JP2019020526A - 振れ補正機能付き光学ユニット - Google Patents
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Description
揺動補正用駆動機構及びローリング補正用駆動機構は、いずれも磁石の磁界内で生じる駆動コイルの電磁力によって駆動する構成とされており、揺動補正用駆動機構により、光学素子を揺動させてピッチングとヨーイングを補正し、ローリング補正用駆動機構により、支持体ごと光学素子を光軸周りに回動してローリングを補正する構成とされている。
各ローラが光軸に向けて支持体に均等に接触することになり、ローリング支持機構との芯合わせを正確に行うことができ、支持体の光軸周りの回動を円滑に支持できる。したがって、ローリング補正用駆動機構による支持体の回動が回動支持機構により阻害されることがなく、支持体を円滑に回動できる。
各ローラを固定体の円筒内面上に転動可能に設けることにより、耐摩耗性等の信頼性を向上させることができる。また、ローラが固定されている場合と比較して、支持体とローラとの摩擦抵抗を小さくできる。したがって、各ローラにより支持体の光軸周りの回動を円滑に支持でき、ローリング補正用駆動機構による支持体の回動を阻害することなく、支持体を円滑に回動させることができる。また、支持体にローラを収容する凹部を設け、支持体にローラの保持機能を兼ね備えることで、構造を簡略化できる。
また、一対の支持プレートに固定されたガイド軸にローラを回転自在に支持することで、支持体の回転時にローラが転動して、ローラが固定されている場合と比較して、支持体とローラとの摩擦抵抗を小さくできる。したがって、支持体の光軸周りの回動を円滑に支持でき、ローリング補正用駆動機構による支持体の回動を円滑に案内することができる。
支持プレート又はケースの合わせ部のどちらかに凹溝を形成しておくことで、固定体と支持プレートとの間を部分的に狭くすることがないので、回動支持機構を固定体の所望の位置に確実に配置できる。したがって、回動支持機構により支持体を安定した状態で回転自在に支持でき、ローリング補正用駆動機構による支持体の回動を円滑に案内することができる。
支持体の重心位置をローラで支持しているので、光学ユニットに衝撃が加わったときに、支持体を傾かせることなく安定して支持でき、支持軸の変形や支持体の破損等を確実に防止できる。
ジンバル機構の第1軸線と第2軸線との交点位置(重心位置)の側方位置にローラが接触しているので、荷重が加わったときに支持体をローラで安定して受けて支持することができる。
支持体と支持軸との間の取付誤差等が生じた場合でも、その取付誤差等に起因する芯ずれを弾性継手により吸収することができる。また、光学ユニットに衝撃が加わった際の支持体と支持軸との間のずれの発生を許容することができ、弾性継手により衝撃を吸収できるので、支持体等の破損を確実に防止できる。
固定体の矩形状の角部にローラを配置することにより、回動支持機構の設置スペースを有効に確保することができる。また、このように固定体の各角部には、同様の設置スペースを確保できるので、同じローラを対応する同じ位置に配置しやすく、部品や組立工程を共通化できるので、製造コストを低減できる。
以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、静置状態においては、Z軸方向に光軸L(レンズ光軸/光学素子の光軸)が配置されるものとする。また、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。また、X軸方向の一方側には+Xを付し、他方側には−Xを付し、Y軸方向の一方側には+Yを付し、他方側には−Yを付し、Z軸方向の一方側(被写体側/光軸方向前側)には+Zを付し、他方側(被写体側とは反対側/光軸方向後側)には−Zを付して説明する。また、図1〜図7等には、Z軸の一方+Z側を上方に向けた状態に配置し、この状態を静置状態とする。以下では、特に断らない限り、この静置状態で説明する。
(光学ユニット300の概略構成)
本実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット(光学ユニット)300は、図1に概念的に示すように、Z軸方向に沿って光軸Lが延在する光学素子を備えた光学モジュール100を有しており、携帯端末、ドライブレコーダ、無人ヘリコプター等に搭載される撮像装置等の光学機器1000に用いられ、光学機器1000のシャーシ2000(機器本体)に支持された状態で搭載される。この種の光学ユニット300では、撮影時に光学機器1000に手振れ等の振れが発生すると、撮影画像に乱れが発生する。そこで、本実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット300には、後述するように、Z軸方向に沿って光軸Lが延在する光学モジュール100を有しており、その光学モジュール100においては、光学素子を有する可動体10の周りを囲むようにを支持体20が設けられ、その支持体20内で可動体10が光軸Lに直交する2つの軸(X軸及びY軸とは異なる第1軸線R1及び第2軸線R2(詳細は後述する))周りに揺動自在に支持されている。そして、ジャイロスコープ等の振れ検出センサによって振れを検出した結果に基づいて、可動体10を揺動用補正駆動機構(図1では図示せず)によって光軸Lに直交する2つの軸線R1、R2周りに揺動させて、ピッチング及びヨーイングを補正できるようになっている。
本実施形態においては、このユニットケース310が本発明の固定体を構成する。
制御部350は、コネクタやIC等が実装された第1基板351と、外部との信号の入出力を行う第2基板352とを有している。また、光学ユニット300は、光学モジュール100と第1基板351とを接続するフレキシブル配線基板353を有している。
図5は、本発明を適用した光学ユニット300の光学モジュール100を光軸L方向に沿って分解した分解斜視図である。図6は、光学モジュール100の揺動補正用駆動機構50と揺動支持機構(ジンバル機構30)の分解斜視図である。
