JP7193925B2 - 水系樹脂分散体、上塗り塗料、それらの製造方法及び塗膜 - Google Patents

水系樹脂分散体、上塗り塗料、それらの製造方法及び塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、水系樹脂分散体、上塗り塗料、それらの製造方法、及び塗膜に関する。
近年、建築外装用塗料においては、地球環境の保護の観点から、有機溶剤型塗料から水性塗料への転換が進み、この水性塗料には水性樹脂組成物が用いられている。水性樹脂組成物としては、例えば、樹脂エマルションを含む水系樹脂分散体が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2011-168770号広報 特開2005-272727号広報
ここで、建築物の外装壁面及び、窯業系建材(サイディングボード)等の建築建材には、それら表面に意匠性付与するため、エンボス形状等の凹凸の模様が刻まれている。本発明者らによれば、そのような表面に凹凸を有する外装壁面及び建築建材(合わせて基材と呼称する)に水系樹脂分散体を塗布及び乾燥して塗膜を形成した際に塗膜にクラック(亀裂、ひび割れ等)、シワなどが発生し易く、塗膜の外観又は塗膜を形成した基材(仕上げ建材等)の外観が不良となることが判明した。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、表面に凹凸を有する基材に塗膜を形成した場合であっても、クラック等を生じにくく、外観が良好な塗膜を形成できる水系樹脂分散体、上塗り塗料、それらの製造方法、及びそれらから形成された塗膜を提供することを目的とする。
本発明の水系樹脂分散体は、上塗り塗料用の水系樹脂分散体であって、樹脂エマルション粒子と、下記式(I)で表されるアミン化合物と、を含む。
Figure 0007193925000001

(式中、Rは炭化水素基を示す。R及びRは炭素数2~5のアルキレン基を示し、mは1~30の整数、nは1~30の整数を示す。mが2以上のとき、複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。nが2以上のとき、複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。)
上記水系樹脂分散体は、建築物の内装若しくは外装用又は窯業系建材用であると好ましい。
上記エマルション粒子が、ラジカル重合性の単量体成分と重合性不飽和基を有する乳化剤とを含む反応混合物の重合体を含有すると好ましい。
本発明の水系樹脂分散体は、消泡剤を更に含むと好ましい。
また、本発明の水系樹脂分散体は、樹脂エマルション粒子と、当該水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.02~3質量%の下記式(I)で表されるアミン化合物と、を含むものであってもよい。
Figure 0007193925000002

(式中、Rは炭化水素基を示す。R及びRは炭素数2~5のアルキレン基を示し、mは1~30の整数、nは1~30の整数を示す。mが2以上のとき、複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。nが2以上のとき、複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。)
本発明の上塗り塗料は、上記水系樹脂分散体と、無機顔料とを含む。
上記無機顔料は、酸化チタンを含有すると好ましい。
本発明の水系樹脂分散体の製造方法又は上塗り塗料は、上記樹脂エマルション粒子を含む懸濁液と、上記アミン化合物とを混合する工程を備える。
本発明の塗膜は、上記水系樹脂分散体又は上塗り塗料から形成されたものである。
本発明によれば、凹凸を有する基材に塗膜を形成した場合であっても、亀裂を生じにくく、外観が良好な塗膜を形成できる水系樹脂分散体、上塗り塗料、それらの製造方法、及びそれらから形成された塗膜を提供することができる。
本実施形態の水系樹脂分散体は、上塗り塗料用の水系樹脂分散体であって、樹脂エマルション粒子と、下記式(I)で表されるアミン化合物とを含む。本実施形態の水系樹脂分散体によれば、凹凸を有する基材に塗膜を形成した場合であっても、亀裂を生じにくく、外観が良好な塗膜を形成できる。また、本実施形態の水系樹脂分散体は、樹脂エマルション粒子と、水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.02~3質量%の下記式(I)で表されるアミン化合物と、を含む。
Figure 0007193925000003

(式中、Rは炭化水素基を示す。R及びRは炭素数2~5のアルキレン基を示し、mは1~30の整数、nは1~30の整数を示す。mが2以上のとき、複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。nが2以上のとき、複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。)
本実施形態の水系樹脂分散体が、上述のとおり外観が良好な塗膜を形成できる理由について、必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように考えている。
まず、水系樹脂分散体から塗膜を形成する場合、塗工後の水系樹脂分散体を乾燥させることにより、樹脂エマルション粒子同士が融着又は融合して塗膜が形成される。ここで、凹凸を有する基材に塗膜を形成する場合、基材表面の凹凸の影響で塗膜の厚みが均一でないことから(つまり、基材の凹部では厚く、凸部では薄い)、塗膜表層と塗膜内部との間で乾燥速度の差が生じる。それにより、樹脂エマルション粒子同士が融着又は融合状態に差が出て、塗膜の表面張力、乾燥状態等が塗膜の各箇所で均一でなくなり、その結果、塗膜の表面張力が低い箇所、又は乾燥が遅い箇所でクラックが発生し易い。その結果、塗膜外観又は塗膜を形成した基材の外観が不良となる。
しかしながら、本実施形態の水系樹脂分散体は、上記式(I)で表されるアミン化合物を含み、当該特定アミン化合物は、R部位(炭化水素基)により、水系樹脂分散体中の樹脂エマルション粒子表面に付着することができる。また、上記アミン化合物は、水系樹脂分散体中で一部カチオンとなっているものと考えられる。これにより、樹脂エマルション粒子表面に存在する負電荷(イオン性官能基、官能基の双極子等)に対し、当該アミン化合物のカチオン基が正電荷を適度に付与し、樹脂エマルション粒子が流動しやすくなると考えられる。樹脂エマルション粒子が流動しやすくなることで、基材表面上の凹凸による塗膜厚みが不均一な状態でも、塗膜表層と塗膜内部との乾燥性の差が同程度となり塗膜表層の物性(表面張力、乾燥状態)も均一となることから、クラック等の発生を抑制できる。
なお、本発明者が鋭意検討したところによれば、水系樹脂分散体に含まれる樹脂エマルションを改良する、又は水系樹脂分散体に増粘剤を多量に添加して、水系樹脂分散体の粘度を高くした場合、乾燥中の塗膜表層の強度が向上するためクラック発生の抑制につながるものの、実際に塗工する場合に塗工し難くなることが判明した。また、このような水系樹脂分散体の場合、基材の凹凸の段差部分に侵入しにくく、隙間を生じて、斑なく塗工することに問題があることも分かった。一方、本実施形態の水系樹脂分散体によれば、水系樹脂分散体の粘度を上げ過ぎずにクラック等の発生を抑制できる。
本実施形態の水系樹脂分散体は、上記基材の上塗り塗料として用いられることが好ましい。当該上塗り塗料は、下地調整剤が塗装された基材(つまり、シーラー層が形成された基材)のシーラー層上に塗装してもよい。上塗り塗料から得られた塗膜は、基材の最表層として存在するため、建築物の美観及び意匠性を持たせるための塗膜の外観は、重要性能である。塗膜の外観以外にも、意匠性付与のための光沢や、太陽光や風雨などの外的環境から建築物を保護するための性能として、耐候性及び、耐水性も必要である。本実施形態の水系樹脂分散体によれば、温水に接触した際に塗膜が白化しにくい傾向にある(つまり、耐温水性に優れる。)。さらに、本実施形態の水系樹脂分散体によれば、顔料を配合した上塗り塗料から塗膜を形成した場合であっても、塗膜の光沢に優れる傾向にある。よって、上塗り塗料用の水系樹脂分散体として好適である。
上記式(I)において、Rは、炭化水素基であれば特に制限はないが、上記アミン化合物に疎水性を付与する観点から、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基であってよい。炭化水素基の炭素数としては、2~30であると好ましく、5~20であるとより好ましく、6~15であるとより好ましい。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。より具体的には、Rとしては、例えばオクチル基(炭素数8)、ドデシル基(炭素数12)、テトラデシル基(炭素数14)、ペンタデシル基(炭素数15)、ヘキサデシル基(炭素数16)、オクタデシル基(炭素数18)であると好ましい。
