JP2015152796A - ベルト部材、定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

ベルト部材、定着装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】撓み性能と発熱性能とを両立可能なベルト部材を提供する。【解決手段】このベルト部材26は、電磁誘導加熱方式の定着装置5に用いられるベルト部材26であって、非磁性金属を含有する2層の第1発熱層26bおよび第2発熱層26dと、第1発熱層26bおよび第2発熱層26d間に積層される絶縁性樹脂からなる樹脂基層26aと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ベルト部材、定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に電磁誘導加熱方式の定着装置に用いられるベルト部材、定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
画像形成装置は、感光体ドラム等の像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写し、トナー像を担持する記録媒体を定着装置に向けて搬送し、定着装置において、熱及び圧力を加えることにより記録媒体上の未定着トナー像を記録媒体に定着させている。定着装置には、定着ローラーと、定着ローラーの外周面に配設されるベルト部材と、ベルト部材に圧接される加圧ローラーと、ベルト部材に対向配置されベルト部材を加熱する誘導加熱部と、を備え、記録媒体がベルト部材と加圧ローラーとの間の定着ニップ部を通過する間にトナー像を記録媒体に定着させる電磁誘導加熱方式のものがある。
電磁誘導加熱方式の定着装置は、誘導加熱部が発生させた磁束でベルト部材内に設けた発熱層に渦電流を発生させ、渦電流によって発生するジュール熱により発熱層を発熱させてベルト部材を所定の定着温度に加熱するものである。この種の定着装置では、発熱層の熱容量を小さくできるので、装置を起動させるためのウォームアップ時間を短縮することができ、コンパクトで高い熱変換効率が得られる。
電磁誘導加熱方式の定着装置としては、ベルト部材の内周面に定着ローラーのみが配置される1軸型定着装置と、ベルト部材の内周面に定着ローラーおよびヒートローラー等が配置される多軸(2軸)型定着装置と、が知られている。
多軸(2軸)型定着装置では、定着ローラーは、その外周面側に弾性層を有し、定着ニップ部を形成する。ヒートローラーは、誘導加熱部で発生しベルト部材を透過した磁束を熱変換し、ベルト部材を加熱させる。このように、誘導加熱部で発生した磁束がベルト部材を透過したとしても、ヒートローラーにより磁束を熱変換してベルト部材を加熱するので、電力ロスを低減することができる。
一方、1軸型定着装置では、誘導加熱部で発生した磁束がベルト部材を透過すると、定着ローラーの芯金が発熱される。しかし、定着ローラーの外周面側には弾性層が形成されており、定着ローラーはベルト部材を加熱することはできない。このため、電力ロスが発生するとともに、定着ローラーの芯金が過昇温することにより弾性層が劣化して破損する場合がある。なお、1軸型定着装置では、多軸(2軸)型定着装置に比べて全体の熱容量を抑えることができる、というメリットがある。
上述の電磁誘導加熱方式の定着装置に用いられるベルト部材としては、種々のものが知られている。
例えば、Ni等の磁性金属からなる基層(厚み:40〜50μm)と、基層上に順に積層される弾性層および離型層と、によって構成されたベルト部材(第1の従来構造)が知られている。このベルト部材では、磁性金属からなる基層の厚みを40〜50μmに抑えることによって、定着ニップ部形成のために必要なベルト部材の撓み性能を維持している。しかしながら、磁性金属の表皮深さに対して基層の厚みを十分確保できないので、モレ磁束(ベルト部材を透過する磁束)が若干発生してしまい、その分発熱性能が低下する。
なお、表皮深さとは、磁束が渦電流に変換され1/e(eは自然対数の底)まで減衰される深さであり、表皮深さδ[m]=1/√(πfμσ)で表される。fは周波数[Hz]、μは透磁率[H/m]、σは導電率[s/m]である。渦電流は、表皮深さ以下の厚み部分を主に流れる。従って、厚みが表皮深さ以上の場合は、渦電流は表皮深さ以下の範囲で主に流れ、厚みが表皮深さ以下の場合は、厚み方向全体にわたって渦電流が流れる。磁性金属では、透磁率が大きく表皮深さが小さいので、得られる表皮深さでの抵抗値が渦電流損の発生に適したレベルになっているため、表皮深さ以上の厚みがあれば高い発熱性能が得られる。一方、非磁性金属では、透磁率が小さく表皮深さが大きいので、得られる表皮深さでの抵抗値が低すぎて高い発熱性能が得られないが、厚みを表皮深さよりも小さくしていくと抵抗値が増大し、所定の厚みで発熱性能がピークを示す。
