JP7211092B2 - 緊急通報装置 - Google Patents
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[第1実施形態]
[1.ドライバ異常対応システムについて]
図1に示すように、第1実施形態の緊急通報装置10は、車両2に搭載されたドライバ異常対応システム1に含まれる。なお、車両2とは、一例として、バス等の大型車両であっても良い。ドライバ異常対応システム1とは、車両2に異常事態が発生したことを検知すると共に、異常事態の発生時に車両2を緊急停車させたり、センタ3に対し、異常事態が発生したことを通知したりするためのシステムである。
次に、図1を用いて緊急通報装置10について詳しく説明する。緊急通報装置10は、異常事態が発生した際にセンタ3に対して緊急通報を行い、異常事態が発生した旨を通知する。この緊急通報の際、車両2のドライバ又は乗員は、緊急通報装置10により、センタ3のオペレータと通話を行うことができる。また、緊急通報装置10は、車両2に搭載された少なくとも1つのカメラ20により車外及び/又は車内を周期的に撮影し、撮影画像を記憶する。そして、緊急通報時に、記憶された撮影画像をセンタ3に送信する。なお、第1実施形態では、一例として、複数台のカメラ20により撮影が行われる。
バックアップ電源18は、本体ユニット10aから通話ユニット10bへの電力供給の異常(以後、電源異常)が生じている場合に、本体ユニット10aに替わって電力を供給するバッテリである。なお、本体ユニット10aからの電力供給が正常である電源正常時には、本体ユニット10aから供給される電力によりバックアップ電源18の充電がされても良い。バックアップ電源18は、電源異常時に、少なくともマイク16に電力を供給する。一例として、第1実施形態では、バックアップ電源18は、電源異常時に、マイク16と、スピーカ17と、通話側通信部19とに電力を供給する。
通信制御部11は、アンテナ11aを介して無線通信により通信網4にアクセスし、通信網4を介してセンタ3と通信を行う。一例として、通信制御部11は、携帯電話用の通信網4にアクセスしても良い。また、通信制御部11は、センタ3に対し上述した緊急通報を行うと共に、緊急通報の際に撮影画像をセンタ3に送信する。また、通信制御部11、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えるマイクロコントローラを有し、マイクロコントローラによりその機能の一部が実現されても良い。
電源部14は、車両2に搭載された車載バッテリ2aから供給される電力を、カメラ20と、通信制御部11、撮影部12、及び、記憶部13といった本体ユニット10aの各部位とに供給する。また、電源部14は、車載バッテリ2aから供給される電力を、電源ライン10eを介して通話ユニット10bの各部位に供給する。
一方、センタ3は、通信網4を介して緊急通報装置10と通信可能な装置であり、緊急通報装置10から受信した撮影画像をHDD等の記憶装置に記憶する。記憶された撮影画像は、異常事態の発生原因の解析等に用いられる。また、センタ3は、図示しないマイク及びスピーカを有する。マイク及びスピーカにより、車両2のドライバや乗員とセンタ3のオペレータとの間で通話が行われる。
ここで、緊急通報時に車両2のドライバや乗員とセンタ3のオペレータとが通話を行うための通話処理について説明する。通話処理では、通話ユニット10bのマイク16により生成された第1音声情報が本体ユニット10aに送信され、本体ユニット10aの通信制御部11が、受信した第1音声情報をセンタ3に送信する。そして、センタ3では、第1音声情報に基づき音声が出力される。なお、第1音声情報は、マイク16により生成された後、センタ3に送信されるまでの過程で、適宜その形式が変更されても良い。
また、通話処理は、通信ライン10f、又は、近距離無線通信を介して行われる。すなわち、通信ライン10fを介した通信が正常な状態(以後、通信正常と記載)である場合には、マイク16から通信制御部11に対し、通信ライン10fを介して第1音声情報が送信されると共に、通信制御部11からスピーカ17に対し、通信ライン10fを介して第2音声情報が送信される。
次に、異常事態の発生時にセンタ3に緊急通報を行うための緊急通報処理について、図2のフローチャートにより説明する。緊急通報処理は、車両2の運転中、緊急通報装置10にて周期的に実行される。なお、車両2の運転開始時には、本体ユニット10aと通話ユニット10bとは、通信ライン10fを介して通信が行われる設定となっている。
S105では、通話ユニット10bに設けられた図示しない制御部により、通話ユニット10bの電源異常が発生したか否かを判定する。具体的には、例えば、電源ライン10eの電圧に基づき、該判定が行われても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S105:Yes)、S110に移行し、否定判定が得られた場合には(S105:No)、S115に移行する。