上記式(I)において、R及びRは、炭素数2~5のアルキレン基を示す。言い換えれば、R及びRは、それぞれ式-C2r-(rは2~5の整数)で与えられるアルキレン基から選択される。このようなアルキレンとしては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びこれらの可能な異性体である基が挙げられ、エチレン基又はプロピレン基であると好ましい。
上記式(I)において、mは、2~20であると好ましく、3~10であると好ましい。nは2~20であると好ましく、3~10であると好ましい。また、2≦m+n≦40であると好ましく、3≦m+n≦20であるとより好ましく、3≦m+n≦15であると更に好ましい。上記式(I)としては、例えば、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=14である化合物(R及びRは、エチレン基である)、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=7である化合物(R及びRは、エチレン基である。日本乳化剤製ニューコールLA-407)、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=4である化合物(R及びRは、エチレン基である)。Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=2である化合物(R及びRは、エチレン基である。花王製アミート105)、Rが炭素数14の炭化水素基であり、m+n=8である化合物(R及びRは、エチレン基である。花王製アミート308)などが挙げられる。
上記水系樹脂分散体は、塗膜を形成した際に塗膜に生じる亀裂をより効果的に低減できる観点から、上記アミン化合物を水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.1~2.5質量%を含むとよく、0.15~1.5質量%がより好ましく、0.2~1.0質量%含むと更に好ましい。
上記樹脂エマルション粒子としては、特に制限はないが、単量体成分を乳化重合させることによって調製した重合体であってよい。この場合、樹脂エマルション粒子は、懸濁液(樹脂エマルション)に含有された状態で提供される。単量体成分としては、例えば、芳香族系単量体、エチレン性不飽和単量体などのラジカル重合性単量体が挙げられ、これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
芳香族系単量体としては、特に制限はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、アラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが。これらの芳香族系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
スチレン及びその誘導体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、o-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン、o-エトキシスチレン、m-エトキシスチレン、p-エトキシスチレン、o-フルオロスチレン、m-フルオロスチレン、p-フルオロスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、o-ブロモスチレン、m-ブロモスチレン、p-ブロモスチレン、o-アセトキシスチレン、m-アセトキシスチレン、p-アセトキシスチレン、o-tert-ブトキシスチレン、m-tert-ブトキシスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、o-tert-メチルスチレン、m-tert-メチルスチレン、p-tert-メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。スチレン及びその誘導体は、ベンゼン環にメチル基、tert-ブチル基などのアルキル基、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシル基、アシル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子などの官能基が存在していてもよい。スチレン及びその誘導体のなかでは、塗膜の耐水性を高める観点から、スチレンが好ましい。
スチレン及びその誘導体は、塗膜の耐水性をより高める観点から、単量体成分100質量部に対して、10~60質量部含まれることが好ましく、20~50質量部含まれることが好ましい。
アラルキル(メタ)アクリレートとしては、特に制限はないが、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレート等の炭素数が7~18のアラルキル基を有するアラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び/又は「メタクリル酸」を意味する。
エチレン性不飽和単量体としては、特に制限はないが、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体、エポキシ基含有単量体、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シラン基含有単量体、カルボニル基含有単量体、アジリジニル基含有単量体などが挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が1~18のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、当該アルキル基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基であってもよく、脂環式アルキル基を有するものであってもよい。直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、脂環式アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-メチルシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分における直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、単量体成分100質量部に対して、20~70質量部であると好ましく、23~66質量部であるとより好ましい。また、単量体成分における脂環式アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、10~50質量部であると好ましく、15~40質量部であるとより好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等のエステル基の炭素数が1~18の水酸基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分における水酸基含有メタアクリレートの含有量は、単量体成分100質量部に対して、0.1~10質量部であると好ましく、0.2~7質量部であるとより好ましい。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、ビニル安息香酸、シュウ酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシル基末端カプロラクトン変性(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有脂肪族系単量体などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基含有単量体のなかでは、エマルション粒子の分散安定性を向上させる観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸が好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
単量体成分におけるカルボキシル基含有単量体の含有量は、単量体成分100質量部に対して、0.05~10質量部であると好ましく、0.1~7質量部であるとより好ましい。
オキソ基含有単量体としては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレートなどの(ジ)エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
フッ素原子含有単量体としては、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどのエステル基にフッ素原子を有するフッ素原子含有アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
