JP7204097B2 - 引戸の初動アシスト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、引戸の開操作時の初動を補助する引戸の初動アシスト装置に関する。
従来より、開き状態から所定の位置まで閉めた後は、閉まり位置まで自動的に引き込んで閉止させる引込み装置が備えられた引戸が知られている。かかる引込み装置を備えた引戸では、引戸を開操作する際の初動において、引戸の開操作に伴い前記引込み装置に備えられたスライダーをスプリング部材の付勢力に抗して移動させる必要があるため、スプリング部材の付勢力に伴う開方向の力が余分にかかり、引戸が重たい感じを与えていた。
このような問題点を解決するため、出願人は、下記特許文献1において、引戸の上端部及び戸枠の鴨居側との間において、引込み装置本体と前記引込み装置本体側に突出した状態で固設される係合ピンとからなる引込み装置を備えるとともに、引戸の戸先側に取り付けられた引戸の開操作を補助するアシストハンドルを備えた引戸を提案した。
具体的には、前記引込み装置本体は、引戸の開閉方向に沿ってスライド可能に設けられるとともに、前記係合ピンと係脱する関係にあるスライダーと、前記スライダーに制動力を与えるダンパーと、前記スライダーに引戸の引込み方向の付勢力を与えるスプリング部材とを備え、引戸の開操作に伴い、前記係合ピンに係合した前記スライダーがスプリング部材の付勢力に抗して引戸端部側に移動するとともに、該スライダーを仮停止状態とすることにより前記係合ピンとの係合が解除され、引戸の閉操作に伴い、前記スライダーが前記係合ピンに係合して前記仮停止状態が解除されることにより、前記ダンパーによる制動力を受けながら前記スプリング部材の付勢力により引戸を閉まり位置まで引き込むように構成されている。一方、前記アシストハンドルは、所定の角度範囲で揺動可能とされるハンドルと、引戸の開操作時に前記ハンドル動作に連動して引戸の戸先側端部から戸枠側に突出して戸枠を蹴り出すことにより、引戸の開操作を補助する引戸押圧アームとを備え、前記引戸押圧アームによる蹴り出しのストローク長は、前記引込み装置のスライダーが引戸の開操作に伴い引戸端部側に移動して前記仮停止状態になるまでの区間長より長く設定するように構成されている。
これによって、開き状態から所定の位置まで閉めた後、閉まり位置まで自動的に引込んで閉止させる引込み装置を備えた引戸において、前記アシストハンドルによって開操作時の初動を補助することにより引戸を小さな力で開けることができるようになる。
特開2016-223259号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の引戸では、引戸の開操作時の初動を補助するアシストハンドルが引戸に取り付けられているため、既存の引戸にアシスト機能を後付けで付加しようとすると、既存の引戸をアシストハンドルが備えられた引戸に交換するか、既存の引戸にアシストハンドルを取り付けるための加工を行う必要があり、コストが嵩むとともに、工期が長期に及ぶ場合があった。
また、引戸にアシスト装置を設けると、その分だけ引戸の重量が重くなるため、引戸を開操作する際の初動に必要な力が大きくなり、アシスト機能を付加した効果が低減するおそれがあった。
そこで本発明の主たる課題は、既存の引戸に開操作時の初動を補助するアシスト機能を付加する場合でも、コストを低減し、工期を短縮化するとともに、初動の操作力が低減でき、アシスト効果が充分に発揮できるようにすることにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、引戸の開操作時の初動を補助する引戸の初動アシスト装置であって、
縦枠から引戸の戸先側端部に向けて突出して引戸を押し出す引戸押圧アームと、前記引戸押圧アームを操作する操作部材と、前記引戸押圧アームと操作部材とを連結する作動伝達部材とを備えた初動アシスト装置が、引戸の戸先側の縦枠に設けられており、
前記引戸押圧アームは、室内外方向に沿って配置された支軸によって揺動自在に支持され、前記操作部材の操作に連動して前記支軸を中心に回動し前記縦枠から突出するように成され、
前記引戸押圧アームは、第1付勢手段によって縦枠に没入する方向の付勢力が付与され、
前記操作部材は、第2付勢手段によって初期位置に戻る方向の付勢力が付与され、
