端部が連結されている。そして、ギヤードモータ211を正転(または逆転)することによって、旋回部材210が水平方向(図2Bの矢印B方向)に180°で旋回するように構成されている。このように、パレット交換装置200は矩形枠状のフレーム体と一体にユニット化されているので、既存の5軸制御MCにも比較的簡単に組み込み可能である。なお、旋回部材210の旋回角度は近接スイッチで確認するようにしているが、ギヤードモータ211の代わりにステッピングモータを使用すれば近接スイッチは省略可能である。
図2Aに示すように、旋回部材210の垂直な側面に、垂直方向に2本の案内レール217(直動転がりガイド)が配設されている。一方、パレット支持部材220の上下左右4箇所に被ガイド部222が配設され、当該被ガイド部222が案内レール217に摺動可能に係合している。
旋回部材210の上部に、図2A、図2Cに示すように、パレット支持部材220を昇降させる昇降機構としてサーボモータ213が配設されている。このサーボモータ213の出力軸に、垂直なボールねじ214の上端部が連結されている。ボールねじ214の上端部と下端部は、旋回部材210の側面に配設された支持金具215、216で回転可能に支持されている。ステッピングモータ211とサーボモータ213によってサーボ機構が構成され、当該サーボ機構は図2Cのモータ制御装置400で制御される。
ボールねじ214が挿通されたナット221が、パレット支持部材220の中央部に固定されている。これにより、サーボモータ213を正転または逆転することにより、パレット支持部材220が案内レール217に沿って昇降するようになっている(図2A、図2Bの矢印A方向)。パレット支持部材220の昇降動作の詳細については図6A~図8を参照して後述する。
(段取りステーション)
図2Bの矩形枠状のフレーム体の下辺部201の機外側にパレット支持台204が固定配置されている。このパレット支持台204の上に円盤状のパレット旋回テーブル205が配設されている。パレット旋回テーブル205とパレット支持台204との間にローラベアリングが配設され、パレット旋回テーブル205がその中心回りに水平旋回可能とされている。
パレット旋回テーブル205の上で、工作機械100の外部から搬送されてくる未加工ワークと、工作機械100の機内から出てくる加工済ワークを、パレットPに搭載した状態で入れ替える。すなわちパレット旋回テーブル205によって段取りステーションが構成される。パレット旋回テーブル205の上に搬送された未加工ワークは、段取りのためパレット旋回テーブル205を90°間隔で旋回することでパレットPを含めた未加工ワークの向きを変更することができる。
図2A~図2Cに示すように、パレット支持部材220は、旋回部材210の旋回軸210aに関して左右対称形に構成され、パレット支持部材220の左右両端部に一対のフォーク230が形成されている。この一対のフォーク230は図2C、図4に示すようにU字状を成し、フォーク230の先端部と基端部の合計4箇所に、パレットPの底面を支持する突起231が形成されている。
そして機外側の段取りステーション(パレット支持台204)において、ワークの搬入・搬出設備によってパレット支持台204の上の円盤状のパレット旋回テーブル205に上方から載置されるパレットPの下部を、図4のように、フォーク230の内側に受け入れ可能に構成されている。また機内側では機内テーブル300の上端部を水平方向からフォーク230の内側に受け入れ可能に構成されている。前記パレット旋回テーブル205の上面には、パレットPの下部を支持する突起部205aが複数形成されている。
(機内テーブル)
図3Aと図3Bは、トラニオン方式の機内テーブル300を示す側面図と平面図である。機内テーブル300は揺りかご形状を成し、パレットPを着脱可能に位置決めできるように構成されている。機内テーブル300は主軸120に対して前後動、旋回動および揺動可能に構成され、その位置と姿勢を変えることによって、主軸120に取付けられる工具で機内テーブル300上のワークWに多様な加工を施すことができるようにしてある。
