JP7213102B2 - シャワー装置付き浴室用椅子 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 (1)掲載日:2018年5月23日、掲載アドレス:http://www.city.okayama.jp/hofuku/hokenfukushiseisaku/hokenfukushiseisaku_00084.html (2)博覧会名:介護サービス博覧会中四国、開催日:2018年6月20日 (3)発行者名:積水ホームテクノ株式会社、刊行物名:SEKISUI新製品「wells/ウェルス」、発行年月日:2018年6月20日、配布場所:介護サービス博覧会中四国 (4)掲載日:2018年9月10日、掲載アドレス:http://www.techno-aids.or.jp/WelfareItemDetail.php?RowNo=1&YouguCode1=00599&YouguCode2=000019&DetailStatus= (5)発行者名:積水ホームテクノ株式会社、刊行物名:SEKISUI「会社案内」、発行年月日:2018年10月3日 (6)展示会名:第45回 国際福祉機器展H.C.R.2018、開催日:2018年10月10日、出品者:積水ホームテクノ株式会社 (7)展示会名:第45回 国際福祉機器展H.C.R.2018、開催日:2018年10月10日、出品者:アロン化成株式会社 (8)発行者名:積水ホームテクノ株式会社、刊行物名:SEKISUI新製品「wells/ウェルス」、発行年月日:2018年10月10日、配布場所:第45回 国際福祉機器展H.C.R.2018 (9)発行者名:アロン化成株式会社、刊行物名:「温浴シャワーベンチHPフィット」、発行年月日:2018年10月10日、配布場所:第45回 国際福祉機器展H.C.R.2018
本発明は、シャワー装置付き浴室用椅子に関し、特にシャワー装置の腕部の中に水供給管を配置し、その先端部から水抜き孔を通して内部残留水を排出できるようにしたシャワー装置付き浴室用椅子に関する。
従来より、高齢者や要介護者、身体障害者などが立位の状態でシャワーを浴びたり身体を洗ったりするのが大変なことから、使用者が座った状態でシャワーを浴びたり身体を洗ったりすることができるようにシャワー装置付き浴室用椅子が開発されている。
例えば、特開2019-587号公報(特許文献1)には、使用者が腰を掛ける座部と、背中を持たせ掛けるバックレストと、これらの部品を支持する脚部からなる椅子本体と、そしてバックレストの上方において椅子本体に一端が支持された通路構成体と、噴射ノズルが取り付けられており、該通路構成体の両端において上下方向に回動可能に連結された左右一対のシャワーアームからなるシャワー装置とを備えたシャワー機能付き椅子が開示されている。
特許文献1に記載のシャワー機能付き椅子では、椅子本体に支持された左右一対のシャワーアームが該バックレストの上方から前方且つ下方へ延びているので、シャワーアームに取り付けられた噴射ノズルから着座者の上半身に向けて広範囲にわたり効率良く温水又は冷水を噴射することができる。
しかしながら、特許文献1に記載のシャワー装置では、シャワーアームが椅子本体の上部に配置されるので、椅子の高重心化により該椅子の転倒の容易化、不安定化を招くという問題があり、特にシャワー装置の中に水が存在している場合、この問題が顕著になった。
また、特許文献1に記載のシャワー装置では、シャワーアームに小径パイプを用いることで軽量化を図り椅子の高重心化を抑制しているが、特に椅子の前脚および後脚を閉脚して折り畳んで自立させようとする際にシャワー装置の中に水が存在している場合は、シャワーアームの中に残留した水の重みで椅子を安定して自立させることができないという問題があった。別言すれば、椅子を折り畳んで自立させようとする際にシャワーアームの中に残留した水の重みの影響を少なくするためには、椅子の前脚および後脚を閉脚した際、シャワーアームが椅子の前脚と後脚の間に配置できるように、シャワーアームの形状を略直線形状としなければならないという制約が生じ(特許文献1の図4)、その結果、シャワーアームを着座者の体格に合わせて適切に配置することができないという問題があった。
さらに、特許文献1に記載のシャワー装置では、着座者の着座位置に合わせてシャワーアームを上端水平パイプ(通路構成体)に対して回動させ、その状態を保持するために硬質のパイプを用いなければならない。このため、特許文献1に記載のシャワー装置では、シャワーアームを上端水平パイプ(通路構成体)に対して回動自在に連結するために自在継手を用いなければならず、自在継手の劣化や回転部分の摩耗等により、自在継手からの漏水が避けられないという問題があった。
特開2019-587号公報
そこで、本発明は、浴室用椅子を折り畳んでも、シャワー装置の内部に残留した水の影響を受けることなく安定して自立させることができ、そしてシャワーアームの自由度の高い配置を可能にしながら、シャワーアームの関節部(連結部)からの漏水が防止されたシャワー装置付き浴室用椅子を提供することを目的とする。
本発明者等は、シャワー装置付き浴室用椅子において、使用者の体格に合わせてシャワーノズルの位置を適切に配置するための可変部分の構造などについて鋭意検討を重ねた結果、シャワー装置の中に柔軟なホース等の水供給管を配置して二重管構造とし、さらに水供給管の先端には水を自重により外部へ排出させる水抜き孔を設けることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、後述するシャワー装置が取り付けられる浴室用椅子は、前脚部と、前脚部に回動可能に軸支された後脚部と、前脚部または後脚部に回動可能に軸支された座部と、前脚部から上方に延びた背もたれ支持部と、背もたれ支持部に取り付けられた背もたれ部とから構成される椅子本体とから構成される。また、浴室用椅子に取り付けられるシャワー装置は、外部から水が供給される接続部を有する装置本体と、前記装置本体へ回動自在に取り付けられており、前記接続部から内部に供給された水を外部に吐出する複数の吐出孔が設けられたシャワーアーム(以下、「腕部」ともいう。)とから構成される。
