JP7203803B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
しかし、伸縮性を備えた支持ネットがシートバックフレームを広く覆うように設けられている一方で、本来は乗員が背凭れ荷重をかける必要がない領域まで支持ネットで覆われているため、重量がかさんでしまうという課題があった。
この構成によれば、クッション支持部材の上部領域が下部領域よりも幅広に設けられるので、上部領域の左右両側における下部領域よりも外側に延出した部位によって、クッション部材の上部両側ひいては乗員の両肩周りが良好に支持される。クッション支持部材の下部領域は肩周りを支持しないことから左右全幅が狭くて済む。これにより、クッション支持部材ひいてはシートバックの軽量化を図ることができる。クッション支持部材の上部領域の左右中央部に切り欠きまたは凹部を設けることで、乗員の背骨がサポート部材からの支持荷重を受け難くなり、局所的な違和感(圧迫感)を抑えることができる。
また、延在部における複数の部分領域の内の一部に、他領域よりも高剛性とするための補強構造を設けることで、乗員の上体(特に肩周り)を支持する部位に剛性と柔軟性とを適度に設定することが可能となる。これにより、乗員の上体の支持剛性を確保しながら、背中の局所的な違和感や肩周りが前方に押し出されるような不快感を低減することができる。
この構成によれば、クッション支持部材の上部領域が切り欠き形状になることで、乗員の背骨がクッション支持部材から支持荷重を受け難くなるとともに、湾曲形状等によって退避領域を構成する場合と比べて、クッション支持部材のさらなる軽量化を図ることができる。
また、クッション支持部材の上方側が柔軟になることで、乗員がシートバックに深く凭れる等の動作をした際にも追従して変形しやすくすることができる。
この構成によれば、延在部の下段領域にのみ補強構造を有するので、乗員が背凭れに浅く凭れる場合を含んで身体荷重を受けやすい下段領域は、支持剛性を高めることができる。一方、乗員が背凭れに深く凭れる等の場合に身体荷重を受ける上段領域は、柔軟性を持たせることが可能となる。このため、乗員の上体の支持剛性を維持しながら、局所的な違和感や肩が前に押し出されるような不快感を低減することができる。
この構成によれば、一対の延在部が、左右方向内側の部位に対して、クッション部材側の前面を左右方向内側に向けるように設けられるので、クッション支持部材の上部がクッション部材を左右方向(シート幅方向)で包み込むような形状になる。これにより、乗員の上体(特に肩周り)のサポート力を高め、乗員の姿勢の安定性を向上させることができる。
<車両用シート>
図1は、実施形態の車両用シート1のシートバック11の構造を示す。車両用シート1は、乗員が着座するシートクッション31と、乗員の背中を支持するシートバック11と、シートバック11の上部に支持されて乗員の頭部を支持するヘッドレスト(不図示)と、を備えている。図中矢印Xは車両用シート1を車両に搭載した際の左右方向、矢印Yは同前後方向、矢印Zは同上下方向をそれぞれ示す。
実施形態の車両用シート1は、自動運転車両に好適に採用される。自動運転とは、例えば、車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動に制御して車両を走行させることである。
図4を併せて参照し、シートバック11は、ウレタンフォーム製のクッション部材21を備えている。クッション部材21は、シートバックフレーム12およびクッション支持部材41に後方側から支持されている。クッション部材21の前面は、乗員Jの背中を支持する背凭れ面22を形成している。クッション部材21の背凭れ面22を含む外表面は、表皮材で覆われている。
シートバックフレーム12の枠状部13の内側には、シートバックフレーム12と協働してクッション部材21を支持するクッション支持部材41が設けられている。
図2~図4を併せて参照し、クッション支持部材41は、例えば樹脂製の板状(マット状)に設けられている。クッション支持部材41は、クッション部材21を乗員の腰部から肩部に渡る範囲で支持するランバーマットとしての態様をなしている。クッション支持部材41は、クッション部材21における背凭れ面22と反対側の背面(後面)23に沿うように配置されている。クッション支持部材41は、例えば鋼板からなるプレス成型品であってもよい。クッション支持部材41におけるクッション部材21側の面を前面、クッション部材21と反対側の面を後面、ということがある。
実施形態では、下段領域49bにおけるクッション部材21と反対側の裏面(後面)に、上段領域49aよりも剛性を高めるための補強構造51が設けられている。補強構造51は、例えば格子状のリブ構造とされている。
残存部47aにおける下段領域49bの左右方向内側に位置する部位の裏面には、上下方向に沿う複数のリブ51aが設けられている。残存部47aにおける上段領域49aの左右方向内側に位置する部位には、支持ワイヤ18を保持するためのクリップ部48cが設けられている。
上部領域45の中央領域46(切り欠き部46a)は、クッション部材21の背面23に対する支持荷重(面圧)を抑えた退避領域46bとされる。これにより、乗員の背骨周辺に対するクッション支持部材41からの支持荷重が抑えられる。
