JP2008128517A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の冷房運転を行いながら室内環境をほとんど悪化させることなく、冷凍サイクルの冷媒配管内に滞留している冷凍機油を効率よく回収する。
【解決手段】冷房運転時における圧縮機の吸入過熱度を監視し、その吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、室内機側の電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転を行う。
【選択図】図2
【解決手段】冷房運転時における圧縮機の吸入過熱度を監視し、その吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、室内機側の電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、室外機に対して複数台の室内機が接続されるマルチエアコンと呼ばれる空気調和機に関し、さらに詳しく言えば、冷凍サイクルの冷媒配管内に滞留している冷凍機油を回収する技術に関するものである。
空気調和機の冷凍サイクルには、圧縮機,四方弁,室外熱交換器,電子膨張弁および室内熱交換器が含まれ、圧縮機の運転に伴って、圧縮機に貯留されている冷凍機油は冷媒とともに冷凍サイクルの冷媒配管内を循環する。
冷凍機油の粘度は、冷媒が溶け込んでいる場合と、冷媒が溶け込んでいない場合とでは大きく異なる。例えば、冷媒温度30℃における冷凍機油の粘度は、冷媒溶解度10%時で50[Pa・s]であるのに対し、冷媒溶解度0%時は100[Pa・s]であり、約2倍も異なる。
したがって、冷房運転時において、室内機の室内熱交換器からガス冷媒が室外機の圧縮機側に戻されるガス冷媒配管(復路側冷媒配管)内で冷凍機油が滞留しやすい。特に、室外機に対して複数台の室内機が接続されるマルチエアコンの場合、室外機と各室内機との間の接続配管長が長いため、その接続配管内での冷凍機油の滞留量が多くなる。
具体的には、圧縮機の吐油量が最大となる冷房運転状態で、かつ、室内機の過熱度(SH)が大きく採れている場合での連続運転時に、ガス冷媒配管内にもっとも多くの冷凍機油が滞留する。
ガス冷媒配管内での冷凍機油の滞留により、圧縮機に対する冷凍機油の戻り量が少なくなると、圧縮機の過熱運転や冷媒吐出温度異常、軸受などの摺動機構に焼き付きなどが生じ、圧縮機の能力低下や損傷を招くことになりかねない。そのため、マルチエアコンでは、冷房運転時には定期的(例えば1.5時間間隔)もしくは不定期的に冷凍機油の回収を行うようにしている。
その一例として、特許文献1に記載の発明においては、冷凍機油の回収時に各室内機の電子膨張弁を全閉として冷房運転を行ってガス冷媒配管内を減圧し、その後、電子膨張弁をほぼ全開として液冷媒配管(往路側冷媒配管)から室内熱交換器を介してガス冷媒配管に液冷媒を流入させて、ガス冷媒配管内に滞留している冷凍機油を液冷媒とともに室外機側に回収するようにしている。
しかしながら、上記従来技術では、冷凍機油を回収する時の運転モードは冷房運転であるが、その際各室内機の電子膨張弁は全閉から全開とされ、冷媒の絞り作用を行っていないため、実質的な冷房運転が中断されることになり、室内環境が悪化することがある。
また、冷凍機油の回収時には、圧縮機に蒸発しきれていない液冷媒が多量に戻されるため、液圧縮による圧縮機損傷(故障)の危険性がある。
また、図4に例示するように、室外機Mに対して、細線で示す往路側冷媒配管(冷房運転時の液冷媒配管)PAと、太線で示す復路側冷媒配管(冷房運転時のガス冷媒配管)PBを介して4台の室内機A〜Dが接続されている場合、次のような問題がある。
例えば、室内機Cのみが運転され他の室内機A,B,Dが停止している場合には、室内機Cの枝配管部分PB5と、そこから室外機Mに至る幹配管部分PB2,PB1内の冷凍機油は回収できるが、他の配管部分PB4,PB3内の冷凍機油は回収できない。
したがって、室内機A,Bの枝配管部分PB4,室内機Cの枝配管部分PB5を含めてガス冷媒配管PB内の冷凍機油を回収する場合、停止している室内機があれば、それを含めてすべての室内機A〜Dを運転状態としなければならない。これには、無駄なエネルギーが生ずることになり好ましくない。
