JP7214408B2 - 画像加熱装置及び回転体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式等の画像形成装置として複写機やプリンタ等に用いられる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置及び回転体に関する。
近年、画像加熱装置として、加熱回転体の発熱層を直接発熱させることができる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置が提案されている。ここで、電磁誘導加熱方式の発熱回転体に、クラックなどの破損が発生すると、破損端部で発熱が集中して局所的に温度が上昇(過昇温)する場合があった。局所的な温度上昇は、画像ムラ、ホットオフセットなどの画像弊害を引き起こす可能性がある。そして、発熱回転体の周回方向に電流が流れる構成では、発熱回転体の長手方向にクラックなどの破損が発生すると、回り込む電流の影響によって破損端部の局所的な温度上昇がより顕著になる。
これに対し、発熱回転体にクラックなどが発生した場合において、回転体の過昇温を抑制するために、発熱回転体の発熱層が発熱回転体の長手方向に電気的に分割された構成が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、分割された発熱層が、発熱回転体の長手方向において重なる領域を備える第1の場合と、長手方向において重なる領域を備えず、隣接する発熱層の間に分割部を備えたものを積層し、分割部の位置を重ならないようにした第2の場合が記載される。
特開2015-118232号公報
しかしながら、特許文献1における第1の場合、重ね合わせ部の位置を正確に揃えないと発熱層の厚み方向の層数が発熱回転体の長手方向で異なり、加熱回転体の長手方向における温度ムラが発生する課題があった。また、特許文献1における第2の場合、厚み方向から見て分割部と重なっている発熱層の熱が分割部に伝わり、加熱回転体の長手方向における温度ムラが発生する課題があった。
本発明の目的は、発熱回転体としての筒状の回転体にクラック等が生じた場合の過昇温の抑制と、回転体の長手方向における温度ムラによる画像不良の発生の抑制を容易に両立できる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置及び回転体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像加熱装置は、筒状の回転体であって、前記回転体の長手方向において電気的に分割された筒状の複数の分割発熱体を備える回転体と、前記回転体に対向する対向体と、前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置であって、前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る画像加熱装置は、周囲を絶縁処理した筒状の分割発熱体を複数備える筒状の回転体であって、複数の前記分割発熱体が、前記回転体の長手方向で隣りにある前記分割発熱体に対して一部が前記回転体の径方向に重なるように前記長手方向に並んで配置された回転体と、前記回転体に対向する対向体と、前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置であって、前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る回転体は、筒状の回転体であって、前記回転体の長手方向において電気的に分割された筒状の複数の分割発熱体を備える回転体と、前記回転体に対向する対向体と、前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置に用いられる前記回転体であって前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る回転体は、周囲を絶縁処理した筒状の分割発熱体を複数備える筒状の回転体であって、複数の前記分割発熱体が、前記回転体の長手方向で隣りにある前記分割発熱体に対して一部が前記回転体の径方向に重なるように前記長手方向に並んで配置された回転体と、前記回転体に対向する対向体と、前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置に用いられる前記回転体であって前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする。
本発明によれば、筒状の回転体にクラック等が生じた場合の過昇温の抑制と、回転体の長手方向における温度ムラによる画像不良の発生の抑制を容易に両立できる。
