JP7190682B2 - 冷凍サイクルシステム - Google Patents
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Description
このような空気調和装置においては、所定時間運転を行っていると、運転状況によっては室内ユニットおよび配管内にオイルが溜まり、圧縮機内のオイルが不足する事態が発生するため、室内ユニットおよび配管内に溜まっているオイルを回収する制御が行われている。
これによれば、オイル回収制御時に、制御ユニットにより、圧縮機の運転周波数を低下させ、所定時間経過した後、圧縮機の運転周波数を高めるように制御するようにしているので、過度の液バックを発生させることなく、低圧側の冷媒配管や室内ユニットに滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに回収することができ、これにより、オイルの回収量を増大させることができる。また、室内膨張弁の開度を制御することで、オイル回収制御時に、室内ユニット20に滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに効率よく回収することができる。
これによれば、低圧側の冷媒配管および室内ユニット内のオイルの滞留状態を、圧縮機の吸込過熱度から判断してオイル回収制御を行うことで、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機にオイルがある状態を保つことができる。
これによれば、低圧側の冷媒配管および室内ユニット内のオイルの滞留状態を、圧縮機の吸込過熱度から判断してオイル回収制御を行うようにしているので、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機にオイルがある状態を保つことができる。
これによれば、低圧側の冷媒配管および室内ユニット内のオイルの滞留状態を、圧縮機の運転周波数から判断してオイル回収制御を行うようにしているので、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機にオイルがある状態を保つことができる。
これによれば、低圧側の冷媒配管および室内ユニット内のオイルの滞留状態を、圧縮機の吸込過熱度および圧縮機の運転周波数から判断してオイル回収制御を行うようにしているので、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機にオイルがある状態を保つことができる。
以下、本発明の実施の形態1について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の冷凍サイクルシステムを示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態の冷凍サイクルシステム1は、室外ユニット10と、室外ユニット10に冷媒配管11を介して接続された複数台の室内ユニット20と、制御ユニット40(図2を参照)とを備えている。ただし、本実施形態においては、室内ユニット20を2台設置した場合の例を示しているが、これに限定されず、例えば、1台の室内ユニット20を設置しても、あるいは3台以上の室内ユニット20を設置するようにしてもよい。
オイルセパレータ13には、逆止弁14および四方弁15を介して室外熱交換器16が冷媒配管11を通じて接続されている。
室外熱交換器16には、室内ユニット20が冷媒配管11を介して接続されており、この室外熱交換器16と室内ユニット20との間の冷媒配管11の途中には、膨張弁17が設けられている。
アキュムレータ18の内部には、U字状の冷媒配管11が収容されており、この冷媒配管11の下部には、オイル戻し穴19が設けられている。
また、室内熱交換器21の一方の側(冷房運転時における冷媒流入側)には、室内熱交換器21の液冷媒の温度を検出する室内液温度センサ38が設けられており、室内熱交換器21の他方の側(冷房運転時における冷媒流出側)には、室内熱交換器21のガス冷媒の温度を検出する室内ガス温度センサ39が設けられている。
なお、図1においては図の見やすさを考慮し、制御ユニット40の結線を省略している。制御ユニット40は、以下に説明するように電気的に各センサなどの電子部品と接続されて適宜必要な命令(コマンド)の送信や情報の相互通信を行っている。
ただし、電気的に接続とは、電線やケーブルによる接続以外に無線通信などが用いられる接続形態でも良い。
図2は、制御構成を示すブロック図である。冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクルシステム1の制御を行う制御ユニット40を備えている。制御ユニット40は、冷凍サイクルシステム1の各部を統括的に制御するものであり、図2に示すように、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや所定のデータ等を不揮発的に記憶するROM、データ等を揮発的に記憶するRAMなどのメモリ、その他の周辺回路などを備えている。制御ユニット40は、カウント手段として、冷房運転中の任意の時間をカウントして積算する積算タイマ41を備えている。