前記操作部材を縦枠の部材長手方向に沿ってスライド自在に支持するガイド部材が設けられ、
前記操作部材は、縦枠の見付面から垂直に突出し、引戸の開操作時に使用者が操作する操作部材本体と、前記操作部材本体と直交して縦枠の部材長手方向に沿って延び、前記ガイド部材内を縦枠の部材長手方向に沿ってスライド可能に設けられるスライダーとから構成され、前記スライダーの両側面には、前記ガイド部材の壁面に係合して該スライダーが前記ガイド部材内をスムーズにスライドできるようにするための突起部又はローラからなる係合部材が設けられ、
前記初動アシスト装置が備えられた引戸を開操作するには、使用者が縦枠から突出した前記操作部材本体の上面を押して前記操作部材を前記第2付勢手段の付勢力に抗して下方に移動させるのに連動して、この作動力が前記作動伝達部材を介して前記引戸押圧アームに伝達され、この作動伝達部材が下方に引っ張られることにより、前記引戸押圧アームが前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記支軸を中心に揺動し、縦枠から突出することによって、前記引戸押圧アームが引戸の戸先側端部を押圧し、引戸が開方向にスライドし、開操作時の初動が補助されていることを特徴とする引戸の初動アシスト装置が提供される。
上記請求項1記載の発明では、引戸の開操作時の初動を補助する引戸の初動アシスト装置が、引戸ではなく、引戸の戸先側の縦枠に設けられている。このため、既存の引戸に開操作時の初動を補助するアシスト機能を後付けで付加する場合、既存の引戸を交換や加工を行わずにそのまま使用し、既設の縦枠の引戸側端面に、前記初動アシスト装置が備えられた縦枠エレメントを取り付けるだけで施工できる。また、初動アシスト装置を新設の引戸に設ける場合には、前記初動アシスト装置が備えられた縦枠を引戸の戸先側の縦枠として使用することにより、簡単に前記初動アシスト装置が施工できる。このため、施工コストが低減でき、工期が短縮化できる。また、前記初動アシスト装置が、引戸ではなく、縦枠に設けられているため、引戸の重量が増加せず、引戸の重量増加に伴う初動に必要な力の増加もないため、初動の操作力が低減でき、前記初動アシスト装置によるアシスト効果が充分に発揮できるようになる。
上記請求項記載の発明では、前記引戸押圧アームによって引戸を押し出す機構について具体的に規定している。前記引戸押圧アームは、室内外方向に沿って配置された支軸によって揺動自在に支持され、前記操作部材の操作により前記支軸を中心に回動して縦枠から突出するという極めて簡単な機構で動作するため、この引戸押圧アームと操作部材とを、ワイヤ等からなる作動伝達部材によって連結することによって、操作部材の操作に連動して効率よく作動力が引戸押圧アームに伝達され、小さな力で引戸の初動を補助することが可能となる。
上記請求項記載の発明では、前記引戸押圧アームが、第1付勢手段によって縦枠に没入する方向の付勢力が付与されているため、前記引戸押圧アームが引戸を押し出した後、前記第1付勢手段の付勢力により縦枠に没入した元の位置に戻るため、前記引戸押圧アームが開口を通過する際に邪魔にならないとともに、引戸の外観が良好になる。なお、この第1付勢手段の付勢力は、引戸押圧アームを縦枠に没入させるだけの極めて小さな力であるため、引戸の開操作時に、この付勢力に対抗して引戸押圧アームを回動させる力が小さくて済み、あまり負担にはならない。
上記請求項記載の発明では、前記操作部材が、第2付勢手段によって初期位置に戻る方向の付勢力が付与されているため、引戸の開操作後に、操作部材が初期位置に戻り、連続して開操作を行うことができるようになる。なお、この第2付勢手段の付勢力は、操作部材を初期位置に戻すだけの極めて小さな力であるため、引戸の開操作時に、この付勢力に対抗して操作部材を移動させる力が小さくて済み、あまり負担にはならない。
請求項に係る本発明として、前記操作部材は、前記縦枠から突出して引戸の開操作時に使用者が操作する操作部材本体を備え、