第1の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置Bにおける加熱回転体としての定着フィルムの断面図 本発明の実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置の断面図 定着装置Bの正面図 発熱層の電磁誘導加熱を説明するための図 発熱層の電流と磁場を表わした模式図 定着フィルムの破損の有無による電流を説明する模式図 比較例1、比較例2を説明するための定着フィルムの断面図 第2の実施形態に係る定着フィルムの断面図 第2の実施形態における長手方向におけるズレLを説明するための図 比較例3を説明するための定着フィルムの断面図 第3の実施形態に係る定着フィルムの断面図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置Bを搭載した画像形成装置(電子写真記録技術を用いたモノクロプリンタ)100の断面図である。画像形成装置100において、記録材(記録媒体、記録紙)Pにトナー画像を形成する画像形成部Aは、像担持体としての感光ドラム101と、帯電部材102と、レーザスキャナ103と、現像器104と、を有している。更に画像形成部Aは、感光ドラムをクリーニングするクリーナ109と、転写部材108と、を有している。以上の画像形成部Aの動作は周知であるので、詳細な説明は割愛する。
画像形成装置本体100Aのカセット105に収納された記録材Pは、ローラ106の回転によって1枚ずつ繰り出される。その記録材Pは、ローラ107の回転によって感光ドラム101と転写部材108とで形成された転写ニップ部108Tに搬送される。転写ニップ部108Tでトナー画像が転写された記録材Pは、搬送ガイド110を介して定着装置Bに送られ、トナー画像は定着装置Bで記録材Pに加熱定着される。定着装置Bは、後に詳述するように、定着ニップ部Nを形成する定着フィルム1と加圧ローラ8を備える。
そして、定着装置Bを出た記録材Pは、ローラ111およびローラ112の回転によってトレイ113に排出される。
(画像加熱装置)
1)概略構成
図3は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置Bの概略断面図である。ここで、定着装置Bを構成する部材に関し、長手方向とは記録材Pの搬送方向および記録材Pの厚さ方向に直交する方向である。また、短手方向とは記録材Pの搬送方向で、長手方向に直交する方向である。
本実施形態の定着装置Bは、回転可能に支持された円筒形の加熱回転体(発熱回転体)である定着フィルム1と、定着フィルム1に対向する対向体としての加圧ローラ7を有する。更に、定着フィルム1を挟んで加圧ローラ7と共にニップ部を形成するニップ部形成部材としての耐熱性樹脂などで構成された定着フィルムガイド9を有する。そして、定着フィルム1の内部に、磁性コア2の周囲に励磁コイル3を巻き回した磁場発生手段(磁界発生手段)を回転軸方向(長手方向)に挿通した構成としている。
加圧ローラ7は、径方向に芯金7aと弾性層7bと離型層7cを備えた外径30mmの加圧部材である。そして、加圧ローラ7は、不図示の軸受け手段、付勢手段により総圧約100N~200N(約10kgf~約20kgf)の押圧力をもって定着フィルムガイド9との間に定着フィルム1を挟んで圧接し、定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。ニップ部Nでは、トナー画像Tを担持した記録材Pを挟持搬送する。
なお、図3において、4は定着フィルム1の表面温度を検知する温度検知素子である。
次に、図1は本実施形態における定着フィルム1の断面図を示す。図1(a)は短手方向の断面図であり、図1(b)は長手方向の断面図であり、図1(c)は図1(b)の点線部分の拡大図である。定着フィルム1は、直径10~100mmの円筒回転体であり、層構成は厚み方向に内側から基層1a、発熱層1b、熱伝導層1c、弾性層1d、離型層1eで構成される。そして、本実施形態では定着フィルム1の外径を30mmとした。
定着フィルム1の基層1aの材質は、非磁性の性質を持ち、体積電気抵抗率が高い物質が適している。例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などに代表される樹脂、炭素繊維強化樹脂(CFRP)やガラス繊維強化樹脂(GFRP)などに代表される繊維強化樹脂などがある。また、基層1aの厚みは、樹脂を用いる場合、回転体としての強度とニップ部Nによる摺動性および定着フィルム1の回転安定性が得られ易い、20~200μmが適している。本実施形態では、定着フィルム1の基層1aはPIで形成し、厚さは60μmとした。