本実施形態においてオイル回収制御とは、運転中または停止中の室内ユニット20や冷凍サイクルの冷媒配管に溜まったオイルを回収するための制御をいう。具体的には、制御ユニット40によるオイル回収制御は、圧縮機12の運転周波数を所定時間td低下させた後、圧縮機12の運転周波数を所定時間tu高くすることにより行う。
そのため、制御ユニット40は、圧縮機12の運転周波数を所定時間td低下させてオイルの流動性を高めた後、圧縮機12の運転周波数を所定時間tu高くするように制御することで、管内流速を上昇させることにより、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20に滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに回収することが可能となる。
具体的には、圧縮機12の吸込過熱度が所定値Sa以上、かつ、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上の条件を満たす状態で、圧縮機12の運転が行われた時間を積算タイマ41が積算し続け、この積算時間があらかじめ設定された第1の所定時間としての、所定時間ta以上となったときにオイル回収制御が開始される。
吸込過熱度が所定値Sa以上の場合には、冷媒配管11および室内ユニット20を流れる冷媒がガス化してオイルの粘度が高く、流動性が悪い状態となっている。また、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上の場合は、圧縮機12から吐出されるオイル量が増加するため、室内ユニット20側や圧縮機12の吸込側等、圧縮機12の低圧側にオイルが溜まりやすい状態となっている。
そして、制御ユニット40は、積算タイマ41により、吸込過熱度が所定値Sa以上で、かつ、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上となる状態の圧縮機12の運転時間を積算する。そして、制御ユニット40は、吸込過熱度が所定値Sa以上で、かつ、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上となった状態において圧縮機12が運転された積算時間が所定時間ta以上になったと判断した場合、オイル回収制御を行う。
これにより、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20に滞留したオイルが液相状態の冷媒とともに、アキュムレータ18に送られる。アキュムレータ18に送られた冷媒は、ガス冷媒と液冷媒とに分離されるとともに、液冷媒に溶け込んだオイルは冷媒と分離される。
アキュムレータ18で分離されたガス冷媒は、冷媒配管11を介して圧縮機12に送られる。一方、アキュムレータ18の下方に溜まったオイルは、オイル戻し穴19を介して圧縮機12に送られる。
本実施形態においては、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上になった場合には、圧縮機12の内部におけるオイル量が減少していると判断する。
例えば、本実施形態においては、この運転周波数の所定値faを70Hzに設定している。
さらに、吸込過熱度が所定値Sa以上であって、かつ、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上で運転されている状態が、所定時間ta以上となった場合に、オイル回収制御を行うものであるが、本実施形態においては、この所定時間taは、圧縮機12の内部のオイルが一定の必要量以下となる時間として、例えば、150分に設定している。
ただし、これら圧縮機12の運転周波数の所定値fa、吸込過熱度の所定値Saおよび運転積算時間の所定時間taについては、これらの値に限定されるものではなく、冷凍サイクルシステム1の能力、圧縮機12の出力、室内ユニット20の接続台数等により適宜設定されるものである。
図3は本実施の形態における制御動作を示すタイミングチャートであり、図3(a)は、室外ユニットにおける制御動作を示している。図3(b)は、冷房サーモON動作をしている室内ユニットにおける制御動作を示し、図3(c)は、冷房サーモOFF動作をしている室内ユニットにおける制御動作を示している。図3(d)は、送風動作している室内ユニットの制御動作を示し、図3(e)は、停止している室内ユニットの制御動作を示している。
そして、制御ユニット40は、吸込過熱度が第1の所定値としての、所定値Sa以上で、かつ、圧縮機12の運転周波数が第2の所定値としての、所定値fa以上で運転されている積算時間が、所定時間ta以上となったと判断した時刻t1にオイル回収制御を開始する。
このように、圧縮機12の運転周波数を上昇させることにより、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20に滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに回収する。
