JP7194424B2 - 豆腐を原料にした飼料の製造方法、製造装置及び飼料 - Google Patents

豆腐を原料にした飼料の製造方法、製造装置及び飼料 Download PDF

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Description

本発明は、豆腐を原料にした飼料の製造方法、製造装置及び飼料に係り、詳しくは、豆腐の製造工程で発生し、これまで殆ど利用されずに廃棄処分されていた豆腐を原料にした飼料を、好ましくは、豆腐製造業者が保有する豆腐製造設備の一部を共用して、製造する製造方法、製造装置及び飼料に関する。
豆腐は、古くから食され、多く摂っている地方に長寿者が多いことから長寿食とも称され、また近年は、栄養学の観点から、極めて高い栄養素(二大栄養素;タンパク質及び脂質)があることが科学的に立証され、さらに最近では、成人病や肥満などの増加を背景に、これらの発症の抑制や回復、健康維持に有効な食品、いわゆる機能性食品としても注目されて、日本のみならず、アメリカ合衆国やイギリスを始めとする英語圏の外、ドイツ語圏、フランス語圏及びイタリア語圏など、世界の様々な言語圏で「Tofu」が単語として定着しており、健康食品ともなっている。
豆腐は、大豆を原料にして種々の豆腐、例えばもめん豆腐、きぬごし豆腐、寄せ豆腐(おぼろ豆腐)、充填豆腐及びソフト豆腐などが、それぞれの製造方法によって造られている。例えば、充填豆腐は、豆乳を一旦冷やし、凝固剤と一緒に一丁ずつ容器に注入(充填)、密閉し、加熱して凝固させる製法で造られている。
これらの豆腐は製造工程において、オカラが副産物として大量に発生する一方でまた、豆腐にあっても、製造工程で止む無く発生するもの、或いは型崩れなどして消費者に受け入れ難く市場に出せず、いわゆる売り物にならないものなどの豆腐(以下、これらを総称して、規格外豆腐という)も大量に発生している。
これらのうち、オカラは、大豆を煮た呉(ご)から豆乳を絞った残滓であり、これには未だかなりのタンパク質や脂質分が残っているほか、食物繊維及び微量栄養分が含まれている。それにも拘わらず、殆どが廃棄物として処分されている。
しかし、この廃棄処分は極めて「もったいない」ことから、再利用の研究・開発が行われており、その成果が特許文献で紹介されている。
例えば下記特許文献1には、オカラに固形化剤を添加して混錬後、加熱処理して固形化し、これを適当なチップにして魚餌とする魚餌の製造方法が提案されている。また、下記特許文献2には、オカラを乾燥・粉末加工して、うどん粉に混入したオカラ入り麺類の製造方法、さらに下記特許文献3には、豆腐の絞りかすに発酵資材(有用微生物群)とビート(砂糖大根)の絞り滓を混入して発酵させて発酵飼料を製造する方法、さらにまた下記特許文献4には、オカラと大豆ホエーを乳酸発酵させて得たオカラ大豆ホエー混合発酵物を用いて飼料とする製法がそれぞれ提案されている。
これに対して、規格外豆腐は、一部で、それを崩して野菜を混ぜ合わせて成形し油で揚げたものが「がんもどき」として商品化されている程度で、殆どが有効利用されずに廃棄処分されている。また、この規格外豆腐は、製造工程で止むを得ず発生し、残渣として環境整備会社などに一定の金額を支払って再利用されている。しかし、現状は、一部が酵素発酵され、液肥として地域周辺の農家に販売されている程度で大半は廃棄処分されている状況にある。
なお、通常の豆腐は、二次加工されているものも多くある。例えば、表面を焼いて焼き目を付けた焼き豆腐、乾燥豆腐、六浄豆腐、塩蔵、高野豆腐(凍り豆腐)、燻り豆腐、さらに、油揚げ、厚揚げなどがある。
しかし、これはいずれも通常の豆腐を加工したものであって、規格外豆腐を利用し加工したものではない。
特開平06-016701号公報 特開平10-286072号公報 特開平10-066517号公報 特開2011-147398号公報
上記特許文献1~4に開示されている製造方法は、いずれもオカラの有効利用に関するものであるが、規格外豆腐の有効利用に関する文献は発見できなかった。
ところで、これらのオカラの再資源化による有効利用には以下の課題がある。
オカラは、含水率が高く、例えば約75%が水分で、日持ちせずに腐敗が早く進む(例えば、数時間も経つと悪臭が発生し腐敗が始まる)ので、素早い乾燥処理が必要となる。しかし、この乾燥には、電気乃至石化燃料の燃焼熱などの外部エネルギーが必要となり、そのための乾燥コストが掛かり、この乾燥コストが有効利用する例えば飼料などに反映されてその価格が高くなる。
その一方でまた、飼料に加工しても、その買い取り価格は安定せず、一般に安価であり、しかも需要が低くその増大は期待できず、その結果、有効利用への取り組みが躊躇され、結局、大半が産業廃棄物として処分せざるを得ない状況になっている。
しかし、産業廃棄物の処分においても、運搬費や処分費などの廃棄処分コストが掛かり、この処分コストが豆腐製造業者に重い負担となって経営を圧迫している。
以上の課題は、オカラの再資源化による有効利用が抱えるものであるが、規格外豆腐の再資源化による有効利用にあっても当てはまり、その結果、オカラと同様に、産業廃棄物として処分せざるを得なく、豆腐製造業者に廃棄処分コストの負担を強いている。