そして、本発明によれば、前記装置本体および前記腕部の中には、前記接続部から延びた柔軟性を有する水供給管が配設されており、前記吐出孔は直接前記水供給管へ接続されており、そして前記水供給管の先端部には、前記水供給管の中に溜まった残留水を前記腕部の外部へ排出する水抜き孔が設けられているシャワー装置付き浴室用椅子が提供される。
本発明のシャワー装置では、腕部7は第1の腕部と継手部と第2の腕部を含んでいる。そして、腕部を構成する第1の腕部は装置本体に対して回動可能に取り付けられており、継手部は回動可能に第1の腕部に対して回動可能に取り付けられており、そして第2の腕部は継手部に対して回動可能に取り付けられている。このため、本発明では、装置本体や腕部の中には直接水を通さず、装置本体および腕部の中に、装置本体、第1の腕部、継手部および第2の腕部を通って接続部から水抜き孔まで水供給管を配置し二重管構造とすることにより、装置本体や腕部の各要素の可動部(連結部)からの水の漏出を防止している。
また、本発明のシャワー装置では、腕部全体のシール性を向上させるため、各吐出孔は水供給管と直接に連通するように取り付けており、そして各吐出孔は第1の腕部および第2の腕部によって支持のみされるように取り付けられている。
このため、装置本体の接続部を通して外部から供給された水は、水供給管が破損等しない限り水供給管の外部へ漏出することなく吐出孔へ到達し、そして吐出孔から外部へ吐出されるので、本発明のシャワー装置は高いシール性を有している。また、腕部の中に配管された水供給管は柔軟性を有しているので、第1の腕部、継手部および第2の腕部がそれぞれ任意に回動しても、水供給管に生じる屈曲、捻り等はその柔軟性、弾性により容易に吸収され、本発明のシャワー装置の高度なシール性を維持することができる。
本発明のシャワー装置付き浴室用椅子は、その上部にシャワー装置を備えているので、浴室用椅子の高重心化による該椅子の転倒の容易化、不安定化を回避するため、上述したようにシャワー装置に軽量材料、軽量部材を用いることによりその軽量化が図られている。ところが、シャワー装置の装置本体および腕部には外部から水が供給されるため、シャワー装置の中に水が存在している場合、浴室用椅子の高重心化により該椅子の静地状態の不安定化を招き、特に浴室用椅子の前脚および後脚を閉脚し、折り畳んで自立させようとする際にこの問題が顕著となる。
そこで、本発明では、上述したように装置本体と腕部の中に水供給管を配置し二重管構造とすることにより、シャワー装置の中に水が存在している場合でも、装置本体と腕部の内部空間よりも水供給管の中に滞留する水の量を減じることで、浴室用椅子の高重心化による該椅子の転倒の容易化、不安定化が防止されている。
さらに、本発明のシャワー装置では、水供給管の先端部に水抜き孔を設けているので、特に腕部を下方へ向けて回動して収納状態とした際は、水抜き孔よりも腕部の根元側(上部側)に配置された他の吐出孔から外部空気が流入することにより、水供給管の中に溜まった残留水は水抜き孔を通して水供給管及び腕部の外部へ排出され、シャワー装置全体が軽量化される。また、装置本体の接続部に接続されたシャワーホース等を取り外した場合も接続部から外部空気が流入するので、水供給管の中に溜まった残留水は水抜き孔を通して水供給管及び腕部の外部へ排出され、シャワー装置全体が軽量化される。
この結果、本発明のシャワー装置を取り付けた浴室用椅子は、シャワー装置の中に水が存在している場合でも浴室用椅子の高重心化による該椅子の転倒の容易化、不安定化が防止されると共に、特に浴室用椅子の前脚および後脚を閉脚し、折り畳み状態にした場合でも、浴室用椅子を安定して自立させることができる。
なお、本発明では、装置本体や腕部の中には直接水を通さず、装置本体や腕部の中に水供給管を配置し二重管構造とした場合の構成を開示したが、装置本体や腕部の各要素の可動部等におけるシール性を確保できる場合は、装置本体および腕部の中に直接水を通し、腕部に直接取り付けた吐出孔と連通させることにより、吐出孔から水を装置本体や腕部の外部へ吐出させる構成としてもよい。また、この場合、第2の腕部の先端部にその内部と連通する水抜き孔を設けることにより、装置本体や腕部の中を二重管構造とした場合と同様の効果を得ることができる。
また、装置本体や腕部の中を二重管構造とした場合、二重管構造としない場合においても、水抜き孔を吐出孔と兼用させることにより、シャワー装置の使用時、水抜き孔を吐出孔として機能させてもよい。この場合は、水抜き孔を吐出孔は1つのノズルの配置で済むので、開閉弁などの特別な部品を必要とせず、極めてシンプルな構造でシャワー装置を構成することができる。
本発明のシャワー装置付き浴室用椅子によれば、装置本体や腕部の中には直接水を通さず、装置本体および腕部の中に、装置本体、第1の腕部、継手部および第2の腕部を通って接続部から水抜き孔まで水供給管を配置し二重管構造としているので、装置本体や腕部の各要素の可動部(連結部)からの水の漏出が防止される。特に本発明によれば、腕部の中に配管された水供給管は柔軟性を有しているので、第1の腕部、継手部および第2の腕部がそれぞれ任意に回動しても、水供給管に生じる屈曲、捻り等はその柔軟性、弾性により容易に吸収されるので、シャワー装置の高度なシール性を維持することができる。
本発明によれば、装置本体と腕部の中に水供給管を配置し二重管構造とすることにより、シャワー装置の中に水が存在している場合でも、装置本体と腕部の内部空間よりも水供給管の中に滞留する水の量を減じることができるので、浴室用椅子の高重心化による該椅子の転倒の容易化、不安定化を防止することができる。
