従って、AF機能及びOIS機能を実現し、且つコストの上昇を抑えるために、複数のカメラモジュールが専用のコンポーネントを共有する構成を採用することが望ましい。
以下では、本発明の(いくつかの)実施形態について説明する。実施形態は、特許請求の範囲による本発明を限定するものではない。また、所与の実施形態に関して説明した全ての特徴は、本発明の態様に必須であると見なすべきではない。
図1A~図1Eは、本実施形態によるレンズ交換装置100の構成を示し、図1Aは、レンズ交換装置100の構成を上面図で示す。図1Bは、図1Aの基準線II-IIに沿った断面上のレンズ交換装置100の構成を示す。図1Cは、リボルバ20の構成を上面図で示す。図1Dは、ホルダ30の構成を上面図で示す。図1Eは、ベース40の構成を上面図で示す。これらの図において、イメージセンサ99の受光中心に位置する光軸Lに関して、光軸Lに平行な方向はZ軸方向として規定され、Z軸方向に直交する平面において光軸Lとリボルバ20の回転中心(ホルダ30上のシャフト33の中心)とを結ぶ直線の方向はY軸方向として規定され、Z軸及びY軸方向に直交する方向はX軸方向として規定される。さらに、リボルバ20の回転中心で交差する2つの軸方向は、A方向及びB方向であり、+Y方向に+45°の角度及び-X方向に-45°の角度で交差する方向は、A方向であり、+X方向に+45°の角度及び+Y方向に-45°の角度で交差する方向は、B方向である。
レンズ交換装置100は、イメージセンサ99の光軸L上にレンズのうちの1つを配置するために、スマートフォン等の携帯端末に搭載されたカメラモジュール内で複数のレンズ11~13を交換する。レンズ交換装置100は、リボルバ20、ホルダ30、ベース40、モータ50、及び制御ユニット70を含む。
複数のレンズ11~13は、光学系であり、互いに異なる光学特性を有しており、各光学系がその光軸に沿って配置された複数のレンズ素子等を含む。レンズ11~13は、基準レンズ、広角レンズ、及び望遠レンズ等の異なる焦点距離(すなわち、異なる画角)を有するレンズ、又は中性密度フィルタ、偏光フィルタ、色補正フィルタ等の異なる光学フィルタを有するレンズであり得る。本実施形態では、レンズ11~13をそれぞれ左レンズ、基準レンズ、右レンズと呼ぶ。
リボルバ20は、レンズ11~13を保持するためのものである。リボルバ20は、一例として、幅が高さよりも大きい円筒形を有しており、貫通孔20a1~20a4が中心軸(すなわち、回転中心)の周りに互いに離れて形成され、リボルバ20をZ軸方向に貫通し、平面20a5が貫通孔20a4に隣接する側面でZ軸に平行であり、及びZ軸方向に延びる溝20a6が平面20a5に形成される。
貫通孔20a1~20a3は、円形の断面を有しており、一定の角度ピッチ(本実施形態では、一例として90°のピッチ)で離間している。レンズ11~13は、それぞれ、光軸がZ軸方向を向くように、貫通孔20a1~20a3内に嵌合される。これにより、複数のレンズ11~13は、回転中心の周りでリボルバ20を一定の角度ピッチで互いに離すことによって保持される。本実施形態では、3つのレンズ11~13はリボルバ20によって保持されるが、レンズの数は3つに限定されず、4つ以上のレンズのうちの2つが一定の角度ピッチで保持され得る。
一例として、貫通孔20a4は、内向きに湾曲した脚部を有するおおよその等脚台形が、台形の上底に接続された三角形と組み合わされるような形状を有する。三角形及び台形の上側部分の一部を回転中心に配置し、台形の下側部分を貫通孔20a1と20a3との間に角度をつけて(それら貫通孔のそれぞれから90°方向に)配置する。貫通孔20a4の三角形部分の内面にL字状に曲げられたスライダ24が固定され、U字型板ばね25の両端が貫通孔20a4の下底部分の内面に固定され、スライダ24と板ばね25との間にホルダ30のシャフト33を挿入して挟み込むことにより、リボルバ20がホルダ30上で回転可能に支持される。
リボルバ20は、複数のコイル51a~51d、基準磁石22a、22b、複数のコア23a~23d、防振部材26、及び可撓性プリント回路基板(FPC)27を有する。
複数のコイル51a~51dは、モータ50のムーバー51を構成するためにリボルバ20の側面に配置される。コイル51a~51dの構成は、モータ50の構成に関連して以下で詳細に説明する。
基準磁石22a、22bは、リボルバ20の回転位置及びZ軸方向の位置(すなわち、焦点位置)を検出するための磁場を生成し、レンズ11~13の角度ピッチに等しい角度ピッチ(本実施形態では90°のピッチ)でリボルバ20の側面に配置された永久磁石である。本実施形態では、基準磁石22a、22bは、FPC27及びコイル51dにそれぞれ設けられる。
複数のコア23a~23dは、リボルバ20を回転方向に位置決めするためのものであり、パーマロイ等の高透磁率材料で形成される。複数のコア23a~23dは、リボルバ20の側面に配置され、レンズ11~13のうちの1つのレンズが光軸L上に位置するようにリボルバ20が回転するときに、以下に説明する複数の磁石52a~52dの第1の磁極52a1~52d1及び第2の磁極52a2~52d2の境界にそれぞれ整列される。リボルバ20が回転し、コア23a~23dのうちの少なくとも1つのコアが磁石52a~52dのいずれかの磁石の磁極の境界と整列されるときに、コア23a~23dがそれぞれの磁極から受ける引力は平衡化され、それによりリボルバ20は回転位置で安定化される。これにより、保持力を加えることなく、レンズ11~13のうちの1つのレンズをイメージセンサ99の光軸L上に位置決めすることができる。
本実施形態では、レンズ11~13及び磁石52a~52dが、90°の同じ角度ピッチで配置されるため、磁石52a~52dと同数の4つのコア23a~23dが、90°のピッチで配置される。これにより、リボルバ20が回転してレンズ11~13のうちの1つのレンズを光軸L上に配置するときに、4つのコア23a~23dのそれぞれが、磁石52a~52dのうちの1つの磁石の第1及び第2磁極の境界(それぞれ、図1Aに示される状態における磁石52a~52dの第1及び第2の磁極の境界)と整列され、それにより、保持力を加えることなく、レンズ11~13のそれぞれをイメージセンサ99の光軸L上に位置決めすることができる。
