JP7194626B2 - 駅ホームの補強構造 - Google Patents
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Description
そのような盛土式の駅ホームの石積壁は、大規模地震時の外力によって、積み石崩落やすべり崩壊などを起こして崩れてしまうことが懸念されている。
こうした組積式の石積壁を補強するのに、石積壁の前面に伸縮性を有する補強ネットを固定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
石積ブロックが積み重ねられた石積壁が駅ホームの延在方向に沿って延設されており、その石積壁が内側の既存の盛土を支えている構造の駅ホームを補強する駅ホームの補強構造であって、
前記石積壁における最上段の石積ブロックの上には、その石積ブロックの上面に一端側の下面を接触させ、他端側が前記盛土における主働すべり面を越えて配置されている上板部材が配設されており、
前記上板部材の前記他端側には、下方に向けて突き出しており、前記盛土に没入される突出部が設けられており、
前記石積壁の延設方向に亘って複数の前記上板部材が並設されて、前記盛土に没入されている前記突出部が前記駅ホームの延在方向に連続して配置されており、
前記上板部材の前記他端側の下面および前記突出部が前記石積壁との間の前記盛土を抱えるようにして、前記上板部材と前記石積壁の上部と前記盛土の一部とが一体化した態様に構成されているようにした。
なお、ここでの石積ブロックは、石材からなるブロックと、コンクリート製のブロックのいずれであってもよい。
特に、上板部材の一端側が石積壁の最上段の石積ブロックに固定され、上板部材の他端側が主働すべり面を越えて配置されているので、盛土の主働すべり面でのすべり破壊に対して好適に抗することができる。
このような駅ホームの補強構造を既存の駅ホームに構築すれば、例えば大規模地震が発生した場合でも、石積壁が崩壊することはなく、駅ホームが損壊してしまうことはない。
また、盛土に没入されている突出部が、駅ホームの延在方向に連続して設けられていれば、石積壁の延設方向に亘って上板部材が石積壁を盛土側に拘束するように支えることができるので、盛土の主働すべり面でのすべり破壊に対して、より好適に抗することができる。
前記上板部材の一端は、前記最上段の石積ブロックの上面に、締結部材を用いて固定されているようにする。
石積ブロックが積み重ねられた石積壁が駅ホームの延在方向に沿って延設されており、その石積壁が内側の既存の盛土を支えている構造の駅ホームを補強する駅ホームの補強構造であって、
前記石積壁における最上段の石積ブロックの上には、その石積ブロックの上に所定の空間を設けるための空間形成部材が固定され、前記空間形成部材の上にはその空間形成部材の上面に一端側の下面を接触させ、他端側が前記盛土における主働すべり面を越えて配置されている上板部材が固定されており、
前記上板部材の前記他端側には、下方に向けて突き出しており、前記盛土に没入される突出部が設けられており、
前記石積壁の延設方向に亘って複数の前記上板部材が並設されて、前記盛土に没入されている前記突出部が前記駅ホームの延在方向に連続して配置されており、
前記上板部材の前記他端側の下面および前記突出部が前記石積壁との間の前記盛土を抱えるようにして、前記上板部材と前記空間形成部材と前記石積壁の上部と前記盛土の一部とが一体化した態様に構成されているようにした。
なお、ここでの石積ブロックは、石材からなるブロックと、コンクリート製のブロックのいずれであってもよい。
具体的には、上板部材の一端側が空間形成部材を介して石積壁の最上段の石積ブロックに固定され、上板部材の他端側が主働すべり面を越えて配置されているので、盛土の主働すべり面でのすべり破壊に対して好適に抗することができる。
このような駅ホームの補強構造を既存の駅ホームに構築すれば、例えば大規模地震が発生した場合でも、石積壁が崩壊することはなく、駅ホームが損壊してしまうことはない。
特に、空間形成部材によって石積ブロックと上板部材の間に所定の空間を設けることができるので、例えば、駅ホームの上板部材の上にホームドア設備を設置した場合に、その空間にホームドア設備のケーブルなどを通すことが可能になる。
また、盛土に没入されている突出部が、駅ホームの延在方向に連続して設けられていれば、石積壁の延設方向に亘って上板部材が石積壁を盛土側に拘束するように支えることができるので、盛土の主働すべり面でのすべり破壊に対して、より好適に抗することができる。
この駅ホームの石積壁2はその外面の大部分が鉛直面を成すように複数の石積ブロック1が積まれて形成されている。
なお、本実施形態でいう石積ブロック1は、石材からなるブロックと、コンクリート製のブロックのいずれであってもよい。
本実施形態の駅ホームの補強構造100は、例えば、図1(a)(b)に示すように、石積壁2における最上段の石積ブロック1の上に配設された上板部材40等を備えている。
本実施形態の石積壁2は、石積ブロック1が6段積みされてなり、下から2段目の途中まで地中に埋没している。
また、笠石を外して最上段の石積ブロック1の上に上板部材40を固定した後、上板部材40で覆われていない盛土3の上に、アスファルト舗装面4を形成した。
具体的には、上板部材40の一端が、最上段の石積ブロック1の上面に、締結部材Bを用いて固定されている。
なお、締結部材Bは、上板部材40や石積ブロック1に直接ねじ込む(打ち込む)ようにしても、予め上板部材40や石積ブロック1にドリルであけた穴に螺入するようにしてもよい。
その上板部材40の他端側には、下方に向けて突き出しており、盛土3に没入される突出部41が設けられている。上板部材40の突出部41は、上板部材40の一端側の厚み程度、盛土3に没入されるサイズであることが好ましい。