したがって、本発明の課題は、通常の冷房運転を行いながら室内環境をほとんど悪化させることなく、冷凍サイクルの冷媒配管内に滞留している冷凍機油を効率よく回収できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、圧縮機および室外熱交換器を含む室外機と、室内熱交換器および電子膨張弁を含む室内機と、少なくとも上記電子膨張弁の弁開度を制御する制御手段とを備え、上記室外機に対して複数台の上記室内熱交換器が往路側冷媒配管と復路側冷媒配管を介して並列的に接続されている空気調和機において、上記制御手段は、冷房運転時における上記圧縮機の吸入過熱度を監視し、上記吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、上記電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、上記室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転を行うことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気調和機において、上記制御手段は、上記湿らし運転を行っている間、上記電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくすることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の空気調和機において、上記制御手段は、上記吸入過熱度を上記圧縮機に吸入される冷媒の吸入温度と低圧飽和温度とから求めることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気調和機において、上記制御手段はタイマカウンタを備え、上記吸入過熱度が高温側の第1閾値よりも高い状態のとき上記タイマカウンタを加算し、上記吸入過熱度が低温側の第2閾値よりも低い状態のとき上記タイマカウンタを減算し、上記タイマカウンタの計数値が所定の参照値を超えた時点で上記湿らし運転を行うことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気調和機において、上記制御手段は、上記湿らし運転を少なくともあらかじめ設定された一定の運転時間行うことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の空気調和機において、上記制御手段は、上記湿らし運転を上記一定の運転時間行ったのち、上記吸入過熱度が所定値まで下がらない場合には、上記吸入過熱度が所定値以下となるまで上記電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくしながら上記湿らし運転を続行することを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の空気調和機において、上記制御手段は、上記湿らし運転を上記一定の運転時間行ったのち、上記圧縮機の吐出温度が所定値まで下がらない場合には、上記圧縮機の吐出温度が所定値以下となるまで上記電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくしながら上記湿らし運転を続行することを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の空気調和機において、上記制御手段は、上記湿らし運転の終了後、上記電子膨張弁の弁開度を上記湿らし運転前の状態に戻すとともに上記タイマカウンタをクリアしたのち、上記冷房運転時における上記圧縮機の吸入過熱度を監視することを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、圧縮機および室外熱交換器を含む室外機と、室内熱交換器および電子膨張弁を含む室内機と、少なくとも上記電子膨張弁の弁開度を制御する制御手段とを備え、上記室外機に対して複数台の上記室内熱交換器が往路側冷媒配管と復路側冷媒配管を介して並列的に接続されている空気調和機において、上記制御手段は、冷房運転時における上記圧縮機の吸入過熱度を監視し、上記吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、上記電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、上記室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転と、上記電子膨張弁をほぼ全開として冷凍機油を回収する冷凍機油回収運転とを選択して実行することを特徴としている。