例えば、以下の表1に示すように、誘導加熱部の使用周波数fが20〜50kHzの場合、Ni(比透磁率μr≒180、導電率σ=1.5E7[s/m])の表皮深さは50μm前後であり、Niからなるベルト部材で使用される厚みに近い値になっている。一方、Cu(比透磁率μr≒1、導電率σ=5.8E7[s/m])の表皮深さは約300μm以上であり、これ以下の厚みでは、厚み方向全体にわたって渦電流が流れる。このときの実効抵抗値を参考値として算出している。Niの実効抵抗値は9.7E−4〜1.5E−3であり、Cuの実効抵抗値は3.7E−5〜5.8E−5である。なお、実効抵抗値[Ω]=抵抗率ρ[Ω・m]/厚み[m]=1/(導電率σ[s/m]×厚み[m])で規定している。実効抵抗値は、ベルト部材の厚みに平行な方向への断面抵抗値に比例する指標となる。
Figure 2015152796
上記表1では、Cuについては、厚みが表皮深さの場合と10μmの場合との2つの条件で実効抵抗値を算出している。表皮深さでの実効抵抗値を比較すると、CuはNiに対して1/10以下になっており、Cuの厚みを10μm程度まで薄くすることで、Cu層の実効抵抗値がNi層の表皮深さの実効抵抗値のレベルまで増大する。表1の実効抵抗値を参照すると、1〜2mΩ程度が発熱部材に必要な実効抵抗値レベルと考えられる。
磁性金属では、厚みに対して、発熱性能、モレ磁束、実効抵抗値は、図5に示したイメージ図のような関係になる。従って、表皮深さ以上の厚みがあれば、渦電流は表皮深さの範囲で主に流れるので、発熱性能は、表皮深さでコントロールされる。
一方、非磁性金属では、図6に示したイメージ図のように、発熱性能が厚みに依存しやすい。Cuの場合、発熱のピークは5〜15μm程度の厚みで現れる。従って、非磁性金属の発熱性能は、表皮深さ以下の範囲で、厚みによってコントロールされる。
非磁性金属層をIH用発熱部材として使用する場合は、表皮深さ以下の厚みで使用することになるので、発熱層を透過するモレ磁束がある程度発生する。非磁性金属層の発熱性能およびモレ磁束を改善する方法としては、磁性金属層と組み合わせて積層する方法が知られている。例えば、Ni等の磁性金属からなる基層(厚み:30〜35μm)と、基層上に積層されるCu等からなる非磁性金属層(厚み:5〜15μm)と、非磁性金属層上に順に積層される酸化防止膜、弾性層および離型層と、によって構成されたベルト部材(第2の従来構造)が知られている。このベルト部材では、磁性金属からなる基層と非磁性金属層との両方によって発熱する。基層は第1の従来構造の基層よりも厚みが小さく発熱性能が少しだけ低下するが、非磁性金属層は第1の従来構造の基層と同程度の発熱性能を有するので、第2の従来構造では、第1の従来構造に比べて発熱性能を向上させることが可能である。
金属基層を用いたベルト部材の場合、発熱性能の面からは、金属層のトータル厚みが50μm程度以上であることが望ましい。一方、撓み性能の面からは、金属層のトータル厚みが50μm程度以下であることが望ましい。現状では、両性能のバランスをとって、金属層のトータル厚みが40〜50μm程度のものが多く使用されている。しかしながら、ベルト部材の撓み性能をより向上させたいという要望もある。
そこで、例えば、ポリイミド等の絶縁性樹脂からなる基層(厚み:50〜100μm)と、基層上に積層されるCu等からなる非磁性金属層(厚み:5〜15μm)と、非磁性金属層上に順に積層される酸化防止膜、弾性層および離型層と、によって構成されたベルト部材(第3の従来構造)が提案されている。このベルト部材では、基層を絶縁性樹脂にし、金属層の厚みを抑えることによって、撓み性能を向上させることが可能である。
なお、金属からなる基層と、基層上に積層され金属からなる発熱層と、発熱層上に積層される表面離型層と、によって構成された定着ベルト(ベルト部材)は、例えば特許文献1に開示されている。また、順に積層された複数の非磁性金属層を含み、非磁性金属層の厚みの合計が48〜63μmである定着ベルト(ベルト部材)は、例えば特許文献2に開示されている。
特開2003−7438号公報 特開2008−143113号公報
しかしながら、第3の従来構造のベルト部材では、非磁性金属の表皮深さに対してその層(非磁性金属層)の厚みを小さくするので、モレ磁束(ベルト部材を透過する磁束)が若干発生してしまうという問題点がある。なお、モレ磁束を抑制するためには発熱性能を向上させる必要があるが、非磁性金属層単層での発熱性能は、図6のイメージ図にあるように発熱性能がピークとなる厚み範囲から金属層を薄くしても厚くしても発熱性能が低下する(モレ磁束が増加する)。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、撓み性能と発熱性能とを両立可能なベルト部材、定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のベルト部材は、電磁誘導加熱方式の定着装置に用いられるベルト部材であって、無端状の樹脂基層と、樹脂基層に積層されるとともに、非磁性金属を含有する2層以上の発熱層と、発熱層間に積層される絶縁性樹脂層と、を備える。