しかし、この状況にあっても、規格外豆腐は、外形が型崩れ乃至変形し見栄えが悪くなっているだけ、或いは止む無く発生するものであって、味、食感、栄養分などは通常の豆腐と何ら変わらず、そのまま食することもできるものであり、それにも拘わらず、廃棄処分するのは極めてもったいなく、資源の無駄となる一方でまた、廃棄処分コストも掛かり、豆腐生産者にマイナスインパクトを与えているので、これの打開が急務となっている。
本発明者らは、この状況を打開するために規格外豆腐の再資源化による有効利用を検討した。
この過程において、まず、豆腐は法令に定められた厳格な衛生基準により製造しているので、規格外豆腐もこの基準を満たしていること、また、良質な植物性タンパク質や脂質の含有量が多く(例えばタンパク質は約35~45%、脂質は約18~26%)及び機能性食品としての成分も含んでいることから、オカラと比べて格段に高い価値を有するものであって、有効利用の一つとして飼料の原料にすれば、それは高い栄養素及び機能性食品成分を有した良質な飼料になり、それを家畜、養鶏、魚類などの餌に加工して、与えればそれらは健康体に育ち、消費者に安全、安心な食肉などを提供でき、また飼料への加工も、豆腐に含まれる水分分離、乾燥などの単純・簡単な工程で可能であって、しかも、それらの工程を実行する装置は単純・簡単な装置で対応できて、大掛かりな加工製造設備が不要で、例えば、豆腐製造業者にあっては保有する豆腐製造設備(例えば、図4の一般的な豆腐製造設備)の一部を共用し得ることなど、に想到し、本発明を完成させるに至ったものである。
なお、最近の一般飼料にあっては、抗生物質や様々な添加物が含まれおり、それらを飼料にした鶏肉は、消費者が違和感を抱き、食する人間の健康も考慮すれば、素材の天然成分をトレーシングできる豆腐の飼料化は付加価値の高いものとなり、最近の一般消費者の健康志向にマッチした食肉を提供できることになる。
そこで、本発明の目的は、豆腐の製造工程などで発生し、これまで殆ど利用されずに廃棄処分されていた豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、単純・簡単な工程であって、それらの工程を実行する装置も単純・簡単な装置で対応でき、大掛かりな製造設備を不要にして、高額な設備投資をすることなく簡単、安価に製造できる豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、豆腐製造業者が保有する豆腐製造設備の一部を共用することによって、安価に製造できる豆腐を原料にした飼料の製造装置を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の目的は、豆腐を原料にすることによって、大豆飼料に比べて格段に消化・吸収がよく、しかも二大栄養素(粗植物性タンパク質及び粗脂質)及びこれに加え粗食物繊維を豊富に有し、家畜、養鶏、魚類などに好適な安全で良質な飼料を提供することにある。なお、当該飼料は各種配合飼料の素(基盤)となるもので、これらを「プラットフォーム(Platform)」ともいうことがある。
さらにまた、上記プラットフォーム飼料に他の栄養素乃至穀類などを調合・混合して家畜、養鶏、魚類などの肥育目的に適合させた配合飼料を提供することにある。
本発明の第1の態様である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料にした飼料を製造する方法は、以下の(a)~(e)工程を含むことを特徴とする。
(a)豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集工程と、
(b)前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水工程と、
(c)前記工程で水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り工程と、
(d)前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り工程と、
(e)前記工程で煎った前記煎り豆腐を含水率10~15%に乾燥して飼料を生成する生成工程。
本発明の第2の態様である豆腐を原料にした飼料を製造する方法は、第1の態様である豆腐を原料にした飼料を製造する方法において、
前記(e)工程において、煎り豆腐に他の栄養素材を加えて混合し、該混合物を乾燥し飼料を生成することを特徴とする。
本発明の第3の態様である豆腐を原料にした飼料を製造する方法は、第1又は第2の態様である豆腐を原料にした飼料を製造する方法において、
前記(e)工程における乾燥は、既存豆腐製造設備における熱源を共用していることを特徴とする。