前記操作部材本体は、前記縦枠側に折り畳み可能に設けられている請求項記載の引戸の初動アシスト装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、縦枠から突出した状態で備えられる操作部材本体が、縦枠側に折り畳み可能に設けられているため、通常は、操作部材本体を引戸側に折り畳んだ状態にしておき、操作部材本体の縦枠からの突出量を最小限に抑え、人や物が衝突するのを軽減するとともに、外観が悪化するのを防止する。そして、引戸の開操作時に、使用者が操作部材本体を折り畳み状態から展開して縦枠から突出した状態とし、開操作を行う。
請求項に係る本発明として、前記操作部材は、前記縦枠の下端部に取り付けられており、該操作部材を使用者が足で踏んで下方に移動することにより前記引戸押圧アームを操作する請求項1、2いずれかに記載の引戸の初動アシスト装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記操作部材が、前記縦枠の下端部に取り付けられており、この操作部材によって前記引戸押圧アームを操作するには、操作部材を使用者が足で踏んで下方に移動することにより行う。これによって、手が不自由な人や手の力が弱い子供や高齢者でも、引戸を簡単に開操作することができるようになる。
請求項に係る本発明として、前記操作部材は、前記縦枠の高さ方向の中間部に取り付けられており、該操作部材を使用者が手で移動又は回転することにより前記引戸押圧アームを操作する請求項1、2いずれかに記載の引戸の初動アシスト装置が提供される。
上記請求項記載の発明は、前記操作部材の変形例であり、前記縦枠の高さ方向の中間部に取り付けた場合において、この操作部材を使用者が手で移動又は回転することにより前記引戸押圧アームを操作するように成されている。本形態では、操作部材を手で操作できるため、車椅子に乗った人など脚の不自由な人などでも簡単に開操作が可能となる。
以上詳説のとおり本発明によれば、コストが低減でき、工期が短縮化できるとともに、初動の操作力が低減でき、アシスト効果が充分に発揮できる引戸の初動アシスト装置が提供できるようになる。
(A)は閉状態、(B)は開操作時における引戸2の正面図である。 初動アシスト装置1を備えた縦枠4を示す、(A)は平常時、(B)は開操作時における斜視図である。 初動アシスト装置1を示す、(A)は平常時、(B)は開操作時における斜視図である。 引戸押圧部5の分解斜視図である。 平常時における引戸押圧部5を示す、(A)は後方からの斜視図、(B)は前方からの斜視図である。 操作部7の分解斜視図である。 操作部7を示す斜視図である。 変形例に係る操作部7を示す斜視図である。 操作部材8の分解斜視図である。 操作手順を示す、上段は斜視図、下段は側面図である。 操作部7を縦枠4の高さ方向の中間に設けた場合における引戸2の正面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る引戸2の初動アシスト装置1は、図1に示されるように、閉まり位置にある引戸2の開操作時の初動を補助するためのものである。前記引戸2は、建物の開口部3に、上枠、下枠及び左右縦枠からなる戸枠が設けられ、前記上枠及び下枠のほぼ全長に亘ってスライド可能に設置されている。図示例では、前記引戸2として片引き戸タイプのものが用いられており、前記戸枠のうち戸先側の縦枠4のみを図示し、その他の戸枠については図示を省略している。前記戸先側の縦枠4には、本発明に係る初動アシスト装置1が設けられている。なお、前記引戸2として吊戸を用いた場合には、前記戸枠のうち下枠は設けなくてもよい。
前記初動アシスト装置1は、図2及び図3に示されるように、前記戸先側の縦枠4から引戸2の戸先側端部に向けて突出して引戸2を開方向に押し出す引戸押圧アーム6を備えた引戸押圧部5と、前記引戸押圧アーム6を操作する操作部材8を備えた操作部7と、前記引戸押圧アーム6と操作部材8とを連結するワイヤ等からなる作動伝達部材9とから構成されている。この初動アシスト装置1は、引戸2の戸先側の縦枠4に設けられている。
このように、引戸2の初動アシスト装置1が、引戸2ではなく、引戸2の戸先側の縦枠4に設けられているため、アシスト機能が備えられていない既存の引戸に、開操作時の初動を補助するアシスト機能を後付けで付加する場合、既存の引戸を交換や加工を行わずにそのまま使用し、既設の縦枠の引戸側端面に、前記初動アシスト装置1が備えられた縦枠エレメントを取り付けるだけで施工できる。また、初動アシスト装置1を新設の引戸に設ける場合には、前記初動アシスト装置1が備えられた縦枠4を戸先側の縦枠として使用することにより、簡単に初動アシスト装置1が施工できる。したがって、施工コストが低減でき、工事が簡略化できるようになる。
