JP7190226B1 - マルチレベル出力ゲート駆動装置及びゲート電圧制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、種類の違うパワーデバイスであって、標準ゲートバイアス電圧が異なるものや負バイアス定格電圧の制約が異なるものに対してゲート電圧を印加する場合、電源電圧をパワーデバイスの種類毎に設計し直す必要があった。さらに、D/A変換部や電圧増幅部にはICを使用していたため高コストになってしまうという問題もあった。
しかし、このゲート駆動回路では、D/Aコンバータ(1)の出力が5V程度であり、素子のゲート駆動電圧としては不足するので、電圧増幅のためのオペアンプ回路が必要である。また、このオペアンプには実用上30V以上の耐圧が求められ、IGBTやMOSFETといった高速スイッチング素子へ対応するに足りる高速応答性が必要となるため、使用する素子の選択肢が狭く高額品になってしまいコスト高となる。
しかし、このゲート駆動装置(2)は、IGBT(3a),(3b)をオンする時はスイッチング素子(12a)のオン数でゲート充電電流値を変化させ、オフする時はスイッチング素子(12b)のオン数で放電電流値を変化させる方式であり、IGBT(3a),(3b)のゲート電圧をV1とV2の間の中間電位で一定時間保持するには、その設定電圧に到達した後ゲートドライバ(11)の出力を高インピーダンス状態にする必要があるため、高インピーダンス状態である間はゲート電圧が安定しにくいという問題がある。また、違う種類のデバイスでゲート正バイアス標準値が変われば電源電圧(V1)を設計変更する必要がある。
また、IGBTをゲートターンオンする時に、ゲート電圧を早く上昇させコレクタ電圧がテールを引くのを抑制して、損失の発生を低減させることを第2の課題としている。
入力信号用端子(IN)、複数の正側出力用端子(P1~Pn)及び複数の負側出力用端子(N1~Nm)を有するデジタル信号出力回路と、高電圧D/A変換回路と、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のベース同士とエミッタ同士を接続したバッファー回路とを備え、
前記高電圧D/A変換回路は、
前記複数の正側出力用端子(P1~Pn)にゲートが接続され、複数のレベルシフト回路(LS1~LSn)の一端側にドレインが接続される複数の正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)と、
前記複数のレベルシフト回路(LS1~LSn)の他端側にゲートが接続され、複数の正側抵抗(Rp1~Rpn)の一端側にドレインが接続される複数のpチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)と、
前記複数の負側出力用端子(N1~Nm)にゲートが接続され、複数の負側抵抗(Rn1~Rnm)の一端側にドレインが接続される複数の負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)と、を有し、
前記複数の正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)のソース、前記複数の負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)のソース及び前記PNPトランジスタ(Qb2)のコレクタが負バイアス電源(En)に接続若しくは接地され、
前記複数のpチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)のソース及び前記NPNトランジスタ(Qb1)のコレクタが正バイアス電源(Ep)に接続され、
前記複数の正側抵抗(Rp1~Rpn)の他端側及び前記複数の負側抵抗(Rn1~Rnm)の他端側は共通接続されるとともに、前記バッファー回路のベースに接続され、
前記バッファー回路のエミッタから出力される出力電圧(Vo)を、前記デジタル信号出力回路の前記複数の正側出力用端子(P1~Pn)及び前記複数の負側出力用端子(N1~Nm)から出力されるデジタル信号の組合せに応じた電圧値に制御することを特徴とする。
前記入力信号(IN1)がローレベルからハイレベルに変化したタイミングで、前記出力電圧(Vo)を前記正バイアス電源(Ep)の正電源電圧(VCC)の95%以下である前記電圧駆動型パワーデバイスの標準正バイアス電圧に制御し、
