JP7200450B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置に関するものである。
現在、照明、溶接、殺菌、表面処理、有機物分解等の様々な分野でプラズマが利用されている。プラズマを気圧によって分類すると、蛍光灯のように低圧の気体中で得られる低気圧プラズマと、大気圧付近の高気圧下の気体中で得られる大気圧プラズマに分類される。また、近年は、液体中で得られる液中プラズマも注目されている。液中プラズマは、液体への通電によってジュール熱で液体を気化させ、その気体の中でプラズマを発生させる。
一般的に大気圧プラズマは高温になり易いが、電極に対して電圧の印加と停止を短い時間で繰り返し、パルス状に気体を放電させると、正イオン及び気体粒子の温度上昇が抑制され、低温の大気圧プラズマを発生させることができる。同様の原理によって、低温の液中プラズマも発生させることができる。但し、電流が大きくなり過ぎると、グロー放電からアーク放電に移行し、高温の熱が出てしまう。そこで、高温の熱による電極の劣化等を防止するため、電極に流れる電流を制限し、グロー放電を維持する必要がある。
例えば、特許文献1には、液中プラズマを発生させるために、高電圧パルスを連続印加する電源装置が開示されている。また、例えば、特許文献2には、気体中でグロー放電を起こしてプラズマを発生させるプラズマ発生用電源装置において、安定したプラズマ環境を生成することによってアーク放電の発生を防止する技術が開示されている。
このようにグロー放電を維持し、プラズマを間欠的に発生させるためのプラズマ発生装置の基本構成の一例として、スイッチング回路と、一次側にスイッチング回路が接続され、二次側に電極が接続されるトランスと、トランスの一次側に流れる電流を制限する電流制限インダクタと、を備えるものがある。プラズマ発生装置は非常に大きな電力を扱うため、スイッチング回路としては、大電力に対応可能なフルブリッジ型又はプッシュプル型が用いられる。例えば、プッシュプル型のスイッチング回路の場合、スイッチがオンからオフになる瞬間、過渡的に電圧が急上昇する。そのため、従来は、CRスナバ回路を用いてスイッチング回路等の損傷を防いでいた。
特開2012-018890号公報 特開2005-149761号公報
しかしながら、CRスナバ回路を用いる場合、高電圧の電力が熱として処理されるだけなので、エネルギーが有効に活用されていない。
また、プラズマ発生装置によって発生するプラズマを用いた処理では、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長い程、処理能力が向上する。従って、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長いプラズマ発生装置が望まれている。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、エネルギー効率が高く、かつ単位時間当たりのプラズマの発生時間が長いプラズマ発生装置を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、直流電力を供給する電源と、前記電源に接続される一次側の第1一次巻線及び第2一次巻線、並びに前記電極に接続される二次側の二次巻線を有するトランスと、前記第1一次巻線と前記電源との間に接続される第1スイッチング回路と、前記第2一次巻線と前記電源との間に接続される第2スイッチング回路と、前記第1スイッチング回路及び前記第2スイッチング回路を相補的にオン/オフするように駆動するパルスを生成するパルス生成回路と、前記第1一次巻線と前記電源との間に接続される第1電流制限インダクタと、前記第2一次巻線と前記電源との間に接続される第2電流制限インダクタと、を備え、前記第1電流制限インダクタ及び前記第2電流制限インダクタは、互いに磁気的に結合しており、前記第1スイッチング回路又は前記第2スイッチング回路のいずれか一方がオンになると、前記第1電流制限インダクタ又は前記第2電流制限インダクタのいずれか一方を介して電流が流れ、前記トランスに電力が供給されるとともに、前記第1電流制限インダクタ又は前記第2電流制限インダクタに電力が蓄積され、前記第1スイッチング回路又は前記第2スイッチング回路のいずれか一方がオンからオフに変わると、前記第1電流制限インダクタ又は前記第2電流制限インダクタのいずれか一方に蓄積されている電力が他方に移動し、前記電源に回生され、前記トランスに電力が供給されることを特徴とするプラズマ発生装置である。本発明によって、第1電流制限インダクタ又は第2電流制限インダクタに蓄積される電力が回生され、プラズマの発生に活用されるため、エネルギー効率が高まる。更に、パルスがオフの間もプラズマが発生するので、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。
前記第1スイッチング回路及び前記第2スイッチング回路は、それぞれダイオードを有し、前記電源に回生される電力は、前記ダイオードを介して前記トランスに供給されるようにしても良い。これによって、回路の基本構成が簡易となり、回路の設計が容易となる。
また、前記電源に回生される電力がなくなると、前記ダイオードの逆回復特性によって、前記ダイオードの順方向とは逆向きに前記電源から電流が流れ、前記トランスに電力が供給されるようにしても良い。これによって、更に、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。
