JP4098727B2 - ドア - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたドアでは、扉体におけるアルミ製の縦框に設けた孔にラッチ装置が嵌め込まれている。このラッチ装置は、縦框の見付け方向外側に向かって出没自在なラッチと、このラッチを縦枠に向かって付勢するコイルばねとを備えて構成されている。そして、扉体を閉じる際には、凹部から連続した誘導用の突出片にラッチが当接して縦框内方側に没入し、扉体が閉じた状態では、コイルばねに付勢されたラッチが縦枠の凹部内に突出することで、ラッチと凹部とが係合して扉体の開動作が規制されるようになっている。さらに、縦框に設けたレバーを操作してラッチを没入させ、ラッチと凹部との係合を外すことで、扉体を開くことができるようになっている。
すなわち、扉体を閉じた状態において、縦框の上下方向略中央位置のラッチを凹部に係合させて扉体の開動作を規制しても、縦框の上下端部の移動は規制されていないため、扉体の上下が見込み方向にバタついてしまい、扉体の閉鎖状態が不安定になってしまう可能性がある。また、縦框の上下方向略中央位置は、扉体を開いた際に目に付きやすい位置であるため、このような位置に取り付けたラッチ装置が目立ってしまい、外観意匠性が劣るという不都合もある。さらに、ラッチ誘導用の突出片が室内側に突出しているため、この突出片に使用者の衣服等が引っ掛かり、衣服等を破損してしまう可能性もある。
さらに、従来のドアでは、扉体の縦框に孔を開け、この孔にラッチ装置を嵌め込むことから、縦框に対する孔開け加工が必要になり、製造コストが増加してしまうという問題もある。
また、本発明のドアは、上枠、下枠、および左右の縦枠を四周枠組みした開口枠と、この開口枠に開閉自在に支持され、かつ上框、下框、および左右の縦框を有した扉体とを備えたドアであって、前記左右の縦框のうち、戸先側に配置される戸先框の上下端には、当該上下端を塞ぐ小口キャップ装置が設けられ、前記上下の小口キャップ装置は、それぞれ前記戸先框の見付け方向外側に向かって出没自在なラッチ部材を有して構成され、前記左右の縦枠のうち、前記戸先框と対向する側の縦枠には、前記上下のラッチ部材に係合可能な上下のラッチ受けが設けられ、前記扉体を閉じた状態において、前記上下のラッチ部材がそれぞれ前記上下のラッチ受けに係止され、前記戸先框には、当該戸先框の高さ方向中間位置に設けられて施錠または開錠位置に切り換え操作可能な錠操作部と、この錠操作部に一端が連結され、かつ他端が前記戸先框の内部を通って当該戸先框の上端側に延長された規制部材とを有した施錠装置が設けられ、前記錠操作部を施錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端側が前記上側の小口キャップ装置におけるラッチ部材の没入移動を規制する規制位置に移動して前記ラッチ部材が没入方向に移動不能となり、前記錠操作部を開錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端側が前記規制位置から外れて前記ラッチ部材が出没可能となるものでもよい。
さらに、戸先框の上下方向略中央位置にラッチを設けなくてもよいことから、扉体の外観意匠性を向上させることができるとともに、縦枠の上下方向略中央位置に凹部や凹部から連続する突出片等を設けなくてもよく、突出片に衣服等が引っ掛かることがなく、衣服等の破損を防止することができる。
この際、ラッチ部材を付勢する付勢手段としては、ラッチ部材の出没方向に沿ってラッチ部材の後方に配置されたコイルばねや、ラッチ部材の出没方向に交差して戸先框内に配置された板ばね等が採用可能である。
このような構成によれば、一端側が固定された片持ち状の板ばねの他端側にラッチ部材を支持させ、板ばねの弾性変形でラッチ部材が出没するようにしたので、ラッチ部材を出没自在に支持するための支持構造と、ラッチ部材を付勢するための付勢手段とが、ともに板ばねによって構成でき、小口キャップ装置の構造を簡単にすることができる。
さらに、板ばねの一端側を圧入部に固定した、つまり板ばねの一端を戸先框の内部に延ばして配置したので、板ばねの長さ寸法を長くすることができ、ラッチ部材の出没ストロークおよび付勢力の建て付け誤差等に対する調整範囲を大きくすることができる。すなわち、ラッチ部材の出没方向に沿ったコイルばねをラッチ部材の後方に配置した場合には、コイルばねの長さ寸法は、戸先框の幅寸法により制限されるため、その伸縮距離が比較的小さくなり誤差調整範囲が限られてしまう。これに対して、戸先框の内部に延びる板ばねで付勢手段を構成すれば、戸先框のサイズによる板ばねの長さ寸法の制限は実質的になく、必要とされる出没ストロークや付勢力に応じた板ばねを用いることができる。