本発明の第4の態様である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料にした飼料製造装置は、豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集手段と、前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水手段と、前記工程で水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り手段と、前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り手段と、前記煎り豆腐を含水率10~15%に乾燥して飼料を生成する生成手段と、を含むことを特徴とする。
本発明の第5の態様である豆腐を原料にした飼料製造装置は、第4の態様である製造装置において、
前記生成手段における乾燥は、既存豆腐製造設備における熱源を共用していることを特徴とする。
本発明の態様1である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料とした飼料の製造方法によれば、以下の顕著な作用効果を奏する。
(ア)豆腐の製造工程などで発生し、これまで殆ど利用されずに廃棄処分されていた豆腐を再資源化して有効利用することができる。
(イ)原料の豆腐は、通常の豆腐と同じ、栄養面でも機能性食品としても優れ、健康の維持増進に効用のある健康食品としての効能をも備えているので、これを原料にした飼料も同じ効能を有している。すなわち、原料とする規格外豆腐は、通常の豆腐と同じ、タンパク質(粗タンパク質)や脂質(粗脂質)など体の基礎的な栄養素だけでなく、大豆そのままのものと比べて消化・吸収がよく、体を調節などして健康を維持増進させる食品、いわゆる「機能性食品」であり、これを原料にした飼料も通常の豆腐と同じ効能を有している。
(ウ)飼料は、通常の豆腐と同じ優れた効能を有するので、これを家畜,家禽、養魚などになど与えると、それらを健康体に飼育でき、この健康体からの肉は人が安全で安心して食することができる。
(エ)豆腐は法令に定められた厳格な衛生基準により製造されていることから、規格外豆腐もこの基準を満たしており、飼料は安全なものになる。
(オ)上記(ア)~(エ)から、飼料は、高い栄養素及び機能性成分を有し、安全で安心して使用でき、これで飼育した家畜,家禽、養魚などは健康体に育ち、この健康体からの肉は商品価値が上昇し、最近の健康志向のブームに乗って高い需要で且つ高価格での販売が期待できる。
なお、最近の一般飼料にあっては、抗生物質や様々な添加物が含まれおり、それらを飼料にした鶏肉などには、一般消費者が部分的に違和感を抱き、食する人間の健康も考慮すれば、素材の天然成分をトレーシングできる豆腐の飼料化は付加価値の高いものとなり、最近の一般消費者の健康志向にマッチした食肉を提供できることになる。
また、煎り工程での温度を80℃~90℃で加熱することにより、豆腐が焦げず、栄養成分の保持、すなわち大豆タンパク質の変質を防止できる。
さらに、生成工程で含水率10~15%程度に乾燥することにより、常温での流通が可能にできると共に保存方法が簡易になり、鶏などでは喰い付きがよくなり、下痢などを防止できる。
本発明の態様2である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料とした飼料の製造方法によれば、食物繊維を多く含むオカラ、並びに三大栄養素の残り糖質或いは五大栄養素の残り無機質及びビタミン類を含む材料を混入した飼料を製造できる。
本発明の態様3である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料とした飼料の製造方法によれば、豆腐製造設備における熱源を共用して乾燥するので、簡単な改造及び装置で乾燥できる。
本発明の態様4である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料とした飼料の製造装置は、凝集手段、離水手段、搾り手段、煎り手段及び生成手段であって、これらはいずれもありふれた手段であって、簡単・安価に入手できるので、大掛かりな設備投資をすることなく安価に構築できる。さらに、豆腐製造業者にあっては、既存の豆腐製造設備を兼用或いは簡単な改良で構築できるので、設備費を低減できると共に製造コストも安価になる。
本発明の態様5である豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料にした飼料の製造装置は、豆腐製造業者が保有する豆腐製造設備の一部を共用することによって、簡単な改造で乾燥装置を構築できる、設備費を低減できると共に製造コストも安価になる。