本発明によれば、発熱層を2層以上設けることによって、発熱性能を十分向上させる(モレ磁束を十分抑制する)ことができる。また、発熱層を非磁性金属を用いて形成することによって、発熱層を磁性金属を用いて形成する場合に比べて、より小さい厚みで発熱性能を確保することができる。これらにより、撓み性能と発熱性能とを両立可能なベルト部材を得ることができる。
また、発熱層間に絶縁性樹脂層を設けることによって、発熱層同士が電気的に導通して抵抗値が低下するのを防止することができるので、発熱層の発熱性能が低下するのを防止することができる。
本発明の第1実施形態のベルト部材を有する定着装置を備えた画像形成装置の全体構造を概略的に示した断面図である。 本発明の第1実施形態のベルト部材を有する定着装置の構造を示した断面図である。 本発明の第1実施形態のベルト部材の構造を示した拡大断面図である。 本発明の第2実施形態のベルト部材の構造を示した拡大断面図である。 磁性金属層の厚みに対する実効抵抗値、発熱性能、モレ磁束の関係を示したイメージ図である。 非磁性金属層の厚みに対する実効抵抗値、発熱性能、モレ磁束の関係を示したイメージ図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による画像形成装置1について説明する。画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、給紙部2の側方に配設された用紙搬送部3と、用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、画像形成部4よりも用紙の排出側に配設された定着装置5と、画像形成部4及び定着装置5の上方に配設された画像読取部6とを備えている。
給紙部2は、記録媒体である用紙Pを収容する複数の給紙カセット7を備えており、給紙ローラー8の回転により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙Pを1枚ずつ用紙搬送部3に送り出す。
用紙搬送部3に送られた用紙Pは、用紙搬送部3に備えられた用紙搬送経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙Pにトナー像を形成するものであり、図1の矢印方向に回転可能に支持された感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電部12、露光部13、現像部14、転写部15、クリーニング部16、及び除電部17を備えている。
帯電部12は、高電圧を印加される帯電ローラーを備えており、感光体11表面に接触する帯電ローラーから感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光部13から感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰され、感光体11表面に静電潜像が形成される。
現像部14は感光体11表面の静電潜像を現像し、感光体11表面にトナー像が形成される。このトナー像が転写部15によって感光体11と転写部15との間に供給される用紙Pに転写される。
トナー像が転写された用紙Pは、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着装置5に向けて搬送される。定着装置5では用紙Pが加熱及び加圧され、用紙P上にトナー像が溶融定着される。次いで、トナー像が定着された用紙Pは、排出ローラー対20によって排出トレイ21上に排出される。
転写部15による用紙Pへのトナー像の転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング部16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は除電部17により除去される。そして、感光体11は帯電部12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
次に、定着装置5の詳細構造について説明する。定着装置5は図2に示すように、電磁誘導加熱方式を用いたものであり、加熱部材である無端状のベルト部材26と、ベルト部材26の内周面に配設される定着ローラー18と、加圧部材である加圧ローラー19と、ベルト部材26に磁束を供給する誘導加熱部30と、を備える。