本発明によれば、水供給管の先端部に水抜き孔を設けているので、特に腕部を下方へ向けて回動して収納状態とした際は、水抜き孔よりも腕部の根元側(上部側)に配置された他の吐出孔から外部空気が流入することにより、水供給管の中に溜まった残留水は水抜き孔を通して水供給管及び腕部の外部へ排出され、シャワー装置全体が軽量化される。また、装置本体の接続部に接続されたシャワーホース等を取り外した場合も接続部から外部空気が流入するので、水供給管の中に溜まった残留水は水抜き孔を通して水供給管及び腕部の外部へ排出され、シャワー装置全体が軽量化される。
その結果、本発明のシャワー装置を取り付けた浴室用椅子は、シャワー装置の中に水が存在している場合でも浴室用椅子の高重心化による該椅子の転倒の容易化、不安定化が防止されると共に、特に浴室用椅子の前脚および後脚を閉脚し、折り畳み状態にした場合でも、浴室用椅子を安定して自立させることができる。
シャワー装置を椅子本体に対して低い位置にセットした場合の本発明の一実施形態に係るシャワー装置付き浴室用椅子を前方から見た斜視図である。 図1に示されるシャワー装置付き浴室用椅子を後方から見た斜視図である。 図1に示されるシャワー装置付き浴室用椅子の側面図である。 図1に示されるシャワー装置の高さ調節手段(含む連結部)を分解した状態を示す斜視図である。 図4に示される高さ調節手段(含む連結部)の分解図を部分的に拡大した状態を示す斜視図である。 装置本体が椅子本体に対して高い位置にセットされた、図1に示されるシャワー装置付き浴室用椅子を後方から見た斜視図である。 図6に示されるシャワー装置付き浴室用椅子の側面図である。 腕部の一部の内部構造を表しており、閉脚して自立させた図1に示されるシャワー装置付き浴室用椅子を前方から見た斜視図であり、 腕部の一部の内部構造を表した図8に示されるシャワー装置付き浴室用椅子の側面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るシャワー装置2およびシャワー装置付き浴室用椅子1について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
1.シャワー装置付き浴室用椅子の全体構成
図1には、後述するシャワー装置6を椅子本体10に対して低い位置にセットした場合の本発明の一実施形態に係るシャワー装置付き浴室用椅子1を前方から見た斜視図が示されており、図2には、図1に示されるシャワー装置付き浴室用椅子1を後方から見た斜視図が示されている。また、図3には、図1に示されるシャワー装置付き浴室用椅子1の側面図が示されている。なお、本願明細書では、特に断りがなければ、シャワー装置6およびシャワー装置付き浴室用椅子1の背もたれ部5の表面側を「前」、背もたれ部5の背面側を「後」、シャワー装置付き浴室用椅子1へ腰を掛けた状態において左手が配置される側を「左」、右手が配置される側を「右」と呼んでいる。
図1~3に示されているように、本実施形態のシャワー装置付き浴室用椅子1は、前脚部20と、前脚部20に回動可能に軸支された後脚部3と、後脚部3に回動可能に軸支された座部4と、前脚部2から上方に延びた背もたれ支持部21に取り付けられた背もたれ部5とからなる椅子本体10と、そして外部から水が供給される接続部61を有する装置本体60と、装置本体60に回動自在に取り付けられており、接続部61から内部に供給された水を外部に吐出する吐出孔8が設けられた腕部7と、椅子本体10に対する装置本体60の高さを調節するための高さ調節手段9とからなり、前記椅子本体10の背もたれ支持部20に取り付けられたシャワー装置6を備えている。
2.浴室用椅子の構成
本実施形態のシャワー装置付き浴室用椅子1において、前脚フレーム2は左右一対の前脚部20と、左右一対の前脚部20から上方に延びて上部で相互に連結されている背もたれ支持部21とを一体的に含んでおり、正面視において逆向きの略U字形を形成しており、そして側面視において緩やかな略S字形を形成している(図2,3参照)。また、左右の背もたれ支持部21には肘掛け22が回動可能に取り付けられている。前脚フレーム2bはアルミニウムなどの軽量金属パイプからできており、前脚部2の一部はそれぞれの前脚部2の長さ(椅子本体10の高さ)を調節できるように、スライド可能に嵌合された二重のパイプ構造となっている。
また、前脚フレーム2は、左右一対の前脚部20同士を連結する横断フレーム23と、一の端部が前脚部に取り付けられており、他の端部が横断フレーム23に取り付けられている、横断フレーム23と略平行に延びた左右一対の支持部材24とを備えている。
一方、左右一対の後脚部3は、それぞれの後脚部3から側方に延びたブラケット30を備えており、前脚フレーム2から所定の間隔を開けて偏心して回動するようにブラケット30を介して前脚フレーム2へ回動可能に取り付けられている。また、後脚部3はアルミニウムなどの軽量金属パイプからできており、後脚部3の一部は、それぞれの後脚部3の長さ(椅子本体10の高さ)を調節できるように、スライド可能に嵌合された二重のパイプ構造となっている。
座部4はブロー成形された中空のプラスチックからできており、そして本実施形態では上部に発泡プラスチック製の左座面が装着された左座部4aと、上部に発泡プラスチック製の右座面が装着された右座部4bとへ分割されている。左座部4aと右座部4bとの間には左右座部4a,4bの前後方向に延びて溝部を形成するように、左座部4aと右座部4bとを連結する連結座部4cが形成されている。また、左座面と右座面は相互に離間しており、左右の座面の表面には、滑り止め機能と排水機能とを兼ね備えた切り溝状の凹凸模様(図示せず)が形成されている。なお、本実施形態において座部が分割されている必要はなく、一般的な一面を形成するものであってもよい。