本発明により、エネルギー効率が高く、かつ単位時間当たりのプラズマの発生時間が長いプラズマ発生装置を提供することができる。
プラズマ発生装置の構成を示す回路図 パルスのタイミングチャートと電流波形を示す図 動作モードAを説明する図 動作モードBを説明する図 動作モードCを説明する図 動作モードDを説明する図 動作モードEを説明する図 動作モードFを説明する図 逆回復時間が長いダイオードを使用した場合におけるパルスのタイミングチャートと電流波形を示す図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、プラズマ発生装置の構成を示す回路図である。本発明の実施形態におけるプラズマ発生装置10は、大気圧中又は液体中の一対の電極20に電圧を印加してプラズマを発生させる装置であり、特に、電極20に対して電圧の印加と停止を短い時間で繰り返し、低温の大気圧プラズマ又は低温の液中プラズマを発生させる装置である。
図1に示すように、プラズマ発生装置10は、直流電力を供給する電源30と、電源30に接続される一次側の第1一次巻線NP1及び第2一次巻線NP2、並びに電極20に接続される二次側の二次巻線NSを有するトランスTRと、第1一次巻線NP1と電源30との間に接続される第1スイッチング回路SW1と、第2一次巻線NP2と電源30との間に接続される第2スイッチング回路SW2と、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2を相補的にオン/オフするように駆動するパルスを生成するパルス生成回路PGと、を備える。
第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2は、それぞれ第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を有する。第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2は、アノードがソース側、カソードがドレイン側に接続される。第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2は、例えば、寄生ダイオードを有するMOSFET(電界効果トランジスタ)やSiCMOSFET(シリコンカーバイド電界効果トランジスタ)を用いて構成しても良いし、寄生ダイオードを有さないIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いて構成しても良い。但し、IGBTの場合、外付けでダイオードを並列に接続し、図中の記号を読み替えて解釈する。同様に、寄生ダイオードを有する他の半導体素子や、寄生ダイオードを有さない他の半導体素子に外付けでダイオードを並列に接続することによって、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2を構成しても良い。
更に、プラズマ発生装置10は、電極20に流れる電流を制限するため、第1一次巻線NP1と電源30との間に接続される第1電流制限インダクタL1と、第2一次巻線NP2と電源30との間に接続される第2電流制限インダクタL2と、を備える。ここで、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2は、同一のコアに巻き線を巻いたものであり、互いに磁気的に結合している。
第1一次巻線NP1及び第2一次巻線NP2の巻き方向は互いに反対であり、それ以外の構成は同一である。同様に、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2の巻き方向は互いに反対であり、それ以外の構成は同一である。また、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2は同一の構成である。
トランスTRの第1一次巻線NP1は、一端が第1電流制限インダクタL1に接続され、他端が第1スイッチング回路SW1のドレインに接続されている。トランスTRの第2一次巻線NP2は、一端が第2電流制限インダクタL2に接続され、他端が第2スイッチング回路SW2のドレインに接続されている。第1スイッチング回路SW1のソース及び第2スイッチング回路SW2のソースは、電源30の負極に接続されている。第1スイッチング回路SW1のゲート及び第2スイッチング回路SW2のゲートは、パルス生成回路PGに接続されている。電源30の正極は、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2に接続されている。一対の電極20は、トランスTRの二次巻線NSの両端に接続されている。
図2は、パルスのタイミングチャートと電流波形を示す図である。図2に示すように、パルス生成回路PGは、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2を相補的にオン/オフするために、同じオン/オフ比で、互いに位相を180度ずらして、振幅が同一、正負が互いに反対の第1パルスP1及び第2パルスP2を生成する。第1パルスP1が正、第2パルスP2が負である。図2に示すA~Fは、プラズマ発生装置10の動作モードを示している。
以下では、図3~図8を参照しながら、図2に示すプラズマ発生装置10の動作モードA~Fについて説明する。図3~図8に示す記号Iは、電極20に流れる電流を示している。