冷房運転時における圧縮機の吸入過熱度(SH)は、圧縮機に戻されるガス冷媒配管内の冷媒の相状態がもっとも反映されている。また、冷凍機油の粘度は、冷媒が溶け込んでいる場合には、冷媒が溶け込んでいない場合に比べて2倍程度低く流動しやすくなる。
したがって、冷房運転時における圧縮機の吸入過熱度を監視し、その吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、室内機側の電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転を行うようにした請求項1に記載の発明によれば、通常の冷房運転を行いながら室内環境をほとんど悪化させることなく、冷凍サイクルの冷媒配管内に滞留している冷凍機油を効率よく回収することができる。
また、冷凍機油回収の運転時間間隔(インターバル)も伸ばすことができる。例えば、上記従来技術の場合における冷凍機油回収の運転時間間隔が1.5時間程度とすると、本発明によれば、その約2倍の3時間程度に冷凍機油回収の運転時間間隔を伸ばすことができる。
湿らし運転を行っている間、電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくするようにした請求項2に記載の発明によれば、蒸発しきれていない液冷媒が一気に室外機の圧縮機に流入することがなく、液圧縮による圧縮機の損傷(故障)を未然に防止することができる。
吸入過熱度を圧縮機に吸入される冷媒の吸入温度と低圧飽和温度とから求めるようにした請求項3に記載の発明によれば、ガス冷媒配管に実際に温度センサーなどを設ける手間を省くことができる。
タイマカウンタを備え、吸入過熱度(SH)が高温側の第1閾値よりも高い状態のときタイマカウンタを加算し、吸入過熱度が低温側の第2閾値よりも低い状態のときタイマカウンタを減算し、タイマカウンタの計数値が所定の参照値を超えた時点で湿らし運転を行うようにした請求項4に記載の発明によれば、冷媒配管内における冷凍機油の滞留量を適確に把握することができる。
湿らし運転を行う場合、その運転を少なくともあらかじめ設定された一定の運転時間行うようにした請求項5に記載の発明によれば、湿らし運転ごとにほぼ一定量の冷凍機油を回収できるとともに、室内環境の悪化を防止できる。
湿らし運転を上記一定の運転時間行ったのち、吸入過熱度が所定値まで下がらない場合には、吸入過熱度が所定値以下となるまで電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくしながら湿らし運転を続行するようにした請求項6に記載の発明によれば、冷凍機油の滞留量に応じた適切な湿らし運転を行うことができる。
また、湿らし運転を上記一定の運転時間行ったのち、圧縮機の吐出温度が所定値まで下がらない場合には、圧縮機の吐出温度が所定値以下となるまで電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくしながら湿らし運転を続行するようにした請求項7に記載の発明によれば、上記請求項6と同じく、冷凍機油の滞留量に応じた適切な湿らし運転を行うことができる。
湿らし運転の終了後、電子膨張弁の弁開度を湿らし運転前の状態に戻すとともにタイマカウンタをクリアしたのち、冷房運転時における圧縮機の吸入過熱度を監視するようにした請求項8に記載の発明によれば、全自動で冷房運転を行いながら湿らし運転を行うことができる。
また、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転と、電子膨張弁をほぼ全開として冷凍機油を回収する冷凍機油回収運転とを選択して実行するようにした請求項9に記載の発明によれば、冷凍機油の滞留量に応じて適切な運転を行うことができる。
次に、図1ないし図3により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明の空気調和機の実施形態示す構成図,図2は本発明での制御手順を示すフローチャート,図3は本発明の冷凍サイクルの作用を説明するためのモリエル線図である。
本発明の空気調和機は、室外機に対して複数台の室内機が接続されるマルチエアコンであり、図1に示す実施形態では、1台の室外機1に対して2台の室内機12a,12b冷媒配管PA,PBを介して並列的に接続されている。室内機は3台以上であってもよい。
