JP5140573B2 - 振れ補正機能付き光学ユニット - Google Patents

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本発明は、カメラ付き携帯電話機などに搭載される振れ補正機能付き光学ユニットに関するものである。
携帯機器に搭載される撮影用光学装置は、レンズを備えた移動体、この移動体を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構、および撮像素子が支持体上に支持された撮影ユニットを備えている。かかる撮影用光学装置においては、ユーザーの手振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、各種の手振れ補正機構が搭載されており、このような手振れ補正機構としては、撮影ユニットに設けた手振れ補正用レンズを、振れを打ち消す方向にシフトさせる構造や、撮像素子の方を光軸に垂直な面内でシフトさせる構造等が実用化されている。
しかしながら、手振れ補正機構を撮影ユニット内に組み込んだ構造は、デジタルカメラ等の比較的大きな携帯機器に搭載される撮影用光学装置では採用可能であるが、カメラ付き携帯電話機などといった小型の携帯機器に搭載される撮影用光学装置では、撮影ユニットが小型であるため、手振れ補正機構を撮影ユニット内に組み込むことは不可能である。
そこで、撮影用光学装置において、撮影ユニットと、この撮影ユニットを支持する固定体との間に手振れ補正機構を構成することが提案されおり、かかる構成を採用する場合、撮影ユニットは、固定体上で光軸に対して交差する方向に変位可能な可動モジュールとして構成される(特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載の手振れ補正機構は、固定体に形成したピボット部に対して撮影ユニットを板バネによって弾性をもって付勢して、ピボット部を支点にして撮影ユニットを変位可能にした構造を有しており、ピボット部からずれた片側1箇所に設けた第1撮影ユニット駆動機構によって光軸に対して直交するX軸周りに撮影ユニットを揺動させるとともに、ピボット部からずれた別の片側1箇所に設けた第2撮影ユニット駆動機構によって光軸に対して直交するY軸周りに撮影ユニットを揺動させる。
特開2007−310084号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手振れ補正機構のように、ピボット部に対して片側1箇所に配置した第1撮影ユニット駆動機構、あるいはピボット部に対して片側1箇所に配置した第2撮影ユニット駆動機構では、かかる駆動機構とピボット部の位置関係がわずかにずれただけでも駆動能力が変動するため、安定した推力を得るのが難しいという問題点がある。
また、特許文献1に記載の手振れ補正機構のように、固定体側に撮影ユニット駆動用マグネットを設け、可動体側である撮影ユニットの方に撮影ユニット駆動用コイルを設けた構成では、撮影ユニット駆動用コイルに給電用配線を接続する必要がある分、撮影ユニットに対する配線数が増えるので、配線構造が複雑であるとともに、撮影ユニットの方では撮影ユニット駆動用コイルの巻回数を多くすることが困難である。また、撮影ユニット駆動用コイルおよび撮影ユニット駆動用マグネットのうち、質量の大きな撮影ユニット駆動用コイルの方を、可動体側である撮影ユニットの方に設けたため、撮影ユニットを揺動させるのに大きな力が必要であるとともに、その制御が難しいという問題点がある。
さらに、特許文献1に記載の手振れ補正機構のように、撮影ユニット駆動用マグネットと撮影ユニット駆動用コイルとを用いた磁気駆動機構を採用した場合、外部への磁気ノイズの放出によってスピーカなどの磁気デバイスに影響を及ぼす虞がある。また、外部から磁気的な影響を受けると、手振れ補正を正確に行なえないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、撮影ユニットのようなレンズを備える可動モジュールに対する振れ補正用の撮影ユニット駆動機構の構成を改良して手振れなどの振れを確実に補正することのできる振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
次に本発明の課題は、可動モジュールに対する振れ補正用の撮影ユニット駆動機構を構成するマグネットとコイルの配置を改良して、少ない消費電力で迅速に振れを補正することのできる振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
次に本発明の課題は、磁気駆動機構を採用した場合でも、外部への磁気的な影響や、外部から磁気的な影響を回避することのできる振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、少なくともレンズが支持体に支持された可動モジュールと、該可動モジュールを支持する固定体と、を有する振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、
前記可動モジュールは、前記固定体上で少なくとも前記レンズの光軸に対して交差する方向に変位可能に支持され、
前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記固定体上において前記可動モジュールを前記光軸に対して交差する方向に変位させる磁気駆動力を、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させる振れ補正用の可動モジュール駆動機構を有し、
前記可動モジュール駆動機構は各々、可動モジュール駆動用マグネットと可動モジュール駆動用コイルとを備え、
前記レンズは、前記光軸方向に移動可能に前記支持体上に支持された移動体に含まれ、
前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を前記光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持され、
前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構は各々、前記可動モジュール駆動用マグネットが前記可動モジュール側に保持され、前記可動モジュール駆動用コイルが前記固定体側に保持され、
前記可動モジュールは、前記移動体を外周側で囲むカバー部を備え、
前記レンズ駆動機構は、前記移動体の外周面に保持されたレンズ駆動用コイルと、前記カバー部の内周面に保持されたレンズ駆動用マグネットとを備え、
前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記カバー部の外周面に保持されていることを特徴とする。
本発明において、前記可動モジュール駆動用マグネットは前記可動モジュール側に保持され、前記可動モジュール駆動用コイルは前記固定体側に保持されている。このように構成すると、可動モジュールに対する配線数が少なくてよいので、配線構造を簡素化することができる。また、可動モジュール駆動用コイルの巻回数を多くすることができるので、大きな駆動力を発揮することができる。さらに、可動モジュール駆動用コイルおよび可動モジュール駆動用マグネットのうち、質量の小さな可動モジュール駆動用マグネットの方を、可動体側である可動モジュールの方に設けたため、可動モジュールの軽量化を図ることができる。それ故、小さな力で可動モジュールを変位させることができるので、振れ補正に要する消費電力を削減することができる。また、振れに対する応答性に優れているという利点もある。
本発明において、前記レンズは、前記光軸方向に移動可能に前記支持体上に支持された移動体に含まれ、前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を前記光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持され、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構は各々、前記可動モジュール駆動用マグネットが前記可動モジュール側に保持され、前記可動モジュール駆動用コイルが前記固定体側に保持され、前記可動モジュールは、前記移動体を外周側で囲むカバー部を備え、前記レンズ駆動機構は、前記移動体の外周面に保持されたレンズ駆動用コイルと、前記カバー部の内周面に保持されたレンズ駆動用マグネットとを備え、前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記カバー部の外周面に保持されている。このように構成すると、可動モジュールがレンズ駆動機構を備えている場合でも、振れ補正機能付き光学ユニットを搭載した携帯電話機などの振れを可動モジュールの変位によって補正することができるので、可動モジュールに振れ補正機構を内蔵させる必要がない。それ故、可動モジュールが小型ゆえに可動モジュール内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。また、カバー部を挟む両面にレンズ駆動用マグネットと可動モジュール駆動用マグネットとを配置するため、レンズ駆動機構と可動モジュール駆動機構との間の磁気的な干渉を防止することができる。
本発明において、互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、前記光軸に沿う方向をZ軸としたとき、前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記可動モジュール駆動機構として、X軸方向において前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸方向およびY軸方向の一方に変位させる磁気駆動力を発生させる第1可動モジュール駆動機構と、Y軸方向において前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸方向およびY軸方向のうちの他方に変位させる磁気駆動力を発生させる第2可動モジュール駆動機構と、が構成されていることが好ましい。このように構成すると、可動モジュールをX軸方向およびY軸方向に変位させることができるので、それらを合成すれば、XY面全体に対して可動モジュールを変位させることができる。それ故、カメラ付き携帯電話などで想定される全ての振れを確実に補正することができる。
本発明において、前記可動モジュールは、前記可動モジュールと前記固定体とに接続されたバネ部材によって前記固定体に支持されている構成を採用することができる。このように構成すると、簡素な構成で可動モジュールを固定体上で変位可能に支持された構造とすることができる。
この場合、前記バネ部材としては、前記固定体から前記光軸方向に沿って延在した複数本のワイヤサスペンションを用いることができる。このように構成すると、可動モジュールの位置を精度よく制御できるので、センサによってレンズ位置を監視する必要がない。
本発明において、前記可動モジュールは、前記光軸の周りを囲む3箇所以上の各々において前記光軸方向に延在する前記ワイヤサスペンションを介して前記固定体に支持されていることが好ましい。このように構成すると、可動モジュールを変位させた際、可動モジュールの姿勢が変わらず、レンズ光軸が傾かないという利点がある。
本発明において、前記バネ部材は、前記光軸方向において前記可動モジュール駆動機構を間に挟んだ両側に第1バネ部材および第2バネ部材として配置されており、前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動機構が発生させる磁気駆動力によって、前記光軸と交差する軸線周りに揺動する構成を採用することができる。このように構成すると、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる推力の中心と、可動モジュールの姿勢が変位することにより変形した第1バネ部材と第2バネ部材が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心とを第1バネ部材と第2バネ部材との間に配置できる。また、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる推力の中心と、可動モジュールの姿勢が変位することにより変形した第1バネ部材と第2バネ部材が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心とを一致させることもできる。この結果、可動モジュールが揺動したときに第1バネ部材および第2バネ部材に作用する力が小さくなるので、可動モジュール駆動機構は小さなトルクで可動モジュールを揺動させることができる。また、可動モジュールを揺動可能に支持している第1バネ部材および第2バネ部材のバネ力も小さくてよい。従って、可動モジュールを効率よく変位させることができる。
本発明では、前記光軸方向において、前記可動モジュールの重心は、前記第1バネ部材と前記第2バネ部材との間に位置していることが好ましい。このように構成すれば、振れ補正機能付き光学ユニットの姿勢が変化したときに、振れ補正機能付き光学ユニットに対して可動モジュールが傾いてしまうことを低減あるいは回避できる。この結果、振れ補正機能付き光学ユニットの姿勢により可動モジュールが傾いてしまう範囲を可動モジュールの可動範囲として確保しておく必要がなくなるので、振れ補正機能付き光学ユニットを小型化できる。また、振れ補正機能付き光学ユニットの姿勢により可動モジュール駆動機構が発生させる磁気駆動力を変化させる必要がなくなるので、可動モジュールを効率よく変位させることができる。また、可動モジュールの可動範囲が小さくなるので、例えば、可動モジュールの可動範囲を規制する規制部材を配置する場合には、可動モジュールと規制部材との間の隙間を狭くすることができる。この結果、振れ補正機能付き光学ユニットが衝撃を受けた際などに可動モジュールが規制部材に衝突しても発生する衝撃が小さくなるので、可動モジュールの変形を防止できる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットを衝撃に強い装置とすることができる。さらに、可動モジュールのZ軸方向の外側に、可動モジュールを支持する構造を必要としないので、振れ補正機能付き光学ユニットをZ軸方向に薄く構成することができる。
本発明において、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記振れ補正用の可動モジュール駆動機構は各々、前記光軸方向で離間する2箇所に配置され、前記バネ部材は、前記光軸方向で離間する2箇所に配置された前記可動モジュール駆動機構の間に配置されており、前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動機構が発生させる磁気駆動力によって、前記光軸と交差する軸線周りに揺動する構成を採用してもよい。このように構成すると、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる推力の中心と、可動モジュールの姿勢が変位することにより変形したバネ部材が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心とを、上記2箇所の間に配置できる。また、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる推力の中心と、可動モジュールの姿勢が変位することにより変形したバネ部材が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心とを一致させることもできる。従って、可動モジュールの揺動中心をバネ部材に近い位置に配置できる。この結果、可動モジュールが揺動したときにバネ部材に作用する力が小さくなるので、可動モジュール駆動機構は小さなトルクで可動モジュールを揺動させることができる。また、可動モジュールを揺動可能に支持しているバネ部材のバネ力も小さくてよい。従って、可動モジュールを効率よく変位させることができる。
本発明では、前記光軸方向において、前記可動モジュールの重心は、前記光軸方向で離間する2箇所の間に位置していることが好ましい。このように構成すれば、可動モジュールの重心は、バネ部材の近くに位置するので、振れ補正機能付き光学ユニットの姿勢が変化したときに、振れ補正機能付き光学ユニットに対して可動モジュールが傾いてしまうことを低減あるいは回避できる。この結果、振れ補正機能付き光学ユニットの姿勢により可動モジュールが傾いてしまう範囲を可動モジュールの可動範囲として確保しておく必要がなくなるので、振れ補正機能付き光学ユニットを小型化できる。また、振れ補正機能付き光学ユニットの姿勢により可動モジュール駆動機構が発生させる磁気駆動力を変化させる必要がなくなるので、可動モジュールを効率よく変位させることができる。また、可動モジュールの可動範囲が小さくなるので、例えば、可動モジュールの可動範囲を規制する規制部材を配置する場合には、可動モジュールと規制部材との間の隙間を狭くすることができる。この結果、振れ補正機能付き光学ユニットが衝撃を受けた際などに可動モジュールが規制部材に衝突しても発生する衝撃が小さくなるので、可動モジュールの変形を防止できる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットを衝撃に強い装置とすることができる。さらに、可動モジュールのZ軸方向の外側に、可動モジュールを支持する構造を必要としないので、振れ補正機能付き光学ユニットをZ軸方向に薄く構成することができる。
本発明において、前記バネ部材は、前記可動モジュールに連結される内周側連結部と、前記固定体に連結される外周側連結部と、前記内周側連結部から延在して前記外周側連結部に繋がる複数本のアーム部とを備えたジンバルバネであることが好ましい。このように構成すると、振れ補正機能付き光学ユニットに強い衝撃が加わって可動モジュールが広範囲に動いた場合でも、アーム部が可動モジュールの変位に追随して変形して、バネ部材が破損することがない。
本発明において、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構が備える前記可動モジュール駆動用コイルに対する通電方向を切り換えて、前記可動モジュールを前記光軸方向に変位させる駆動力を発生させる第1モードと、前記可動モジュールを前記光軸に対して交差する方向に変位させる駆動力を発生させる第2モードと、が実行されることが好ましい。このように構成すれば、可動モジュール駆動用コイルへの通電を制御することにより、第1モードでは、可動モジュールの姿勢を固定しておくことができ、第2モードでは、可動モジュールを揺動させることができる。
