JP2019191350A - 振れ補正機能付き光学ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】振れ補正の制御を容易にするとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図る。【解決手段】振れ補正機能付き光学ユニットの揺動支持機構は、複数本のワイヤからなり、各ワイヤは、直線状の中間部と、中間部の一端から該中間部の軸方向に直交する方向に屈曲する第1直角部と、該第1直角部を介して中間部の一端に連結され、該中間部の軸方向に直交する方向に延びる第1アーム部と、中間部の他端から第1アーム部の逆方向に屈曲した第2直角部と、該第2直角部を介して中間部の他端に連結され、第1アーム部の軸方向と平行に延びる第2アーム部と、を有するクランク状に形成され、第1アーム部の先端が可動体に固定されるとともに、第2アーム部の先端が固定体に固定されており、中間部の軸方向が、光軸に対して直交する径方向と平行に配置されるか、又は、光軸と平行に配置される。【選択図】 図2
Description
本発明は、カメラ付き携帯端末等に搭載される光学モジュールの振れ補正を行う振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
携帯端末、ドライブレコーダ、無人ヘリコプター等に搭載される撮像装置等の光学機器に用いられる光学ユニットにおいて、振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、振れを打ち消すように光学モジュールを揺動させて振れを補正する機能が開発されている。この振れ補正機能においては、光学機器の筐体からなる固定体に対して、光学素子を備える光学モジュール(可動体)を揺動可能に支持し、その光学モジュールを振れ補正用駆動機構により振れに応じて揺動させる構成が採用されている。
例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の手振れ補正装置では、光軸に沿って延在する複数本のサスペンションワイヤからなる支持手段により、固定体(ベースプレート、ベースプリント基板)に対して可動体(可動部材、レンズバレル)を光軸に直交する平面内で移動可能に支持する構成が採用されている。また、この手振れ補正装置は、コイルと磁石を有する駆動手段(可動部材用駆動手段)を備えており、複数本のサスペンションワイヤで支持された可動体を固定体に対して光軸に直交する平面内で移動させることにより、手振れを補正する構成とされる。
一方、特許文献3には、支持手段と駆動手段とを兼ね備えた構成のレンズ駆動機構が開示されている。このレンズ駆動機構は、固定体(ベース)と、光学レンズを保持する可動体(ホルダ)と、可動体及び固定体に連結された複数の第1の弾性部材と、可動体及び固定体に接続され、可動体を固定体に対して移動させる複数の第1の付勢要素と、を含む。各第1の付勢要素は、例えば形状記憶合金材料からなり、駆動信号を印加することにより長さが変形(伸長または短縮)され、駆動信号の印加を停止することにより元の長さに復元される。このため、それぞれの第1の付勢要素を独立して制御することで、各第1の付勢要素の長さを異なる又は同じ長さに変化させることができ、可動体の姿勢を変更できる。したがって、特許文献3によれば、例えば、複数の第1の付勢部材の長さの変化が実質的に同じであるとき、可動体を固定体に対して光軸の方向に移動でき、光学フォーカスの機能を達成できる。また、複数の第1の付勢部材の長さの変化が互いに異なるとき、可動体の光軸は固定体の中心軸に対して傾く角変位を有することができ、光学手振れ補正の機能を達成できる。
しかし、特許文献1及び特許文献2のように、可動体と固定体との間を同じ長さの複数本のサスペンションワイヤで支持する支持手段では、可動体を光軸に直交する方向に移動できるが、可動体の光軸の向きを変えることはできない。また、特許文献3のように、支持手段と駆動手段とを兼ね備えた構成は可動体の光軸の向きを変えることができるが、機構が複雑になり、振れの制御が非常に困難である。
また、振れの形態としては、いわゆるピッチング(縦揺れ)及びヨーイング(横揺れ)だけでなく、光軸周りのローリングも含まれる。このため、振れ補正用の機構としては、これらピッチング、ヨーイング及びローリングのいずれにも対応できるものが望ましい。しかし、一方で、光学ユニット自体の小型化も要求されており、全ての振れに対応可能な機構を組み込むことは容易ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、振れ補正の制御を容易にするとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることを目的とする。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、
光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、
該光学モジュールを保持する可動体と、
前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、
前記揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、
前記可動体を前記固定体に対して揺動させる振れ補正用駆動機構と、を備え、
前記揺動支持機構は、複数本のワイヤからなり、
各ワイヤは、直線状の中間部と、前記中間部の一端から該中間部の軸方向に直交する方向に屈曲する第1直角部と、該第1直角部を介して前記中間部の一端に連結され、該中間部の軸方向に直交する方向に延びる第1アーム部と、前記中間部の他端から前記第1アーム部の逆方向に屈曲した第2直角部と、該第2直角部を介して前記中間部の他端に連結され、前記第1アーム部の軸方向と平行に延びる第2アーム部と、を有するクランク状に形成され、
前記第1アーム部の先端が前記可動体に固定されるとともに、前記第2アーム部の先端が前記固定体に固定されており、
前記中間部の軸方向が、光軸に対して直交する径方向と平行に配置されるか、又は、光軸と平行に配置される。
光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、
該光学モジュールを保持する可動体と、
前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、
前記揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、
前記可動体を前記固定体に対して揺動させる振れ補正用駆動機構と、を備え、
前記揺動支持機構は、複数本のワイヤからなり、
各ワイヤは、直線状の中間部と、前記中間部の一端から該中間部の軸方向に直交する方向に屈曲する第1直角部と、該第1直角部を介して前記中間部の一端に連結され、該中間部の軸方向に直交する方向に延びる第1アーム部と、前記中間部の他端から前記第1アーム部の逆方向に屈曲した第2直角部と、該第2直角部を介して前記中間部の他端に連結され、前記第1アーム部の軸方向と平行に延びる第2アーム部と、を有するクランク状に形成され、
前記第1アーム部の先端が前記可動体に固定されるとともに、前記第2アーム部の先端が前記固定体に固定されており、
前記中間部の軸方向が、光軸に対して直交する径方向と平行に配置されるか、又は、光軸と平行に配置される。
揺動支持機構を構成する各ワイヤは、線材の軸方向(圧縮及び引張り方向)よりも、その軸方向に直交する方向(周方向及びせん断方向)の方がばね定数が低い。このため、各ワイヤは、線材の周方向に捩れたり、せん断方向に曲がったりする弾性変形が容易である。そして、振れ補正機能付き光学ユニットにおいては、各ワイヤがクランク状に形成されているので、中間部の変形と、第1アーム部及び第2アーム部の変形と、の組み合わせにより、可動体を固定体に対して、2軸方向(ピッチング方向、ヨーイング方向)に揺動可能に支持できるとともに、光軸周りのローリング方向にも揺動可能に支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。また、揺動支持機構は、複数本のワイヤからなり、構成部品点数が少なく、振れ補正機能付き光学ユニット全体に占めるスペースを削減できる。したがって、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化が可能であるとともに、安価な製品を提供できる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、前記第1アーム部の長さと前記第2アーム部の長さとが同じ長さに形成される。
ワイヤの第1アーム部と第2アーム部の長さを同じ長さにすることで、振れ補正における可動体の支持力バランスを対称的にとることができ、振れ補正の制御を容易にできる。また、各ワイヤの形状に方向性が無くなり、組み間違いを回避できるとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの組み立てが容易になる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
光軸方向から見て、
