JP7202179B2 - 複合体 - Google Patents

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本発明は、金属プレートと、金属プレートを被覆する樹脂製の補強部材とを備えた複合体に関し、例えば、自動車の車体パネルや骨格部材などの車両部品に用いられる複合体に関するものである。
従来の複合体としては、自動車の車体構造の枠側部材という名称で特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の複合体は、金属製の外枠と金属製の内枠との間に形成された空間に、樹脂製の補強構造物をアウトサート成形した構造である。
上記のような車体構造に用いられる複合体は、溶接により別の複合体や金属部材等の他部材と接合される。溶接は、代表的にスポット溶接である。このため、複合体は、金属表面が露出した接合部を予め設けておき、この接合部にスポット溶接を行うことで、他部材と接合される。
特許第5523849号公報
ここで、上記したような金属プレートと樹脂製の補強部材とから成る複合体にスポット溶接を行う際、溶接部と補強部材との距離が近い場合には、補強部材(樹脂)が溶接の熱影響を受けて劣化し、金属プレートと補強部材との間に剥離が生じるおそれがある。この金属プレートと補強部材の剥離は、初期の剥離部分を起点として次第に伸展するので、複合体の強度低下を招く原因になる。
他方、溶接部と補強部材との距離が遠い場合には、樹脂に対する熱影響は減少するが、金属プレートにおける樹脂の未被覆部分が増すため、その分、金属プレートと補強部材との一体化による強度が損なわれ、複合体の強度低下を招く原因になる。この場合、強度を補うために金属プレートの厚さを増大させるなどの対策も考えられるが、接合部のみの厚さを増大させることは困難であるし、全体の厚さを増せば重量増加になるので、現実的ではない。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、金属プレートと樹脂製の補強部材とを備えた複合体において、溶接の熱影響による補強部材の劣化を防止しつつ、金属プレートと補強部材との一体化による強度を確保し得る複合体を提供することを目的としている。
本発明に係わる複合体は、金属プレートと、前記金属プレートを被覆する樹脂製の補強部材とを備えた複合体である。この複合体は、前記金属プレートが、表面を露出させた接合部を有すると共に、前記接合部に、他部材との被溶接部を有している。そして、複合体は、前記補強部材が、前記金属プレートの前記接合部を含まない領域を被覆する本体部と、前記本体部から前記被溶接部に至る方向において、前記被溶接部を中心とする円形を成す溶接の熱影響範囲の外側で前記被溶接部の側方に向かって突出し且つ前記本体部に連続する凸部とを有し、前記金属プレートの前記接合部が、少なくとも表面の一部に、凹凸又は多孔質である微細構造を有することを特徴としている。
本発明に係わる複合体は、接合部に他部材を重ねて被溶接部に溶接を行うことにより、他部材と接合される。溶接は、代表的にスポット溶接である。その際、複合体は、樹脂製の補強部材が、前記金属プレートの前記接合部を含まない領域を被覆する本体部を有するので、この本体部では、溶接の熱影響が回避される。また、複合体は、補強部材が、本体部から被溶接部に至る方向において、前記被溶接部を中心とする円形を成す溶接の熱影響範囲の外側で被溶接部の側方に向かって突出し且つ本体部に連続する凸部を有するので、この凸部により、熱影響を抑制しつつ金属プレートと補強部材との接触面積を補完的に確保する。そして、前記金属プレートの前記接合部が、少なくとも表面の一部に、凹凸又は多孔質である微細構造を有するので、接合部の表面積が増大する。
このようにして、本発明に係わる複合体は、金属プレートと樹脂製の補強部材とを備えた複合体において、溶接の熱影響による補強部材の劣化を防止しつつ、金属プレートと補強部材との一体化による強度を確保することができる。また、複合体は、凹凸又は多孔質である微細構造により、接合部の表面積を増大させて、溶接時の放熱効果を高め、溶接の熱影響による補強部材の劣化をより確実に防止することができる。