そして、座部4は左右の側面に設けられ軸支点において、左後脚部3および右後脚部3に回動可能に軸支されている。
図示しないが、左右の座部4a,4bの上面には複数の雌穴が形成されており、一方、左右の座面(クッション部分)の裏側には座部の雌穴と嵌合する突起が形成されている。このため、左右の座面は、左右の座部4a,4bの上面に着脱自在に装着できるので、左右の座面を座部4a,4bから簡単に取り外して洗浄したり、交換することができる。また、座面は発泡体からできているので、使用者に座部4の温度を感じさせない断熱性やクッション性に優れており、軽量であるために取り扱いも容易である。
背もたれ部5は、ブロー成形された中空のプラスチックからできた背もたれ本体50と、背もたれ本体50の前面に装着された発泡プラスチック製のパッドとから構成されており、ビスおよび取付金具を用いて椅子本体10の背もたれ支持部21へ取り付けられている。また、パッドの表面には、滑り止め機能と排水機能とを兼ね備えた切り溝状の凹凸模様(図示せず)が形成されている。
図示しないが、背もたれ本体50の前面には、座部4と同様に複数の雌穴が形成されており、一方、パッドの裏側には、背もたれ本体50の雌穴と嵌合する突起が形成されている。このため、本実施形態では、パッドは、背もたれ本体50の前面に着脱自在に装着されるので、パッドを背もたれ本体50から簡単に取り外して洗浄したり、交換することができる。また、パッドは発泡体からできているので、使用者に背もたれ部5の温度を感じさせない断熱性やクッション性に優れており、軽量であるため取り扱いも容易である。
本実施形態の椅子本体10は、必ずしも左右に分割/分離された座部4a,4bの間に前後方向に延びた溝部が形成されている必要がなく、そのため座部4は左右の座部4a,4bへ完全に分割/分離されていてもよい。そのため、本実施形態の椅子本体10では、左右の座部5a,5bをそれぞれに下方から支持するために左右の支持部材24が設けられている。また、本実施形態の椅子本体10は、左右の前脚部20を連結する横断フレーム23を有しており、左右の支持部材24はそれぞれに、左右の前脚部20と横断フレーム23へ取り付けられことによって固定されている。
このため、本実施形態の浴室用の椅子本体10は、使用者の局部等を洗浄するために、座部4が左右に分割/分離されているにも拘らず、折り畳み可能であり、且つ折り畳み状態では自立させることができる。また、図示しないが、座部4は左右の座部4a,4bへ完全に分割/分離されていてもよいので、この場合、介護者等は、左右の座部4a,4bの間に形成された連結座部4cによって邪魔をされることなく、座部4の下部の空間を使って使用者の局部等をその真下から自由に洗浄することができる。
また、本実施形態の浴室用の椅子本体10は前脚部20および後脚部3の長さ調節が可能であり、且つ座部4を背もたれ部4、左右一対の前脚フレーム2および後脚部3と略同一の鉛直面内に整列させるように折り畳むことができるので(図9参照)、前脚部20および後脚部3を閉じて椅子本体10を折り畳んだ状態では、椅子本体10の重心が左右の前脚部20の接地点と左右の後脚部3の接地点とを結ぶ接地区域の内側に配置されて、椅子本体10自体を安定して自立させることができる。
本実施形態の浴室用の椅子本体10では、棒形状の左右一対の支持部材24が、横断フレーム23の上方において横断フレーム23と略平行に配置されており、そして支持部材24は、それぞれに一の端部が前脚部20に取り付けられており、且つ他の端部は、横断フレーム23から上方に延びた補助フレーム25を介して横断フレーム23に取り付けられている。
上述のように、本実施形態の浴室用の椅子本体10では支持部材24の形状が棒状であり、支持部材24が、前脚部20に取り付けられている側とは反対側の他の端部においてにおいて補助フレーム25を介して横断フレーム23へ取り付けられているので、左右に分割されている座部4a,4bをそれぞれ独立して下から強固に支持できると共に、介護者等が椅子本体10の正面から着座者の局部等へアクセスするのを容易にする。特に本実施形態のように左右の座部4a,4bの間にU字形の溝部を設けると、溝部の前方正面を横断するフレームを省略できるので、椅子本体10の正面から着座者の局部等へのアクセス性がより一層向上する。
本実施形態の浴室用の椅子本体10では、左右の座部4a,4bは連結座部4cによってその間に溝部を形成するように連結されており、そして溝部は、前脚部20と後脚部3が開脚している時、後方へ向けて下るように傾斜している底面を有している。
このように、左右の座部4a,4bをU字形の溝部を有する連結座部4cによって連結すると、座部4および浴室用の椅子本体10の強度が向上する。また、前脚部20および後脚部3を開いて椅子本体10を広げた状態では、連結座部4cの溝部の底面が後方へ向けて下るように傾斜しているので、使用者の局部等の洗浄により発生した排水や排泄物などが、意図しない前方方向へ流出するのを防止することができる。特に浴室用の椅子本体10に着座した使用者の局部等の洗浄する場合、介護者等は使用者等の後方または側方から介護することが多いので、連結座部4c溝部の後端部に排泄物容器などを設置しておけば、排水や排泄物の処理が容易となり、そして前方方向へ流出して着座者等の足元を汚すこともなくなる。