前記固定体が四辺を有する四角枠状に形成され、前記可動体が前記固定体の内側において前記固定体の各一辺に対向する一辺をそれぞれ有する四角形状に形成され、
前記ワイヤが、前記可動体の一辺と該可動体の一辺に対向する前記固定体の一辺との間に配置される。
光軸方向から見て、
前記固定体が四辺を有する四角枠状に形成され、前記可動体が前記固定体の内側において前記固定体の各一辺に対向する一辺をそれぞれ有する四角形状に形成され、
前記ワイヤが、前記可動体の一辺と該可動体の一辺に対向する前記固定体の一辺との間に配置される。
揺動支持機構を構成する各ワイヤを、固定体と可動体の各辺の間にそれぞれ配置することで、可動体を固定体に対してバランスよく支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
複数本の前記ワイヤのそれぞれは、前記中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置されており、光軸方向から見て、各ワイヤが光軸を中心とする回転対称に配置される。
複数本の前記ワイヤのそれぞれは、前記中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置されており、光軸方向から見て、各ワイヤが光軸を中心とする回転対称に配置される。
各ワイヤをその中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置した構成において、各ワイヤを光軸を中心とする回転対称に配置することで、これらのワイヤからなる揺動支持機構の揺動中心位置を光軸近傍に配置し、又は光軸と一致させて配置することができる。したがって、可動体を固定体に対してバランスよく支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。また、ワイヤの中間部を光軸に対して直交する径方向と平行に配置することで、揺動支持機構の光軸方向の高さを小さくできるので、振れ補正機能付き光学ユニットの薄型化を図ることができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
複数本の前記ワイヤのそれぞれは、前記中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置されており、
前記揺動支持機構は、光軸を中心とする点対称に設けられた2本のワイヤからなるワイヤユニットを複数組有し、
各ワイヤユニットが、光軸を中心とする回転対称に設けられる。
複数本の前記ワイヤのそれぞれは、前記中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置されており、
前記揺動支持機構は、光軸を中心とする点対称に設けられた2本のワイヤからなるワイヤユニットを複数組有し、
各ワイヤユニットが、光軸を中心とする回転対称に設けられる。
ワイヤユニットを構成する2本の対向するワイヤは、光軸を中心とする点対称に設けられているので、可動体に固定されるそれぞれの固定端どうしをつなぐ仮想線が光軸を通る。このように構成されるワイヤユニットを複数組、組み合わせて揺動支持機構を構成することで、揺動支持機構の揺動中心位置を光軸近傍に配置し、又は光軸と一致させて配置することができる。したがって、可動体を固定体に対してバランスよく支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。また、ワイヤの中間部を光軸に対して直交する方向に配置することで、振れ補正機能付き光学ユニットの薄型化を図ることができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
前記ワイヤの前記中間部と前記振れ補正用駆動機構の駆動中心位置とが光軸方向の同じ高さ位置にある。
前記ワイヤの前記中間部と前記振れ補正用駆動機構の駆動中心位置とが光軸方向の同じ高さ位置にある。
各ワイヤをその中間部が光軸に対して直交する径方向と平行に配置した構成において、各ワイヤの中間部を振れ補正用駆動機構の駆動中心位置と同じ高さ位置に設けることで、ワイヤを振れ補正用駆動機構の駆動中心位置に近づけて配置できるので、ワイヤの可動範囲を小さくできる。したがって、中間部を駆動中心位置から離れた位置に配置した場合と比べて、ワイヤと可動体、ワイヤと固定体とが干渉することを防止できる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体を光軸に直交する第1軸線を中心に揺動させる第1揺動駆動機構と、前記可動体を光軸及び前記第1軸線に直交する第2軸線を中心に揺動させる第2揺動駆動機構と、を備え、
前記第1揺動駆動機構及び前記第2揺動駆動機構は、揺動用磁石と、該揺動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイルと、を有する磁気駆動機構からなり、
前記揺動用コイルが、前記中間部と平行に、かつ、光軸方向に間隔をおいて形成された2箇所の直線辺部と、該直線辺部の両端間を連結する2箇所の連結部と、を有する略矩形状に形成されており、
前記揺動用磁石は、前記揺動用コイルとの対向面に、2箇所の前記直線辺部のそれぞれに対向する異なる磁極が着磁されるとともに、これらの磁極の間に着磁分極線が形成されており、
各ワイヤの前記中間部と前記着磁分極線とが光軸方向の同じ高さ位置にある。
前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体を光軸に直交する第1軸線を中心に揺動させる第1揺動駆動機構と、前記可動体を光軸及び前記第1軸線に直交する第2軸線を中心に揺動させる第2揺動駆動機構と、を備え、
前記第1揺動駆動機構及び前記第2揺動駆動機構は、揺動用磁石と、該揺動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイルと、を有する磁気駆動機構からなり、
前記揺動用コイルが、前記中間部と平行に、かつ、光軸方向に間隔をおいて形成された2箇所の直線辺部と、該直線辺部の両端間を連結する2箇所の連結部と、を有する略矩形状に形成されており、
前記揺動用磁石は、前記揺動用コイルとの対向面に、2箇所の前記直線辺部のそれぞれに対向する異なる磁極が着磁されるとともに、これらの磁極の間に着磁分極線が形成されており、
各ワイヤの前記中間部と前記着磁分極線とが光軸方向の同じ高さ位置にある。
各ワイヤをその中間部が光軸に対して直交する径方向と平行に配置した構成で、補正用駆動機構の第1揺動駆動機構及び第2揺動駆動機構が揺動用磁石と揺動用コイルとを有する磁気駆動機構からなる場合において、ワイヤの中間部と揺動用磁石の着磁分極線とを光軸方向の同じ高さ位置に設けることで、ワイヤを振れ補正用駆動機構の駆動中心位置に近づけて配置できるので、ワイヤの可動範囲を小さくできる。したがって、中間部を駆動中心位置から離れた位置に配置した場合と比べて、ワイヤと可動体、ワイヤと固定体とが干渉することを防止できる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
前記光学モジュールは、磁気駆動機構からなるフォーカス駆動機構を有しており、
前記揺動用磁石が前記可動体に固定され、前記揺動用コイルが前記固定体に固定される。
前記光学モジュールは、磁気駆動機構からなるフォーカス駆動機構を有しており、
前記揺動用磁石が前記可動体に固定され、前記揺動用コイルが前記固定体に固定される。
光学モジュールが磁気駆動機構からなるフォーカス駆動機構を有する構成では、固定体に揺動用磁石を設けると、固定体の揺動用磁石と可動体のフォーカス用の磁石とが互いに吸引や反発し、可動体の姿勢に影響を及ぼすおそれがある。そこで、可動体に揺動用磁石を設けることで、可動体において揺動用磁石とフォーカス用磁石との関係を完結させることができる。また、可動体に揺動用磁石を設けることで、組み立ての際に可動体が固定体側からフォーカス用磁石の磁界の影響を受けることがないので、可動体を組み付けやすく、振れ補正機能付き光学ユニットを容易に組み立てることができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
前記固定体に、前記揺動用磁石の前記着磁分極線に対し、前記可動体の光軸に直交する方向に対向する磁性部材が設けられる。
前記固定体に、前記揺動用磁石の前記着磁分極線に対し、前記可動体の光軸に直交する方向に対向する磁性部材が設けられる。
駆動用コイルに電流が印加されていない無励磁時において、固定体に取り付けられた磁性部材と可動体に取り付けられた揺動用磁石との間の吸引力により、可動体を所定の初期位置(原点)に復帰させることができる。したがって、別途のばね部材等を用いなくても、無励磁時の可動体の姿勢を安定させることができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施態様として、
前記振れ補正用駆動機構は、さらに前記可動体を光軸を中心に回動させる回動駆動機構を備え、
前記回動駆動機構は、回動用磁石と、該回動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な回動用コイルと、を有する磁気駆動機構からなり、
前記ワイヤの前記中間部が前記揺動用磁石と前記揺動用コイルとの間に配置され、