なお、コイル56を保持するホルダフレーム11は非磁性材料から構成されるが、モジュールケース21は磁性材料から構成されており、磁石52に対するヨークとして機能する。
光学モジュール100において、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れを補正するには、可動体10を光軸L方向に交差する第1軸線R1周りに揺動可能に支持するとともに、可動体10を光軸L方向および第1軸線R1に交差する第2軸線R2周りに揺動可能に支持する必要がある。このため、可動体10と支持体20との間にはジンバル機構30(揺動支持機構)が構成されている。
光学モジュール100において、図1に示す光学機器1000がピッチング方向およびヨーイング方向に振れると、かかる振れはジャイロスコープ187によって検出され、かかる検出結果に基づいて、揺動補正用駆動機構50が制御される。すなわち、ジャイロスコープ187で検出した振れを打ち消すような駆動電流がコイル56に供給される結果、可動体10は、第1軸線R1周りに振れとは反対方向に揺動するとともに、第2軸線R2周りに振れとは反対方向に揺動し、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れが補正される。
図7は、本実施形態の光学ユニット300のローリング補正用駆動機構70の分解斜視図である。
図4に示すように、本実施形態の光学ユニット300において、光学モジュール100は、Z軸方向の他方側−Zに配置されたローリング補正用駆動機構70のロータ(支持軸)74に連結部材80として、弾性継手81と連結板82とを介して支持されている。ローリング補正用駆動機構70は、ジャイロスコープ187(図3参照)での検出結果に基づいて、光学モジュール100を所定の角度範囲において光軸L周りの双方向に回転させ、ローリング補正を行う。
本実施形態では、ローリング補正用駆動機構(モータ)70の回動軸(支持軸)745と支持体20とを連結する連結部材80は、弾性継手81と連結板82とにより構成されている。連結板82は光学モジュール100のZ軸方向の他方側−Zの端部に固定されており、支持体20のモジュールケース21及びケースホルダ29よりもZ軸方向の他方−Z側に配置されている。弾性継手81は、この連結板82のZ軸方向の他方側−Zの端部とローリング補正用駆動機構70の回動軸745のZ軸方向の一方側+Zの端部との間を連結している。このように、支持体20と回動軸(支持軸)745との間に弾性継手81が配置され、この弾性継手81を介して支持体20と回動軸745とが連結されている。
ユニットケース310において、支持体20のケースホルダ29を囲む部分の内周面310aは、筒状内面、より詳細には光軸Lを中心とする円筒内面に形成されており、支持体20等を収容して第1ケース部材320と第2ケース部材330とを組み合わせたときに、図8に示すように、ケースホルダ29の外周面(円筒外面)290bとユニットケース310の内周面(円筒内面)310aとの間に筒状空間が形成される。このユニットケース310の内周面310aには、ゴム等の弾性材からなる薄いシート状の摩擦部材311が貼付されている。そして、ユニットケース310の内周面310aとケースホルダ29の外周面290bとの間に、ケースホルダ29の外周面290bに接触してローリング補正用駆動機構70によるケースホルダ29の回動を支持する回動支持機構90Aが設けられている。
このように、ケースホルダ29は、ローラ91(回動支持機構90A)を介してユニットケース310に支持され、ユニットケース310内において光軸L周りに回転自在に支持される。
以上のように構成した振れ補正機能付き光学ユニット300において、ピッチング及びヨーイングに対しては、揺動補正用駆動機構50により、第1軸線R1又は第2軸線R2周りに光学モジュール100を揺動することにより振れを補正することができる。また、ローリングに対しては、ローリング補正用駆動機構70により、光学モジュール100を光軸L周りに回動させて振れを補正することができる。
なお、回動支持機構90Aの各ローラ91の転動面(外周面)は円筒面であるから、ローリング補正時の支持体20の回動を円滑に支持することができる。
図12及び図13は、本発明の第1実施形態の変形例に係る光学ユニット300の回動支持機構90Bを示す説明図である。なお、本実施形態および後述する第2実施形態の基本的な構成は、第1実施形態と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図14及び図15は、本発明を適用した第2実施形態の光学ユニット300の回動支持機構90Cを示す説明図であり、図14は光学ユニット300のジンバル機構付近のX−Y平面での横断面図、図15は光学ユニット300から第1ケース部材320を取り外した状態で−Y側から見た側面図である。
また、各ローラ93は、図14に示すように光軸L方向(Z軸方向)から見たときに、一部の転動面(外周面)が貫通孔950a、960aに重なるように配置され、ケースホルダ29の外周面290bに接触するように配置される。このケースホルダ29の外周面290bにおいて、ローラ93との接触面295bは光軸Lを中心とする円筒外面(筒状外面)に形成されている。したがって、ケースホルダ29(支持体20)の光軸Lを中心とする回動に伴って、各ローラ93がケースホルダ29の接触面295b上を転動できるようになっている。このように、支持体20のケースホルダ29は、ローラ93(回動支持機構90C)を介してユニットケース310に支持され、ユニットケース310内において光軸L周りに回転自在に支持される。