また、前記初動アシスト装置1が、引戸2ではなく、縦枠4に設けられているため、引戸2の重量が増加せず、引戸2の重量増加に伴う初動に必要な力の増加もないため、初動の操作力が低減でき、前記初動アシスト装置1によるアシスト効果が充分に発揮できるようになる。
以下、各部について詳細に説明すると、
前記縦枠4は、図2に示されるように、引戸2の上下方向のほぼ全長に亘って延びるとともに、引戸2の開閉方向に長い断面略長方形の中空部材からなり、引戸側端面(縦枠見込面)の上部に、前記引戸押圧アーム6が出没可能な部材長手方向に長いスリット状の開口4aが設けられるとともに、室内外方向側端面(縦枠見付面)の少なくとも一方の面の下端部に、前記操作部材8が突出し上下方向に沿って移動可能な切欠部4bが設けられている。前記初動アシスト装置1を前記縦枠4に組み込んだ組立状態では、前記切欠部4bから前記操作部材8が突出した状態で、前記初動アシスト装置1が縦枠4の内空部に収容されている。
次いで、前記初動アシスト装置1を構成する前記引戸押圧部5は、図4及び図5に示されるように、前述の引戸押圧アーム6と、前記縦枠4内に固定され、前記引戸押圧アーム6を揺動自在に支持するアーム保持枠13と、前記引戸押圧アーム6を縦枠4(前記アーム保持枠13)に没入する方向の付勢力を与えるスプリング部材14(第1付勢手段)と、前記引戸押圧アーム6の先端に回動自在に支持されるローラ15とから主に構成されている。
前記引戸押圧アーム6は、金属板の成形により略断面コ字状に加工された部材であり、その対峙する両壁面6a、6aは、前記ローラ15が係合できる程度に離隔している。図3(A)に示されるように、この対峙する両壁面6a、6aは、室内外方向に対面する方向に配置され、これら両壁面に架設される懸架面6bが引戸側端部に設けられている。前記対峙する両壁面6aの平面形状は、図3(A)に示されるように、引戸押圧アーム6が縦枠4に没入した平常状態において、引戸開方向側の外形線が、略上下方向に延びる直線からなる一方で、これと反対側の引戸閉方向側の外形線は、引戸開方向側の外形線との離隔距離が上方に向けて漸次増加する形状で形成されている。この対峙する両壁面6a、6aの上方には、前記懸架面6b側の角部に、前記アーム保持枠13に支持された室内外方向に沿って配置された回動支軸16が挿通するための通孔6cが形成されるとともに、これと反対側の角部に、前記作動伝達部材9の上端が掛止される上部掛止軸17が挿通するための通孔6dが形成されている。また、前記通孔6dの下部には、前記スプリング部材14の下端部が支持される下部支軸18が挿通するための通孔6eが形成されている。更に、対峙する両壁面6a、6aの下方には、前記ローラ15を回動自在に支持する回転軸19が挿通するための通孔6fが形成されている。
前記アーム保持枠13は、金属板の成形により略断面コ字状に加工された部材であり、その対峙する両壁面は、前記引戸押圧アーム6が係合できる程度に離隔している。図3に示されるように、この対峙する両壁面は、室内外方向に対面する方向に配置され、これら両壁面に架設される懸架面が引戸側端部に設けられている。この懸架面の上下部にはそれぞれ、引戸押圧部5を縦枠4の内空部に装入した状態でビス止めするためのネジ孔13aが形成されている(図5(B))。また、この懸架面の中間部には、前記引戸押圧アーム6が出没可能な開口13bが形成されている。前記対峙する両壁面の上方には、前記スプリング部材14の上端部が支持される上部支軸20が挿通するための通孔13cが形成されている。また、前記対峙する両壁面のうち、前記懸架面に形成された開口13bの上端部近傍位置には、前記引戸押圧アーム6を揺動自在に支持する室内外方向に沿って配置された回動支軸16が挿通するための通孔13dが形成されている。
前記引戸押圧部5の組立ては、引戸押圧アーム6に、ローラ15を回転軸19により支持するとともに、スプリング部材14の下端部を下部支軸18により支持し、かつ作動伝達部材9の上端部を上部掛止軸17により支持した状態で、アーム保持枠13の対峙する両壁面の間に装入し、回動支軸16をアーム保持枠13の通孔13d及び引戸押圧アーム6の通孔6cを通して挿通し、対峙面側で先端をカシメて固定するとともに、スプリング部材14の上端部を上部支軸20によってアーム保持枠13に支持する。