本発明に係るパレット交換装置200を適用する工作機械100は5軸制御MCであって、5軸制御を実現するために機内テーブル300をトラニオン方式にしている。すなわち、機内テーブル300上にパレットPを位置決めした状態で、パレットPを主軸120に対して前後動させたり、旋回させたり、揺動させたりすることができる。図3AのAxは揺動中心を示し、揺動中心Axの回りに揺動角θの範囲内でワークWと共にパレットPを自由に揺動させることができる。
トラニオン方式の機内テーブル300は主軸120による加工時に揺動角θで揺動するので、図2Aにおいて機内テーブル300の移動領域Kの内側にフォーク230が進入すると機内テーブル300と干渉する。そこで本発明ではパレット支持部材220をワーク加工時に領域Kの下側に退避させることにした。
特許文献1の従来のパレット交換装置は、フォークを上方に屈曲可能に構成することで領域Kの干渉を回避する構成であったが、フォークを屈曲可能に構成することは機構的に複雑化してコストアップになる。また特許文献2の従来のパレット交換装置は左右分割型のフォークを左右に開くことで領域Kの干渉を回避する構成であったが、当該構成も機構的に複雑化してコストアップになる。またフォークの左右両側に開くためのスペースも必要となる。
本発明のパレット交換装置200は、パレット支持部材220の高さを低くするだけで領域Kの干渉を回避することができるので、機構的に複雑化することがなく低コストで実現可能であり、汎用性も確保できる。また設置スペースも少なくて済むので、パレット交換装置200を含む工作機械全体の小型化を図ることができる。また、段取りステーションの高さが低くなることでワーク入れ替え作業の操作性も向上する。
従来のパレット交換装置の昇降機構は、パレットを持ち上げて旋回させる高位置と、パレットを機内テーブルと段取りステーションに載置する低位置の2位置だけに昇降するため、昇降機構に油圧シリンダを使用するのが通常であった。しかし、本発明のパレット交換装置200は、図2Aの領域Kと高さ方向で干渉を回避するために、後述する少なくとも3つの高さ位置にパレット支持部材220ないしフォーク230を移動可能にする必要性から、昇降機構として油圧シリンダではなくサーボモータ213とボールねじ214を使用する。
前述のように、サーボモータ213はステッピングモータ211と共に図2Cのモータ制御装置400で制御されるが、本発明のパレット交換装置200はパレット支持部材220の昇降移動量(昇降高さ)が従来のパレット交換装置よりも大きい。このため、サーボモータ213の追従感度を設定する加速度やサーボループゲインを、図7、図8で後述するように個々のワークの重量に応じて適切に制御することが、サイクルタイムを低減し、ハンチングやオーバーシュートを防止するためにいっそう重要である。
(パレット脱着位置)
図5A、図5Bは、主軸120から後退してパレット脱着位置に到着した機内テーブル300を示す。このパレット脱着位置で図5Aのようにパレット支持部材220を上昇することで、機内テーブル300のパレットPをフォーク230に移載する。また図5Bのようにパレット支持部材220を下降することで、フォーク230に支持したパレットPを機内テーブル300に移載する。
(パレット交換装置の作動ステージ)
次に、パレット交換装置200によるパレット交換方法の作動ステージ1~13を図6A~図6C、図7を参照して説明する。図6A~図6Cの各図上部にある括弧付き数字(1)~(13)と、図7の下部にある1から13の丸囲い数字がステージ番号を表す。図7はフォーク230の高さ位置、荷重、速度を時間軸に沿って示す。図7のフォークの昇降速度(v1,v2)はv1=低速(分速数m)、v2=高速(分速数十m)である。またフォークの荷重L1~L3は以下通りである。
L1:パレット支持部材220の荷重
L2:パレット支持部材220+機外パレットP+未加工ワークW1の荷重
L3:パレット支持部材220+機外パレットP+未加工ワークW1
+機内パレットP+加工済ワークW2の荷重
図6Aのステージ1では機内のワークW2(第2のワーク)が加工中であって、機外では未加工ワークW1(第1のワーク)を搭載したパレットPが段取りステーションに置かれている。このステージ1で機内側のフォーク230がトラニオン方式の機内テーブル300よりも下方に位置しているので、ワークW2の加工中に機内テーブル300が揺動しても当該機内テーブル300はフォーク230と干渉することがない。また未加工ワークW1がある段取りステーションでは、パレットPの下側に10mmの隙間を開けてフォーク230が待機している。