室外ユニット10に接続されている室内ユニット20が冷房サーモONの状態にある場合は、その室内ユニット20の室内膨張弁22は、室内熱交換器21を通る冷媒の過熱度にしたがって開度が制御される。このとき、室内ファン43は通常制御により駆動される。
ここで、室内ファン43の通常制御とは、ユーザがリモコンなどを用いて設定した風量あるいは風速に基づいて行われる制御であり、以下の説明においても同様である。
室内ユニット20が冷房サーモOFFの状態にある場合、その室内ユニット20の室内膨張弁22が、オイル回収制御の前後(時刻t<時刻t1あるいは時刻t>時刻t2)の通常の運転制御時には閉じられているが、オイル回収制御時(時刻t1≦時刻t≦t2)には所定の設定開度に開くように制御される。このとき、室内ファン43は通常制御により駆動される。
室内ユニット20が送風動作の状態にある場合は、オイル回収制御の前後(時刻t<時刻t1あるいは時刻t>時刻t2)はその室内ユニット20の室内膨張弁22が通常の運転制御時には閉じられているが、オイル回収制御時(時刻t1≦時刻t≦時刻t2)には所定の設定開度に開くように制御される。このとき、室内ファン43は通常制御により運転される。
室内ユニット20が停止の状態にある場合は、オイル回収制御の前後(時刻t<時刻t1あるいは時刻t>時刻t2)はその室内ユニット20の室内膨張弁22が、通常の運転制御時には閉じられているが、オイル回収制御時(時刻t1≦時刻t≦t2)には所定の設定開度に開くように制御される。このとき、ファンは停止制御される。
このようにオイル回収制御を行う際に、室内膨張弁22を開くことによって室内熱交換器21に滞留しているオイルを低圧側の冷媒配管11に流すことができる。
冷房運転時には、四方弁15を図1に実線で示す接続状態に切り替わる。そして、圧縮機12が駆動することにより、圧縮機12からの高温高圧冷媒が図示の実線矢印 で示す方向に流れる。
圧縮機12から吐出された高温高圧冷媒は、オイルセパレータ13、逆止弁14および四方弁15を介して室外熱交換器16に流れ、室外熱交換器16において、外気と熱交換して凝縮された冷媒は、冷媒配管11を介して室内ユニット20に送られる。
圧縮機12から吐出された高温高圧冷媒は、オイルセパレータ13、逆止弁14および四方弁15を介して室内熱交換器21に流れ、室内熱交換器21において室内空気と熱交換して凝縮される。凝縮された冷媒は、室内膨張弁22で流量を調整されて冷媒配管11を介して室外膨張弁17で減圧した後、室外熱交換器16に送られる。室外熱交換器16に送られた冷媒は、外気と熱交換されて蒸発し、四方弁15およびアキュムレータ18を介して圧縮機12に戻される。これにより、加熱された室内空気により室内を暖房する。
図4は、制御ユニット40が実行する制御処理を示すフローチャートである。ただし、図4に示すフローの開始時を冷房運転の開始時として良い。
また、以下の説明において、説明の便宜上、積算タイマ41を3つの積算タイマ41a、41b、41cに分けて説明する。
本実施の形態において積算タイマ41は、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上、かつ、吸込過熱度が所定値Sa以上の状態にあると制御ユニット40が判断している時間を積算するという動作を行う。
制御ユニット40は、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上であると判断した場合は(ST1:YES)、吸込過熱度が所定値Sa以上か否かを判断する(ST2)。
ステップST2において、吸込過熱度が所定の値Sa以上であったと判断した場合(ST2:YES)は、積算タイマ41aが計時動作が行われる(ST3)。積算タイマ41aが計時動作を開始すると、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上かつ吸込過熱度が所定値Sa以上の状態が続く間は積算タイマ41aが計時(カウントアップ)し続ける。
ステップST4において、積算タイマ41aがカウントした、圧縮機12の運転周波数が所定値fa以上かつ吸込過熱度が所定の値Sa以上での運転時間が、所定時間ta以上経過していない(ST4:NO)と判断した場合は、ステップST1に処理を戻し、ステップST1からステップST4までの処理を繰り返す。
ステップST5の後、オイル回収制御が開始されると、制御ユニット40は、積算タイマ41bの計時動作を実行させる(ST6)とともに、圧縮器12の運転周波数を目標周波数のf1まで低下させる(ST7)。
圧縮機12の運転周波数を低下させると、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20の内部圧力が上がり、これにより、冷媒配管11および室内ユニット20の冷媒が液相状態となり、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20に滞留したオイルが液相状態の冷媒に溶け込み、オイルの流動性が良好となる。