前記出力電圧(Vo)を前記標準正バイアス電圧に制御してから一定時間が経過した後、所定期間に亘って前記標準正バイアス電圧の105~130%であるブースト電圧に制御し、
前記所定期間の経過後に前記出力電圧(Vo)を前記標準正バイアス電圧に制御することを特徴とする。
(1)プログラマブルロジックデバイス(PLD)
プログラマブルロジックデバイス(PLD)は、マイコン、Complex Programmable Logic Device(CPLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)等を含むデバイスの総称である。
入力信号(IN1)を入力するための入力信号用端子(IN)、正側出力用端子(P1~Pn)、負側出力用端子(N1~Nm)、電源端子(E1)及びグランド端子(GND)を有し、グランド端子(GND)は負バイアス電源(En)に接続されており、電源端子(E1)の電位は負バイアス電源(En)の電圧値である負電源電圧(VEE)より3.3~5V高いVdspに維持されている。
そして、予め設定可能なプログラムによって、正側出力用端子(P1~Pn)及び負側出力用端子(N1~Nm)から出力され、後述する出力インピーダンス可変高電圧デジタル/アナログ変換回路(以下「高電圧D/A変換回路」という。)の正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)のゲートにそれぞれ入力されるP入力1~n及び高電圧D/A変換回路の負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)のゲートにそれぞれ入力されるN入力1~mをローレベル(L)とするかハイレベル(H)とするか、予め定めた区間ごとに決定し制御することができる。
なお、区間数は必要に応じて予め設定できるが、実施例1では区間数8の例について説明する。また、入力信号(IN1)の立ち上がり及び立ち下がりを契機として、P入力1~n又はN入力1~mを変化させるタイミングを設定することができるが、P入力1~nにおけるLとHの異なる組合せの数は2nであり、N入力1~mにおけるLとHの異なる組合せの数は2mであるから、各区間に設定可能なLとHの異なる全組合せは2n×2mとなる。
プログラマブルロジックデバイス(PLD)の正側出力用端子(P1~Pn)にゲートが接続され、レベルシフト回路(LS1~LSn)の一端側にドレインが接続される正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)と、レベルシフト回路(LS1~LSn)の他端側にゲートが接続され、正側抵抗(Rp1~Rpn)の一端側にドレインが接続されるpチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)と、プログラマブルロジックデバイス(PLD)の負側出力用端子(N1~Nm)にゲートが接続され、負側抵抗(Rn1~Rnm)の一端側にドレインが接続される負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)と、を有し、
正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)のソース及び負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)のソースは、いずれも負バイアス電源(En)に接続され、pチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)のソースは、いずれも正バイアス電源(Ep)に接続され、正側抵抗(Rp1~Rpn)及び負側抵抗(Rn1~Rnm)の他端側は共通接続されている。
そうすると、正側抵抗(Rp1~Rpn)及び負側抵抗(Rn1~Rnm)の共通接続点から出力されるD/A出力は、pチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)と負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)のオンオフの組合せ及び正側抵抗(Rp1~Rpn)と負側抵抗(Rn1~Rnm)の抵抗値によって決まる合成抵抗値の抵抗分割比に対応する電圧となる。