定着ローラー18は、ベルト部材26を一体回転可能とするために、ベルト部材26の内周面を張架している。例えば、定着ローラー18は、アルミニウムや非磁性SUS等からなる芯金18a上に厚み8〜10mmの断熱シリコーンゴム製の弾性層18bを有し、弾性層18bはベルト部材26を張架している。
加圧ローラー19は、例えば外径30〜35mmに設定され、円筒型のアルミニウム等からなる芯金19a上に厚み2〜5mmの発砲シリコーンゴム製の弾性層19bを有し、弾性層19b上にフッ素樹脂等からなる離型層19cを有する。また、加圧ローラー19は図示しないモーター等の駆動源によって回転駆動させられ、さらに定着ローラー18をその中心方向に加圧する。これにより、ベルト部材26を介して加圧ローラー19と定着ローラー18とが押圧され、加圧ローラー19の回転によってベルト部材26および定着ローラー18は従動回転する。加圧ローラー19とベルト部材26との圧接する部分にニップ部Nが形成され、ニップ部Nでは、搬送される用紙P上の未定着トナー像が加熱及び加圧され、用紙P上にトナー像が定着される。
ベルト部材26は、例えば外径40mmに設定された無端状の耐熱ベルトである。また、ベルト部材26は図3に示すように、樹脂基層26a(絶縁性樹脂層)と、樹脂基層26aの内周面上に積層される第1発熱層(発熱層)26bと、第1発熱層26bの内周面上に形成される酸化防止膜26cと、樹脂基層26aの外周面上に積層される第2発熱層(発熱層)26dと、第2発熱層26dの外周面上に順に積層される酸化防止膜26e、弾性層26fおよび離型層26gと、によって構成されている。
樹脂基層26aは、ポリイミドやポリアミドイミド等の絶縁性樹脂からなり、50〜100μm程度の厚みに形成されている。第1発熱層26bは、Cu等の非磁性金属層からなり、5〜15μm程度の厚みに形成されている。酸化防止膜26cは、Cu層(第1発熱層26b)の酸化防止のための層であり、Ni等からなり、1〜2μm程度の厚みに形成されている。第2発熱層26dは、Cu等の非磁性金属層からなり、5〜15μm程度の厚みに形成されている。酸化防止膜26eは、Cu層(第2発熱層26d)の酸化防止のための層であり、Ni等からなり、1〜2μm程度の厚みに形成されている。弾性層26fは、シリコーンゴム等からなり、100〜300μm程度の厚みに形成されている。離型層26gは、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させるための層であり、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂からなり、20〜30μm程度の厚みに形成されている。
ベルト部材26の製造方法としては、まず、ポリイミドやポリアミドイミド等の絶縁性樹脂からなる無端状の樹脂基層26aを準備する。樹脂基層26aの内周面および外周面上に、Cu等の非磁性金属層からなる第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを形成する。このとき、電解めっき法、蒸着法、スパッタ法、箔接着法等を用いることができる。例えば、樹脂基層26a上に電解めっき法により金属層(発熱層)を形成する場合、樹脂基層26aに導電性が必要となる。このため、樹脂基層26a上にCu等を電解めっきする前に、例えば無電解めっき法により導電層としての薄膜のNi層を形成し、樹脂基層26aの表面に導電性を付与することで、Cu層等を電解めっき法により形成することが可能となる。また、樹脂基層26aとCu層との間の薄膜金属層(Ni層等)は、樹脂基層26aとCu層との密着性を確保するのにも寄与する。なお、電解めっき法を用いれば、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを同じ厚みに同時に形成することができる。
次に、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dの表面上に、Ni等からなる酸化防止膜26cおよび26eを、電解めっき法等により形成する。そして、酸化防止膜26eの外周面上に、シリコーンゴム等からなる弾性層26fを形成する。最後に、弾性層26fの外周面上に、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂からなる離型層26gを形成する。このようにして、ベルト部材26が製造される。
誘導加熱部30は図2に示すように、コイル37と、ボビン38と、磁性体コア39とを備え、電磁誘導によりベルト部材26を発熱させるものである。誘導加熱部30は、長手方向(図2の紙面の表裏方向)に延びて、ベルト部材26の外周の略半分を囲うようにベルト部材26に対向して配設される。