前記回動駆動機構が、前記第1軸線と前記第2軸線との間の前記可動体の対角方向に配置される。
前記振れ補正用駆動機構は、さらに前記可動体を光軸を中心に回動させる回動駆動機構を備え、
前記回動駆動機構は、回動用磁石と、該回動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な回動用コイルと、を有する磁気駆動機構からなり、
前記ワイヤの前記中間部が前記揺動用磁石と前記揺動用コイルとの間に配置され、
前記回動駆動機構が、前記第1軸線と前記第2軸線との間の前記可動体の対角方向に配置される。
揺動支持機構を構成するワイヤは、第1揺動駆動機構及び第2揺動駆動機構を構成する揺動用磁石と揺動用コイルとの間の僅かなスペースに配置できる。また、回動駆動機構を第1軸線と第2軸線との間の可動体の対角方向に配置することで、振れ補正用駆動機構の各駆動機構の駆動中心位置を光軸方向の同じ高さ位置に配置でき、振れ補正の制御を容易にできる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの実施態様として、
前記ワイヤの前記中間部の軸方向が光軸と平行に配置されており、
前記揺動支持機構は、
光軸に対して直交する方向から見て、
前記ワイヤが、光軸に平行な面内において、該光軸に直交し、前記振れ補正用駆動機構の駆動中心位置を通る第1直線との交点を中心とする点対称に設けられた2本のワイヤからなるワイヤユニットを複数組有する。
前記ワイヤの前記中間部の軸方向が光軸と平行に配置されており、
前記揺動支持機構は、
光軸に対して直交する方向から見て、
前記ワイヤが、光軸に平行な面内において、該光軸に直交し、前記振れ補正用駆動機構の駆動中心位置を通る第1直線との交点を中心とする点対称に設けられた2本のワイヤからなるワイヤユニットを複数組有する。
各ワイヤの中間部の軸方向を光軸と平行に配置した構成において、ワイヤユニットを構成する2本の対向するワイヤは、光軸に平行な面内において、その光軸に直交し、振れ補正用駆動機構の駆動中心位置を通る第2直線との交点を中心とする点対称に設けられているので、可動体に固定される2本のワイヤのそれぞれの固定端どうしをつなぐ仮想線も、その交点を通る。このように構成されるワイヤユニットを複数組、組み合わせて揺動支持機構を構成することで、揺動支持機構の揺動中心位置を光軸の近傍に配置し、又は光軸と一致させて配置することができる。したがって、可動体を固定体に対してバランスよく支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの実施態様として、
前記可動体は、前記光学モジュールを径方向の内側に保持し、前記ワイヤが固定されるホルダを有しており、光軸方向から見て、前記ホルダ外形が正方形に形成される。
前記可動体は、前記光学モジュールを径方向の内側に保持し、前記ワイヤが固定されるホルダを有しており、光軸方向から見て、前記ホルダ外形が正方形に形成される。
ホルダにより、可動体の外形を正方形に形成することで、同形状のワイヤを用いて容易に揺動支持機構を構成できる。また、同形状のワイヤを用いて揺動支持機構を構成することで、3軸方向(ヨーイング、ピッチング、ローリング)の補正時に、各ワイヤがホルダの各辺(各面)を支持する力を均等にできるので、振れ補正の制御を容易にできる。
本発明によれば、クランク状に形成されたワイヤを複数本組み合わせることにより、可動体を固定体に対して3軸方向に揺動可能に支持でき、振れ補正の制御を容易できるとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
以下、本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットの実施形態について図面を参照しながら説明する。
以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、静置状態においては、Z軸方向に光軸L(光学素子の光軸/光学モジュール110の光軸)が配置されるものとする。また、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当する。また、図1〜図6、図8及び図9では、X軸方向の一方側には+Xを、他方側には−Xを付し、Y軸方向の一方側には+Yを、他方側には−Yを付し、Z軸方向の一方側(被写体側/光軸方向前側)には+Zを、他方側(被写体側とは反対側/光軸方向後側)には−Zを付して説明する。また、図1〜図6、図8及び図9では、Z軸の一方+Zを上方に向けて配置した状態を静置状態とする。以下では、特に断らない限り、この静置状態で説明する。
<第1実施形態>
(振れ補正機能付き光学ユニット101の概略構成)
図1は、第1実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット(以下、光学ユニットと省略する。)101の外観を示す斜視図である。図2は、光学ユニット101を光軸Lの+Z方向から見た平面図である。図3は、光学ユニット101を、光軸L及び光軸Lに直交するX軸に沿った断面(A‐A線に沿う断面)にした縦断面図である。図4は、光学ユニット101を光軸L方向に沿って分解した分解斜視図である。図5は、固定体20の一部を切断して内部を表示するようにした光学ユニット101の斜視図である。図6は、可動体10に設けられるホルダ120及び磁石41と、揺動支持機構30を構成するワイヤ31とを示す斜視図である。図7は、そのワイヤ31の斜視図である。
(振れ補正機能付き光学ユニット101の概略構成)
図1は、第1実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット(以下、光学ユニットと省略する。)101の外観を示す斜視図である。図2は、光学ユニット101を光軸Lの+Z方向から見た平面図である。図3は、光学ユニット101を、光軸L及び光軸Lに直交するX軸に沿った断面(A‐A線に沿う断面)にした縦断面図である。図4は、光学ユニット101を光軸L方向に沿って分解した分解斜視図である。図5は、固定体20の一部を切断して内部を表示するようにした光学ユニット101の斜視図である。図6は、可動体10に設けられるホルダ120及び磁石41と、揺動支持機構30を構成するワイヤ31とを示す斜視図である。図7は、そのワイヤ31の斜視図である。
光学ユニット101は、携帯端末、ドライブレコーダ、無人ヘリコプター等に搭載される撮像装置等の光学機器(図示略)に組み込まれる薄型カメラであって、光学機器のシャーシ(機器本体)に支持された状態で搭載される。図1〜図5に示すように、光学ユニット101は、光学素子(図示略)及び光学素子の光軸L上に位置する撮像素子(図示略)を有する光学モジュール110と、光学モジュール110を保持する可動体10と、可動体10を揺動可能に支持する揺動支持機構30と、揺動支持機構30を介して可動体10を支持する固定体20と、可動体10を固定体20に対して揺動及び回動させる振れ補正用駆動機構40と、を備える。
図2に示すように、可動体10は、固定体20に対して揺動支持機構30を介して光軸Lに直交する2つの軸線R1,R2周りに揺動可能に支持されるとともに、光軸L周りに回動可能に支持されている。本実施形態では、2つの軸線のうちの一方の軸線を第1軸線R1、光軸L及び第1軸線R1に直交する他方の軸線を第2軸線R2とする。図2に示すように、2つの軸線R1,R2は相互に直交しており、可動体10の揺動中心位置(揺動支点)は、これらの第1軸線R1と第2軸線R2との交点に設けられる。また、光学ユニット101の振れ補正用駆動機構40は、可動体10を第1軸線R1(X軸)を中心に揺動させる第1揺動駆動機構401と、可動体10を第2軸線R2(Y軸)を中心に揺動させる第2揺動駆動機構402と、さらに可動体10を光軸L(Z軸)を中心に回動させる回動駆動機構403と、を備えている。
この種の光学ユニット101では、撮影時に光学機器に手振れ等の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。そこで、光学ユニット101においては、ジャイロスコープ等の振れ検出センサ(図示略)によって振れを検出した結果に基づいて、揺動支持機構30により支持された可動体10を、振れ補正用駆動機構40により固定体20に対して軸線R1,R2及び光軸L周りに揺動させ、ピッチング、ヨーイング及びローリングの3方向の振れを補正できるようにしている。
(固定体20の構成)
図1〜図5に示すように、固定体20は、可動体10の周りを囲む角筒状のケース210を有している。ケース210は、図2に示すように、光軸L方向(+Z側又は−Z側)から見て、四辺(四面)を有する四角枠状に形成されている。本実施形態では、ケース210は、X軸(第1軸線R1)方向に180°対向する二辺を構成する外側板部211と、Y軸(第2軸線R2)方向に180°対向する二辺を構成する外側板部212と、を有している。また、ケース210は、さらにX軸とY軸との間の対角方向(X軸及びY軸に45°で交差する対角上)に、外側板部211と外側板部212との間を接続する外連結板部213を有しており、光軸L方向から見ると、対角方向の四隅が面取りされた四角枠状に形成されている。