室外機1内には、基本的な構成として、2台の圧縮機2a,2bと、四方弁2と、室外ファン6を有する室外熱交換器4とが設けられている。この例では、圧縮機を2台としているが、1台であってもよく、また、3台以上としてもよい。また、冷房専用機の場合には四方弁2は不要で、圧縮機の冷媒吐出側に室外熱交換器が直接的に接続される。
各室内機12a,12b内には、基本的な構成として、それぞれ室内ファン15a,15bを有する室内熱交換器14a,14bと、電子膨張弁13a,13bとが設けられている。
図3のモリエル線図を併せて参照して、冷房運転時には、圧縮機2a,2bにて断熱圧縮された高温・高圧のガス冷媒は、四方弁3を介して室外熱交換器4に送られ、室外熱交換器4で冷却され等圧のまま凝縮潜熱で飽和液になり、さらに顕熱を放出して過冷却液となってレシーバタンク(受液器)5に流れ、そこから冷媒配管PAを介して室内機12a,12bに送られる。なお、レシーバタンク5は任意的な構成要素である。
室内機12a,12bにおいて、室外機1からの過冷却液は電子膨張弁13a,13bで絞り膨張され比エンタルピーは一定の状態で圧力と温度が低下し、低温低圧の湿り蒸気となって室内熱交換器14a,14bに供給される。
室内熱交換器14a,14bにおいて、湿り蒸気は外部から熱を受け入れ蒸発潜熱により等圧のまま乾き蒸気(低圧のガス冷媒)となり冷媒配管PBを介して室外機1に戻される。室外機1に戻された低圧のガス冷媒は、四方弁3およびアキュムレータ7を介して圧縮機2a,2bに吸入される。
このように、冷房運転時には室外熱交換器4が凝縮器として作用し、室内熱交換器14a,14bが蒸発器として作用する。暖房運転時には、四方弁3が切り換えられ、圧縮機2a,2bから吐出される高温・高圧のガス冷媒は室内熱交換器14a,14b側に送られ、室内熱交換器14a,14bが凝縮器とし作用し、室外熱交換器4が蒸発器として作用する。
センサ関係について説明すると、圧縮機2a,2bの各冷媒吐出管に吐出温度センサ11a,11bが設けられ、また、圧縮機2a,2bの各冷媒吐出管の合流配管に高圧センサ9が設けられる。四方弁3から圧縮機2a,2bの吸入側に至る低圧配管には低圧センサ8と吸入温度センサ10が設けられる。
この空気調和機は、上記冷凍サイクルを制御する制御手段20を備えている。制御手段20には、上記した各センサ8,9,10,11a,11bからの検出信号のほか、図示しないリモコンからの運転モード選択信号や室温設定信号、また、図示しない室温センサからの室温検知信号などが入力される。
制御手段20は、これら各入力信号に基づいて、圧縮機2a,2b、四方弁3、室外ファン6、室内ファン15a,15b、電子膨張弁13a,13bなどを制御する。制御手段20には、メモリやタイマなどを備えたマイクロコンピュータが好ましく用いられる。
次に、図2のフローチャートにしたがって、本発明の空気調和機で実行される湿らし運転について説明する。なお、冷媒配管に冷凍機油が滞留するのはもっぱら冷房運転時であるから、以下の説明において、冷房運転時における冷媒往路側の一方の冷媒配管PAを「液冷媒配管」、冷媒復路側の他方の冷媒配管PBを「ガス冷媒配管」と言う。
本発明では、圧縮機の吸入過熱度(SH値)に基づいてガス冷媒配管PBに冷凍機油が滞留しているかどうかを判断する。図3のモリエル線図において破線で示されているようなSHが大きく取られている冷凍サイクル運転時に、ガス冷媒配管PB内の冷媒はほぼ完全なガス冷媒であるため、もっとも冷凍機油が滞留する。
ガス冷媒配管PB内の冷媒状態を判断するにあたって、その配管に温度センサを取り付けて冷媒温度を測定すればよいのであるが、冷媒配管には例えば壁面などに埋設されている部分があるため、その全配管にわたって温度センサをを取り付けることは現実的に困難である。
よって、本発明では、ガス冷媒配管PB内を流れる冷媒状態がもっとも反映される圧縮機の吸入過熱度(SH値)によって冷凍機油の滞留の有無を判断する。そのため、タイマの変数としてTMA1,TMA2,TMA3と、タイマカウンタの変数としてTCNTを用いる。
また、吸入過熱度(SH値)を算出する変数として、吸入温度センサにより検知される吸入温度TSUCと、低圧飽和温度TSLPを用いる。低圧飽和温度TSLPは、低圧センサ8の検出値PSUCから求めることができる。一例として、
TSLP=−C1×(PSUC)2+C2×(PSUC)−C3