コイル37は、ベルト部材26の幅方向(図2の紙面の表裏方向)に沿ってループ状に複数回巻回してボビン38に取り付けられる。またコイル37は、図示しない電源に接続され、電源から供給される高周波電流(周波数:例えば20〜50kHz)により交流磁束を発生させる。コイル37からの磁束はボビン38や磁性体コア39を通過し、図2の紙面に平行な方向に導かれ、ベルト部材26の第1発熱層26bおよび第2発熱層26dに沿って通過する。第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを通過する磁束の交流的な強さの変化によって第1発熱層26bおよび第2発熱層26dには渦電流が生じる。第1発熱層26bおよび第2発熱層26dに渦電流が流れると、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dの電気抵抗によってジュール熱が発生して、ベルト部材26が発熱(自己発熱)することになる。
ベルト部材26が加熱され所定の温度に昇温すると、ニップ部Nで挟持された用紙Pが加熱されるとともに、加圧ローラー19によって加圧されることにより、用紙P上の粉体状態のトナーが用紙Pに溶融定着される。このように、ベルト部材26は薄肉の熱伝導性の良好な材質からなり熱容量が小さいため、短時間で定着装置5のウォーミングアップを行なうことができ、画像形成が迅速に開始される。
本実施形態では、上記のように、2層の発熱層(第1発熱層26bおよび第2発熱層26d)を設けることによって、発熱性能を十分向上させる(モレ磁束を十分抑制する)ことができる。また、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを非磁性金属を用いて形成することによって、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを磁性金属を用いて形成する場合に比べて、より小さい厚みで発熱性能を確保することができる。これらにより、撓み性能と発熱性能とを両立可能なベルト部材26を得ることができる。
また、第1発熱層26bおよび第2発熱層26d間に絶縁性樹脂からなる樹脂基層26aを設けることによって、第1発熱層26bおよび第2発熱層26d同士が電気的に導通して抵抗値が低下するのを防止することができるので、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dの発熱性能が低下するのを防止することができる。
また、上記のように、樹脂基層26aの内周面および外周面上に第1発熱層26bおよび第2発熱層26dが形成されている。これにより、例えば電解めっき法により第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを形成する場合、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを同じ厚みに同時に形成することができるので、製造工程を簡略化することができる。
また、上記のように、ベルト部材26の外周面側に弾性層26fおよび離型層26gを設けることによって、良好な定着性を容易に確保することができる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態のベルト部材26について説明する。
本発明の第2実施形態では図4に示すように、ベルト部材26は、樹脂基層26hと、樹脂基層26hの外周面上に積層される第1発熱層26bと、第1発熱層26bの外周面上に形成される絶縁層26i(絶縁性樹脂層)と、絶縁層26iの外周面上に形成される第2発熱層26dと、第2発熱層26dの外周面上に順に積層される酸化防止膜26e、弾性層26fおよび離型層26gと、によって構成されている。
樹脂基層26hは、ポリイミドやポリアミドイミド等の絶縁性樹脂からなり、50〜100μm程度の厚みに形成されている。絶縁層26iは、第1発熱層26bと第2発熱層26dとを電気的に絶縁するための層であり、ポリイミドやポリアミドイミド等の絶縁性樹脂からなり、10〜30μm程度の厚みに形成されている。
ベルト部材26の製造方法としては、まず、ポリイミドやポリアミドイミド等の絶縁性樹脂からなる無端状の樹脂基層26hを準備する。樹脂基層26hの外周面上に、Cu等の非磁性金属層からなる第1発熱層26bを形成する。そして、第1発熱層26bの外周面上に、ポリイミドやポリアミドイミド等の絶縁性樹脂からなる絶縁層26iを形成する。このとき、樹脂コート法、フィルム接着法等を用いることができる。その後、絶縁層26iの外周面上に、Cu等の非磁性金属層からなる第2発熱層26dを形成する。
次に、第2発熱層26dの外周面上に、Ni等からなる酸化防止膜26e、シリコーンゴム等からなる弾性層26f、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂からなる離型層26gをこの順で形成する。このようにして、ベルト部材26が製造される。