図6Aのステージ2で、機内でワークW2を加工中に、サーボモータ213を駆動してパレット支持部材220を低速v1で23mm上昇させ(第1段階の上昇で第1の高さ)、当該23mm上昇する間に未加工ワークW1を搭載したパレットPをフォーク230に移載する。パレット支持部材220を低速v1で上昇させるのは、パレットPをフォーク230に移載する際の衝撃を少なくし、ワークW1の位置ズレを防止するためである。
ステージ2からサーボモータ213を高速v2で駆動してパレット支持部材220を470mmの高さ(第2の高さ)に上昇させることでステージ3になる。このステージ3で機内側のフォーク230が機内テーブル300の上端部を受け入れ可能になる。なお、図7のステージ2と3の間でパレット支持部材220を瞬間的に停止(速度ゼロ)しているが、停止することなく低速v1から高速v2に連続変化させることも可能である。
次に、加工が終了したワークW2を載せたパレットPを搭載した機内テーブル300が矢印方向に後退してステージ4のようにパレット脱着位置に到着する。そしてステージ5でサーボモータ213を駆動してパレット支持部材220を低速v1で23mm上昇させ(第3の高さ)、ワークW2を載せたパレットPを機内側フォーク230に移載する。低速v1で上昇させるのは衝撃を少なくし位置ズレを防止するためである。
次に、図6Bのステージ6で機内テーブル300をパレット脱着位置から離間する方向(主軸側)に一時的に退避させ、その間にステージ7でギヤードモータ211(図2Bほか)を駆動して旋回部材210を180°旋回させ、パレット支持部材220を180°旋回させる。これにより、機内の加工済ワークW2と機外の未加工ワークW1が入れ替えられる。
次に、機内テーブル300を矢印方向に移動してステージ8のように元のパレット脱着位置に戻す。そしてステージ9でサーボモータ213を駆動してパレット支持部材220を低速v1で43mm下降させ(第2の高さ)、当該43mm下降する間に未加工ワークW1を載せたパレットPをフォーク230から機内テーブル300に移載する。移載した後はパレットPとフォーク230の間に10mmの隙間ができる。低速v1で下降するのは機内テーブル300に与える衝撃を少なくし、ワークW1の位置ズレを防止するためである。
その後、機内テーブル300を矢印方向(主軸側)に移動して未加工ワークW1を加工位置に移動する。ステージ10からサーボモータ213を高速v2で駆動してステージ11のようにパレット支持部材220を下降させ(第1の高さ)、さらにステージ12でパレット支持部材220を低速v1で23mm下降させ(定位置)、加工済ワークW2を載せたパレットPを段取りステーションに移載する。
低速v1で下降させるのは段取りステーションのパレット旋回テーブル205に作用する衝撃を少なくするためである。なお、図7のステージ11と12の間でパレット支持部材220を瞬間的に停止(速度ゼロ)しているが、停止することなく高速v2から低速v1に連続変化させることも可能である。
ステージ13は、ギヤードモータ211とサーボモータ213が停止し、旋回部材210とパレット支持部材220が完全に停止した状態である。この完全停止状態で、加工済ワークW2が段取りステーションから搬出され、代わりに新たな未加工ワークを搭載したパレットが段取りステーションに搬入される。以上のステージを繰り返すことで、複数のワークが次々と加工される。
なお、図7の高さ(mm)は一例であって、これら数値に限定されるものではないことは勿論である。すなわち、パレット支持部材220は第1の高さから第2の高さへ例えば300mm~500mm上昇させ、また第2の高さから第3の高さへ10mm~50mm上昇させてもよい。また、段取りステーションに定置された未加工ワークを搭載したパレットをフォークに移載するため、最低高さの定位置から第1の高さへ例えば10mm~50mm上昇させてもよい。
(ワーク重量の検出)