図1〜図5に示すように、固定体20は、可動体10の周りを囲む角筒状のケース210を有している。ケース210は、図2に示すように、光軸L方向(+Z側又は−Z側)から見て、四辺(四面)を有する四角枠状に形成されている。本実施形態では、ケース210は、X軸(第1軸線R1)方向に180°対向する二辺を構成する外側板部211と、Y軸(第2軸線R2)方向に180°対向する二辺を構成する外側板部212と、を有している。また、ケース210は、さらにX軸とY軸との間の対角方向(X軸及びY軸に45°で交差する対角上)に、外側板部211と外側板部212との間を接続する外連結板部213を有しており、光軸L方向から見ると、対角方向の四隅が面取りされた四角枠状に形成されている。
また、ケース210の内周面上には、後述する振れ補正用駆動機構40を構成する揺動用コイル42及び回動用コイル44が固定されている。このうち、可動体10を第1軸線R1周りに揺動させる第1揺動駆動機構401と、可動体10を第2軸線R2周りに揺動させる第2揺動駆動機構402とは、同一の揺動用コイル42で構成されている。第1揺動駆動機構401を構成する揺動用コイル42は、ケース210のY軸方向の一方側+Y及び他方側−Yにそれぞれ形成された外側板部212の内周面に固定される。また、第2揺動駆動機構402を構成する揺動用コイル42は、ケース210のX軸方向の一方側+X及び他方側−Xにそれぞれ形成された外側板部211の内周面に固定される。このように、各揺動用コイル42は、光軸L(Z軸)周りに90°間隔で配置されている。
一方、可動体10を光軸L周りに回動させる回動駆動機構403を構成する回動用コイル44は、ケース210の対角方向にそれぞれ形成された外連結板部213の内周面に固定されている。このように、各回動用コイル44は、光軸L周りに90°間隔で配置された揺動用コイル42の間に配置され、揺動用コイル42に対して光軸L周りに45°ずれた位置に固定されている。
(可動体10の構成)
図1〜図5に示すように、可動体10は、光学モジュール110と、光学モジュール110を光軸Lに直交する径方向の内側に保持するホルダ120と、を有している。光学モジュール110は、図示は省略するが、光学素子や撮像素子、フォーカシング駆動用のフォーカス駆動機構等を有しており、ホルダ120に固定されている。したがって、光学モジュール110とホルダ120とは、一体に設けられている。
図1〜図5に示すように、可動体10は、光学モジュール110と、光学モジュール110を光軸Lに直交する径方向の内側に保持するホルダ120と、を有している。光学モジュール110は、図示は省略するが、光学素子や撮像素子、フォーカシング駆動用のフォーカス駆動機構等を有しており、ホルダ120に固定されている。したがって、光学モジュール110とホルダ120とは、一体に設けられている。
図2に示すように、ホルダ120は、光軸L方向(+Z側又は−Z側)から見て、四角形状に形成されている。前述したように、ケース210(固定体20)の外形は、光軸L方向から見て四辺を有する四角枠状に形成されており、可動体10を構成するホルダ120は、このケース210の内側において、ケース210の各一辺に対向(対面)する一辺をそれぞれ有する四角形状に形成されている。また、本実施形態では、図2に示すように、光軸L方向から見て、ホルダ120の内側に保持される光学モジュール110がY軸方向よりもX軸方向に長く形成された長方形状に形成されるが、光学モジュール110の周りを囲むホルダ120はX軸とY軸の長さが等しい正方形に形成される。このように、ホルダ120の外形を正方形に形成することで、可動体10の外形が正方形に形成されている。
ホルダ120は、図2及び図6等に示すように、X軸(第1軸線R1)方向に180°対向する二辺を構成する内側板部121と、Y軸(第2軸線R2)方向に180°対向する二辺を構成する内側板部122と、を有している。また、ホルダ120は、さらにX軸とY軸との間の対角方向(X軸及びY軸に45°で交差する対角上)に、内側板部121と内側板部122との間を接続する内連結板部123を有しており、光軸L方向から見ると、対角方向の四隅が面取りされた四角枠状に形成されている。
そして、ホルダ120の外周面とケース210の内周面とは一定の間隔をおいて配置されており、ホルダ120とケース210との間には、四角環状に形成された環状空間45が設けられている。また、この環状空間45には、後述する揺動支持機構30を構成する複数本(本実施形態では4本)のワイヤ31が設けられ、ワイヤ31を介してホルダ120(可動体10)とケース210(固定体20)との間が接続されている。
また、ホルダ120の外周面上には、振れ補正用駆動機構40を構成する揺動用磁石41及び回動用磁石43が固定されている。このうち、可動体10を第1軸線R1周りに揺動させる第1揺動駆動機構401と、可動体10を第2軸線R2周りに揺動させる第2揺動駆動機構402とは、同一の揺動用磁石41で構成されている。そして、第1揺動駆動機構401を構成する揺動用磁石41は、ホルダ120のY軸方向の一方側+Y及び他方側−Yにそれぞれ設けられた内側板部122の外周面に固定される。また、第2揺動駆動機構402を構成する揺動用磁石41は、ホルダ120のX軸方向の一方側+X及び他方側−Xにそれぞれ設けられた内側板部121の外周面に固定される。このように、各揺動用磁石41は、光軸L(Z軸)周りに90°間隔で配置されている。
一方、可動体10を光軸L周りに回動させる回動駆動機構403を構成する回動用磁石43は、ホルダ120の対角方向にそれぞれ形成された内連結板部123の外周面に固定されている。このように、各回動用磁石43は、光軸L周りに90°間隔で配置された揺動用磁石41の間に配置され、揺動用磁石41に対して光軸L周りに45°ずれた位置に固定されている。
(振れ補正用駆動機構40の構成)
図2及び図5等に示すように、振れ補正用駆動機構40は、可動体10を第1軸線R1を中心に揺動させる第1揺動駆動機構401と、可動体10を第2軸線R2を中心に揺動させる第2揺動駆動機構402と、さらに可動体10を光軸Lを中心に可動させる回動駆動機構403と、を備える。このうち、第1揺動駆動機構401及び第2揺動駆動機構402は、揺動用磁石41と、その揺動用磁石41の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイル42と、を有する磁気駆動機構からなる。また、回動駆動機構403は、回動用磁石43と、その回動用磁石43の磁界内で電磁力を発生可能な回動用コイル44と、を有する磁気駆動機構からなる。
図2及び図5等に示すように、振れ補正用駆動機構40は、可動体10を第1軸線R1を中心に揺動させる第1揺動駆動機構401と、可動体10を第2軸線R2を中心に揺動させる第2揺動駆動機構402と、さらに可動体10を光軸Lを中心に可動させる回動駆動機構403と、を備える。このうち、第1揺動駆動機構401及び第2揺動駆動機構402は、揺動用磁石41と、その揺動用磁石41の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイル42と、を有する磁気駆動機構からなる。また、回動駆動機構403は、回動用磁石43と、その回動用磁石43の磁界内で電磁力を発生可能な回動用コイル44と、を有する磁気駆動機構からなる。
本実施形態では、1個の揺動用磁石41と、この1個の揺動用磁石41に対面する1個の揺動用コイル42との組み合わせが、光軸Lの周方向に90°ずつ間隔をおいて4組設けられる。このうち、第1揺動駆動機構401を構成する1個の揺動用磁石41と1個の揺動用コイル42との組み合わせが光軸Lの周方向に180°の間隔をおいて2組設けられ、第2揺動駆動機構402を構成する1個の揺動用磁石41と1個の揺動用コイル42との組み合わせが光軸Lの周方向に180°の間隔をおいて2組設けられ、第1揺動駆動機構401と第2揺動駆動機構402とがそれぞれ2組ずつ設けられる。
また、1個の回動用磁石43と、この1個の回動用磁石43に対面する1個の回動用コイル44との組み合わせからなる回動駆動機構403が、光軸L方向の周方向に90°ずつ間隔をおいて4組設けられる。また、各回動駆動機構403は、第1軸線R1(X軸)と第2軸線(Y軸)との間の可動体10の対角方向(第1軸線R1及び第2軸線R2に45°で交差する対角上)に配置されている。
図2及び図5等に示すように、揺動用磁石41及び回動用磁石43は可動体10のホルダ120に保持され、揺動用コイル42及び回動用コイル44は固定体20のケース210に保持されており、本実施形態では、ホルダ120とケース210との間に振れ補正用駆動機構40が構成されている。
前述したように、揺動用磁石41がホルダ120の周方向に90°ずつ間隔をおいて形成された4つの各内側板部121,122の外周面にそれぞれ固定され、揺動用コイル42がケース210の周方向に90°ずつ間隔をおいて形成された4つの外側板部211,212の内周面にそれぞれ固定されている。内側板部121及び外側板部211はX軸方向の一方側+X、他方側−Xにそれぞれ形成されており、内側板部122及び外側板部212はY軸方向の一方側+Y、他方側−Yにそれぞれ形成されている。このため、ホルダ120とケース210との間では、X軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側−X、Y軸方向の+Y、及びY軸方向の他方側−Yのいずれにおいても、揺動用磁石41と揺動用コイル42とが対向している。