S115では、通信制御部11は、異常事態が発生したか否かを判定する。具体的には、例えば、車内ネットワーク50をから、上述した緊急停車指示といった異常事態の発生を示すコマンドを受信した場合に、異常事態が発生したとみなしても良い。また、例えば、緊急通報装置10に設けられた図示しない加速度センサにより車両2の衝突が検知された場合に、異常事態が発生したとみなしても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S115:Yes)、S120に移行し、否定判定が得られた場合には(S115:No)、本処理を終了する。
(1)第1実施形態によれば、例えば異常事態の発生時に電源ライン10eが断線し、通話ユニット10bの電源異常となった場合であっても、通話ユニット10bでは、バックアップ電源18からマイク16及びスピーカ17に電力供給がなされる。このため、異常事態が生じ、且つ、電源異常である場合に、緊急通報装置10とセンタ3との間で通話を行うことができる。
(2)また、緊急通報装置10が複数の分離したユニットとして構成されているため、緊急通報装置10をより好適に配置することが可能となる。
[6.緊急通報装置について]
次に、図3により、第2実施形態の緊急通報装置10について説明する。第2実施形態の緊急通報装置10は、第1実施形態の緊急通報装置10と同様の構成を有し、車両2に搭載されたドライバ異常対応システム1に含まれている。しかし、第2実施形態の緊急通報装置10は、第1実施形態における通話ユニット10bが、マイクユニット10cとスピーカユニット10dとを含む分離された複数のユニットから構成されている点で、第1実施形態と相違する。以下では、この相違点を中心に第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
マイク16は、第1実施形態と同様にして、緊急通報時におけるセンタ3のオペレータとの通話に用いられる。マイク16は、第1通信正常である場合には、第1通信ライン10hを介して本体ユニット10aに第1音声情報を送信し、第1通信異常である場合には、近距離無線通信により本体ユニット10aに第1音声情報を送信する。
一方、スピーカユニット10dは、スピーカ17を有する。スピーカ17は、第1実施形態と同様にして、緊急通報時におけるセンタ3のオペレータとの通話に用いられる。スピーカ17は、第2通信ライン10jを介して本体ユニット10aから受信した第2音声情報に基づき、音声を出力する。なお、スピーカユニット10dには、バックアップ電源18は設けられていない。このため、本体ユニット10aからスピーカユニット10dへの電力供給の異常(以後、第2電源異常)の発生時には、スピーカユニット10dの各部位には電力が供給されない。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様にして緊急通報が行われると共に、緊急通報時に通話処理が行われる。
(1)第2実施形態によれば、スピーカユニット10dにて第2電源異常が生じていても、スピーカ17には電力が供給されない。しかし、マイクユニット10cにて第1電源異常が生じている場合には、バックアップ電源18によりマイク16等に電力が供給される。このため、異常事態の発生時に、少なくともセンタ3に対し発話による情報提供を行うことができる。したがって、バックアップ電源18での電力消費を抑制しつつ、有用な情報を発話により外部に伝達できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (7)
- 車両(2)に搭載される緊急通報装置(10)であって、
前記緊急通報装置は、電源ライン(10e、10g、10i)により接続される分離した部位である通話ユニット(10b)と本体ユニット(10a)とを有し、
前記通話ユニットは、検知した音声に基づき第1音声情報を生成し、前記本体ユニットに送信するマイク(16)を備え、
前記本体ユニットは、
カメラ(20)により前記車両の内部及び/又は外部を撮影し、撮影画像を記憶部(13)に記憶する撮影部(12)と、
前記車両に異常事態が生じた場合、前記通話ユニットから受信した前記第1音声情報をセンタ(3)に送信すると共に、前記記憶部に記憶されている前記撮影画像を前記センタに送信する通信制御部(11)と、
前記車両に搭載された車載バッテリ(2a)から供給される電力を、前記電源ラインを介して前記通話ユニットに供給すると共に、前記本体ユニットの各部位に供給する電源部(14)と、を備え、
前記通話ユニットは、前記電源部からの電力供給が異常な状態である電源異常である場合に、少なくとも前記マイクに電力を供給するバックアップ電源(18)をさらに備える
緊急通報装置。 - 車両(2)に搭載される緊急通報装置(10)であって、
前記緊急通報装置は、電源ライン(10e、10g、10i)及び通信ライン(10f、10h、10j)により接続される分離した部位である通話ユニット(10b)と本体ユニット(10a)とを有し、
前記通話ユニットは、
前記本体ユニットと無線通信を行う通話側通信部(19)と、
検知した音声に基づき第1音声情報を生成し、前記通信ラインを介した通信が異常な状態である通信異常でない場合には、前記通信ラインを介して前記本体ユニットに前記第1音声情報を送信すると共に、前記通信異常である場合には、前記通話側通信部を介して、無線通信により前記本体ユニットに前記第1音声情報を送信するマイク(16)と、を備え、