本実施形態の浴室用の椅子本体10では、前脚フレーム2背もたれ支持部24へ左右一対の肘掛け22を設けられているので、使用者は、肘掛け22を利用することにより着座姿勢、立脚姿勢および両者の姿勢間を移行する際の動作が補助され安定する。また、肘掛け22は背もたれ支持部24へ回動(折り畳み)可能に取り付けられているので、肘掛け22を跳ね上げることにより、使用者が椅子本体10へ移乗する際または椅子本体10から移動する際のアクセス性が向上する。さらに、前脚部20および後脚部3を閉じて椅子1を使用しない時は、肘掛け22を跳ね上げて座部4、背もたれ部5、左右の前脚フレーム2および後脚部3と略同一の鉛直面内に整列させることができるので、シャワー装置付き浴室用椅子1のコンパクトな格納性を阻害することがない。
3.シャワー装置の構成
本実施形態の浴室用の椅子本体10に取り付けるためのシャワー装置6は、外部から水が供給される接続部61を有する装置本体60と、装置本体60に回動自在に取り付けられており、接続部61からシャワー装置6の内部に供給された水を外部に吐出する吐出孔8(以下、「ノズル8」ともいう。)が取り付けられた腕部7と、浴室用の椅子本体10に対する装置本体60の高さを調節するための高さ調節手段9とを備えている。また、本実施形態のシャワー装置6は、シャワー装置6の高さ調節手段9に設けられた連結部90を介して前脚フレーム2の背もたれ支持部21へ着脱自在に取り付けられている。
なお、シャワー装置6は、連結部90を介して座部4など椅子本体10他の部品へ取り付けられていてもよく、また連結部90を介することなく、浴室用の椅子本体10の背もたれ部など椅子本体10へ直接取り付けられていてもよい。
本実施形態の装置本体60は、装置本体60を前後方向に略二等分する垂直断面で分割したように前側装置本体と後側本体へ分かれて形成されており、前側装置本体および後側本体は互いにビス止め等されることにより、その内部には空洞が形成されている。また、装置本体60の後側本体の背面には、浴室に設置されたシャワーホース(図示せず)等を接続するための接続部61が設けられており、接続部61およびホース等には、両者の接続を容易にするために予め着脱自在の専用のコネクター62を取り付けておいてもよい。
装置本体60の左右端部のぞれぞれには、左右一対の腕部7が回動自在に取り付けられており、左右一対の腕部7は装置本体60を挟んで互いに鏡面対称の形状を有している。腕部7は、装置本体60へ回動自在に取り付けられる基部700を有しており、接続部61から腕部7へ供給された水を外部に吐出するノズル8が取り付けられた第1の腕部70と、先端部を有しており、接続部61から腕部7へ供給された水を外部に吐出するノズル8が取り付けられた第2の腕部71と、そして第1の腕部70と第2の腕部71とを連結する継手部72とから構成されている。なお、本実施形態では、装置本体60および腕部7の材料は限定されるものではないが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等に比較的硬質の材料で形成されている。
本実施形態の第1の腕部70は、装置本体60との接続部において、その内部を流れる水の方向に対して略直交する断面内で回転するように装置本体60へ取り付けられている。また、継手部72は、第1の腕部70との接続部において、その内部を流れる水の方向に対して略直交する断面内で回転するように第1の腕部70へ取り付けられており、そして第2の腕部71は、継手部72との接続部において、その内部を流れる水の方向に対して略直交する断面内で回転するように継手部72へ取り付けられている。
このため、第1の腕部70を装置本体60に対して回動させることにより、左右一対の腕部7を着座者の上半身に沿うように接近させて、椅子本体10の背もたれ部5の上方から前方且つ下方へ向けて配置することが可能になる。また、シャワー装置付き浴室用椅子1の前脚フレーム2および後脚部3を閉じる際は、左右一対の腕部7を下方へ向けて配置することによりシャワー装置付き浴室用椅子1をコンパクト(省スペース)に折り畳むことができるようになる。第2の腕部71を第1の腕部70に対して回動させることにより、左右一対の腕部7に設けられたノズル8を着座者の上半身に向けて配置することが可能になる。この結果、本実施形態のシャワー装置6では、着座者の上半身に向けて広範囲にわたり効率良く温水又は冷水を噴射することができるようになる。
なお、継手部72を柔軟なフレキシビキティ管とすれば、第2の腕部71を第1の腕部70に対して任意の角度や任意の方向へ向けて配置することが可能になるので、着座者のより近い位置から上半身に向けて、より広範囲にわたりより効率良く温水又は冷水を噴射することができるようになる。
4.高さ調節手段の構成
図4には、本実施形態のシャワー装置6の高さ調節手段9および連結部90を分解した状態の斜視図が示されており、図5には、図4に示される調節手段9および連結部90の分解図を部分的に拡大した斜視図が示されている。図6には、装置本体60が椅子本体10に対して高い位置にセットした場合のシャワー装置付き浴室用椅子1を後方から見た斜視図が示されている、また、図7には、図6に示されるシャワー装置付き浴室用椅子1の側面図が示されている。
図2,3と図6,7とを対比してよく理解されるように、本実施形態のシャワー装置6およびシャワー装置付き浴室用椅子1では、左右一対の腕部7が取り付けられた装置本体60が高さ調節手段9により浴室用の椅子本体10に対する高さ調節可能に取り付けられており、その結果、左右一対の腕部7を使用者の体格に合わせて、そして使用者の両肩等と干渉することなく配置することができる。
図4,5に示されているように、高さ調節手段9は連結部90を備えており、連結部90は、背もたれ支持部21に沿って左右方向に延びており且つ背もたれ支持部21の前側に配置される固定プレート900と、支持部21に沿って左右方向に延びており且つ背もたれ支持部21を挟んでその後側に配置されるカバープレート901と、両プレートを連結するビス(図示せず)より構成されている。
