JP2004036105A - 土留枠コンクリートボックス - Google Patents

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上野 俊一
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Abstract

【課題】傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置して土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図り、しかも、工期を短縮する。
【解決手段】上壁面2、両側壁面3、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面4をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面4に複数の開口窓部5を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部5の内部に土6aを充填すると共に開口窓部5に植生する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置して土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図ることのできる土留枠コンクリートボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、土砂崩れを生じやすい傾斜面などでは雨、地震、風化よる浸食などによって、傾斜面が崩壊する不都合があり、このため、土砂崩れを生じやすい傾斜面の土留箇所にはコンクリートによる法面が構築されて補強が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンクリートが構築された土留箇所の法面には草木がはえず、このため、土留箇所の緑化が図られず、自然環境の保全にはほど遠かった。また、土留箇所にコンクリートによる法面の構築作業にあっては、現地でのコンクリートの型枠、打設、養生などの作業が必要で、短時間に構築するのが困難であった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置して土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図り、しかも、工期を短縮することのできる土留枠コンクリートボックスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面に複数の開口窓部を形成した手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生する手段よりなるものである。
【0007】
ここで、請求項1、請求項2の好ましい態様として、開口窓部が形成された傾斜壁面の外側表面は、疑岩石模様に形成されている。
【0008】
また、請求項4の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成した手段よりなるものである。
【0009】
また、請求項5の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生する手段よりなるものである。
【0010】
ここで、請求項1、請求項2、請求項4、請求項5の好ましい態様として、各開口窓部は、土留枠コンクリートボックスの内部空間から外側の傾斜壁面の表面側に向けて斜め上向きに形成されている。また、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために設置される土留枠コンクリートボックスの両側壁面には複数の通水孔が形成され、コンクリートボックスの上端及び下端には該コンクリートボックス同士を上下に連結する上下連結部が設けられ、コンクリートボックスの両側壁面側には該コンクリートボックス同士を横方向に連結する横連結部が設けられている。
【0011】
また、請求項7の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面に複数の開口窓部を形成した手段よりなるものである。
【0012】
また、請求項8の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生する手段よりなるものである。
【0013】
ここで、請求項7、請求項8の好ましい態様として、開口窓部が形成された略垂直壁面の外側表面は、疑岩石模様に形成されている。
【0014】
また、請求項9の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成した手段よりなるものである。
【0015】
また、請求項10の発明は、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生する手段よりなるものである。
【0016】
ここで、請求項7、請求項8、請求項10、請求項11の好ましい態様として、各開口窓部は、土留枠コンクリートボックスの内部空間から外側の略垂直壁面の表面側に向けて斜め上向きに形成されている。また、傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために設置される土留枠コンクリートボックスの両側壁面には複数の通水孔が形成され、コンクリートボックスの上端及び下端には該コンクリートボックス同士を上下に連結する上下連結部が設けられ、コンクリートボックスの両側壁面側には該コンクリートボックス同士を横方向に連結する横連結部が設けられている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0018】
〔実施の形態−1〕
ここで、図1は土留枠コンクリートボックスの斜視図、図2は土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図、図3は土留枠コンクリートボックスの断面図、図4は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図、図5は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【0019】
図において、土留枠コンクリートボックス1は、土砂崩れを生じやすい傾斜面などの土留箇所に設置して、土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図り、しかも、工期を短縮することができる特徴を有している。
【0020】
土留枠コンクリートボックス1は、上壁面2、両側壁面3、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面4をコンクリートで囲んで形成され、法面側となる傾斜壁面4に複数の開口窓部5が形成された構造からなっており、工場で製作されて現場に搬送され、現場の土留箇所に設置される。工場で製作されるために、現場の土留箇所で構築される場合に比べて工期を短縮できる利点がある。
【0021】
土留枠コンクリートボックス1は、上壁面2、両側壁面3、法面側となる傾斜壁面4がコンクリートで形成され、上壁面2、両側壁面3及び傾斜壁面4を形成するコンクリートの内部には例えば鉄筋が配筋されていて、鉄筋により補強されている。
【0022】
また、土留枠コンクリートボックス1は、法面側となる傾斜壁面4の反対側となる背面側1b及び底面側1cは開口され、上壁面2、両側壁面3及び傾斜壁面4の四面側で囲まれた内部は空間1aになっていて、内部空間1aには後記の中詰め用の土石類6、植生用の土6aなどが充填される。
【0023】
土留枠コンクリートボックス1の上部側を構成する上壁面2は、平面から見て長方形の形状をしており、長方形の二つの長辺のうちその一辺側に法面側となる傾斜壁面4に連なっており、又これと向かい合う他辺側は開口する背面側1bに連なっている。上壁面2の長方形の二つの両短辺側はそれぞれ側壁面3に連なっている。上壁面2には上部段差2aが形成され、上部段差2aの両側表面は水平面に形成されている。
【0024】
上部段差2aは上壁面2の長手方向つまり両側壁面3側に向けて形成され、又上部段差2aは傾斜壁面4に連なる側が高く、背面側1bに連なる側が低くなっている。上壁面2の上部段差2aは、上壁面2の上に別体の土留枠コンクリートボックス1を重ねて設置する場合に、上側の土留枠コンクリートボックス1の傾斜壁面4の下面に形成された後記の下部段差4aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス1が傾斜壁面4側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0025】