本発明のワーク重量検出方法は、重量検出だけのためのパレット交換装置の特別な動作をいっさい必要とせず、したがって工作機械100の加工時間(サイクルタイム)を延長することなくワーク重量(未加工ワークと加工済ワークのワーク重量)を検出する。すなわち、本発明のワーク重量検出はパレット交換装置200の本来の動作を利用して行う。加工エリアにワークを搬入する際に、パレット交換は必ず行われるので、加工プログラムの実行前に所定の動作を行うことなく常に未加工ワークと加工済ワークの重量を検出することができる。
通常のパレット交換装置は、機内側のパレット脱着位置と機外側の段取りステーションでフォークによってパレットを同時に持上げ、そのまま180度旋回することで機内と機外のパレットの交換を行う。したがって、パレット支持部材には未加工ワークと加工済ワークの2つのワークの重量が同時に作用する。このため、パレットを持ち上げるフォークに歪みゲージや圧電素子を取り付けて荷重計算したり、パレット支持部材を昇降する油圧シリンダの昇降速度や油圧を検出して荷重計算したりしても、いずれか一方のワークのみの重量は検出することができなかった。
本発明のパレット交換装置200は、前述したようにステージ2(図6Aの(2))で未加工ワークW1を先にフォーク230で持ち上げ、その後ステージ5(図6Aの(5))で加工済ワークW2をフォーク230で持ち上げる。したがって、ステージ2において、パレット支持部材220を昇降するサーボモータ213の回転速度や電流を検出することで、未加工ワークW1の重量を間接的に検出することができる。
詳しくは、ステージ2の段取りステーションにおいて未加工ワークW1を載せたパレットPを持上げた後、ステージ5のパレット脱着位置において加工済ワークW2を載せたパレットPを持ち上げるまでの間に、サーボモータ213には段取りステーション側の未加工ワークW1の重量に比例したトルクTが生じている。このトルクTは以下の式1で表される。
Figure 0007214572000001
T:サーボモータのトルク, I:サーボモータの電流値
k:トルク定数. J:サーボモータとボールねじのイナーシャ
Cr:回転部の粘性, fr:回転部の摩擦トルク
M:パレットとワークの質量, Cl:直動部の粘性
fl:直動部の摩擦力, ω:角速度, v:パレットの速度
R=p/2π:変換係数, p:ボールねじのピッチ
パレットの上昇が一定速度の場合にはdω/dt=0,dv/dt=0であるのでトルクTは(式2)で表される。
Figure 0007214572000002
また,パレットMpのみが上昇する場合のトルクTpと電流値Ipは(式3)で表される。
Figure 0007214572000003
したがって、ワークの重量Mwは次式で表される。
Figure 0007214572000004
予めパレットMpのみが上昇する場合の電流値Ipをモータ制御装置400のメモリなどに記憶しておけば、計測した電流値Iからワークの重量Mwを検出することができる。
本発明によれば、加工時間(サイクルタイム)が延びることなく加工前のワークの重量を検出することができ、重量に応じてサーボ制御パラメータ(サーボループゲイン)の調整や加減速加速度を自動的に決定することができる。
(フローチャート)
図8は、パレット交換装置の作動とワーク重量の検出を示すフローチャートである。スタートがステージ1である。このステージ1ではパレット支持部材220がパレットPにまだ当たっておらず無負荷である。
次にサーボモータ213をONにするとサーボモータ213が低速で回転(緩回転)してステージ2になる。この緩回転のときのサーボモータ213の加速度やサーボループゲインは無負荷に対応した小さな値である。そしてステージ2でパレット支持部材220が定位置から第1の高さH1に緩上昇し、未加工ワークW1を載せたパレットPが段取りステーションからフォーク230に移載される。
パレットPがフォーク230に移載されるといったんサーボモータ213をOFFにする。このとき、直近のサーボモータ213の電流値Iから未加工ワークW1の重量M1をモータ制御装置400で演算する。
その後、重量M1に対応してサーボモータ213の加速度やサーボループゲインを増大し、サーボモータ213を高速回転(急回転)してステージ3になる。このステージ3ではパレット支持部材220が第1の高さH1から第2の高さH2に重量M1に対応した最大加速度で急上昇する。