この場合には、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構が備える前記可動モジュール駆動用コイルは、それぞれ独立した方向に通電することが可能であり、前記第1モードでは、前記光軸を間に挟んだ一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力と、前記光軸を間に挟んだ他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力とが、前記光軸方向で同じ方向になるように、各可動モジュール駆動用コイルの通電方向を選択し、前記第2モードでは、前記光軸を間に挟んだ一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力と、前記光軸を間に挟んだ他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力とが、前記光軸方向で反対の方向になるように、各可動モジュール駆動用コイルの通電方向を選択することが好ましい。
また、この場合には、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構が備える前記可動モジュール駆動用コイルは、直列に接続されており、前記光軸を間に挟んだ一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記光軸を間に挟んだ他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルとの間の接続線には中間端子が設けられており、前記一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して前記中間端子に至る間と、前記他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して中間端子に至る間とは、互いに独立した方向に通電することが可能になっていることが好ましい。このように構成すると、各可動モジュール駆動用コイルに対する通電方向を容易に切り換えることができる。
さらに、前記一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して前記中間端子に至る間と、前記他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して中間端子に至る間とは、互いに異なる値の電流を通電することが可能になっていることが好ましい。
本発明において、前記可動モジュールを前記光軸方向で前記固定体に押し付けている付勢手段を有し、前記可動モジュール駆動機構は、前記可動モジュールを前記光軸に対して交差する方向に変位させる際、前記付勢手段の付勢力に抗して前記可動モジュールを前記固定体から離間させる駆動力を発生させることが好ましい。このように構成すれば、可動モジュール駆動機構が磁気駆動力を発生させていないときには、可動モジュールは固定体に固定されており、動いてしまうことがない。従って、振れ補正機能付き光学ユニットを持ち運んでいるときなどに、振れ補正機能付き光学ユニットに加わる振動により可動モジュールと固定体とがぶつかってガタガタする異音やノイズを発生させることがない。
本発明において、前記付勢手段は、前記バネ部材あるいは他のバネを用いた機械的バネ、および前記可動モジュール駆動用マグネットあるいは他のマグネットを用いた磁気バネのうちの少なくとも一方を備えている構成を採用することができる。
本発明において、前記可動モジュールは、前記支持体に撮像素子が保持された撮像ユニットとして構成することができる。
本発明において、前記可動モジュール駆動用コイルは、前記可動モジュールに向けて開口する筒状に巻回され、前記可動モジュール駆動用マグネットの一部は、前記可動モジュール駆動用コイルの内側に位置していることが好ましい。このように構成すると、可動モジュール駆動用マグネットによって可動モジュール駆動用コイルと鎖交する磁界を効率よく生成することができるので、可動モジュールに対する推力を向上することができる。
本発明において、前記固定体は、前記可動モジュール駆動用コイルより外側に固定体側ヨークを備え、当該固定体側ヨークは、前記可動モジュール駆動用マグネットと対向する部分に開口部を備えていることが好ましい。このように構成すると、可動モジュール駆動用マグネットによって可動モジュール駆動用コイルと鎖交する磁界を効率よく生成することができるので、可動モジュールに対する推力を向上することができる。
本発明において、前記固定体には、前記可動モジュールが前記光軸に対して交差する方向に変位した際に当該可動モジュール側と干渉する緩衝部材が取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、振れ補正機能付き光学ユニットに衝撃が加わって可動モジュールが光軸と交差する方向に変位した際、可動モジュール側が固定体側に当たる際の衝撃を吸収することができる。
本発明において、前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動用マグネットおよび前記可動モジュール駆動用コイルを前記光軸方向の両側で覆う可動モジュール側ヨークを備えていることが好ましい。このように構成すると、漏れ磁束を低減することができるので、可動モジュールに対する推力を向上することができる。
本発明において、前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構を外周側で覆う固定カバーを有し、当該固定カバーにおいて前記光軸と直交する方向から見たときに、少なくとも前記可動モジュール駆動用マグネットの外側で少なくとも当該可動モジュール駆動用マグネットの磁束領域内に位置する部分は、磁性体からなることが好ましい。このように構成すれば、可動モジュール駆動機構から固定カバーの外側への漏れ磁束を少なくできる。また、磁性材料が集磁ヨークとして働くので、可動モジュール駆動用コイルに鎖交する鎖交磁束が増えるので、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる際に大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。
本発明において、前記固定カバーは、非磁性材料からなる第1カバー部分と、前記磁性体からなる第2カバー部分と、を備えていることが好ましい。このように構成しても、可動モジュール駆動機構から固定カバーの外側への漏れ磁束を少なくできる。また、磁性材料が集磁ヨークとして働くので、可動モジュール駆動用コイルに鎖交する鎖交磁束が増えるので、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる際に大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。さらに、外部の磁束が振れ補正用磁気駆動機構に侵入して、可動モジュールの姿勢に影響を与えることを低減できる。さらに、可動モジュール駆動用コイルとの磁気吸引力が可動モジュールを変位させる際の負荷となるような箇所に磁性体が存在しない構成を容易に実現することができる。
本発明では、前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構の外周側を磁性体部分で覆う固定カバーを有し、前記駆動用マグネットにおいて、前記光軸周りに隣接している可動モジュール駆動用マグネット同士は、前記光軸周りに隣接する位置の磁極が相違していることが好ましい。このように構成すれば、光軸周りに隣接している可動モジュール駆動用マグネットの間で磁束が発生するので、固定カバーの側に流れる磁束が減少する。この結果、固定カバーと可動モジュール駆動用マグネットとの吸引力を小さくできるので、これらの間の吸引力が可動モジュールの変位に影響を与えることを低減できる。
本発明において、前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動用マグネットを保持している可動モジュール側ヨークを備え、前記可動モジュール側ヨークは、前記可動モジュール駆動用マグネットの外面に対向する位置まで延在したコイル側集磁ヨーク部分を備えていることが好ましい。このように構成すれば、可動モジュール駆動機構はコイル側集磁ヨーク部分を備えているヨークによって挟まれるので、可動モジュール駆動機構からの漏れ磁束を少なくできる。また、可動モジュール駆動用コイルに鎖交する鎖交磁束が増えるので、可動モジュール駆動機構が可動モジュールの姿勢を変位させる際に、大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。
本発明では、可動モジュールが固定体に対して変位可能に支持された構造とするとともに、可動モジュールと固定体との間に、可動モジュールを変位させる可動モジュール駆動機構を設けてあるため、振れ補正機能付き光学ユニットを搭載したカメラ付き携帯電話などで撮影を行なう際、振れが発生したときでも、かかる振れを可動モジュールの変位によって補正することができる。従って、可動モジュールに振れ補正機構を内蔵させる必要がないので、可動モジュールが小型ゆえに可動モジュール内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。また、本発明では光軸を間に挟む両側2箇所に配置した可動モジュール駆動機構によって可動モジュールを同一方向に変位させる磁気駆動力を発生させるため、光軸に対して片側のみに可動モジュール駆動機構を配置した場合と違って、駆動能力が安定している。すなわち、可動モジュール駆動機構の光軸からの距離が一方で駆動力が弱まる方にずれたとき、他方の可動モジュール駆動機構では駆動力が強まる方にずれることになる。それ故、本発明によれば、振れを精度よく補正することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、可動モジュールとして撮影ユニットの手振れを防止するための構成を例示する。従って、以下の説明では、撮影用光学装置が振れ補正機能付き光学ユニットに相当する。また、以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、光軸L(レンズ光軸)に沿う方向をZ軸とする。従って、以下の説明では、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。
[実施の形態1]
(撮影用光学装置の全体構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。
図1(a)、(b)および図2に示す撮影用光学装置(振れ補正機能付き光学ユニット)200は、カメラ付き携帯電話機に用いられる薄型カメラであって、全体として略直方体形状を有している。本形態において、撮影用光学装置200は、矩形板状のベース220と、このベース220の上方に被せられる箱状の固定カバー230とを備えており、ベース220と固定カバー230とによって固定体210が構成されている。固定カバー230の上板部分には、光透過用の矩形の窓230aが形成されている。
後述するように、本形態では、固定カバー230の内側には、撮影ユニット1(可動モジュール)と、この撮影ユニット1を変位させて振れ補正を行なうための振れ補正機構とが構成されている。
(撮影ユニットの構成)
図3(a)、(b)は各々、本発明を適用した撮影用光学装置200に用いた撮影ユニット1を斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図4は、図3に示す撮影ユニット1の動作を模式的に示す説明図である。なお、図4の左半分は、移動体3が無限遠の位置(通常撮影位置)にあるときの図を示しており、図4の右半分は、移動体3がマクロ位置(接写撮影位置)にあるときの図を示している。
図3(a)、(b)、および図4に示すように、撮影ユニット1は、例えば3枚のレンズ121を光軸Lの方向に沿って被写体(物体側)に近づくA方向(前側)、および被写体とは反対側(撮像素子側/像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるためのものであり、略直方体形状を有している。撮影ユニット1は、概ね、3枚のレンズ121および固定絞りを内側に保持した移動体3と、この移動体3を光軸方向に沿って移動させるレンズ駆動機構5と、レンズ駆動機構5および移動体3等が搭載された支持体2とを有している。移動体3は、レンズ121および固定絞りを保持する円筒状のレンズホルダ12と、後述するレンズ駆動用コイル30s、30tを外周側面で保持するコイルホルダ13とを備えている。
支持体2は、被写体側と反対側で撮像素子155を位置決めする矩形板状の撮像素子ホルダ19と、撮像素子ホルダ19に対して被写体側で被さる箱状のケース18と、ケース18の内側に配置される矩形板状のスペーサ11とを備えており、ケース18およびスペーサ11の中央には、被写体からの光をレンズ121に取り込むための円形の入射窓110、180が各々形成されている。また、撮像素子ホルダ19の中央には、入射光を撮像素子155に導く穴19aが形成されている。
さらに、撮影ユニット1において、支持体2は、撮像素子155が実装されたプレート151を備えており、プレート151は撮像素子ホルダ19の下面に固定されている。
本形態において、ケース18は、鋼板等の強磁性板からなり、ヨークとしても機能する。このため、ケース18は、後述するレンズ駆動用マグネット17とともに、コイルホルダ13に保持されたレンズ駆動用コイル30s、30tに鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体4を構成しており。かかる鎖交磁界発生体4は、コイルホルダ13の外周面に巻回されたレンズ駆動用コイル30s、30tとともにレンズ駆動機構5を構成している。
支持体2と移動体3とは、金属製のバネ部材14s、14tを介して接続されている。バネ部材14s、14tは基本的な構成が同様であり、支持体2側に保持される外周側連結部14aと、移動体3の側に保持される円環状の内周側連結部14bと、外周側連結部14aと内周側連結部14bとを接続するアーム状の板バネ部14cとを備えている。バネ部材14s、14tのうち、撮像素子側のバネ部材14sは、撮像素子ホルダ19に外周側連結部14aが保持され、内周側連結部14bが移動体3のコイルホルダ13の撮像素子側端面に連結されている。被写体側のバネ部材14tは、スペーサ11に外周側連結部14aが保持され、内周側連結部14bが移動体3のコイルホルダ13の被写体側端面に連結されている。このようにして、移動体3は、バネ部材14s、14t介して支持体2に光軸Lの方向に移動可能に支持されている。かかるバネ部材14s、14tはいずれも、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。なお、バネ部材14s、14tのうち、バネ部材14sは、バネ片14e、14fに2分割されており、レンズ駆動用コイル30s、30tの各端末は各々、バネ片14e、14fに接続される。また、バネ部材14sにおいて、バネ片14e、14fには各々、端子14dが形成されており、バネ部材14s(バネ片14e、14f)はレンズ駆動用コイル30s、30tに対する給電部材としても機能する。
本形態においては、コイルホルダ13の被写体側端面にリング状の磁性片61が保持されており、かかる磁性片61の位置は、レンズ駆動用マグネット17に対して被写体側よりの位置である。磁性片61は、レンズ駆動用マグネット17との間に作用する吸引力により移動体3に対して光軸Lの方向の付勢力を印加する。このため、移動体3が無通電時に自重で変位することを防止することができるので、移動体3に所望の姿勢を維持させ、さらに耐衝撃性を向上させることが可能である。また、磁性片61は、一種のヨークとして作用し、レンズ駆動用マグネット17とレンズ駆動用コイル30s、30tとの間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。なお、磁性片61としては、棒状あるいは球状の磁性体が用いられることもある。ここで、磁性片61をリング形状にすれば、レンズホルダ12が光軸方向に移動する際にレンズ駆動用マグネット17と引き合う磁気吸引力が等方的になるという効果がある。
また、磁性片61はレンズホルダ12の被写体側端面に配置されており、磁性片61は非通電時(原点位置)においてはレンズ駆動用マグネット17と吸引することによりレンズホルダ12を撮像素子側に静置できる。また、通電時にはレンズホルダ12の被写体側の端面に保持された磁性片61はレンズ駆動用マグネット17からよりよく離間した位置に移動することにより、撮像素子側にレンズホルダ12を押し付けるような余計な力は働かない。そのため、少ない電力でレンズホルダ12を光軸方向に移動させることができる。
本形態の撮影ユニット1において、光軸Lの方向からみたとき、レンズ121は円形であるが、支持体2に用いたケース18は矩形箱状である。従って、ケース18は、角筒状胴部184を備えており、角筒状胴部184の上面側には、入射窓180が形成された上板部185を備えている。本形態において、角筒状胴部184は四角筒状であり、光軸Lの方向からみたときに四角形の辺に相当する各位置に4つの側板部181を備えている。
4つの側板部181の各々の内面にはレンズ駆動用マグネット17が固着されており、かかるレンズ駆動用マグネット17は各々、矩形の平板状永久磁石からなる。4つのレンズ駆動用マグネット17はいずれも光軸Lの方向において2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。例えば、4つのレンズ駆動用マグネット17では、例えば、上半分では内面がN極に着磁され、外面がS極に着磁され、下半分では、内面がS極に着磁され、外面がN極に着磁されている。このため、4つのレンズ駆動用マグネット17では、隣接する永久磁石同士において、磁極の配置が同一であり、コイルに対する鎖交磁束線を効率よく発生させることができる。
移動体3は、レンズ121等を保持する円筒状のレンズホルダ12と、コイル(レンズ駆動用コイル30s、30t)が外周側面に巻回されたコイルホルダ13とを備えており、レンズホルダ12およびコイルホルダ13によって移動体3の側壁部分が構成されている。レンズホルダ12は、上半部が大径の大径円筒部12bになっており、下半部が大径円筒部12bより小径の小径円筒部12aになっている。コイルホルダ13は、レンズホルダ12を内側に保持するための円形のレンズホルダ収納穴130を備えている。
本形態では、コイルホルダ13を光軸Lの方向からみたとき、内周形状は円形であるが、コイルホルダ13の外周形状を規定する外周側面131は四角形であり、四角形の4つの辺に相当する各位置に4つの面132を備えている。かかるコイルホルダ13の外周側面131において、光軸Lの方向における両端部および中央位置には、その全周にわたってリブ状突起131a、131b、131cが形成されており、撮像素子側端部に形成されたリブ状突起131aと中央位置に形成されたリブ状突起131bとに挟まれた凹部は第1コイル巻回部132aになっており、被写体側端部に形成されたリブ状突起131cと中央位置に形成されたリブ状突起131bとに挟まれた凹部は第2コイル巻回部132bになっている。