また、回動用磁石43がホルダ120の対角方向に形成された4つの内連結板部123の内周面にそれぞれ固定され、回動用コイル44がケース210の対角方向に形成された4つの外連結板部213の内周面にそれぞれ固定されている。内連結板部123及び外連結板部213は、X軸方向の一方側+XとY軸方向の一方側+Yとの間、X軸方向の一方側+XとY軸方向の他方側−Yとの間、X軸方向の他方側−XとY軸方向の一方側+Yとの間、X軸方向の他方側−XとY軸方向の他方側−Yとの間に、90°ずつ間隔をおいて形成されている。このため、ホルダ120とケース210との間では、X軸方向の一方側+XとY軸方向の一方側+Yとの間、X軸方向の一方側+XとY軸方向の他方側−Yとの間、X軸方向の他方側−XとY軸方向の一方側+Yとの間、X軸方向の他方側−XとY軸方向の他方側−Yとの間のいずれにおいても、回動用磁石43と回動用コイル44とが対向している。なお、前述したように、回動用磁石43及び回動用コイル44は、揺動用磁石41及び揺動用コイル42に対して、光軸L周りに45°ずれた位置に配置されている。
揺動用磁石41及び回動用磁石43は、外周面側及び内周面側が異なる極に着磁されている。このうち、揺動用磁石41は、揺動用コイル42との対向面に、光軸L方向(Z軸方向)に異なる磁極411,412が着磁されるとともに、これらの磁極411,412の間に着磁分極線413が形成されている。なお、4つの揺動用磁石41は、外周面側及び内周面側の着磁パターンが同一とされる。そして、両磁極411,412を分離する着磁分極線413は、光軸Lと直交するX軸(第1軸線R1)又はY軸(第2軸線R2)と平行に配置されており、各揺動用磁石41の着磁分極線413は光軸L方向において同じ高さ位置に設けられている。なお、X軸方向の一方側+X及びX軸方向の他方側−Xにそれぞれ配置される2つの揺動用磁石41は、着磁分極線413がY軸と平行に配置される。また、Y軸方向の一方側+Y及びY軸方向の他方側−Yに配置される2つの揺動用磁石41は、着磁分極線413がX軸と平行に配置される。
一方、回動用磁石43は、回動用コイル44との対向面に、光軸Lの周方向に異なる磁極431,432が着磁されるとともに、これらの磁極431,432の間に着磁分極線433が形成されている。なお、4つの回動用磁石43は、外周面側及び内周面側の着磁パターンが同一とされる。そして、両磁極431,432を分離する着磁分極線433は、光軸Lと平行に配置されている。
揺動用コイル42及び回動用コイル44は、図4等に示すように、磁心(コア)を有しない空芯コイルである。このうち、揺動用コイル42は、前述したように、ケース210のX軸方向の一方側+X及び他方側−Xの外側板部211の内周面、Y軸方向の一方側+Y及び他方側−Yの外側板部212の内周面に固定されている。これらの4つの揺動用コイル42は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成されている。ケース210のX軸方向の一方側+X及び他方側−Xの外側板部211に固定される2つの揺動用コイル42は、巻き線によってX軸方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。一方、ケース210のY軸方向の一方側+Y及び他方側−Yの外側板部212に固定される2つの揺動用コイル42は、巻き線によってY軸方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。したがって、いずれの揺動用コイル42も、光軸L方向に直交する方向(径方向)をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。
また、揺動用コイル42は、図4に示すように、光軸L方向に間隔をおいて形成された2箇所の直線辺部421と、その直線辺部421の両端間を連結する2箇所の連結部422と、を有する略矩形状に形成されており、内側に空芯部423を有する。前述したように、揺動用磁石41は、揺動用コイル42との対向面に、2箇所の直線辺部421のそれぞれに対向する異なる磁極411,412が着磁されており、揺動用コイル42の2箇所の直線辺部421が、揺動用磁石41の磁極411,412に対峙する有効辺として利用される。図2等に示すように、第1揺動駆動機構401を構成する揺動用コイル42については、直線辺部421をX軸(第1軸線R1)と平行に配置した姿勢で、内側板部122に取り付けられる。また、第2揺動駆動機構402を構成する揺動用コイル42については、直線辺部421をY軸(第2軸線R2)と平行に配置した姿勢で、内側板部121に取り付けられる。そして、振れを補正しない無補正の状態(可動体10の原点位置)においては、揺動用コイル42の直線辺部421が、対向する揺動用磁石41の着磁分極線413と平行で、かつ、着磁分極線413から上下に等しい距離に配置される。言い換えると、揺動用磁石41の着磁分極線413と揺動用コイル42のコイル中心とのZ軸方向の高さ位置が一致して配置される。
一方、回動用コイル44は、前述したように、ケース210の対角方向に形成された4つの外連結板部213の内周面にそれぞれ固定されている。これらの4つの回動用コイル44は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成されている。各回動用コイル44は、巻き線によって対角方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。このように、いずれの回動用コイル44も、光軸L方向に直交する方向(径方向)をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。
また、回動用コイル44は、図4に示すように、周方向に間隔をおいて形成された2箇所の直線辺部441と、その直線辺部441の両端間を連結する2箇所の連結部442と、を有する略矩形状に形成されており、内側に空芯部443を有する。前述したように、回動用磁石43は、回動用コイル44との対向面に、2箇所の直線辺部441のそれぞれに対向する異なる磁極431,432が着磁されており、回動用コイル44の2箇所の直線辺部441が、回動用磁石43の磁極431,432に対峙する有効辺として利用される。図4に示すように、回動用コイル44は、直線辺部441をZ軸(光軸L)と平行に配置した姿勢で、内連結板部123に取り付けられる。そして、振れを補正しない無補正の状態(可動体10の原点位置)においては、回動用コイル44の直線辺部441が、対向する回動用磁石43の着磁分極線433と平行で、かつ、着磁分極線433から左右に等しい距離に配置される。言い換えると、回動用磁石43の着磁分極線433と回動用コイル44のコイル中心との位置が径方向において並んで配置され、着磁分極線433の中心位置と回動用コイル44のコイル中心とのZ軸方向の高さ位置が一致して配置される。
なお、着磁分極線433の中心位置と回動用コイル44のコイル中心とのZ軸方向の高さ位置とは必ずしも一致していなくてもよく、Z軸方向にずれていてもよい。
なお、着磁分極線433の中心位置と回動用コイル44のコイル中心とのZ軸方向の高さ位置とは必ずしも一致していなくてもよく、Z軸方向にずれていてもよい。
また、図3に示すように、各揺動用コイル42及び各回動用コイル44は、可動体10の原点位置では、いずれもコイルの軸心方向の位置(Z軸方向の中心位置)が光軸L方向の同じ高さ位置に配置される。このように、可動体10の原点位置において、揺動用コイル42及び回動用コイル44は、いずれも光軸L方向に直交する方向(径方向)をコイルの軸心方向とする環状に形成されており、各コイル42,44のZ軸方向の中心位置が光軸L方向の同じ高さ位置に配置されている。したがって、本実施形態では、振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置47は、図3に示すように、光軸Lと各コイル42,44の軸心方向のZ軸方向の高さ位置とが交差する位置に設けられる。
また、各揺動用コイル42の内側の空芯部423には、磁性部材46がそれぞれ設けられている。各磁性部材46は、平面視が矩形状の板状に形成されており、図3に示すように、ケース210の外側板部211,212の内周面に固定されている。また、磁性部材46は、揺動用磁石41の着磁分極線413に対し、Z軸方向と直交する径方向において対向して設けられている。この場合、磁性部材46のZ軸方向の中心位置は、組をなす揺動用磁石41の着磁分極線413及び揺動用コイル42のコイル中心とZ軸方向の同じ高さ位置となるように配置される。
そして、磁性部材46は、揺動用磁石41との間に作用する磁力(吸引力)により、可動体10に対してZ軸方向の付勢力を印加して、可動体10に対する初期位置復帰用の磁気ばね機構を構成する。このため、振れ補正用駆動機構40が無通電時(無励磁時)において、磁性部材46と揺動用磁石41との間の吸引力により、可動体10を所定の原点位置(初期位置)に配置でき、可動体10が自重等で変位することを防止できる。これにより、可動体10を所望の姿勢に維持でき、さらに可動体10の耐衝撃性を向上させることが可能である。また、磁性部材46は、一種のバックヨークとして作用し、揺動用磁石41と揺動用コイル42との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。磁性部材46として磁石を用いてもよい。