防振部材26は、AF駆動及びOIS駆動によって引き起こされ得るリボルバ20の振動を抑制するためのものであり、ゴム26a及びバランサ26bを含む。ゴム26aは、クロロプレンゴム(CR)等の弾性材料で形成され、板状に成形され、リボルバ20の振動を緩和して、FPC27への振動の伝達を抑制する。バランサ26bは、真ちゅう等の比重が比較的大きい金属で形成され、適切な厚さの板状に成形されており、リボルバ20の重心を回転中心に整列させる。ゴム26a及びバランサ26bは、リボルバ20の溝20a6に嵌合される。
FPC27は、コイル51a~51dをベース40上の配線に接続するための配線が設けられる可撓性基板である。FPC27は、本体及び延長部27aを含み、リボルバ20の貫通孔20a4と、バランサ26b上の本体と重なり且つ本体をリボルバ20の溝20a6に嵌合するホルダ30の開口部30bとを介してベース40のFPC40bに接続され、延長部27aが本体の-Z端部から延びるようにする。
ホルダ30は、リボルバ20を回転可能に支持するためのケーシングである。ホルダ30には、上面図において円形の凹部31と、長方形の4つの溝31a~31dとが形成される。凹部31は、ホルダ30の中央に位置しており、その中にリボルバ20を収容する。凹部31の底面の+Y側部分に円形の開口部30aが形成され、-Y側部分に長方形の開口部30bが形成される。4つの溝31a~31dは、それぞれ、凹部31の+X、-Y側、+X、+Y側、-X、+Y側、-X、-Y側に配置され、それぞれ、その中に磁石52a~52dを収容する。
ホルダ30は、複数の磁石52a~52d、磁気センサ32a、32b、シャフト33、アクチュエータ34、及び重り35を有する。
複数の磁石52a~52dは、モータ50のステータ52を構成するためにリボルバ20の周りに配置される。磁石52a~52dの構成は、モータ50の構成に関連して以下で詳細に説明する。
磁気センサ32a、32bは、基準磁石22a、22bによって生成された磁場を検出して、リボルバ20の回転位置及びZ軸方向のリボルバ20の位置(すなわち、光軸L上のレンズ11~13の焦点位置)を検出するためのものである。例えば、ホール素子を磁気センサ32a、32bとして使用してもよい。磁気センサ32a、32bは、レンズ11~13の角度ピッチに等しい90°の角度ピッチで、それぞれ、凹部31の-Y側及び-X側の内面に埋め込まれる。2つの基準磁石22a、22bと整列され、それら基準磁石によって生成される磁場を検出する2つの磁気センサ32a、32bのうちのアクティブ磁気センサを指定することにより、レンズ11~13の中から、イメージセンサ99の光軸L上に位置決めされたレンズを指定することが可能である。磁気センサ32a、32bの検出信号が、AF回転制御ユニット71に送信される。
シャフト33は、リボルバ20をホルダ30上で回転可能に支持するための柱状シャフト本体であり、その長手方向がZ軸方向に延びるように、凹部31の中心に配置される。上記のように、リボルバ20のスライダ24と板ばね25との間にシャフト33を挟み込むことにより、リボルバ20は、それらの間の摩擦力によってシャフト33に保持される。ここで、リボルバ20の重心が、防振部材26のバランサ26bにより回転中心と整列されるので、リボルバ20は、シャフト33によって重心で支持され得、それにより、リボルバ20の位置が光軸Lに沿って補正される(すなわち、リボルバ20によって保持されるレンズがAF駆動される)ときに発生する共振を防止することができる。
アクチュエータ(AFアクチュエータとも呼ばれる)34は、シャフト33をその長手方向(すなわち、Z軸方向)に駆動するために伸縮する装置である。アクチュエータ34として、例えば、ピエゾ素子を使用してもよい。
重り35は、リボルバ20を保持するシャフト33をホルダ30に安定して支持するためのものである。重り35は、例えば、接着剤を用いて凹部31の中心に固定される。シャフト33は、アクチュエータ34を介して重り35に固定される。
スムーズインパクト駆動機構(SIDM)が、シャフト33、アクチュエータ34、及び重り35から構成される。SIDMは、リボルバ20をシャフト33に沿ってZ軸方向に駆動する、つまり、重り35に固定されたアクチュエータ34の伸縮を使用してAF駆動する。1)アクチュエータ34をゆっくりと伸長させると、シャフト33が+Z方向に動く。その結果、シャフト33によって支持されたリボルバ20は+Z方向に駆動される。2)アクチュエータ34を素早く収縮させると、シャフト33が-Z方向に戻る。この場合に、慣性により、リボルバ20が(慣性によって)シャフト33上をスライドし、リボルバ20は同じ位置に留まる。3)これらの動作を繰り返すことにより、リボルバ20は、長ストロークで+Z方向に駆動される。上記と逆の動作を行うことにより、リボルバ20を長ストロークで-Z方向に駆動することができる。このような構成のSIDMを用いて、リボルバ20によって保持されたレンズ11~13の全てをZ軸方向に共通に駆動することにより、イメージセンサ99の光軸L上に位置するレンズの位置を光軸Lに沿って補正する、すなわちオートフォーカスを実行することができる。
ベース40は、ホルダ30をスイング可能に支持するためのものである。ベース40は、実質的に正方形のプレートであり、光軸Lを中心とする円形の開口部40aと、複数のコイル61a~61dに接続された上面の配線を含むFPC40bとを有する。
ベース40は、複数のコイル61a~61d、磁気センサ42a、42b、ばね48、及びベアリング49を含む。
複数のコイル61a~61dは、アクチュエータ60のステータ61を構成するものであり、ホルダ30に設けられた複数の磁石52a~52dとそれぞれZ軸方向に整列するようにFPC40bに設けられる。コイル61a~61dのそれぞれは、一対のサブコイルを含み、ここで、一方のサブコイルは、磁石52a~52dに含まれる第1の磁極52a1~52d1の対応する1つの磁極及びその裏面に位置する反対の極性の磁極と整列され、他方のサブコイルは、第2の磁極52a2~52d2の対応する1つの磁極及びその裏面に位置する反対の極性の磁極と整列される。アクチュエータ60(スイング装置の一例であり、OISアクチュエータとも呼ばれる)は、磁石52a、52c及びこれら磁石と整列したコイル61a、61cを使用して、ベース40上でホルダ30をA方向にスイングし、そして、磁石52b、52d及びこれら磁石と整列したコイル61b、61dを使用して、ベース40上でホルダ30をB方向にスイングするように構成される。