本発明に係わる複合体の第1実施形態を説明する平面図である。 図1に示す複合体のX-X線矢視に基づく断面図である。 従来例として、金属プレートと補強部材の接合範囲と、被溶接部との位置関係を示す断面図及び平面図である。 本発明の実施形態として、金属プレートと補強部材の接合範囲と、被溶接部との位置関係を示す断面図及び平面図である。 本発明の他の実施形態として、金属プレートと補強部材の接合範囲と、被溶接部との位置関係を示す断面図及び平面図である。 接合部の微細構造を示す断面図である。 微細構造の空処に樹脂を充填した状態を示す断面図である。 被溶接部から補強部材に至る距離と接合強度との関係を示すグラフである。 図8に示す比較例1~3及び実施例の夫々の複合体を説明する平面図(A)~(D)である。 本発明に係わる複合体の第2実施形態を説明する平面図である。 図7に示す複合体のX-X線矢視に基づく断面図である。 本発明に係わる複合体の第3実施形態を説明する平面図である。 本発明に係わる複合体の第4実施形態を説明する平面図である。
〈第1実施形態〉
図1に一部を示す複合体Aは、金属プレート1と、金属プレート1を被覆する樹脂製の補強部材2を備えている。この実施形態の複合体Aは、図2に示すように、金属プレート1の片面に補強部材2を備えている。
複合体Aの金属プレート1は、材料や全体形状がとくに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム合金であって、平面状の他、プレス加工等により三次元形状に成形したものであっても良い。
他方、補強部材2は、図示例では一定の厚さを有するが、部分的に厚さが異なるのでも良い。また、補強部材2の材料である樹脂は、繊維強化樹脂(FRP)を含み、とくに、複合体Aが車両部品である場合には、代表的に、炭素繊維を用いた炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)が用いられる。
金属プレート1は、その端部に、表面(金属表面)を露出させた接合部11を有している。接合部11は、金属プレート1の縁に沿って、図2に示す他部材Bとの被溶接部3を所定間隔で有している。被溶接部3には、後記するスポット溶接が行われる。
また、接合部11には、各被溶接部3を中心とする溶接の熱影響範囲4が夫々設定してある。熱影響範囲4は、補強部材2を形成する樹脂に劣化等の熱影響を及ぼす可能性がある範囲であり、溶接の熱が放射状に広がるので、被溶接部3を中心とするほぼ円形の範囲である。
この熱影響範囲4は、スポット溶接の条件、金属プレート1及び補強部材2の材料や厚さ、被溶接部3の間隔、並びに要求強度などを考慮して設定することができ、試験的に求めることも当然可能である。
上記の複合体Aは、補強部材2が、熱影響範囲4を含まない領域を被覆する本体部5と、本体部5から被溶接部3に至る方向において、被溶接部3の側方に向かって突出し且つ本体部5に連続する凸部6とを有している。本体部5は、金属プレート1を被覆する主要部分であって、図1では、各熱影響範囲4の輪郭に接する共通の直線5A、又は輪郭から僅かに離間した共通の直線5Aよりも下側の領域(反接合部11側の領域)である。
また、各凸部6は、本体部5から被溶接部3に至る方向(図1中で上方向)において、被溶接部3の側方の位置、すなわち、各被溶接部3の配列中心線7と熱影響範囲4の輪郭(点線円)との交点付近の位置に頂点を有し、本体部5との連続部分を底辺とする略三角形状を成している。これらの凸部6は、熱影響範囲4を除く範囲を被覆している。
これにより、複合体Aは、補強部材2の接合部11側の端部が、熱影響範囲4の配列に基づく波形状を成している。この実施形態では、補強部材2の端部が、熱影響範囲4の半円に相当する円弧を並べて、全体として波形状を成している。つまり、複合体Aにおける波形状は、基本的に凹凸を連続的に繰り返す形状であって、熱影響範囲4の配置や凸部6の形状により決定される。
上記構成を備えた複合体Aは、例えば、射出成形により製造することができる。射出成形に用いる金型は、複合体Aの大きさ及び形状のキャビティを有する。また、金属プレート1は、補強部材2との接合強度をより高めるために、予め、表面に粗面化処理を施しておくことも有効である。
そして、射出成形では、金型内に金属プレート1を配置し、残るキャビティ(補強部材の成形空間)に溶融樹脂を加圧充填する。これにより、金属プレート1と樹脂製の補強部材2とを一体化した複合体Aが得られる。
そして、上記の複合体Aは、図2に示すように、接合部11に他部材Bを重ねて被溶接部3にスポット溶接を行うことにより、他部材Bと接合する。その際、複合体Aは、樹脂製の補強部材2が、被溶接部3を中心とする熱影響範囲4を含まない領域を被覆する本体部5を有するので、この本体部5では、補強部材2に対する溶接の熱影響が回避される。