なお、可動体10を原点位置への復帰を補助するために、複数本のワイヤ31からなる揺動支持機構30に加えて磁性部材46を利用した磁気ばね機構が用いられる。しかし、揺動支持機構30単体、又は揺動支持機構30及び磁気ばね機構の組み合わせによっても可動体10の原点復帰が十分に行えない場合には、振れ補正用駆動機構40の磁気力を併用して、可動体10の原点復帰を行うこともできる。
なお、光学ユニット101に、可動体10の原点位置を検出するセンサをケース210(固定体20)に配置してもよい。可動体10の原点位置を検出するセンサとして、ホールセンサ(ホール素子)を使用する場合、揺動用コイル42の空芯部423に配置された磁性部材46の位置をずらして配置してもよい。この際、複数設けられる各磁性部材46の位置は、それぞれ対向する揺動用磁石41に対して同じ方向にずらし、光軸Lの周方向において、均等に配置する。
(揺動支持機構30の構成)
図2及び図4等に示すように、揺動支持機構30は、複数本のワイヤ31からなる。ワイヤ31は、ばね性を有する金属材料等の線材により形成されている。ワイヤ31には、横断面が円形の丸線、横断面が四角形の角線、その他の横断面を有する線材を用いることができる。なお、本実施形態では、振れ補正用駆動機構40に磁気駆動機構が用いられていることから、ワイヤ31には非磁性材料を用いる。
図2及び図4等に示すように、揺動支持機構30は、複数本のワイヤ31からなる。ワイヤ31は、ばね性を有する金属材料等の線材により形成されている。ワイヤ31には、横断面が円形の丸線、横断面が四角形の角線、その他の横断面を有する線材を用いることができる。なお、本実施形態では、振れ補正用駆動機構40に磁気駆動機構が用いられていることから、ワイヤ31には非磁性材料を用いる。
本実施形態では、図4等に示すように、揺動支持機構30が4本のワイヤ31で構成されている。各ワイヤ31は、横断面が円形の丸線により同じ形状に形成され、付勢力(ばね定数)が等しく設けられている。図7に示すように、各ワイヤ31は、直線状の中間部311と、中間部311の一端からその中間部311の軸方向に直交する方向に屈曲する第1直角部312と、第1直角部312を介して中間部311の一端に連結され、中間部311の軸方向に直交する方向に延びる第1アーム部313と、中間部311の他端から第1アーム部313の逆方向に屈曲した第2直角部314と、第2直角部314を介して中間部311の他端に連結され、第1アーム部313の軸方向と平行に延びる第2アーム部315と、を有するクランク状に形成される。そして、各ワイヤ31は、図2に示すように、第1アーム部313の先端が可動体10のホルダ120に固定されるとともに、第2アーム部315の先端が固定体20のケース210に固定されることにより、固定体20と可動体10との間を接続し、固定体20に対して可動体10を支持する。
各ワイヤ31は、線材の軸方向(圧縮及び引張り方向)よりも、その軸方向に直交する方向(線材の周方向及びせん断方向)の方がばね定数が低い。このため、各ワイヤ31は、線材の周方向に捩れたり、せん断方向に曲がったりする弾性変形が容易である。また、ワイヤ31はクランク状に形成されているので、中間部311の変形と、第1アーム部313及び第2アーム部315の変形と、の組み合わせにより、可動体10を固定体20に対して、第1軸線R1及び第2軸線R2の2軸方向(ピッチング方向、ヨーイング方向)に揺動可能に支持できるとともに、光軸L周りのローリング方向にも回動可能に支持できる。
なお、図7にハッチングで示した第1アーム部313の先端部分313aは、可動体10のホルダ120に固定される部分であり、第1アーム部313の有効長は先端部分311aを除いた長さL21になる。また、同様に、図7にハッチングで示した第2アーム部315の先端部分315aは、固定体20のケース210に固定される部分であり、第2アーム部315の有効長は先端部分315aを除いた長さL22になる。図7に示すように、中間部311の軸方向の長さL11は、第1アーム部313の長さL21及び第2アーム部315の長さL22よりも長く形成されている。また、本実施形態の場合、第1アーム部313の長さL21は、第2アーム部315の長さL22よりも短く設けられている。
図2に示すように、各ワイヤ31は、中間部311の軸方向が、光軸Lに対して直交する径方向と平行に配置されており、光軸L方向から見て、各ワイヤ31が光軸Lを中心とする回転対称に配置されている。また、各ワイヤ31は、ホルダ120の各内側板部121,122の外周面(可動体10の一辺)と、これらの内側板部121,122に対向(対面)するケース210の外側板部211,212の内周面(固定体20の一辺)との間にそれぞれ配置されており、光軸L周りに90°ずつ間隔をおいた回転対称に設けられている。また、図2に示すように、ワイヤ31の中間部311は、揺動用コイル42の直線辺部421と平行に配置され、揺動用磁石41と揺動用コイル42との間に配置されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、回転対称に配置された各ワイヤ31のうち、光軸Lを中心とする点対称(光軸L周りに180°間隔)に設けられた2本のワイヤ31がワイヤユニット301を構成しており、揺動支持機構30は、2組のワイヤユニット301の組み合わせにより構成されている。具体的には、X軸方向の一方側+X及び他方側−Xに設けられた2本のワイヤ31が1組のワイヤユニット301を構成しており、Y軸方向の一方側+Y及び他方側−Yに設けられた2本のワイヤ31が1組のワイヤユニット301を構成している。2組のワイヤユニット301は、光軸Lを中心とする回転対称に設けられており、これらの2組のワイヤユニット301が光軸L周りに90°間隔をおいて配置されている。
このように、各ワイヤ31の中間部311を、光軸Lに対して直交する方向と平行に配置することで、揺動支持機構30の光軸L方向の高さを小さくできる。また、各ワイヤ31を、ホルダ120の各内側板部121,122とこれらの内側板部121,122に対向するケース210の外側板部211,212との間に配置したり、光軸Lを中心とする回転対称に配置することで、可動体10を固定体20に対してバランスよく支持できる。さらに、各ワイヤ31を光軸Lを中心とする回転対称に配置しているので、揺動支持機構30の揺動中心位置を光軸L近傍に配置し又は光軸Lと一致させて配置することができる。また、光学ユニット101では、ワイヤユニット301を構成する2本の対向するワイヤ31を、光軸Lを中心とする点対称に設けているので、図2に破線で示すように、ホルダ120(可動体10)に固定されるそれぞれの固定端どうしをつなぐ仮想線I1が光軸Lを通る。このワイヤユニット301を複数組、ここでは2組を組み合わせて揺動支持機構を30を構成しているので、揺動支持機構30の揺動中心位置を光軸L近傍に配置し又は光軸Lと一致させて配置することができる。
また、図3等に示すように、光軸L方向に対して直交する方向から見て、各ワイヤ31は、振れ補正用駆動機構40(第1揺動駆動機構401、第2揺動駆動機構402及び回動駆動機構403)と重なる位置に配置されている。特に本実施形態では、図3に示すように、ワイヤ31の中間部311と振れ補正用駆動機構40のZ軸方向の中心位置(駆動中心位置47)とが重なる位置に配置されており、ワイヤ31の中間部311と振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置47とが光軸L(Z軸)方向の同じ高さ位置に設けられている。より詳細には、図3に示すように、可動体10の原点位置において、ワイヤ31の中間部311と揺動用磁石41の着磁分極線413とが、光軸L方向において同じ高さ位置に設けられている。前述したように、各ワイヤ31は光軸L周りに回転対称に設けられているから、光学ユニット101では、可動体10の揺動中心位置と振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置47とが重なる位置に配置される。
このように、各ワイヤ31の中間部311を振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置47と光軸L方向の同じ高さ位置に設けることで、各ワイヤ31を振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置47に近づけて配置でき、ワイヤ31の可動範囲を小さくできる。このため、ワイヤ31の中間部311を振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置47から離れた位置に配置した場合と比べて、ワイヤ31と可動体10、ワイヤ31と固定体20とが干渉することを防止できる。
(作用効果)