コイルホルダ13において、4つの面132の各々には、第1コイル巻回部132a、および第2コイル巻回部132bの各々に対して、四角形の角部分を避けるように除去してなる矩形の貫通穴(貫通穴133a、133b)が形成されており、かかる貫通穴133a、133bは、コイルホルダ13の側面壁を内外方向で貫通している。このようにして、本形態では、コイルホルダ13の貫通穴133a、133bによって、移動体3の外周側面131で内側に凹む肉抜き部が構成されている。貫通穴133a、133bは、周方向においては、コイルホルダ13の外周側面131において隣接する角部分で挟まれた中央部分に、各面132の周方向の長さ寸法(四角形の辺の寸法)の約1/3の寸法で形成されている。このため、コイルホルダ13の角部分には、光軸Lの方向に向けて延びる肉厚の支柱部分134が同等の太さで形成されている。貫通穴133a、133bは、第1コイル巻回部132a、および第2コイル巻回部132bの幅方向(光軸Lの方向)の全体にわたって形成されているが、リブ状突起131a、131b、131cにかかるようには形成されていない。従って、貫通穴133a、133b(肉抜き部)は、コイルホルダ13(移動体3)の光軸Lの方向における途中部分のみに形成され、両端部を避けた位置に形成されている。
このように構成したコイルホルダ13において、第1コイル巻回部132aにはレンズ駆動用コイル30sが巻回されており、第2コイル巻回部132bにはレンズ駆動用コイル30tが巻回されている。ここで、第1コイル巻回部132aおよび第2コイル巻回部132bは、光軸Lの方向からみたとき四角形であるため、レンズ駆動用コイル30s、30tはいずれも四角筒状に巻回されている。なお、4つのレンズ駆動用マグネット17はいずれも光軸方向において2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されているため、2つのレンズ駆動用コイル30s、30tにおける巻回方向は反対である。
また、貫通穴133a、133bは、光軸Lの方向における長さ寸法は、第1コイル巻回部132a、および第2コイル巻回部132bの光軸Lの方向における長さ寸法と等しく、光軸Lの方向において、第1コイル巻回部132aおよび第2コイル巻回部132bの全体にわたって形成されているが、レンズ駆動用コイル30s、30tは、第1コイル巻回部132aおよび第2コイル巻回部132bの全体にわたって巻回され、貫通穴133a、133bの形成領域の全体を通っている。このため、貫通穴133a、133bは、外側で開口する部分がレンズ駆動用コイル30s、30tで塞がれている。また、コイルホルダ13のレンズホルダ収納穴130にはレンズホルダ12が装着されているため、貫通穴133a、133bのうち、光軸Lの方向の被写体側に位置する貫通穴133bは、内側で開口する部分がレンズホルダ12の上半部に形成された大径円筒部12bで塞がれている一方、光軸方向の撮像素子側に位置する貫通穴133aは、レンズホルダ12の下半部に形成された小径円筒部12aが対向している。
このように構成したコイルホルダ13は、ケース18の内側に配置される。その結果、レンズ駆動用コイル30s、30tの4つの辺部は各々、ケース18の角筒状胴部184の内面に固着されたレンズ駆動用マグネット17に対向することになる。
このように本形態では、コイルホルダ13に貫通穴133a、133b(肉抜き部)を設けることにより、移動体3の軽量化を図り、移動体3の推力を高めてある。また、貫通穴133a、133bは、コイルホルダ13の外周側面131の角部を避けた面132に形成されているため、コイルホルダ13の角部分には、光軸Lの方向に延びた肉厚部分が支柱部分134として形成される。このため、貫通穴133a、133bの形成によって、移動体3の軽量化を図った場合でも、移動体3は十分な強度を有することになる。また、コイルホルダ13の角部に貫通穴133a、133bに形成すると、レンズ駆動用コイル30s、30tを巻回した際、角部分でレンズ駆動用コイル30s、30tの形状が崩れ、レンズ駆動用コイル30s、30tを四角形に巻回できないが、本形態では、角部を避けた面132に貫通穴133a、133bが形成されているため、貫通穴133a、133bを通るようにレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回した場合でも、レンズ駆動用コイル30s、30tを四角形に巻回することができる。
また、貫通穴133a、133bは、多角形の辺の中央部分に形成されているため、多角形の複数の角部分の各々に、光軸Lの方向に延びた肉厚の支柱部分134を同等の太さで形成できるので、移動体の周方向における重量バランスや強度バランスを好適に確保することができる。しかも、貫通穴133a、133bは、コイルホルダ13の光軸Lの方向における両端部を避けた途中部分に形成されているため、コイルホルダ13の両端が強度低下することを防止することができる。それ故、コイルホルダ13の周りにレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回する際、線材に十分な荷重をかけることができるので、レンズ駆動用コイル30s、30tを密に整列した状態に巻回できる分、十分な推力を得ることができる。
(レンズ駆動機構の動作)
本形態の撮影ユニット1において、移動体3は、通常は撮像素子側(撮像素子側)に位置しており、このような状態において、レンズ駆動用コイル30s、30tに所定方向の電流を流すと、レンズ駆動用コイル30s、30tは、それぞれ上向き(前側)の電磁力を受けることになる。これにより、レンズ駆動用コイル30s、30tが固着された移動体3は、被写体側(前側)に移動し始めることになる。このとき、バネ部材14tと移動体3の前端との間、およびバネ部材14sと移動体3の後端との間には、移動体3の移動を規制する弾性力が発生する。このため、移動体3を前側に移動させようとする電磁力と、移動体3の移動を規制する弾性力とが釣り合ったとき、移動体3は停止する。その際、バネ部材14s、14tによって移動体3に働く弾性力に応じて、レンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流量を調整することで、移動体3を所望の位置に停止させることができる。
このように本形態では、弾性力(応力)と変位量(歪み量)との間に線形関係が成立するバネ部材14s、14tを用いていることから、移動体3の移動量とレンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流との間のリニアリティを向上させることができる。また、2つのバネ部材14s、14tを用いていることから、移動体3が停止したときに光軸Lの方向に大きな釣り合いの力が加わることになり、光軸Lの方向に遠心力や衝撃力等の他の力が働いたとしても、より安定に移動体3を停止させることができる。さらに、撮影ユニット1では、移動体3を停止させるのに、衝突材(緩衝材)等に衝突させて停止させるのではなく、電磁力と弾性力との釣り合いを利用して停止させることとしているので、衝突音の発生を防ぐことも可能である。
また、ケース18は、角筒状胴部184の上面に上板部185を備えた箱形状を有しているため、レンズ駆動用マグネット17とレンズ駆動用コイル30s、30tとの間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。従って、コイルホルダ13の移動量と、レンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流との間の推力を向上させることができる。また、撮影ユニット1を携帯電話に組み付けた場合、周囲の電子部品への漏れ磁束を低減できる。
また、撮影ユニット1では、レンズ121は円形であるが、かかるレンズ形状に関係なく、レンズ駆動用コイル30s、30tは四角形であり、レンズ駆動用マグネット17は、支持体2において内周面が四角形に形成されたケース18の角筒状胴部184の辺に相当する複数の内面の各々に固着された平板状永久磁石である。このため、移動体3と支持体2との間において、移動体3の外周側に十分なスペースがない場合でも、レンズ駆動用コイル30s、30tとレンズ駆動用マグネット17との対向面積が広いので、十分な推力を発揮することができる。また、移動体3を光軸Lの方向からみたときに、移動体3の外周側面(コイルホルダ13の外周側面131)は、レンズ駆動用コイル30s、30tと同じ四角形であるため、移動体3の外周面(コイルホルダ13の外周側面131)にレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回するだけで、レンズ駆動用コイル30s、30tを四角形に巻回することができる。しかも、移動体3をレンズホルダ12とコイルホルダ13とに分割したので、コイルホルダ13にレンズ駆動用コイル30s、30tを巻回した後、レンズホルダ12をレンズホルダ収納穴130に収納、装着した構成を採用することができ、レンズ駆動用コイル30s、30tを巻回する際、レンズ121を損傷する等の事態を回避することができる。
また、撮影ユニット1の移動体3には、レンズ駆動用マグネット17より光軸方向における被写体側位置にレンズ駆動用マグネット17との間に磁気吸引力を発生させる磁性片61が保持されているため、移動体3の光軸方向の位置を高い精度で制御できる。それ故、撮影ユニット1では、レンズ121の光軸方向の位置をセンサなどで監視してフィードバックする制御を行なう必要がない。なお、移動体3に磁性片61を設けた場合、あるいは移動体3に磁性片61を設けない場合のいずれにおいても、レンズ121の光軸方向の位置をセンサなどで監視してフィードバックする制御を行なってもよい。
なお、上記形態において、光軸Lの方向からみたとき、角筒状胴部184およびレンズ駆動用コイル30s、30tが四角形であったが、略四角形であってもよい。すなわち、角筒状胴部184およびレンズ駆動用コイル30s、30tについては、四角形の角が丸まっている形状であってもよく、さらには、四角形の角が直線的に削られて例えば八角形になっているが、角部分で削れた部分が短くて四角形と同様な形状になっている構成でもよい。また、上記形態では、角筒状胴部184およびレンズ駆動用コイル30s、30tが四角形であったが、角筒状胴部およびコイルの形状については、多角形であれば、四角形に限らず、六角形や八角形等であってもよく、また、レンズ駆動用マグネット17については、ヨークの角筒状胴部の全ての面に固定されている構成の他、周方向において1つおきに位置する面に固定されている構成を採用してもよい。さらに、上記形態では、コイルホルダ13の外周形状も多角形であったが、コイルホルダ13が円筒形であって、その外周側面に形成した突起等を利用して、多角形に巻回したレンズ駆動用コイル30s、30tをコイルホルダ13の外周側面に固定した構造を採用してもよい。
上記形態では、移動体3をレンズホルダ12とコイルホルダ13とに分割し、レンズホルダ12の胴部に対して、移動体3の側壁部分の一部を除去してなる凹部あるいは穴からなる肉抜き部を構成する貫通穴133a、133bを形成したが、レンズホルダ12の胴部に対して、その一部を除去してなる凹部あるいは穴を形成し、かかる凹部あるいは穴を肉抜き部として利用してもよい。
上記形態では、移動体3をレンズホルダ12とコイルホルダ13とに分割したが、一部品として移動体を構成してもよく、この場合でも、移動体3の外周側面あるいは内周側面に対して、その一部を除去してなる凹部あるいは穴を肉抜き部として形成すれば、移動体3の軽量化を図ることができる。この場合の肉抜き部の形成位置等についても、上記形態において、レンズホルダ12に貫通穴133a、133bを形成した際に角部を避ける等の構成を採用することが好ましい。
(撮影ユニットの支持構造)
再び図1(a)、(b)および図2において、本形態の撮影用光学装置200では、振れ補正機構を構成するにあたって、まず、ベース220の上面には、4つの角部分の各々に円筒状の突起226が形成されており、かかる4つの突起226によって、計4本のサスペンションワイヤ190(バネ部材)の下端部が保持されるようになっている。ここで、4本のサスペンションワイヤ190は、光軸Lの周りを囲む複数個所のうち、X軸とY軸とによって挟まれた各位置から光軸Lに平行に延在している。かかるサスペンションワイヤ190は、例えば、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属からなる。
また、撮影ユニット1において支持体2の外周面には、ヨーク16(撮影ユニット側ヨーク)の角筒状の胴部164が固定されている。ヨーク16において胴部164の被写体側端部には外周側に広がる矩形枠状のフランジ部166が形成されており、かかるフランジ部166の4つの角部分には、計4本のサスペンションワイヤ190の上端部が保持された穴169が形成されている。従って、撮影ユニット1は、4本のサスペンションワイヤ190によって、ベース220から浮いた状態で固定体210に支持され、光軸Lと交差する方向に変位可能である。
ヨーク16において胴部164の撮像素子155の側に位置する下端部は内側に小さく折れ曲がっており、かかる折れ曲がり部分167の下面には、ヨーク16の一部を構成する矩形枠状の磁性板168が固定されている。かかる磁性板168は、ヨーク16の胴部164よりも外側に大きく張り出している。
(振れ補正機構の構成)
本形態では、光軸Lに対して交差する方向に撮影ユニット1を変位させる磁気駆動力を発生させる振れ補正用の撮影ユニット駆動機構(可動モジュール駆動機構)として、撮影ユニット1と固定体210との間には、撮影ユニット1をX軸方向に変位させる第1撮影ユニット駆動機構(第1可動モジュール駆動機構)250xと、撮影ユニット1をY軸方向に変位させる第2撮影ユニット駆動機構(第2可動モジュール駆動機構)250yとが構成されており、かかる第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの構成を以下に説明する。
まず、本形態では、ケース18の角筒状胴部184とヨーク16の胴部164とによって移動体3を外周側で囲むカバー部150が形成されており、かかるカバー部150の4つの内周側面(ケース18の角筒状胴部184の内周側面)の各々にレンズ駆動用マグネット17が保持されている。また、カバー部150の4つの外周側面(ヨーク16の胴部164の外周側面)のうち、X軸方向で相対向する2つの外周側面の各々には、第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する矩形板状の撮影ユニット駆動用マグネット(可動モジュール駆動用マグネット)240xが保持され、Y軸方向で相対向する他の2つの外周側面の各々には、第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する矩形板状の撮影ユニット駆動用マグネット240yが保持されている。
撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yには同一構成のマグネットを用いることができ、本形態では、いずれも矩形の平板状永久磁石からなる。また、撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yのいずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。例えば、撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yのいずれにおいても、外面側がN極に着磁され、内面側がS極に着磁されている。
なお、撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yの着磁方向は上記のパターンだけでなく、本実施形態において、対向する一方のマグネットの内面側がN極同士(外面側がS極同士)、また他方のマグネットの内面側がS極同士(内面側がN極同士)であってもよい。
次に、撮影ユニット1の外周側では、4枚の板状のコイル保持部材260が撮影ユニット駆動用マグネット240xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yに対向するように配置されており、本形態において、4枚のコイル保持部材260は、下端側の突出部262がベース220の辺部に形成された切り欠き223に嵌った状態で固定カバー230の角筒状の胴部235の4つの内周側面に固定されている。コイル保持部材260としては、非磁性材料からなるものが用いられている。
4枚のコイル保持部材260のうち、X軸方向で相対向する2枚のコイル保持部材260の各々の内面には、撮影ユニット駆動用マグネット240xに開口を向けるように角筒状に巻回された撮影ユニット駆動用コイル(可動モジュール駆動用コイル)230xが保持されており、撮影ユニット駆動用コイル230xは、撮影ユニット駆動用マグネット240xに対して内外方向で対向している。また、撮影ユニット駆動用マグネット240xの外側端部は、撮影ユニット駆動用コイル230xの内側に入り込んだ状態にあり、撮影ユニット駆動用マグネット240xは、撮影ユニット駆動用コイル230xの各辺に対して、撮影ユニット駆動用コイル230xの内側から外側に鎖交する磁界を形成している。
このようにして本形態では、撮影ユニット駆動用コイル230xおよび撮影ユニット駆動用マグネット240xによって、X軸方向において光軸Lを間に挟んで対向する2箇所で対になって撮影ユニット1をX軸方向に変位させる第1撮影ユニット駆動機構250xが構成されている。ここで、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xは、通電されたときに撮影ユニット1をX軸方向の同一方向に磁気駆動力を発生するように配線接続されており、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xはプッシュ・プル構成を有している。例えば、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xの一方が、図2に矢印A1で示す推力を撮影ユニット1に印加するとき、他方は、図2に矢印A2で示す推力を撮影ユニット1に印加し、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは、撮影ユニット1をX軸方向の同一方向に磁気駆動力を同時に印加する。なお、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xにおいて、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xの接続方法によっては、2つの撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向を相違させて、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xをプッシュ・プル構成としてもよい。