ステップST8において制御ユニット40は、圧縮機12の運転周波数を低下させた運転が所定時間td経過したと判断した場合は(ST8:YES)、タイマ41bをリセットし(ST9)、タイマ41cの計時動作を開始させる(ST10)。ステップST10の後、圧縮機12の運転周波数を目標周波数のf2まで上昇させる(ST11)。
その後、制御ユニット40は、タイマ41cが積算した時間を判定する。すなわち圧縮機12の運転周波数を高めた運転が所定時間tu経過したか否かを判断する(ST12)。
ステップST12において、制御ユニット40は圧縮機12の運転周波数を上昇させた運転が所定時間tu経過したと判断した場合は(ST12:YES)、積算タイマ41cをクリアする(ST13)とともに、圧縮機12の動作制御を通常制御(蒸発温度制御)運転に移行する。
積算タイマ41cをクリアしたあとは、冷房運転時であれば、図4に示す処理フローの開始に戻って上述の処理を繰り返しても良い。
なお、冷凍サイクルシステム1の低圧側にオイルが溜まる条件を満たしたと判断するための処理であるステップST1またはステップST2の判定処理は、これらのいずれか一方のみを行うものとしても良い。
このとき、オイル回収制御の際にも、冷房サーモON機の室内膨張弁22を通常の過熱度制御動作が継続されることにより、冷凍サイクルの変動による空調性の変動を抑えることができ、また、冷媒の液相状態化による低圧側への多量の液バックを抑制することができる。
これにより、オイル回収制御時に、制御ユニット40により、圧縮機12の運転周波数を低下させ、所定時間td経過した後、圧縮機12の運転周波数を高めるように制御するようにしているので、過度の液バックを発生させることなく、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20に滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに回収することができ、これにより、オイルの回収量を増大させることができる。
なお、圧縮機12の低圧側にオイルが溜まる条件として、圧縮機12の吸込過熱度および運転周波数から判断したが、吸込過熱度および運転周波数のいずれか一方のみを用いて判断することとしても良い。
これにより、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20内のオイルの滞留状態を、圧縮機12の吸込過熱度から判断してオイル回収制御を行うようにしているので、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機12にオイルがある状態を保つことができる。
これにより、低圧側の冷媒配管11および室内ユニット20内のオイルの滞留状態を、圧縮機12の運転周波数から判断してオイル回収制御を行うようにしているので、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機12にオイルがある状態を保つことができる。
これにより、オイル回収時における冷凍サイクルの変動を抑えることができ、また、冷媒の液相状態化による低圧側への多量の液バックを抑制することができる。
これにより、オイル回収制御時に、室内ユニット20に滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに効率よく回収することができる。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
実施の形態2における冷凍サイクルシステムの構成は、実施の形態1において、図1および図2を参照して説明した構成と同様であり、その詳細についての説明を省略する。
実施の形態1においては、吸込過熱度の値、圧縮機12の運転周波数の値、積算時間taに応じてオイル回収制御に移行(オイル回収制御を開始)していたが、実施の形態2においては、制御ユニット40が、圧縮機12からのオイルの流出しやすさおよび圧縮機12へのオイルの戻りにくさを判断し、この判断に基づいて、オイル回収制御を行う。これにより、オイル回収制御をより適正なタイミングで行うことができる。
そこで、本実施形態においては、オイルの流出しやすさについて、あらかじめ圧縮機12の吐出過熱度および圧縮機12の運転周波数に対する重み付けの値(重み値)を設定しておく。また、オイルの戻りにくさについて、あらかじめ圧縮機12の吸込過熱度および室内膨張弁22の最大開度に対する重み付けの値(重み値)を設定しておく。設定されたそれぞれの重み付けの値(重み値)は、例えばデータテーブルとして制御ユニット40に予め記憶される。
本実施の形態においては、「オイルの流出しやすさ」の指標となる圧縮機12の吐出過熱度So(単位:K)および圧縮機12の運転周波数f(単位:Hz)と、「オイルの戻りにくさ」の指標となる、圧縮機の吸込過熱度Si(単位:K)および室内ユニット20の室内膨張弁22の最大開度O(単位:パルス)とのそれぞれの数値が取り得る範囲を複数の範囲に区分して、それぞれ対応した重み値C1~C4を設定している。