また、複合体Aは、補強部材2が、本体部5から被溶接部3に至る方向において、被溶接部3の側方に向かって突出し且つ本体部5に連続する凸部6を有するので、凸部6により、熱影響を抑制しつつ金属プレート1と補強部材2との接触面積を補完的に確保する。
このように、複合体Aは、金属プレート1と樹脂製の補強部材2とを備えた複合体において、補強部材2が本体部5と凸部6とを有する構成にし、また、補強部材2の端部が熱影響範囲4の配列に基づく波形状を成している構成にしている。これにより、複合体Aは、溶接の熱影響による補強部材2の劣化を防止しつつ、金属プレート1と補強部材2との一体化による強度をに確保することができる。
ここで、図3~図5は、金属プレート1と補強部材2の接合範囲CAと、被溶接部3との位置関係を示す図である。なお、実際の複合体Aは、図2に示すように、金属プレート1の接合部11を除く領域が補強部材2により被覆される。これに対して、図3~図5では、説明の都合上、金属プレート1及び補強部材2の一部同士を接合してこれを接合範囲CAとし、金属プレート1に他部材Bをスポット溶接(図3中の矢印)した場合を示している。
図3に示す複合体Aは、従来例として、補強部材2が熱影響範囲4を含まない領域を被覆する本体部5のみを有する構造を有しており、金属プレート1と補強部材2との重なる部分が接合範囲CAである。
図4示す複合体Aは、本発明の実施形態として、補強部材2が本体部5及び凸部6を有する構造を有している。この複合体Aは、図3に示す従来例に比べて、接合範囲CAが大きいことが一目瞭然であり、溶接の熱影響による補強部材2の劣化を防止しつつ、金属プレート1と補強部材2との一体化による強度がより一層向上する。
図5に示す複合体Aは、本発明の他の実施形態として、補強部材2が本体部5及び凸部6を有する構造を有しており、図3に示す従来例に比べて、被溶接部3が補強部材3側にずれている。このため、複合体Aは、本体部5も補強部材3側にずれるが、凸部6により、充分な接合範囲CAを補完的に確保している。
このように、本発明に係わる複合体Aは、被溶接部3の位置を変えても、熱影響による補強部材2の劣化を防止しつつ、金属プレート1と補強部材2との充分な接合面積CAを確保し得る。これにより、複合体Aは、スポット溶接位置(打点)の設定の自由度が高められ、ひいては他部材Bをも含む設計の自由度を高めることができる。
また、本発明に係わる複合体Aは、より好ましい実施形態として、図6に接合部11の一部を示すように、接合部11の少なくとも表面の一部に、凹凸又は多孔質である微細構造Mを有する構造にする。これにより、複合体Aは、接合部11の表面積を増大させて、溶接時の放熱効果を高め、溶接の熱影響による補強部材2の劣化をより確実に防止することができる。
さらに、本発明に係わる複合体Aは、より好ましい実施形態として、図7に接合部11の一部を示すように、上記の微細構造Mが、表面を露出させると共に、その空処Pに充填した樹脂Rを含む構造にする。これにより、複合体Aは、接合部11の表面における熱の侵入を抑制若しくは遮断して、溶接の熱影響による補強部材2の劣化をより確実に防止する。
上記接合部11の微細構造Mは、例えば、ブラスト処理、レーザ加工、及び化成処理等により形成することができ、また、空処Pに樹脂Rを充填した構造では、樹脂の充填後、表面を研磨して平滑化しても良い。
さらに、本発明に係わる複合体Aは、より好ましい実施形態として、接合部11の表面に、金属酸化物(図示略)が形成してある構造にする。これにより、複合体Aは、接合部11の表面における熱伝導を抑制若しくは遮断して、溶接の熱影響による補強部材2の劣化をより確実に防止する。
さらに、本発明に係わる複合体Aは、熱影響範囲4と補強部材2とが、部分的に重複している構造にすることができる。また、補強部材2は、被溶接部3との距離が短い方が、樹脂の結晶性が高い構造にすることができる。本発明に係わる複合体Aは、熱影響による樹脂製の補強部材3の劣化を防ぐことが主目的であるが、被溶接部3と補強部材2との距離(熱影響範囲4の大きさ)を適切に設定することで、樹脂のアニール効果が得られる。
すなわち、成形後の樹脂は、所定の熱を付与することにより、結晶性が高まり、接合強度が向上することが周知である。そこで、本発明に係わる複合体Aは、補強部材2の一部に溶接による熱を付与して樹脂のアニール効果を発現させ、金属プレート1と補強部材2との接合強度をより一層向上させる。
このため、複合体Aでは、熱影響範囲4を設定する際、本体部5から連続して突出する凸部6の形状や大きさを選択して、熱影響範囲4と補強部材2とが部分的に重複するようにし、この重複部分で樹脂のアニール効果を発現させる。