また、Y軸方向で相対向する2枚のコイル保持部材260の各々の内面には、撮影ユニット駆動用マグネット240yに開口を向けるように角筒状に巻回された撮影ユニット駆動用コイル230yが保持されており、撮影ユニット駆動用コイル230yは、撮影ユニット駆動用マグネット240yに対して内外方向で対向している。また、撮影ユニット駆動用マグネット240yの外側端部は、撮影ユニット駆動用コイル230yの内側に入り込んだ状態にあり、撮影ユニット駆動用マグネット240yは、撮影ユニット駆動用コイル230yの各辺に対して、撮影ユニット駆動用コイル230yの内側から外側に鎖交する磁界を形成している。
このようにして本形態では、撮影ユニット駆動用コイル230yおよび撮影ユニット駆動用マグネット240yによって、Y軸方向において光軸Lを間に挟んで対向する2箇所で対になって撮影ユニット1をY軸方向に変位させる第2撮影ユニット駆動機構250yが構成されている。ここで、2つの撮影ユニット駆動用コイル230yは、通電されたときに撮影ユニット1をY軸方向の同一方向に磁気駆動力を発生するように配線接続されており、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yはプッシュ・プル構成を有している。このため、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yは、撮影ユニット1をY軸方向の同一方向に磁気駆動力を同時に印加する。なお、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yにおいて、2つの撮影ユニット駆動用コイル230yの接続方法によっては、2つの撮影ユニット駆動用マグネット240yの着磁方向を相違させて、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yをプッシュ・プル構成としてもよい。
さらに、本形態では、コイル保持部材260の内面には、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの内側に、ゴムなどの弾性体からなる平板状の緩衝部材268が固定されており、かかる緩衝部材268は、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとの間に所定の隙間を介して、内外方向で対向している。かかる緩衝部材268は、撮影用光学装置200に衝撃が加わって撮影ユニット1がZ軸方向と交差する方向に変位した際、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが当たって衝撃を吸収する機能を担っている。
このように構成した第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yにおいて、撮影ユニット1に設けたヨーク16(撮影ユニット側ヨーク)は、フランジ部166および磁性板168によって、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yおよび撮影ユニット駆動用コイル230x、230yを光軸L方向の両側で覆った状態にある。
(振れ補正動作)
このように構成した撮影用光学装置200を搭載したカメラ付き携帯電話機では、撮影の際の振れを検出するためのジャイロセンサなどの振れ検出センサ(図示せず)が搭載されており、かかる振れ検出センサでの検出結果に基づいて、カメラ付き携帯電話機に搭載された制御部は、撮影ユニット駆動用コイル230x、および撮影ユニット駆動用コイル230yの一方あるいは双方に通電を行い、撮影ユニット1をX軸方向およびY軸方向の一方および双方において変位させる。かかる変位を合成すれば、XY面全体に対して撮影ユニット1を変位させたことになる。それ故、カメラ付き携帯電話などで想定される全ての振れを確実に補正することができる。かかる振れ補正を行なう際、光軸Lの周りを囲む4本のサスペンションワイヤ190の撓みを利用しているので、撮影ユニット1は、光軸Lが傾くことなく、光軸Lが平行移動するように変位する。
ここで、振れ検出センサは、撮影用光学装置200自身に搭載された構成を採用することができる他、カメラ付き携帯電話機において撮影用光学装置200外部の機器本体に搭載された構成を採用することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の撮影用光学装置200では、複数本のサスペンションワイヤ190を介して撮影ユニット1が固定体210に対して変位可能に支持された構造とするとともに、撮影ユニット1と固定体との間に、撮影ユニット1を変位させる撮影ユニット駆動機構(第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250y)を設けてある。このため、撮影用光学装置200を搭載したカメラ付き携帯電話などで撮影を行なう際、手振れなどの振れが発生したときでも、かかる振れを撮影ユニット1の変位によって補正することができる。従って、撮影ユニット1に振れ補正機構を内蔵させる必要がないので、撮影ユニット1が小型ゆえに撮影ユニット1内に振れ補正機構を設けることができない場合でも、振れ補正を行なうことができる。
また、本形態では、X軸方向において光軸Lを間に挟む両側2箇所に2つが対になった第1撮影ユニット駆動機構250xを配置するとともに、Y軸方向において光軸Lを間に挟む両側2箇所に2つが対になった第2撮影ユニット駆動機構250yを配置してある。また、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは各々、撮影ユニット1を同一方向に変位させる磁気駆動力を発生させ、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yは各々、撮影ユニット1を同一方向に変位させる磁気駆動力を発生させる。このため、光軸Lに対して片側のみに第1撮影ユニット駆動機構250xを配置した構成や、光軸Lに対して片側のみに第2撮影ユニット駆動機構250yを配置した構成と違って、駆動能力が安定しているので、振れを精度よく補正することができる。
すなわち、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xのうち、一方の第1撮影ユニット駆動機構250xの光軸Lからの距離が、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第1撮影ユニット駆動機構250xの光軸Lからの距離が、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるので、第1撮影ユニット駆動機構250xは駆動能力が安定している。同様に、2つの第2撮影ユニット駆動機構250yのうち、一方の第2撮影ユニット駆動機構250yの光軸Lからの距離が、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第2撮影ユニット駆動機構250yの光軸Lからの距離が、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるので、第2撮影ユニット駆動機構250yは駆動能力が安定している。
また、第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240xと撮影ユニット駆動用コイル230xとの位置関係が2つの第1撮影ユニット駆動機構250xの一方で、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第1撮影ユニット駆動機構250xでは、一方の第2撮影ユニット駆動機構250xでの撮影ユニット駆動用マグネット240xと撮影ユニット駆動用コイル230xとの位置ずれを補正する方向、すなわち、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるため、第1撮影ユニット駆動機構250xは駆動能力が安定している。同様に、第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240yと撮影ユニット駆動用コイル230yとの位置関係が2つの第2撮影ユニット駆動機構250yの一方で、磁気駆動力が小さくなる方向にずれたときには、他方の第2撮影ユニット駆動機構250yでは、一方の撮影ユニット駆動機構250yでの撮影ユニット駆動用マグネット240yと撮影ユニット駆動用コイル230yとの位置ずれを補正する方向、すなわち、磁気駆動力が大きくなる方向にずれることになるため、第2撮影ユニット駆動機構250yは駆動能力が安定している。
本形態において、撮影ユニット1は、光軸Lが延在する方向に沿って固定体210のベース220から被写体側に向けて延在した4本のサスペンションワイヤ190によって固定体210に支持されているため、簡素な構成で撮影ユニット1を固定体210上で変位可能に支持された構造とすることができるとともに、撮影ユニット1の位置を精度よく制御できるので、センサによってレンズ位置を監視する必要がない。また、本形態では、光軸Lの周りを囲む3箇所以上、本形態では、4個所に配置されたサスペンションワイヤ190の撓みを利用しているので、撮影ユニット1が変位する際、撮影ユニット1の姿勢が変化しないので、光軸Lが傾くことなく、光軸Lが平行移動するように変位する。
本形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yのいずれにおいても、可動体側である撮影ユニット1側にマグネット(撮影ユニット駆動用マグネット240x、240y)が保持され、固定体210側にコイル(撮影ユニット駆動用コイル230x、230y)が保持されているので、可動体側である撮影ユニット1に対する配線数が少なくてよいので、配線構造を簡素化することができる。また、固定体210側であれば、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの巻回数を多くすることができるので、大きな駆動力を発揮することができる。さらに、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yおよび撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yのうち、質量の小さな撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yの方を、可動体側である撮影ユニット1の方に設けたため、撮影ユニット1の軽量化を図ることができる。それ故、小さな力で撮影ユニット1を変位させることができるので、振れ補正に要する消費電力を削減することができる。また、本形態によれば、振れに対する応答性に優れているという利点もある。
本形態において、撮影ユニット1に設けたヨーク16(撮影ユニット側ヨーク)は、フランジ部166および磁性板168によって、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yおよび撮影ユニット駆動用コイル230x、230yを光軸L方向の両側で覆った状態にあるため、漏れ磁束が少ない分、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yによって撮影ユニット1を変位させる際、大きな推力を得ることができる。それ故、本形態によれば、振れに対する応答性に優れているという利点がある。
本形態において、撮影ユニット1の支持体2、移動体3を外周側で囲むカバー部150を備え、このカバー部150の内周面にレンズ駆動用マグネット17が保持され、カバー部150の外周面に撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが保持されている構造になっているため、レンズ駆動機構5と撮影ユニット駆動機構(第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250y)との間の磁気的な干渉を防止することができる。
(実施の形態1の変形例)
図5(a)、(b)は各々、本発明を適用した別の撮影用光学装置に用いたコイル保持部材の構成を示す説明図、および本発明を適用した別の撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。
上記実施の形態では、コイル保持部材260として開口部が形成されていない板材からなるものを用いたが、本形態では、図5(a)、(b)に示すように、コイル保持部材260は、磁性材料によって固定体側ヨークとして形成され、かつ、コイル保持部材260において撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの内側に位置する部分には貫通穴からなる開口部265が形成されている。かかる開口部265は、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yに対して外側で対向している。このような構成を採用すると、コイル保持部材260がコイル230x、230yのバックヨーク(固定体側ヨーク)として機能する。従って、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yが発生させる磁界が撮影ユニット駆動用コイル230x、230yと交鎖する度合いを高めることができるので、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの駆動効率を高めることができる。
なお、図5(a)、(b)に示す例では、図1および図2に示す緩衝部材268が省略されている例を示したが、図5(a)、(b)に示す例でも、図1および図2に示す緩衝部材268を設けてもよい。
[実施の形態2]
(撮影用光学装置の全体構成)
図6(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観斜視図、および分解斜視図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る撮影用光学装置をX−Z平面で切断したときの縦断面図である。なお、実施の形態2に係る撮影用光学装置は、実施の形態1に係る撮影用光学装置200と共通する部分を備えているので、共通する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6(a)、(b)および図7に示す撮影用光学装置200Aは、全体として略直方体形状を有している。撮影用光学装置200Aは、矩形板状のベース220と、このベース220の上方に被せられる箱状の固定カバー230とを備えており、ベース220と固定カバー230とによって固定体210が構成されている。固定カバー230は光軸L方向からみたときに矩形であり、矩形の上板部234と、上板部234の外周縁から下方に延びる角筒状の胴部235とを備えている。上板部234には光透過用の円形の窓230aが形成されている。固定カバー230の内側には、撮影ユニット1と、この撮影ユニット1を変位させて振れ補正を行なうための振れ補正機構とが構成されている。
撮影ユニット1は、その外周側を被うヨーク16を備えている。ヨーク16は、Z軸方向からみたとき矩形であり、被写体側の矩形の天板部161と、天板部161の外周縁から後側に延びる4つの側板部162を備えている。ヨーク16において、天板部161には、円形の開口部161aが形成されている。ヨーク16の後端部は開口しており、開口縁は外側に折れ曲がったフランジ部が形成されている。ヨーク16の後側には、その開口を覆うように金属製のセンサカバー186がフランジ部を利用して連結されている。
センサカバー186の上には、撮影ユニット1の傾きを検出する振れ検出センサ182が配置されている。センサカバー186とヨーク16との間にはX軸方向で開口する隙間が形成されており、そこからは、フレキシブルプリント基板183が引き出されている。フレキシブルプリント基板183は、X軸方向に延在する略矩形のシートを長手方向の3箇所でZ軸方向に折り重ねた形状になっている。
振れ補正機構は、固定体210上において撮影ユニット1をX軸周りおよびY軸周りに揺動させる磁気駆動力、および固定体210上において撮影ユニット1をZ軸方向に移動させる磁気駆動力を、光軸Lを間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させる。本形態では、振れ補正用の撮影ユニット駆動機構として、撮影ユニット1をX軸周りに揺動させるとともにZ軸方向に移動させる第1撮影ユニット駆動機構250xと、撮影ユニット1をY軸周りに揺動させるとともにZ軸方向に移動させる第2撮影ユニット駆動機構250yとが構成されている。第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yは、ヨーク16の外周側に構成されている。
(撮影ユニットの支持構造)
図8(a)は撮影ユニット1を支持している第1板バネの平面図であり、図8(b)はその斜視図である。本形態では、撮影ユニット1は、Z軸方向において撮影ユニット1駆動機構を間に挟んだ両側に配置されて、撮影ユニット1と固定体210とに接続された第1板バネ191(第1バネ部材)および第2板バネ192(第2バネ部材)によって支持されている。
第1、第2板バネ191、192は、同一形状をしており、平面矩形を有している。第1、第2板バネ191、192は、リン青銅、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった金属製のジンバルバネであり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成されている。
第1、第2板バネ191、192の中央部分には、撮影ユニット1の側に取り付けられる略矩形の内周側連結部191a、192aが形成されている。内周側連結部191a、192aの中央領域には、矩形の穴191b、192bが形成されている。第1板バネ191は、この矩形の穴191bの内側に開口部161aが位置するようにして、ヨーク16に接着剤などの方法で固定される。第2板バネ192は、この矩形の穴192b内にセンサカバー186の底板部で後方に突き出た円形部分187が挿入された状態で、センサカバー186に接着剤などの方法で固定される。
第1、第2板バネ191、192の外周側には、矩形枠状の外周側連結部191c、192cが形成されている。第1板バネ191は外周側連結部191cが矩形の枠体193の上面に固定されており、この枠体193を介して固定カバー230の内周面に取り付けられる。第2板バネ192は外周側連結部192cが矩形194の枠体の下面に固定されており、この枠体194を介して固定カバー230の内周面に取り付けられる。