特に、石積壁2の延設方向に亘って、複数の上板部材40が並設されており、盛土3に没入されている突出部41が駅ホームの延在方向に連続して配置されている。
なお、盛土3における主働すべり面Qは、盛土3を構成する土や砂礫などの組成に応じて異なるものであり、図中に示した主働すべり面Qは、本実施形態を説明するための一例である。
また、盛土3に没入されている突出部41は、上板部材40に水平抵抗力を付与する機能も有している。
特に、上板部材40の一端側が石積壁2の最上段の石積ブロック1に固定され、上板部材40の他端側が主働すべり面Qを越えて配置されているので、盛土3の主働すべり面Qでのすべり破壊に対し、好適に抗することができる。
つまり、本実施形態の駅ホームの補強構造100を既存の駅ホームに構築すれば、例えば大規模地震が発生した場合でも、石積壁2が崩壊することはなく、駅ホームが損壊してしまうことはない。
このように、本実施形態の駅ホームの補強構造100であれば、駅ホームが損壊するのを防ぐことができる。
例えば、図2に示すように、上板部材40と最上段の石積ブロック1を固定するための締結部材Bが配設されていなくてもよい。
例えば、駅ホームの基礎である盛土3の安定性が高い場合には、上板部材40が石積壁2の裏側の盛土3を圧密して、上板部材40と石積壁2の上部と盛土3の一部が一体化していることで、盛土3の主働すべり面Qでのすべり破壊に対して抗することができるので、締結部材Bが設けられていなくても上板部材40が石積壁2を盛土3側に拘束することができる。
このような駅ホームの補強構造100であっても、駅ホームが損壊するのを防ぐことができる。
次に、本発明に係る駅ホームの補強構造の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
実施形態2の駅ホームの補強構造100は、既存の駅ホームにホームドアを設置するのにあわせて駅ホームを補強するための補強構造である。
なお、実施形態2での石積壁2は、石積ブロック1が5段積みされてなり、下から2段目の途中まで地中に埋没している。
L形鋼61は、石積ブロック1の上の空間62をより広くするための機能と、盛土3が空間62に侵入しないようする土留めの機能を有している。特に、このL形鋼61は、石積壁2の裏側の盛土3を押圧して圧密した状態で配設されている。
本実施形態では、H形鋼60とL形鋼61によって、駅ホームに設置するホームドア設備Dのケーブルなどを通すための空間62を形成している。
なお、L形鋼61は空間形成部材の一部としても機能している。
具体的には、上板部材40は、H形鋼60の上面に一端側の下面を接触させ、他端側が盛土3における主働すべり面Qを越える配置に配設されている。この上板部材40の突出部41も盛土3に没入されている。
そして、この上板部材40の上にホームドア設備Dの本体が設置される。
つまり、ホームドアを設置する既存の駅ホームに、この駅ホームの補強構造100を構築すれば、例えば大規模地震が発生した場合でも、石積壁2が崩壊することはなく、駅ホームが損壊してしまうことはない。
この駅ホームの補強構造100であれば、ホームドアを設置した駅ホームが損壊するのを防ぐことができる。
また、H形鋼60のみで石積ブロック1の上に空間62を形成してもよい。
2 石積壁
3 盛土
4 アスファルト舗装面
40 上板部材
41 突出部
60 H形鋼(空間形成部材)
61 L形鋼
62 空間
100 駅ホームの補強構造
Q 主働すべり面
B 締結部材
D ホームドア設備
Claims (3)
- 石積ブロックが積み重ねられた石積壁が駅ホームの延在方向に沿って延設されており、その石積壁が内側の既存の盛土を支えている構造の駅ホームを補強する駅ホームの補強構造であって、
前記石積壁における最上段の石積ブロックの上には、その石積ブロックの上面に一端側の下面を接触させ、他端側が前記盛土における主働すべり面を越えて配置されている上板部材が配設されており、
前記上板部材の前記他端側には、下方に向けて突き出しており、前記盛土に没入される突出部が設けられており、
前記石積壁の延設方向に亘って複数の前記上板部材が並設されて、前記盛土に没入されている前記突出部が前記駅ホームの延在方向に連続して配置されており、
前記上板部材の前記他端側の下面および前記突出部が前記石積壁との間の前記盛土を抱えるようにして、前記上板部材と前記石積壁の上部と前記盛土の一部とが一体化した態様に構成されていることを特徴とする駅ホームの補強構造。 - 前記上板部材の一端は、前記最上段の石積ブロックの上面に、締結部材を用いて固定されていることを特徴とする請求項1に記載の駅ホームの補強構造。
- 石積ブロックが積み重ねられた石積壁が駅ホームの延在方向に沿って延設されており、その石積壁が内側の既存の盛土を支えている構造の駅ホームを補強する駅ホームの補強構造であって、
前記石積壁における最上段の石積ブロックの上には、その石積ブロックの上に所定の空間を設けるための空間形成部材が固定され、前記空間形成部材の上にはその空間形成部材の上面に一端側の下面を接触させ、他端側が前記盛土における主働すべり面を越えて配置されている上板部材が固定されており、
前記上板部材の前記他端側には、下方に向けて突き出しており、前記盛土に没入される突出部が設けられており、
前記石積壁の延設方向に亘って複数の前記上板部材が並設されて、前記盛土に没入されている前記突出部が前記駅ホームの延在方向に連続して配置されており、
前記上板部材の前記他端側の下面および前記突出部が前記石積壁との間の前記盛土を抱えるようにして、前記上板部材と前記空間形成部材と前記石積壁の上部と前記盛土の一部とが一体化した態様に構成されていることを特徴とする駅ホームの補強構造。
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