換言すれば、複合体Aは、アニール効果が得られるように熱影響範囲4の大きさや形状を設定する。そして、補強部材2は、被溶接部3との距離が短い方が、樹脂の結晶性が高い構造になり、金属プレート1との接合強度がより一層向上したものとなる。
図8のグラフは、被溶接部3から補強部材2に至る距離と、金属プレート1及び補強部材2の接合強度との関係を示すグラフである。接合強度は、例えば、図9(A)~(D)に示すような金属プレート1及び補強部材2に相当する夫々の試験片を端部同士で一体化し、金属プレート1の試験片に他部材に相当する試験片をスポット溶接した後、引張試験機を用いて、金属と樹脂との一体化部分に引張荷重を付与し、一体化部分が破断した際の荷重である。
図9(A)に示す比較例1の複合体は、補強部材2が本体部5のみで、凸部(6)が無いものであり、被溶接部3から補強部材2に至る距離が短く、被溶接部3が補強部材2の縁の脇にある。この比較例1の複合体では、補強部材3が溶接の熱影響により劣化し、接合強度が低くなる。
図9(B)に示す比較例2の複合体は、補強部材2が本体部5のみで、凸部(6)が無いものであり、被溶接部3から補強部材2に至る距離が比較例1よりも若干長く、被溶接部3が補強部材2の近傍にある。比較例2の複合体では、比較例1と同様に、補強部材3が溶接の熱影響により劣化し、接合強度が低くなる。
図9(C)に示す比較例3の複合体は、補強部材3が本体部5のみで、凸部(6)が無いものであり、被溶接部3から補強部材2に至る距離が長く、熱影響範囲4と補強部材2とが離れている。比較例3の複合体では、補強部材3が溶接の熱影響を受けない分だけ、比較例1及び2よりも大きい接合強度が得られる。なお、被溶接部3から補強部材2に至る距離が離れるほど、補強部材2と金属プレート1との接触面積が減少するため、接合強度が低下する。
図9(D)に示す実施例の複合体は、補強部材2が本体部5及び凸部6を有するものであり、被溶接部3から補強部材2に至る距離が適切に設定してある。実施例の複合体では、補強部材2が劣化するような熱影響が抑制されるうえに、凸部6により金属プレート1と補強部材2との接合強度が補完的に確保される。
しかも、実施例の複合体は、熱影響範囲4の大きさ等を適切に設定することで、樹脂のアニール効果の発現が期待できる。これにより、実施例の複合体は、比較例1~3に比べて、金属プレート1と補強部材2との接合強度が明らかに向上している。
〈第2実施形態〉
図10及び図11に示す複合体Aは、第1実施形態と同様の基本構成を有している。図示の複合体Aは、金属プレート1と樹脂製の補強部材2とを備えている。金属プレート1は、接合部11を有し、接合部11に、複数の被溶接部3を有すると共に、各被溶接部3を中心とする溶接の熱影響範囲4が夫々設定してある。
また、複合体Aは、補強部材2が、熱影響範囲4を含まない領域を被覆する本体部5と、この本体部5から被溶接部3に至る方向において、熱影響範囲4を避けるようにして被溶接部3の側方に向かって突出する凸部6とを有している。この実施形態における凸部6は、被溶接部3の側方に向かう位置として、隣接する被溶接部3,3同士の間の位置に向かって突出する矩形の範囲である。
これにより、複合体Aは、補強部材2の接合部11側の端部が、熱影響範囲4の配列に基づく波形状を成している。つまり、この実施形態の複合体Aは、凸部6の形状により、補強部材2の端部が、凹凸を連続させた波形状を成している。
上記の複合体Aは、図11に矢印で示すスポット溶接により、接合部11に他部材Bが接合される。この複合体Aは、第1実施形態と同様に、本体部5では、補強部材2に対する溶接の熱影響が回避されると共に、凸部6により、熱影響を抑制しつつ金属プレート1と補強部材2との接触面積を補完的に確保することができる。
〈第3実施形態〉
図12に示す複合体Aは、先の実施形態と同様の基本構成を有し、金属プレート1と樹脂製の補強部材2とを備えている。金属プレート1は、接合部11を有し、接合部11に、複数の被溶接部3を有すると共に、各被溶接部3を中心とする溶接の熱影響範囲4が夫々設定してある。
また、複合体Aは、補強部材2が、熱影響範囲4を含まない領域を被覆する本体部5と、この本体部5から被溶接部3に至る方向において、被溶接部3の側方に向かって突出し且つ本体部5に連続する凸部6とを有している。凸部6は、被溶接部3の側方の位置として、隣接する被溶接部3,3同士の間の位置に頂点が突出する三角形の範囲である。
