JP7197121B2 - 浴室床構造 - Google Patents
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Description
特許文献2の洗い場床パネルには、浴槽側の端部に立ち上り部(土手部)が形成されている。
本発明は、かかる事情に鑑み、浴槽や浴室壁の設置時における浴槽受けパンの損傷を防止することを第1の課題とする。また、洗い場床パネルと浴槽受けパンの継ぎ目の防水性を長期間確保可能とすることを第2の課題とする。
前記立ち上り部を有して洗い場に設けられた洗い場床パネルと、前記立ち上り部に面する側壁を有して浴槽の底部に設けられる浴槽受けパンとを備え、
前記立ち上り部が前記側壁より上方へ突出されていることを特徴とする。
当該浴室床構造によれば、浴槽受けパンの側壁が立ち上り部より低くなっているため、浴槽や浴室壁の設置施工時に、これら浴槽や浴室壁が浴槽受けパンの側壁にぶつかりにくくなり、側壁の損傷を防止できる。
当該浴室床構造によれば、洗い場床パネルと浴槽受けパンの継ぎ目となる隅角部が、立ち上り部によって洗い場側から隠れる。ひいては、該隅角部の水密材が洗い場側から隠れる。したがって、ユーザーが清掃などの際に水密材に触れるのを防止でき、水密材の剥がれ、ちぎれ、めくれ、その他の損傷、劣化を抑制できる。
パネル本体を発泡樹脂製とすることによって、洗い場床パネルを容易かつ安価に製造できる。かつ、パネル本体を金属製の殻体で囲むことによって洗い場床パネルの強度を確保できる。更には、金属製のカバー部によって立ち上り部を保護することができ、浴槽や浴室壁の設置施工時やユーザーの浴室使用時に立ち上り部に負荷がかかっても、立ち上り部が損傷するのを防止できる。
受けパン本体を発泡樹脂製とすることによって、浴槽受けパンを容易かつ安価に製造できる。更には浴槽受けパンを軽量化できる。したがって、浴槽受けパンの設置作業が楽になる。かつ表層によって受けパン本体を補強でき、浴槽受けパンの少なくとも表面(上面)の強度を確保することができるから、受けパン本体の発泡倍率を高くすることができる。受けパン本体が発泡樹脂製であっても、前述したように側壁を立ち上り部より低くすることによって損傷を防止できる。
図1及び図2に示すように、浴室1は、浴槽1aと、洗い場1bを備えている。浴槽1aと洗い場1bが、幅方向(図2の上下方向)と直交する前後方向(図2の左右方向)に並んで配置されている。浴室1の底部に浴室床ユニット1c(浴室床構造)が配置されている。浴室床ユニット1cは、浴槽受けパン2と、洗い場床パネル3とに分割されている。浴槽1aの底部に浴槽受けパン2が設けられている。洗い場1bの底部に、洗い場床パネル3が設けられている。
なお、受けパン本体20の材質は、EPSに限られず、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、その他の熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂に限られず、ウレタンやフェノールなど熱硬化性樹脂であってもよい。
まず、表層21を真空成形する。該表層21を発泡金型の一方の型面にセットし、受けパン本体20を発泡成形する。該発泡成形の過程で、表層21の前記接合層と受けパン本体20とが熱溶着される。したがって、別途の貼合せ工程を省略できる。
なお、受けパン本体20と表層21を接着剤によって貼り合わせることにしてもよい。
支持架台40は、複数の支持脚41と、架台フレーム42を含む。支持脚41が建築躯体の床面に鉛直に立設されている。複数の支持脚41の上端部に架台フレーム42が水平に支持されている。架台フレーム42は、前後方向へ延びる縦梁42aと、幅方向へ延びる横梁42bを含む。縦梁42aの洗い場側の端部は、洗い場床パネル3の底部へ向けて延びている。洗い場床パネル3の後記底板部33aには吊柱43が垂設されている。縦梁42aひいては架台フレーム42が、吊柱43の下端部に好ましくは回転可能(変位可能)に連結されている。
図2及び図5に示すように、立ち上り部35は、洗い場床パネル3の当該立ち上り部35を除く上面より上方へ突出されるとともに洗い場床パネル3の幅方向(図2において上下)に沿って延びている。
図4に示すように、殻体31は、上下の補強パネル部材32,33、を含む。これら補強パネル部材32,33は、鋼板などの金属板によって構成されている。下側補強パネル部材33は、底板部33aと、側板部33bを有している。底板部33aが、パネル本体30の底面に被さっている。底板部33aの4つの端部から側板部33bがほぼ直角に立ち上がり、パネル本体30の4つの端面にそれぞれ被さっている。隣接する側板部33bどうしは縁切りスリット33cによって縁切りされている。
上側補強パネル部材32が、パネル本体30における立ち上り部35を除く上面に被さっている。
パネル本体30と殻体31とは、例えば熱硬化性の接着剤(図示省略)によって接着されている。
図5に示すように、表層シート34における浴槽側の端部は、立ち上り部35に沿うように上方へ曲げられ、立ち上り部35における洗い場を向く側面に被さっている。
表層シート34は、例えば両面粘着テープ(図示省略)を介して上側補強パネル部材32及び立ち上り部35に貼り付けられている。