土留枠コンクリートボックス1の両側部側を構成する両側壁面3は、真向かいから見て、上壁面2側に連なる上辺と開口する底面側1cに連なる下辺が上下に略平行に形成され、法面側となる傾斜壁面4に連なる一側辺が下向きに傾斜拡幅する傾斜辺に形成され、開口する背面側1bに連なる他側辺が上下に垂直に近い傾斜辺に形成されている。また、両側壁面3の表面は略垂直面に形成されていて、両側に別体の土留枠コンクリートボックス1を設置する場合に、略隙間なく設置できるようになっている。
【0026】
両側壁面3の表面は、周縁に比べてその内側の厚みが小さく形成されていて、その厚みの小さい内側には、必要に応じて通水孔3aが適宜間隔で複数形成されていて、土留枠コンクリートボックス1の内部の水はけが図られている。また、両側壁面3に通水孔3aを形成するのに代えて、両側壁面3が例えばポーラスコンクリートのような透水性コンクリートで形成されることもある。
【0027】
土留枠コンクリートボックス1の正面部側を構成する傾斜壁面4は、真向かいから見て、方形状の形状を有し、左右の各側壁面3にそれぞれ連なる両側辺は垂直に形成され、上壁面2に連なる上辺側に対して底面側1cに連なる下辺側が前方側つまり手前に向かって下向きに傾斜する傾斜面に形成されている。この傾斜壁面4は設置時には法面側となる。
【0028】
傾斜壁面4の下端の下面には下部段差4aが形成されている。下部段差4aは傾斜壁面4の長手方向つまり両側壁面3側に向けて形成され、又下部段差4aは傾斜壁面4の表面に連なる側が高く、傾斜壁面4の内側つまり内部空間1aに連なる側が低くなっている。傾斜壁面4の下面の下部段差4aは、下側の土留枠コンクリートボックス1の上に更に土留枠コンクリートボックス1を重ねて設置する場合に、下側の土留枠コンクリートボックス1の上壁面2に形成された上記上部段差2aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス1が傾斜壁面4側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0029】
土留箇所設置時に法面側となる傾斜壁面4には、複数の開口窓部5が形成されている。開口窓部5を通じて傾斜壁面4の表面側は土留枠コンクリートボックス1の内部空間1aと連通する。開口窓部5は例えば横長な長方形の形状をしており、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0030】
土留枠コンクリートボックス1の土留箇所設置時に法面側になる各開口窓部5は、内部空間1aから外側の傾斜壁面4の表面側に向けて斜め上向きに形成されていて、内部空間1aに充填する土石類6や土6aが土圧によって各開口窓部5から外側に押し出されるの防ぐ構造になっている。
【0031】
即ち、各開口窓部5の上下に横設された仕切梁は、内部空間1aから外側の傾斜壁面4の表面側に向けて斜め上向きに形成された土砂押出防止傾斜梁5aで構成されている。各開口窓部5の上下の仕切梁をそれぞれ構成する土砂押出防止傾斜梁5aは、開口窓部5の下側に位置する下部の土砂押出防止傾斜梁5aの傾斜上端がその上側に位置する上部の土砂押出防止傾斜梁5aの傾斜下端より高くなるように形成されている。
【0032】
外側に向かって斜め上向きに形成された開口窓部5には、花、木、草などの植物aが植生される。このため、開口窓部5に連なる土留枠コンクリートボックス1の内部空間1aには、植物aが植生し易いような土6aが充填されている。また、内部空間1aには中詰め材として土石類6が充填されている。土石類6には、例えば客土、礫質土砂、自然石、砕石、栗石、割石、小石、土砂などが使用される。
【0033】
また、開口窓部5が形成された傾斜壁面4の外側表面つまり開口窓部5の周囲の外側表面4bは、疑岩石模様のデザイン仕上げに形成されている。この場合、外側表面4bのコンクリート自体を疑岩石模様のデザイン仕上げに加工する場合と、疑岩石模様のデザイン仕上げに加工された表面化粧コンクリート板を外側表面4bに取り付ける場合とがある。
【0034】
土留枠コンクリートボックス1の開口する背面側1b、底面側1cには、背面側1b及び底面側1cが開口することによって土留枠コンクリートボックス1の強度が低下するのを防ぐため及び転倒防止のために、補助連結横梁1dが必要に応じて取り付けられる。
【0035】
補助連結横梁1dは例えば開口する背面側1bの下端側で且つ底面側1cの後端側となる位置に横設されている。補助連結横梁1dはその両端が左右の側面3の背面側1bと底面側1cとの交点側にそれぞれ連結されて横設されている。補助連結横梁1dには例えば内部に鉄筋が配筋されたコンクリートが使用されている。
【0036】
さらに、土留枠コンクリートボックス1の内部空間1a側となる傾斜壁面4の内面側の中央には、上下に中間縦梁1eが形成されている。中間縦梁1eは横長な複数の開口窓部5が形成されて強度が低下している傾斜壁面4を補強するものである。中間縦梁1eには例えば内部に鉄筋が配筋されたコンクリートが使用されている。
【0037】
土留枠コンクリートボックス1には、該土留枠コンクリートボックス1同士を上下に重ねて設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス1の上端側と下端側には上下連結部7が必要に応じて設けられている。
【0038】
上下連結部7は上下の土留枠コンクリートボックス1同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる上下連結部7は、上壁面2の上部段差2aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、又傾斜壁面4の下面の下部段差4aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、上下の各上下連結部7の連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、上下の土留枠コンクリートボックス1同士を連結するようになっている。
【0039】
土留枠コンクリートボックス1には、該土留枠コンクリートボックス1同士を横方向に連接して設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス1の左右の両側壁面3の下部側及び傾斜壁面4の左右下部側には横連結部7aが必要に応じて設けられている。
【0040】
横連結部7aは横方向の土留枠コンクリートボックス1同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる横連結部7aは、左右の両側壁面3の下部側及び傾斜壁面4の左右下部側に形成され、左右の各横連結部7aの連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、横方向の土留枠コンクリートボックス1同士を連結するようになっている。
【0041】
土留枠コンクリートボックス1には、該土留枠コンクリートボックス1を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する場合もあるため、土留枠コンクリートボックス1の左右の両側壁面3の上部側には支持連結部7bが必要に応じて設けられている。
【0042】
支持連結部7bは各土留枠コンクリートボックス1を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する際にそのメッセンジャワイヤーを連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる支持連結部7bは、左右の両側壁面3の上部側の上下に水平向きの孔に形成され、左右の各支持連結部7bの連結孔に例えばメッセンジャワイヤーの先端側を挿入してナットで締めることによって、各土留枠コンクリートボックス1を後方の地盤に支持するようになっている。
【0043】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく土留枠コンクリートボックスの設置作業について以下説明する。
土留箇所の基礎bの施工後、予め工場などで製作された土留枠コンクリートボックス1を現地まで輸送し、クレーンなどを使用して土留箇所の基礎bの上に据え付ける。
【0044】
土留枠コンクリートボックス1を据え付けた後、横方向に連接された別体の土留枠コンクリートボックス1同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス1の左右の側壁面3側に形成された横連結部7aを利用して行う。また、必要に応じて、後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーなどを使って土留枠コンクリートボックス1に支持する。
【0045】
さらに、土留枠コンクリートボックス1を上下に重ねる場合には、上下の土留枠コンクリートボックス1同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス1の上下に形成された上下連結部7を利用して行う。