これにより、複合体Aは、補強部材2の接合部11側の端部が、熱影響範囲4の配列に基づく波形状を成している。つまり、この実施形態の複合体Aは、凸部6の形状により、補強部材2の端部が、ジグザグの波形状を成している。また、複合体Aは、先述した樹脂のアニール効果を発現し得る熱影響範囲4を設定し、熱影響範囲4と補強部材2との一部同士が重なる重複範囲RAを有している。
上記の複合体Aは、接合部11に他部材(B)が接合され、先の実施形態と同様に、本体部5では、補強部材2に対する溶接の熱影響が回避されると共に、凸部6により、熱影響を抑制しつつ金属プレート1と補強部材2との接触面積を補完的に確保することができる。また、複合体Aは、熱影響範囲4と樹脂製の補強部材2との重複範囲RAにおいて樹脂のアニール効果を発現し、金属プレート1と補強部材2との接合強度のさらなる向上を実現する。
〈第4実施形態〉
図13に示す複合体Aは、先の実施形態と同様の基本構成を有し、金属プレート1と樹脂製の補強部材2とを備えている。金属プレート1は、接合部11を有し、接合部11に、複数の被溶接部3を有すると共に、各被溶接部3を中心とする溶接の熱影響範囲4が夫々設定してある。
また、複合体Aは、補強部材2が、熱影響範囲4を含まない領域を被覆する本体部5と、この本体部5から被溶接部3に至る方向において、熱影響範囲4を避けるようにして被溶接部3の側方に向かって突出し且つ本体部5に連続する凸部6とを有している。この実施形態における凸部6は、被溶接部3の側方の位置として、隣接する被溶接部3,3同士の間の位置に山部の頂点が突出する概略三角形の範囲である。
これにより、複合体Aは、凸部6の形状により、補強部材2の接合部11側の端部が、熱影響範囲4の配列に基づく波形状を成している。つまり、この実施形態の複合体Aは、補強部材2の端部が、曲線から成る波形状である。
上記の複合体Aは、接合部11に他部材(B)が接合され、先の実施形態と同様に、本体部5では、補強部材2に対する溶接の熱影響が回避されると共に、凸部6により、熱影響を抑制しつつ金属プレート1と補強部材2との接触面積を補完的に確保することができる。
本発明に係わる複合体は、その構成が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更したり、各実施形態の構成を組み合わせたりすることが可能である。また、熱影響領域の大きさや、補強部材の端部である波形状は、金属プレートの材質や厚さ、補強部材に用いる樹脂の種類、溶接温度、被溶接部の配置、及び要求強度等の諸条件を考慮して適宜選択することが可能である。
A 複合体
B 他部材
M 微細構造
P 空処
R 樹脂
RA 熱影響範囲と補強部材との重複範囲
1 金属プレート
2 補強部材
3 被溶接部
4 熱影響範囲
5 本体部
6 凸部
11 接合部

Claims (5)

  1. 金属プレートと、前記金属プレートを被覆する樹脂製の補強部材とを備えた複合体であって、
    前記金属プレートが、表面を露出させた接合部を有すると共に、前記接合部に、他部材との被溶接部を有し
    記補強部材が、前記金属プレートの前記接合部を含まない領域を被覆する本体部と、前記本体部から前記被溶接部に至る方向において、前記被溶接部を中心とする円形を成す溶接の熱影響範囲の外側で前記被溶接部の側方に向かって突出し且つ前記本体部に連続する凸部とを有し、
    前記金属プレートの前記接合部が、少なくとも表面の一部に、凹凸又は多孔質である微細構造を有することを特徴とする複合体。
  2. 金属プレートと、前記金属プレートを被覆する樹脂製の補強部材とを備えた複合体であって、
    前記金属プレートが、表面を露出させた接合部を有すると共に、前記接合部に、他部材との被溶接部を有し
    記補強部材の前記接合部側の端部が、前記被溶接部を中心とする円形を成す溶接の熱影響範囲の外側で、溶接の熱影響範囲の円弧に沿った波形状を成し
    前記金属プレートの前記接合部が、少なくとも表面の一部に、凹凸又は多孔質である微細構造を有していることを特徴とする複合体。
  3. 前記補強部材の樹脂が劣化していないことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 前記接合部の微細構造が、表面を露出させると共に、その空処に充填した樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合体。
  5. 前記接合部の表面に、金属酸化物が形成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合体。
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