内周側連結部191a、192aと外周側連結部191c、192cとの間には、内周側連結部191a、192aから延在して外周側連結部191c、192cに繋がる4本のアーム部191d、192dが形成されている。4本のアーム部191d、192dは、互いに同一の形状、および大きさをもって光軸L周りに等角度間隔に配置されている。また、各アーム部191d、192dは、内周側連結部191a、192aの角部分から、X軸方向およびY軸方向に延在して、光軸L周りに180度離れた角度位置にある外周側連結部191c、192cの角部に繋がっている。さらに、各アーム部191d、192dは、細幅に形成されているとともに、その厚さ寸法と幅寸法とが略同一に形成されている。これにより、第1、第2板バネ191、192は、X軸回り、Y軸回り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に変形可能になっており、撮影ユニットは、X軸周り、Y軸周り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に変位可能に支持されている。
ここで、撮影ユニット1の重心Gは第1板バネ191と第2板バネ192との間に位置している。また、第1板バネ191と第2板バネ192は、それぞれ撮影ユニット1をベース220に向けて付勢する付勢力を発揮するような状態で取り付けられており、振れ補正機構が動作していない状態では、撮影ユニット1をベース220に押し付けている。
(振れ補正機構の構成)
第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240xは、撮影ユニット1において、Y軸方向で相対向するヨーク16の2つの側板部162の外面に保持されている。第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240yは、X軸方向で相対向する他の2つの側板部162の外面に保持されている。
撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yは、Z軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石によって構成されており、これらの平板状永久磁石では、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。また、Z軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石では、着磁方向が逆になっている。そして、光軸Lを間に挟んで対向している一対の撮影ユニット駆動用マグネット240xは、光軸L側からみたとき、着磁方向がZ軸方向で同一になるように配置されている。同様に、光軸Lを間に挟んで対向している一対の撮影ユニット駆動用マグネット240yは、光軸L側からみたとき、着磁方向がZ軸方向で同一になるように配置されている。
固定体210において、Y軸方向で相対向する固定カバー230の胴部235の内周面部分には、第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する撮影ユニット駆動用コイル230xが保持され、X軸方向で相対向する固定カバー230の胴部235の内周面部分には、第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する撮影ユニット駆動用コイル230yが保持されている。撮影ユニット駆動用コイル230x、230yは、それぞれ撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yに対向しており、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yにおいてZ軸方向に位置する2つの有効辺部はそれぞれ、撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yにおいてZ軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石のそれぞれと対向している。
また、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xは、光軸Lからみたとき、同一方向に巻き回されているとともに、直列に接続されている。そして、光軸Lの一方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230xと他方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230xを接続している接続線には、中間端子253が設けられている(図9参照)。同様に、各撮影ユニット駆動用コイル230yは、光軸Lからみたとき、同一方向に巻き回されているとともに、直列に接続されている。そして、光軸Lの一方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230yと他方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230yを接続している接続線にも中間端子253が設けられている。
ここで、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2振れ補正用磁気駆動機構250yは、それぞれ、振れ検出センサ182での検出結果に基づいて、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yへの通電を制御する通電制御手段(不図示)を備えている。
(振れ補正動作)
図9は通電制御手段が一対の撮影ユニット駆動用コイル230xに通電する動作(第1モードおよび第2モード)を模式的に示した説明図であり、図9(a)は、第1モードにおいて、撮影ユニット1をZ軸方向に変位させる推力を撮影ユニット1に印加する際の電流の流れを模式的に示し、図9(b)は、第2モードで撮影ユニット1を光軸Lに交差する方向に揺動させるモーメントを撮影ユニット1に印加する際の電流の流れを模式的に示してある。なお、図9では、一対の撮影ユニット駆動用コイル230xだけを取り出して、光軸Lの一方の側において撮影ユニット1から離間した位置からみた様子を示してある。このため、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xは、光軸Lからみたとき、同一方向に巻き回されているが、図9では、反対方向に巻回されているように表されている。
まず、図9(a)に示すように、第1モードにおいて、通電制御手段は、光軸Lの一方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230xから中間端子253に向かう電流を流すとともに、中間端子253から光軸Lの他方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230xを経由する電流を流す。すると、可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に電磁気力が発生するので、矢印F1で示すように、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは、撮影ユニット1に対して光軸L方向に変位する推力を印加する。撮影ユニット駆動用コイル230yでも同様である。従って、第1、第2板バネ191、192の付勢力によってベース220に向けて押し付けられていた撮影ユニット1は、Z軸方向に移動して、揺動可能な状態になる。
次に、振れ検出センサ182の検出結果に基づいて、撮影ユニット1を光軸Lに交差する方向に揺動させる第2モードでは、図9(b)に示すように、光軸Lの一方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230yを経由して中間端子253に向かう電流を流すとともに、光軸Lの他方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル230xを経由して中間端子253に向かう電流を流す。すると、可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に電磁気力が発生するので、矢印F2で示すように、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは、撮影ユニット1に対して光軸Lに対して交差する方向に揺動するモーメントを印加する。撮影ユニット駆動用コイル230yでも同様である。従って、X軸周りおよびY軸周りの揺動を合成すれば、XY面全体に対して撮影ユニット1を揺動させることができる。従って、カメラ付き携帯電話などで想定される全ての振れを確実に補正できる。
ここで、本形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xと第2撮影ユニット駆動機構250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる推力の中心と、撮影ユニット1の姿勢が変位することにより変形した第1バネ部材と第2板バネ192が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心と、撮影ユニット1の重心Gと、撮影ユニット1の揺動中心とが一致するように構成されている。
なお、撮影ユニット駆動用コイル230xの巻き回し方向、および、撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向が上記の構成と異なる場合でも、光軸Lを間に挟んだ一方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力と、光軸Lを間に挟んだ他方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力とが、光軸L方向で同じ方向になるように、撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向と各可動モジュール駆動用コイル230xの通電方向を選択すれば、第1モードを実行することができる。同様に、光軸を間に挟んだ一方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力と、光軸Lを間に挟んだ他方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力とが、光軸L方向で反対の方向になるように、撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向と各可動モジュール駆動用コイル230xの通電方向を選択すれば、第2モードを実行することができる。
(本形態による主な効果)
本形態によれば、撮影ユニット1は、Z軸方向において第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yを間に挟んだ両側に配置されている第1板バネ191および第2板バネ192によって、X軸周り、Y軸周り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に変位可能に支持されている。従って、第1撮影ユニット駆動機構250xと第2撮影ユニット駆動機構250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる推力の中心と、撮影ユニット1の姿勢が変位することにより変形した第1板バネ191と第2板バネ192が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心とを、第1、第2板バネ191、192の間に配置できる。また、これらの位置を第1、第2板バネ191、192の間で一致させることができる。従って、撮影ユニット1の揺動中心を第1、第2板バネ191、192の間に配置できる。この結果、撮影ユニット1が揺動したときに第1、第2板バネ191、192に作用する力が小さくなるので、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yは小さなトルクで撮影ユニット1を揺動させることができる。また、撮影ユニット1を揺動可能に支持している第1、第2板バネ191、192のバネ力も小さくてよい。従って、撮影ユニット1を効率よく変位させることができる。
また、本形態によれば、撮影ユニット1の重心Gは、第1板バネ191と第2板バネ192の間に位置しているので、撮影用光学装置200Aの姿勢が変化したときに、撮影用光学装置200Aに対して撮影ユニット1が傾いてしまうことを低減あるいは回避できる。この結果、撮影用光学装置200Aの姿勢により撮影ユニット1が傾いてしまう範囲を撮影ユニット1の可動範囲として確保しておく必要がなくなるので、撮影用光学装置200Aを小型化できる。また、撮影用光学装置200Aの姿勢により第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが発生させる磁気駆動力を変化させる必要がなくなるので、撮影ユニット1を効率よく変位させることができる。また、撮影ユニット1の可動範囲が小さくなるので、例えば、撮影ユニット1の可動範囲を規制する規制部材を配置する場合には、撮影ユニット1と規制部材との間の隙間を狭くすることができる。この結果、撮影用光学装置200Aが衝撃を受けた際などに撮影ユニット1が規制部材に衝突しても発生する衝撃が小さくなるので、撮影ユニット1の変形を防止できる。従って、撮影用光学装置200Aを衝撃に強い装置とすることができる。さらに、撮影ユニット1のZ軸方向の外側に、撮影ユニット1を支持する構造を必要としないので、撮影用光学装置200AをZ軸方向に薄く構成することができる。
また、第1、第2板バネ191、192は、X軸回り、Y軸回り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に変形可能になっており、撮影ユニット1のX軸周り、Y軸周り、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の変位に追随して変形する。従って、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yによる推力の中心と、第1板バネ191と第2板バネ192による復元トルクの中心と、撮影ユニット1の中心とが第1板バネ191と第2板バネ192の間にある場合には、撮影用光学装置200Aに強い衝撃が加わると撮影ユニット1が広範囲に動いてしまう可能性があるが、アーム部191d、192dが撮影ユニット1の変位に追随して変形するので、第1、第2板バネ191、192が破損することがない。
また、本形態によれば、第1、第2通電制御手段によって第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yの各撮影ユニット駆動用コイル230x、230yへの通電を制御することにより、撮影ユニット1をX軸周りおよびY軸周りに揺動可能させることが可能であり、かつ、撮影ユニット1をZ軸方向に移動させることが可能である。さらに、撮影ユニット1は、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが動作していないときには、第1、第2板バネ191、192によってベース220に押し付けられており、振れ補正機構が動作すると、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yは、第1、第2板バネ191、192の付勢力に抗して撮影ユニット1をベース220から離間させる磁気駆動力を発生させる。この結果、撮影用光学装置200Aを持ち運んでいるときなど第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが動作していない間は撮影ユニット1がベース220に固定されていて、動いてしまうことがない。従って、撮影用光学装置200Aを持ち運んでいるときなどに、撮影用光学装置200Aに加わる振動により撮影ユニット1と固定体210とがぶつかってガタガタする異音やノイズを発生させることがない。
(実施の形態2の変形例)
上記の実施の形態では、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが動作していないときに撮影ユニット1をベース220に押し付ける付勢力を第1、第2板バネ191、192に発揮させているが、この付勢力を第1、第2板バネ191、192とは異なる板バネなどの機械的バネを用いて発揮させてもよい。また、固定体210の側に撮影ユニット駆動用マグネットとの間で磁気吸引力を発揮する磁性体を配置することによって磁気バネを構成して、この磁気バネに、撮影ユニット1をベース220に押し付ける付勢力を発揮させてもよい。
[実施の形態3]
(撮影用光学装置の全体構成)
図10(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した実施の形態3に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。図11は本発明を適用した実施の形態3に係る撮影用光学装置をX−Z平面で切断したときの縦断面図である。なお、実施の形態3に係る撮影用光学装置は、実施の形態1に係る撮影用光学装置撮影と共通する部分を備えているので、共通する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10(a)、(b)および図2に示す撮影用光学装置200Bは、全体として略直方体形状を有している。矩形板状のベース220と、このベース220の上方に被せられる箱状の固定カバー230とを備えており、ベース220と固定カバー230とによって固定体210が構成されている。固定カバー230は光軸L方向からみたときに矩形形状を有しており、矩形の上板部234と、角筒状の胴部235とを備えている。矩形の上板部234には光透過用の円形の窓230aが形成されている。固定カバー230の内側には、撮影ユニット1と、この撮影ユニット1を変位させて振れ補正を行なうための振れ補正機構とが構成されている。撮影ユニット1の後側には撮影ユニット1の傾きを検出する振れ検出センサ182が配置されており、振れ検出センサ182は、撮影ユニット1の後側から取り付けられた箱型のセンサカバー186によって被われている。
撮影ユニット1は、その外周側を被写体側の前側と後側とから被う前側ヨーク16aと後側ヨーク16bを備えている。前側ヨーク16aは、Z軸方向からみたとき矩形形状であり、矩形形状の天板部161と天板部161の外周縁からは後側に延びる側板部162を備えている。天板部161には、円形の開口部161aが形成されている。前側ヨーク16aの後端部は開口しており、その開口縁は外周側に折れ曲がっている。後側ヨーク16bは、センサカバー186を被う底板部163と、底板部163の外周縁からは前側に延びる側板部165を備えている。後側ヨーク16bの前端部は開口しており、その開口縁は外周側に折れ曲がっている。前側ヨーク16aの後端部の折れ曲がり部分と後側ヨーク16bの前端部の折れ曲がり部分は当接し、連結されている。後側ヨーク16bにはX軸方向で開口する隙間165aが形成されており、そこからは、フレキシブルプリント基板183が引き出されている。フレキシブルプリント基板183は、X軸方向に延在する略矩形形状のシートを長手方向の3箇所でZ軸方向に折り重ねた形状になっている。