窒素原子含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-モノメチル(メタ)アクリルアミド、N-モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリンのエチレンオキサイド付加(メタ)アクリレートなどの窒素原子含有(メタ)アクリレート化合物、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルピロール、N-ビニルオキサゾリドン、N-ビニルサクシンイミド、N-ビニルメチルカルバメート、N,N-メチルビニルアセトアミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-2-オキサゾリン、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル、オキソシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリプロポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
シラン基含有単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2-スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルヒドロキシシランなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボニル基含有単量体としては、例えば、アクロレイン、ホウミルスチロール、ビニルエチルケトン、(メタ)アクリルオキシアルキルプロペナール、アセトニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール-1,4-アクリレートアセチルアセテートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アジリジニル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸2-アジリジニルエチルなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和単量体のなかでは、塗膜の耐水性を向上させる観点から、アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましい。
また、本実施形態においては、樹脂エマルション粒子に紫外線安定性や紫外線吸収性を付与する観点から、本実施形態の効果が阻害されない範囲内で、紫外線安定性単量体、紫外線吸収性単量体などを単量体成分に含有させてもよい。
紫外線安定性単量体としては、例えば、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(、4-(メタ)アクリロイル-1-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-クロトノイル-4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
紫外線吸収性単量体としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体、ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体としては、例えば、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル]-5-tert-ブチル-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルアミノメチル-5′-tert-オクチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチル-5′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチル-5′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-tert-ブチル-3′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-5-シアノ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]-5-tert-ブチル-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2′-ヒドロキシ-5′-(β-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)-3′-tert-ブチルフェニル]-4-tert-ブチル-2H-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシ]プロポキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[2-(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ]ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-4-[2-(メタ)アクリロイルオキシ]ブトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分における紫外線安定性単量体又は紫外線吸収性単量体の含有量は、単量体成分の全量100質量部に対して、0.1~4.0質量部であると好ましく、0.5~3.0質量部であるとより好ましい。
単量体成分を乳化重合させる方法としては、例えば、メタノールなどの低級アルコールなどの水溶性有機溶媒と水とを含む水性媒体、水などの媒体中に乳化剤を溶解させ、撹拌下で単量体成分及び重合開始剤を滴下させる方法、乳化剤及び水を用いてあらかじめ乳化させておいた単量体成分を水又は水性媒体中に滴下させる方法などが挙げられる。なお、媒体の量は、得られる樹脂エマルションに含まれる不揮発分量を考慮して適宜設定すればよい。媒体は、あらかじめ反応容器に仕込んでおいてもよく、あるいはプレエマルションとして使用してもよい。また、媒体は、必要により、単量体成分を乳化重合させ、樹脂エマルションを製造しているときに用いてもよい。
単量体成分を乳化重合させる際には、単量体成分、乳化剤及び媒体を混合した後に乳化重合を行なってもよく、単量体成分、乳化剤及び媒体を攪拌することによって乳化させ、プレエマルションを調製した後に乳化重合を行なってもよく、あるいは単量体成分、乳化剤及び媒体のうちの少なくとも1種類とその残部のプレエマルションとを混合して乳化重合を行なってもよい。単量体成分、乳化剤及び媒体は、それぞれ一括添加してもよく、分割添加してもよく、あるいは連続滴下してもよい。
上述の方法により得られた樹脂エマルションに含まれている樹脂エマルション粒子の内層(コア)上に外層(シェル)を形成する場合には、樹脂エマルションに追加の単量体成分を添加し、上述の方法で乳化重合することにより、樹脂エマルション粒子上に外層を形成することができる。また、外層が形成されたエマルション粒子上に更に外層を形成させる場合には、樹脂エマルションに追加の単量体成分を添加し、単量体成分を上述の方法で乳化重合することにより、樹脂エマルション粒子上に更に外層を形成することができる。このように多段乳化重合法により、多層構造を有するエマルション粒子を含有する樹脂エマルションを調製することができる。エマルション粒子が外層(シェル)を有するとき、その重合体層の数は、特に限定されないが、好ましくは1~5層、より好ましくは2~4層、更に好ましくは2~3層である。例えば、3層構造の樹脂エマルション粒子の場合は、内層(コア層)上に外層(中間層)を形成し、その中間層上に更に外層(最外層)を形成した樹脂エマルション粒子である。
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤、反応性乳化剤などが挙げられ、これらの乳化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート、ナトリウムアルキルジフェニルエーテルジスルホネートなどのアルキルスルホネート塩;アンモニウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸-ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリレート、ナトリウムステアリレートなどの脂肪酸塩;ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレートスルホネート塩、プロペニル-アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩などのアリル基を有する硫酸エステル又はその塩;アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレンの硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム塩などが挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合体、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどが挙げられる。
カチオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライドなどのアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
両性乳化剤としては、例えば、ベタインエステル型乳化剤などが挙げられる。
高分子乳化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリヒドロキシエチルアクリレートなどのポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;これらの重合体を構成する単量体のうちの1種以上を共重合成分とする共重合体などが挙げられる。
また、乳化剤として、塗膜の耐水性を向上させる観点から、重合性不飽和基を有する乳化剤、すなわち、いわゆる反応性乳化剤が好ましく、環境保護の観点から、非ノニルフェニル型の乳化剤が好ましい。言い換えれば、本実施形態のエマルション粒子は、ラジカル重合性の単量体成分と重合性不飽和基を有する乳化剤とを含む反応混合物の重合体を含有することが好ましい。
反応性乳化剤としては、例えば、プロペニル-アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンのスルホネート塩、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート塩、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンなどが挙げられる。
乳化剤の量は、単量体成分100質量部あたり、重合安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、塗膜の耐水性を向上させる観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。なお、反応性乳化剤は、上記単量体成分には含まれない。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2―ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、4,4-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)などのアゾ化合物;過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化アンモニウムなどの過酸化物などが挙げられる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤の量は、単量体成分100質量部あたり、重合速度を高め、未反応の単量体成分の残存量を低減させる観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上であり、塗膜の耐水性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
重合開始剤の添加方法は、特に限定されない。その添加方法としては、例えば、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などが挙げられる。また、重合反応の終了時期を早める観点から、単量体成分を反応系内に添加する終了前又はその終了後に、重合開始剤の一部を添加してもよい。
なお、重合開始剤の分解を促進するために、例えば、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤、硫酸第一鉄などの遷移金属塩などの重合開始剤の分解剤を反応系内に適量で添加してもよい。
また、エマルション粒子の重量平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコール酸2-エチルヘキシル、tert-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトエタノール、α-メチルスチレン、α-メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。連鎖移動剤の量は、エマルション粒子の重量平均分子量を調整する観点から、単量体成分100質量部あたり、0.01~10質量部であることが好ましい。
反応系内には、必要により、pH緩衝剤、キレート剤、造膜助剤などの添加剤を添加してもよい。添加剤の量は、その種類によって異なるので一概には決定することができないが、例えば、単量体成分100質量部あたり、好ましくは0.01~5質量部程度、より好ましくは0.1~3質量部程度である。
単量体成分を乳化重合する際の雰囲気は、特に限定されないが、重合反応の効率を高める観点から、窒素ガスなどの不活性ガスであることが好ましい。
単量体成分を乳化重合させる際の重合温度は、特に限定がないが、通常、好ましくは0~100℃、より好ましくは40~95℃である。重合温度は、一定であってもよく、重合反応の途中で変化させてもよい。
単量体成分を乳化重合させる重合時間は、特に限定がなく、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、通常、2~8時間程度である。
なお、単量体成分を乳化重合するとき、得られる重合体が有する酸性基の一部又は全部が中和剤で中和されるようにしてもよい。中和剤は、最終段で単量体成分を添加した後に使用してもよく、例えば、1段目の重合反応と2段目の重合反応との間に使用してもよく、初期の乳化重合反応の終了時に使用してもよい。
中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸カルシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸化物;アンモニア、モノメチルアミンなどの有機アミンなどのアルカリ性物質が挙げられる。これらの中和剤のなかでは、形成される塗膜の耐水性を向上させる観点から、アンモニアなどの揮発性を有するアルカリ性物質が好ましい。
また、単量体成分を乳化重合するとき、形成される塗膜の耐水性を向上させる観点から、シランカップリング剤を適量で用いてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基などの重合性不飽和結合を有するシランカップリング剤などが挙げられる。
以上のようにして単量体成分を乳化重合させることにより、樹脂エマルションが得られる。樹脂エマルションに含まれるエマルション粒子は、1段の乳化重合によって調製された1種類の重合体のみで構成されていてもよいが、単量体成分を多段乳化重合させることによって調製された多層構造の重合体層を有することが、塗膜の塗膜硬度と造膜性との相反する性質を両立させる観点から好ましい。
また、エマルション粒子は、多層構造の重合体層を有し、アクリル系重合体からなるエマルション粒子であることが、低温造膜性ならびに形成される塗膜の塗膜硬度及び耐水性を向上させる観点から好ましい。なお、多層構造の重合体層を有し、アクリル系重合体からなるエマルション粒子は、多層構造の重合体層を有し、その重合体層を形成している重合体に用いられる単量体成分に必須成分として(メタ)アクリル酸が用いられているエマルション粒子を意味する。
なお、樹脂エマルション粒子を構成している重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば、実施例で使用しているFox式により見積もることができる。また、重合体のガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定装置)、DTA(示差熱分析装置)、TMA(熱機械測定装置)によって測定することもできる。
樹脂エマルション粒子のガラス転移温度しては、形成される塗膜の塗膜硬度を高め、塗膜の耐汚染性及び耐摩耗性を向上させる観点から、好ましくは-50℃以上、より好ましくは-40℃以上であり、低温造膜性を向上させる観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは45℃以下であり、更に好ましくは40℃以下である。樹脂エマルション粒子が外層を有する場合、ガラス転移温度は、樹脂エマルション全体のガラス転移温度であってもよく、最外側のシェルのガラス転移点であってもよい。