固定プレート900は、背もたれ支持部21の前側に略垂直に配置される固定片901と、固定片901から背もたれ支持部21の後側へ略水平に張り出すように延びた張出し片902と、そして張出し片902から上方へ略垂直に延びた支持片903とを備えている。一方、カバープレート904は、固定片901と対向し、背もたれ支持部21の後側に略垂直に配置されるカバー固定片905と、張出し片902と対向し、カバー固定片905から背もたれ支持部21の後側へ略水平に張り出すように延びたカバー張出し片906と、そして支持片903と対向し、カバー張出し片906から上方へ略垂直に延びたカバー支持片907とを備えており、固定プレート900を略相似形状を有している。
固定片901とカバー固定片905および支持片903とカバー支持片907は、それぞれの対向する位置にビス孔が設けられており、そして固定プレート900とカバープレート904は、支持部21を挟んで固定片901とカバー固定片905をビス止めし、支持片903とカバー支持片907を当接させてビス止めすることにより背もたれ支持部21へ着脱自在に固定される。また、カバープレート904のカバー支持片907には、支持片903と当接させてビス止めした際、支持片903から離間して空間を形成する一対の筒部91が設けられている。
本実施形態のシャワー装置6およびシャワー装置付き浴室用椅子1では、シャワー装置6の高さ調節手段9は、上述したように装置本体60から延びた2本の支柱63をそれぞれに挿通支持するための筒部91と、筒部91に支持されており支柱63に対して近接離間する固定部材92と、そして筒部91の内周面と支柱63との間に配置された挟持部材93とを備えている。
より具体的には、本実施形態の高さ調節手段9では、固定部材92は筒部91の側壁部に雌ネジを開口し(図示せず)、雌ネジと螺合し且つ支柱63へ向けて螺進退するノブ付き雄ネジ92で構成されている。また、挟持部材93は、筒部91の内周面と支柱63との間であって且つ固定部材92(以下、「雄ネジ92」ともいう。)と支柱63との間に配置されることで支柱63の一方の側面に当接する第1の挟持部材930と、第1の挟持部材930と対向する位置であって、筒部91の内周面と支柱63との間に配置されることで支柱63の他方の側面に当接する第2の挟持部材931とに分かれている。
上述したように本実施形態のシャワー装置6では、左右一対の腕部7が連結された装置本体60を椅子本体10の上方で支持するために該装置本体60から延びた2本の支柱63を有している。このため、本実施形態では支柱63を挿通支持するための筒部91を設け、そして螺合することにより筒部91に支持されている雄ネジ92を支柱63に対して近接離間させることにより、装置本体60の支柱63を利用して該支柱63に支持された装置本体60の高さ調節を可能にしている。すなわち、雄ネジ(固定部材)92を支柱63から離間させることにより該支柱63に支持された装置本体10の高さを調節し、そして雄ネジ(固定部材)92を支柱63へ当接又は後述する挟持部材93を介して当接させることにより、該支柱63に支持された装置本体60を所望の高さに固定することができる。なお、支柱63を挿通支持する筒部91は、例えば背もたれ部5などの椅子本体10へ固定可能なものであればよく、椅子本体10へ内蔵されるなど一体となって形成されていてもよい。
本実施形態のシャワー装置6は、シャワー装置6を具備した浴室用椅子1の高重心化による転倒の容易化を防止するために、装置本体60には樹脂等の軽量材料を用い、支柱63などのフレーム部材にはステンレス、アルミニウム等からなる中空の金属製パイプ等の軽量部材を用いることによりシャワー装置6全体の軽量化が図られている。
このため、本実施形態の高さ調節手段9では、軽量であるが比較的強度の弱い支柱63へ雄ネジ92を押し当てても該支柱63が変形しないように、或いは支柱63へモーメント力が働いた時、筒部91の上下縁部(角部)により支柱63が容易に折れ曲がらないようにするために、筒部91の内側には、筒部91の内周面と支柱63との間であって且つ雄ネジ92と支柱63との間において該支柱63の一方の側面に当接する第1の挟持部材930と、第1の挟持部材930と対向する位置であって且つ筒部91の内周面と支柱63との間において該支柱63の他方の側面に当接する第2の挟持部材931とが配置されている。すなわち、第1の挟持部材930および第2の挟持部材931は、支柱91が雄ネジ92や筒部91の上下縁部により損傷を受けないようにする保護部材としても機能する。
このように、第1の挟持部材930と第2の挟持部材931は、支柱63を両側面から挟持するものであり、その中、第1の挟持部材930は筒部91の内周面と支柱63との間であって且つ雄ネジ92と支柱63との間に配置されるので、雄ネジ92を近接させることにより支柱63を押圧する。また、第2の挟持部材931は第1の挟持部材930と対向する位置であって且つ筒部91の内周面と支柱63との間に配置されるので、第1の挟持部材930による押圧力の反力を受けて支柱63を押圧する。
本実施形態の高さ調節手段9では、支柱63の断面が、支柱63に中空の金属製パイプを用いることにより円形形状を有しているので、第1及び第2の挟持部材930,931には、支柱63の外周面に対して2本以上の線接触により接触する内部当接面932が設けられており、より具体的には、内部当接面932はその断面の外形が3本の辺よりなる半六角形を呈している(図5)。
本実施形態の高さ調節手段9では、円形の断面を有している支柱63に対して、第1及び第2の挟持部材930,931の内側には支柱63の外周面に対して2本以上の線接触により接触する内部当接面932を形成することにより、雄ネジ92の先端や筒部91の内壁面から支柱63へ伝わる押圧力を適度に分散及び集中させて、支柱63の損傷防止(保護)と支柱63に対する挟持力強化を両立させている。