左右延在部48は、下側の部分領域48aにのみ補強構造51を有しており、上側の部分領域48aは相対的に剛性が低くされている。これにより、左右延在部48の上側において、クッション部材21が左右延在部48から受ける支持荷重が小さくなる。その結果、乗員がシートバック11に深く凭れたり上体を捻ったりする等の動作がしやすくなる。
この構成によれば、クッション支持部材41の上部領域45が下部領域42よりも幅広に設けられるので、上部領域45の左右両側における下部領域42よりも外側に延出した部位(延在部48)によって、クッション部材21の上部両側ひいては乗員の両肩周りが良好に支持される。クッション支持部材41の下部領域42は肩周りを支持しないことから左右全幅が狭くて済む。これにより、クッション支持部材41ひいてはシートバック11の軽量化を図ることができる。クッション支持部材41の上部領域45の左右中央部に退避領域46bとして切り欠きまたは凹部を設けることで、乗員の背骨がクッション支持部材41から支持荷重を受け難くなり、局所的な違和感(圧迫感)を抑えることができる。
この構成によれば、クッション支持部材41の上部領域45が切り欠き形状になることで、乗員の背骨がクッション支持部材41から支持荷重を受け難くなるとともに、湾曲形状等によって退避領域46bを構成する場合と比べて、クッション支持部材41のさらなる軽量化を図ることができる。また、クッション支持部材41の上方側が柔軟になることで、乗員がシートバック11に深く凭れる等の動作をした際にも追従して変形しやすくすることができる。
この構成によれば、延在部48における複数の部分領域48aの内の一部に、他領域よりも高剛性とするための補強構造51を設けることで、乗員の上体(特に肩周り)を支持する部位に剛性と柔軟性とを適度に設定することが可能となる。これにより、乗員の上体の支持剛性を確保しながら、背中の局所的な違和感や肩周りが前方に押し出されるような不快感を低減することができる。
この構成によれば、延在部48の下段領域49bにのみ補強構造51を有するので、乗員がシートバック11に浅く凭れる場合を含んで身体荷重を受けやすい下段領域49bは、支持剛性を高めることができる。一方、乗員がシートバック11に深く凭れる等の場合に身体荷重を受ける上段領域49aは、柔軟性を持たせることが可能となる。このため、乗員の上体の支持剛性を維持しながら、局所的な違和感や肩が前に押し出されるような不快感を低減することができる。
この構成によれば、一対の延在部48が、左右方向内側の残存部47aに対して、クッション部材21側へ屈曲又は湾曲するように設けられるので、クッション支持部材41の上部がクッション部材を左右方向(シート幅方向)で包み込むような形状になる。これにより、乗員の上体(特に肩周り)のサポート力を高め、乗員の姿勢の安定性を向上させることができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
11 シートバック
12 シートバックフレーム
14 側部フレーム
21 クッション部材
22 背凭れ面
41 クッション支持部材
42 下部領域
45 上部領域
46 中央領域
46a 切り欠き部
46b 退避領域
47 外側領域
47a 残存部(残余の部位)
48 延在部
48a 部分領域
49a 上段領域
49b 下段領域
51 補強構造
Claims (4)
- 乗員の背中を支持するシートバックを備えた乗物用シートであって、
前記シートバックは、背凭れ面を形成するクッション部材と、前記クッション部材を支持するフレームであり、前記シートバックの左右方向の両側で上下方向に延びる一対の側部フレームを有するシートバックフレームと、前記一対の側部フレームの間で前記シートバックフレームに保持されて前記クッション部材を支持するクッション支持部材と、を備え、
前記クッション支持部材は、前記一対の側部フレームの間の間隔よりも左右全幅が狭い下部領域と、前記下部領域よりも左右全幅が広い上部領域と、を備え、
前記上部領域は、前記左右方向の中央部を含んで予め定めた左右幅に設けられる中央領域と、前記中央領域よりも前記左右方向の外側に設けられる外側領域と、に区画され、
前記中央領域は、前記外側領域を残して切除された、あるいは前記外側領域に対して前記クッション部材と反対側に向けて凹んだ退避領域とされ、
前記外側領域は、前記下部領域よりも前記左右方向の外側に延びる一対の延在部を備え、
前記一対の延在部の各々は、区画用切り欠き部を介して、複数の部分領域に区画されるとともに、前記複数の部分領域の内の一部の部分領域に、残余の部分領域よりも剛性を高めるための補強構造が設けられている、乗物用シート。 - 前記退避領域は、前記クッション支持部材の上端で上方側に開放する切り欠き部とされている、請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記一対の延在部の各々は、上段領域および下段領域に区画され、前記下段領域に、前記上段領域よりも剛性を高めるための前記補強構造が設けられている、請求項1又は2に記載の乗物用シート。
- 前記一対の延在部は、前記上部領域における前記中央領域を除く残余の部位に対して、前記クッション部材側の前面を前記左右方向の内側に向けるように屈曲又は湾曲している、請求項1から3の何れか一項に記載の乗物用シート。
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