のような近似式から計算することができる(C1〜C3は低圧センサ8の検出値に応じて決められる定数)。
TSLP=−C1×(PSUC)2+C2×(PSUC)−C3
のような近似式から計算することができる(C1〜C3は低圧センサ8の検出値に応じて決められる定数)。
まず、冷房運転が開始されると、ステップST1で、TMA1に60秒,TMA2に30分,TMA3に180秒がそれぞれセットされ、これに対してTCNTが0にクリアされたのち、ステップST2で、圧縮機起動後の待機時間としてTMA1がスタートされる。
ステップST3で、60秒が経過してTMA1がタイムアップとなると吸入過熱度の監視に入る。すなわち、吸入過熱度は吸入温度TSUCと低圧飽和温度TSLPの差(TSUC−TSLP)で表されるから、まず、ステップST4で、(TSUC−TSLP)≧10℃かが判断される(≧を>としてもよい)。
その結果がYESであれば、ガス冷媒配管PB内の冷媒がほぼガス状態で冷凍機油が滞留しているかもしくは滞留しやすい状態と判断できることにより、次段のステップST5でタイマカウンタTCNTに所定値を加算する。この例では、10秒ごとに吸入過熱度を監視するようにしているため、TCNTに対する加算値は1回あたり10秒であるが、吸入過熱度を監視時間間隔は任意に決められてよい。
ステップST4での判断がNOであれば、ステップST5をジャンプしてステップST6に移行し、今度は(TSUC−TSLP)≦5℃かが判断される(≦を<としてもよい)。その結果がYESであれば、ガス冷媒配管PB内の冷媒が湿り状態で冷凍機油の粘度が低く室外機1側に回収される状態にあると判断できることにより、次段のステップST7でタイマカウンタTCNTから10秒を減算する。
ステップST6での判断がNOであれば、ステップST7をジャンプしてステップST8に移行し、現在のタイマカウンタTCNTを保持し、次段のステップST9で、TCNT≧TMA2かを判断する(≧を>としてもよい)。すなわち、(TSUC−TSLP)≧10℃の状態が積算してTMA2の30分以上となっているかが判断される。
その結果がNOであれば、ステップST4に戻りステップST9までを繰り返し実行する。これに対して、ステップST9でYESになると、ステップST10で湿り要求フラグがONにされるとともに、180秒タイマであるTMA3がスタートされる。湿り要求フラグがONになると、そのフラグが立てられている間(この例では少なくとも180秒間)、電子膨張弁13a,13bが徐々に開かれる。
すなわち、図3のモリエル線図において、破線図示のSHが大きく取られている冷凍サイクルをそのSHが小さくなるように矢印a方向へと動かすため、電子膨張弁13a,13bを徐々に開き、室内熱交換器14a,14bの蒸発器容量以上の質量容量〔kg/s〕を流し、冷媒を湿り状態としてガス冷媒配管PB内に流す。これにより、ガス冷媒配管PB内の冷凍機油の冷媒溶解度が上昇し、その油粘度が低下するため、冷凍機油を室外機1側に回収することができる。
ステップST11で、180秒が経過してTMA3がタイムアップとなると、ステップST12で、再度(TSUC−TSLP)≦5℃かの判断が行われるとともに、吐出温度センサ11a,11bで検出される圧縮機の吐出温度TOUT≦95℃かの判断が行われる。
(TSUC−TSLP)≦5℃でもなく、また、TOUT≦95℃でもない場合には、この両条件が満足されるまで、さらに電子膨張弁13a,13bが徐々に開かれる。そして、上記両条件が満足されると、ステップST13で湿り要求フラグがOFFにされるとともに、タイマカウンタTCNTが0にクリアされ、ステップST14で冷房運転停止かどうかの判断を経て、冷房運転継続であればステップST4に戻る。
このように、本発明によれば、通常の冷房運転中において、その冷房機能を維持しつつ冷凍サイクルの冷媒配管内に滞留している冷凍機油を効率よく回収することができる。したがって、冷凍機油を回収している場合でも、室内環境が悪化することもない。また、例えば電子膨張弁13a,13bを全開としての本格的な冷凍機油回収の運転時間間隔も伸ばすことができる。
1 室外機
2a,2b 圧縮機
3 四方弁
4 室外熱交換器
6 室外ファン
8 低圧センサ
9 高圧センサ
10 吸入センサ
11a,11b 吐出温度センサ
12a,12b 室内機
13a,13b 電子膨張弁
13a,13b 室内熱交換器
15a,15b 室内ファン
20 制御手段
2a,2b 圧縮機
3 四方弁
4 室外熱交換器