本実施形態では、基層1aの外面に発熱層1bを形成する。発熱層1bは、例えば、金、銀、銅、鉄、白金、スズ、SUS、チタン、アルミニウム、ニッケルなどの体積電気抵抗率の低い金属が適している。本実施形態では、発熱層1bの材質は銀を用い、厚みは5μmとした。
また、発熱層1bは、定着フィルム1の回転軸方向(長手方向)Xに電気的に分割した複数の分割発熱体1b1によって形成されている。本実施形態の定着装置Bは、後述するように、定着フィルム1を周回するように磁路を形成する構成であり、磁束を発熱層1bの内部に誘導するタイプのものではない。そのため、発熱層1bとして、磁路とならない薄い磁性金属や、非磁性金属を用いることができる。
以下に、発熱層1bの形成方法の一例を説明する。上記金属の微粒子とポリイミド前駆体溶液を含む塗料を作製し、その塗料をブレードやスクリーン印刷などの手段により基層1aの上に塗布して塗膜を形成する。なお、塗布の際には、長手方向には予め一般的なマスキング処理などによる手法にて、長手方向における分割発熱体1b1の幅が10mm、隣り合う分割発熱体を電気的に分割する分割部1b2の幅が300μmとなるように形成する。
その後、上記塗膜を300~500℃程度まで徐々に加熱して乾燥しイミド化を進行させ、基層1aと強固に接着するとともに、回転軸方向Xに電気的に分割した複数の分割発熱体1b1からなる発熱層1bを形成する。
次に、発熱層1bの外面側に、分割発熱体1b1に接しもしくは塗膜などを介して近接するように、熱伝導層1cを形成する。熱伝導層1cは、熱伝導性に優れ(実質的に発熱しないものが好ましく、発熱量は分割発熱体の発熱量よりも低い)、電気絶縁性を有した材料が適している。熱伝導層が実質的に発熱する場合は、熱伝導層において長手方向にクラックなどの破損が発生すると、破損端部の局所的な温度上昇がより顕著になる可能性がある。
電気絶縁性を有した物質として、例えば、PI、PAI、アクリル、エポキシなどに代表される樹脂を挙げることができる。そして、前記樹脂を主成分とし、熱導電フィラーを添加分散させたものを、熱伝導層1cに使用することができる。
熱伝導フィラーとしては、熱伝導性と電気絶縁性を兼ね備える無機化合物がある。例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことができる。熱伝導性と充填のし易さなどの観点から、MgO、Al2O3、BN及びAlNからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
熱伝導層1cを構成する樹脂としては、熱、又は光(紫外線など)や電子線などのエネルギー線の照射によって硬化する硬化性材料であり、不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させて得られるアクリル樹脂が好ましい。不飽和二重結合含有アクリル共重合体としては、例えば、JSR社製のアクリル系紫外線硬化樹脂:オプスターZ7501を用いることができる。本実施形態においては、アクリル樹脂を主成分とし、AlNを添加分散させた材料を使用する。
熱伝導層1cの作製方法の一例の概略を示せば、次の通りである。不飽和二重結合含有アクリル共重合体中に、熱伝導フィラーとしてAlNを混合し、高圧乳化分散機で分散混合し、熱伝導層形成用塗工液を作製する。この熱伝導層形成用塗工液を用いて熱伝導層1cを発熱層1b上に形成する方法としては、通常のコーティング方法、例えばディップコート、スプレーコート、ロールコート、スピンコートなどを挙げることができる。これらの方法から適宜選択して用いることで、所望の膜厚の熱伝導層1cを得ることができる。
本実施形態においては、熱伝導層1cの材料が高い絶縁性を有しているため、分割発熱体を電気的に分割する分割部1b2も同じ材料で形成している。
熱伝導層1cの外面には、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどからなる弾性層1dを形成している。本実施形態では、弾性層1dを硬度が20度(JIS-A、1kg加重)のシリコーンゴムを約200μmの厚さで形成した。
弾性層1dの外面には、定着フィルム1へのトナーの付着、及び画像不良の発生を防止することを目的として、離型層1eを形成する。離型層1eには、非粘着性に優れた物質が適している。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)が適している。あるいは、テトラフルオロエチレン・エチレン樹脂(ETFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン樹脂(ECTFE)などが適している。本実施形態では、離型層1eとして厚さ15μmのPFAチューブを被覆した。