このような構成によれば、ラッチ部材を出没および回転自在なローラで構成したことで、扉体を閉じる際に、ラッチ部材が縦枠のラッチ受けの縁に沿って回転しつつ滑らかに出没するため、扉体を閉じきった際に急激に突出することがなく、ラッチ部材が突出する際の音鳴りを防止することができる。また、ローラから形成したことでラッチ部材の高さ寸法を小さく(薄く)する、つまりローラを円盤状に形成することができ、戸先框の上下端から突出する小口キャップ装置の突出寸法が小さくでき、より一層目立たなくなって意匠性を向上させることができる。
このような構成によれば、施錠装置の錠操作部を操作して規制部材の他端側を規制位置に移動させることで、ラッチ部材が出没不能となり、ラッチ部材とラッチ受けとの係合状態が維持され、扉体を開口枠に対して移動不能に施錠することができる。
ここで、小口キャップ装置を貫通する規制部材の他端は、開口枠の上枠側に突出してもよく、また開口枠の縦枠側に突出してもよい。
このような構成によれば、ラッチ部材の出没移動を規制することによる施錠に併せて、規制部材の他端が開口枠の錠受けに係合することによる施錠も可能になるので、より確実な施錠が実施できる。
ここで、規制解除手段としては、前記規制部材を前記錠操作部と連結することで自然落下不能な構造とするとともに、錠操作部に通常操作時の力を超える力を加えることで、錠操作部と規制部材との連結部分が壊れるように設定された機構などが採用可能である。
このような構成によれば、規制解除手段によって規制部材を自然落下させることで施錠状態が解除できるので、万一錠操作部が操作不能になった場合でも、室内に人が閉じこめられることがないようにできる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
本発明の第1実施形態に係るドアについて、図1ないし図8に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のドア1を示す正面図である。図2(A),(B)は、それぞれドア1の要部を示す横断面図である。図3は、ドア1の要部を示す縦断面図である。図4(A),(B)は、ドア1に設けられる小口キャップ装置20を示す斜視図である。図5(A)〜(C)は、小口キャップ装置20を示す平面図および側面図である。
小口キャップ本体21は、戸先框14の長手方向に交差する天面部21Aと、戸先框14の側面に連続する側面部21Bと、戸先框14内部に圧入される圧入部21Cとを備えて形成されている。そして、戸先框14に取り付けた状態において、天面部21Aおよび側面部21Bは、戸先框14の上下端よりも上側または下側に露出し、これらの天面部21Aおよび側面部21Bによって戸先框14の小口が塞がれるようになっている。また、戸先框14の見付け方向外側(縦枠5側)の側面部21Bには、開口21Dが形成されており、この開口21Dを通してローラ23が小口キャップ本体21の内外に渡って配置されるようになっている。
また、ローラ23は、略円盤状の樹脂製部材であり、板ばね22の自由端22Bに戸先框14の長手方向(垂直方向)に沿った回転軸を中心に回転自在に軸支されている。そして、ローラ23は、板ばね22によって戸先框14の見付け方向外側(図3中、右側)に向かって常時付勢され、小口キャップ本体21の開口21Dから突出するように構成されている。
なお、ラッチ受けとしては、上述のように別体の部材を縦枠5に固定するものに限らず、縦枠5の内側面に形成したほり込み(凹み)で構成されてもよい。
図6(A),(B)は、それぞれ施錠装置30による開錠および施錠状態を示す縦断面図である。図7(A)〜(D)は、施錠装置30を示す横断面図、側面図、および縦断面図である。
施錠装置30は、障子10の戸先框14の側面に設けられる錠操作部31と、この錠操作部31に連結された規制部材としてのロッド32とを備えて構成されている。なお、錠操作部31は、図1に示すように、子供などの手が届きにくい戸先框14の上部に設けられている。