【0046】
その後、土留枠コンクリートボックス1の内部空間1aに、中詰め用の土石類6を充填すると共に、開口窓部5に連通する側には植生用の土6aを充填する。各開口窓部5は上下の土砂押出防止傾斜梁5aによって斜め上向きに形成されているために、充填した土6aが土圧によって開口窓部5から外側に押し出されるのが防止される。
【0047】
そして、土留枠コンクリートボックス1の開口窓部5に植物aを植生する。開口窓部5の内部には植生用の土6aが充填されているために、この土6aによって植物aは生育することができ、これによって、土留箇所の法面の緑化が図られる。
【0048】
また、開口窓部5の周囲の傾斜壁面4の外側表面4bは疑岩石模様に形成されているために、開口窓部5で植生される植物はあたかも岩石の間から生えているように視認され、土留箇所の法面の緑化の美観が損なわれることがない。
【0049】
〔実施の形態−2〕
ここで、図6は土留枠コンクリートボックスの斜視図、図7は土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図、図8は土留枠コンクリートボックスの断面図、図9は土留枠コンクリートボックスの分解斜視図、図10は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図、図11は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【0050】
図において、土留枠コンクリートボックス11は、土砂崩れを生じやすい傾斜面などの土留箇所に設置して、土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図り、しかも、工期を短縮することができる特徴を有している。
【0051】
土留枠コンクリートボックス11は、上壁面12、両側壁面13、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面14をコンクリートで囲んで形成され、法面側となる傾斜壁面14の外側表面14bは疑岩石模様に形成されていると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部15が形成された構造からなっており、工場で製作されて現場に搬送され、現場の土留箇所に設置される。工場で製作されるために、現場の土留箇所で構築される場合に比べて工期を短縮できる利点がある。
【0052】
土留枠コンクリートボックス11は、上壁面12、両側壁面13、法面側となる傾斜壁面14がコンクリートで形成され、上壁面12、両側壁面13及び傾斜壁面14を形成するコンクリートの内部には例えば鉄筋が配筋されていて、鉄筋により補強されている。
【0053】
また、土留枠コンクリートボックス11は、法面側となる傾斜壁面14の反対側となる背面側11b及び底面側11cは開口され、上壁面12、両側壁面13及び傾斜壁面14の四面側で囲まれた内部は空間11aになっていて、内部空間11aには後記の中詰め用の土石類16、植生用の土16aなどが充填される。
【0054】
土留枠コンクリートボックス11の上部側を構成する上壁面12は、平面から見て長方形の形状をしており、長方形の二つの長辺のうちその一辺側に法面側となる傾斜壁面14に連なっており、又これと向かい合う他辺側は開口する背面側11bに連なっている。上壁面12の長方形の二つの両短辺側はそれぞれ側壁面13に連なっている。上壁面12には上部段差12aが形成され、上部段差12aの両側表面は水平面に形成されている。
【0055】
上部段差12aは上壁面12の長手方向つまり両側壁面13側に向けて形成され、又上部段差12aは傾斜壁面14に連なる側が高く、背面側11bに連なる側が低くなっている。上壁面12の上部段差12aは、上壁面12の上に別体の土留枠コンクリートボックス11を重ねて設置する場合に、上側の土留枠コンクリートボックス11の傾斜壁面14の下面に形成された後記の下部段差14aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス11が傾斜壁面14側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0056】
土留枠コンクリートボックス11の両側部側を構成する両側壁面13は、真向かいから見て、上壁面12側に連なる上辺と開口する底面側11cに連なる下辺が上下に略平行に形成され、法面側となる傾斜壁面14に連なる一側辺が下向きに傾斜拡幅する傾斜辺に形成され、開口する背面側11bに連なる他側辺が上下に垂直に近い傾斜辺に形成されている。また、両側壁面13の表面は略垂直面に形成されていて、両側に別体の土留枠コンクリートボックス11を設置する場合に、略隙間なく設置できるようになっている。
【0057】
両側壁面13の表面は、周縁に比べてその内側の厚みが小さく形成されていて、その厚みの小さい内側には、必要に応じて通水孔13aが適宜間隔で複数形成されていて、土留枠コンクリートボックス11の内部の水はけが図られている。また、両側壁面13に通水孔13aを形成するのに代えて、両側壁面13が例えばポーラスコンクリートのような透水性コンクリートで形成されることもある。
【0058】
土留枠コンクリートボックス11の正面部側を構成する傾斜壁面14は、真向かいから見て、方形状の形状を有し、左右の各側壁面13にそれぞれ連なる両側辺は垂直に形成され、上壁面12に連なる上辺側に対して底面側11cに連なる下辺側が前方側つまり手前に向かって下向きに傾斜する傾斜面に形成されている。この傾斜壁面14は設置時には法面側となる。
【0059】
傾斜壁面14の下端の下面には下部段差14aが形成されている。下部段差14aは傾斜壁面14の長手方向つまり両側壁面13側に向けて形成され、又下部段差14aは傾斜壁面14の表面に連なる側が高く、傾斜壁面14の内側つまり内部空間11aに連なる側が低くなっている。傾斜壁面14の下面の下部段差14aは、下側の土留枠コンクリートボックス11の上に更に土留枠コンクリートボックス11を重ねて設置する場合に、下側の土留枠コンクリートボックス11の上壁面12に形成された上記上部段差12aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス11が傾斜壁面14側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0060】
土留箇所設置時に法面側となる傾斜壁面14の外側表面14bは疑岩石模様に形成されている。この場合、傾斜壁面14の外側表面14bのコンクリート自体を疑岩石模様のデザイン仕上げに加工する場合と、疑岩石模様のデザイン仕上げに加工された表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cを傾斜壁面14の箇所に取り付ける場合とがある。
【0061】
特に、土留枠コンクリートボックス11が大型で重量が重たく、クレーンで容易に吊り上げることができない場合には、表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cは別体となり、別体の表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cを傾斜壁面14の箇所に取り付ける構造になる。
【0062】
この場合には、表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cが取り付けられる傾斜壁面14となる箇所の内部側には縦横に取付梁14dが形成されていて、取付梁14dにボルトナットなどの締結具を利用して表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cを取り付ける構造になっている。
【0063】
疑岩石模様の外側表面14b或いは表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cには、複数の開口窓部15が形成されている。開口窓部15を通じて傾斜壁面4の表面側は土留枠コンクリートボックス1の内部空間11aと連通する。開口窓部15は例えば岩石同士の隙間にできる自然な穴のような形状をしており、上下左右に間隔をあけて複数形成されている。
【0064】
土留枠コンクリートボックス1の土留箇所設置時に法面側になる各開口窓部15は、内部空間11aから外側の傾斜壁面14の外側表面14b側に向けて斜め上向きに形成されていて、内部空間11aに充填する土石類16や土16aが土圧によって各開口窓部15から外側に押し出されるの防ぐ構造になっている。
【0065】
即ち、各開口窓部15は、土砂が押し出される場合の出口となる外側表面14bに位置する開口窓上端が土砂が押し出される場合の入口となる内部空間11aに位置する開口窓下端より高くなるように形成されている。
【0066】