また、本実施形態の高さ調節手段9では、第1及び第2の挟持部材930,931の内部当接面932の断面の外形を3本の辺よりなる半六角形を有するように形成しているので、挟持力によって内部当接面932と支柱63の外周面との線接触の本数が変化し、挟持力が不安定になるのが防止されている。また、第1及び第2の挟持部材930,931で支柱63を押圧した際、内部当接面932が支柱63により押し広げられて応力集中により亀裂を生じるのが防止されている。
なお、断面の外形が3本の辺よりなる半六角形とは、図5に示されるように、6面からなる側面を有し、その横断面が六角形である筒状体において、2つの角部を通る縦断面で略等しく2分割した場合のいずれか一方の半割れの筒状体の形状を意味し、この場合、前記半割れの筒状体は3面からなる内側面を有し、その横断面の外形は3本の辺よりなる半六角形を呈している。
また、本実施形態の高さ調節手段9では、第1及び第2の挟持部材930,931の内部当接面932の縦長さは、該挟持部材930,931が接する筒部91の内周面の縦長さよりも長くなるように形成されている(図7)。このため、本実施形態では、第1及び第2の挟持部材930,931により押圧される支柱63が該支柱63を囲む筒部91の上下縁部(角部)と接触するのを防止できるので、支柱63へモーメント力が働いた時、支柱63が筒部91の上端縁部及び/又は下端縁部と直接接触することにより容易に折れ曲がるという不都合を効果的に防止することができる。このため、第1及び第2の挟持部材930,931は、筒部91の上端縁部及び下端縁部を覆う折り返し部933を有している(図5)。
このように、内部当接面932の縦長さが筒部91の内周面の縦長さよりも長く、そして第1及び第2の挟持部材930,931がそれぞれに筒部91の上端縁部及び下端縁部を覆う折り返し部933を有していると、例えば折り返し部933の内部表面にRの付いた曲面を形成することにより、支柱63へモーメント力が働いた時、支柱63は第1及び第2の挟持部材930,931のRの付いた曲面に接触するので、支柱63が第1及び第2の挟持部材930,931の上下縁部と接触してもより折れ曲がり難くなる。また、第1及び第2の挟持部材930,931が筒部91に対して上下方向にズレて、筒部91から脱落するのを防止することもできる。
また、挟持部材93は、支柱63を挟持する時、該支柱63を確実に拘束できる硬さを有するものでなければならず、また支柱63へモーメント力が働いた時などは、該支柱63へダメージを与えず、該支柱63の動きに柔軟に変形できるものでなければならない。このため、第1の挟持部材930及び/又は第2の挟持部材931は、ポリプロピレンなど、ロックウェル硬度がRスケールにおいて70~110であり、弾性率が1100~1700MPaである樹脂材料から形成されていることが好ましい。
5.椅子自立支援機構の構成
図8には、本実施形態のシャワー装置6の腕部7の一部の内部構造を表しており、閉脚して自立させたシャワー装置付き浴室用椅子1を前方から見た斜視図が示されている。また、図9には、本実施形態のシャワー装置6の腕部7の一部の内部構造を表した図8に示されるシャワー装置付き浴室用椅子1の側面図が示されている。
図8,9に示されているように、本実施形態の浴室用の椅子本体10に取り付けるためのシャワー装置6は、上述したように外部から水が供給される接続部61を有する装置本体60と、装置本体60へ回動自在に取り付けられており、接続部61から内部に供給された水を外部に吐出する複数のノズル(吐出孔)8が設けられた腕部7とから構成されている。そして装置本体60および腕部7の中には、接続部60から延びた例えば樹脂製のホースのような柔軟性を有する水供給管73が配設されており、ノズル8は直接水供給管73へ接続されており、さらに水供給管73の先端部には水供給管73の中に溜まった残留水を水供給管73及び腕部7の外部へ排出する水抜き孔80が設けられている。
本実施形態のシャワー装置6では、腕部7を構成する第1の腕部70は装置本体60に対して回動可能に取り付けられており、継手部72は回動可能に第1の腕部70に対して回動可能に取り付けられており、そして第2の腕部71は継手部72に対して回動可能に取り付けられている。このため、本実施形態では、装置本体10や腕部7の中には直接水を通さず、装置本体10および腕部7の中に、装置本体10、第1の腕部70、継手部72および第2の腕部71を通って接続部61から水抜き孔80まで水供給管73を配置し二重管構造とすることにより、装置本体10や腕部7の各要素70,72,71の可動部(連結部)からの水の漏出を防止している。
また、本実施形態のシャワー装置6では、腕部7全体のシール性を向上させるため、各ノズル8は水供給管73と直接に連通するように取り付けており、そして各ノズル8は第1の腕部70および第2の腕部71によって支持のみされるように取り付けられている。
このため、装置本体60の接続部61を通して外部から供給された水は、水供給管73が破損等しない限り水供給管73の外部へ漏出することなくノズル8へ到達し、そしてノズル8から外部へ吐出されるので、本実施形態のシャワー装置6は高いシール性を有している。また、腕部7の中に配管された水供給管73は柔軟性を有しているので、第1の腕部70、継手部72および第2の腕部71がそれぞれ任意に回動しても、水供給管73に生じる屈曲、捻り等はその柔軟性、弾性により容易に吸収され、実施形態のシャワー装置6の高度なシール性を維持することができる。
本実施形態のシャワー装置付き浴室用椅子1は、その上部にシャワー装置6を備えているので、浴室用椅子1の高重心化による該椅子1の転倒の容易化、不安定化を回避するため、上述したようにシャワー装置6に軽量材料、軽量部材を用いることによりその軽量化が図られている。ところが、シャワー装置6の装置本体60および腕部7には外部から水が供給されるため、シャワー装置6の中に水が存在している場合、浴室用椅子1の高重心化により該椅子1の設置状態の不安定化を招き、特に浴室用椅子1の前脚20および後脚3を閉脚し、折り畳んで自立させようとする際にこの問題が顕著となる。
