JP7198077B2 - 固形筆記体 - Google Patents
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Description
特にシャープペンシル用の芯体など細径の芯として用いる場合、非焼成の芯においては、十分な強度を得ることができないなどの課題があった。
すなわち、本発明は、
「1.着色剤と、低密度ポリエチレンと、酸変性ポリオレフィンワックスと前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂との架橋物と、を含んでなることを特徴とする固形筆記体。
2.前記着色剤が機能性材料を内包したマイクロカプセル顔料を含んでなることを特徴とする第1項に記載の固形筆記体。
3.前記機能性材料が、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物からなる成分と、
(ロ)電子受容性化合物からなる成分と、
(ハ)前記(イ)成分および(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体と、
を含んでなる可逆熱変色性組成物であることを特徴とする第1項または第2項に記載の固形筆記体。
4.前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂の官能基が、エポキシ基、イソシアネート、アミン、アルコール性水酸基から選択される1または2以上であることを特徴とする第1項~第3項のいずれか1項に記載の固形筆記体。
5.前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂が、エポキシ基を含有する樹脂であることを特徴とする第1項~第4項のいずれか1項に記載の固形筆記体。
6.前記酸変性ポリオレフィンワックスが、カルボン酸変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする第1項~第5項のいずれか1項に記載の固形筆記体。
7.第1項~第6項に記載の固形筆記体の外径が0.3~3.5mmであることを特徴とする固形筆記体。
8.第7項に記載の固形筆記体をチャックを介して保持することを特徴とする筆記具。」に関する。
本発明に用いる架橋可能な樹脂の配合割合としては、固形筆記体全質量に対して、2~15質量%であることが好ましく、さらに3~10質量%であることがより好ましい。この範囲より小さいと、酸変性ポリオレフィンワックスとの架橋点が少なくなり、固形筆記体の強度の向上が見られにくい傾向となり、この範囲より大きいと十分な筆記濃度が得られにくくなる傾向が見られる。
両者を併用することで、濃度と強度の両方を相乗的に向上することができ、従来相反する関係にあった、強度と濃度の向上を同時に図ることができる。
本発明に用いる着色剤としては、固形筆記体に用いられている顔料、染料を用いることができる。染料としては、水溶性、油溶性のどちらの染料も用いることができる。具体的には、水溶性染料としては、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、分散染料、食用色素など各種染料が挙げられ、油溶性染料としては、フタロシアニン系染料、ピラゾロン系染料、ニグロシン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料などが挙げられる。染料を用いる場合、筆跡の耐水性が向上することから、特に油溶性染料を用いることが好ましい。
[賦形材]
本発明による固形筆記体には、前記酸変性ポリオレフィンワックスと酸変性ポリオレフィンワックスと架橋可能な官能基を有する樹脂との架橋物、低密度ポリエチレンと異なる賦形材(以下その他の賦形材と言うことがある)を用いることができる。前記その他の賦形材としては、例えばワックス、ゲル化剤、粘土などを用いることが出来る。ワックスとしては、従来公知のものであればいずれを用いてもよく、具体的にはカルナバワックス、木ろう、蜜ろう、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックス、ショ糖脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、スチレン変性ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、および側鎖結晶性ポリオレフィンなどが挙げられる。ゲル化剤としては従来公知のものを用いることができ、例えば12ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類、アミノ酸系油、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸アマイドなどが挙げられる。粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイトなどが挙げられる。これらのその他の賦形材は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明による固形筆記体は、必要に応じて、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、樹脂、防かび剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線防止剤、光安定剤、香料などが挙げられる。前記樹脂としては、固形筆記体の強度などを向上する目的で配合されるが、天然樹脂、合成樹脂を用いることができる。具体的には、オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ピロリドン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、塩基性基含有樹脂などが挙げられる。
(マイクロカプセル顔料Aの製造)
(イ)成分として3-(4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド2.0質量部、(ロ)成分として2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8.0質量部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0質量部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー25.0質量部、助溶剤50.0質量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5質量部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分を下記の通りとした以外は、マイクロカプセル顔料Aと同じ方法でマイクロカプセル顔料Bを得た。
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン4.5質量部、
(ロ)成分として2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0質量部、4,4′-(1-メチルペンチリデン)ビスフェノール3.0質量部、
(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0質量部
なお、前記マイクロカプセル顔料Bの粒子径はMultisizer 4e(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定したところ、0.5~5.0μmの範囲であり、完全消色温度は60℃、完全発色温度は-10℃であり、温度変化により黒色から無色、無色から黒色へ可逆的に色変化する。
(固形筆記体の製造)
マイクロカプセル顔料(着色剤) 25質量部
酸変性ポリオレフィンワックス 12質量部
(無水マレイン酸変性ポリオレフィンワックス)
エポキシ基含有アクリル樹脂 3質量部
(架橋可能な樹脂 )
タルク(無機フィラー) 44質量部
側鎖結晶性ポリオレフィン 6質量部
(その他の賦形材)
低密度ポリエチレン 9質量部
ヒンダードアミン(光安定剤) 1質量部
上記配合物をニーダーにて加熱混練し、得られた混練物をプレスにて圧縮成形を行い、外径φ0.9mm、長さ60mmに成形して固形筆記体を得た。加熱混練することで、酸変性ポリオレフィンワックスとエポキシ基含有アクリル樹脂が架橋し、両者の架橋物を含んだ固形筆記体が得られた。
(固形筆記体の製造)
(表1)に示した配合とした以外は実施例1と同じ方法により、固形筆記体を作製した。さらに、実施例1~5、比較例1~4の配合にて、外径φ1.3mm、長さ60mm固形筆記体についても作製をした。比較例5については、着色剤の分散性が悪いため成形できず、固形筆記体が得られなかった。
○: 着色剤が均一に分散する。
△:一部着色剤の凝集がある。
×: 着色剤の分散が不均一である。
○:筆跡を視認することができ、その濃度は十分高い。
△:筆跡を視認することはできるが、その濃度は十分でない。
×:筆跡を視認することができない。
××:筆記する際に固形筆記体が折れてしまい筆記できない。
Claims (7)
- 着色剤と、低密度ポリエチレンと、酸変性ポリオレフィンワックスと前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂との架橋物と、を含んでなり、前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂の官能基が、エポキシ基、イソシアネート、アミン、アルコール性水酸基から選択される1または2以上であることを特徴とする固形筆記体。
- 着色剤と、低密度ポリエチレンと、酸変性ポリオレフィンワックスと前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂との架橋物と、を含んでなり、前記酸変性ポリオレフィンワックスの酸性基と架橋可能な官能基を有する樹脂が、エポキシ基を含有する樹脂であることを特徴とする、固形筆記体。
- 前記着色剤が機能性材料を内包したマイクロカプセル顔料を含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の固形筆記体。
- 前記機能性材料が、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物からなる成分と、
(ロ)電子受容性化合物からなる成分と、
(ハ)前記(イ)成分および(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体と、を含んでなる可逆熱変色性組成物であることを特徴とする請求項3に記載の固形筆記体。 - 前記酸変性ポリオレフィンワックスが、カルボン酸変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の固形筆記体。
- 請求項1~5に記載の固形筆記体の外径が0.3~3.5mmであることを特徴とする固形筆記体。
- 請求項6に記載の固形筆記体をチャックを介して保持することを特徴とする筆記具。
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