ここで、錠操作部31が施錠位置に操作された状態において、万一操作不能、つまり下方に下がらなくなった場合には、ロッド32が規制位置から移動できないために、施錠状態を解除できなくなることが考えられる。このため、本実施形態の施錠装置30では、つまみ部材35,36を通常の操作力を超える力で上方に押し上げることで、図7(D)に示すように、延出片35A,36Aが破損して、つまみ部材35,36がベース部材33,34から外れるようになっている。これにより、つまみ部材35,36とロッド32との連結が切断され、ロッド32が下方に自由落下し、ロッド32の先端部が規制位置から外れるようになっている。以上のように本発明の規制解除手段は構成されている。
図8は、本実施形態の変形例に係る小口キャップ装置20Aを示す縦断面図である。
図8において、小口キャップ装置20Aの小口キャップ本体21内部には、板ばね22に向かって突出した突出片21Eが設けられている。そして、板ばね22には、突出片21Eの先端部が挿通される挿通孔22Dが設けられている。また、突出片21Eには、コイルばね24が挿通されており、このコイルばね24の一端が板ばね22に当接し、板ばね22を戸先框14の見付け方向外側(図8中、右側)に向かって常時付勢するようになっている。すなわち、コイルばね24によって、板ばね22の付勢力を補助する補助付勢手段が構成されている。
(1)すなわち、戸先框14の上下端を塞ぐ小口キャップ装置20にラッチ部材であるローラ23を設け、このローラ23が縦枠5のラッチ受け7に係合されるので、障子10を閉じた状態において、戸先框14の上下端の移動を規制することができ、障子10のバタつきを防止して閉鎖状態を安定させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るドア1Aについて、図9〜11に基づいて説明する。
図9(A),(B)は、本実施形態のドア1Aの要部を示す縦断面図である。図10(A),(B)は、ドア1Aに設けられる小口キャップ装置20を示す斜視図である。
本実施形態のドア1Aは、前述の第1実施形態のドア1に対して施錠装置の構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
ロッド42の上端は、小口キャップ装置20の天面部21Aに設けられた挿通孔21Fを貫通して、上枠2側に突出可能になっている。すなわち、錠操作部を開錠位置に操作した場合には、図9(A)に示すように、ロッド42が下降し、ロッド42の先端が小口キャップ装置20における板ばね22の突出部22Cよりも下側に位置し、板ばね22およびローラ23の出没移動を規制しないようになっている。また、錠操作部を施錠位置に操作した場合には、図9(B)に示すように、ロッド42の上端が上枠2側に突出し、板ばね22およびローラ23の出没移動を規制する規制位置に進入するとともに、錠受け8の凹部8Aに係合するようになっている。
図11(A),(B)は、本実施形態の変形例に係る施錠装置の一部を示す縦断面図である。
図11において、ロッド43は、錠操作部に連結された第1ロッド43Aと、戸先框14の見付け方向外側に出没自在に小口キャップ本体21に支持された第2ロッド43Bとから構成されている。そして、第1および第2のロッド43A,43Bには、互いに当接するとともに摺動可能な傾斜を有した摺動面43C,43Dが設けられている。そして、第2ロッド43Bは、ローラ23に隣接して設けられており、小口キャップ本体21の開口21Dは、見込み方向に拡大されている。また、錠受けとしては、前記ラッチ受け7を兼用しており、ラッチ受け7の凹部7Aは、見込み方向に拡大されている。
(12)すなわち、ローラ23の出没移動を規制することによる施錠に併せて、ロッド42の先端が上枠2の錠受け8に係合することによる施錠も可能になるので、より確実な施錠が実施できる。
例えば、ラッチ部材や付勢手段の形態は、前記各実施形態において説明したものに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。すなわち、ラッチ部材は、回転自在なローラに限らず、回転不能に支持されたものでもよく、また回転ではなく所定の角度だけ回動自在に支持されたものでもよい。また、付勢手段は、板ばねやコイルばねに限らず、ねじりコイルばねや皿ばね等でもよく、ゴム等の弾性体でもよい。
また、本発明のドアは、浴室の出入口に設けられるものに限らず、居室その他の出入口に設けられてもよい。
さらに、施錠装置として図12、13に示すような構成を採用してもよい。
