JP7297565B2 - 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット - Google Patents
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例えば、筆記時に折損しない程度に筆記体強度を高めた非焼成の固形筆記体は、固形筆記体が強固な構造を有しているために筆記時に紙面との接触部がスリップして容易に摩耗しにくいことから、滑らかな筆記感が奏しにくく、また、高い筆跡濃度を有する筆跡を形成しにくいことがあり、反対に、筆記時に紙面との接触部が容易に摩耗する固形筆記体は滑らかな筆記感を奏しやすく、多量の摩耗粉が紙面に定着することから濃い筆跡が得られやすいものの、構造が強固でないため筆記体強度が低く、筆記時に折損することがある。
特に、着色材に着色力が低い色材を用いた固形筆記体の場合、筆跡濃度が高い筆跡を形成するためには紙面により多量の摩耗粉が定着することが重要であるが、このような固形筆記体は良好な筆記感を奏しやすい反面、構造が脆弱で筆記時に容易に折損する傾向にあるため、筆記体強度と筆記性能とを両立させることは猶更困難であった。
前記従来技術の固形筆記体は、確かに筆記体強度と前記筆記性能とがある程度両立されている。しかしながら、着色材に、高い着色力が得られにくい傾向にある可逆熱変色性カプセル顔料を用いた場合、濃い筆跡を形成するためにはやはり筆記体の強度を低くせざるを得ないことから、前記固形筆記体は未だ筆記体強度と筆記性能との両立が不十分であった。
更に、前記ポリプロピレンの含有量が、前記固形筆記体全質量を基準にしたときに5質量%以下であることを要件とする。
更に、前記ポリオレフィンワックスが、20℃~120℃の軟化点を有することを要件とする。
更に、前記着色材が、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料であることを要件とする。
更に、23℃、65%RHの環境下において、前記環境下で12時間以上保管した、JIS S6006:2007 8.7筆記濃度に規定された濃度試験で用いる画線用紙に、筆記角度75°および荷重2.94Nで3.5m筆記したときに、前記画線用紙との接触部に0.6~1Nの平均動摩擦力が生じることを要件とする。
更に、摩擦部材を更に具備してなることを要件とする。
更には、前記いずれかの固形筆記体と、摩擦体とからなる固形筆記体セットを要件とする。
前記固形筆記体は、着色材に可逆熱変色性カプセル顔料を用いた場合であっても、高い筆記体強度を有しつつ、滑らかな筆記感を奏するとともに高い筆跡濃度を有する筆跡を形成可能とする。
また、本発明においては、高速で重ね塗りをした場合にも、摩擦熱を発生し難いため、熱変色性顔料等の摩擦熱により変色する着色材を適用することが可能である。
加熱変色する着色材としては、例えば、特開2012-219160号公報、特開2014-5422号公報等に開示される可逆タイプや、特開2010-229332号公報等に開示される不可逆タイプのものが適用可能である。
特に、前記筆跡の変化は、熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させることで、組成変化を生じることなく長期間安定して発現できるものとなるため好適である。前記マイクロカプセルに内包される熱変色性組成物としては、繰り返しの使用性、温度変化の正確性等の点から、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適である。
更に、特公平4-17154号公報、特開平7-179777号公報、特開平7-33997号公報、特開平8-39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8~50℃)を示すものや、特開2006-137886号公報、特開2006-188660号公報、特開2008-45062号公報、特開2008-280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させ加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、本発明に適用される、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち-50~0℃、好ましくは-40~-5℃、より好ましくは-30~-10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50~95℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは60~80℃の範囲に特定し、ΔH値を40~100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記マイクロカプセル顔料は、平均粒子径が0.01~8.0μm、好ましくは0.1~5.0μm、より好ましくは0.3~3.0μmの範囲のものが筆記性能と筆跡濃度の点から好適である。
尚、平均粒子径は、マウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「マックビュー」を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定した値である。また、全ての粒子或いは大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合は、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター(株)製、製品名:Multisizer 4e)を用いてコールター法により等体積球相当の粒子の平均粒子径として平均粒子径を測定することも可能である。