図1は本発明の実施形態1に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を示し、図1は製法工程フロー図、図1Bは装置ブロックのである。 図2は本発明の実施形態2に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を示し、図2Aは製法工程フロー図、図2Bは装置ブロック図である。 飼料の種類・用途の説明図である。 公知の一般的な豆腐製造工程フロー図である。 公知の一般的な充填豆腐設備ブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法、製造装置及び飼料を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための豆腐を原料にした飼料の製造方法、製造装置及び飼料を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。なお、本明細書で使用する用語「飼料」(しりょう)は家畜,家禽、養魚のどを飼育するものであり、一方でまた、養魚の餌は「餌料(じりょう)とも言われているが、飼料には餌料も含まれている。
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を示し、図1Aは製法工程フロー図、図1Bは装置ブロック図である。
(製造方法)
図1Aを参照して、本発明の実施形態に係る豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐を原料にした飼料の製造方法Aは、以下の(a)~(e)工程を含んでいる。
(a)豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集工程と、
(b)前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水工程と、
(c)前記工程で離水した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り工程と、
(d)前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り工程と、
(e)前記工程で煎った煎り豆腐を含水率10~15%に乾燥して飼料を生成する生成工程。
(製造装置)
図1Bを参照して、製造装置Aは、以下の手段を含んでいる。
豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集手段と、前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水手段と、前記工程で水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り手段と、前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り手段と、前記煎り豆腐を含水率10~15%に乾燥して飼料を生成する生成手段。
この製造方法及び製造装置によれば、以下の顕著な作用効果を奏する。
(ア)豆腐の製造工程などで発生し、これまで殆ど利用されずに廃棄処分されていた豆腐を再資源化して有効利用することができる。
(イ)原料の豆腐は、通常の豆腐と同じ、栄養面でも機能性食品としても優れ、健康の維持増進に効用のある健康食品としての効能を備えているので、これを原料にした飼料も同じ効能を有している。すなわち、原料とする規格外豆腐は、通常の豆腐と同じ、タンパク質や脂質など体の基礎的な栄養素だけでなく、大豆飼料に比べて消化・吸収がよく、体を調節などして健康を維持増進させる食品いわゆる「機能性食品」であり、これを原料にした飼料も通常の豆腐と同じ効能を有している。
(ウ)飼料は、通常の豆腐と同じ優れた効能を有するので、これを家畜,家禽、養魚などに与えると、それらを健康体に飼育でき、この健康体からの肉は人が安全で安心して食することができる。
(エ)豆腐は法令に定められた厳格な衛生基準により製造されていることから、規格外豆腐もこの基準を満たしており、飼料は安全なものになる。
(オ)上記(ア)~(エ)から、飼料は、豆腐を原料にしているので、大豆飼料に比べて格段に消化・吸収がよく、しかも二大栄養素(粗タンパク質及び粗脂質)を豊富に有し、家畜、養鶏、魚類などの餌に好適であり、また他の飼料と配合するプラットフォームともなる。すなわち、この飼料は、高い栄養素及び機能性成分を有し、安全で安心して使用でき、これで飼育した家畜,家禽、養魚などは健康体に育ち、この健康体からの肉は商品価値が上昇し、最近の健康志向のブームに乗って高い需要で且つ高価格での販売が期待できる。
なお、最近の一般飼料にあっては、抗生物質や様々な添加物が含まれおり、それらを飼料とした鶏などには、一般消費者が部分的に違和感を抱き、食する人間の健康も考慮すれば、素材の天然成分をトレーシングできる豆腐の飼料化は付加価値の高いものとなり、最近の一般消費者の健康志向にマッチした食肉を提供できることになる。
また、煎り工程での温度を80℃~90℃で加熱することにより、豆腐が焦げず、栄養成分の保持、すなわち大豆タンパク質の変質を防止できる。
さらに、生成工程で含水率10~15%程度に乾燥することにより、常温での流通が可能にできると共に保存方法が簡易になり、鶏などでは喰い付きがよくなり、下痢などを防止できる。
