JP7197120B2 - 浴室床構造 - Google Patents
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Description
本発明は、かかる事情に鑑み、浴槽受けパンひいては浴室床構造の位置出しや設置作業を簡易化することを目的とする。
洗い場に設けられる洗い場床パネルと、浴槽を受ける浴槽受けパンとを備え、
前記洗い場床パネルが、パネル本体と、前記パネル本体の浴槽を向く洗い場床端部に被さる硬質のカバー部材とを含み、前記カバー部材には上方へ突出する凸状又は下方へ凹む凹状の第1嵌合部が形成されており、
前記浴槽受けパンにおける洗い場を向く浴槽受け端部の底面には、上方へ凹む凹状又は下方へ突出する凸状の第2嵌合部が設けられ、
前記第1嵌合部に前記第2嵌合部が上方から被さるようにして嵌合されていることを特徴とする。
更にカバー部材によって洗い場床端部を保護できる。前記カバー部材は、好ましくはアルミ押出成形材によって構成される。これによって、安価に作製できる。また、浴室の水による腐食を抑制できる。
無理嵌めによって第2嵌合部のぐらつきが無くなる。したがって、浴槽受けパンをより正確に位置出しできる。
返し突起は浴槽受けパンに喰い込む。これによって、浴槽受けパンの浮きを阻止できる。
これによって、浴槽受けパンを軽量化でき設置作業を楽に行なうことができる。かつ、係止部を係止溝に確実に無理嵌めでき、浴槽受けパンを確実に位置固定できる。
立ち上り部によって、洗い場の使用水が浴槽側へ流れるのを堰き止めることができる。立ち上り部をカバー部材によって保護できる。
洗い場床パネルの上面の表皮シートにおける浴槽側の端部が、立ち上り部に沿って立ち上がり、立ち上り部の洗い場を向く側面を覆うことが好ましい。
前記カバー部材が、前記殻体における前記底面を覆う部分又は前記側面を覆う部分と連なり前記殻体の一部を構成していることが好ましい。これによって、浴槽受けパンが第1嵌合部を介して殻体と接合される。よって、浴槽受けパンを確実に位置固定できる。
前記カバー部材は、前記殻体における前記底面を覆う部分又は前記側面を覆う部分と同体でもよく別体であってもよい。別体の場合、カバー部材は、ビス、溶接、リベット止めなどの接合手段によって殻体に接合されていてもよい。
前記殻体の材質は、ステンレスなどの錆びにくい金属であることが好ましい。これによって、所要の金属を確保するとともに、浴室の水に晒されても、腐食を防止できる。
前記カバー部材の浴槽を向く側面に、前記浴槽受け端部の上面の正規の高さを示す高さ標示が設けられていることが好ましい。
浴槽受けパンの第2嵌合部を第1嵌合部に嵌め込む際は、前記高さ標示が見えるか否かによって嵌合深さを確認できる。浴槽受け端部の上面を前記高さ標示に合わせることによって、浴槽受けパンを洗い場床パネルに対して上下に正確に位置決めできる。
これらセンター表示が一致するように浴槽受けパンを幅方向に位置調節することによって、浴槽受けパンの幅方向の位置出しを簡単かつ正確に行なうことができる。
前記支持架台が、支持脚と、前記支持脚の上端部に水平に支持された架台フレームを含み、前記架台フレームの洗い場側の端部が、前記洗い場床パネルに接続されていることが好ましい。前記架台フレームの洗い場側の端部が、前記洗い場床パネルの殻体に接続されていることが、より好ましい。
洗い場床パネルの設置後、架台フレームを洗い場床パネルに合わせてレベル出しする。その後、浴槽受けパンを支持架台に載せる。これによって、浴槽受けパンを簡易かつ容易に所定の高さに水平に設置できる。
図1及び図2に示すように、浴室1は、浴槽1aと、洗い場1bを備えている。浴槽1aと洗い場1bが、幅方向(図2の上下方向)と直交する前後方向(図2の左右方向)に並んで配置されている。浴槽1aの底部に浴槽受けパン2が設けられている。洗い場1bの底部に、洗い場床パネル3が設けられている。
まず、表層21を真空成形する。該表層21を発泡金型の一方の型面にセットし、受けパン本体20を発泡成形する。該発泡成形の過程で、表層21の前記接合層と受けパン本体20とが熱溶着される。したがって、別途の貼合せ工程を省略できる。
なお、受けパン本体20と表層21を接着剤によって貼り合わせることにしてもよい。
支持架台40は、複数の支持脚41と、架台フレーム42を含む。支持脚41が建築躯体の床面に鉛直に立設されている。複数の支持脚41の上端部に架台フレーム42が水平に支持されている。架台フレーム42は、前後方向へ延びる縦梁42aと、幅方向へ延びる横梁42bを含む。縦梁42aの洗い場側の端部は、洗い場床パネル3の底部へ向けて延びている。洗い場床パネル3の後記底板部33aには吊柱43が垂設されている。縦梁42aひいては架台フレーム42が、吊柱43の下端部に好ましくは回転可能に連結されている。