以上のように構成した光学ユニット101において、ピッチング方向、ヨーイング方向及びローリング方向の振れが発生すると、この振れが光学ユニット101に備えられたジャイロスコープ(図示略)によって検出され、その検出結果に基づいて振れ補正用駆動機構40が制御される。すなわち、ジャイロスコープで検出した振れを打ち消すような駆動電流が揺動用コイル42及び回動用コイル44に供給され、可動体10が振れとは反対方向に揺動し、ピッチング、ヨーイング及びローリングの3方向の振れが補正される。
以上のように構成した光学ユニット101において、ピッチング方向、ヨーイング方向及びローリング方向の振れが発生すると、この振れが光学ユニット101に備えられたジャイロスコープ(図示略)によって検出され、その検出結果に基づいて振れ補正用駆動機構40が制御される。すなわち、ジャイロスコープで検出した振れを打ち消すような駆動電流が揺動用コイル42及び回動用コイル44に供給され、可動体10が振れとは反対方向に揺動し、ピッチング、ヨーイング及びローリングの3方向の振れが補正される。
この光学ユニット101においては、揺動支持機構30をクランク状に形成された各ワイヤ31により構成したので、中間部311の変形と、第1アーム部313及び第2アーム部315の変形と、の組み合わせにより、可動体10を固定体20に対して、第1軸線R1及び第2軸線R2の2軸方向に揺動可能に支持できるとともに、光軸L周りにも回動可能に支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。また、揺動支持機構30は、複数本のワイヤ31からなり、構成部品点数が少なく、光学ユニット101全体に占めるスペースを削減できる。したがって、光学ユニット101の小型化が可能であるとともに、安価な製品を提供できる。
また、前述したように、光学ユニット101は、揺動支持機構30を構成する各ワイヤ31を光軸Lを中心とする回転対称に配置したので、可動体10を固定体20に対してバランスよく支持でき、可動体10の揺動中心位置を光軸L近傍に配置し、又は光軸Lと一致させて配置することができる。したがって、振れ補正の制御を容易にできる。
また、光学モジュール110が磁気駆動機構からなるフォーカス駆動機構を有する場合には、本実施形態の光学ユニット101のように、可動体10に揺動用磁石41や回動用磁石43を設けることで、可動体10において揺動用磁石41及び回動用磁石43とフォーカス用磁石との関係を完結させることができる。また、可動体10に揺動用磁石41及び回動用磁石43を設けることで、光学ユニット101の組み立ての際に、可動体10が固定体20側からフォーカス用磁石の磁界の影響を受けることがないので、可動体10を組み付けやすく、光学ユニット101を容易に組み立てることができる。
なお、上記実施形態では、揺動支持機構30を構成する各ワイヤ31は、第1アーム部313の長さL21が第2アーム部315の長さL22よりも短く設けられていたが、第1アーム部313の長さL21は第2アーム部315の長さL22よりも長く形成してもよいし、第1アーム部313の長さL21と第2アーム部315の長さL22とを同じ長さに形成してもよい。第1アーム部313の長さL21と第2アーム部315の長さL22とを同じ長さにすることで、振れ補正における可動体10の支持量バランスを対称的にとることができ、振れ補正の制御を容易にできる。また、各ワイヤの形状に方向性が無くなり、組み間違いを回避できるとともに、光学ユニット101の組み立てが容易になる。
<第2実施形態>
図8及び図9は、本発明の第2実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット(以下、光学ユニットと省略する)102を示す図である。なお、第2実施形態の基本的な構成は、第1実施形態と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図8及び図9は、本発明の第2実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット(以下、光学ユニットと省略する)102を示す図である。なお、第2実施形態の基本的な構成は、第1実施形態と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図1及び図2等に示す第1実施形態では、ワイヤ31の中間部311の軸方向を、光軸Lに対して直交する径方向と平行に配置した揺動支持機構30により光学ユニット101を構成したが、図8及び図9に示す光学ユニット102のように、クランク状に形成されたワイヤ32の中間部321の軸方向を、光軸Lと平行に配置した揺動支持機構50を構成してもよい。
図8に示すように、揺動支持機構50は8本のワイヤ32で構成されている。また、各ワイヤ32は、横断面が円形の丸線により同じ形状に形成され、付勢力(ばね定数)が等しく設けられている。図9に示すように、各ワイヤ32は、直線状の中間部321と、中間部321の一端からその中間部321の軸方向に直交する方向に屈曲する第1直角部322と、第1直角部322を介して中間部321の一端に連結され、中間部321の軸方向に直交する方向に延びる第1アーム部323と、中間部321の他端から第1アーム部323の逆方向に屈曲した第2直角部324と、第2直角部324を介して中間部321の他端に連結され、第1アーム部323の軸方向と平行に延びる第2アーム部325と、を有するクランク状に形成される。そして、各ワイヤ32は、第1アーム部323の先端が可動体10のホルダ130に固定されるとともに、第2アーム部315の先端が固定体20のケース210に固定されることにより、固定体20と可動体10との間を接続し、固定体20に対して可動体10を支持する。
図9に示すように、中間部321の軸方向の長さは、第1アーム部323の軸方向の長さ及び第2アーム部325の軸方向の長さよりも長く形成され、第1アーム部323の軸方向の長さは、第2アーム部325の軸方向の長さよりも短く設けられている。なお、第1アーム部323の軸方向の長さは第2アーム部315の軸方向の長さよりも長く形成してもよいし、第1アーム部323の軸方向の長さと第2アーム部325の軸方向の長さとを同じ長さに形成してもよい。特に、第1アーム部323の軸方向の長さと第2アーム部325の軸方向の長さとを同じ長さに形成した場合は、振れ補正における可動体10の支持量バランスを対称的にとることができ、振れ補正の制御を容易にできる。また、各ワイヤの形状に方向性が無くなり、組み間違いを回避できるとともに、光学ユニット101の組み立てが容易になる。
各ワイヤ32は、中間部321の軸方向が光軸Lと平行に配置されており、図8及び図9に示すように、可動体10のホルダ130と固定体20のケース210との間の環状空間45に設けられている。そして、これらのワイヤ32を介して、ホルダ130(可動体10)とケース210(固定体20)との間が接続されている。
また、揺動支持機構50を構成する各ワイヤ32のうち、例えば図9に示すように、光軸Lに対して直交する方向から見て、光軸Lに平行な面E1内において、光軸Lに直交し、振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置を通る第1直線S1(図8)との交点P1を中心とする点対称(交点P1周りに180°間隔)に設けられた2本のワイヤ32が1組のワイヤユニット302を構成しており、揺動支持機構50は、4組のワイヤユニット302の組み合わせにより構成されている。具体的には、図8に示すように、Y軸方向の他方側−Yにおける光軸L及びX軸に平行な面E1上において、X軸方向の一方側+X及び他方側−Xに設けられた2本のワイヤ32が1組のワイヤユニット302を構成しており、このワイヤユニット302と同様の構成の1組のワイヤユニット302が、Y軸方向の一方側+Yにも設けられている。また、これらの2組のワイヤユニット302と同様の構成で、光軸L周りに90°間隔をおいてさらに2組のワイヤユニット302が設けられており、揺動支持機構50は、4組のワイヤユニット302により構成されている。
各ワイヤユニット302は、例えば図9に示すように、ホルダ120(可動体10)に固定される2本のワイヤ32のそれぞれの固定端どうしをつなぐ仮想線I2が交点P1を通る。また、各ワイヤユニットの交点P1は、光軸Lから等しい距離に配置されるので、光学ユニット102のように、ワイヤユニット302を複数組、組み合わせて揺動支持機構50を構成することで、揺動支持機構50の揺動中心位置を光軸Lの近傍に配置し、又は光軸Lと一致させて配置することができる。したがって、図8に示すように、揺動支持機構50を2本のワイヤ32からなる複数組のワイヤユニット302により構成することで、可動体10を固定体20に対してバランスよく配置できる。
なお、光学ユニット102では、図9に示すように、ワイヤ32の中間部321の軸方向を光軸Lと平行に配置しているので、第1直角部322及び第2直角部324が振れ補正用駆動機構40の駆動中心位置から離れた位置に配置されることになる。このため、可動体10の揺動時において、駆動中心位置から離れて配置される第1直角部322及び第2直角部324近傍が可動体10や固定体20に接近する。そこで、ワイヤ32が可動体10や固定体20と干渉することがないように、ワイヤ32と可動体10及び固定体20とを十分に離して配置することが望ましい。例えば、光学ユニット102では、図9に示すように、ホルダ130に切欠部124を形成することにより、光学ユニット102全体のサイズを大型化することなく、可動体10の揺動時にワイヤ32の第2直角部324と可動体10とが干渉することを防止している。