図4は、磁性コア2と励磁コイル3の斜視図である。磁性コア2は、円柱形状をしており、不図示の固定手段で定着フィルム1のほぼ中央に配置(挿通)されている。そして、磁性コア2は、励磁コイル3にて生成した交流磁界による磁力線(磁束)を定着フィルム1内部(内面側)に誘導し、磁力線の通路(磁路)を形成する部材として機能する。
この磁性コア2の材質は、ヒステリシス損が小さく、比透磁率の高い材料で形成することが望ましく、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、アモルファス合金やパーマロイなどの高透磁率の酸化物や合金材質で構成する強磁性体が好ましい。また、磁性コア2は、円筒形状部材である定着フィルム1の内部に収納可能な範囲で、極力断面積を大きくとることが望ましく、直径5mm~40mmとした。磁性コア2の形状は、円柱形状に限定されず、角柱形状なども選択できる。
本実施形態においては、磁性コア2は、定着フィルム1内部のみに配置して開磁路を形成する構成としたが、定着フィルム1の外部にもコアを配置して定着フィルム1を周回するようにコアを配設して閉磁路を形成する構成としてもよい。
ここで、励磁コイル3を、耐熱性のポリアミドイミドで被覆した直径1~2mmの銅線材の単一導線として定着フィルム1の中空部において、磁性コア2に巻数約10巻~30巻で螺旋状に巻き回して形成する。本実施形態では、巻き数18回で構成している。励磁コイル3を、定着フィルム1内部にて、回転軸線に交差する方向に巻き回しているため、この励磁コイル3に給電接点部3a,3bを介して高周波電流(交流電流)を流すと、定着フィルム1の回転軸Xに平行方向(長手方向)に磁界(交番磁場)が発生する。
2)画像加熱動作
定着装置Bは、画像形成装置100の画像形成動作が開始されると、所定のタイミングに合わせて、定着フィルム1を電磁誘導加熱するとともに、不図示の駆動手段により、加圧ローラ7を矢印K方向(図3)に回転駆動する。定着フィルム1は、ニップ部Nにおける摩擦力で加圧ローラ7の回転力が作用して、従動回転状態になる。
高周波コンバータ5は、励磁コイル3に、給電接点部3a,3bを介して高周波電流を供給する。制御回路6は、定着フィルム1の表面温度を検知する温度検知素子4によって、検出された温度を基に高周波コンバータ5を制御する。これにより、定着フィルム1を電磁誘導加熱して表面の温度を所定の目標温度(約150℃~200℃)に維持、調整する。
3)定着フィルム1の発熱原理
図5(a)は定着フィルム1の電流(誘導電流)と磁場を表わした短手方向(X方向)の断面模式図であり、図5(b)は定着フィルム1の電流と磁場を表わした長手方向(Y方向)の模式図である。図5(a)は、発熱層1bの中心からコア2と励磁コイル3と発熱層1bを同心円状に配置したものである。図中、Y軸方向について、紙面奥行き方向に向かう矢印磁力線をBin(丸印の中に×印)で模擬し、紙面手前方向に向かう矢印磁力線をBout(丸印の中に黒丸印)で模擬している。
図5(a)で、励磁コイル3の中に矢印Iの向きに電流が増加している瞬間は、磁路の中に紙面奥行き方向に向かう矢印(図中の×印)のように磁力線が形成される。すなわち、発熱層1bの内側であるコア2の中を紙面奥行き方向に向かう磁力線Binを仮に8本とすると、発熱層1bの外側を紙面手前方向に帰ってくる磁力線Boutが同数(8本)形成される。実際に交番磁界を形成した時には、このように形成された磁力線を打ち消すように、発熱層1bの周方向全域に誘導起電力がかかり、矢印Jのように発熱層1cを周回する周回電流Jが流れる。
誘導起電力は、発熱層1bの周方向にかかっているので、周回電流Jは分割された発熱層1bそれぞれの内部を一様に流れる。そして、磁力線は高周波電流により生成消滅と方向反転を繰り返すため、周回電流Jは高周波電流と同期して生成消滅と方向反転を繰り返し流れる。発熱層1bに電流が流れると、発熱層1bの電気抵抗によりジュール熱が生じる。
このジュール発熱の発熱量Peは以下の式(1)で表される。
Figure 0007214408000001
Pe:発熱量
t:発熱層厚み
f:周波数
Bm:最大磁束密度
ρ:抵抗率
ke:比例定数
なお、磁性コア2より生じる磁力線は、定着フィルム1の回転軸と平行(長手方向)に生じるため、周回電流Jは、軸方向と直交する方向に流れる。したがって、発熱層1bを長手方向に電気的に分割した分割発熱体1b1のそれぞれに周回電流が流れる。
上記のようにして発生する周回電流は、内包する磁束と、発熱体の抵抗値に依存し、発熱体自身の磁束密度とは関係しない。そのため、磁路とならない薄い磁性金属製の円筒形回転体でも、非磁性金属製の円筒回転体でも高い効率で発熱することが可能である。また、抵抗値が極端に変わらない範囲においては、材料の厚みにも依存しない。更に、金属材料以外の導電性樹脂などを用いた場合でも、発熱させることは可能である。よって、本実施形態のような周回電流を用いた方式は、従来の電磁誘導加熱方式より、発熱層の材質、厚み、周波数に対する設計自由度を広げることが出来る。