このような構成を有するアクチュエータ60によれば、イメージセンサ99の光軸L上に位置するレンズのX方向及びY方向の位置を補正する、つまり、ホルダ30によって支持されるリボルバ20によって保持された全てのレンズ11~13を、光軸Lに直交する平面方向(すなわち、A方向及びB方向)に共通してスイングさせることにより、手ぶれ補正を行うことが可能である。ホルダ30上のリボルバ20を回転駆動するためのモータ50、及びベース40上でホルダ30をスイングさせるためのアクチュエータ60は、複数の磁石52a~52dを共有し、それによって、モータ50及びアクチュエータ60はコンパクトな構成となる。
磁気センサ42a、42bは、それぞれ、磁石52a、52bによって生成された磁場を検出して、ベース40に対してA方向及びB方向のホルダ30の位置を検出するためのものである。例えば、ホール素子を磁気センサ42a、42bとして使用してもよい。磁気センサ42a、42bは、それぞれ、コイル61a、61bと重なるようにFPC40bに設けられる。磁気センサ42a、42bの検出信号は、OIS制御ユニット72に送信される。
ばね48は、ホルダ30をベース40に向けて付勢するためのものである。ばね48は、ホルダ30の背面の四隅とベース40の上面の四隅との間に取り付けられる。
ベアリング49は、ホルダ30をベース40上に支持する球形の部材である。ベアリング49の数は、本実施形態では3つであるが、3つ以上の任意の数であってもよい。3つのベアリング49は、ベース40の+X、+Yコーナー、-X、+Yコーナー、及び+Y中心にそれぞれ配置される。ホルダ30は、ばね48によってベース40に向けて付勢され、それによって、圧力がベアリング49に加えられ、その結果、ホルダ30は、ベース40上でスイング可能に支持される。
モータ50は、ホルダ30に対してリボルバ20を回転駆動するためのものであり、ホルダ30に設けられたステータ52と、ステータ52に面するようにリボルバ20に設けられたムーバー51とを含む。
ステータ52は、ステータ52の複数のコイル51a~51dと相互作用するように、リボルバ20の周りでホルダ30上に配置された複数の磁石52a~52dを有する。磁石52a~52dのそれぞれは2つの永久磁石、例えば、第1の磁極(例えば、N極)52a1~52d1及びその裏面に位置する反対の極性の磁極(S極)を有する永久磁石と、第2の磁極(S極)52a2~52d2及びその裏面に位置する反対の極性の磁極(N極)を有する永久磁石とから構成され、それによって、第1の磁極52a1~52d1及び第2の磁極52a2~52d2が1つの表面に配置される。
複数の磁石52a~52dは、それぞれ、ホルダ30の溝31a~31dに収容される。磁石52a、52cは、A方向の反対側に配置され、磁石52b、52dは、リボルバ20の回転中心(すなわち、シャフト33の中心)に対してB方向の反対側に配置される。これにより、磁石52a~52dは周方向に互いに離間して配置され、シャフト33の中心に面する第1の磁極52a1~52d1及び第2の磁極52a2~52d2は、リボルバ20の周りに交互に配置される。
シャフト33の中心に関して、磁石52a~52dの第1の磁極52a1~52d1と第2の磁極52a2~52d2との間の中心間(center-to-center)距離に対応する角度間隔は、モータ50によって達成されるリボルバ20の単位回転角を与える。本実施形態では、一例として、単位回転角は22.5°である。磁石52a~52dの第1の磁極52a1~52d1及び第2の磁極52a2~52d2は、単位回転角に対応する幅よりも広い幅を有する。磁石52a~52dは、単位回転角の4倍(コイルの2つの側の分離距離の2倍の大きさに等しい、本実施形態では90°)の角度ピッチで配置される。
ムーバー51は、リボルバ20の側面に配置された複数のコイル51a~51dを有する。コイル51a~51dは、例えば、FPCコイルによって構成され得る。
複数のコイル51a~51dは、例えば、長方形の形状を有し、リボルバ20の周囲に沿って互いに分離された第1の側51a1~51d1及び第2の側51a2~51d2を含む。複数の磁石52a~52dに対する複数のコイル51a~51dのサイズ及び配置は、リボルバ20の回転位置について、コイル51a~51dの第1の側51a1~51d1及び第2の側51a2~51d2が、それぞれ、磁石52a~52dの第1の磁極52a1~52d1及び第2の磁極52a2~52d2と整列され、且つ、それぞれ、複数の磁石52a~52dの隣接する2つの磁石の一方の磁石の第1の磁極52a1~52d1、及び隣接する2つの磁石の他方の第2の磁極52a2~52d2と整列される。コイル51a~51dの第1の側51a1~51d1と第2の側51a2~51d2との間の分離距離は、単位回転角の2倍(本実施形態では45°)に等しい。
コイル51a~51dは、リボルバ20の側面に、単位回転角の3倍(第1の側と第2の側との間の分離距離の3/2倍に等しい、本実施形態では67.5°)の角度ピッチで配置される。これにより、図1Aに示される状態(レンズ12が光軸L上に位置する基準レンズ状態)において、コイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2は、それぞれ、-45°の角度位置(単位回転角の単位で-2)及び0°の角度位置(0)にある。コイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2は、それぞれ、22.5°の角度位置(1)及び67.5°の角度位置(3)にある。コイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2は、それぞれ、90°の角度位置(4)及び135°の角度位置(6)にある。コイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2は、それぞれ、157.5°の角度位置(7)及び202.5°の角度位置(9)にある。
上記の磁石52a~52d及びコイル51a~51dの配置によれば、図1Aに示される基準レンズ状態において、コイル51bの第1及び第2の側51b1、51b2は、それぞれ、磁石52bの第1及び第2の磁極52b1、52b2と整列され、そして、コイル51dの第1及び第2の側51d1、51d2は、それぞれ、磁石52cの第2の磁極52c2及び磁石52dの第1の磁極52d1と整列される。さらに、コイル51cの第1及び第2の側51c1、51c2は、磁石52b、52cの間の空間、並びに磁石52cの第1及び第2の磁極52c1、52c2の境界にそれぞれ整列され、そして、コイル51aの第1及び第2の側51a1、51a2は、磁石52aの第1及び第2の磁極52a1、52a2の境界、並びに磁石52a、52bの間の空間とそれぞれ整列される。一対のコイル51a、51c及び一対のコイル51b、51dは、90°の相対位相のシフトで配置される。その結果、リボルバ20が単位回転角の整数倍だけ回転するときはいつでも、コイル51a、51cのそれぞれの両側又はコイル51b、51dのそれぞれの両側は、常に、磁石52a~52dの第1の磁極51a1~52d1及び第2の磁極51a2~52d2と整列される。