第2の高さH2に到達した時点でサーボモータ213をOFFにする。この状態でステージ4になり、加工済ワークW2を載せたパレットPを支持する機内テーブル300が加工位置から後退してパレット脱着位置に到着する。
機内テーブル300がパレット脱着位置に到着するとサーボモータ213を低速で回転(緩回転)してステージ5になる。このステージ5では、パレット支持部材220が第2の高さH2から第3の高さH3に緩上昇し(第2段階の上昇)、加工済ワークW2を載せたパレットPが機内テーブル300からフォーク230に移載される。
パレット支持部材220が第3の高さH3に上昇したときに、サーボモータ213の電流値Iから未加工ワークW1と加工済ワークW2の合計重量M1+2をモータ制御装置400で演算する。同時に、合計重量M1+2-重量M1の減算により加工済ワークW2の重量M2を演算する。
パレット支持部材220が第3の高さH3に上昇してサーボモータ213をOFFにした状態でステージ6になり、このステージ6で機内テーブル300がパレット脱着位置から退避する。
機内テーブル300が退避するとステッピングモータ211をONにしてステージ7になる。このステージ7で、パレット支持部材220が合計重量M1+2に対応した最大加速度で180°旋回する。旋回時のステッピングモータ211の加速度やサーボループゲインは、合計重量M1+2に対応して大きくする。
その後、ステージ8で機内テーブル300をパレット脱着位置に復帰させ、サーボモータ213をON(緩回転)にしてステージ9になる。このステージ9でパレット支持部材220が第3の高さH3から第2の高さH2に緩下降し、未加工ワークW1を載せたパレットPがフォーク230から機内テーブル300に移載される。
未加工ワークW1を載せたパレットPが機内テーブル300に移載されるとサーボモータ213をOFFにし、ステージ10で機内テーブル300がパレット脱着位置から加工位置へ移動する。
その後、サーボモータ213をON(急回転)してステージ11になり、パレット支持部材220が第2の高さH2から第1の高さH1に重量M2に対応した最大加速度で急下降する。サーボモータ213の加速度やサーボループゲインは重量M2に対応して大きくする。
パレット支持部材220が第1の高さH1に到達したらサーボモータ213をいったんOFFにし、サーボモータ213を緩回転で再度ONにしてステージ12、13になる。このステージ12、13ではパレット支持部材220が第1の高さH1から定位置に緩下降し、
加工済ワークW2を載せたパレットPがフォーク230から段取りステーションに移載される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば前記実施形態では、検出したワーク重量に基づいてパレット支持部材220を昇降するサーボ機構の加速度やサーボループゲインを最適化したが、パレット交換装置の下流側でワークを積載して駆動する送り軸や回転テーブルなどの駆動系に使用するサーボ機構のパラメータや加減速加速度などを最適化してもよい。
また、前記実施形態ではパレット支持部材220を、定位置、第1の高さ、第2の高さ、第3の高さに移動させたが、機外側のワーク搬入・搬出設備によって段取りステーションの定位置で待機しているフォーク230にワークを低速で直接移載可能に構成してもよく、その場合は第1の高さを省略してパレット支持部材220を定位置から第2の高さに直接移動可能にすればよい。この場合の昇降機構の高さ制御は、定位置、第2の高さ、第3の高さの3位置となる。また昇降機構としては、サーボモータ213とボールねじ214の組み合わせ以外であっても、複数高さに正確な昇降が可能であれば任意の昇降機構を採用可能である。
100:工作機械 110:機枠
120:主軸 130:操作パネル
200:パレット交換装置 201:フレーム体の下辺部
202:フレーム体の側辺部 203:フレーム体の上辺部
204:パレット支持台 205:パレット旋回テーブル
205a:突起部 207:仕切部材
210:旋回部材 210a:旋回軸
211:ギヤードモータ 212:カムボックス