振れ補正機構は、固定体210上において撮影ユニット1をX軸周りおよびY軸周りに揺動させる磁気駆動力、並びに、固定体210上において撮影ユニット1をZ軸方向に移動させる磁気駆動力を光軸Lを間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させる。
本形態では、振れ補正用の撮影ユニット駆動機構として、撮影ユニット1をX軸周りに揺動させるとともに、Z軸方向に移動させる第1撮影ユニット駆動機構250xと、撮影ユニット1をY軸周りに揺動させるとともにZ軸方向に移動させる第2撮影ユニット駆動機構250yとが構成されている。
第1撮影ユニット駆動機構250xは、前側ヨーク16aの外周側に構成されている前側撮影ユニット駆動機構251xと、後側ヨーク16bの外周側に構成されている後側撮影ユニット駆動機構252xとから構成されており、前側撮影ユニット駆動機構251xと後側撮影ユニット駆動機構252xは、光軸L方向で離間する2箇所に配置されている。
第2撮影ユニット駆動機構250yも、第1撮影ユニット駆動機構250xと同様、前側ヨーク16aの外周側に構成されている前側撮影ユニット駆動機構251yと、後側ヨーク16bの外周側に構成されている後側撮影ユニット駆動機構252yとから構成されており、前側撮影ユニット駆動機構251yと後側撮影ユニット駆動機構252yは、光軸L方向で離間する2箇所に配置されている。
また、前側撮影ユニット駆動機構251x、251y同士は、Z軸方向において同一位置にあり、後側撮影ユニット駆動機構252x、252y同士は、Z軸方向において同一位置にある。
(撮影ユニットの支持構造)
図12(a)は撮影ユニット1を支持している板バネ195の平面図であり、図12(b)はその斜視図である。本形態では、撮影ユニット1は、撮影ユニット1と固定体210を接続している1枚の板バネ195によって支持されている。板バネ195はZ軸方向において前側撮影ユニット駆動機構251x、251yと後側撮影ユニット駆動機構252x、252yの間に配置されている。
図12に示すように、板バネ195は、平面矩形形状を有している。リン青銅、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった金属製のジンバルバネであり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成されている。
板バネ195の中央部分には、撮影ユニット1の側に取り付けられる枠状の内周側連結部195aが形成されている。内周側連結部195aの中央領域には、矩形の穴195bが形成されている。板バネ195は、この矩形の穴195bの内側に前側ヨーク16aが挿入され、内周側連結部195aが折れ曲がり部分に接着剤などの方法で固定される。
板バネ195の外周側には、矩形枠状の外周側連結部195cが形成されている。板バネ195は外周側連結部195cが矩形枠状の枠体196に固定され、この枠体196を介して固定カバー230の内周面に取り付けられる。
内周側連結部195aと外周側連結部195cとの間には、内周側連結部195aから延在して外周側連結部195cに繋がる4本のアーム部195dが形成されている。4本のアーム部195dは、互いに同一の形状およびサイズをもって光軸L周りに等角度間隔に配置されている。各アーム部195dは、内周側連結部195aの角部分から、X軸方向またはY軸方向に延在して、光軸L回りに90度離れた角度位置にある外周側連結部195cの角部に繋がっている。また、各アーム部195dは、Z軸方向には薄く、X軸方向およびY方向には所定の幅を備えるように形成されている。これにより、板バネ195は、X軸回り、Y軸回り、およびZ軸方向に変形可能になっており、撮影ユニット1は、X軸周り、Y軸周り、およびZ軸方向に変位可能に支持されている。また、板バネ195は、X軸方向、Y軸方向に変形しずらいようになっているので、撮影ユニット1は、Z軸方向には移動するが、X軸方向およびY軸方向には移動しずらい。
ここで、撮影ユニット1の重心は前側撮影ユニット駆動機構251x、251yと後側撮影ユニット駆動機構252x、252yの間に位置している。また、板バネ195は、撮影ユニット1をベース220に向けて付勢するように取り付けられており、振れ補正機構が動作していない状態では、撮影ユニット1をベース220に押し付けている。
(振れ補正機構の構成)
第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240xは、前側撮影ユニット駆動機構251xのマグネット241xと後側撮影ユニット駆動機構252xのマグネット242xとから構成されている。マグネット241x、242xは、Y軸方向で相対向する前側ヨーク16aおよび後側ヨーク16bの2つの側板部162、165の外面にそれぞれ保持されている。マグネット241x、242xは、Z軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石によって構成されており、これらの平板状永久磁石では、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。Z軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石では、着磁方向が逆になっている。また、マグネット241x、242xは光軸方向からみたとき着磁方向の配列は互いに同じである。そして、光軸Lを間に挟んで対向している一対のマグネット241x、242xは、着磁方向がZ軸方向で同一になるように配置されている。
第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する撮影ユニット駆動用マグネット240yは、前側撮影ユニット駆動機構251yのマグネット241yと後側撮影ユニット駆動機構252yのマグネット242yとから構成されている。マグネット241y、242yは、X軸方向で相対向する前側ヨーク16aおよび後側ヨーク16bの2つの側板部162、165の外面にそれぞれ保持されている。マグネット241y、242yは、Z軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石によって構成されており、これらの平板状永久磁石では、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。Z軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石では、着磁方向が逆になっている。また、マグネット241y、242yは光軸方向からみたとき着磁方向の配列は互いに同じである。そして、光軸Lを間に挟んで対向している一対のマグネット241y、242yは、着磁方向がZ軸方向で同一になるように配置されている。
第1撮影ユニット駆動機構250xを構成する撮影ユニット駆動用コイル230xは、前側撮影ユニット駆動機構251xのコイル231xと後側撮影ユニット駆動機構252xのコイル232xとから構成されている。コイル231x、232xは、Z軸方向に並んで配列された2つの矩形の扁平コイルによって構成されており、Y軸方向で相対向する固定カバー230の胴部235の内周面部分にそれぞれ保持されている。コイル231x、232xにおいてZ軸方向に位置する2つの有効辺部はそれぞれ、マグネット241x、242xにおいてZ軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石のそれぞれと対向している。
コイル231x、232xは、光軸Lからみたとき、それぞれ同一方向に巻き回されており、光軸Lの一方の側に配置されているコイル231x、232xから他方の側に配置されているコイル231x、232xへと連続するように直列に接続されている。より詳細には、光軸Lの一方の側に配置されているコイル232x、コイル231xから光軸Lの他方の側に配置されているコイル232x、コイル231xへと、この順番で接続されている。また、光軸Lの一方のコイル231xと、このコイル231xに接続されている他方の側のコイル232xとの接続線には中間端子254が設けられている(図13参照)。
第2撮影ユニット駆動機構250yを構成する撮影ユニット駆動用コイル230yは、前側撮影ユニット駆動機構251yのコイル231yと後側撮影ユニット駆動機構252yのコイル232yとから構成されている。コイル231y、コイル232yは、Z軸方向に並んで配列された2つの矩形の扁平コイルによって構成されており、Y軸方向で相対向する固定カバー230の胴部235の内周面部分にそれぞれ保持されている。コイル231y、コイル232yにおいてZ軸方向に位置する2つの有効辺部はそれぞれ、マグネット241y、242yにおいてZ軸方向に配列された2枚の平板状永久磁石のそれぞれと対向している。
コイル231y、コイル232yは、光軸Lからみたとき、それぞれ同一方向に巻き回されており、光軸Lの一方の側に配置されているコイル231y、コイル232yから他方の側に配置されているコイル231y、コイル232yへと連続するように直列に接続されている。より詳細には、光軸Lの一方の側に配置されているコイル232y、コイル231yから光軸Lの他方の側に配置されているコイル232y、コイル231yへと、この順番で接続されている。また、光軸Lの一方のコイル231yと、このコイル231yに接続されている他方の側のコイル232yとの接続線にも中間端子254が設けられている。
ここで、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2振れ補正用磁気駆動機構250yは、それぞれ、振れ検出センサ182での検出結果に基づいて、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yへの通電を制御する第1、第2通電制御手段を備えている。第1通電制御手段は、コイル231x、232xへの通電を制御し、第2通電制御手段は、コイル231y、コイル232yへの通電を制御する。
(振れ補正動作)
図13は通電制御手段が一対の撮影ユニット駆動用コイル230xに通電する動作(第1モードおよび第2モード)を模式的に示した説明図であり、図13(a)は、第1モードにおいて、撮影ユニット1をZ軸方向に変位させる推力を撮影ユニット1に印加する際の電流の流れを模式的に示し、図13(b)は、第2モードで撮影ユニット1を光軸Lに交差する方向に揺動させるモーメントを撮影ユニット1に印加する際の電流の流れを模式的に示してある。なお、図13では、一対の撮影ユニット駆動用コイル230xだけを取り出して、光軸Lの一方の側において撮影ユニット1から離間した位置からみた様子を示してある。このため、2つの撮影ユニット駆動用コイル230xは、光軸Lからみたとき、同一方向に巻き回されているが、図13では、反対方向に巻回されているように表されている。
まず、図13(a)に示すように、第1モードにおいて、通電制御手段は、光軸Lの一方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル231x、232xから中間端子254に向かう電流を流すとともに、中間端子254から光軸Lの他方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル231x、232xを経由する電流を流す。すると、撮影ユニット駆動用コイル231x、232xと可動モジュール駆動用マグネット241x、242xとの間に電磁気力が発生するので、矢印F1で示すように、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは、撮影ユニット1に対して光軸L方向に変位する推力を印加する。撮影ユニット駆動用コイル230yでも同様である。従って、板バネ195の付勢力によってベース220に向けて押し付けられていた撮影ユニット1は、Z軸方向に移動して、揺動可能な状態になる。
次に、振れ検出センサ182の検出結果に基づいて、撮影ユニット1を光軸Lに交差する方向に揺動させる第2モードでは、図13(b)に示すように、光軸Lの一方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル231x、232xを経由して中間端子254に向かう電流を流すとともに、光軸Lの他方の側に配置されている撮影ユニット駆動用コイル231x、232xを経由して中間端子254に向かう電流を流す。すると、撮影ユニット駆動用コイル231x、232xと可動モジュール駆動用マグネット241x、242xとの間に電磁気力が発生するので、矢印F2で示すように、2つの第1撮影ユニット駆動機構250xは、撮影ユニット1に対して光軸Lに対して交差する方向に揺動するモーメントを印加する。撮影ユニット駆動用コイル230yでも同様である。従って、X軸周りおよびY軸周りの揺動を合成すれば、XY面全体に対して撮影ユニット1を揺動させたことになる。従って、カメラ付き携帯電話などで想定される全ての振れを補正できる。
ここで、第1撮影ユニット駆動機構250xと第2撮影ユニット駆動機構250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる推力の中心と、撮影ユニット1の姿勢が変位することにより変形した板バネ195が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心と、撮影ユニット1の重心と、撮影ユニット1の揺動中心とは一致している。
なお、撮影ユニット駆動用コイル230xの巻き回し方向、および、撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向が上記の構成と異なる場合でも、光軸Lを間に挟んだ一方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力と、光軸Lを間に挟んだ他方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力とが、光軸L方向で同じ方向になるように、撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向と各可動モジュール駆動用コイル230xの通電方向を選択すれば、第1モードを実行することができる。同様に、光軸を間に挟んだ一方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力と、光軸Lを間に挟んだ他方の側の可動モジュール駆動用コイル230xと可動モジュール駆動用マグネット240xとの間に働く電磁気力とが、光軸L方向で反対の方向になるように、撮影ユニット駆動用マグネット240xの着磁方向と各可動モジュール駆動用コイル230xの通電方向を選択すれば、第2モードを実行することができる。
(本形態による主な効果)
本形態によれば、撮影ユニット1は、Z軸方向に並んで配置されている前側撮影ユニット駆動機構251x、251yと後側撮影ユニット駆動機構252x、252yの間に配置されている板バネ195によって支持されている。このため、第1撮影ユニット駆動機構250xと第2撮影ユニット駆動機構250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる推力の中心と、撮影ユニット1の姿勢が変位することにより変形した板バネ195が元の形状に復帰しようとする復元トルクの中心とを、前側撮影ユニット駆動機構251x、251yと後側撮影ユニット駆動機構252x、252yの間に配置できる。また、これらの位置を前側撮影ユニット駆動機構251x、251yと後側撮影ユニット駆動機構252x、252yの間で一致させることもできる。従って、撮影ユニット1の揺動中心を板バネ195に近い位置に配置できる。この結果、撮影ユニット1が揺動したときに板バネ195に作用する力が小さくなるので、撮影ユニット駆動機構は小さなトルクで撮影ユニット1を揺動させることができる。また、撮影ユニット1を揺動可能に支持している板バネ195のバネ力も小さくてよい。従って、撮影ユニット1を効率よく変位させることができる。
また、本形態によれば、撮影ユニット1の重心Gは、前側撮影ユニット駆動機構251x、251yと後側撮影ユニット駆動機構252x、252yの間にあり、板バネ195の近くに位置しているので、撮影用光学装置200Bの姿勢が変化したときに、撮影用光学装置200Bに対して撮影ユニット1が傾いてしまうことを低減あるいは回避できる。この結果、撮影用光学装置200Bの姿勢により撮影ユニット1が傾いてしまう範囲を撮影ユニット1の可動範囲として確保しておく必要がなくなるので、撮影用光学装置200Bを小型化できる。また、撮影用光学装置200Bの姿勢により第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが発生させる磁気駆動力を変化させる必要がなくなるので、撮影ユニット1を効率よく変位させることができる。また、撮影ユニット1の可動範囲が小さくなるので、例えば、撮影ユニット1の可動範囲を規制する規制部材を配置する場合には、撮影ユニット1と規制部材との間の隙間を狭くすることができる。この結果、撮影用光学装置200Bが衝撃を受けた際などに撮影ユニット1が規制部材に衝突しても発生する衝撃が小さくなるので、撮影ユニット1の変形を防止できる。従って、撮影用光学装置200Bを衝撃に強い装置とすることができる。さらに、撮影ユニット1のZ軸方向の外側に、撮影ユニット1を支持する構造を必要としないので、撮影用光学装置200BをZ軸方向に薄く構成することができる。
また、板バネ195は、X軸回り、Y軸回り、およびZ軸方向に変形可能になっており、撮影ユニット1は、X軸周り、Y軸周り、およびZ軸方向に変位可能に支持されている。従って、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yによる推力の中心と、板バネ195による復元トルクの中心と、撮影ユニット1の中心とが近い位置にある場合には、撮影用光学装置200Bに強い衝撃が加わると撮影ユニット1が広範囲に動いてしまう可能性があるが、撮影ユニット1は、X軸方向およびY軸方向には移動しずらい。また、Z軸方向では、アーム部195dが撮影ユニット1の変位に追随して変形するので、板バネ195が破損することがない。
また、本形態によれば、通電制御手段によって第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yのコイル231x、コイル232x、コイル231y、コイル232yへの通電を制御することにより、撮影ユニット1をX軸周りおよびY軸周りに揺動可能させることが可能であり、かつ、撮影ユニット1をZ軸方向に移動させることが可能である。さらに、撮影ユニット1は、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが動作していないときには、板バネ195によってベースに押し付けられており、振れ補正機構が動作すると、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yは板バネ195の付勢力に抗して撮影ユニット1をベースから離間させる磁気駆動力を発生させる。この結果、撮影用光学装置200Bを持ち運んでいるときなど、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが動作していない間は、撮影ユニット1がベース220に固定されていて、動いてしまうことがない。従って、撮影用光学装置200Bを持ち運んでいるときなどに、撮影用光学装置200Bに加わる振動により撮影ユニット1と固定体210とがぶつかってガタガタする異音やノイズを発生させることがない。