図2は、本実施形態によるレンズ交換装置100の制御システムの構成を示す。制御システムは、リボルバ20を回転制御し、光軸L上に位置決めされるレンズをAF(すなわち、オートフォーカス)制御及びOIS(すなわち、手ぶれ補正)制御する制御ユニット70によって構成される。コンピュータ装置が、AF回転制御ユニット71及びOIS制御ユニット72の機能を有する制御ユニット70を実現するための制御プログラムを実行する。
AF回転制御ユニット71は、ホルダ30上の磁気センサ32a、32bの出力信号に基づいて、リボルバ20を回転制御し、光軸L上のレンズをAF制御するためのものである。
リボルバ20の回転位置は、リボルバ20が回転し、磁気センサ32a、32bが基準磁石22a、22bと整列されこれら磁石によって生成された磁場を検出するときに、磁気センサ32a、32bのアクティブセンサを指定することによって検出される。図3A及び図4Aに示されるように、リボルバ20が基準位置に位置しており、レンズ12が光軸L上に位置決めされる基準レンズ状態では、磁気センサ32a、32bは、それぞれ基準磁石22a、22bを検出して有効な検出信号出力する(すなわち、磁気センサ32a、32bがアクティブ化される)。図3Eに示されるように、リボルバ20が基準レンズ状態から反時計回りに90°だけ回転し、レンズ13が光軸L上に位置する右レンズ状態では、磁気センサ32aのみが、基準磁石22bを検出し、アクティブ化される。図4Eに示されるように、リボルバ20が基準レンズ状態から時計回りに90°だけ回転し、レンズ11が光軸L上に位置する左レンズ状態では、磁気センサ32bのみが、基準磁石22aを検出し、アクティブ化される。AF回転制御ユニット71は、磁気センサ32a、32bから受信した検出信号が有効であるかどうかを判定することによって、アクティブな磁気センサを指定する。
磁気センサ32a、32bの両方がアクティブである場合に、AF回転制御ユニット71は、リボルバ20が基準位置にあることを検出し、レンズ状態を基準レンズ状態として指定する。磁気センサ32aのみがアクティブである場合に、AF回転制御ユニット71は、リボルバ20が基準位置から90°の回転位置にあることを検出し、レンズ状態を右レンズ状態として指定する。磁気センサ32bのみがアクティブである場合に、AF回転制御ユニット71は、リボルバ20が基準位置から-90°の回転位置にあることを検出し、レンズ状態を左レンズ状態として指定する。
AF回転制御ユニット71は、リボルバ20の回転位置を検出し、光軸L上に位置決めされたレンズ(すなわち、基準レンズ状態、右レンズ状態、左レンズ状態のいずれか1つ)を上記のように指定し、モータ50を制御してリボルバ20を回転駆動することによりレンズ11~13を交換する。
Z軸方向のリボルバ20の位置(AF位置とも呼ばれる)は、リボルバ20上の基準磁石22a、22bを検出する磁気センサ32a、32bのうちの1つ又は複数のアクティブセンサによって検出され、有効な検出信号を出力する。磁気センサ32a、32bの両方が基準レンズ状態でアクティブであり、磁気センサ32aが右レンズ状態でアクティブであり、磁気センサ32bが左レンズ状態でアクティブである。ここで、AF回転制御ユニット71は、アクティブ磁気センサの検出信号に基づいて、Z軸方向におけるリボルバ20の位置を検出する。磁気センサ32a、32bの両方がアクティブである場合に、それら磁気センサのいずれか又は両方を使用することができる。
AF回転制御ユニット71は、光軸Lに沿って光軸L上に位置するレンズの位置を補正する、すなわち、上記のように、Z軸方向のリボルバ20の位置を検出し、リボルバ20(すなわち、リボルバ20によって一緒に保持されたレンズ11~13)をZ軸方向に駆動する結果に基づいてアクチュエータ34を制御することによってレンズをAF制御する。そのような構成を有する制御ユニット70の場合に、磁気センサ32a、32bは、リボルバ20の回転位置検出及びAF位置検出において共有される。
OIS制御ユニット72は、ベース40上の磁気センサ42a、42bの検出信号に基づいて、光軸L上のレンズをOIS制御するためのものである。OIS制御ユニット72は、磁気センサ42a、42bの検出信号に基づいて、ベース40に対してA方向及びB方向のホルダ30の位置を計算し、計算結果に基づいて、アクチュエータ60を構成する複数のコイル61a~61dを励起することにより、ベース40上でホルダ30をA及びB方向にスイングさせる。その結果、イメージセンサ99の光軸L上に位置するレンズのX方向及びY方向の位置を補正する、すなわち、リボルバ20によって保持される全てのレンズ11~13を光軸Lに直交する平面方向(すなわち、A方向及びB方向)に一緒にスイングすることによって手ぶれ補正を行うことができる。
このような構成を有する制御ユニット70は、モータ50を用いて、複数のレンズ11~13を保持するリボルバ20を回転駆動してレンズ11~13を交換し、レンズのうちの1つのレンズを光軸L上に位置決めし、アクチュエータ34を使用してリボルバ20をZ軸方向に駆動し、アクチュエータ60を使用してリボルバ20を光軸Lに直交する平面方向(すなわち、A方向及びB方向)にスイングすることにより、光軸L上のレンズをAF制御及びOIS制御する。これにより、共通の制御システムにより、複数のレンズ11~13のそれぞれの位置を正確に制御することが可能である。
AF回転制御ユニット71によるレンズ交換動作、及びモータ50によるリボルバ20の回転駆動(励起スイッチングのタイミング)の原理について説明する。