(カ)上記(a)~(e)の工程は、熱湯凝集、離水、水分搾り、加熱煎り及び乾燥であって、これらは特殊・特別なものでなく簡単な工程であることから、飼料は簡単な工程で製造できる。また、製造設備も特殊・特別な装置は不要で大掛かりな設備投資をすることなく安価に構築できる。さらに、豆腐製造業者にあっては、既存の豆腐製造設備(例えば、図5の豆腐製造設備など)を兼用或いは簡単な改良で構築できるので、製造設備費を低減できる。すなわち、豆腐製造業者にあっては保有する豆腐製造設備の一部を共用することによって、製造設備費を低減できる。
以上から、製造工程が簡単、製造装置も簡単・安価になり、さらに、製造設備費を低減できるので、飼料の製造コストも低くできる。なお、この飼料の製造には、乾燥処理コストが掛かるが、飼料は高品質で高価格での販売が期待できるので十分な利益確保が可能になり、採算性の課題は解消できる。また、間伐材を燃料にすると、簡単・安価に入手でき、焼け灰を有機肥料へ利用できるので、より採算性がよくなる。
以下、上記(a)~(e)の各工程及び装置を詳述する。なお、他の特徴は以下の説明で明らかにする。
[原料豆腐]
まず、原料の豆腐を収集する。原料の豆腐は、規格外豆腐に限定するものでなく、いずれの豆腐でもよい。すなわち、規格外豆腐は、主に製造工程で発生するが、これだけでなく型崩れ或いは余ったものなど、いずれであってもよい。
豆腐は、概ねもめん豆腐、きぬごし豆腐、寄せ豆腐(おぼろ豆腐)、充填豆腐、ソフト豆腐などに分類され、これらの豆腐は、それぞれの製法によって造られている。なお、図4は一般的な公知の豆腐製造工程を示している。
図3を参照して、これら豆腐の製法のうち、もめん豆腐は、大豆を水に浸漬する浸漬工程、浸漬後の大豆を加熱しながら磨砕する磨砕工程、磨砕した大豆汁(呉とも言われている)を加熱し豆乳とオカラに分離するオカラ・豆乳分離工程、分離した豆乳に凝固剤を添加して凝固させる凝固工程、凝固させたものを崩し、布を敷いた型箱に盛り込み、圧搾、整形したものを所定の大きさにカットし水に晒す水晒し工程、水晒した豆腐を所定の容器に詰める包装工程を経て製造されている。
また、他のきぬごし豆腐、ソフト豆腐及び寄せ豆腐も、上記もめん豆腐の製法と略同じ方法で製造されている。なお、もめん豆腐、きぬごし豆腐及びソフト豆腐などは、最終工程で所定形状にカットするので、別名「カット豆腐」と称され、「充填豆腐」と区別されている。
充填豆腐は、上記オカラ・豆乳分離工程までは同じであるが、分離工程後に、豆乳を一旦所定温度に冷やす豆乳冷却工程、冷却した豆乳を凝固剤と一緒に1丁ずつ容器に注入(充填)して密閉する充填工程、密閉した容器を加熱して凝固させる加熱工程、容器のまま冷却する冷却工程を経た製法となっている。
この充填豆腐の製法は、もめん豆腐などと違って、箱型に入れない、水晒しをせず、しかも、機械化による流れ作業に適し、機械化の進展に伴い豆乳充填、容器密閉後に加熱凝固させるので、その間に殺菌が行われ日持ちするのが特徴となっている。
この充填豆腐の製法は、もめん豆腐などが概ね手作業によっているのに比べて、箱型に入れずにまた水晒しが不要となるので、機械化による流れ作業に適し、効率よく大量生産ができ、しかも、機械化の進展に伴い豆乳充填、容器密閉後に加熱凝固させるので、その間に殺菌が行われ日持ちするので、最近の主流になっている。なお、近年、もめん豆腐などの製造も機械化されている。
この充填豆腐の製法にあって、充填工程において、凝固剤(にがり)を混合した豆乳がオーバーフローし、それを回収し、以降の加熱工程で凝固して、大量の豆腐、いわゆる規格外の豆腐が発生する。また、他のもめん豆腐などの製造工程においても売り物にできない豆腐が発生する。
そこで、原料とする豆腐は、各種豆腐の製造工程などで発生するもの、或いは型崩れ・変形したもの及び余剰生産したものなどを原料とする。
[凝集工程(a)]
原料の豆腐は、収集した状態ではバラバラになっているので、所定温度、例えば100℃以下の熱湯に入れて、所定時間、例えば5分~10分掛けて加熱して凝集させる。すなわち、再加熱して再凝集させる。これにより、原料の豆腐はバラバラの状態から凝集した所定の大きさの凝集体になる。凝集体にすることによって、次工程において、離水を効率よく、行うことができる。
なお、この凝集工程を省くと、以降の煎り工程で異常な時間が掛かることになり、コスト高を招くことになるので、この工程は重要になっている。
また、凝集工程で使用する装置(手段)は、所定量の熱湯を沸かすものであって、所定の大きさの釜などを使用する。なお、このような釜は、既に公知であるので説明を省略する。
[離水工程(b)]
この工程では、濾過部材、例えば、ざるなどに、布を敷き、その上に凝集させた豆腐を入れ、離水させて凝集体から水を流し出す。この工程で、含水率を約60~65%にする。なお、原料豆腐の含水率は約89%である。
この工程で使用する濾過部材及び装置(手段)は、公知のものを使用する。
[搾り工程(c)]
布ごと所定大きさの型箱に入れ、蓋をして、プレス機で所定時間掛けて水分を搾り出す。プレス時間は量にもよるが30分程度である。この工程により、含水率は約45~50%にする。
この工程で使用するプレスによる搾り装置(手段)は、公知のものを使用する。
[煎り工程(d)]