図5に示すように、本実施の形態においては重み付けのための区分を一例として3つまたは4つとしているが、区分数は複数あればよく、3あるいは4に限定されない。
なお、重み値C1も重み値C2も、オイルの流出しやすさを示す大小関係にあれば、具体的な数値が任意に変更されてもよい。
また、室内ユニット20が複数接続されている場合は、接続されている全ての室内ユニット20の開度を検出し、検出した複数の開度のうち最大のものを最大開度Oとして採用し、重み付けを行う。
また、制御ユニット40は、吸込温度センサ36および低圧センサ37が検出する圧縮機12の吸込冷媒の温度および圧力の検出値に基づいて圧縮機12の吸込過熱度Siを算出する。制御ユニット40は、自身が制御している室内膨張弁22の最大開度Oを取得する。
同様に、制御ユニット40は、算出した圧縮機12の吸込過熱度Siおよび取得した室内膨張弁22の最大開度Oに基づいて、圧縮機12の吸込過熱度の重み値C3および室内膨張弁22の最大開度の重み値C4を設定する。
判定カウント値C5=(吐出過熱度の重み値C1×運転周波数の重み値C2)+(吸込過熱度の重み値C3×室内膨張弁最大開度の重み値C4)
制御ユニット40は、任意の間隔時間ごと(例えば一分ごと)に判定カウント値C5を算出してこの算出結果を積算し、積算した値は積算カウント値C5Σとして記憶する。
そして本実施の形態において制御ユニット40は、積算カウント値C5Σが所定のカウント値Ctを超えたか否かを判断し、所定のカウント値Ctを超えたと判断した場合は、オイル回収制御を行う。本実施形態においては、所定のカウント値Ctを、例えば、150カウントに設定している。
ただし、以下の説明において、説明の便宜上、積算タイマ41を3つの積算タイマ41i、41b、41cに分けて説明する。
積算タイマ41iは所定間隔時間tiをカウント(計時)するタイマ、タイマ41b、41cは、実施の形態1と同様であり、オイル回収制御時に圧縮機12の運転周波数を下げる時間をカウントするタイマをタイマ41bとし、タイマ41cを、オイル回収制御時に圧縮器12の周波数を上昇させる時間をカウントするタイマとする。また、実現手段としては、1つの積算タイマを用いてもよいし、複数の積算タイマを適宜用いてもよい。
冷凍サイクルシステム1の運転状態が冷房運転である場合(ST21:YES)、制御ユニット40は、積算タイマ41iのカウント(計時)動作を開始する(ST22)。
その後、所定間隔時間tiが経過すると(ST23:YES)、圧縮機12の吐出過熱度Soの算出および圧縮機12の運転周波数f取得が行われる。そして、圧縮機12の吐出過熱度Soおよび圧縮機12の運転周波数fに基づいて、それぞれの重み付け値C1およびC2を決定する(ST24)。
続いて、制御ユニット40は、算出した圧縮機12の吸込過熱度Siおよび室内膨張弁22の最大開度Oを取得し、圧縮機12の吸込過熱度Siおよび室内膨張弁22の最大開度Oに基づいて、それぞれの重み値C3およびC4を決定する(ST25)。
制御ユニット40は、記憶された積算カウント値ΣC5と予め設定していた所定のカウント値Ctを比較し、積算カウント値ΣC5が所定のカウント値Ctを超えたか否かを判断する(ST29)。制御ユニット40は、ステップST29において積算カウント値ΣC5が所定のカウント値Ctを超えたと判断した場合は(ST29:YES)、オイル回収制御を開始する。
そして、制御ユニット40は、タイマ41bが積算した時間を判定する。すなわち圧縮機12の運転周波数を低下させた運転が所定時間tdが経過したか否かを判断する(ST33)。
ステップST37において、制御ユニット40は圧縮機12の運転周波数を上昇させた運転が所定時間tu経過したと判断した場合は(ST37:YES)、積算タイマ41cをリセットし(ST38)、記憶保持していた積算カウント値ΣC5をリセット(ゼロあるいは初期値に変更)して、通常冷房運転の制御に戻る(ST40)。
通常冷房運転に戻した後は、ステップST21に処理を戻しても良いが、任意の時間が経過してからステップS21の処理を開始するようにしても良い。
これにより、圧縮機12の内部におけるオイル量を判定することができ、圧縮機12内部のオイル量に応じてオイル回収制御を行うので、不必要なオイル回収動作を抑制することができ、空調性の変動を抑制しつつ、常に圧縮機12に充分なオイルがある状態を保つことができる。
これにより、圧縮機12の内部におけるオイル量が適正か否かを判定することが可能となる。
なお、所定のカウント値Ctは、重み値の数値や冷凍サイクルシステム1の規模(接続される室外ユニット10や室内ユニット20の数や冷媒配管11の長さなど)や圧縮機12の能力など考慮して、適宜設定される値として良い。