エマルション粒子の平均粒子径は、エマルション粒子の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは70nm以上、より好ましくは80nm以上、更に好ましくは100nm以上であり、塗膜の耐水性を向上させる観点から、好ましくは450nm以下、より好ましくは400nm以下、更に好ましくは350nm以下である。
本明細書において、エマルション粒子の平均粒子径は、樹脂エマルションを蒸留水で希釈し、得られた希釈液約10mLをガラスセルに採取し、これを動的光散法による粒度分布測定器〔パーティクル サイジング システムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOM P Model 380〕を用い、ウインドウズベースのソフトウェア〔Windows(登録商標) Based Software〕を用いて測定された体積平均粒子径を意味する。
本実施形態の水性樹脂分散体の最低造膜温度(MFT)は、有機化合物である増膜助剤の使用量を低減させる観点から、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、更に好ましくは0℃以下である。
本実施形態の水性樹脂分散体における不揮発分量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
本明細書において、最低造膜温度は、適当な温度勾配を有する平板の上に帯状に樹脂エマルションを塗布したときの造膜した部分と造膜していない部分との境界温度を意味し、「亀裂のない均一な塗膜が形成されるときの最低温度」と定義される。最低造膜温度は、例えば、JIS K6828-2(2003)に準じて測定することができる。より具体的には、本実施形態では、MFTテスター〔テスター産業株式会社製、品番:TP-801 LT〕を用い、ステンレス鋼製の溝なし平板上に塗布時の厚さが250μmである塗膜をアプリケーターで形成させ、亀裂のない均一な塗膜が形成されるときの最低温度(℃)を測定する。塗膜の亀裂の有無は、JIS K6828-2(2003)に準じて目視で判定することができる。
本実施形態の水性樹脂分散体は、樹脂エマルション(つまり、樹脂エマルション粒子を含む懸濁液)と上記アミン化合物とを混合する工程を備える製造方法によって製造することができる。後述の添加剤、顔料等は、樹脂エマルションと上記アミン化合物とを混合する前に樹脂エマルションに含まれていてもよく、混合後に添加してもよく、同時に添加してもよい。
また、本実施形態の水系樹脂分散体には、本実施形態の効果が阻害されない範囲内で、例えば、成膜助剤、紫外線吸収剤、紫外線防止剤、充填剤、レベリング剤、増粘剤、凍結防止剤、pH調整剤、可塑剤、安定剤、染料、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤などの添加剤が適量で含まれていてもよい。本実施形態の水系樹脂分散体に消泡剤を添加した場合、塗工後の塗膜を形成させる過程で当該塗膜の消泡性を維持しながらも消泡性特有の課題であるクラック、ハジキ等を抑制し、外観が良好な塗膜を形成することができる。
本実施形態の水系樹脂分散体は、イオン性液体を含んでいてもよいが、イオン性液体を含まないほうが好ましい。イオン液体の含有量としては、水系樹脂分散体の不揮発分に対して、0.5質量%未満であると好ましく、0.1質量%以下であると好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。また、本実施形態の水系樹脂分散体から形成される塗膜の表面抵抗率は、1×10Ω/□より大きいことが好ましく、5×10Ω/□以上であることがより好ましい。「表面抵抗率」の測定は、乾燥膜厚が約15μmとなるように塗装した塗膜を、80℃で10分間の条件で乾燥させ、TREK社製表面抵抗計、商品名「TREK MODEL 150」を用いて行うことができる(単位:Ω/□)。
[上塗り塗料(エナメル塗料)]
本実施形態の上塗り塗料は、上述の水系樹脂分散体と顔料とを含有する。顔料としては、有機顔料及び無機顔料が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
有機顔料としては、例えば、ベンジジン、ハンザイエローなどのアゾ顔料、アゾメチン顔料、メチン顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニンブルーなどのフタロシアニン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イミノイソインドリン顔料、イミノイソインドリノン顔料、キナクリドンレッドやキナクリドンバイオレットなどのキナクリドン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、アントラピリミジン顔料、カルバゾール顔料、モノアリーライドイエロー、ジアリーライドイエロー、ベンゾイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ、キノフタロン顔料などが挙げられる。これらの有機顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、三酸化アンチモン、亜鉛華、リトポン、鉛白、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化鉄、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黄鉛、モリブデン赤、フェロシアン化第二鉄(プルシアンブルー)、ウルトラマリン、クロム酸鉛などをはじめ、雲母(マイカ)、クレー、アルミニウム粉末、タルク、ケイ酸アルミニウムなどの扁平形状を有する顔料、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの耐湿顔料などが挙げられる。これらの中でも二酸化チタンが好ましい。これらの無機顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、顔料を含有する水系樹脂分散体(エナメル塗料)から形成した塗膜をエナメル塗膜とも呼び、顔料を含有しない水系樹脂分散体(クリア塗料)から形成した塗膜をクリア塗膜とも呼ぶ。なお、エナメル塗料において、水系樹脂分散体とは、エナメル塗料の顔料以外の部分を指す。
顔料の量は、塗膜硬度を高める観点から、塗料の不揮発分(顔料含む)全量100質量部あたり、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上であり、造膜性を向上させる観点から、好ましくは200質量部以下である。
なお、顔料は、分散剤、湿潤剤と混合した顔料ペーストの形態で水系樹脂分散体に配合してもよい。分散剤及び湿潤剤としては特に制限されず、公知の材料を使用することができる。
なお、本実施形態の上塗り塗料は、無機顔料を含む場合であっても光沢(20°光沢及び60°光沢)に優れる。
本実施形態の水系樹脂分散体の粘度は、水系樹脂分散体を塗工する際の塗布しやすさの観点から、25℃、回転速度20rpmで測定した場合に200~10000mPa・sであると好ましい。また、水系樹脂分散体を塗工する際の塗布しやすさ及び塗工後の液ダレを防ぐ観点からチキソ値(25℃、回転速度2rpmで測定した粘度を25℃、回転速度20rpmで測定した粘度で除したもの)は、2.0~6.0であることが好ましい。なお、顔料を含む上塗り塗料の粘度は、3000~5000mPa・sであると好ましい。
本実施形態の上塗り塗料は、必要により、骨材を含んでいてもよい。骨材は、透明骨材であってもよく、あるいは着色骨材であってもよい。透明骨材としては、例えば、長石粉、硅砂、硅石粉、寒水砂、ガラスビーズ、樹脂ビーズなどが挙げられる。着色骨材としては、例えば、大理石粉、御影石粉、蛇紋岩、蛍石粉、着色硅砂粉、有色陶磁器粉などが挙げられる。骨材は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本実施形態の水系樹脂分散体及び上塗り塗料は、凹凸を有する建材に対して好適に用いることができ、その用途としては、建築物の内装若しくは外装用、又は窯業系建材の上塗りが挙げられる。建築物の内装又は外装用の場合、本実施形態の水系樹脂分散体及び上塗り塗料は、建造前に建材に塗工してもよく(ブレハブ工法等)、建造後の建築物の内装又は外装の壁面に塗工してもよい(改修作業等)。凹凸を有する建材としては、具体的には、スレート、フレキシブルボード、珪酸カルシウム板、モルタル、コンクリート等が挙げられる。
本実施形態の上塗り塗料を用いて形成される表面塗膜の状態としては透明~着色半透明~着色隠蔽まで、種々の形態のものであり得るが、基材に形成した下層塗膜層を隠蔽する目的で、着色隠蔽状態のものであってよい。そのため、本実施形態の上塗り塗料は、着色顔料等を含んでいてよい。また、基材上の着色隠蔽された下層塗膜の意匠を生かすために透明~着色半透明状態のものを形成してもよい。