搾った豆腐を大釜に入れ、弱火で所定時間掛けて、栄養成分を保持した状態で煎る。すなわち、この工程は、栄養成分の保持と脱水を目的としており、弱火は、80℃~90℃であって、この温度で煎るのがコツ(妙技)となっている。すなわち、この範囲内であると豆腐の栄養素を保持でき、この範囲を超え、例えば95℃以上の直火で加熱すると「焦げ」てしまい、タンパク質の変形が起り、栄養素が崩壊し、利用価値がなくなるからである。
この工程において、所定時間2~3時間掛けて、所定の含水率、例えば25%程度にする。
[生成工程(e)]
前工程で豆腐の含水率が25%程度にしたが、水分が多いとカビ、腐敗の原因となるので飼料として流通させるために含水率10~15%程度に乾燥する。
この乾燥により、常温での流通が可能にできると共に、保存方法が簡易になる。
また、この含水率により、鶏などでは喰い付きがよくなり、その一方で水分が多いときに発生する下痢などを防止できる。なお、生の豆腐をそのまま鶏に与えると喰い付きがわるく下痢をすることがある。
また、このために新な乾燥工程乃至装置が必要となるが、豆腐製造業者が保有する豆腐製造設備を共用して行うのが好ましい。この点は後記する。
以上の説明により、実施形態に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法は、上記(ア)~(カ)の作用効果を奏することが十分裏付けられている。
この製法による飼料Fは、豆腐を原料にしているので、大豆飼料に比べて格段に消化・吸収がよく、しかも二大栄養素(粗タンパク質及び粗脂質)を豊富に有し、家畜、養鶏、魚類などの餌に好適であり、また他の飼料と配合するプラットフォームにもなる。また、素材の天然成分を100%トレーシング(追跡)できる豆腐を原料としているので、高い栄養素及び機能性成分を保有したものになり、従来品(例えば、オカラなど)と比べものにならない程良質なもので、安全で、安心して家畜、家禽などに与えることができる。
(製造装置)
次に、図1Bを参照して、製造方法を実行する豆腐を原料とした飼料の製造装置A1を説明する。
製造方法Aは、上記(a)~(e)の工程を含み、これらを実行する製造装置A1は、豆腐を熱湯に入れて凝集させる熱湯凝集手段と、凝集した豆腐から水を流し出す離水手段と、水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る水分搾り手段と、水分を搾った豆腐を所定温度で加熱して煎る加熱煎り手段と、及び煎り豆腐を乾燥して飼料を生成する生成手段と、を含んだもので構成されている。
これらの熱湯凝集手段、離水手段、水分搾り手段、加熱煎り手段及び生成手段は、湯沸かし、水分分離乃至搾り、加熱煎り及び乾燥する手段(装置)であって、いずれの手段(装置)は特殊なものでなく、極普通に広く使用されて、既に公知の汎用手段(装置)となっている。
この製造装置は、これら汎用の手段(装置)を使用して構成する。なお、これらの汎用手段(装置)は既に公知となっているので、詳細な説明は省略する。
この製造装置によれば、特殊・特別な装置は不要で大掛かりな設備投資をすることなく安価に構築できる。
また、この製造装置は、豆腐製造業者が保有する豆腐製造設備の一部を共用して構築するのが好ましい。例えば、図5に示した一般的な豆腐製造設備の一部を共有する。
すなわち、製造装置は、乾燥手段(装置)などで熱源を必要としている。一方でまた、豆腐製造業者は、豆腐の製造工程において、通常、煮呉及び凝固(凝固剤)などはボイラーを用いて蒸気加熱(加熱温度は例えば約100℃)によって処理している。そこで、両者で共通するところ、例えば、加熱処理において、豆腐製造用の熱源、ボイラーを共用する。これにより、新たな設備投資が不要になり、製造コストを低減できる。また、他の手段(装置)の共用も可能である。
したがって、この製造装置と豆腐製造設備とは併設することになり、この併設により、種々のメリット、例えば、原料の規格外豆腐の運搬が容易に、勿論運搬費は不要で、悪臭・腐敗が発生する前に加工が可能で、また機器などの稼働率がアップする。
なお、この実施形態では、煎った豆腐を乾燥させたが、加熱殺菌、冷却乃至冷凍して保存するようにしてもよい。
例えば、煎った豆腐を所定大きさの耐熱袋に入れ、再度、所定温度、栄養素を崩壊しない温度、例えば90℃、及び所定時間、例えば30分掛けて、加熱し殺菌する。煎り上がった豆腐を即袋に入れて、細菌の繁殖を抑え、その後、所定温度及び時間で加熱して殺菌し、その後、所定温度、例えば2℃で冷却する。冷却後、冷蔵すると20日間程度保存できる。また、煎った豆腐を冷凍する。この冷凍により、さらに保存期間を長く、例えば1年程度保存できる。
[飼料]
以上の工程乃至装置により製造した飼料Fは、素材の天然成分を100%トレーシング(追跡)できる豆腐を原料としているので、高い二大栄養素(粗タンパク質及び粗脂質)及び機能性成分を保有する一方でまた消化・吸収がよく、従来品(例えば、オカラなど)と比べものにならない格段に良質でしかも安価で、さらに、安全で、安心して家畜、家禽などに与えて飼育し、それらから良質・高品質の食肉を生産できる。この飼料は、また上記の優れた特性を有しているので、単独使用乃至他の飼料と混合しても使用できる。すなわち、大豆飼料に比べて格段に消化・吸収がよくしかも、二大栄養素(粗タンパク質及び粗脂質)乃至粗植物繊維を豊富に有し、家畜、養鶏、魚類などの餌に好適であり、また他の飼料と配合するプラットフォームにもなる。