(実施の形態3の変形例)
上記の実施の形態では、撮影ユニット駆動機構が動作していないときに撮影ユニット1をベースに押し付ける付勢力を板バネ195に発揮させているが、この付勢力を板バネ195とは異なる板バネなどのバネ部材を用いて発揮させてもよい。また、固定体210の側に撮影ユニット1駆動用マグネットとの間で磁気吸引力を発揮する磁性体を配置することによって磁気バネを構成して、この磁気バネに、撮影ユニット1をベースに押し付ける付勢力を発揮させてもよい。
[実施の形態4]
図14(a)は本発明を適用した実施の形態4に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた斜視図であり、図14(b)はその側面図であり、図14(c)はフレキシブルプリント基板183の周辺部分を示す部分斜視図である。図14(a)、(b)では、撮影ユニット1の支持構造が分かるように固定体210を点線で示している。
本形態の撮影用光学装置200Cは、撮影ユニット1を支持するバネ部材として弾性を備えた配線部材を用いたものである。より具体的には、撮影ユニット1や、振れ検出センサ18と外部機器との間で電力供給や信号の伝達を行うためのフレキシブルプリント基板183をバネ部材として採用している。本形態では、撮影ユニット1の支持構造を除いて実施の形態2に係る撮影用光学装置と同様の構成を備えているので、撮影ユニットの支持構造を説明して、その他の説明は省略する。
(撮影ユニットの支持構造)
図14に示すように、撮影ユニット1は光軸L方向からみたときに矩形を有しており、撮影ユニット1の後側には、振れ検出センサ182およびこの振れ検出センサ182が固定されている矩形のプレート188が取付けられている。プレート188の各角部分の近傍からは、振れ検出センサ182に接続されている4枚のフレキシブルプリント基板183(1)〜(4)が引き出されている。撮影ユニット1からは、撮影ユニット1と外部機器との間で電力供給や信号の伝達を行うための中継用フレキシブルプリント基板183(5)が引き出されており、この中継用フレキシブルプリント基板183(5)はZ軸方向においてC字形状に折り曲げられた後に、フレキシブルプリント基板183(3)の引き出し部分に接続されている。
4枚のフレキシブルプリント基板183(1)〜(4)は、それぞれ、プレート188の外周縁および撮影ユニット1の外周壁に沿ってX軸方向またはY軸方向に延在している一定幅部分183aと、一定幅部分183aの端部分に形成された幅広部分183bとを備えており、この幅広部分183bが固定カバー230の側に取り付けられる。撮影ユニット1は、4枚のフレキシブルプリント基板183(1)〜(4)によって、X軸周り、Y軸周り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に変位可能に支持されている。
ここで、各フレキシブルプリント基板183(1)〜(4)において、所望のバネ定数を確保するためには、フレキシブルプリント基板183(1)〜(4)を構成するフィルム状の絶縁体の材質を剛性の高いものにしたり、厚さ方向に形成されている層数を増加させたりすればよい。また、固定カバー230への取付け位置を、プレート188の各角部分に近い位置に移動させ、一定幅部分183aの長さを短縮すればバネ定数を上げることできる。さらに、各フレキシブルプリント基板183の銅箔形状、銅箔厚を変更することにより、所望のバネ定数を確保することもできる。また、各フレキシブルプリント基板183(1)〜(4)に金属や樹脂からなる別部品を貼り付けることにより、各フレキシブルプリント基板183(1)〜(4)のバネ定数を確保することができる。
また、フレキシブルプリント基板183(1)〜(4)を、1層で構成した場合には、一方の面側に配線パターンを配置して、他方の面側を全面銅箔としたり、他方の面側に金属板を貼り付けたりするにより、所望のバネ定数を確保してもよい。これらの場合には、銅箔や金属板は電磁シールドとしても機能する。なお、4枚のフレキシブルプリント基板183(1)〜(4)の中に、電力の供給や信号の伝達に用いられないダミーのフレキシブルプリント基板が含まれていてもよい。
(本形態による主な効果)
本形態の撮影用光学装置200Cによれば、信振れ検出センサ182や撮像素子に電力供給を行うとともに、信振れ検出センサ182や撮像素子と外部の機器との間で信号の伝達を行うためのフレキシブルプリント基板183(1)〜(4)によって撮影ユニット1を支持しているので、バネ部材が必要ない。従って、撮影用光学装置200Cの構成をシンプルにすることができる。また、フレキシブルプリント基板183(1)〜(4)は接着剤層を備えているので、この接着剤層によるダンピング効果を得ることができる。
(外部への磁束漏れを防止する構成を備える形態)
上記の実施の形態1〜4では、固定カバー230およびベース220について、それを形成する材料は特に規定されていないが、固定カバー230およびベース220磁性材料から形成すれば、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yから外部への磁束漏れを防止することができる。また、外部の磁束が第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yに侵入して、撮影ユニット1の姿勢に影響を与えることを低減できる。図15は固定カバー230およびベース220を磁性材料から形成した撮影用光学装置の構成例を示す縦断面図である。図16は、図15に示す撮影用光学装置から、固定カバー230、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの一部、第1バネ191、枠体193などを取り除いて、被写体側において斜め上方からみた斜視図である。なお、本形態の撮影用光学装置は、実施の形態2の撮影用光学装置200Bと対応する構成を備えているので、対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図15に示す撮影用光学装置200Dは、固定カバー230およびベース220を磁性材料から形成した構成例である。固定カバー230は角筒状の胴部235のみを備えている。
本例によれば、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yの外周側および後側は磁性材料からなる固定カバー230に被われているので、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yから外部への漏れ磁束を少なくできる。また、固定カバー230が集磁ヨークとして働くので、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yに鎖交する鎖交磁束が増え、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる際に大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。さらに、外部の磁束が第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yに侵入して、撮影ユニット1の姿勢に影響を与えることを低減できる。
ここで、固定カバー230を磁性材料から形成すると、撮影ユニット1に取り付けられている撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと固定カバー230との間には磁気吸引力が発生するので、この磁気吸引力が、振れ補正機構による撮影ユニット1の変位に影響を及ぼすことがある。
このため、本形態では、図16に示すように、Z軸周りに隣接している第1撮影ユニット駆動機構250xの撮影ユニット駆動用マグネット240xと、第2撮影ユニット駆動機構250yの撮影ユニット駆動用マグネット240yとをZ軸方向における磁極が異なる方向を向くように配置している。このように配置することにより、Z軸周りに隣接している撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yの間で磁束が発生するので、固定カバー230の側に流れる磁束が減少する。この結果、固定カバー230と撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとの間で発生する磁気吸引力を小さくできるので、これらの間の磁気吸引力が撮影ユニット1の変位に影響を与えることを低減できる。
また、磁性材料からなる固定カバー230が上板部を備えていると、撮影ユニット1に取り付けられている撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと固定カバー230との間の磁気吸引力が、上板部に作用して撮影ユニット1をZ方向に付勢することがある。これに対して、本形態では、固定カバー230から上板部を取り除いてあるので、撮影ユニット1が磁気吸引力によりZ方向に付勢されることを回避できる。従って、これらの間の磁気吸引力が撮影ユニット1の変位に影響を与えることを低減できる。同様に、ベース220を磁性材料から形成すると、撮影ユニット1に取り付けられている撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yとベース220との間には磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力によって、Z方向の下側に付勢されることを回避したい場合には、ベース220を非磁性体から形成すればよい。
なお、固定カバー230を磁性材料から形成すると、撮影ユニット1に取り付けられている撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと固定カバー230との間には磁気吸引力が発生する。従って、Z軸方向における撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yの中心と、Z軸方向における固定カバー230の中心とをずらしておけば、撮影ユニット1をZ軸方向のいずれか一方に向けて吸引する磁気吸引力を発揮させることができる。
また、本形態の撮影用光学装置200Dでは固定カバー230の上板部を取り除いてあるので、撮影用光学装置200Dの組み立て作業時に固定カバー230と撮影ユニット1の位置を調整する際に、被写体側から固定カバー230と撮影ユニット1の間の隙間を画像センサなどでモニタリングし、双方の位置関係を確認しながら作業できるので、位置精度の高い組み立てが可能になる。
次に、図17は、固定カバー230の一部分を磁性材料とし、他の部分を非磁性材料から形成した撮影用光学装置の斜視図である。本形態の撮影用光学装置200Eでは、光軸Lと直交する方向から見たときに、固定カバー230において撮影ユニット駆動用マグネットが移動する範囲と重なっている移動領域を含む部分(図中の斜線部分)230aを磁性材料とし、他の部分230bを非磁性材料としてある。このため、固定カバー230は、非磁性材料からなる第1カバー部分(部分230b)と、磁性材料からなる第2カバー部分(部分230a)とを備えている。
このように構成しても、固定カバー230の磁性材料からなる部分が第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yを外周側から被っているので、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yから外部への漏れ磁束を少なくできる。また、固定カバー230が集磁ヨークとして働くので、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yに鎖交する鎖交磁束が増え、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる際に大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。さらに、外部の磁束が第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yに侵入して、撮影ユニット1の姿勢に影響を与えることを低減できる。
なお、磁性材料から形成されている部分と非磁性材料から形成されている部分は別部品として形成し、組み合わせて固定カバー230を構成するようにすることもできるし、一体成形品とすることもできる。また、光軸Lと直交する方向から見たときに撮影ユニット駆動用マグネットが移動する範囲と重なっている移動領域を含む部分230aを磁性材料から形成するのに替えて、この部分に固定カバー230の外側から板状の磁性体を貼り付けてもよい。磁性体としては、鉄などの周知の材質からなるものを用いることができる。
次に、撮影ユニット1のヨーク16の形状に変更を加えることにより、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yから外部への磁束漏れを防止するとともに、外部の磁束が第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yに侵入して、撮影ユニット1の姿勢に影響を与えることを低減する撮影用光学装置の構成例を示す。
図18は本形態の撮影用光学装置のヨーク16の周辺部分を模式的に示す撮影用光学装置のX−Z平面の縦断面図である。撮影用光学装置200Fでは、ヨーク16は、中央に開口部161aが形成されている被写体側の矩形の天板部161と、天板部161の外周縁から後側に延びる4つの側板部162と、側板部162の下端縁から外周側に延びる中継板部分197と中継板部分197の外周縁からから前側に延びるコイル側集磁ヨーク部分198を備えており、その断面形状はコの字形状をしている。撮影ユニット駆動用コイル230x、230yは光軸Lと直交する方向において固定カバー230との間に隙間を備えるようにして固定カバー230に取付けられており、コイル側集磁ヨーク部分198は、その隙間において、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yを挟んだ反対側で撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yと対向している。なお、固定カバー230は非磁性材料から形成されている。
本例によれば、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yの撮影ユニット駆動用マグネット240x、240yおよび撮影ユニット駆動用コイル230x、230yは、ヨーク16によって囲まれているので、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yからの漏れ磁束を少なくできる。また、撮影ユニット駆動用コイル230x、230yに鎖交する鎖交磁束が増えるので、第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yが撮影ユニット1の姿勢を変位させる際に、大きな推力を得ることができる。従って、振れに対する応答性に優れる。さらに、外部の磁束が第1、第2撮影ユニット駆動機構250x、250yに侵入して、撮影ユニット1の姿勢に影響を与えることを低減できる。
なお、可動ユニットが揺動する中心がZ軸方向において可動ユニットよりも下側にある場合には、各撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの縦断面形状を下側の長い台形形状としておき、可動ユニットが揺動する中心がZ軸方向において可動ユニットと重なる範囲にある場合には、各撮影ユニット駆動用コイル230x、230yの縦断面形状を長方形にしておく。
(その他の実施の形態)
上記形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yのいずれにおいても、可動体側である撮影ユニット1側にマグネット(撮影ユニット駆動用マグネット240x、240y)が保持され、固定体210側にコイル(撮影ユニット駆動用コイル230x、230y)が保持されている構成を採用したが、可動体側である撮影ユニット1側に撮影ユニット駆動用コイルが保持され、固定体210側に撮影ユニット駆動用コイルが保持されている構成を採用してもよい。
上記形態では、第1撮影ユニット駆動機構250xによって撮影ユニット1をX軸方向に変位させ、第2撮影ユニット駆動機構250yによって撮影ユニット1をY軸方向に変位させたが、第1撮影ユニット駆動機構250xによって撮影ユニット1をY軸方向に変位させ、第2撮影ユニット駆動機構250yによって撮影ユニット1をX軸方向に変位させるように、撮影ユニット駆動用マグネットおよび撮影ユニット駆動用コイルを配置してもよい。
また、上記形態では、撮影ユニット駆動用マグネットは、単極着磁されている2枚のマグネットを着磁方向が反対になるように並べて構成しているが、1枚のマグネットを2極着磁して用いることもできる。
また、上記形態では、撮影ユニット1に対して第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの双方を設けたが、ユーザーが使用する際、振れが発生しやすい方向の振れのみを補正するように、第1撮影ユニット駆動機構250xおよび第2撮影ユニット駆動機構250yの一方のみを設けた場合に本発明を適用てもよい。
上記形態では、レンズ駆動用コイル30s、30tが四角筒状で、レンズ駆動用マグネット17が平板状である撮影ユニット1を用いた撮影用光学装置200に本発明を適用したが、レンズ駆動用コイル30s、30tが円筒状で、ケース18が四角筒状で、ケース18の角部分にレンズ駆動用マグネット17を配置した構成の撮影ユニットを用いた撮影用光学装置に本発明を適用してもよい。
上記形態では、カメラ付き携帯電話機に用いる撮影用光学装置200に本発明を適用した例を説明したが、薄型のデジタルカメラなどに用いる撮影用光学装置200に本発明を適用した例を説明してもよい。また、上記形態では、撮影ユニット1にレンズ121や撮像素子155に加えて、レンズ121を含む移動体3を光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構5が支持体2上に支持されている例を説明したが、撮影ユニット1にレンズ駆動機構5が搭載されていない固定焦点タイプの撮影用光学装置に本発明を適用してもよい。また、上記形態では、可動モジュールとして、レンズおよび撮像素子を備えている撮影ユニットを説明したが、本発明は可動モジュールとして少なくともレンズを備えている光学ユニットに適用することができ、このような光学ユニットには、例えば、レーザポインタや、携帯用や車載用の投射表示装置などがある。