前記引戸押圧部5の組立状態では、図5に示されるように、スプリング部材14の付勢力により、引戸押圧アーム6がアーム保持枠13の開口13bの内部に没入した状態に保持されている。この引戸押圧部5には、上部掛止軸17に上端部が支持された作動伝達部9が垂下されている(図5では省略)。この作動伝達部材9が下方に引っ張られることにより、引戸押圧アーム6が前記スプリング部材14の付勢力に抗して回動支軸16を中心に揺動し、引戸押圧アーム6がアーム保持枠13の開口13bから突出するようになっている。
次いで、前記操作部7について詳細に説明する。この操作部7は、図6及び図7に示されるように、前記作動伝達部材9の下端部が連結され、前記引戸押圧アーム6を操作する操作部材8と、この操作部材8を縦枠4の部材長手方向に沿ってスライド自在に支持するガイド部材21と、前記操作部材8が初期位置に戻る方向の付勢力を与えるスプリング部材22(第2付勢手段)とから構成されている。
前記操作部材8は、略L字形に形成された部材であり、縦枠4の見付面からほぼ垂直に突出した状態で設けられ、引戸2の開操作時に使用者が操作する操作部材本体8Aと、前記操作部材本体8Aとほぼ直交する縦枠4の部材長手方向に沿って延び、前記ガイド部材21内を縦枠4の部材長手方向に沿ってスライド可能に設けられるスライダー8Bとから構成されている。
前記操作部材本体8Aは、使用者が手や足などで操作しやすいように、表面がほぼ平坦に形成された操作面を備えている。前記操作部材本体8Aは、図示例では室内外方向の一方側のみに設けられているが、室内外方向の両方に設けることにより、室内外方向の両方から操作できるようにしてもよい。前記操作部材本体8Aを室内外方向の両方に設けた場合には、縦枠4に形成される切欠部4bも室内外方向の両方に形成されるようにする。
前記スライダー8Bは、上面に、所定幅のスリット8aが形成され、このスリット8aの両側壁間を貫通するように、前記スプリング部材22の下端部が掛止される第1支軸23が跨設されるとともに、前記作動伝達部材9の下端部が掛止される第2支軸24が跨設されている。また、前記スライダー8Bの両側面には、上方の前面側及び下方の背面側にそれぞれ、前記ガイド部材21の壁面に係合してスライダー8Bがガイド部材21内をスムーズにスライドできるようにするための突起部又はローラなどからなる係合部材8bが設けられている。
前記ガイド部材21は、縦枠4にほぼ内接する外形を有するとともに、縦枠4の部材長手方向に沿って上下端が開口する中空状に形成され、且つ前面の幅方向中間部に上下方向の全長に亘って開口部が形成されることにより、断面略C形に形成されている。このガイド部材21の前面の開口部から前記操作部材8の操作部材本体8Aが突出するとともに、ガイド部材21の中空部を上下方向に沿って前記操作部材8のスライダー8Bがスライド可能に設けられている。内空部の背面の上方には、前記スプリング部材22の上端部が掛止される支軸21aが内空部に向けて突設されている。また、両側面の上方及び下方には、縦枠4の外面側から挿入した固定ビスが螺入されるネジ孔21bが形成されている。
前記操作部7の変形例として、図8~図10に示されるように、前記操作部材本体8Aを、縦枠4側に折り畳み可能に設けてもよい。つまり、図8及び図10(B)、(C)に示されるように、操作部材本体8Aが縦枠4から突出し、操作面を上方に向けて操作面による所定の操作が可能な状態と、図10(A)に示されるように、操作部材本体8Aを略90°回転させて操作面を縦枠4側に向けて折り畳んで、操作面による所定の操作が不可能な状態とが切り替え可能となっている。前記操作部材8は、図9の分解斜視図に示されるように、操作部材本体8Aがスライダー8Bに対し、支軸8Cによって回動自在に連結された構造からなり、前記操作部材本体8Aの基端側端面及び上面の基端部がスライダー8B側に当接することにより、略90°の角度範囲で回動できるようになっている。通常は、図10(A)に示されるように、操作部材本体8Aを縦枠4側に折り畳んだ状態にしておき、操作部材本体8Aの縦枠4からの突出量を最小限に抑え、人や物が衝突するのを軽減するとともに、外観が悪化するのを防止する。そして、引戸の開操作時に、使用者が操作部材本体8Aの折り畳み状態から展開して、縦枠4から突出した状態(図10(B)の状態)とし、操作面を押して引戸の開操作を行った後、使用者が操作部材本体8Aを折り畳み状態に戻す操作を行う。