第2実施形態の光学ユニット102においても、揺動支持機構50をクランク状に形成された各ワイヤ32により構成したので、中間部321の変形と、第1アーム部323及び第2アーム部325の変形と、の組み合わせにより、可動体10を固定体20に対して、第1軸線R1及び第2軸線R2の2軸方向に揺動可能に支持できるとともに、光軸L周りにも揺動可能に支持でき、振れ補正の制御を容易にできる。また、揺動支持機構50は、複数本のワイヤ32からなるので、構成部品点数が少なく、光学ユニット102全体に占めるスペースを削減できる。したがって、光学ユニット102の小型化が可能であるとともに、安価な製品を提供できる。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、振れ補正用駆動機構40の揺動用磁石41及び回動用磁石43を可動体10(ホルダ120)に設け、揺動用コイル42及び回動用コイル44を固定体20(ケース210)に設けたが、逆に、磁石41,43を固定体20に設け、コイル42,44を可動体10に設けてもよい。
また、可動体10(ホルダ120,130)及び固定体20(ケース210)の形状は、四角形状(四角枠状)に限定されるものではなく、円形(円筒形)等の形状で形成してもよい。
例えば、振れ補正用駆動機構40の揺動用磁石41及び回動用磁石43を可動体10(ホルダ120)に設け、揺動用コイル42及び回動用コイル44を固定体20(ケース210)に設けたが、逆に、磁石41,43を固定体20に設け、コイル42,44を可動体10に設けてもよい。
また、可動体10(ホルダ120,130)及び固定体20(ケース210)の形状は、四角形状(四角枠状)に限定されるものではなく、円形(円筒形)等の形状で形成してもよい。
10…可動体、20…固定体、30…揺動支持機構、31,32…ワイヤ、40…振れ補正用駆動機構、41…揺動用磁石(磁石)、42…揺動用コイル(コイル)、43…回動用磁石(磁石)、44…回動用コイル(コイル)、45…環状空間、46…磁性部材、47…駆動中心位置、50…揺動支持機構、101,102…光学ユニット(振れ補正機能付き光学ユニット)、110…光学モジュール、120,130…ホルダ、121,122…内側板部、123…内連結板部、124…切欠部、210…ケース、211,212…外側板部、213…外連結板部、301,302…ワイヤユニット、311,321…中間部、312,322…第1直角部、313,323…第1アーム部、314,324…第2直角部、315,325…第2アーム部、401…第1揺動駆動機構、402…第2揺動駆動機構、403…回動駆動機構、411,412…磁極、413…着磁分極線、421…直線辺部、422…連結部、423…空芯部、431,432…磁極、433…着磁分極線、441…直線辺部、442…連結部、443…空芯部、L…光軸、R1…第1軸線(軸線)、R2…第2軸線(軸線)、I1,I2…仮想線、P1…交点、S1…第1直線、E1…面
Claims (12)
- 光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、
該光学モジュールを保持する可動体と、
前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、
前記揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、
前記可動体を前記固定体に対して揺動させる振れ補正用駆動機構と、を備え、
前記揺動支持機構は、複数本のワイヤからなり、
各ワイヤは、直線状の中間部と、前記中間部の一端から該中間部の軸方向に直交する方向に屈曲する第1直角部と、該第1直角部を介して前記中間部の一端に連結され、該中間部の軸方向に直交する方向に延びる第1アーム部と、前記中間部の他端から前記第1アーム部の逆方向に屈曲した第2直角部と、該第2直角部を介して前記中間部の他端に連結され、前記第1アーム部の軸方向と平行に延びる第2アーム部と、を有するクランク状に形成され、
前記第1アーム部の先端が前記可動体に固定されるとともに、前記第2アーム部の先端が前記固定体に固定されており、
前記中間部の軸方向が、光軸に対して直交する径方向と平行に配置されるか、又は、光軸と平行に配置されることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。 - 前記第1アーム部の長さと前記第2アーム部の長さとが同じ長さに形成されることを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 光軸方向から見て、
前記固定体が四辺を有する四角枠状に形成され、前記可動体が前記固定体の内側において前記固定体の各一辺に対向する一辺をそれぞれ有する四角形状に形成され、
前記ワイヤが、前記可動体の一辺と該可動体の一辺に対向する前記固定体の一辺との間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 複数本の前記ワイヤのそれぞれは、前記中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置されており、
光軸方向から見て、各ワイヤが光軸を中心とする回転対称に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 複数本の前記ワイヤのそれぞれは、前記中間部の軸方向が光軸に対して直交する径方向と平行に配置されており、
前記揺動支持機構は、光軸を中心とする点対称に設けられた2本のワイヤからなるワイヤユニットを複数組有し、
各ワイヤユニットが、光軸を中心とする回転対称に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 前記ワイヤの前記中間部と前記振れ補正用駆動機構の駆動中心位置とが光軸方向の同じ高さ位置にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体を光軸に直交する第1軸線を中心に揺動させる第1揺動駆動機構と、前記可動体を光軸及び前記第1軸線に直交する第2軸線を中心に揺動させる第2揺動駆動機構と、を備え、
前記第1揺動駆動機構及び第2揺動駆動機構は、揺動用磁石と、該揺動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイルと、を有する磁気駆動機構からなり、
前記揺動用コイルが、前記中間部と平行に、かつ、光軸方向に間隔をおいて形成された2箇所の直線辺部と、該直線辺部の両端間を連結する2箇所の連結部と、を有する略矩形状に形成されており、
前記揺動用磁石は、前記揺動用コイルとの対向面に、2箇所の前記直線辺部のそれぞれに対向する異なる磁極が着磁されるとともに、これらの磁極の間に着磁分極線が形成されており、
各ワイヤの前記中間部と前記着磁分極線とが光軸方向の同じ高さ位置にあることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 前記光学モジュールは、磁気駆動機構からなるフォーカス駆動機構を有しており、
前記揺動用磁石が前記可動体に固定され、前記揺動用コイルが前記固定体に固定されることを特徴とする請求項7に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 前記固定体に、前記揺動用磁石の前記着磁分極線に対し、前記可動体の光軸に直交する方向に対向する磁性部材が設けられることを特徴とする請求項8に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記振れ補正用駆動機構は、さらに前記可動体を光軸を中心に回動させる回動駆動機構を備え、
前記回動駆動機構は、回動用磁石と、該回動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な回動用コイルと、を有する磁気駆動機構からなり、
前記ワイヤの中間部が前記揺動用磁石と前記揺動用コイルとの間に配置され、
前記回動駆動機構が、前記第1軸線と前記第2軸線との間の前記可動体の対角方向に配置されることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 前記ワイヤの前記中間部の軸方向が光軸と平行に配置されており、
前記揺動支持機構は、
光軸に対して直交する方向から見て、
前記ワイヤが、光軸に平行な面内において、該光軸に直交し、前記振れ補正用駆動機構の駆動中心位置を通る第1直線との交点を中心とする点対称に設けられた2本のワイヤからなるワイヤユニットを複数組有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。 - 前記可動体は、前記光学モジュールを径方向の内側に保持し、前記ワイヤが固定されるホルダを有しており、
光軸方向から見て、前記ホルダ外形が正方形に形成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
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