4)発熱層の破損による過昇温
図6は、発熱層に破損を有する場合に、破損部端部で定着フィルム1が過昇温する現象を説明するための模式図である。図6(a)は、長手方向で発熱層が分割されている定着フィルムを用いた場合、図6(b)は、比較のために長手方向で発熱層が分割されていない定着フィルムを用いた場合の例(比較例)を示してある。そして、それぞれの定着フィルム1に対して、長手方向の一部に破損部「Z2」を設けた場合の電流の流れ方を示している。
破損の無い領域「Z1」においては、磁性コア2を貫く軸方向の磁束によって定着フィルム1に誘導起電力が生じ、図6(a)(b)の矢印で示すように定着フィルム1の周回方向に電流が流れる(実際には交流電圧を印加するので、矢印の逆方向にも流れる)。
ここで、破損領域「Z2」では、周回方向に流れる電流が迂回し、破損端Cに電流が回り込むように流れる。比較例を示す図6(b)においては、破損端Cに電流が多く流れ、他の領域に比べ過昇温となる。一方、図6(a)に示すように、長手方向に電気的に分割した発熱層で構成されている本実施形態では、破損端Cに回り込んで流れる電流は少なくなり、過昇温を抑制できる。
5)熱伝導層の効果
発熱層を分割した構成では、分割部が発熱しないため、熱伝導層がない構成の場合、長手方向で温度ムラが発生し、分割部を通過した記録材上の位置と発熱層部を通過した記録材上の位置とで、光沢が異なる画像不良(光沢ムラ)が発生する。一方、本実施形態においては、図1(c)に示す通り、熱伝導層1cを設け、長手方向における分割発熱体による発熱分布を抑制することで光沢ムラの抑制を図っている。その効果を示すため、以下に比較検討を行った結果を示す。
図7(a)は、比較例1として、熱伝導層がなく単層の発熱層を有した構成で、アクリル樹脂のみで分割発熱体1b1を被覆したものである。図7(b)は、比較例2として、熱伝導層がなく積層した発熱層を有した構成(分割部1b2の長手方向の位置が重ならない)である。
図7(b)の積層した発熱層は、基層1aの外面上にペースト状の金属層を、マスキング処理、絶縁処理を駆使しながら順次塗布することで三層の膜を形成する。すなわち、まず、基層1aの長手方向に長手幅10mm間隔に厚さ5μmの金属層(一層目)を形成し、その後、その金属層を絶縁処理して分割部1b2を形成する。次いで、長手幅10mm間隔に厚さ5μmの金属層(二層目)を分割部1b2が一層目とずれた部分にくるようにして形成する。さらに同様にして、長手幅10mm間隔に厚さ5μmの金属層(三層目)を分割部1b2が二層目とずれた位置にくるようにして形成する。
表1に、比較例1、比較例2、本実施形態(実施例1)の各構成において、幅10mmの分割発熱体1b1を用いて、分割部1b2の幅を振った場合の光沢ムラの発生の様子を目視で確認した結果を示す。
Figure 0007214408000002
×:明確に光沢ムラが発生しているレベル
△:軽微に光沢ムラが発生しているレベル
○:光沢ムラが発生していない
表1に示すように、熱伝導層がない比較例1の構成においては、分割部1b2の幅が300μmで、軽微に光沢ムラが発生している。発熱体1b1を積層した比較例2の構成においても、分割部の幅が300μmと500μmで、軽微に光沢ムラが発生している。
ここで、本実施形態の熱伝導層1cは、熱伝導性の高いフィラーを添加分散させているため、熱伝導層1cの熱伝導率は3W/mkである。弾性層1dの熱伝導率は1.4W/mkであり、弾性層1dに比べ約2倍の熱伝導率を有している。熱伝導層1cの熱伝導率は、弾性層1dの2倍以上の熱伝導率を有することがより好ましい。
そのため、分割部1b2(図1(c))では発熱をしていないものの、熱伝導層1cの全体がほぼ均一な温度になり、長手方向における分割部1b2の幅が500μmでも、光沢ムラの発生を抑制できる。なお、熱伝導層1cの熱伝導率は、添加分散する熱伝導フィラーの添加量によって調整可能である。
また、熱伝導層1cの主成分である樹脂の熱伝導率を大きくする方法として、例えば、メソゲン骨格を有する高次構造制御エポキシ樹脂を主成分とすることで、熱伝導率を約10W/mkまですることが可能である。弾性層1bの構成によるものの、本実施形態の構成における検討の結果から、熱伝導層1cの熱伝導率が少なくとも3W/mk以上あり、弾性層1dの熱伝導率との比が2以上であることが、温度ムラによる画像不良の発生を抑制する観点から好ましい。