カバー部材50は、下側補強パネル部材33とは別体のアルミ押出成形材(金属材)によって構成され、受けパン本体20より硬質である。
シーリング材62は、シリコーンにて構成され、側壁22の上面と側面被さり部52とで作る隅角部1gに塗布されている。
洗い場床パネル3の構成部材をそれぞれ作製する。
下側補強パネル部材33又はパネル本体30に熱硬化性接着剤を塗布し、下側補強パネル部材33上にパネル本体30を載せる。
次いで、パネル本体30又は上側補強パネル部材32に熱硬化性接着剤を塗布し、パネル本体30上に上側補強パネル部材32を被せる。
これらパネル積層体30,32,33を真空圧空熱プレス機で圧力を加えながら加熱することによって、前記接着剤を硬化させる。
パネル本体30の立ち上り部35にはカバー部材50を被せ、下側補強パネル部材33にビス止めする。
排水口3cには排水口部材36を設ける。
パネル本体30の浴槽側を除く3つの縁部には、枠部材37を設ける。
更に、表層シート34を上側補強パネル部材32に貼り付ける。表層シート34の浴槽側部分は、立ち上り部35の洗い場側面に貼り付ける。
洗い場床パネル3よれば、発泡樹脂製のパネル本体30を殻体31で囲んで補強できる。かつ洗い場床パネル3を安価に作製できる。
浴槽部分の底部には支持架台40を設置する。該支持架台40の縦梁42aを、吊柱43を介して洗い場床パネル3の底板部33aに連結する。そして、支持架台40を洗い場床パネル3に合わせてレベル出しする。具体的には、複数の支持脚41を互いに高さ調節することによって、架台フレーム42を水平かつ規定高さにセットする。
さらに、図7に示すように、側壁22の係止溝23に係止部54を嵌め込んで係止させる。これによって、浴槽受けパン2を洗い場床パネル3に対して前後方向に容易に位置出しできる。かつ、返し突起54fが浴槽受けパン2に喰い込む。これによって、浴槽受けパン2の浮きを阻止できる。また、高さ標示56が見えるか否かによって、浴槽受けパン2を規定の上下方向位置まで降ろし得たかを確認でき、更には係止溝23に係止部54を規定の嵌合深さまで嵌合し得たかを確認できる。
このようにして、浴槽受けパン2を前後、左右、上下に正確に位置決めして設置できる。狭い浴室施工現場で洗い場床パネル3から身を乗り出して設置作業を行なう場合であっても、浴槽受けパン2を容易かつ正確に設置することができる。
浴槽受けパン2の側壁22が立ち上り部35よりも低くなるように段差1dが形成されているため、浴槽1aの設置時や浴室壁1wの設置時に、これら浴槽1aや浴室壁1wが側壁22とぶつかって、側壁22が損傷するのを防止できる。
立ち上り部35は金属製のカバー部材50によって覆うことで強度を確保できる。浴槽1aや浴室壁1wの設置施工時やユーザーの浴室使用時に立ち上り部35に負荷がかかっても、立ち上り部35が損傷するのを防止できる。
加えて、立ち上り部35を側壁22より高くすることによって、隅角部1gのシーリング材62が洗い場1b側からは隠れるようにすることができる。これによって、例えば清掃時などにユーザーがシーリング材62に触れないようにできる。したがって、浴槽受けパン2と洗い場床パネル3との間の水密性を長期にわたって確保できる。
例えば、カバー部材50が、立ち上り部35の洗い場を向く側面にも被さっていてもよい。カバー部材50が、立ち上り部35の浴槽を向く側面全体ではなくその一部、上面の一部または下面の一部に被さっていてもよい。カバー部材50が、殻体31の他の構成部材(補強パネル部材32,33)や枠部材37に固定されていてもよいし、それらと一体であってもよい。
カバー部材50が、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)等の熱可塑性樹脂によって形成されていてもよい。
上側補強パネル部材32を省略してもよい。パネル本体30に表層シート34を直接貼り付けてもよい。
浴室はシャワー室をも含む。
1a 浴槽
1b 洗い場
1c 浴室床構造
1d 段差
1g 隅角部
1w 浴室壁
2 浴槽受けパン
20 受けパン本体
21 表層
22 側壁
3 洗い場床パネル
30 パネル本体
31 殻体
35 立ち上り部(土手部)
50 カバー部材(カバー部)
62 シーリング材(水密材)
Claims (3)
- 洗い場と浴槽の間に立ち上り部が形成された浴室床構造であって、
前記立ち上り部を有して洗い場に設けられた洗い場床パネルと、前記立ち上り部に面する側壁を有して浴槽の底部に設けられる浴槽受けパンとを備え、
前記立ち上り部が前記側壁より上方へ突出され、
前記洗い場床パネルが、前記立ち上り部を有する発泡樹脂製のパネル本体と、前記パネル本体を囲む金属製の殻体を含み、前記殻体が、前記立ち上り部に被さるカバー部を含むことを特徴とする浴室床構造。 - 前記側壁の上面と前記立ち上り部の浴槽を向く側面とで作る隅角部に水密材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の浴室床構造。
- 前記浴槽受けパンが、発泡樹脂からなる受けパン本体と、前記受けパン本体の上面を覆う樹脂フィルムからなる表層とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室床構造。
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