表1は、複数のコイル51a~51dの励起スイッチングのタイミングチャートを示す。このチャートは、リボルバ20の各回転位置について、磁石52a~52dの第1の磁極(N極)52a1~52d1及び第2の磁極(S極)52a2~52d2、第1及び第2の磁極の境界(D)、及び磁石52a~52dの間の空間(-)が、コイル51a~51dの第1の側51a1~51d1及び第2の側51a2~51d2と整列されることを示す。チャートはまた、リボルバ20を各回転位置から反時計回り(CCW)及び時計回り(CW)に回転させるために、どのコイルを励起すべきか、どの方向にコイルを励起すべきかを示す。リボルバ20の回転位置は、基準レンズ状態(0°)に対して、-90°~90°の範囲内で、単位回転角(22.5°)の増分で与えられる。さらに、コイル51a~51dの励起の方向は、通電方向として規定され、これは、u(+Z方向)及びd(-Z方向)のいずれかによって示され、第1の側51a1~51d1及び第2の側51a2~51d2のマークがなし(通電なし)である。括弧内において、左文字及び右文字は、それぞれ反時計回りと時計回りの回転を示す。
レンズ12を光軸L上に位置決めする基準レンズ状態から、レンズ13を光軸L上に位置決めする右レンズ状態へのレンズ交換動作におけるコイル51a~51dの励起スイッチングについて、説明する。
図3Aに示される基準レンズ状態では、リボルバ20上のコア23a~23dは、それぞれ、磁石52a~52dの磁極の境界と整列され、それによって、保持力を加えることなく、リボルバ20は基準位置に位置決めされ、レンズ12はそれに応じて光軸L上に位置決めされる。AF回転制御ユニット71は、磁気センサ32a、32bの両方が基準磁石22a、22bを検出し(それら基準磁石から有効な検出信号を受信し)、こうしてアクティブされることを感知することにより、レンズ状態を基準レンズ状態として指定する。
図3Aに示される基準レンズ状態では、すなわち、リボルバ20が基準位置(0°)にあるときに、コイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2は、それぞれ、磁石52bの第1の磁極52b1及び第2の磁極52b2と整列され、そして、コイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2は、それぞれ、磁石52cの第2の磁極52c2及び磁石52dの第1の磁極52d1と整列される。同時に、コイル51a、51cの第1の側51a1、51c1及び第2の側51a2、51c2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして、磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れるように、コイル51b、51dを励起する。その結果、ホルダ30に対して反時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、コア23a~23dが磁石52a~52dの引力から逃げ、リボルバ20が、図の矢印によって示される方向に回転し始める。
図3Bに示されるように、リボルバ20が単位回転角(22.5°)だけ反時計回りに回転すると、コイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2は、それぞれ、磁石52cの第1の磁極52c1及び第2の磁極52c2と整列され、そして、コイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2は、それぞれ、磁石52aの第2の磁極52a2及び磁石52bの第1の磁極52b1と整列される。同時に、コイル51b、51dの第1の側51b1、51d1及び第2の側51b2、51d2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れるように、コイル51c、51aを励起する。その結果、ホルダ30に対して反時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向にさらに回転する。
図3Cに示されるように、リボルバ20が単位回転角×2(45°)だけ反時計回りに回転すると、コイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2は、それぞれ、磁石52dの第1の磁極52d1及び第2の磁極52d2と整列され、そして、コイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2は、それぞれ、磁石52bの第2の磁極52b2及び磁石52cの第1の磁極52c1と整列される。同時に、コイル51a、51cの第1の側51a1、51c1及び第2の側51a2、51c2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れるように、コイル51d、51bを励起する。その結果、ホルダ30に対して反時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向にさらに回転する。
図3Dに示されるように、リボルバ20が単位回転角×3(67.5°)だけ反時計回りに回転すると、コイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2は、それぞれ、磁石52bの第1の磁極52b1及び第2の磁極52b2と整列され、そして、コイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2は、それぞれ、磁石52cの第2の磁極52c2及び磁石52dの第1の磁極52d1と整列される。同時に、コイル51b、51dの第1の側51b1、51d1及び第2の側51b2、51d2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れるように、コイル51a、51cを励起する。その結果、ホルダ30に対して反時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向にさらに回転する。
図3Eに示されるように、リボルバ20が単位回転角×4(90°)だけ反時計回りに回転すると、リボルバ20上のコア23a~23dは、磁石52b~52d及び52aそれぞれの磁極の境界と整列され、それによって、保持力を加えることなく、リボルバ20はその位置に位置決めされ、レンズ13はそれに応じて光軸L上に位置決めされる。AF回転制御ユニット71は、磁気センサ32aのみがアクティブ化すべき基準磁石22bを検出することによって、レンズ状態を右レンズ状態として指定し、レンズ交換動作を終了する。
右レンズ状態から基準レンズ状態へのレンズ交換動作におけるコイル51a~51dの励起スイッチングについて説明する。