本実施形態においては、分割発熱体1b1に接するように熱伝導層1cを形成しているものの、分割発熱体1b1の表面を、例えば、酸化被膜を形成するなどで絶縁処理をした後に、熱伝導層1cを形成することでも、同様の効果を得ることができる。
本実施形態の構成を用いることで、長手方向における分割部1b2の幅が500μmまで広げることが可能であり、発熱層1bを形成する際の分割部1b2の幅の製造公差を緩和できるため、安定した量産性を確保することが可能となる。
また、発熱層1bを積層することなく光沢ムラの発生を抑制することができるため、単相の発熱層1bを用いて発熱層1bを薄くすることができる。したがって、その場合、定着フィルム1の熱容量を小さくすることができ、より昇温速度が速くクイックスタート性に優れ、プリント待ち時間短縮に有利な構成をとることが可能となる。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の定着装置Bは、第1の実施形態の定着フィルム1の発熱層1bの代わりに、周囲を絶縁処理した金属薄層を積層して形成した発熱層11bを用いた、筒状の定着フィルム(筒状の回転体)11を備える。第1の実施形態と同じ構成の、磁性コア2、励磁コイル3、及び加圧ローラ7などの部材の説明は省略する。
図8に、本実施形態の定着フィルム11の断面図を示す。図8(a)は定着フィルム11の短手方向の断面図、図8(b)は定着フィルム11の長手方向の断面図、図8(c)は図8(b)の点線部分の拡大図である。
本実施形態の定着フィルム11は、基層11aと、この基層11aの外面に形成された発熱層11bと、この発熱層11bの外面に形成された熱伝導層11cと、熱伝導層11cの外面に形成された離型層11dを有する。なお、金属薄層を積層する本実施形態では、定着フィルム11の昇温速度が遅くならないように、すなわち定着フィルム11の厚みを大きくしないように、第1の実施形態で説明した弾性層1dを備えない構成としている。基層11a、熱伝導層11c、離型層11dは、それぞれ、第1の実施形態と同様のものである。
発熱層11bは、定着フィルム11の回転軸方向(長手方向)Xに電気的に分割した分割発熱体としての複数の金属薄層11b1によって形成されている。すなわち、発熱層11bは、図8(c)に示すように、周囲を絶縁コートして定着フィルム11の回転軸方向(長手方向)Xの周りに設けられるリング状の金属薄層11b1を積層することで得られる。より具体的には、基層11aの外面上に隣り合う金属薄層11b1の一部と重ね合わせるように順次重ねて形成することで得られる。
図8(c)に示すように、リング状の金属薄層11b1は、長手方向の長さ(幅)が10mm、厚さ5μmの回転軸方向(長手方向)Xに対して傾斜したテーパ状の金属箔で形成されている。重ね合わせの際には、二層の金属薄層11b1で構成される発熱層11bのトータル厚みが、定着フィルム11の長手方向で等しくなるようにする。
なお、図8(c)では、便宜上、二層を重ね合わせた金属薄層11b1の段差を大きく示してあるが、実際には薄い金属薄層11b1で構成するため、定着フィルム11の発熱層11bの上記段差の凹凸は小さい。
本実施形態の定着装置Bは、定着フィルム11の発熱層11bが回転軸方向Xで電気的に分割した複数の金属薄層11b1を有する構成であるため、発熱層11bにクラックなどの破損部が生じた場合においても、過昇温を抑制できる。
ここで、図9を用いて、金属薄層11b1を重ねて形成する際に生じる、長手方向におけるズレLを説明する。図9(a)に示すように、理想的に金属薄層11b1がズレなく形成できれば、発熱層11bは発熱層の厚みが定着フィルム11の長手方向で等しくなるように構成される。そのため、定着フィルム11の長手方向の温度ムラを抑制できる。しかしながら、製造公差などからズレLが発生する場合、図9(b)に示すように、金属薄層11b1同士の重なり量が減る方向にずれる可能性や、図9(c)に示すように、金属薄層11b1同士の重なり量が増える方向にずれる可能性がある。
図9(b)や図9(c)の場合、金属薄層同士の重なり量が異なるため、長手方向で発熱層11bの厚みが異なり、長手方向の温度ムラが発生する。特に、本実施形態のように弾性層を有しない構成の場合には、温度ムラによる光沢ムラが発生する可能性がある。以下、ズレLは、重なりが減る方向を負、重なりが増える方向を正とする。
このような温度ムラによる光沢ムラの発生を抑制するように、本実施形態においては、熱伝導層11cを設けている。その効果を示すため、表2に、熱伝導層11cを備えた本実施形態(実施例2)と、図10に示す熱伝導層11cを備えない比較例(比較例3)との比較検討を行った結果を示す。表2においては、長手方向の長さ(幅)が10mmの金属薄層11b1を用いて、ズレLを振った場合の光沢ムラの発生の様子を目視で確認した結果を示している。