実施例における各パラメータは、以下の方法により得られたものである。
<重合体のガラス転移温度(Tg)>
重合体のTgは、単量体組成から、下記計算式(1)(Fox式)を用いて算出した。なお、樹脂エマルション粒子がシェルを有する場合は、シェルを形成する各段の乳化重合における単量体組成からシェルにおけるガラス転移温度を算出し、全体のガラス転移温度は、全ての段で用いた単量体組成から算出した。
Figure 0007193925000004
計算式(1)中、Tg’は、重合体のTg(絶対温度)である。W’、W’、・・・W’は、全単量体成分に対する各単量体の質量分率である。T、T、・・・Tは、それぞれ各単量体成分からなるホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(絶対温度)である。
上記計算式(1)により重合性単量体成分のガラス転移温度(Tg)を算出するのに使用したそれぞれのホモポリマーのTg値を以下に示す。
シクロへキシルメタクリレート(CHMA):83℃
2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):-70℃
メチルメタクリレート(MMA):105℃
スチレン(St):100℃
2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):55℃
アクリル酸(AA):95℃
2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート(4-メタクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン):130℃
<不揮発分(N.V.)>
水系樹脂分散体における不揮発分量は、試料1gを秤量し、熱風乾燥機で150℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を不揮発分とし、式:
〔水系樹脂分散体における不揮発分量(質量%)〕
=(〔残渣の質量〕÷〔水系樹脂分散体1g〕)×100
に基づいて求めた。
<pH>
pHメーター(堀場製作所株式会社製、商品名:F-71)により25℃での値を測定した。
<粘度>
B型回転粘度計(東機産業株式会社製、商品名:VISCOMETER TVB-10)を用いて、試料の粘度を、温度25℃及び回転速度2rpmの条件下、並びに温度25℃及び回転速度20rpmの条件下でそれぞれ測定した。これらの測定値を用いてチキソ係数(2rpmにおける粘度/20rpmにおける粘度)を算出した。
<体積平均粒径>
動的光散乱法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems株式会社製、商品名:NICOM P Model 380)を用い、試料におけるエマルション粒子の平均粒径(体積平均粒径)を測定した。
<最低造膜温度(MFT)>
上述のとおり、JIS K6828-2(2003)に準じて測定を行った。具体的には熱勾配試験機の上に置いたガラス板上に0.2mmのアプリケーターで試料を塗工した後乾燥し、その塗膜にクラックの生じた温度を最低造膜温度(MFT)とした。
<実施例1>
以下の方法により、樹脂エマルション(A1)を調製した。
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水650質量部を仕込んだ。
滴下ロート内で脱イオン水465質量部、ラジカル重合性不飽和基を含む反応性乳化剤(アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシアルキレン硫酸エステル塩、株式会社ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10)の25質量%水溶液120質量部、2-エチルヘキシルアクリレート350質量部、メチルメタクリレート445質量部、スチレン200質量部、アクリル酸5質量部からなる滴下用プレエマルションを調製した。滴下用プレエマルションのうちの100質量部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温した後、過硫酸カリウムの5質量%水溶液60質量部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を180分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物の温度を80℃で60分間維持した。その後、25%アンモニア水をpHが8~9になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂エマルション(A1)を得た。
得られた樹脂エマルション(A1)に化合物(1)(式(1)中、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=14である。また、R及びRは、エチレン基である。)を添加し、実施例1の水系樹脂分散体を得た。化合物(1)は、水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.2質量%となるように添加した。
水系樹脂分散体に含まれる重合体のガラス転移点を上記計算式(1)で計算により求めた。また、試料として水系樹脂分散体を用い、上述の方法により不揮発分、pH、粘度(20rpm)、チキソ値、樹脂エマルション粒子の体積平均粒径、及び最低造膜温度をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
得られた水系樹脂分散体に対して、以下のように各種特性(クリア塗膜の凹凸面での仕上り外観、エナメル塗膜の光沢、及びクリア塗膜の耐温水白化性)を評価した。
(凹凸面でのクリア塗膜の仕上り外観評価)
・クリア塗料の調製
水系樹脂分散体100質量部に、成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールイソブチレート〔JNC株式会社製、品番:CS-12〕7質量部を添加し、ホモディスパーで回転速度1500rpmにて10分間撹拌した。更に、クリア塗料における不揮発分量が40質量%となるように適量の希釈水を添加した後、増粘剤〔株式会社ADEKA製、商品名:アデカノールUH-420〕の5質量%水溶液1質量部を添加し、その状態で30分間撹拌することにより、粘度が1000mPa・s程度(BM型粘度計20rpmで測定)のクリア塗料を調製した。
・塗膜作製及び試験
以下のとおり、凹凸面を有する評価用基板を作製した。まず、ガラス板(横:150mm、縦:70mm、厚さ:2mm)の主面(最も面積が大きい面)上でガラス板の四辺に沿って、幅5mm厚さ2mmのガムテープを貼りつけ、ガムテープの枠を作製した。次いで、ガムテープの枠に囲まれた領域において、縦方向に平行に幅5mm、厚さ0.5mmのガムテープを主面における一方の縦方向の枠から31mmごとに一本づつ、合計三本貼り付け、評価用基板を得た。以下、評価基板上の厚さ0.5mmのガムテープの部分を凸部、二つの凸部の間又は凸部とガムテープの枠との間の領域を凹部と呼ぶ。
得られた評価用基板に対し、ガラス面を基準として塗工後の膜厚が2mmとなるように上記クリア塗料を流し込み、室温で24時間乾燥させてクリア塗膜を得た。得られたクリア塗膜の外観の様子を観察し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。結果を表1に示す。
A:クリア塗膜に、ひび割れ、クラック、又は乾燥収縮のシワが見られない。
B:乾燥したクリア塗膜の一部(凹部の中央部、凸部の角部)に、ひび割れ、クラック、又は乾燥収縮のシワが見られた。
C:乾燥したクリア塗膜の全体に、ひび割れ、クラック、又は乾燥収縮のシワが生じた。
(クリア塗膜の耐温水性)
・塗膜作製及び試験
以下の方法により、温水によるクリア塗膜の白化の度合い(耐温水性)を評価した。
クリア塗料として、(凹凸面でのクリア塗膜の仕上り外観評価)において使用したものと同様の塗料を調製した。
黒色のアクリル樹脂板〔日本テストパネル株式会社製、縦:70mm、横:150mm、厚さ:3mm〕上に、上記クリア塗料を10milアプリケーターで塗布し、23℃の室温にて1週間乾燥させて試験板を得た。得られた試験板における塗膜のL値(試験前のL値)を色差計〔日本電色工業株式会社製、分光式色差計SE-2000〕で測定した。
次に、当該試験板を50℃に保たれた温水中に24時間浸漬させた。その後、試験板を温水から取り出し、水分を十分に拭き取り、1分間以内に上述の色差計で試験板における塗膜のL値(試験後のL値)を測定した。色差(ΔL)を式:
[色差(ΔL)]=[試験後のL値]-[試験前のL値]
に基づいて求めた。結果を表1に示す。
(エナメル塗膜光沢の評価方法)
(1)顔料ペーストの調製