さらに、上記形態では、レンズ駆動機構5は、レンズ121を含む移動体3を光軸方向に磁気駆動するものであったが、圧電素子を用いて、レンズ121を含む移動体3を光軸方向に駆動するレンズ駆動機構を採用することができる。圧電素子を用いたレンズ駆動機構としては、例えば、円筒形状の圧電素子をステータとし、ステータの環状端面にロータを圧接させ、圧電素子に高周波の交流電流を印加してステータに超音波振動を発生させることによりロータを回転させ、ロータの回転運動を直動運動に変換して移動体を光軸方向に移動させる構成のものなどがある。
(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した実施の形態1に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。 実施の形態1に係る撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、実施の形態1に係る撮影用光学装置に用いた撮影ユニットを斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。 図3に示す撮影ユニットの動作を模式的に示す説明図である。 (a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した別の撮影用光学装置に用いたコイル保持部材の構成を示す説明図、および本発明を適用した別の撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した実施の形態2に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観斜視図、および分解斜視図である。 実施の形態2に係る撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である。 (a)は実施の形態2に係る撮影用光学装置の撮影ユニットを支持している板バネの平面図であり、(b)はその斜視図である。 実施の形態2において通電制御手段が撮影ユニット駆動用コイルに通電する動作を模式的に示した説明図であり、(a)は撮影ユニットをZ軸方向に移動させる推力を撮影ユニットに印加する際の電流の流れを模式的に示し、(b)は撮影ユニットを揺動させるモーメントを撮影ユニットに印加する際の電流の流れを模式的に示す。 (a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した実施の形態3に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた外観図、および分解斜視図である。 実施の形態3に係る撮影用光学装置を光軸に平行に切断したときの縦断面図である (a)は実施の形態3に係る撮影用光学装置の撮影ユニットを支持している板バネの平面図であり、(b)はその斜視図である。 実施の形態3において通電制御手段が撮影ユニット駆動用コイルに通電する動作を模式的に示した説明図であり、(a)は撮影ユニットをZ軸方向に移動させる推力を撮影ユニットに印加する際の電流の流れを模式的に示し、(b)は撮影ユニットを揺動させるモーメントを撮影ユニットに印加する際の電流の流れ模式的に示す。 (a)は本発明を適用した実施の形態4に係る撮影用光学装置を被写体側において斜め上方からみた斜視図であり、(b)はその側面図であり、(c)はフレキシブルプリント基板の周辺部分を示す部分斜視図である。 固定カバーおよびベースを磁性材料から形成した構成例の撮影用光学装置を示す縦断面図である。 図15に示す撮影用光学装置から、固定カバー、撮影ユニット駆動用コイルの一部、第1バネ、枠体などを取り除いた状態で、被写体側において斜め上方からみた斜視図である。 固定カバーの一部分を磁性材料とし、他の部分を非磁性材料から形成した撮影用光学装置の斜視図である。 撮影ユニットのヨークの形状に変更を加えた例を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1 撮影ユニット(可動モジュール)
2 支持体
3 移動体
5 レンズ駆動機構
12 レンズホルダ
13 コイルホルダ
14s、14t バネ部材
17 レンズ駆動用マグネット
16 ヨーク(撮影ユニット側ヨーク)
19 撮像素子ホルダ
30s、30t レンズ駆動用コイル
61 磁性片
150 カバー部
155 撮像素子
169 コイル側集磁ヨーク部分
190 サスペンションワイヤ(バネ部材)
191、192、195 板バネ(バネ部材)
191d、192d、195d ジンバルバネのアーム部
200、200A、200B、200C、200D、200E、200F 撮影用光学装置
210 固定体
220 固定カバー
220 ベース
230x、230y 撮影ユニット駆動用コイル(可動モジュール駆動用コイル)
231x、232x、231y、232y コイル
240x、240y 撮影ユニット駆動用マグネット(可動モジュール駆動用マグネット)
241x、242x、241y、242y マグネット
250x 第1撮影ユニット駆動機構(第1可動モジュール駆動機構)
250y 第2撮影ユニット駆動機構(第2可動モジュール駆動機構)
251x、251y 前側撮影ユニット駆動機構
252x、252y 後側撮影ユニット駆動機構
253、254 中間端子
260 コイル保持部材(固定体側ヨーク)
265 コイル保持部材の開口部
268 緩衝部材
L 光軸
G 重心

Claims (25)

  1. 少なくともレンズが支持体に支持された可動モジュールと、該可動モジュールを支持する固定体と、を有する振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、
    前記可動モジュールは、前記固定体上で少なくとも前記レンズの光軸に対して交差する方向に変位可能に支持され、
    前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記固定体上において前記可動モジュールを前記光軸に対して交差する方向に変位させる磁気駆動力を、前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対になって発生させる振れ補正用の可動モジュール駆動機構を有し、
    前記可動モジュール駆動機構は各々、可動モジュール駆動用マグネットと可動モジュール駆動用コイルとを備え、
    前記レンズは、前記光軸方向に移動可能に前記支持体上に支持された移動体に含まれ、
    前記可動モジュールにおいて、前記支持体上には前記移動体を前記光軸方向に磁気駆動するレンズ駆動機構が支持され、
    前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構は各々、前記可動モジュール駆動用マグネットが前記可動モジュール側に保持され、前記可動モジュール駆動用コイルが前記固定体側に保持され、
    前記可動モジュールは、前記移動体を外周側で囲むカバー部を備え、
    前記レンズ駆動機構は、前記移動体の外周面に保持されたレンズ駆動用コイルと、前記カバー部の内周面に保持されたレンズ駆動用マグネットとを備え、
    前記可動モジュール駆動用マグネットは、前記カバー部の外周面に保持されていることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
  2. 互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、前記光軸に沿う方向をZ軸としたとき、
    前記可動モジュールと前記固定体との間には、前記可動モジュール駆動機構として、X軸方向において前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸方向およびY軸方向の一方に変位させる磁気駆動力を発生させる第1可動モジュール駆動機構と、Y軸方向において前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対になって前記可動モジュールをX軸方向およびY軸方向のうちの他方に変位させる磁気駆動力を発生させる第2可動モジュール駆動機構と、が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  3. 前記可動モジュールは、前記可動モジュールと前記固定体とに接続されたバネ部材によって前記固定体に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  4. 前記バネ部材は、前記固定体から前記光軸方向に沿って延在した複数本のワイヤサスペンションであることを特徴とする請求項3に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  5. 前記可動モジュールは、前記光軸の周りを囲む3箇所以上の各々において前記光軸方向に延在する前記ワイヤサスペンションを介して前記固定体に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  6. 前記バネ部材は、前記光軸方向において前記可動モジュール駆動機構を間に挟んだ両側に第1バネ部材および第2バネ部材として配置されており、
    前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動機構が発生させる磁気駆動力によって、前記光軸と交差する軸線周りに揺動することを特徴とする請求項3に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  7. 前記光軸方向において、前記可動モジュールの重心は、前記第1バネ部材と前記第2バネ部材との間に位置していることを特徴とする請求項6に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  8. 前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記振れ補正用の可動モジュール駆動機構は各々、前記光軸方向で離間する2箇所に配置され、
    前記バネ部材は、前記光軸方向で離間する2箇所に配置された前記可動モジュール駆動機構の間に配置されており、
    前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動機構が発生させる磁気駆動力によって、前記光軸と交差する軸線周りに揺動することを特徴とする請求項3に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  9. 前記光軸方向において、前記可動モジュールの重心は、前記光軸方向で離間する2箇所の間に位置していることを特徴とする請求項8に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  10. 前記バネ部材は、前記可動モジュールに連結される内周側連結部と、前記固定体に連結される外周側連結部と、前記内周側連結部から延在して前記外周側連結部に繋がる複数本のアーム部とを備えたジンバルバネであることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  11. 前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構が備える前記可動モジュール駆動用コイルに対する通電方向を切り換えて、前記可動モジュールを前記光軸方向に変位させる駆動力を発生させる第1モードと、前記可動モジュールを前記光軸に対して交差する方向に変位させる駆動力を発生させる第2モードと、が実行されることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  12. 前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構が備える前記可動モジュール駆動用コイルは、それぞれ独立した方向に通電することが可能であり、
    前記第1モードでは、前記光軸を間に挟んだ一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力と、前記光軸を間に挟んだ他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力とが、前記光軸方向で同じ方向になるように、各可動モジュール駆動用コイルの通電方向を選択し、
    前記第2モードでは、前記光軸を間に挟んだ一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力と、前記光軸を間に挟んだ他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記可動モジュール駆動用マグネットとの間に働く電磁気力とが、前記光軸方向で反対の方向になるように、各可動モジュール駆動用コイルの通電方向を選択することを特徴とする請求項11に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  13. 前記光軸を間に挟んで対向する2箇所で対をなす前記可動モジュール駆動機構が備える前記可動モジュール駆動用コイルは、直列に接続されており、
    前記光軸を間に挟んだ一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルと前記光軸を間に挟んだ他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルとの間の接続線には中間端子が設けられており、
    前記一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して前記中間端子に至る間と、前記他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して中間端子に至る間とは、互いに独立した方向に通電することが可能になっていることを特徴とする請求項12に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  14. 前記一方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して前記中間端子に至る間と、前記他方の側の前記可動モジュール駆動用コイルを経由して中間端子に至る間とは、互いに異なる値の電流を通電することが可能になっていることを特徴とする請求項13に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  15. 前記可動モジュールを前記光軸方向で前記固定体に押し付ける付勢手段を有し、
    前記可動モジュール駆動機構は、前記可動モジュールを前記光軸に対して交差する方向に変位させる際、前記付勢手段の付勢力に抗して前記可動モジュールを前記固定体から離間させる駆動力を発生させることを特徴とする請求項6乃至14の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  16. 前記付勢手段は、前記バネ部材あるいは他のバネを用いた機械的バネ、および前記可動モジュール駆動用マグネットあるいは他のマグネットを用いた磁気バネのうちの少なくとも一方を備えていることを特徴とする請求項15に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  17. 前記可動モジュールは、前記支持体に撮像素子が保持された撮影ユニットであることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  18. 前記可動モジュール駆動用コイルは、前記可動モジュールに向けて開口する筒状に巻回され、
    前記可動モジュール駆動用マグネットの一部は、前記可動モジュール駆動用コイルの内側に位置していることを特徴とする請求項1乃至17の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  19. 前記固定体は、前記可動モジュール駆動用コイルより外側に固定体側ヨークを備え、当該固定体側ヨークは、前記可動モジュール駆動用マグネットと対向する部分に開口部を備えていることを特徴とする請求項1乃至18の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  20. 前記固定体には、前記可動モジュールが前記光軸に対して交差する方向に変位した際に当該可動モジュール側と干渉する緩衝部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至19の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  21. 前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動用マグネットおよび前記可動モジュール駆動用コイルを前記光軸方向の両側で覆う可動モジュール側ヨークを備えていることを特徴とする請求項1乃至20の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  22. 前記固定体は、前記可動モジュールおよび前記可動モジュール駆動機構を外周側で覆う固定カバーを有し、
    当該固定カバーにおいて前記光軸と直交する方向から見たときに、少なくとも前記可動モジュール駆動用マグネットの外側で少なくとも当該可動モジュール駆動用マグネットの磁束領域内に位置する部分は、磁性体からなることを特徴とする請求項1乃至21の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  23. 前記固定カバーは、非磁性材料からなる第1カバー部分と、前記磁性体からなる第2カバー部分とを備えていることを特徴とする請求項22に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  24. 前記駆動用マグネットにおいて、前記光軸周りに隣接している可動モジュール駆動用マグネット同士は、前記光軸周りに隣接する位置の磁極が相違していることを特徴とする請求項22または23に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  25. 前記可動モジュールは、前記可動モジュール駆動用マグネットを保持している可動モジュール側ヨークを備え、
    前記可動モジュール側ヨークは、前記可動モジュール駆動用マグネットの外面に対向する位置まで屈曲して延在したコイル側集磁ヨーク部分を備えていることを特徴とする請求項1乃至19の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
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