Figure 0007214408000003
×:明確に光沢ムラが発生しているレベル
△:軽微に光沢ムラが発生しているレベル
○:光沢ムラが発生していないレベル
表2に示すように、熱伝導層がない比較例3の構成においては、ズレLが正の場合には、金属薄層11b1が三層重なっている部分での温度が高くなり、重なっている部分を通過した記録媒体上の光沢が高くなる光沢ムラが発生している。また、ズレLが負の場合には、金属薄層11b1が一層となっている部分での温度が低くなり、光沢が低くなる光沢ムラが発生している。
一方、本実施形態においては、熱伝導層11cの熱伝導率は3W/mk、またPFAチューブを使用した離型層11dの熱伝導率は0.24W/mkであり、熱伝導層11cは径方向に隣接する離型層11dに比べ約12倍の熱伝導率を有している。そのため、熱伝導層11cを有した構成では熱伝導層全体がほぼ均一な温度になり、ズレLが-300μm~+300μmの範囲において、光沢ムラの発生が目視では確認できず、発熱層11bの厚みムラによる画像不良の発生を抑制している。
また、熱伝導層11cを形成することで、ズレLを±300μm(レンジ600μm)まで広げることが可能であり、製造上のバラツキなどを考慮しても安定した量産性を確保することができる。
《第3の実施形態》
以下、本発明の第3の実施形態について、図11を用いて説明する。図11(a)は定着フィルム12の短手方向の断面図、図11(b)は定着フィルム12の長手方向の断面図、図11(c)は図11b)の点線部分の拡大図である。本実施形態では、定着フィルム12の基層として、第1の実施形態における基層1aの替りに、熱伝導層を兼ねた熱伝導基層12aを用いる。
そして、本実施形態の定着フィルム12は、図11に示すように、熱伝導基層12aと、この熱伝導基層12aの外面に形成された発熱層12bと、この発熱層12bの外面に形成された弾性層12cと、弾性層12cの外面に形成された離型層12dを有する。発熱層12b、弾性層12c、離型層12dは、それぞれ、第1の実施形態における発熱層1b、弾性層1d、離型層1eと同様のものである。なお、第1の実施形態の定着装置Bと同じ構成の、磁性コア2、励磁コイル3、及び加圧ローラ7などの部材の説明は省略する。
基層と熱伝導層を兼ねた熱伝導基層12aを構成する材料としては、例えば、PI、ポリアミド、PEEKなどの樹脂が挙げられる。これらの樹脂材料については、混合して2種以上使用することもできる。また、熱伝導基層12aは、これらの樹脂中に、熱伝導フィラーを添加し、インフレーション成形、円筒押出し成形、インジェクションストレッチブロー成形などの成形方法を適宜選択して用いて成形することで得ることができる。
本実施形態では、ポリイミド樹脂にアルミナファイバーを添加し、円筒押出し成型により熱伝導基層12aを成形した。押出し成形にすることで、アルミナファイバーが、定着フィルム12の長手方向に配向する。そして、熱伝導基層12aにより、発熱層12bにおける分割発熱体12b1の熱が長手方向に伝達され、熱伝導基層12aが長手方向でほぼ均一な温度となり、分割部12b2での温度ムラを抑制することができる。
本実施形態の構成では、基層が熱伝導層を兼ねるため、基層と熱伝導層とを別の層で形成する必要がなく、定着フィルム12の厚みを薄くすることが可能である。したがって、定着フィルム12の熱容量を小さくすることができ、より昇温速度が速くクイックスタート性に優れ、プリント待ち時間短縮に有利な構成をとることが可能となる。
《他の実施形態》
上述した実施形態は、本発明の好ましい実施形態ではあるものの、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明に係る画像加熱装置は、上述した定着装置としての使用に限られず、記録材に一旦定着された画像(定着済み画像)あるいは仮定着された画像(半定着画像)の光沢度などを改質する画像改質装置としても有効に使用できる。また、定着フィルムに対向する対向部材(対向体)は、加圧ローラ7に限られずエンドレスベルトであってもよい。
また、上述した第1、第3の実施形態では、厚み方向に1層の発熱層1b、12bを備える一方、第2の実施形態では、厚み方向に複数層の発熱層11bを備えるものであり、本発明は発熱層を厚み方向に1層以上備えるものであれば良い。すなわち、例えば第1、第3の実施形態で、図7(b)のように複数層の発熱層(分割部が長手方向で一致しない)を設けても良い。
1・・定着フィルム、1b、11b、12b・・発熱層、1b1、11b1、12b1・・分割発熱体、1c、11c・・熱伝導層、2・・磁性コア、3・・励磁コイル、7・・加圧ローラ、9・・定着フィルムガイド

Claims (8)