脱イオン水210質量部、分散剤〔花王株式会社製、商品名:デモールEP、分散剤(固形分)濃度25質量%水溶液〕60質量部、分散剤〔第一工業製薬株式会社製、商品名:ディスコートN-14、分散剤(固形分)濃度30質量%水溶液〕50質量部、湿潤剤〔花王株式会社製、商品名:エマルゲンLS-106、湿潤剤(固形分)濃度100質量%〕10質量部、プロピレングリコール60質量部、酸化チタン〔石原産業株式会社製、品番:CR-95〕1000質量部及びガラスビーズ(直径:1mm)200質量部をホモディスパーで回転速度3000rpmにて60分間撹拌することによって調製した。その後、ガラスビーズを除くために60メッシュ金網で濾過して顔料ペーストとした。
(2)エナメル塗料の調製
上記水系樹脂分散体100質量部に、成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールイソブチレート〔JNC株式会社製、品番:CS-12〕7質量部を添加し、ホモディスパーで回転速度1500rpmにて10分間撹拌した。撹拌を継続しながら、上記顔料ペーストを42質量部投入した。顔料ペーストの投入量は、不揮発分の全量に対し顔料の量が14体積%(40質量%)となるように調整した。更に、不揮発分量が50質量%となるように適量の希釈水を加え、塗料の全体量に対して0.3質量%のシリコーン系消泡剤〔サンノプコ株式会社製、商品名:SNデフォーマー777〕を当該混合物に添加した。BH型粘度計〔東京計器株式会社製〕で回転速度20rpmにおける25℃での粘度が4500mPa・sとなるように増粘剤〔株式会社ADEKA製、商品名:アデカノールUH-420〕の5質量%水溶液を当該混合物に添加した。その後、更に1500rpmで30分間攪拌することにより、エナメル塗料を調製した。
・塗膜作製及び試験
得られたエナメル塗料をガラス板(縦:150mm、横:70mm、厚さ:2mm)に10milアプリケーターを用いて塗布し、23℃の大気中にて1週間乾燥させてエナメル塗膜を得た。当該塗料が塗布された面の60°及び20°鏡面光沢を光沢計〔日本電色工業株式会社製、品番:VG2000〕で測定した。結果を表1に示す。
<実施例2~8、及び比較例1~4>
式(1)のアミン化合物の種類及び含有量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様に水系樹脂分散体を調製した。調整した各水系樹脂分散体について、実施例1と同様に不揮発分の量等の各パラメータ、凹凸面での仕上がり外観、耐温水性、並びに60°及び20°鏡面光沢を測定した。結果を表1及び2に示す。なお、表1及び2中、化合物(2)~(8)は、以下のものを示す。
化合物(2):式(1)において、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=7である化合物(R及びRは、エチレン基である。)。
化合物(3):式(1)において、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=4である化合物(R及びRは、エチレン基である。)。
化合物(4):式(1)において、Rが炭素数12の炭化水素基であり、m+n=2である化合物(R及びRは、エチレン基である。)。
化合物(5):式(1)において、Rが炭素数14の炭化水素基であり、m+n=8である化合物(R及びRは、エチレン基である。)。
化合物(6):アデカリアソープSR-10
化合物(7):界面活性剤 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(第2級アルコールエトキシレート)、曇点100℃以上、エチレンオキサイド付加モル数20、HLB値16.3、第2級アルコールのアルキル基部分の炭素数12~14(株式会社日本触媒製、商品名:ソフタノール120)
化合物(8):水系塗料用湿潤分散剤(ビックケミー株式会社製、商品名:BYK-180)
Figure 0007193925000005
Figure 0007193925000006
(実施例9~14)
表3に示す配合量で各モノマーを用いて樹脂エマルションを製造した以外は、樹脂エマルション(A1)と同様に樹脂エマルション(A2)~(A7)を調製した。
樹脂エマルション(A2)~(A7)のそれぞれに化合物(2)を添加して実施例9~14の各水系樹脂分散体を得た。化合物(2)の含有量は、実施例9~14の各水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.2質量%とした。実施例9~14の各水系樹脂分散体に対して実施例1と同様に各種特性について測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007193925000007
(実施例15~17)
樹脂エマルション(A1)の合成において、反応性乳化剤に代えて非反応性乳化剤であるポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の25質量%水溶液120質量部(第一工業製薬製、商品名:NF-08)を使用したこと以外は、樹脂エマルション(A1)と同様の方法により、樹脂エマルション(A8)を合成した。
水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して表4に示す量となるように、化合物(2)を樹脂エマルション(A8)に添加して実施例15~17の各水系樹脂分散体を得た。実施例15~17の各水系樹脂分散体に対して実施例1と同様に不揮発分の量、塗膜の外観等について測定を行った。結果を表4に示す。
Figure 0007193925000008
(実施例18)
以下の方法により、ハードコア及びソフトシェルを有する樹脂エマルション粒子を含む樹脂エマルション(A9)を合成した。
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水690質量部を仕込んだ。
滴下ロートに脱イオン水83質量部、アデカリアソープSR-10の25質量%水溶液40質量部、スチレン200質量部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの20質量部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5質量%水溶液20質量部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間保持した。
その後、脱イオン水332質量部、アデカリアソープSR-10の25質量%水溶液160質量部、2-エチルヘキシルアクリレート350質量部、メチルメタクリレート435質量部、2-ヒドロキシルエチルメタクリレート5質量部、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート(株式会社ADEKA製、商品名:アデカスタブLA-87)10質量部からなる2段目のプレエマルションを60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
最後に、25質量%アンモニア水をpHが8~9になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂エマルション(A9)を得た。
水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対し0.2質量%となるように化合物(2)を樹脂エマルション(A9)に添加して水系樹脂分散体を得た。得られた水系樹脂分散体に対して、不揮発分の量、塗膜の外観等について測定を行った。結果を表5に示す。
(実施例19)
コア及びシェルにおける単量体の配合量を変更した以外は、樹脂エマルション(A9)と同様の方法により、ソフトコア及びハードシェルを有する樹脂エマルション粒子を含む樹脂エマルション(A10)を合成した。
水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対し0.2質量%となるように化合物(2)を樹脂エマルション(A10)添加して水系樹脂分散体を得た。得られた水系樹脂分散体に対して、塗膜の外観等について測定を行った。結果を表5に示す。
Figure 0007193925000009
(実施例20)
以下の方法により、内層(コア)、中間層、最外層の3層構造を有する樹脂エマルション粒子を含む樹脂エマルション(A11)を合成した。
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水694質量部を仕込んだ。
滴下ロートに脱イオン水83質量部、アデカリアソープSR-10の25質量%水溶液40質量部、スチレン200質量部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの20質量部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5質量%水溶液20質量部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間保持した。