さらに、標準試料またはコールター法による測定装置を用いて計測した数値を基にしてキャリブレーションを行ったレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-300、株式会社堀場製作所製)を用いて、体積基準の平均粒子径(メジアン径)を測定しても良い。
前記賦形材は適度な硬さと靭性とを兼ね備えるものであり、高い筆記体強度と筆記時の良好な摩耗性とが両立した固形筆記体とすることを可能にする。
特に、着色材に前記マイクロカプセル顔料を用いた場合でも、筆記体の強度を筆記時に容易に折損しない程度に保ちつつ、筆記時の摩耗性を良好とし、滑らかな筆記感を奏するとともに濃く鮮明な筆跡を形成することができるため、前記ポリオレフィンワックスは非常に優れた賦形材である。
特に、前記ポリオレフィンワックスのうち、軟化点が20℃~120℃の範囲にあるものは、筆記体強度と筆記時の摩耗性とのバランスを良好としやすいことから、好ましく用いられる。
前記ポリオレフィンワックスは、1種のみを用いても良く、併用しても良い。
なお、前記ポリオレフィンワックスは、スチレンまたは無水マレイン酸等で変性したものであっても良い。
筆記体強度を高めて筆記時に筆記体が折損することを抑制しつつ、滑らかな筆記感を奏し、高い濃度の筆跡を形成することをより考慮すると、前記ポリオレフィンワックスの重量平均分子量は、1千~2万の範囲内であることが好ましい。
尚、前記ポリオレフィンワックスの軟化点の測定方法は、JIS K2207-6(環球法)に基づいて測定される。
前記バインダー樹脂の添加量としては、固形筆記体全量中0.5~5質量%の範囲であることが好ましい。
前記ポリプロピレンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC法)による重量平均分子量(Mw)が4万~20万のものであり、好ましくは4万~15万のものが適用される。中でも、分子量分布(Mw/Mn:GPC法により測定)が4以下であるものが前記バランスを良好とする上で最も優れている。 製造方法としては特に限定されないが、メタロセン系触媒やチーグラー型重合触媒、その他、遷移金属化合物や有機ホウ素化合物やアルミノキサンを重合用触媒とする公知の方法で重合したもの、高分子量ポリプロピレンを熱分解または酸化分解して低分子化するもの、更には高分子量のポリプロピレンを製造した際の副生成物を、溶剤抽出等で分離したもの等、すべてを対象とすることができる。また、後処理により分子中にアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα,β-不飽和カルボン酸又はその無水物の酸基を導入させたものであってもよい。
尚、前記動摩擦力とは、レコード式画線機[商品名:WRITING TESTER PL-1000(DEICY社製)]を用いて、23℃、65%RHの環境下、前記環境下で12時間以上保管した、JIS S6006:2007「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」8.7筆記濃度に規定された濃度試験で用いる画線用紙に、筆記角度75°および荷重2.94Nで3.5m筆記したときの筆記開始30秒後から60秒後までの平均動摩擦力を指す。筆記開始時および筆記終了時は筆記が安定しないため、このときに測定される動摩擦力は、前記平均動摩擦力の算出には用いない。
前記外殻には、各種機能を付与する目的などで、必要に応じて、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、着色材、防黴剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、香料などが挙げられる。これらの添加剤は、任意のものを用いることができる。
また、芯鞘構造とする場合には、内芯の太さおよび外殻の厚さも任意に選択することができるが、外殻の厚さが厚いと耐衝撃性が優れる傾向にあり、一方で外殻の厚さが薄いと内芯の露出量が多くなるため、使い勝手に優れる傾向にある。内芯の半径長さに対する外殻の厚さが10~100%であることが好ましく、20~50%であることがより好ましい。尚、本発明による固形筆記体は、鉛筆以外の用途、例えばシャープペンシルの芯、クレヨンなどにも利用可能であり、太さや長さは用途に応じて適切に調整できる。
尚、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC法)による測定値であり、メルトフローレート(MFR)はASTM D1238に準拠し、230℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。