図3は、動作モードAを説明する図である。動作モードAでは、第1パルスP1がオン、第2パルスP2がオフである。第1スイッチング回路SW1がオンになると、電源30から第1電流制限インダクタL1、トランスTRの第1一次巻線NP1及び第1スイッチング回路SW1を経由して電流が流れ、トランスTRの第1一次巻線NP1に電力が供給される。そして、トランスTRにおいて第1一次巻線NP1と二次巻線NSとの巻線比に応じて電圧が昇圧され、昇圧された電圧が電極20に印加される。更に、電極20に流れる電流が所定の大きさを超えると、電極20が放電し、プラズマが発生する。正の第1パルスP1がオンのとき、電流Iは正である。第1電流制限インダクタL1によって制限されるため、電流Iの波形は徐々に立ち上がり、図2に示すように三角波形状となる。また、第1電流制限インダクタL1には電力が蓄積される。
図4は、動作モードBを説明する図である。動作モードBでは、第1パルスP1がオフ、第2パルスP2がオフである。第1スイッチング回路SW1がオフになると、第1電流制限インダクタL1に電流が流れなくなり、第1電流制限インダクタL1に蓄積されている電力が第2電流制限インダクタL2に移動する。これは、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2が磁気的に結合しているためである。移動された電力は、第2電流制限インダクタL2から電源30に回生され、第2スイッチング回路SW2の第2ダイオードD2を介してトランスTRの第2一次巻線NP2に供給される。そして、トランスTRにおいて第2一次巻線NP2と二次巻線NSとの巻線比に応じて電圧が昇圧され、昇圧された電圧が電極20に印加される。更に、電極20に流れる電流が所定の大きさを超えると、電極20が放電し、プラズマが発生する。
このように、動作モードBにおいて、第1電流制限インダクタL1に蓄積される電力が回生され、プラズマの発生に活用されるため、エネルギー効率が高まる。また、従来のようにCRスナバ回路を用いる場合、次のパルスがオンになるまでプラズマが発生しないが、本実施の形態におけるプラズマ発生装置10では、第1パルスP1及び第2パルスP2の両方がオフである動作モードBにおいてもプラズマが発生するので、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。
図5は、動作モードCを説明する図である。動作モードCでは、第1パルスP1がオフ、第2パルスP2がオフである。電源30に回生される電力がなくなると、第2スイッチング回路SW2の第2ダイオードD2の逆回復特性によって、第2ダイオードD2の順方向とは逆向きに電源30から電流が流れ、トランスTRの第2一次巻線NP2に電力が供給される。そして、トランスTRにおいて第2一次巻線NP2と二次巻線NSとの巻線比に応じて電圧が昇圧され、昇圧された電圧が電極20に印加される。更に、電極20に流れる電流が所定の大きさを超えると、電極20が放電し、プラズマが発生する。
一般に、ダイオードの逆回復特性は、回路の動作に悪影響を与えることが多いため、積極的に活用されることはない。しかしながら、プラズマの発生においては、正の電流と負の電流の両方が寄与することから、本発明の実施の形態では、ダイオードの逆回復特性を積極的に活用している。これによって、第1パルスP1及び第2パルスP2の両方がオフである動作モードCにおいてもプラズマが発生するので、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。特に、プラズマは、一度消失してから時間が経過してしまうと再び発生させることが困難であるが、消失してすぐであれば、再び発生させることが容易であるため、ダイオードの逆回復特性の活用が極めて有効である。
図6は、動作モードDを説明する図である。動作モードDでは、第1パルスP1がオフ、第2パルスP2がオンである。第2スイッチング回路SW2がオンになると、電源30から第2電流制限インダクタL2、トランスTRの第2一次巻線NP2及び第2スイッチング回路SW2を経由して電流が流れ、トランスTRの第2一次巻線NP2に電力が供給される。そして、トランスTRにおいて第2一次巻線NP2と二次巻線NSとの巻線比に応じて電圧が昇圧され、昇圧された電圧が電極20に印加される。更に、電極20に流れる電流が所定の大きさを超えると、電極20が放電し、プラズマが発生する。負の第2パルスP2がオンのとき、電極20に流れる電流Iは負である。第2電流制限インダクタL2によって電流が制限されるため、電流Iの波形は徐々に立ち下がり、図2に示すように三角波形状となる。また、第2電流制限インダクタL2には電力が蓄積される。
図7は、動作モードEを説明する図である。動作モードEでは、第1パルスP1がオフ、第2パルスP2がオフである。第2スイッチング回路SW2がオフになると、第2電流制限インダクタL2に電流が流れなくなり、第2電流制限インダクタL2に蓄積されている電力が第1電流制限インダクタL1に移動する。これは、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2が磁気的に結合しているためである。移動された電力は、第1電流制限インダクタL1から電源30に回生され、第1スイッチング回路SW1の第1ダイオードD1を介してトランスTRの第1一次巻線NP1に供給される。そして、トランスTRにおいて第1一次巻線NP1と二次巻線NSとの巻線比に応じて電圧が昇圧され、昇圧された電圧が電極20に印加される。更に、電極20に流れる電流が所定の大きさを超えると、電極20が放電し、プラズマが発生する。