その後、脱イオン水178質量部、アデカリアソープSR-10の25質量%水溶液60質量部、2-エチルヘキシルアクリレート215質量部、メチルメタクリレート180質量部、及び、アクリル酸5質量部からなる2段目のプレエマルションを60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間保持した。
次に、脱イオン水178質量部、アデカリアソープSR-10の25質量%水溶液60質量部、2-エチルヘキシルアクリレート130質量部、メチルメタクリレート260質量部、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート10質量部からなる3段目のプレエマルションを60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間保持した。
最後に、25質量%アンモニア水をpHが8~9になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂エマルション(A11)を得た。
水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対し0.2質量%となるように化合物(2)を樹脂エマルション(A11)に添加して水系樹脂分散体を得た。得られた水系樹脂分散体に対して、不揮発分の量、塗膜の外観等について測定を行った。結果を表6に示す。
(実施例21)
中間層及び最外層における単量体の配合量を変更した以外は、樹脂エマルション(A11)と同様の方法により、内層(コア)、中間層、最外層の3層構造を有する樹脂エマルション粒子を含む樹脂エマルション(A12)を合成した。
水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対し0.2質量%となるように化合物(2)を樹脂エマルション(A12)に添加して水系樹脂分散体を得た。得られた水系樹脂分散体に対して、不揮発分の量、塗膜の外観等について測定を行った。結果を表6に示す。
Figure 0007193925000010

Claims (18)

  1. 建築物の内装若しくは外装又は窯業系建材のための、顔料を含む上塗り塗料用の水系樹脂分散体であって、
    単量体成分の重合体を含む樹脂エマルション粒子と、下記式(I)で表されるアミン化合物とを含み、
    前記樹脂エマルション粒子が、ラジカル重合性単量体を含む単量体成分の重合体を含み、
    前記ラジカル重合性単量体が芳香族系単量体及び脂環式アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一方を含む、水系樹脂分散体。
    Figure 0007193925000011

    (式中、Rは炭素数6~30の炭化水素基を示す。R及びRは炭素数2~5のアルキレン基を示し、mは2~20の整数、nは2~20の整数を示す。複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。)
  2. 前記エマルション粒子が、ラジカル重合性の単量体成分と重合性不飽和基を有する乳化剤とを含む反応混合物の重合体を含有する、請求項1に記載の水系樹脂分散体。
  3. 水系樹脂分散体であり、樹脂エマルション粒子と、当該水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.02~3質量%の下記式(I)で表されるアミン化合物と、を含み、
    前記樹脂エマルション粒子が、ラジカル重合性単量体を含む単量体成分の重合体を含み、
    前記ラジカル重合性単量体が、直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、芳香族系単量体及び脂環式アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一方とを含み、
    前記直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及び2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種を含み、
    前記単量体成分における前記直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量が単量体成分100質量部に対して、20~70質量部である、水系樹脂分散体。
    Figure 0007193925000012

    (式中、Rは炭素数6~30の炭化水素基を示す。R及びRは炭素数2~5のアルキレン基を示し、mは2~20の整数、nは2~20の整数を示す。複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。複数のRは互いに異なるものであってもよく、すべて同じものであってもよい。)
  4. 前記直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、及びsec-ブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種を更に含む、請求項3に記載の水系樹脂分散体。
  5. 消泡剤を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  6. 前記単量体成分が、前記単量体成分100質量部に対して、0.1~10質量部の水酸基含有(メタ)アクリレートを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  7. 前記単量体成分が、前記単量体成分100質量部に対して、0.5質量部以下の水酸基含有(メタ)アクリレートを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  8. 前記単量体成分が、前記単量体成分100質量部に対して、0.05~10質量部のカルボキシル基含有単量体を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  9. 前記単量体成分が、前記単量体成分100質量部に対して、0.5質量部以下のカルボキシル基含有単量体を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  10. 前記単量体成分が、前記単量体成分100質量部に対して、10~50質量部の脂環式アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、及び/又は10~60質量部のスチレン及びその誘導体を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  11. 前記水系樹脂分散体の不揮発分の全量に対して0.1~2.5質量%の前記アミン化合物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  12. 前記樹脂エマルション粒子に含まれる重合体のガラス転移温度は、-50~50℃である、請求項1~11のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  13. 前記単量体成分における前記脂環式アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、単量体成分100質量部に対して、10~50質量部である、請求項1~12のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  14. 前記単量体成分における前記芳香族系単量体がスチレン及びその誘導体を含み、前記スチレン及びその誘導体の含有量は、単量体成分100質量部に対して、10~60質量部である、請求項1~13のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体。
  15. 請求項1~1のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体と、無機顔料とを含む、上塗り塗料。
  16. 前記無機顔料は、二酸化チタンを含有する、請求項1に記載の上塗り塗料。
  17. 請求項1~14のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体又は請求項15若しくは16に記載の上塗り塗料の製造方法であって、
    前記樹脂エマルション粒子を含む懸濁液と、前記アミン化合物とを混合する工程を備える、方法。
  18. 請求項1~14のいずれか一項に記載の水系樹脂分散体又は請求項15若しくは16に記載の上塗り塗料から形成された、塗膜。
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