前記操作部7の組立ては、前記第1支軸23にスプリング部材22の下端部を掛止するとともに、前記第2支軸24に作動伝達部材9の下端部を掛止した前記操作部材8を、ガイド部材21の下端の開口から装入し、前記スプリング部材22の上端部を前記支軸21aに掛止する。
前記作動伝達部材9としては、操作部材8の操作による作動力を引戸押圧アーム6に伝達可能な部材であれば特に限定されない。図示例ではワイヤを用いているが、棒材や板材、又はこれらの一方又は両方をリンク部で接続したリンク機構などを用いてもよい。
上述のようにして組み立てられた初動アシスト装置1を縦枠4に取り付けるには、縦枠4の下端の開口から前記引戸押圧部5を装入し、縦枠4の開口4aにアーム保持枠13の開口13bを臨ませた状態で、縦枠4の外面側からネジ孔13aに固定ビスを螺入して固定するとともに、操作部7の操作部材本体8Aを縦枠4の下端部の切欠部4bから外側に突出させた状態で前記操作部7を縦枠4内に装入し、縦枠4の外面側からネジ孔21bに固定ビスを螺入して固定する。初動アシスト装置1が組み立てられた初期状態では、前記スプリング部材22の付勢力により、前記操作部材本体8Aが縦枠4の切欠部4bの上端部に位置するとともに、前記スプリング部材14の付勢力により前記引戸押圧アーム6が縦枠4の内部に没入している。
前記初動アシスト装置1が備えられた引戸2を開操作するには、図2(B)及び図3(B)に示されるように、使用者が縦枠4から突出した操作部材8の操作部材本体8Aの上面を押して操作部材8をスプリング部材22の付勢力に抗して下方に移動させるのに連動して、この作動力が作動伝達部材9を介して引戸押圧アーム6に伝達され、引戸押圧アーム6が、スプリング部材14の付勢力に抗して、回動支軸16を中心に揺動し、縦枠4の開口4aから突出する。これによって、引戸押圧アーム6の下端に設けられたローラ15が引戸2の戸先側端部を押圧し、引戸2が開方向にスライドし、開操作時の初動が補助される。このように、引戸押圧アーム6の下端にローラ15が設けられているため、引戸2の戸先側端部に当接したローラ15が回転することにより、引戸2に摺接痕が形成されるのが抑制されるとともに、引戸2をスムーズに開操作できるようになる。使用者が前記操作部材本体8Aを押すのを止めると、操作部材本体8Aがスプリング部材22の付勢力により縦枠4の切欠部4bの上端位置に戻るとともに、引戸押圧アーム6がスプリング部材14の付勢力により縦枠4に没入した位置に戻るようになる。
図1及び図2に示される形態例では、前記操作部材8が縦枠4の下端部に取り付けられ、使用者が前記操作部材8を足で踏んで下方に移動することにより前記引戸押圧アーム6を操作するように成されている。この形態は、手の力が弱い子供や高齢者、手に障害のある人などに好適である。
また、前記操作部材8は、図11に示されるように、前記縦枠4の高さ方向の中間部に取り付けられ、使用者が手で押して下方に移動することにより前記引戸押圧アーム6を操作するようにしてもよい。これにより、車椅子に乗った人など脚の不自由な人でも引戸2の開操作時の初動が補助できるようになる。また、作動伝達部材9の長さが短くて済むため、ワイヤの伸びなどによる作動力の損失が抑えられる。
更に、前記操作部材8の操作は、下方に移動させる形態に限定されず、例えば、上方へ引き上げたり、手前に引っ張ったりすることによって、引戸押圧アーム6を作動させる構成としてもよい。上方へ引き上げる構成とするには、上記の初動アシスト装置1の上下を逆転した構造とすればよく、手前に引っ張る構成とするには、中間に滑車などを設けて作動伝達部材9の引張方向を90°回転した構造とすればよい。また、前記操作部材8を移動する形態に代えて、ハンドルなどを回転することにより、引戸押圧アーム6を作動させる構成としてもよい。