立ち上り部35は、浴槽受けパン2における洗い場側(図5において右側)の側壁22(浴槽受け端部)よりも高く突出されている。
上側補強パネル部材32が、パネル本体30における立ち上り部35を除く上面に被さっている。
パネル本体30と殻体31とは、例えば熱硬化性の接着剤(図示省略)によって接着されている。
図5に示すように、表層シート34における浴槽側の端部は、立ち上り部35に沿うように上方へ曲げられ、立ち上り部35における洗い場を向く側面に被さっている。
表層シート34は、例えば両面粘着テープ(図示省略)を介して上側補強パネル部材32及び立ち上り部35に貼り付けられている。
カバー部材50は、下側補強パネル部材33とは別体のアルミ押出成形材(金属材)によって構成され、受けパン本体20より硬質である。
洗い場床パネル3の構成部材をそれぞれ作製する。
下側補強パネル部材33又はパネル本体30に熱硬化性接着剤を塗布し、下側補強パネル部材33上にパネル本体30を載せる。
次いで、パネル本体30又は上側補強パネル部材32に熱硬化性接着剤を塗布し、パネル本体30上に上側補強パネル部材32を被せる。
これらパネル積層体30,32,33を真空圧空熱プレス機で圧力を加えながら加熱することによって、前記接着剤を硬化させる。
パネル本体30の立ち上り部35にはカバー部材50を被せ、下側補強パネル部材33にビス止めする。
排水口3cには排水口部材36を設ける。
パネル本体30の浴槽側を除く3つの縁部には、枠部材37を設ける。
更に、表層シート34を上側補強パネル部材32に貼り付ける。表層シート34の浴槽側部分は、立ち上り部35の洗い場側面に貼り付ける。
洗い場床パネル3よれば、発泡樹脂製のパネル本体30を殻体31で囲んで補強できる。かつ洗い場床パネル3を安価に作製できる。
浴槽部分の底部には支持架台40を設置する。該支持架台40の縦梁42aを、吊柱43を介して洗い場床パネル3の底板部33aに連結する。そして、支持架台40を洗い場床パネル3に合わせてレベル出しする。具体的には、複数の支持脚41を互いに高さ調節することによって、架台フレーム42を水平かつ規定高さにセットする。
このとき、洗い場側センター表示57と浴槽側センター表示27が一致するように浴槽受けパン2を幅方向に位置調節する(図6)。これによって、浴槽受けパン2の幅方向の位置出しを簡単かつ正確に行なうことができる。
さらに、側壁22を洗い場床端部3eに被せることによって、第2嵌合部23が第1嵌合部54に凹凸嵌合される。これによって、浴槽受けパン2を洗い場床パネル3に対して前後方向に容易に位置出しできる。しかも、第1嵌合部54の係止部54bが第2嵌合部23の係止溝23aに無理嵌めされるため、第2嵌合部23のぐらつきが無くなる。したがって、浴槽受けパン2を一層正確に位置出しできる。
前記嵌合によって、返し突起54fが浴槽受けパン2に喰い込む。これによって、浴槽受けパン2の浮きを阻止できる。
図5及び図6に示すように、規定の上下方向位置まで降ろしきったとき、側壁22の上面が高さ標示56と同じ高さないしは少し下に位置されることによって、高さ標示56が外部に現れる。したがって、高さ標示56が見えるか否かによって、浴槽受けパン2を規定の上下方向位置まで降ろし得たかを確認でき、更には第2嵌合部23が第1嵌合部54に規定の嵌合深さまで嵌合し得たかを確認できる。これによって、第2嵌合部23を第1嵌合部54にしっかりと嵌合できるとともに、浴槽受けパン2を支持架台40にしっかりと水平に載せることができる。
このようにして、浴槽受けパン2を前後、左右、上下に正確に位置決めして設置できる。狭い浴室施工現場で洗い場床パネル3から身を乗り出して設置作業を行なう場合であっても、浴槽受けパン2を容易かつ正確に設置することができる。
そして、浴槽受けパン2の上に浴槽1aを設置する。
更には、浴室壁1wや浴室扉枠1fを設置する。
浴槽受けパン2の側壁22が立ち上り部35よりも低くなるように段差が形成されているため、浴槽1aの設置時や浴室壁1wの設置時に、これら浴槽1aや浴室壁1wが側壁22とぶつかって、側壁22が損傷するのを防止できる。
立ち上り部35は金属製のカバー部材50によって覆うことで強度を確保できる。
加えて、立ち上り部35によってシーリング材62が洗い場1b側からは隠れるため、例えば清掃時などにユーザーがシーリング材62に触れないようにできる。したがって、浴槽受けパン2と洗い場床パネル3との間の水密性を長期にわたって確保できる。