図3Fに示される右レンズ状態において、すなわち、リボルバ20が90°の位置にあるときに、コイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2は、それぞれ、磁石52cの第1の磁極52c1及び第2の磁極52c2と整列され、そして、コイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2は、それぞれ、磁石52dの第2の磁極52d2及び磁石52aの第1の磁極52a1と整列される。同時に、コイル51a、51cの第1の側51a1、51c1及び第2の側51a2、51c2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れるように、コイル51b、51dを励起する。その結果、ホルダ30に対して時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、コア23a~23dが磁石52a~52dの引力から逃げ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向に回転し始める。
次に、AF回転制御ユニット71は、図3B~図3Dに示されるリボルバ20の各位置において、上記の励起スイッチングを、コイル51a~51dを逆方向に通電することによって行う。これにより、リボルバ20はさらに時計回りに回転する。
図3Aに示されるように、リボルバ20が基準位置(0°)に戻ると、リボルバ20上のコア23a~23dは、それぞれ、磁石52a~52dの磁極の境界に整列され、それによって、保持力を加えることなく、リボルバ20は基準位置に位置決めされ、レンズ12はそれに応じて光軸L上に位置決めされる。AF回転制御ユニット71は、磁気センサ32a及び32bの両方が基準磁石22a及び22bを検出し、こうしてアクティブ化されることを感知することにより、レンズ状態を基準レンズ状態として指定する。
レンズ12が光軸L上に位置決めされる基準レンズ状態から、レンズ11が光軸L上に位置決めされる左レンズ状態へのレンズ交換動作におけるコイル51a~51dの励起スイッチングについて説明する。
図4Aに示される基準レンズ状態において、すなわち、リボルバ20が基準位置(0°)にあるときに、上記のように、コイル51b、51dの第1の側51b1、51d1及び第2の側51b2、51d2は、磁石52a~52dの磁極と整列されており、こうして、コイル51a、51cの第1の側51a1、51c1及び第2の側51a2、51c2は、磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れるように、コイル51b、51dを励起する。その結果、ホルダ30に対して時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、コア23a~23dが磁石52a~52dの引力から逃げ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向に回転し始める。
図4Bに示されるように、リボルバ20が単位回転角(-22.5°)だけ時計回りに回転すると、コイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2は、それぞれ、磁石52aの第1の磁極52a1及び第2の磁極52a2と整列され、そして、コイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2は、それぞれ、磁石52bの第2の磁極52b2及び磁石52cの第1の磁極52c1と整列される。同時に、コイル51b、51dの第1の側51b1、51d1及び第2の側51b2、51d2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れるように、コイル51a、51cを励起する。その結果、ホルダ30に対して時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向にさらに回転する。
図4Cに示されるように、リボルバ20が単位回転角×2(−45°)だけ時計回りに回転すると、コイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2は、それぞれ、磁石52cの第1の磁極52c1及び第2の磁極52c2と整列され、そして、コイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2は、それぞれ、磁石52aの第2の磁極52a2及び磁石52bの第1の磁極52b1と整列される。同時に、コイル51a、51cの第1の側51a1、51c1及び第2の側51a2、51c2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れるように、コイル51d、51bを励起する。その結果、ホルダ30に対して時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向にさらに回転する。
図4Dに示されるように、リボルバ20が単位回転角×3(-67.5°)だけ時計回りに回転すると、コイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2は、それぞれ、磁石52bの第1の磁極52b1及び第2の磁極52b2と整列され、そして、コイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2は、それぞれ、磁石52dの第2の磁極52d2及び磁石52aの第1の磁極52a1と整列される。同時に、コイル51b、51dの第1の側51b1、51d1及び第2の側51b2、51d2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51cの第1の側51c1及び第2の側51c2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51aの第1の側51a1及び第2の側51a2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れるように、コイル51c、51aを励起する。その結果、ホルダ30に対して時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向にさらに回転する。