外側に向かって斜め上向きに形成された開口窓部15には、花、木、草などの植物aが植生される。このため、開口窓部15に連なる土留枠コンクリートボックス11の内部空間11aには、植物aが植生し易いような土16aが充填されている。また、内部空間11aには中詰め材として土石類16が充填されている。土石類16には、例えば客土、礫質土砂、自然石、砕石、栗石、割石、小石、土砂などが使用される。
【0067】
土留枠コンクリートボックス11の開口する背面側11b、底面側11cには、背面側11b及び底面側11cが開口することによって土留枠コンクリートボックス11の強度が低下するのを防ぐため及び転倒防止のために、補助連結横梁11dが必要に応じて取り付けられる。
【0068】
補助連結横梁11dは例えば開口する背面側11bの下端側で且つ底面側11cの後端側となる位置に横設されている。補助連結横梁11dはその両端が左右の側面13の背面側11bと底面側11cとの交点側にそれぞれ連結されて横設されている。補助連結横梁11dには例えば内部に鉄筋が配筋されたコンクリートが使用されている。
【0069】
土留枠コンクリートボックス11には、該土留枠コンクリートボックス11同士を上下に重ねて設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス11の上端側と下端側には上下連結部17が必要に応じて設けられている。
【0070】
上下連結部17は上下の土留枠コンクリートボックス11同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる上下連結部17は、上壁面12の上部段差12aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、又傾斜壁面14の下面の下部段差14aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、上下の各上下連結部17の連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、上下の土留枠コンクリートボックス11同士を連結するようになっている。
【0071】
土留枠コンクリートボックス11には、該土留枠コンクリートボックス11同士を横方向に連接して設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス11の左右の両側壁面13の下部側及び傾斜壁面14の左右下部側には横連結部17aが必要に応じて設けられている。
【0072】
横連結部17aは横方向の土留枠コンクリートボックス11同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる横連結部17aは、左右の両側壁面13の下部側及び傾斜壁面14の左右下部側に形成され、左右の各横連結部17aの連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、横方向の土留枠コンクリートボックス11同士を連結するようになっている。
【0073】
土留枠コンクリートボックス11には、該土留枠コンクリートボックス11を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する場合もあるため、土留枠コンクリートボックス11の左右の両側壁面13の上部側には支持連結部17bが必要に応じて設けられている。
【0074】
支持連結部17bは各土留枠コンクリートボックス11を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する際にそのメッセンジャワイヤーを連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる支持連結部17bは、左右の両側壁面13の上部側の上下に水平向きの孔に形成され、左右の各支持連結部17bの連結孔に例えばメッセンジャワイヤーの先端側を挿入してナットで締めることによって、各土留枠コンクリートボックス11を後方の地盤に支持するようになっている。
【0075】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく土留枠コンクリートボックスの設置作業について以下説明する。
土留箇所の基礎bの施工後、予め工場などで製作された土留枠コンクリートボックス11を現地まで輸送し、クレーンなどを使用して土留箇所の基礎bの上に据え付ける。
【0076】
土留枠コンクリートボックス11を据え付けた後、横方向に連接された別体の土留枠コンクリートボックス11同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス11の左右の側壁面13側に形成された横連結部17aを利用して行う。また、必要に応じて、後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーなどを使って土留枠コンクリートボックス11に支持する。
【0077】
さらに、土留枠コンクリートボックス11を上下に重ねる場合には、上下の土留枠コンクリートボックス11同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス11の上下に形成された上下連結部17を利用して行う。
【0078】
この場合において、傾斜壁面14が別体の表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cで構成されるときには、傾斜壁面14の箇所に形成されている取付梁14dの表面に表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cを取り付け、ボルトナットなどの締結具を用いて表面疑岩石模様化粧コンクリート板14cを傾斜壁面14の箇所に取り付ける。
【0079】
その後、土留枠コンクリートボックス11の内部空間11aに、中詰め用の土石類16を充填すると共に、開口窓部15に連通する側には植生用の土16aを充填する。各開口窓部15は斜め上向きに形成されているために、充填した土16aが土圧によって開口窓部15から外側に押し出されるのが防止される。
【0080】
そして、土留枠コンクリートボックス11の開口窓部15に植物aを植生する。開口窓部15の内部には植生用の土16aが充填されているために、この土16aによって植物aは生育することができ、これによって、土留箇所の法面の緑化が図られる。
【0081】
また、開口窓部15の周囲の傾斜壁面14の外側表面14bは疑岩石模様に形成されているために、開口窓部15で植生される植物はあたかも岩石の間から生えているように視認され、土留箇所の法面の緑化の美観が損なわれることがない。
【0082】
〔実施の形態−3〕
ここで、図12は土留枠コンクリートボックスの斜視図、図13は土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図、図14は土留枠コンクリートボックスの断面図、図15は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図、図16は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【0083】
図において、土留枠コンクリートボックス21は、土砂崩れを生じやすい傾斜面などの土留箇所に設置して、土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図り、しかも、工期を短縮することができる特徴を有している。
【0084】
土留枠コンクリートボックス21は、上壁面22、両側壁面23、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面24をコンクリートで囲んで形成され、法面側となる略垂直壁面24に複数の開口窓部25が形成された構造からなっており、工場で製作されて現場に搬送され、現場の土留箇所に設置される。工場で製作されるために、現場の土留箇所で構築される場合に比べて工期を短縮できる利点がある。
【0085】
土留枠コンクリートボックス21は、上壁面22、両側壁面23、法面側となる略垂直壁面24がコンクリートで形成され、上壁面22、両側壁面23及び略垂直壁面24を形成するコンクリートの内部には例えば鉄筋が配筋されていて、鉄筋により補強されている。
【0086】
また、土留枠コンクリートボックス21は、法面側となる略垂直壁面24の反対側となる背面側21b及び底面側21cは開口され、上壁面22、両側壁面23及び略垂直壁面24の四面側で囲まれた内部は空間21aになっていて、内部空間21aには後記の中詰め用の土石類26、植生用の土26aなどが充填される。
【0087】