調合
この場合は、この飼料が保有する上記特性を基準にして、家畜、家禽などの飼育目的(より高品質の肉などにする)のために他の飼料と組合せて混合(配合ともいう)する際には基礎、すなわち素の飼料として使用する。この混合飼料(配合飼料)によれば、この豆腐飼料と他の飼料との相乗効果が生まれ、これで飼育した家畜、家禽などから、近年の消費者ニーズ、例えば、うまくて、おいしく、健康志向に合致した食肉を提供できる。
ちなみに、この飼料Fの消化率についいて公的機関(鳥取県畜産試験場)に試験を依頼した。
その結果、大豆(豆腐原料)と飼料(豆腐を原料にした飼料)の両消化率(%)を両者の「粗タンパク質」と「粗脂質」との比較で、大豆は「標準」の約90%前後、飼料は「標準」の200%以上となり、飼料が大豆の2倍以上であることが判明した。なお、「標準」は「日本標準飼料成分表(2009)」参照。
以上からこの飼料Fは、豆腐を原料にしているので、二大栄養素(粗タンパク質及び粗脂質)を豊富に有し、しかも大豆(そのままのもの)に比べて格段に消化・吸収がよくなるので、これで肥育する鶏などの家禽は日々の成長リズムが快調及び活性化して健康体に育ち、この健康体からの肉は商品価値が上昇し、最近の健康志向のブームに乗って高い需要で且つ高価格での販売が期待できる。
実際に、この飼料を地鶏に与え肥育したところ、鶏肉独特の臭みが少なく、肉質が柔らかく、特にむね肉のしっとり感及び旨みなどで従来の市販肉に比べて格段に優れていた。
[実施形態2]
図2を参照して、本発明の実施形態2に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法、製造装置を説明する。なお、図2は本発明の実施形態2に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法及び製造装置を示し、図2Aは製法工程フォロー図、図2Bは装置ブロック図である。
図2Aを参照して、本発明の実施形態2に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法Bは、実施形態1の製造方法Aにあって、煎り工程(d)と生成工程(e)との間に、所定量のオカラを混入して混合する混合工程(de)を介在し、続く生成工程(e)において、この混合物を乾燥して生成する点が異なり、他の工程は同じになっている。
すなわち、実施形態2に係る豆腐を原料にした飼料の製造方法Bは以下の(a)~(de)及び(e)工程を含んでいる。
(a)豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集工程と、
(b)前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水工程と、
(c)前記工程で離水した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り工程と、
(d)前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り工程と、
(de)前記工程での煎り豆腐に所定量の他の栄養素材(例えば、オカラ)を加えて混合する混合工程、
(e)前記工程の混合物を乾燥して飼料を生成する生成工程。
なお、この製造方法Bでは混合工程(de)を設け、これを煎り工程(d)と生成工程
(e)との間に介在させたが、該混合工程を別設することなく、生成工程に含めてもよく
、またこの工程に付設してもよい。また、他の栄養素材K1(図3参照)はオカラに限定
するものでなく、他の栄養素材、例えば三大栄養素の残りの糖質乃至五大栄養素の残り無
機質、ビタミン類を含む素材が好ましい。
実施形態2の飼料製造方法Bは、実施形態1の飼料製造方法Aにおいて上記煎り豆腐・オカラ混合工程(de)を介在された点が異なり他の工程は共通しているので、共通の同じ工程は実施形態1の飼料製造方法Aにおける工程の説明を援用して省略し、異なる工程を以下に説明する。
飼料製造方法Bにおける煎り豆腐・オカラ混合工程(de)では、所定量のオカラを混入して混合する。なお、オカラは煮た呉から豆乳を絞った際の搾りかす(残渣物)であり、これには未だかなりのタンパク質や脂質分が残っているほか、植物繊維が豊富(オカラ100g当たり食物繊維は11.5g含有;日本食品標準成分表)なものである。なお、このオカラは通常の豆腐の製造工程で発生するので、これを使用するのが好ましい。これにより廃棄処分せずに有効利用ができる。
混入するオカラの量は、飼料製造方法Aの飼料Fの量との関係で決める。すなわち、飼料Fは二大栄養素が多く含んでいるが、食物繊維が少ないので、これに食物繊維を必要とする量を混入し、その量は鶏などの肥育目的によって決める。