ベース同士及びエミッタ同士が接続されているNPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)を有し、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のベースは、正側抵抗(Rp1~Rpn)の他端側及び負側抵抗(Rn1~Rnm)の他端側に接続され、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のエミッタは、IGBTやMOSFET等の電圧駆動型パワーデバイスのゲートにゲート抵抗(Rg)を介して接続され、NPNトランジスタ(Qb1)のコレクタは、正バイアス電源(Ep)に接続され、PNPトランジスタ(Qb2)のコレクタは、負バイアス電源(En)に接続されている。
そして、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のエミッタ同士の接続点から出力される出力電圧(Vo)は、高電圧D/A変換回路のD/A出力に応じて、負電源電圧(VEE)以上、正電源電圧(VCC)以下に制御される。
また、D/A出力がバッファー回路によって電流増幅されるので、出力電圧(Vo)は低インピーダンス状態となり、電圧駆動型パワーデバイスのゲートに印加すると、同デバイスを駆動するゲート電圧(Vg)を様々なレベルで安定的に制御することができる。
そのため、実施例1のマルチレベル出力ゲート駆動装置は、ゲート電圧の最大定格、標準正バイアス電圧及び負バイアス定格電圧が異なる様々な種類の電圧駆動型パワーデバイスに対応可能である。さらに、同ゲート駆動装置はプログラマブルロジックデバイス(PLD)を除きディスクリート部品で構成されているので、低コストで提供することができる。
図2に示す出力電圧(Vo)のイメージ波形は、入力信号(IN1)が立ち上がるまでのA区間では負電源電圧(VEE)に制御され、入力信号(IN1)の立ち上がりから第1所定タイミングまでのB区間では中間電位3に制御され、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでのC区間では中間電位1に制御され、第2所定タイミングから入力信号(IN1)が立ち下がるまでのD区間では正電源電圧(VCC)に制御される。
また、入力信号(IN1)の立ち下がりから第3所定タイミングまでのE区間では中間電位1に制御され、第3所定タイミングから第4所定タイミングまでのF区間では中間電位2に制御され、第4所定タイミングから第5所定タイミングまでのG区間では中間電位3に制御され、第5所定タイミング以降のH区間では負電源電圧(VEE)に制御される。
図3から分かるように、A区間では入力信号(IN1)及びP入力1~4がLでN入力1~4がHであり、B区間では入力信号(IN1)、P入力4及びN入力1~4がHでP入力1~3がLであり、C区間では入力信号(IN1)、P入力1~4及びN入力4がHでN入力1~3がLであり、D区間では入力信号(IN1)及びP入力1~4がHでN入力1~4がLである。
また、E区間では入力信号(IN1)及びN入力1~3がLでP入力1~4及びN入力4がHであり、F区間では入力信号(IN1)、P入力1及びN入力1がLでP入力2~4及びN入力2~4がHであり、G区間では入力信号(IN1)、P入力1~3がLでP入力4及びN入力1~4がHであり、H区間では入力信号(IN1)及びP入力1~4がLでN入力1~4がHである。
そのため、A区間とH区間ではpチャネルMOSFET(Qp1~Qp4)がオフとなり、負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qn4)がオンとなるので、正側の合成抵抗値は非常に高くなり、負側の合成抵抗値は負側抵抗(Rn1~Rn4)の並列抵抗なので非常に低くなって、出力電圧(Vo)は負電源電圧(VEE)に制御され、B区間とG区間ではpチャネルMOSFET(Qp1~Qp3)がオフとなり、pチャネルMOSFET(Qp4)及び負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qn4)がオンとなるので、正側の合成抵抗値は正側抵抗(Rp4)のみの抵抗値となり、負側の合成抵抗値は非常に低くなって、出力電圧(Vo)は負電源電圧(VEE)よりやや高い中間電位3に制御される。