土留枠コンクリートボックス21の上部側を構成する上壁面22は、平面から見て長方形の形状をしており、長方形の二つの長辺のうちその一辺側に法面側となる略垂直壁面24に連なっており、又これと向かい合う他辺側は開口する背面側21bに連なっている。上壁面22の長方形の二つの両短辺側はそれぞれ側壁面23に連なっている。上壁面22には上部段差22aが形成され、上部段差22aの両側表面は水平面に形成されている。
【0088】
上部段差22aは上壁面22の長手方向つまり両側壁面23側に向けて形成され、又上部段差22aは略垂直壁面24に連なる側が高く、背面側21bに連なる側が低くなっている。上壁面22の上部段差22aは、上壁面22の上に別体の土留枠コンクリートボックス21を重ねて設置する場合に、上側の土留枠コンクリートボックス21の略垂直壁面24の下面に形成された後記の下部段差24aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス21が略垂直壁面24側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0089】
土留枠コンクリートボックス21の両側部側を構成する両側壁面23は、真向かいから見て、上壁面22側に連なる上辺と開口する底面側21cに連なる下辺が上下に略平行に形成され、法面側となる略垂直壁面24に連なる一側辺が略垂直辺に形成され、開口する背面側21bに連なる他側辺が下向きに傾斜拡幅する傾斜辺に形成されている。また、両側壁面23の表面は略垂直面に形成されていて、両側に別体の土留枠コンクリートボックス21を設置する場合に、略隙間なく設置できるようになっている。
【0090】
両側壁面23の表面は、周縁に比べてその内側の厚みが小さく形成されていて、その厚みの小さい内側には、必要に応じて通水孔23aが適宜間隔で複数形成されていて、土留枠コンクリートボックス21の内部の水はけが図られている。また、両側壁面23に通水孔23aを形成するのに代えて、両側壁面23が例えばポーラスコンクリートのような透水性コンクリートで形成されることもある。
【0091】
土留枠コンクリートボックス21の正面部側を構成する略垂直壁面24は、真向かいから見て、方形状の形状を有し、左右の各側壁面23にそれぞれ連なる両側辺は垂直に形成され、又その表面が略垂直面に形成されている。この略垂直壁面24は設置時には法面側となる。
【0092】
略垂直壁面24の下端の下面には下部段差24aが形成されている。下部段差24aは略垂直壁面24の長手方向つまり両側壁面23側に向けて形成され、又下部段差24aは略垂直壁面24の表面に連なる側が高く、略垂直壁面24の内側つまり内部空間21aに連なる側が低くなっている。略垂直壁面24の下面の下部段差24aは、下側の土留枠コンクリートボックス21の上に更に土留枠コンクリートボックス21を重ねて設置する場合に、下側の土留枠コンクリートボックス21の上壁面22に形成された上記上部段差22aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス21が略垂直壁面24側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0093】
土留箇所設置時に法面側となる略垂直壁面24には、複数の開口窓部25が形成されている。開口窓部25を通じて略垂直壁面24の表面側は土留枠コンクリートボックス21の内部空間21aと連通する。開口窓部25は例えば横長な長方形の形状をしており、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0094】
土留枠コンクリートボックス21の土留箇所設置時に法面側になる各開口窓部25は、内部空間21aから外側の略垂直壁面24の表面側に向けて斜め上向きに形成されていて、内部空間21aに充填する土石類26や土26aが土圧によって各開口窓部25から外側に押し出されるの防ぐ構造になっている。
【0095】
即ち、各開口窓部25の上下に横設された仕切梁は、内部空間21aから外側の略垂直壁面24の表面側に向けて斜め上向きに形成された土砂押出防止傾斜梁25aで構成されている。各開口窓部25の上下の仕切梁をそれぞれ構成する土砂押出防止傾斜梁25aは、開口窓部25の下側に位置する下部の土砂押出防止傾斜梁25aの傾斜上端がその上側に位置する上部の土砂押出防止傾斜梁25aの傾斜下端より高くなるように形成されている。
【0096】
外側に向かって斜め上向きに形成された開口窓部25には、花、木、草などの植物aが植生される。このため、開口窓部25に連なる土留枠コンクリートボックス21の内部空間21aには、植物aが植生し易いような土26aが充填されている。また、内部空間21aには中詰め材として土石類26が充填されている。土石類26には、例えば客土、礫質土砂、自然石、砕石、栗石、割石、小石、土砂などが使用される。
【0097】
また、開口窓部25が形成された略垂直壁面24の外側表面つまり開口窓部25の周囲の外側表面24bは、疑岩石模様のデザイン仕上げに形成されている。この場合、外側表面24bのコンクリート自体を疑岩石模様のデザイン仕上げに加工する場合と、疑岩石模様のデザイン仕上げに加工された表面化粧コンクリート板を外側表面24bに取り付ける場合とがある。
【0098】
土留枠コンクリートボックス21の開口する背面側21b、底面側21cには、背面側21b及び底面側21cが開口することによって土留枠コンクリートボックス21の強度が低下するのを防ぐため及び転倒防止のために、補助連結横梁21dが必要に応じて取り付けられる。
【0099】
補助連結横梁21dは例えば開口する背面側21bの下端側で且つ底面側21cの後端側となる位置に横設されている。補助連結横梁21dはその両端が左右の側面23の背面側21bと底面側21cとの交点側にそれぞれ連結されて横設されている。補助連結横梁21dには例えば内部に鉄筋が配筋されたコンクリートが使用されている。
【0100】
さらに、土留枠コンクリートボックス21の内部空間21a側となる略垂直壁面24の内面側の中央には、上下に中間縦梁21eが形成されている。中間縦梁21eは横長な複数の開口窓部25が形成されて強度が低下している略垂直壁面24を補強するものである。中間縦梁21eには例えば内部に鉄筋が配筋されたコンクリートが使用されている。
【0101】
土留枠コンクリートボックス21には、該土留枠コンクリートボックス21同士を上下に重ねて設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス21の上端側と下端側には上下連結部27が必要に応じて設けられている。
【0102】
上下連結部27は上下の土留枠コンクリートボックス21同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる上下連結部27は、上壁面22の上部段差22aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、又略垂直壁面24の下面の下部段差24aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、上下の各上下連結部27の連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、上下の土留枠コンクリートボックス21同士を連結するようになっている。
【0103】
土留枠コンクリートボックス21には、該土留枠コンクリートボックス21同士を横方向に連接して設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス21の左右の両側壁面23の下部側及び略垂直壁面24の左右下部側には横連結部27aが必要に応じて設けられている。
【0104】
横連結部27aは横方向の土留枠コンクリートボックス21同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる横連結部27aは、左右の両側壁面23の下部側及び略垂直壁面24の左右下部側に形成され、左右の各横連結部27aの連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、横方向の土留枠コンクリートボックス21同士を連結するようになっている。
【0105】
土留枠コンクリートボックス21には、該土留枠コンクリートボックス21を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する場合もあるため、土留枠コンクリートボックス21の左右の両側壁面23の上部側には支持連結部27bが必要に応じて設けられている。
【0106】
支持連結部27bは各土留枠コンクリートボックス21を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する際にそのメッセンジャワイヤーを連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる支持連結部27bは、左右の両側壁面23の上部側の上下に水平向きの孔に形成され、左右の各支持連結部27bの連結孔に例えばメッセンジャワイヤーの先端側を挿入してナットで締めることによって、各土留枠コンクリートボックス21を後方の地盤に支持するようになっている。