前記本体ユニットは、
前記通話ユニットと無線通信を行う本体側通信部(15)と、
カメラ(20)により前記車両の内部及び/又は外部を撮影し、撮影画像を記憶部(13)に記憶する撮影部(12)と、
前記車両に異常事態が生じた場合、前記通話ユニットから受信した前記第1音声情報をセンタ(3)に送信すると共に、前記記憶部に記憶されている前記撮影画像を前記センタに送信する通信制御部(11)と、
前記車両に搭載された車載バッテリ(2a)から供給される電力を、前記電源ラインを介して前記通話ユニットに供給すると共に、前記本体ユニットの各部位に供給する電源部(14)と、を備え、
前記通信制御部は、前記通信異常でない場合には、前記通信ラインを介して前記通話ユニットから前記第1音声情報を受信し、前記通信異常である場合には、前記本体側通信部を介して、無線通信により前記通話ユニットから前記第1音声情報を受信する
緊急通報装置。 - 請求項1に記載の緊急通報装置において、
前記本体ユニットと前記通話ユニットとは、通信ライン(10f、10h、10j)により接続されており、
前記通話ユニットは、前記本体ユニットと無線通信を行う通話側通信部(19)をさらに備え、
前記本体ユニットは、前記通話ユニットと無線通信を行う本体側通信部(15)をさらに備え、
前記マイクは、前記通信ラインを介した通信が異常な状態である通信異常でない場合には、前記通信ラインを介して前記本体ユニットに前記第1音声情報を送信すると共に、前記通信異常である場合には、前記通話側通信部を介して、無線通信により前記本体ユニットに前記第1音声情報を送信し、
前記通信制御部は、前記通信異常でない場合には、前記通信ラインを介して前記通話ユニットから前記第1音声情報を受信し、前記通信異常である場合には、前記本体側通信部を介して、無線通信により前記通話ユニットから前記第1音声情報を受信する
緊急通報装置。 - 請求項1又は請求項3に記載の緊急通報装置において、
前記通話ユニットは、前記本体ユニットから受信した第2音声情報に基づき音声を出力するスピーカ(17)をさらに備え、
前記通信制御部は、前記異常事態が生じた場合に、前記センタから前記第2音声情報を受信すると共に、前記第2音声情報を前記通話ユニットに送信し、
前記バックアップ電源は、前記電源異常である場合に、前記スピーカには電力を供給しない
緊急通報装置。 - 請求項3に記載の緊急通報装置において、
前記通話ユニットは、マイクユニット(10c)とスピーカユニット(10d)とを含む分離した複数のユニットとして構成されており、
前記電源ラインとして、第1電源ライン(10g)と第2電源ライン(10i)とが設けられていると共に、前記通信ラインとして、第1通信ライン(10h)と第2通信ライン(10j)とが設けられており、
前記マイクユニットは、前記第1電源ライン及び前記第1通信ラインにより前記本体ユニットに接続されており、
前記スピーカユニットは、前記第2電源ライン及び前記第2通信ラインにより前記本体ユニットに接続されており、
前記スピーカユニットは、前記第2通信ラインを介して前記本体ユニットから受信した第2音声情報に基づき音声を出力するスピーカ(17)を備え、
前記マイクユニットは、前記通話側通信部と、前記マイクと、前記バックアップ電源とを備え、
前記マイクは、前記第1通信ラインに前記通信異常が生じていない場合には、前記第1通信ラインを介して前記本体ユニットに前記第1音声情報を送信し、前記第1通信ラインに前記通信異常が生じている場合には、前記通話側通信部を介して、無線通信により前記本体ユニットに前記第1音声情報を送信し、
前記電源部は、前記車載バッテリから供給される電力を、前記第1電源ラインを介して前記マイクユニットに供給すると共に、前記第2電源ラインを介して前記スピーカユニットに供給し、
前記バックアップ電源は、前記第1電源ラインを介した電力供給についての前記電源異常が生じている場合に、少なくとも前記マイクに電力を供給し、前記スピーカには電力を供給せず、
前記通信制御部は、
前記第1通信ラインに前記通信異常が生じていない場合には、前記第1通信ラインを介して前記通話ユニットから前記第1音声情報を受信し、前記第1通信ラインに前記通信異常が生じている場合には、前記本体側通信部を介して、無線通信により前記マイクユニットから前記第1音声情報を受信し、
前記異常事態が生じた場合に、前記センタから前記第2音声情報を受信すると共に、前記第2音声情報を、前記第2通信ラインを介して前記スピーカユニットに送信する
緊急通報装置。 - 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の緊急通報装置において、
前記通話ユニットは、前記車両における運転中のドライバの頭部から一定以下の距離を隔てた位置に配置される
緊急通報装置。 - 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の緊急通報装置において、
前記本体ユニットは、前記車両の運転席の周辺に配置される
緊急通報装置。
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