図4Eに示されるように、リボルバ20が単位回転角×4(-90°)だけ時計回りに回転すると、リボルバ20上のコア23a~23dは、それぞれ、磁石52d、52a~52cの磁極の境界と整列され、それによって、保持力を加えることなく、リボルバ20はその位置に位置決めされ、レンズ11はそれに応じて光軸L上に位置決めされる。AF回転制御ユニット71は、磁気センサ32bのみがアクティブ化すべき基準磁石22aを検出することを感知することにより、レンズ状態を左レンズ状態として指定し、レンズ交換動作を終了する。
左レンズ状態から基準レンズ状態へのレンズ交換動作におけるコイル51a~51dの励起スイッチングについて説明する。
図4Fに示される左レンズ状態において、すなわち、リボルバ20が-90°の位置にあるときに、コイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2は、それぞれ、磁石52aの第1の磁極52a1及び第2の磁極52a2と整列され、そして、コイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2は、それぞれ、磁石52bの第2の磁極52b2及び磁石52cの第1の磁極52c1と整列される。同時に、コイル51a、51cの第1の側51a1、51c1及び第2の側51a2、51c2は、磁石52a~52dの磁極の境界、又は隣接する2つの磁石の間の空間と整列されており、こうして磁石52a~52dのいずれの磁石の磁極とも整列していない。次に、AF回転制御ユニット71は、電流がコイル51bの第1の側51b1及び第2の側51b2を通って-Z方向及び+Z方向それぞれに流れ、且つ電流がコイル51dの第1の側51d1及び第2の側51d2を通って+Z方向及び-Z方向それぞれに流れるように、コイル51b、51dを励起する。その結果、ホルダ30に対して反時計回りの駆動力がリボルバ20に加えられ、コア23a~23dは磁石52a~52dの引力から逃げ、リボルバ20は、図の矢印によって示される方向に回転し始める。
次に、AF回転制御ユニット71は、図4B~図4Dに示されるリボルバ20の各位置において、コイル51a~51dに逆方向に通電することにより、上記の励起スイッチングを行う。これにより、リボルバ20はさらに反時計回りに回転する。
図4Aに示されるように、リボルバ20が基準位置(0°)に戻るときに、リボルバ20上のコア23a~23dは、それぞれ、磁石52a~52dの磁極の境界と整列され、それによって、保持力を加えることなく、リボルバ20は基準位置に位置決めされ、レンズ12はそれに応じて光軸L上に位置決めされる。AF回転制御ユニット71は、磁気センサ32a、32bの両方が、アクティブ化すべき基準磁石22a、22bを検出することを感知することにより、レンズ状態を基準レンズ状態として指定し、レンズ交換動作を終了する。
コイル51a、51c及びコイル51b、51dが、磁石52a~52dの配置に対して90°の相対位相のシフトで配置されるので、コイル51a、51cの両側及びコイル51a、51cの両側は、リボルバ20が単位回転角だけ回転する度に、磁石52a~52dの磁極と交互に整列される。従って、リボルバ20は、制御を失うことなく回転駆動することができる。
上記のように、本実施形態のレンズ交換装置100は、回転中心の周りに複数のレンズ11~13を互いに離して保持するリボルバ20と;リボルバ20を回転可能に支持するホルダ30と;リボルバ20に取り付けられたムーバー51、及びムーバー51に面するようにホルダ30に取り付けられたステータ52を含むモータ50と;を含み、モータ50は、ホルダ30に対してリボルバ20を回転駆動する。モータ50を使用してホルダ30に対してリボルバ20を回転駆動することによって、複数のレンズ11~13を交換し、レンズのうちの1つのレンズを選択し、そのレンズをイメージセンサ99の光軸L上に位置決めすることが可能である。光軸L上のレンズ及びイメージセンサ99から1つのモジュールを構成するレンズ交換タイプのカメラモジュールを提供することができる。
本実施形態によるレンズ交換装置100では、2つの磁気センサ32a、32bがホルダ30に設けられ、2つの基準磁石22a、22bがリボルバ20に設けられ、リボルバ20の回転位置が、基準磁石22a、22bと整列された磁気センサ32a、32bを指定して、それら基準磁石によって生成され且つアクティブ化される磁場を検出することによって検出されるが、任意の数の磁気センサ及び基準磁石を使用してもよい。リボルバ20の回転位置は、リボルバ20上の少なくとも1つの基準磁石と整列され、基準磁石の磁場に反応する磁気センサを指定することによって検出することができ、少なくとも1つの基準磁石がリボルバ20に設けられ得、複数の磁気センサは、少なくとも1つの基準磁石に面するように、ホルダ30上のリボルバ20の周りに配置され得る。
このような場合に、複数の磁気センサは、複数のレンズ11~13をイメージセンサ99の光軸L上に位置決めした場合のリボルバ20の位置に対応して配置される。それにより、少なくとも1つの基準磁石を検出し、こうしてアクティブ化される複数の磁気センサのうちの少なくとも1つのセンサを指定することにより、イメージセンサ99の光軸L上に位置決めされたレンズを指定することが可能である。
本実施形態によるレンズ交換装置100では、リボルバ20の側面に配置された複数のコイル51a~51dをムーバー51として使用し、且つリボルバ20の周りでホルダ30に配置された複数の磁石52a~52dをステータ52として使用する可動コイル型モータを採用しているが、モータはこのタイプに限定されず、複数の磁石をムーバー51としてリボルバ20の側面に配置し、且つ複数の磁石をステータ52としてリボルバ20の周りでホルダ30に配置する可動磁石型モータを使用してもよい。さらに、ムーバー51は、側面に設けられること、及びリボルバ20の上面又は下面の周囲の近くに設けられることに限定されない。ステータ52は、ムーバー51に面するようにホルダに設けられ得、それにより、平面型モータが構成され得る。
図5A~図5Eは、変形例によるレンズ交換装置110の構成を示し、図5Aは、レンズ交換装置110の構成を上面図で示す。図5Bは、レンズ交換装置110の構成を図5Aの基準線II-IIに沿った断面で示す。図5Cは、リボルバ120の構成を上面図で示す。図5Dは、ホルダ130の構成を上面図で示す。図5Eは、ベース140の構成を上面図で示す。これらの図において、イメージセンサ99の受光中心に位置する光軸Lに関して、光軸Lに平行な方向はZ軸方向として規定され、Z軸方向に直交する平面において光軸L及びリボルバ120の回転中心(ホルダ130上のシャフト33の中心)を結ぶ直線の方向は-Y軸方向として規定され、Z軸及びY軸に直交する方向はX軸方向として規定される。