さらに、C区間とE区間ではpチャネルMOSFET(Qp1~Qp4)及び負側nチャネルMOSFET(Qn4)がオンとなり、負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qn3)がオフとなるので、正側の合成抵抗値は正側抵抗(Rp1~Rp4)の並列抵抗なので非常に低くなり、負側の合成抵抗値は負側抵抗(Rn4)のみの抵抗値となって、出力電圧(Vo)は正電源電圧(VCC)よりやや低い中間電位1に制御され、D区間ではpチャネルMOSFET(Qp1~Qp4)がオンとなり、負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qn4)がオフとなるので、正側の合成抵抗値は非常に低くなり、負側の合成抵抗値は非常に高くなって、出力電圧(Vo)は正電源電圧(VCC)に制御され、F区間ではpチャネルMOSFET(Qp1)及び負側nチャネルMOSFET(Qn1)がオフとなり、pチャネルMOSFET(Qp2~Qp4)及び負側nチャネルMOSFET(Qn2~Qn4)がオンとなるので、正側の合成抵抗値は正側抵抗(Rp2~Rp4)の並列抵抗なので低くなり、負側の合成抵抗値は負側抵抗(Rn2~Rn4)の並列抵抗なので低くなって、出力電圧(Vo)は正電源電圧(VCC)と負電源電圧(VEE)との平均電圧に近い中間電位2に制御される。
また、例えば上記D区間で出力電圧を中点電位1に留めておくこともプログラミングにより真理値表を変更するだけで対応可能であり、A区間及びH区間で中点電位3に維持することも同様に可能である。すなわち、電圧駆動型パワーデバイスの種類が変わり、標準正バイアス電圧が正電源電圧(VCC)より低いものや負バイアス定格電圧が負電源電圧(VEE)より高い電圧駆動型パワーデバイスに対しても、正電源電圧(VCC)や負電源電圧(VEE)をデバイスの種類毎に設計し直すことなく、実施例1のマルチレベル出力ゲート駆動装置をそのまま利用し、複数種類の電圧駆動型パワーデバイスに対して共用することが可能である。
さらに、高電圧D/A変換回路のスイッチ回路である正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)、pチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)及び負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)の数を多めに設置しておけば、これらのスイッチ回路のオンオフの組合せを変更することにより、同じ出力電圧レベルであっても出力インピーダンスを変化させることができるので、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)の電流増幅率や駆動対象の電圧駆動型パワーデバイスのゲート容量に応じた柔軟な対応が可能となる。
一般にIGBTはゲートターンオン直後、図9に示すようにコレクタ電圧が降下しコレクタ電流が増加するが、ターンオン初期の段階におけるコレクタ電圧は、定常オン状態のコレクタ電圧より高めの値となり時間の経過とともに降下していく(「テールを引く」ともいわれる)ことが知られている。この現象はIGBTの損失増加につながるため、テールを引く期間は極力短くしたいという課題がある。そして、この期間はゲート抵抗(Rg)を下げることで短くなるが、ゲート抵抗(Rg)を下げすぎるとIGBTのハーフブリッジ構成におけるリカバリーサージ電圧による素子破壊のリスクが高まるという問題があった。
図4に示す出力電圧(Vo)の波形は、マルチレベル出力ゲート駆動装置を利用して、ゲート抵抗(Rg)を下げることなくテールを引く期間を極力短くするためのものであり、IGBTやMOSFET等の電圧駆動型パワーデバイスをターンオンする時におけるスイッチングロスを、素子破壊のリスクを回避しつつ減らすことができる。
ターンオン時における出力電圧(Vo)の波形をこのように制御することによって、図9に示した従来のIGBTのゲート電圧波形、コレクタ電圧波形及びコレクタ電流波形と比較して、IGBTのゲート電圧はブースト電圧のおかげで早く上昇し、IGBTのコレクタ電圧はテールを引くのが抑制されるので、IGBTの損失を低減することができる。
図5に示す出力電圧(Vo)のイメージ波形は、入力信号(IN1)が立ち上がるまでのA区間では負電源電圧(VEE)に制御され、入力信号(IN1)の立ち上がりから第1所定タイミングまでのB区間ではIGBTの標準正バイアス電圧である15Vに制御され、第1所定タイミングから第2所定タイミングまでのC区間では正電源電圧(VCC)の19Vに制御される。