6 室外ファン
8 低圧センサ
9 高圧センサ
10 吸入センサ
11a,11b 吐出温度センサ
12a,12b 室内機
13a,13b 電子膨張弁
13a,13b 室内熱交換器
15a,15b 室内ファン
20 制御手段
Claims (9)
- 圧縮機および室外熱交換器を含む室外機と、室内熱交換器および電子膨張弁を含む室内機と、少なくとも上記電子膨張弁の弁開度を制御する制御手段とを備え、上記室外機に対して複数台の上記室内熱交換器が往路側冷媒配管と復路側冷媒配管を介して並列的に接続されている空気調和機において、
上記制御手段は、冷房運転時における上記圧縮機の吸入過熱度を監視し、上記吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、上記電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、上記室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転を行うことを特徴とする空気調和機。 - 上記制御手段は、上記湿らし運転を行っている間、上記電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくすることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 上記制御手段は、上記吸入過熱度を上記圧縮機に吸入される冷媒の吸入温度と低圧飽和温度とから求めることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
- 上記制御手段はタイマカウンタを備え、上記吸入過熱度が高温側の第1閾値よりも高い状態のとき上記タイマカウンタを加算し、上記吸入過熱度が低温側の第2閾値よりも低い状態のとき上記タイマカウンタを減算し、上記タイマカウンタの計数値が所定の参照値を超えた時点で上記湿らし運転を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気調和機。
- 上記制御手段は、上記湿らし運転を少なくともあらかじめ設定された一定の運転時間行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気調和機。
- 上記制御手段は、上記湿らし運転を上記一定の運転時間行ったのち、上記吸入過熱度が所定値まで下がらない場合には、上記吸入過熱度が所定値以下となるまで上記電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくしながら上記湿らし運転を続行することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
- 上記制御手段は、上記湿らし運転を上記一定の運転時間行ったのち、上記圧縮機の吐出温度が所定値まで下がらない場合には、上記圧縮機の吐出温度が所定値以下となるまで上記電子膨張弁の弁開度を徐々に大きくしながら上記湿らし運転を続行することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
- 上記制御手段は、上記湿らし運転の終了後、上記電子膨張弁の弁開度を上記湿らし運転前の状態に戻すとともに上記タイマカウンタをクリアしたのち、上記冷房運転時における上記圧縮機の吸入過熱度を監視することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の空気調和機。
- 圧縮機および室外熱交換器を含む室外機と、室内熱交換器および電子膨張弁を含む室内機と、少なくとも上記電子膨張弁の弁開度を制御する制御手段とを備え、上記室外機に対して複数台の上記室内熱交換器が往路側冷媒配管と復路側冷媒配管を介して並列的に接続されている空気調和機において、
上記制御手段は、冷房運転時における上記圧縮機の吸入過熱度を監視し、上記吸入過熱度が所定の閾値よりも高い状態が所定時間継続されたとき、上記電子膨張弁を全開までに至らない範囲で開く方向に制御して、上記室内熱交換器に蒸発器容量以上の質量流量〔kg/s〕の冷媒を流し、冷房機能を維持しながら冷凍機油を回収する湿らし運転と、
上記電子膨張弁をほぼ全開として冷凍機油を回収する冷凍機油回収運転とを選択して実行することを特徴とする空気調和機。
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