すなわち、従来の技術では、冷媒を一定の流速以上にすることを目的とした圧縮機の運転周波数の上昇が、オイル回収動作に入ってすぐに実施されるために、オイル回収動作中の蒸発圧力は低下する方向となり、低圧配管部には液冷媒は存在しにくい状態となる。そのため、オイルを戻すためには多量の液冷媒を低圧側に流入させることになり、過度の液バックを発生し、圧縮機の信頼性を損なうおそれがあった。特に、長時間停止され室内熱交換器及び接続配管の温度が雰囲気温度まで上昇した停止機が存在する場合には、その部分には液冷媒が流れにくいために、オイル回収が不十分となるか或いはその部分のオイル回収を主眼とした動作にすれば、他の冷房運転中の室内機から多量の液バックを起こすことになる。
したがって、オイル回収制御時に、制御ユニットにより圧縮機の運転周波数を低下させることで、低圧側の冷媒配管の圧力が上がり、低圧配管部の全てで冷媒が液相状態となりやすくなるため、低圧側の冷媒配管全てにおいてに滞留したオイルが液相状態の冷媒に溶け込んでオイルの流動性が良好となる。そのため、低圧側の冷媒配管および室内ユニットの全てに滞留したオイルを液相状態の冷媒とともに回収することが可能となる。
さらに、本発明によれば、オイルの流動性を良くするための液相状態の冷媒を発生させることを、蒸発圧力を上昇させることで行っているために、通常の運転状態に戻る過程で蒸発圧力が低下し、液冷媒は蒸発するために過度の液バックを防止することができる。
10 室外ユニット
11 冷媒配管
12 圧縮機
13 オイルセパレータ
16 室外熱交換器
18 アキュムレータ
19 オイル戻し穴
20 室内ユニット
21 室内熱交換器
22 室内膨張弁
30 吐出温度センサ
31 高圧センサ
32 高圧スイッチ
33 熱交ガス温度センサ
34 熱交液温度センサ
35 外気温センサ
36 吸込温度センサ
37 低圧センサ
38 室内液温度センサ
39 室内ガス温度センサ
40 制御ユニット
41 積算タイマ
Claims (5)
- 冷凍サイクルシステムにおいて、
運転周波数に応じて能力が変わる能力可変型の圧縮機を搭載した室外ユニットと、
室内膨張弁と室内熱交換器とを有する室内ユニットと、
前記室外ユニットと前記室内ユニットを接続する冷媒配管と、
前記冷凍サイクルシステムを制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、冷房運転時に低圧側にオイルが溜まる条件を満たしたと判断した場合、オイルの流出しやすさまたはオイルの戻りにくさに基づいて、前記圧縮機の運転周波数を低下させた後に前記圧縮機の運転周波数を高くするオイル回収制御を実施し、前記制御ユニットは、前記オイル回収制御を実行している間、前記室内熱交換器を通る冷媒の過熱度に基づき前記室内膨張弁の開度を制御し、
前記オイルの流出しやすさは、前記圧縮機の吐出過熱度および前記圧縮機の運転周波数に対する重み値に基づいて設定され、
前記オイルの戻りにくさは、前記圧縮機の吸込過熱度および前記室内膨張弁の最大開度に対する重み値に基づいて設定されることを特徴とする冷凍サイクルシステム。 - 前記制御ユニットが行う前記オイル回収制御は、予め設定された第2の所定時間だけ前記圧縮機の運転周波数を低下させ、前記第2の所定時間が経過した後に予め設定された第3の所定時間だけ前記圧縮機の運転周波数を高くする制御であることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクルシステム。
- 前記圧縮機の吸込側の過熱度を検知する過熱度検知手段を備え、
前記制御ユニットは、前記過熱度検知手段によって検知された吸込側の過熱度が第1の所定値以上となった場合に、前記冷凍サイクルシステムの低圧側にオイルが溜まる条件を満たしたと判断して前記オイル回収制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクルシステム。 - 前記制御ユニットは、前記圧縮機の運転周波数が第2の所定値以上となった場合に、前記冷凍サイクルシステムの低圧側にオイルが溜まる条件を満たしたと判断してオイル回収制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクルシステム。
- 前記圧縮機の吸込側の過熱度を検知する過熱度検知手段を備え、
前記制御ユニットは、前記過熱度検知手段によって検知された吸込側の過熱度が第1の所定値以上となり、かつ前記圧縮機の運転周波数が第2の所定値以上となった場合に、前記冷凍サイクルシステムの低圧側にオイルが溜まる条件を満たしたと判断して前記オイル回収制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクルシステム。
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JP2021102563A JP7190682B2 (ja) | 2017-05-26 | 2021-06-21 | 冷凍サイクルシステム |
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JP2017104497A JP6945139B2 (ja) | 2017-05-26 | 2017-05-26 | 冷凍サイクルシステム、室外ユニット、制御ユニット |
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