このように、本発明の実施の形態では、動作モードBと同様、動作モードEにおいても、第2電流制限インダクタL2に蓄積されている電力が回生され、プラズマの発生に活用されるため、エネルギー効率が高い。また、本実施の形態では、第1パルスP1及び第2パルスP2の両方がオフである動作モードEにおいてもプラズマが発生するので、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長い。
図8は、動作モードFを説明する図である。動作モードFでは、第1パルスP1がオフ、第2パルスP2がオフである。電源30に回生される電力がなくなると、第1スイッチング回路SW1の第1ダイオードD1の逆回復特性によって、第1ダイオードD1の順方向とは逆向きに電源30から電流が流れ、トランスTRの第1一次巻線NP1に電力が供給される。そして、トランスTRにおいて第1一次巻線NP1と二次巻線NSとの巻線比に応じて電圧が昇圧され、昇圧された電圧が電極20に印加される。更に、電極20に流れる電流が所定の大きさを超えると、電極20が放電し、プラズマが発生する。
本発明の実施の形態では、動作モードCと同様、動作モードFにおいても、ダイオードの逆回復特性を積極的に活用している。これによって、第1パルスP1及び第2パルスP2の両方がオフである動作モードFにおいてもプラズマが発生するので、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。特に、プラズマは、一度消失してから時間が経過してしまうと再び発生させることが困難であるが、消失してすぐであれば、再び発生させることが容易であるため、ダイオードの逆回復特性の活用が極めて有効である。
ここで、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2の逆回復時間について説明する。図2に示す電流Iの波形は、第1スイッチング回路SW1の第1ダイオードD1と第2スイッチング回路SW2の第2ダイオードD2の逆回復時間が短い場合を示している。プラズマは、電極20に流れる電流Iが所定の大きさを越えなければ発生しないため、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2の逆回復時間が短すぎると、動作モードC及びFにおいてプラズマが発生しないことがある。
図9は、逆回復時間が長いダイオードを使用した場合におけるパルスのタイミングチャートと電流波形を示す図である。図9に示す例では、第1スイッチング回路SW1の第1ダイオードD1と第2スイッチング回路SW2の第2ダイオードD2の逆回復時間が、第1パルスP1及び第2パルスP2のパルス幅と同程度である。図9の例では、動作モードC及びFにおいても、電極20に流れる電流Iが所定の大きさを越えるので、プラズマが発生する。
逆回復時間が長いダイオードとしては、例えば、MOSFET(電界効果トランジスタ)の寄生ダイオードが挙げられる。MOSFETの寄生ダイオードの逆回復時間は、概ね0.5μs~2.0μsである。安価なMOSFETを用いて第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2を構成することによって、コストを抑えながら、動作モードC及びFにおけるプラズマの発生を実現することができる。また、例えば、寄生ダイオードを有さないIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いる場合、外付けで逆回復時間が長いダイオードを並列に接続しても良い。
以上のように、本発明の実施の形態におけるプラズマ発生装置10は、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2が互いに磁気的に結合している。そして、第1スイッチング回路SW1又は第2スイッチング回路SW2のいずれか一方がオンになると、第1電流制限インダクタL1又は第2電流制限インダクタL2のいずれか一方を介して電流が流れ、トランスTRに電力が供給されるとともに、第1電流制限インダクタL1又は第2電流制限インダクタL2に電力が蓄積される。更に、第1スイッチング回路SW1又は第2スイッチング回路SW2のいずれか一方がオンからオフに変わると、第1電流制限インダクタL1又は第2電流制限インダクタL2のいずれか一方に蓄積されている電力が他方に移動し、電源30に回生され、トランスTRに電力が供給される。従って、第1電流制限インダクタL1又は第2電流制限インダクタL2に蓄積される電力が回生され、プラズマの発生に活用されるため、エネルギー効率が高まる。更に、パルスがオフの間もプラズマが発生するので、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。
また、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2は、それぞれ第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を有し、電源30に回生される電力は、第1ダイオードD1又は第2ダイオードD2を介してトランスTRに供給される。これによって、回路の基本構成が簡易となり、回路の設計が容易となる。
更に、電源30に回生される電力がなくなると、第1ダイオードD1又は第2ダイオードD2の逆回復特性によって、第1ダイオードD1又は第2ダイオードD2の順方向とは逆向きに電源30から電流が流れ、トランスTRに電力が供給される。これによって、更に、単位時間当たりのプラズマの発生時間が長くなる。