【0107】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく土留枠コンクリートボックスの設置作業について以下説明する。
土留箇所の基礎bの施工後、予め工場などで製作された土留枠コンクリートボックス21を現地まで輸送し、クレーンなどを使用して土留箇所の基礎bの上に据え付ける。
【0108】
土留枠コンクリートボックス21を据え付けた後、横方向に連接された別体の土留枠コンクリートボックス21同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス21の左右の側壁面23側に形成された横連結部27aを利用して行う。また、必要に応じて、後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーなどを使って土留枠コンクリートボックス21に支持する。
【0109】
さらに、土留枠コンクリートボックス21を上下に重ねる場合には、上下の土留枠コンクリートボックス21同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス21の上下に形成された上下連結部27を利用して行う。
【0110】
その後、土留枠コンクリートボックス21の内部空間21aに、中詰め用の土石類26を充填すると共に、開口窓部25に連通する側には植生用の土26aを充填する。各開口窓部25は上下の土砂押出防止傾斜梁25aによって斜め上向きに形成されているために、充填した土26aが土圧によって開口窓部25から外側に押し出されるのが防止される。
【0111】
そして、土留枠コンクリートボックス21の開口窓部25に植物aを植生する。開口窓部25の内部には植生用の土26aが充填されているために、この土26aによって植物aは生育することができ、これによって、土留箇所の法面の緑化が図られる。
【0112】
また、開口窓部25の周囲の略垂直壁面24の外側表面24bは疑岩石模様に形成されているために、開口窓部25で植生される植物はあたかも岩石の間から生えているように視認され、土留箇所の法面の緑化の美観が損なわれることがない。
【0113】
〔実施の形態−4〕
ここで、図17は土留枠コンクリートボックスの斜視図、図18は土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図、図19は土留枠コンクリートボックスの断面図、図20は土留枠コンクリートボックスの分解斜視図、図21は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図、図22は土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【0114】
図において、土留枠コンクリートボックス31は、土砂崩れを生じやすい傾斜面などの土留箇所に設置して、土砂崩れを防ぐと共に、傾斜面の法面箇所の緑化を図り、しかも、工期を短縮することができる特徴を有している。
【0115】
土留枠コンクリートボックス31は、上壁面32、両側壁面33、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面34をコンクリートで囲んで形成され、法面側となる略垂直壁面34の外側表面34bは疑岩石模様に形成されていると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部35が形成された構造からなっており、工場で製作されて現場に搬送され、現場の土留箇所に設置される。工場で製作されるために、現場の土留箇所で構築される場合に比べて工期を短縮できる利点がある。
【0116】
土留枠コンクリートボックス31は、上壁面32、両側壁面33、法面側となる略垂直壁面34がコンクリートで形成され、上壁面32、両側壁面33及び略垂直壁面34を形成するコンクリートの内部には例えば鉄筋が配筋されていて、鉄筋により補強されている。
【0117】
また、土留枠コンクリートボックス31は、法面側となる略垂直壁面34の反対側となる背面側31b及び底面側31cは開口され、上壁面32、両側壁面33及び略垂直壁面34の四面側で囲まれた内部は空間31aになっていて、内部空間31aには後記の中詰め用の土石類36、植生用の土36aなどが充填される。
【0118】
土留枠コンクリートボックス31の上部側を構成する上壁面32は、平面から見て長方形の形状をしており、長方形の二つの長辺のうちその一辺側に法面側となる略垂直壁面34に連なっており、又これと向かい合う他辺側は開口する背面側31bに連なっている。上壁面32の長方形の二つの両短辺側はそれぞれ側壁面33に連なっている。上壁面32には上部段差32aが形成され、上部段差32aの両側表面は水平面に形成されている。
【0119】
上部段差32aは上壁面32の長手方向つまり両側壁面33側に向けて形成され、又上部段差32aは略垂直壁面34に連なる側が高く、背面側31bに連なる側が低くなっている。上壁面32の上部段差32aは、上壁面32の上に別体の土留枠コンクリートボックス31を重ねて設置する場合に、上側の土留枠コンクリートボックス31の略垂直壁面34の下面に形成された後記の下部段差34aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス31が略垂直壁面34側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0120】
土留枠コンクリートボックス31の両側部側を構成する両側壁面33は、真向かいから見て、上壁面32側に連なる上辺と開口する底面側31cに連なる下辺が上下に略平行に形成され、法面側となる略垂直壁面34に連なる一側辺が略垂直辺に形成され、開口する背面側31bに連なる他側辺が下向きに傾斜拡幅する傾斜辺に形成されている。また、両側壁面33の表面は略垂直面に形成されていて、両側に別体の土留枠コンクリートボックス31を設置する場合に、略隙間なく設置できるようになっている。
【0121】
両側壁面33の表面は、周縁に比べてその内側の厚みが小さく形成されていて、その厚みの小さい内側には、必要に応じて通水孔33aが適宜間隔で複数形成されていて、土留枠コンクリートボックス31の内部の水はけが図られている。また、両側壁面33に通水孔33aを形成するのに代えて、両側壁面33が例えばポーラスコンクリートのような透水性コンクリートで形成されることもある。
【0122】
土留枠コンクリートボックス31の正面部側を構成する略垂直壁面34は、真向かいから見て、方形状の形状を有し、左右の各側壁面33にそれぞれ連なる両側辺は垂直に形成され、又その表面が略垂直面に形成されている。この略垂直壁面34は設置時には法面側となる。
【0123】
略垂直壁面34の下端の下面には下部段差34aが形成されている。下部段差34aは略垂直壁面34の長手方向つまり両側壁面33側に向けて形成され、又下部段差34aは略垂直壁面34の表面に連なる側が高く、略垂直壁面34の内側つまり内部空間31aに連なる側が低くなっている。略垂直壁面34の下面の下部段差34aは、下側の土留枠コンクリートボックス31の上に更に土留枠コンクリートボックス31を重ねて設置する場合に、下側の土留枠コンクリートボックス31の上壁面32に形成された上記上部段差32aと係合して、上側の土留枠コンクリートボックス31が略垂直壁面34側にずれるのを防ぐ機能を果たす。
【0124】
土留箇所設置時に法面側となる略垂直壁面34の外側表面34bは疑岩石模様に形成されている。この場合、略垂直壁面34の外側表面34bのコンクリート自体を疑岩石模様のデザイン仕上げに加工する場合と、疑岩石模様のデザイン仕上げに加工された表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cを略垂直壁面34の箇所に取り付ける場合とがある。
【0125】
特に、土留枠コンクリートボックス31が大型で重量が重たく、クレーンで容易に吊り上げることができない場合には、表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cは別体となり、別体の表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cを略垂直壁面34の箇所に取り付ける構造になる。
【0126】
この場合には、表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cが取り付けられる略垂直壁面34となる箇所の内部側には縦横に取付梁34dが形成されていて、取付梁34dにボルトナットなどの締結具を利用して表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cを取り付ける構造になっている。
【0127】