(イ)成分として2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン5質量部、(ロ)成分として2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5質量部、4,4’-(2-メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0質量部、(ハ)成分としてラウリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50質量部からなるからなる可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0質量部、助溶剤40.0質量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5質量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル(加熱消色型)を単離した。なお、前記マイクロカプセルの平均粒子径は2.3μmであり、完全発色温度t1:-8℃、発色開始温度t2:-1℃、消色開始温度t3:52℃、完全消色温度t4:65℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、黒色から無色、無色から黒色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として3-(4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-3-(1)-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド2.0質量部、(ロ)成分として1,1-ビス(4‘―ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4.0質量部、1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)n-デカン4.0質量部、(ハ)成分としてカプリル酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0質量部からなる感温変色性色彩記憶組成物とした以外は、マイクロカプセル顔料Aと同じ方法で、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(加熱消色型)を得た。尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は3.0μmであり、完全発色温度t1:-24℃、発色開始温度t2:-10℃、消色開始温度t3:42℃、完全消色温度t4:55℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として9-エチル(3-メチルブチル)アミノ-スピロ[12H-ベンゾ(α)キサンテン-12,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン5.0質量部、(ロ)成分として4,4′-(2-エチルヘキサン-1、1-ジイル)ジフェノール3.0質量部、2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル50.0質量部からなる感温変色性色彩記憶組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0質量部、助溶剤40.0質量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5質量部を加え、更に攪拌を続けて熱変色マイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル(加熱消色型)を単離した。
尚、前記マイクロカプセルの平均粒子径は2.3μmであり、完全発色温度t1:-20℃、発色開始温度t2:-10℃、消色開始温度t3:48℃、完全消色温度t4:58℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、ピンク色から無色、無色からピンク色へ可逆的に色変化した。
(1)三洋化成工業(株)製、商品名:サンワックス171-P(重量平均分子量:1,600、軟化点:107℃)
(2)豊国製油(株)製、商品名:HSクリスタ4100(重量平均分子量:16,000、軟化点:42℃)
(3)三井化学(株)製、商品名:ハイワックス2203A(重量平均分子量:2,700、軟化点:111℃)
(4)富士タルク工業(株)製、商品名:FH-105
(5)日本酢ビ・ポバール(株)製、商品名:JMR-10L(ポリビニルアルコール樹脂)
(6)出光興産(株)製、商品名:L-MODU S400(重量平均分子量:45,000、軟化点:93℃、MFR:2000)
(7)出光興産(株)製、商品名:L-MODU S600(重量平均分子量:75,000、軟化点:100℃、MFR:390)
(8)出光興産(株)製、商品名:L-MODU S901(重量平均分子量:130,000、軟化点:120℃、MFR:50)
(9)日本ポリプロ(株)製、商品名:ノバテックPP MA3(重量平均分子量:397,000、軟化点:165℃、MFR:11)
(10)BASF社製、商品名:TINUVIN770DF
前記各配合物をニーダーにて混練し、得られた混練物をプレスにて外径φ3mm、長さ60mmに設定して圧縮成形を行い、-20℃まで冷却し、常温に戻すことで固形筆記体(鉛筆芯)を得た。
<曲げ強度測定方法>
JIS S6006:2007「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」、8.6曲げ強さに規定されている強度試験(支点間40mm、10mm/min)で曲げ強度測定機[(株)島津製作所製、製品名:EZ-SX]を用いて三点曲げ試験により鉛筆芯の曲げ強度を測定した。各数値は10本測定した平均値である。