第2実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように、樹脂基層26hの外周面上に、第1発熱層26b、絶縁層26iおよび第2発熱層26dが順次積層されている。この場合にも、上記第1実施形態のベルト部材26と同様、ベルト部材26の撓み性能と発熱性能とを両立させることができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、モノクロ画像形成装置に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らず、言うまでもなく、カラー画像形成装置にも本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、ベルト部材26が定着ローラー18に張架される1軸型定着装置5に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、ベルト部材26の外周面を圧接させる加圧ローラー19と、ベルト部材26の内周面に配設されて用紙Pとベルト部材26とを圧接させる押圧部材と、を備える定着装置、或いはベルト部材26が定着ローラー18及びヒートローラー等によって懸架される多軸(2軸)型定着装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを形成する非磁性金属としてCuを用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、Al、Ag、非磁性SUS等の非磁性金属を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1発熱層26bおよび第2発熱層26dを非磁性金属層により形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、非磁性金属フィラーの分散等により金属材料を添加した樹脂層を発熱層として用いてもよい。
また、上記実施形態では、ベルト部材に酸化防止膜、弾性層、離型層を設けた例について示したが、これらの層は必要に応じて設けられるものであり、無くてもよい。
また、上記実施形態では、ベルト部材26に2層の発熱層(第1発熱層26bおよび第2発熱層26d)を設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、ベルト部材26に3層以上の発熱層を設けてもよい。この場合も、発熱層の抵抗値が低下するのを防止するために、各発熱層間に絶縁性樹脂層を配置すればよい。
また、上述した実施形態および変形例の構成を適宜組み合わせて得られる構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 画像形成装置
5 定着装置
26 ベルト部材
26a 樹脂基層(絶縁性樹脂層)
26b 第1発熱層(発熱層)
26d 第2発熱層(発熱層)
26f 弾性層
26g 離型層
26h 樹脂基層
26i 絶縁層(絶縁性樹脂層)

Claims (6)

  1. 電磁誘導加熱方式の定着装置に用いられるベルト部材であって、
    無端状の樹脂基層と、
    前記樹脂基層に積層されるとともに、非磁性金属を含有する2層以上の発熱層と、
    前記発熱層間に積層される絶縁性樹脂層と、
    を備えることを特徴とするベルト部材。
  2. 前記樹脂基層は、前記絶縁性樹脂層を兼ねており、
    前記発熱層は、第1発熱層および第2発熱層を含み、
    前記樹脂基層の内周面および外周面上に前記第1発熱層および前記第2発熱層がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト部材。
  3. 前記発熱層は、第1発熱層および第2発熱層を含み、
    前記樹脂基層の外周面上に、前記第1発熱層、前記絶縁性樹脂層および前記第2発熱層が順次積層されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト部材。
  4. 前記ベルト部材の外周面側に順次積層された弾性層および離型層を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のベルト部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルト部材を備えることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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