また、第2所定タイミングから入力信号(IN1)が立ち下がるまでのD区間では再度標準正バイアス電圧である15Vに制御され、入力信号(IN1)の立ち下がり以降のE区間では負電源電圧(VEE)に制御される。
なお、C区間における電圧はゲート電圧を早く上昇させるためのブースト電圧であり、図5では標準正バイアス電圧の約127%である19Vに制御しているが、ターンオンする電圧駆動型パワーデバイスの種類に応じて標準正バイアス電圧の105~130%とすれば良い。そのため、標準正バイアス電圧は、少なくとも正電源電圧(VCC)の95%以下とする必要があり、ブースト電圧を高めに制御する場合には、標準正バイアス電圧を正電源電圧(VCC)の77%程度とする必要がある。
図6から分かるように、A区間では入力信号(IN1)及びP入力1~3がLでN入力1~3がHであり、B区間では入力信号(IN1)、P入力1及びN入力3がHでP入力2,3及びN入力1,2がLであり、C区間では入力信号(IN1)及びP入力1~3がHでN入力1~3がLであり、D区間では入力信号(IN1)、P入力1及びN入力3がHでP入力2,3及びN入力1,2がLであり、E区間では入力信号(IN1)及びP入力1~3がLでN入力1~3がHである。
そのため、A区間とE区間ではpチャネルMOSFET(Qp1~Qp3)がオフとなり、負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qn3)がオンとなるので、正側の合成抵抗値は非常に高くなり、負側の合成抵抗値は負側抵抗(Rn1~Rn3)の並列抵抗なので非常に低くなって、出力電圧(Vo)は負電源電圧(VEE)に制御され、B区間とD区間ではpチャネルMOSFET(Qp1)及び負側nチャネルMOSFET(Qn3)がオンとなり、pチャネルMOSFET(Qp2,Qp3)及び負側nチャネルMOSFET(Qn1,Qn2)がオフとなるので、正側の合成抵抗値は比較的低い正側抵抗(Rp1)のみの抵抗値となり、負側の合成抵抗値は比較的高い負側抵抗(Rn3)のみの抵抗値となって、出力電圧(Vo)は正電源電圧(VCC)よりやや低い標準正バイアス電圧に制御され、C区間ではpチャネルMOSFET(Qp1~Qp3)がオンとなり、負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qn3)がオフとなるので、正側の合成抵抗値は非常に低くなり、負側の合成抵抗値は非常に高くなって、出力電圧(Vo)は正電源電圧(VCC)に制御される。
(1)実施例1ではプログラマブルロジックデバイス(PLD)を用いたが、PLDに限らず入力信号用端子(IN)、複数の正側出力用端子(P1~Pn)及び複数の負側出力用端子(N1~Nm)を有し、入力信号用端子(IN)に入力される入力信号(IN1)に応じて正側出力用端子(P1~Pn)及び負側出力用端子(N1~Nm)からLとHの異なる組合せのデジタル信号が出力されるデジタル信号出力回路であれば、どんなデバイスでの構成であっても良い。
(2)実施例1では複数の正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)のソース、複数の負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)のソース及びPNPトランジスタ(Qb2)のコレクタが負バイアス電源(En)に接続されていたが、これらは接地されていても良い。
そうした場合、グランド端子(GND)も接地するとともに、電源端子(E1)の電位であるVdspは接地電位より3.3~5V高い電位とする。
(3)実施例1では高電圧D/A変換回路に入力されるP入力の数n及びN入力の数mを4として、図2のイメージ波形を形成するための真理値表(図3)を作成したが、設定する電圧のレベル数は5なので、n及びmを3として真理値表を作成することもできる。
また、実施例2では高電圧D/A変換回路に入力されるP入力の数n及びN入力の数mを3として、図5のイメージ波形を形成するための真理値表(図6)を作成したが、設定する電圧のレベル数は3なので、n及びmを2として真理値表を作成することもできる。
ただし、正側及び負側の合成抵抗値の選択肢が小さくなるので、n及びmは若干大きめに設定した方が、汎用性の高いマルチレベル出力ゲート駆動装置を提供できる。