尚、本発明の実施の形態では、正の電流と負の電流が同程度に電極20に流れる(図2及び図9参照)。これは、第1一次巻線NP1及び第2一次巻線NP2の巻き方向が互いに反対であり、それ以外の構成が同一であること、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2の巻き方向が互いに反対であり、それ以外の構成が同一であること、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2が同一の構成であること、及び、パルス生成回路PGが、同じオン/オフ比で、互いに位相を180度ずらして、振幅が同一、正負が互いに反対の第1パルスP1及び第2パルスP2を生成することによる。例えば、液体中の電極20にプラズマを発生させる場合、正又は負の一方の電流だけであれば、液体のイオンの極性が偏り、不具合が生じる可能性があるが、本発明の実施の形態によれば、そのような不具合が生じることはない。
また、電力を回生する方法として、トランスTRの第1一次巻線NP1及び第2一次巻線NP2を磁気的に結合する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、若干の漏れインダクタンスが電流制限に寄与するものの、電流を意図した値に制限することは困難である。一方、本発明の実施の形態では、トランスTRとは別に、第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2を設けている。これにより設計どおりのインダクタンスをL1とL2に持たせることが可能となる。この結果、意図した値で電流制限が可能となることから、グロー放電を維持し、温度上昇を防ぐことができる。さらに第1電流制限インダクタL1及び第2電流制限インダクタL2は磁気結合しているため、電力の回生も行われている。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るプラズマ発生装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10………プラズマ発生装置
20………電極
30………電源
NP1………第1一次巻線
NP2………第2一次巻線
NS………二次巻線
TR………トランス
SW1………第1スイッチング回路
SW2………第2スイッチング回路
PG………パルス生成回路
L1………第1電流制限インダクタ
L2………第2電流制限インダクタ
D1………第1ダイオード
D2………第2ダイオード
P1………第1パルス
P2………第2パルス
I………電流

Claims (3)

  1. 電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、
    直流電力を供給する電源と、
    前記電源に接続される一次側の第1一次巻線及び第2一次巻線、並びに前記電極に接続される二次側の二次巻線を有するトランスと、
    前記第1一次巻線と前記電源との間に接続される第1スイッチング回路と、
    前記第2一次巻線と前記電源との間に接続される第2スイッチング回路と、
    前記第1スイッチング回路及び前記第2スイッチング回路を相補的にオン/オフするように駆動するパルスを生成するパルス生成回路と、
    前記第1一次巻線と前記電源との間に接続される第1電流制限インダクタと、
    前記第2一次巻線と前記電源との間に接続される第2電流制限インダクタと、
    を備え、
    前記第1電流制限インダクタ及び前記第2電流制限インダクタは、互いに磁気的に結合しており、
    前記第1スイッチング回路又は前記第2スイッチング回路のいずれか一方がオンになると、前記第1電流制限インダクタ又は前記第2電流制限インダクタのいずれか一方を介して電流が流れ、前記トランスに電力が供給されるとともに、前記第1電流制限インダクタ又は前記第2電流制限インダクタに電力が蓄積され、
    前記第1スイッチング回路又は前記第2スイッチング回路のいずれか一方がオンからオフに変わると、前記第1電流制限インダクタ又は前記第2電流制限インダクタのいずれか一方に蓄積されている電力が他方に移動し、前記電源に回生され、前記トランスに電力が供給される
    ことを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. 前記第1スイッチング回路及び前記第2スイッチング回路は、それぞれダイオードを有し、
    前記電源に回生される電力は、前記ダイオードを介して前記トランスに供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
  3. 前記電源に回生される電力がなくなると、前記ダイオードの逆回復特性によって、前記ダイオードの順方向とは逆向きに前記電源から電流が流れ、前記トランスに電力が供給される
    ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
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JP2016150382A (ja) 2015-02-19 2016-08-22 株式会社ダイヘン プラズマ溶接用電源装置
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