<磨耗量の試験方法>
JIS S6006:2007「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」、8.7筆記濃度に規定されている濃度試験(但し、筆記角度75°、荷重2.94N、筆記距離6m)で筆記した際の芯の重量変化(mg/m)を測定した。各数値は3本測定した平均値である。
<濃度の測定方法>
JIS S6006:2007「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」、8.7筆記濃度に規定されている濃度試験(但し、筆記角度75°、荷重2.94N、筆記距離6m)で筆記した鉛筆芯の描画(画線用紙)を目視で確認するとともに、描画をコニカミノルタ社製の蛍光分光濃度計(FD-7)で筆跡の色相に合わせたフィルターを用いて測定した。各数値は10本測定した平均値である。
<動摩擦力の測定方法>
レコード式画線機[商品名:WRITING TESTER PL-1000(DEICY社製)]を用いて、23℃、65%RHの環境下、前記環境下で24時間以上保管した、JIS S6006:2007「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」8.7筆記濃度に規定された濃度試験で用いる画線用紙に、筆記角度75°および荷重2.94Nで3.5m筆記したときの筆記開始30秒後から60秒後までの平均動摩擦力を測定した。各数値は3本測定した平均値である。
なお、動摩擦力の測定に用いる固形筆記体は、先端を先端角17°を有する円錐とした後、前記画線用紙に筆記し、先端の外径がφ0.6mmとなるよう先端を摩耗させた。
また、筆記速度は50mm/sec、画線ピッチは0.3mmで測定を行った。
試験の結果を以下に示す。
<筆記感の評価>
JIS S6006:2007「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」8.7筆記濃度に規定された濃度試験で用いる画線用紙に手書きしたときの、筆記感を官能評価した。
○:筆記開始から筆記終了まで滑らかな筆記感が持続する。
×:硬い筆記感であり、時折引っ掛かりを感じる。筆記感が安定しない。
<濃度の目視結果>
○:均一で濃い筆跡が得られる。
△:若干薄いが、均一な筆跡が得られる。
×:筆跡が薄い、またはまだらな筆跡が得られる。
実施例1~5を用いて得られた固形筆記体を用いて、丸形外軸(木軸)内に収納成形することで5本の鉛筆を得た。
前記鉛筆を用いて紙面上に筆記すると、黒色、青色、ピンク色、黄色の筆跡を形成することができた。
前記実施例1~4の芯を用いた鉛筆により形成される筆跡は、SEBS樹脂からなる摩擦体を用いて摩擦することにより消色(消去)された。
前記実施例1~4の芯を用いた鉛筆の後端に、金属製の連結部材を介してSEBS樹脂からなる円柱状摩擦体を固着して摩擦体付鉛筆を得た。
前記摩擦体付鉛筆を用いて紙面上に形成される筆跡は、後端に設けた摩擦体を用いて摩擦することにより消色し、携帯性に優れた利便性に富む摩擦体付鉛筆を得ることができた。
前記実施例1~4の芯を用いた鉛筆と、SEBS樹脂からなる直方体形状の摩擦体とを組み合わせて固形筆記体セットを得た。
前記鉛筆を用いて紙面上に形成される筆跡は、摩擦体を用いて摩擦することにより消色し、筆記と消去が簡単にできるより利便性の高いセットを得ることができた。
Claims (6)
- 着色材と、賦形材と、フィラーと、バインダー樹脂と、重量平均分子量(Mw)が4万~20万のポリプロピレンとを含有する固形筆記体であって、前記賦形材が、1千~3万の重量平均分子量(Mw)を有するポリオレフィンワックスを含み、前記ポリオレフィンワックスが、ポリエチレンワックス、結晶性の側鎖を有し、前記側鎖が炭素数が12~28である長鎖アルキル基からなるポリオレフィン、および酸変性ポリエチレンワックスから選ばれる1種以上であり、
固形筆記体全質量を基準として、前記ポリオレフィンワックスの含有量が0.5~40質量%であり、前記ポリプロピレンの含有量が0.1~5質量%である、固形筆記体。 - 前記ポリオレフィンワックスが、20℃~120℃の軟化点を有する、請求項1に記載の固形筆記体。
- 前記着色材が、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ) 前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とからなる可逆熱変色性組成 物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料である、請求項1または2に記載の固形筆記体。
- 23℃、65%RHの環境下において、前記環境下で12時間以上保管した、JIS S6006:2007 8.7筆記濃度に規定された濃度試験で用いる画線用紙に、筆記角度75°および荷重2.94Nで3.5m筆記したときに、前記画線用紙との接触部に0.6~1Nの平均動摩擦力が生じる、請求項1~3のいずれか1項に記載の固形筆記体。
- 摩擦部材を更に具備してなる、請求項1~4のいずれか1項に記載の固形筆記体。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の固形筆記体と、摩擦体とからなる固形筆記体セット。
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