(4)実施例1のバッファー回路は、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のベース同士とエミッタ同士が直接接続されていたが、ベース同士又はエミッタ同士が抵抗を介して接続されていても良く、図7に示すように、複数組のNPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)をダーリントン接続したものとしても良い。
そして、特許請求の範囲では、これらをまとめて「NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のベース同士とエミッタ同士を接続したバッファー回路」と表現する。
IN 入力信号用端子 IN1 入力信号 LS1~LSn 複数のレベルシフト回路
N1~Nm 複数の負側出力用端子 P1~Pn 複数の正側出力用端子
PLD プログラマブルロジックデバイス Q1~Qn 複数の正側nチャネルMOSFET
Qb1 NPNトランジスタ Qb2 PNPトランジスタ
Qn1~Qnm 複数の負側nチャネルMOSFET Qp1~Qpn 複数のpチャネルMOSFET
Rg ゲート抵抗 Rn1~Rnm 複数の負側抵抗 Rp1~Rpn 複数の正側抵抗
VCC 正電源電圧 VEE 負電源電圧 Vg ゲート電圧 Vo 出力電圧
Claims (2)
- 入力信号を受けて電圧駆動型パワーデバイスを駆動するためのゲート電圧(Vg)を制御可能なマルチレベル出力ゲート駆動装置であって、
入力信号用端子(IN)、複数の正側出力用端子(P1~Pn)及び複数の負側出力用端子(N1~Nm)を有するデジタル信号出力回路と、高電圧D/A変換回路と、NPNトランジスタ(Qb1)とPNPトランジスタ(Qb2)のベース同士とエミッタ同士を接続したバッファー回路とを備え、
前記高電圧D/A変換回路は、
前記複数の正側出力用端子(P1~Pn)にゲートが接続され、複数のレベルシフト回路(LS1~LSn)の一端側にドレインが接続される複数の正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)と、
前記複数のレベルシフト回路(LS1~LSn)の他端側にゲートが接続され、複数の正側抵抗(Rp1~Rpn)の一端側にドレインが接続される複数のpチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)と、
前記複数の負側出力用端子(N1~Nm)にゲートが接続され、複数の負側抵抗(Rn1~Rnm)の一端側にドレインが接続される複数の負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)と、を有し、
前記複数の正側nチャネルMOSFET(Q1~Qn)のソース、前記複数の負側nチャネルMOSFET(Qn1~Qnm)のソース及び前記PNPトランジスタ(Qb2)のコレクタが負バイアス電源(En)に接続若しくは接地され、
前記複数のpチャネルMOSFET(Qp1~Qpn)のソース及び前記NPNトランジスタ(Qb1)のコレクタが正バイアス電源(Ep)に接続され、
前記複数の正側抵抗(Rp1~Rpn)の他端側及び前記複数の負側抵抗(Rn1~Rnm)の他端側は共通接続されるとともに、前記バッファー回路のベースに接続され、
前記バッファー回路のエミッタから出力される出力電圧(Vo)を、前記デジタル信号出力回路の前記複数の正側出力用端子(P1~Pn)及び前記複数の負側出力用端子(N1~Nm)から出力されるデジタル信号の組合せに応じた電圧値に制御する
ことを特徴とするマルチレベル出力ゲート駆動装置。 - 請求項1に記載のマルチレベル出力ゲート駆動装置を用いて、前記電圧駆動型パワーデバイスをターンオンする時における前記出力電圧(Vo)を制御するゲート電圧制御方法であって、
前記入力信号がローレベルからハイレベルに変化したタイミングで、前記出力電圧(Vo)を前記正バイアス電源(Ep)の正電源電圧(VCC)の95%以下である前記電圧駆動型パワーデバイスの標準正バイアス電圧に制御し、
前記出力電圧(Vo)を前記標準正バイアス電圧に制御してから一定時間が経過した後、所定期間に亘って前記標準正バイアス電圧の105~130%であるブースト電圧に制御し、
前記所定期間の経過後に前記出力電圧(Vo)を前記標準正バイアス電圧に制御する
ことを特徴とするゲート電圧制御方法。
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