また、一対の支持プレート95、96に固定されたガイド軸94にローラ93を回転自在に支持することで、支持体20の回転時にローラ93が転動して、ローラ93が固定されている場合と比較して、支持体20とローラ93との摩擦抵抗を小さくできる。したがって、支持体20の光軸L周りの回動を円滑に支持でき、ローリング補正用駆動機構70による支持体20の回動を円滑に案内することができる。また、ローラ93の外周面(転動面)には摩擦部材931が設けられているので、この摩擦部材931により、ローラ93がケースホルダ29(支持体20)の接触面(円筒外面)295b上で空回りすることを抑制できる。従って、支持体20の光軸Lを中心とする回動に伴って、各ローラ93を接触面295b上で円滑に転動させることができ、支持体20の回動を円滑に案内できる。
例えば、第2実施形態では、ローラ93の転動面(外周面)に摩擦部材931を貼付したが、ローラ93が接触するケースホルダ29の接触面295bに摩擦部材931を設けてもよいし、ローラ93の転動面とケースホルダ29の接触面295bとの両方に摩擦部材931を設けてもよい。摩擦部材931は、少なくともケースホルダ29とユニットケース310のいずれか一方にのみ設けておけばよい。また、摩擦部材931はローラ93の転動面又はケースホルダ29の接触面295bの全面に設ける必要はなく、例えば、ケースホルダ29のZ軸方向の両端部の所定幅の領域にのみ設けるようにしてもよい。
さらに、ローリング補正用駆動機構70をステータコイル73とロータ磁石75とを有する単相モータにより構成したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、回動軸(支持軸)745を支持する軸受701、702及びこれら軸受701、702を保持する軸受ホルダ79からなるローリング支持機構700とは別に、ユニットケース(固定体)310に、支持体20の第1底板24の下面(Z軸方向の−Z側の面)とZ軸方向に沿って対向するようにブラケットを固定し、これら第1底板24の下面とブラケットの上面との一方に磁石、他方にコイルを配置して、これらの間で回動のための駆動力を発生させるようにしてもよい。
Claims (12)
- 光学素子を有する可動体と、該可動体を囲む支持体と、前記可動体を前記支持体に対して揺動自在に支持する揺動支持機構と、前記支持体内で前記可動体を揺動させる揺動補正用駆動機構と、前記支持体を囲む固定体と、該固定体に支持され、前記支持体に連結された支持軸を前記固定体に対して前記光学素子の光軸周りに回動自在に支持するローリング支持機構と、前記固定体内で前記支持体を前記光軸周りに回動させるローリング補正用駆動機構と、前記固定体内で前記支持体の前記光軸周りの回動を支持する回動支持機構とを備え、前記回動支持機構は、軸線を前記光軸と平行に配置した複数のローラを前記光軸周りに間隔をあけて配置し、該ローラの円筒面を前記支持体に接触させて支持していることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記ローラは、前記光軸周りに等間隔で三箇所以上設けられていることを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記固定体の内周面に前記光軸を中心とする円筒内面が形成され、前記支持体に前記ローラを回転自在に収容する凹部が形成されており、前記ローラが前記円筒内面上を転動可能に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記固定体の前記円筒内面に、摩擦部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記回動支持機構は、前記固定体に固定され、前記光軸方向に間隔をあけて配置される一対の支持プレートを有し、前記ローラが前記一対の支持プレートの間にそれぞれ支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記支持体の前記ローラとの接触面が前記光軸を中心とする円筒外面に形成されており、前記一対の支持プレートに両端部がそれぞれ固定され、前記ローラを該ローラの軸線回りに回転自在に支持するガイド軸を有し、前記ローラは、前記ガイド軸が挿通されるガイド孔を有し、前記ローラが前記円筒外面上を転動可能に設けられることを特徴とする請求項5に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記ローラの外周面又は前記支持体の前記円筒外面に、摩擦部材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記固定体は前記光軸に沿って分割された複数のケースが組み合わされた構成とされ、前記支持プレートと前記ケースの合わせ部との対向位置において、前記支持プレート又は前記ケースの合わせ部に凹溝が形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記光軸に対して直交する方向から見たときに、前記ローラが前記支持体の重心位置と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記揺動支持機構は、前記可動体を前記光軸と直交する第1軸線の周りに揺動自在に支持するとともに、前記光軸及び前記第1軸線に直交する第2軸線の周りに揺動自在に支持するジンバル機構を有しており、前記重心位置は、前記ジンバル機構の前記第1軸線と前記第2軸線との交点位置であることを特徴とする請求項9に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記支持体と前記支持軸との間を前記光軸方向に沿って連結し、前記光軸方向に交差する方向に弾性変形可能な弾性継手が設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
- 前記固定体は前記光軸と直交する断面の外形が矩形状であり、前記固定体の矩形の各角部に前記ローラが配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
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