  1. 筒状の回転体であって、前記回転体の長手方向において電気的に分割された筒状の複数の分割発熱体を備える回転体と、
    前記回転体に対向する対向体と、
    前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置であって、
    前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、
    前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 周囲を絶縁処理した筒状の分割発熱体を複数備える筒状の回転体であって、複数の前記分割発熱体が、前記回転体の長手方向で隣りにある前記分割発熱体に対して一部が前記回転体の径方向に重なるように前記長手方向に並んで配置された回転体と、
    前記回転体に対向する対向体と、
    前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、
    を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置であって、
    前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、
    前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする画像加熱装置。
  3. 前記回転体は、複数の前記分割発熱体を回転軸方向において電気的に分割している分割部を備え、
    前記分割部は、前記熱伝導層を形成している部材と同じ部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  4. 前記回転体の前記径方向において前記熱伝導層が複数の前記分割発熱体に対して内側にのみ重ねられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  5. 筒状の回転体であって、前記回転体の長手方向において電気的に分割された筒状の複数の分割発熱体を備える回転体と、
    前記回転体に対向する対向体と、
    前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、
    を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置に用いられる前記回転体であって
    前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、
    前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする回転体。
  6. 周囲を絶縁処理した筒状の分割発熱体を複数備える筒状の回転体であって、複数の前記分割発熱体が、前記回転体の長手方向で隣りにある前記分割発熱体に対して一部が前記回転体の径方向に重なるように前記長手方向に並んで配置された回転体と、
    前記回転体に対向する対向体と、
    前記回転体の内部空間に配置され、前記対向体と共に、前記回転体を介してトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    前記回転体の内部空間に配置され、交流電流を流すことで前記回転体の回転軸方向に交番磁場を形成し、前記回転体の周方向に誘導電流を生じさせ前記分割発熱体を発熱させる磁場発生手段と、
    を有し、複数の前記分割発熱体の発熱により前記ニップ部で記録材に担持されたトナー画像を記録材に定着させる画像加熱装置に用いられる前記回転体であって
    前記回転体は、複数の前記分割発熱体に対して径方向に重ねられ前記回転体の前記長手方向に亘り、かつ全周に亘って配置されている熱伝導層を備え、
    前記熱伝導層は、熱伝導フィラーを混合した樹脂で形成された絶縁性の層であり、熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする回転体。
  7. 前記回転体は、複数の前記分割発熱体を回転軸方向において電気的に分割している分割部を備え、
    前記分割部は、前記熱伝導層を形成している部材と同じ部材で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の回転体。
  8. 前記径方向において前記熱伝導層が複数の前記分割発熱体に対して内側にのみ重ねられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の回転体。
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