疑岩石模様の外側表面34b或いは表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cには、複数の開口窓部35が形成されている。開口窓部35を通じて傾斜壁面4の表面側は土留枠コンクリートボックス1の内部空間31aと連通する。開口窓部35は例えば岩石同士の隙間にできる自然な穴のような形状をしており、上下左右に間隔をあけて複数形成されている。
【0128】
土留枠コンクリートボックス1の土留箇所設置時に法面側になる各開口窓部35は、内部空間31aから外側の略垂直壁面34の外側表面34b側に向けて斜め上向きに形成されていて、内部空間31aに充填する土石類36や土36aが土圧によって各開口窓部35から外側に押し出されるの防ぐ構造になっている。
【0129】
即ち、各開口窓部35は、土砂が押し出される場合の出口となる外側表面34bに位置する開口窓上端が土砂が押し出される場合の入口となる内部空間31aに位置する開口窓下端より高くなるように形成されている。
【0130】
外側に向かって斜め上向きに形成された開口窓部35には、花、木、草などの植物aが植生される。このため、開口窓部35に連なる土留枠コンクリートボックス31の内部空間31aには、植物aが植生し易いような土36aが充填されている。また、内部空間31aには中詰め材として土石類36が充填されている。土石類36には、例えば客土、礫質土砂、自然石、砕石、栗石、割石、小石、土砂などが使用される。
【0131】
土留枠コンクリートボックス31の開口する背面側31b、底面側31cには、背面側31b及び底面側31cが開口することによって土留枠コンクリートボックス31の強度が低下するのを防ぐため及び転倒防止のために、補助連結横梁31dが必要に応じて取り付けられる。
【0132】
補助連結横梁31dは例えば開口する背面側31bの下端側で且つ底面側31cの後端側となる位置に横設されている。補助連結横梁31dはその両端が左右の側面33の背面側31bと底面側31cとの交点側にそれぞれ連結されて横設されている。補助連結横梁31dには例えば内部に鉄筋が配筋されたコンクリートが使用されている。
【0133】
土留枠コンクリートボックス31には、該土留枠コンクリートボックス31同士を上下に重ねて設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス31の上端側と下端側には上下連結部37が必要に応じて設けられている。
【0134】
上下連結部37は上下の土留枠コンクリートボックス31同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる上下連結部37は、上壁面32の上部段差32aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、又略垂直壁面34の下面の下部段差34aの低い側に長手方向に適当間隔をあけて複数形成され、上下の各上下連結部37の連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、上下の土留枠コンクリートボックス31同士を連結するようになっている。
【0135】
土留枠コンクリートボックス31には、該土留枠コンクリートボックス31同士を横方向に連接して設置されて使用される場合もあるため、土留枠コンクリートボックス31の左右の両側壁面33の下部側及び略垂直壁面34の左右下部側には横連結部37aが必要に応じて設けられている。
【0136】
横連結部37aは横方向の土留枠コンクリートボックス31同士を連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる横連結部37aは、左右の両側壁面33の下部側及び略垂直壁面34の左右下部側に形成され、左右の各横連結部37aの連結孔に図示しない連結ボルトを挿入してボルトで締めることによって、横方向の土留枠コンクリートボックス31同士を連結するようになっている。
【0137】
土留枠コンクリートボックス31には、該土留枠コンクリートボックス31を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する場合もあるため、土留枠コンクリートボックス31の左右の両側壁面33の上部側には支持連結部37bが必要に応じて設けられている。
【0138】
支持連結部37bは各土留枠コンクリートボックス31を後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーで支持する際にそのメッセンジャワイヤーを連結するための例えば連結孔からなる。例えば連結孔からなる支持連結部37bは、左右の両側壁面33の上部側の上下に水平向きの孔に形成され、左右の各支持連結部37bの連結孔に例えばメッセンジャワイヤーの先端側を挿入してナットで締めることによって、各土留枠コンクリートボックス31を後方の地盤に支持するようになっている。
【0139】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく土留枠コンクリートボックスの設置作業について以下説明する。
土留箇所の基礎bの施工後、予め工場などで製作された土留枠コンクリートボックス31を現地まで輸送し、クレーンなどを使用して土留箇所の基礎bの上に据え付ける。
【0140】
土留枠コンクリートボックス31を据え付けた後、横方向に連接された別体の土留枠コンクリートボックス31同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス31の左右の側壁面33側に形成された横連結部37aを利用して行う。また、必要に応じて、後方の地盤に例えばメッセンジャワイヤーなどを使って土留枠コンクリートボックス31に支持する。
【0141】
さらに、土留枠コンクリートボックス31を上下に重ねる場合には、上下の土留枠コンクリートボックス31同士を連結する。この連結は土留枠コンクリートボックス31の上下に形成された上下連結部37を利用して行う。
【0142】
この場合において、略垂直壁面34が別体の表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cで構成されるときには、略垂直壁面34の箇所に形成されている取付梁34dの表面に表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cを取り付け、ボルトナットなどの締結具を用いて表面疑岩石模様化粧コンクリート板34cを略垂直壁面34の箇所に取り付ける。
【0143】
その後、土留枠コンクリートボックス31の内部空間31aに、中詰め用の土石類36を充填すると共に、開口窓部35に連通する側には植生用の土36aを充填する。各開口窓部35は斜め上向きに形成されているために、充填した土36aが土圧によって開口窓部35から外側に押し出されるのが防止される。
【0144】
そして、土留枠コンクリートボックス31の開口窓部35に植物aを植生する。開口窓部35の内部には植生用の土36aが充填されているために、この土36aによって植物aは生育することができ、これによって、土留箇所の法面の緑化が図られる。
【0145】
また、開口窓部35の周囲の略垂直壁面34の外側表面34bは疑岩石模様に形成されているために、開口窓部35で植生される植物はあたかも岩石の間から生えているように視認され、土留箇所の法面の緑化の美観が損なわれることがない。
【0146】
なお、この発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例えば、この発明に係る土留枠コンクリートボックスは多自然型川造りにも使用可能である。
【0147】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、この発明に係る土留枠コンクリートボックスによれば、工場で予め製作された土留枠コンクリートボックスを現地の土砂崩れを防止する土留箇所に設置するために、従来のように土留箇所にコンクリートを打設して構築する場合に比べて、工期を短縮して土砂崩れを起こしやすい法面の補強を図ることができる。
また、土留枠コンクリートボックスの法面の開口窓部に植生することによって土留箇所の緑化を図ることが可能となる。
また、土留枠コンクリートボックスの法面の開口窓部の周囲の傾斜壁面の外側表面は疑岩石模様に形成されている場合、開口窓部で植生される植物はあたかも岩石の間から生えているように視認され、土留箇所の法面の緑化の美観が損なわれることがない。
また、地盤の支持力が小さい所、又基礎の不等沈下の恐れのある所に対応できる。土留枠として土圧に対して対処する方法としてはコンクリートボックスの躯体重量を増す。又底部の控え桁を長くしてコンクリートボックスの底部を広くする。工事の連続施工が可能で、又継ぎ手金具も使用可能で連結によりスクラム効果が期待できる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態−1を示す土留枠コンクリートボックスの斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態−1を示す土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態−1を示す土留枠コンクリートボックスの断面図である。