レンズ交換装置110は、リボルバ120、ホルダ130、ベース140、モータ150、及び制御ユニット170を含む。
リボルバ120は、レンズ11~13を保持するためのものであり、以下の特徴を除いて、上記のリボルバ20と同様に構成される。基準磁石22a、22bは、それぞれ、コイル51aの第1の側51a1の裏側、及びコイル51dと防振部材26との間に設けられる。さらに、複数のコア23a~23cは、レンズ13~11それぞれに近接してリボルバ20の側面に配置される。
ホルダ130は、リボルバ120を回転可能に支持するためのケーシングであり、以下の特徴を除いて、上記のホルダ30と同様に構成される。4つの溝31a~31dは、それぞれ、凹部31の+X側、+Y側、-X側、及び-Y側に配置され、その中に磁石52a~52dをそれぞれ収容している。換言すれば、磁石52b、52dは、光軸Lとシャフト33の中心とを結ぶ直線の方向の反対側に配置される。磁気センサ32a、32bは、それぞれ、凹部31の+X、-Y及びX、-Y側の内面に埋め込まれる。
ベース140は、ホルダ130をスイング可能に支持するためのものであり、以下の特徴を除いて、上記のベース40と同様に構成される。コイル61b、61dは、アクチュエータ160のステータ61を構成するためのものであり、Z軸方向においてホルダ130に設けた磁石52b、52dそれぞれと整列するようにFPC40bに設けられる。磁気センサ42a、42bは、それぞれ、磁石52a、52bによって生成された磁場を検出して、X方向及びY方向におけるベース140に対するホルダ130の位置を検出するためのものである。磁気センサ42aは、Z軸方向においてホルダ130上の磁石52aと整列するようにFPC40b上に配置される。磁気センサ42bは、FPC40b上に設けられ、コイル61bと重なり、Z軸方向においてホルダ130上の磁石52bと整列される。
コイル61b、61dのそれぞれは、一対のサブコイルを含み、ここで、一方のサブコイルは、磁石52b、52dに含まれる第1の磁極52b1、52d1と、その裏面に位置する反対の極性の磁極と整列され、及び他方のサブコイルは、第2の磁極52b2、52d2と、その裏面に位置する反対の極性の磁極と整列される。磁石52b、52d及びこれと整列したコイル61b、61dは、アクチュエータ160(スイング装置の一例であり、OISアクチュエータとも呼ばれる)を構成して、ベース140上でホルダ130をY軸方向にスイングさせる。
モータ150は、磁石52a~52dが異なって配置されることを除いて、上記のモータ50と同様に構成される。
図6は、変形例によるレンズ交換装置110の制御システムの構成を示す。制御システムは、制御ユニット170を含むように構成される。コンピュータ装置は、制御プログラムを実行して、AF回転制御ユニット71及びOIS制御ユニット72の機能を有する制御ユニット170を実現する。
AF回転制御ユニット71は、ホルダ130上の磁気センサ32a、32bの出力信号に基づいて、リボルバ120を回転制御し、光軸L上のレンズをAF制御する。リボルバ120の回転駆動及びAF駆動の原理は上記の通りである。
OIS制御ユニット72は、リボルバ120によって保持された複数のレンズ11~13の中から、イメージセンサ99の光軸L上に位置するレンズの位置をX方向及びY方向に補正する、すなわち、磁気センサ42a、42bの検出信号に基づいてX及びY方向におけるベース140に対するホルダ130の位置を計算し、ベース140上でホルダ130をY軸方向にスイングするべくコイル61b、61dを励起するようにアクチュエータ160を制御し、計算結果に基づいてリボルバ120がホルダ130に対して微妙に(細かく)回転するようにモータ150を制御することによって、手ぶれ補正を実行することができる。
このような構成を有する制御ユニット170は、モータ150を使用して複数のレンズ11~13を保持するリボルバ120を回転駆動してレンズ11~13を交換し、レンズのうちの1つのレンズを光軸Lに位置決めし、アクチュエータ34を使用してリボルバ120をZ軸方向に駆動することにより光軸L上のレンズをAF制御し、アクチュエータ160を使用してリボルバ120をY軸方向にスイングし、モータ150を使用してリボルバ120微妙に回転させることにより光軸L上のレンズをOIS制御する。これにより、共通の制御システムにより、複数のレンズ11~13の位置を正確に制御することができる。
図7は、携帯端末200の構成の一例を示す。携帯端末200は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等であり得、複数のレンズ11~13と;イメージセンサ99と;本実施形態によるレンズ交換装置100又は変形例によるレンズ交換装置110と;を含む。複数のレンズ11~13は、レンズ交換装置100(110)に含まれるリボルバ20(120)によって保持され、イメージセンサ99は、その光軸Lがホルダ30(130)の開口部30a及びベース40(140)の開口部40aの中心と整列するようにレンズ交換装置100(110)内に配置される。このような構成を有する携帯端末200は、カメラモジュールを含む携帯端末を提供し、カメラモジュールは、レンズ11~13に単一のイメージセンサ99、単一のAFアクチュエータ34、及び単一のOISアクチュエータ60(160)を使用し、レンズ交換装置100(110)により、複数のレンズ11~13を交換し、レンズのうちの1つのレンズをイメージセンサ99の光軸L上に位置決めするレンズ交換方法を採用する。
本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に限定されない。上記の実施形態に様々な変更及び改良を加えることができることは当業者には明らかであろう。また、特許請求の範囲から、そのような変更又は改良を加えた実施形態を本発明の技術的範囲に含めることができることも明らかであろう。
特許請求の範囲、実施形態、又は図に示される装置、システム、プログラム、及び方法によって実行される各プロセスの操作、手順、ステップ、及び段階は、順序が「~より前」、「~の前」等によって示されない限り、前のプロセスからの出力が後のプロセスで使用されない限り、任意の順序で実行することができる。特許請求の範囲、実施形態、又は図において「第1」又は「次」等の句を使用してプロセスフローを説明している場合でも、それは、プロセスをこの順序で実行しなければならないことを必ずしも意味しない。