そこで、本実施形態では、上述したように装置本体60と腕部7の中に水供給管73を配置し二重管構造とすることにより、シャワー装置6の中に水が存在している場合でも、装置本体60と腕部7の内部空間よりも水供給管73の中に滞留する水の量を減じることで、浴室用椅子1の高重心化による該椅子1の転倒の容易化、不安定化が防止されている。
さらに、本実施形態のシャワー装置6では、水供給管73の先端部に水抜き孔80を設けているので、特に腕部7を下方へ向けて回動して収納状態とした際は、水抜き孔80よりも腕部7の根元側(上部側)に配置された他のノズル8から外部空気が流入することにより、水供給管73の中に溜まった残留水は水抜き孔80を通して水供給管73及び腕部7の外部へ排出され、シャワー装置6全体が軽量化される。また、装置本体60の接続部61に接続されたシャワーホース等を取り外した場合も接続部61から外部空気が流入するので、水供給管73の中に溜まった残留水は水抜き孔80を通して水供給管73及び腕部7の外部へ排出され、シャワー装置6全体が軽量化される。
この結果、本実施形態のシャワー装置6を取り付けた浴室用椅子1は、シャワー装置6の中に水が存在している場合でも浴室用椅子1の高重心化による該椅子1の転倒の容易化、不安定化が防止されると共に、特に浴室用椅子1の前脚20および後脚3を閉脚し、折り畳み状態にした場合でも、浴室用椅子1を安定して自立させることができる。
なお、本実施形態では、装置本体60や腕部7の中には直接水を通さず、装置本体60や腕部7の中に水供給管73を配置し二重管構造とした場合の構成を説明してきたが、装置本体60や腕部7の各要素70,72,71の可動部等におけるシール性を確保できる場合は、装置本体60および腕部7の中に直接水を通し、腕部7に直接取り付けたノズル8と連通させることにより、ノズル8から水を装置本体60や腕部7の外部へ吐出させる構成としてもよい。また、この場合、第2の腕部71の先端部にその内部と連通する水抜き孔80を設けることにより、装置本体60や腕部7の中を二重管構造とした場合と同様の効果を得ることができる。
また、装置本体60や腕部7の中を二重管構造とした場合、二重管構造としない場合においても、水抜き孔80を吐出孔(ノズル)8と兼用させることにより、シャワー装置6の使用時、水抜き孔80を吐出孔(ノズル)8として機能させてもよい。この場合は、水抜き孔80を吐出孔8は1つのノズルの配置で済むので、開閉弁などの特別な部品を必要とせず、極めてシンプルな構造でシャワー装置6を構成することができる。
1・・・・・シャワー装置付き浴室用椅子
10・・・・椅子本体
2・・・・・前脚フレーム
20・・・・前脚部
21・・・・背もたれ支持部
22・・・・肘掛け
23・・・・横断フレーム
24・・・・支持部材
25・・・・補助フレーム
3・・・・・後脚部
30・・・・ブラケット
4・・・・・座部
4a・・・・左座部
4b・・・・右座部
4c・・・・連結座部
5・・・・・背もたれ部
50・・・・背もたれ本体
6・・・・・シャワー装置
60・・・・装置本体
61・・・・接続部
62・・・・コネクター
63・・・・支柱
7・・・・・腕部
70・・・・第1の腕部
700・・・基部
71・・・・第2の腕部
710・・・先端部
72・・・・継手部
73・・・・水供給管(ホース)
8・・・・・吐出孔(ノズル)
80・・・・水抜き孔(ノズル)
9・・・・・高さ調節手段
90・・・・連結部
900・・・固定プレート
901・・・固定片
902・・・張出し片
903・・・支持片
904・・・カバープレート
905・・・カバー固定片
906・・・カバー張出し片
907・・・カバー支持片
91・・・・筒部
92・・・・固定部材(雄ネジ)
93・・・・挟持部材
930・・・第1の挟持部材
931・・・第2の挟持部材
932・・・内部当接面
933・・・折り返し部

Claims (3)

  1. 前脚部と、
    前脚部に回動可能に軸支された後脚部と、
    前脚部または後脚部に回動可能に軸支された座部と、
    前脚部から上方に延びた背もたれ支持部と、そして
    背もたれ支持部に取り付けられた背もたれ部とから構成される椅子本体と、
    外部から水が供給される接続部を有する装置本体と、
    前記装置本体へ回動自在に取り付けられた腕部とから構成され、前記椅子本体に取り付けられるシャワー装置と
    を備えたシャワー装置付き浴室用椅子において、
    前記装置本体および前記腕部の中には、前記接続部から延びた柔軟性を有する水供給管が配設され
    前記腕部には、前記水供給管へ直接接続され且つ前記腕部が延びる方向に対して略直交する向きに配置された複数の吐出孔と、前記水供給管の先端部に設けられ且つ前記腕部が延びる方向に対して略平行する向きに配置された水抜き孔とが設けられており、そして
    前記腕部を下方へ向けて回動して収納状態とした時、前記水供給管の中に溜まった残留水は前記水抜き孔を通して前記腕部の外部へ排出されることを特徴とするシャワー装置付き浴室用椅子。
  2. シャワー装置を使用時、前記水抜き孔は吐出孔として機能する請求項に記載のシャワー装置付き浴室用椅子。
  3. 前記シャワー装置は、前記浴室用椅子に対する前記装置本体の高さを調節するための高さ調節手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシャワー装置付き浴室用椅子。
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