図12において、施錠装置50は、戸先框14の側面に設けられた錠操作部51と、この錠操作部51の操作に連動して上下に移動するロッド52と、これらの錠操作部51とロッド52とを連結する連結部材53とを備えて構成されている。また、上枠2および下枠3には、前記第2実施形態と同様の錠受け8が設けられている。
錠操作部51は、通常の箱錠などに用いられるサムターンを有し、戸先框14に回転可能に支持されており、この錠操作部51とともに連結部材53が回転するようになっている。
すなわち、錠操作部61の回転操作によりピニオン63が回転し、このピニオン63の回転が歯形を介してロッド62に伝達され、ロッド62が上下に進退移動するようになっている。その他の構成、動作は、前述の施錠装置50とほぼ同様である。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を四周枠組みした開口枠と、この開口枠に開閉自在に支持され、かつ上框、下框、および左右の縦框を有した扉体とを備えたドアであって、
前記左右の縦框のうち、戸先側に配置される戸先框の上下端には、当該上下端を塞ぐ小口キャップ装置が設けられ、
前記上下の小口キャップ装置は、それぞれ前記戸先框の見付け方向外側に向かって出没自在なラッチ部材を有して構成され、
前記左右の縦枠のうち、前記戸先框と対向する側の縦枠には、前記上下のラッチ部材に係合可能な上下のラッチ受けが設けられ、
前記扉体を閉じた状態において、前記上下のラッチ部材がそれぞれ前記上下のラッチ受けに係止され、
前記戸先框には、当該戸先框の高さ方向中間位置に設けられて施錠または開錠位置に切り換え操作可能な錠操作部と、この錠操作部に一端が連結され、かつ他端が前記戸先框の内部を通って当該戸先框の上端側および下端側にそれぞれ延長された一対の規制部材とを有した施錠装置が設けられ、
前記錠操作部を施錠位置に切り換えることで、前記一対の規制部材の他端側がそれぞれ前記上下の各小口キャップ装置におけるラッチ部材の没入移動を規制する規制位置に移動して前記ラッチ部材が没入方向に移動不能となり、前記錠操作部を開錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端側が前記規制位置から外れて前記ラッチ部材が出没可能となるドア。 - 上枠、下枠、および左右の縦枠を四周枠組みした開口枠と、この開口枠に開閉自在に支持され、かつ上框、下框、および左右の縦框を有した扉体とを備えたドアであって、
前記左右の縦框のうち、戸先側に配置される戸先框の上下端には、当該上下端を塞ぐ小口キャップ装置が設けられ、
前記上下の小口キャップ装置は、それぞれ前記戸先框の見付け方向外側に向かって出没自在なラッチ部材を有して構成され、
前記左右の縦枠のうち、前記戸先框と対向する側の縦枠には、前記上下のラッチ部材に係合可能な上下のラッチ受けが設けられ、
前記扉体を閉じた状態において、前記上下のラッチ部材がそれぞれ前記上下のラッチ受けに係止され、
前記戸先框には、当該戸先框の高さ方向中間位置に設けられて施錠または開錠位置に切り換え操作可能な錠操作部と、この錠操作部に一端が連結され、かつ他端が前記戸先框の内部を通って当該戸先框の上端側に延長された規制部材とを有した施錠装置が設けられ、
前記錠操作部を施錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端側が前記上側の小口キャップ装置におけるラッチ部材の没入移動を規制する規制位置に移動して前記ラッチ部材が没入方向に移動不能となり、前記錠操作部を開錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端側が前記規制位置から外れて前記ラッチ部材が出没可能となるドア。 - 前記施錠装置には、開錠操作が不能になった際に、前記規制部材を自然落下させて前記規制位置から外す規制解除手段が設けられている請求項2に記載のドア。
- 前記施錠装置の規制部材の他端は、前記小口キャップ装置を貫通して前記開口枠側に突出可能に設けられ、この規制部材の他端に対応する前記開口枠には、当該規制部材の他端に係合可能な錠受けが設けられ、
前記錠操作部を施錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端が前記開口枠に向かって突出して前記錠受けに係合し、前記錠操作部を開錠位置に切り換えることで、前記規制部材の他端が前記錠受けから外れる請求項1から請求項3のいずれかに記載のドア。
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