【図4】この発明の実施の形態−1を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態−1を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【図6】この発明の実施の形態−2を示す土留枠コンクリートボックスの斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態−2を示す土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態−2を示す土留枠コンクリートボックスの断面図である。
【図9】この発明の実施の形態−2を示す土留枠コンクリートボックスの分解斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態−2を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態−2を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【図12】この発明の実施の形態−3を示す土留枠コンクリートボックスの斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態−3を示す土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態−3を示す土留枠コンクリートボックスの断面図である。
【図15】この発明の実施の形態−3を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図である。
【図16】この発明の実施の形態−3を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【図17】この発明の実施の形態−4を示す土留枠コンクリートボックスの斜視図である。
【図18】この発明の実施の形態−4を示す土留枠コンクリートボックスの後方側から見た斜視図である。
【図19】この発明の実施の形態−4を示す土留枠コンクリートボックスの断面図である。
【図20】この発明の実施の形態−4を示す土留枠コンクリートボックスの分解斜視図である。
【図21】この発明の実施の形態−4を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの斜視図である。
【図22】この発明の実施の形態−4を示す土留枠コンクリートボックスを土留箇所に設置したときの断面図である。
【符号の説明】
1  土留枠コンクリートボックス
1a 内部空間
1b 背面側
1c 底面側
1d 補助連結横梁
1e 中間縦梁
2  上壁面
2a 上部段差
3  側壁面
3a 通水孔
4  傾斜壁面
4a 下部段差
4b 外側表面
5  開口窓部
5a 土砂押出防止傾斜梁
6  土石類
6a 土
7  上下連結部
7a 横連結部
7b 支持連結部
11  土留枠コンクリートボックス
11a 内部空間
11b 背面側
11c 底面側
11d 補助連結横梁
12  上壁面
12a 上部段差
13  側壁面
13a 通水孔
14  傾斜壁面
14a 下部段差
14b 外側表面
14c 表面疑岩石模様化粧コンクリート板
14d 取付梁
15  開口窓部
16  土石類
16a 土
17  上下連結部
17a 横連結部
17b 支持連結部
21  土留枠コンクリートボックス
21a 内部空間
21b 背面側
21c 底面側
21d 補助連結横梁
21e 中間縦梁
22  上壁面
22a 上部段差
23  側壁面
23a 通水孔
24  傾斜壁面
24a 下部段差
24b 外側表面
25  開口窓部
25a 土砂押出防止傾斜梁
26  土石類
26a 土
27  上下連結部
27a 横連結部
27b 支持連結部
31  土留枠コンクリートボックス
31a 内部空間
31b 背面側
31c 底面側
31d 補助連結横梁
32  上壁面
32a 上部段差
33  側壁面
33a 通水孔
34  傾斜壁面
34a 下部段差
34b 外側表面
34c 表面疑岩石模様化粧コンクリート板
34d 取付梁
35  開口窓部
36  土石類
36a 土
37  上下連結部
37a 横連結部
37b 支持連結部
a  植物
b  基礎

Claims (13)

  1. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面に複数の開口窓部を形成したことを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  2. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生することを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  3. 開口窓部が形成された傾斜壁面の外側表面は、疑岩石模様に形成されている請求項1又は請求項2記載の土留枠コンクリートボックス。
  4. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成したことを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  5. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び前方に向けて斜め下向きに傾斜し法面側となる傾斜壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる傾斜壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生することを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  6. 各開口窓部は、土留枠コンクリートボックスの内部空間から外側の傾斜壁面の表面側に向けて斜め上向きに形成されている請求項1、請求項2、請求項4、請求項5の何れかに記載の土留枠コンクリートボックス。
  7. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面に複数の開口窓部を形成したことを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  8. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生することを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  9. 開口窓部が形成された略垂直壁面の外側表面は、疑岩石模様に形成されている請求項7又は請求項8記載の土留枠コンクリートボックス。
  10. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成したことを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  11. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために土留箇所に設置される土留枠コンクリートボックスを、上壁面、両側壁面、及び略垂直な法面側となる略垂直壁面をコンクリートで囲んで形成し、法面側となる略垂直壁面の外側表面を疑岩石模様に形成すると共に疑岩石模様の間に複数の開口窓部を形成し、土留箇所に設置後の開口窓部の内部に土を充填すると共に開口窓部に植生することを特徴とする土留枠コンクリートボックス。
  12. 各開口窓部は、土留枠コンクリートボックスの内部空間から外側の略垂直壁面の表面側に向けて斜め上向きに形成されている請求項7、請求項8、請求項10、請求項11の何れかに記載の土留枠コンクリートボックス。
  13. 傾斜面の土砂崩れを防ぎ止めるために設置される土留枠コンクリートボックスの両側壁面には複数の通水孔が形成され、コンクリートボックスの上端及び下端には該コンクリートボックス同士を上下に連結する上下連結部が設けられ、コンクリートボックスの両側壁面側には該コンクリートボックス同士を横方向に連結する横連結部が設けられている請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、請求項7、請求項8、請求項10、請求項11の何れかに記載の土留枠コンクリートボックス。
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