飼料Fとオカラとの混合比は、例えば50:50、或いは70:30。これらの混合比によって、前者は二大栄養素と粗食物繊維とが同じなり、また、後者は二大栄養素が多く粗食物繊維が少なくなる。なお、この混合比はこれらに限定するものでなく任意でよい。すなわち、肥育する家畜、養鶏、魚類によって決める。
また、製造方法Bを実行する豆腐を原料とした飼料の製造装置B1は、以下の手段を含んでいる。
製造方法Bは、上記(a)~(de)及び(e)工程を含み、これらを実行する製造装置B1は、豆腐を熱湯に入れて凝集させる熱湯凝集手段と、凝集した豆腐から水を流し出す離水手段と、水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る水分搾り手段と、水分を搾った豆腐を所定温度で加熱して煎る加熱煎り手段と、煎り豆腐に所定量の他の栄養素材(例えばオカラ)を加えて混合する混合手段、及びこの混合物を乾燥して飼料を生成する生成手段と、を含んだもので構成されている。なお、この製造装置は、混合手段を設けたが、製法と同様に、生成手段に含めてもよい。
この製造方法及び製造装置によれば、以下の顕著な作用効果を奏する。
実施形態1と同じ上記(ア)~(エ)の作用効果を奏すると共に、飼料Fは、所定量の粗食物繊維を含んでいるのでバランスのとれた飼料となる。
なお、製造装置も実施形態1の製造装置を略同じにでき、作用効果も同様となる。
(飼料の種類・用途)
図3を参照して、飼料の種類・用途を説明する。
(1)F/F
実施形態1、2で製造した飼料F、Fは、それぞれ単独で使用する。すなわち、これらは何れも基礎栄養素、すなわち二大栄養素(粗タンパク質及び粗脂質)乃至これに粗植物繊維が加わった栄養素、が豊富に含まれているので、単独での使用乃至フラットフォームとして使用できる。
(2)プラットフォーム
飼料F、Fをプラットフォームにして、いずれか一方の飼料に、他の栄養素を含む栄養素材乃至米、トウモロコシなどの穀類(以下、K2~m)を調合(混合)して配合飼料F3~nを造る。なお、栄養素材は前記K以外のものとする。
調合(混合)の割合は、家畜、養鶏、魚類など種類及びそれらの肥育目的に
適合させて決定するする。なお、栄養素材K2~m及び調合割合は養鶏生産者などのノウハウともなり開示されないことがある。
この配合飼料により、飼料の使用範囲が拡大する一方でまたより品質のよい肉などにでき、より利用範囲の拡大が期待できる。
A、B・・・・・・飼料製造方法
(a)・・・・・・凝集工程
(b)・・・・・・離水工程
(c)・・・・・・搾り工程
(d)・・・・・・煎り工程
(de)・・・・・混合工程
(e)・・・・・・生成工程
A1、B1・・・飼料製造装置

Claims (5)

  1. 豆腐を原料とした飼料の製造方法であって、前記豆腐が豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐であり、
    以下の(a)~(e)工程を含むことを特徴とする豆腐を原料とした飼料の製造方法
    (a)豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集工程と、
    (b)前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水工程と、
    (c)前記工程で水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り工程と、
    (d)前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り工程と、
    (e)前記工程で煎った前記煎り豆腐を含水率10~15%に乾燥して飼料を生成する生成工程。
  2. 前記(e)工程において、煎り豆腐に他の栄養素材を加えて混合し、該混合物を乾燥して飼料を生成する請求項1に記載した豆腐を原料とした飼料の製造方法。
  3. 前記(e)工程における乾燥は、既存豆腐製設備における熱源を共用していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の豆腐を原料とした飼料の製造方法。
  4. 豆腐を原料とした飼料の製造装置であって、前記豆腐が豆腐の製造工程で止む無く発生する豆腐、変形・型崩れなど売り物にならない豆腐や余剰豆腐の何れかの豆腐であり、
    豆腐を熱湯に入れて凝集させる凝集手段と、
    前記工程で凝集した豆腐から水を流し出す離水手段と、
    前記工程で水分を分離した豆腐に圧力を掛けて水分を搾る搾り手段と、
    前記工程で水分を搾った豆腐を温度80℃~90℃で2~3時間で加熱して煎った煎り豆腐とする煎り手段と、
    前記煎り豆腐を含水率10~15%に乾燥して飼料を生成する生成手段と、
    を含むことを特徴とする豆腐を原料とした飼料の製造装置。
  5. 前記生成手段における乾燥は、既存豆腐製造設備における熱源を共用していることを特徴とする請求項4に記載の豆腐を原料とした飼料の製造装置。
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