213:サーボモータ 214:ボールねじ
215、216:支持金具 217:案内レール
220:パレット支持部材 221:ナット
222:被ガイド部 230:フォーク
231:突起 300:機内テーブル
Ax:揺動中心 400:モータ制御装置
K:移動領域 W1:未加工ワーク(第1のワーク)
W:ワーク W2:加工済ワーク(第2のワーク)
P:パレット θ:揺動角

Claims (4)

  1. 垂直な旋回軸の回りに旋回可能かつ前記旋回軸に沿って昇降可能であって、ワークを搭載するパレットを支持可能な一対のフォークが前記旋回軸の半径方向両側に延びたパレット支持部材を、サーボ機構によって旋回および昇降することでパレットを交換するパレット交換装置において、
    ワークが搭載されたパレットをフォークに移載するため前記パレット支持部材を前記サーボ機構によって段階的に上昇させる際に、第1段階の上昇によって前記一対のフォークのうち片側のフォークに第1のワークを搭載したパレットを移載し、当該移載によって前記サーボ機構に作用する負荷に基づいて第1のワークの重量を検出した後、第2段階の上昇によって反対側のフォークに第2のワークを搭載したパレットを移載し、当該移載によって前記サーボ機構に作用する負荷の増分に基づいて第2のワークの重量を検出するようにしたことを特徴とするワーク重量検出方法。
  2. 工具を装着する主軸がある工作機械の機内側でワーク搭載用のパレットを着脱可能に位置決めして前記主軸に対して前後動、旋回動および揺動可能に配設された機内テーブルが前記主軸から後退して到着するパレット脱着位置と、当該パレット脱着位置から見て前記主軸と反対側の機外側でパレットに搭載した未加工ワークと加工済ワークを入れ替える段取りステーションとの間で、パレットを支持可能な一対のフォークを両側に有するパレット支持部材をサーボ機構によって垂直な旋回軸の回りに旋回することでパレットを交換するパレット交換装置を使用して、
    前記機内テーブルが前記主軸の前の加工位置に前進しているとき、前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記機内テーブルと干渉しない定位置に下降させ、
    ワークの加工が終わると、前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記定位置から第1の高さに上昇させて前記段取りステーションの未加工ワークを搭載したパレットを前記フォークに移載し、
    前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記第1の高さから第2の高さに上昇させ、前記機内テーブルが前記パレット脱着位置に後退するときに前記フォークの間に前記機内テーブルの上端部を受け入れ、
    前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記第2の高さから第3の高さに上昇させ、前記機内テーブルに支持されたパレットを前記フォークに移載し、
    前記機内テーブルを前進させて前記パレット脱着位置から退避させた状態で前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記旋回軸の回りに旋回することでパレットを交換し、
    前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記定位置から前記第1の高さに上昇させたときに、前記サーボ機構に作用する負荷に基づいて未加工ワークの重量M1を検出することを特徴とするワーク重量検出方法。
  3. 前記パレット支持部材を前記サーボ機構で前記第2の高さから前記第3の高さに上昇させたときに、前記サーボ機構に作用する負荷に基づいて未加工ワークと加工済ワークの合計重量M1+2を検出することを特徴とする請求項2のワーク重量検出方法。
  4. 前記未加工ワークと加工済ワークの合計重量M1+2から、前記未加工ワークの重量M1を減算することで加工済ワークの重量M2を検出することを特徴とする請求項3のワーク重量検出方法。
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