例えば、カバー部材50が、立ち上り部35の洗い場を向く側面にも被さっていてもよい。カバー部材50が、立ち上り部35の浴槽を向く側面全体ではなくその一部、上面の一部または下面の一部に被さっていてもよい。カバー部材50が、殻体31の他の構成部材(補強パネル部材32,33)や枠部材37に固定されていてもよいし、それらと一体であってもよい。
カバー部材50が、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)等の熱可塑性樹脂によって形成されていてもよい。
立ち上り部が洗い場床パネル3とは別に設けられていてもよい。
上側補強パネル部材32を省略してもよい。パネル本体30に表層シート34を直接貼り付けてもよい。
浴室はシャワー室をも含む。
1a 浴槽
1b 洗い場
1c 浴室床構造
2 浴槽受けパン
20 受けパン本体
21 表層
22 洗い場側の側壁(浴槽受け端部)
23 第2嵌合部
23a 係止溝
23b 凸状部
27 浴槽側センター表示
3 洗い場床パネル
3e 洗い場床端部
30 パネル本体
31 殻体
34 表層シート
35 立ち上り部(土手部)
37 枠部材37
40 支持架台
41 支持脚
42 架台フレーム
43 吊柱
50 カバー部材
54 第1嵌合部
54a 受け板部
54b 係止部
54c 凹状部
54f 返し突起
56 高さ標示
57 洗い場側センター表示
Claims (8)
- 洗い場と浴槽を含む浴室の床構造であって、
洗い場に設けられる洗い場床パネルと、浴槽を受ける浴槽受けパンとを備え、
前記洗い場床パネルが、パネル本体と、前記パネル本体の浴槽を向く洗い場床端部に被さる硬質のカバー部材とを含み、前記カバー部材には上方へ突出する凸状又は下方へ凹む凹状の第1嵌合部が形成されており、
前記浴槽受けパンにおける洗い場を向く浴槽受け端部の底面には、上方へ凹む凹状又は下方へ突出する凸状の第2嵌合部が設けられ、
前記第1嵌合部に前記第2嵌合部が上方から被さるようにして嵌合されており、前記第1嵌合部が上へ突出する係止部を有し、前記第2嵌合部には前記係止部が無理嵌めされる係止溝が形成されていることを特徴とする浴室床構造。 - 前記係止部には斜め下へ突出する返し突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室床構造。
- 前記浴槽受けパンが、発泡樹脂からなる受けパン本体を備え、前記受けパン本体に前記係止溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室床構造。
- 前記パネル本体の洗い場床端部には立ち上がり部が形成され、前記立ち上り部の浴槽を向く側面と上面と洗い場を向く側面とのうち少なくとも浴槽を向く側面及び上面に前記カバー部材が被さっていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の浴室床構造。
- 前記パネル本体が発泡樹脂によって構成され、かつ前記パネル本体の底面、側面及び上面が前記パネル本体より硬質の殻体によって覆われており、
前記カバー部材が、前記殻体における前記底面を覆う部分又は前記側面を覆う部分と連なり前記殻体の一部を構成していることを特徴とする請求項4に記載の浴室床構造。 - 前記洗い場床端部及び前記カバー部材が前記浴槽受け端部より上方へ突出され、
前記カバー部材の浴槽を向く側面に、前記浴槽受け端部の上面の正規の高さを示す高さ標示が設けられていることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の浴室床構造。 - 前記洗い場床端部の上面における洗い場と浴槽を結ぶ前後方向と直交する幅方向の中央部に洗い場側センター表示が形成され、
前記浴槽受け端部の上面における前記幅方向の中央部に浴槽側センター表示が形成されていることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の浴室床構造。 - 前記浴槽受けパンが載置される支持架台を更に備え、
前記支持架台が、支持脚と、前記支持脚の上端部に水平に支持された架台フレームを含み、前記架台フレームの洗い場側の端部が、前記洗い場床パネルに接続されていることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の浴室床構造。
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