既設の引戸に対して前記初動アシスト装置1を後付けで施工するには、引戸2の戸先側に位置する既設の縦枠に対して、この縦枠の引戸側端面に、前記初動アシスト装置1が備えられた縦枠エレメントを取り付けるのが好ましい。これにより、前記初動アシスト装置1が備えられた縦枠エレメントの分だけ建物の開口部の幅が狭くなるものの、既設の縦枠を取り外すことなく、初動アシスト装置1を施工することができるようになる。このとき、特開2016-223259号公報(上記特許文献1)に開示されるような、引戸2の上端部及び戸枠の鴨居側との間において、引込み装置本体と前記引込み装置本体側に突出した状態で固設される係合ピンとからなる引込み装置が備えられる場合、前記係合ピンの位置を、前記初動アシスト装置1が備えられた縦枠4の幅寸法だけ、引戸2の開方向に移動して、引込み装置本体との係合位置を調整するのが好ましい。
また、既設の引戸に対して前記初動アシスト装置1を後付けで施工する場合において、上記の施工方法に代えて、引戸2の戸先側に位置する既設の縦枠を取り外し、前記初動アシスト装置1が備えられた新たな縦枠4を施工するようにしてもよい。
更に、前記初動アシスト装置1を新設の引戸に設ける場合には、前記初動アシスト装置1が備えられた縦枠4を引戸の戸先側の縦枠として使用するのが好ましい。
1…初動アシスト装置、2…引戸、3…開口部、4…縦枠、5…引戸押圧部、6…引戸押圧アーム、7…操作部、8…操作部材、9…作動伝達部材、13…アーム保持枠、14…スプリング部材(第1付勢手段)、15…ローラ、16…回動支軸、21…ガイド部材、22…スプリング部材(第2付勢手段)

Claims (4)

  1. 引戸の開操作時の初動を補助する引戸の初動アシスト装置であって、
    縦枠から引戸の戸先側端部に向けて突出して引戸を押し出す引戸押圧アームと、前記引戸押圧アームを操作する操作部材と、前記引戸押圧アームと操作部材とを連結する作動伝達部材とを備えた初動アシスト装置が、引戸の戸先側の縦枠に設けられており、
    前記引戸押圧アームは、室内外方向に沿って配置された支軸によって揺動自在に支持され、前記操作部材の操作に連動して前記支軸を中心に回動し前記縦枠から突出するように成され、
    前記引戸押圧アームは、第1付勢手段によって縦枠に没入する方向の付勢力が付与され、
    前記操作部材は、第2付勢手段によって初期位置に戻る方向の付勢力が付与され、
    前記操作部材を縦枠の部材長手方向に沿ってスライド自在に支持するガイド部材が設けられ、
    前記操作部材は、縦枠の見付面から垂直に突出し、引戸の開操作時に使用者が操作する操作部材本体と、前記操作部材本体と直交して縦枠の部材長手方向に沿って延び、前記ガイド部材内を縦枠の部材長手方向に沿ってスライド可能に設けられるスライダーとから構成され、前記スライダーの両側面には、前記ガイド部材の壁面に係合して該スライダーが前記ガイド部材内をスムーズにスライドできるようにするための突起部又はローラからなる係合部材が設けられ、
    前記初動アシスト装置が備えられた引戸を開操作するには、使用者が縦枠から突出した前記操作部材本体の上面を押して前記操作部材を前記第2付勢手段の付勢力に抗して下方に移動させるのに連動して、この作動力が前記作動伝達部材を介して前記引戸押圧アームに伝達され、この作動伝達部材が下方に引っ張られることにより、前記引戸押圧アームが前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記支軸を中心に揺動し、縦枠から突出することによって、前記引戸押圧アームが引戸の戸先側端部を押圧し、引戸が開方向にスライドし、開操作時の初動が補助されていることを特徴とする引戸の初動アシスト装置。
  2. 前記操作部材は、前記縦枠から突出して引戸の開操作時に使用者が操作する操作部材本体を備え、
    前記操作部材本体は、前記縦枠側に折り畳み可能に設けられている請求項記載の引戸の初動アシスト装置。
  3. 前記操作部材は、前記縦枠の下端部に取り付けられており、該操作部材を使用者が足で踏んで下方に移動することにより前記引戸押圧アームを操作する請求項1、2いずれかに記載の引戸の初動アシスト装置。
  4. 前記操作部材は、前記縦枠の高さ方向の中間部に取り付けられており、該操作部材を使用者が手で移動又は回転することにより前記引戸押圧アームを操作する請求項1、2いずれかに記載の引戸の初動アシスト装置。
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