JPH08195666A - 電流スイッチ回路 - Google Patents

電流スイッチ回路

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JPH08195666A
JPH08195666A JP7020949A JP2094995A JPH08195666A JP H08195666 A JPH08195666 A JP H08195666A JP 7020949 A JP7020949 A JP 7020949A JP 2094995 A JP2094995 A JP 2094995A JP H08195666 A JPH08195666 A JP H08195666A
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    • H03K17/041Modifications for accelerating switching without feedback from the output circuit to the control circuit
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基準電圧源を使用せずに、正相のデジタル信号
1つのみで動作させることにより、デジタル回路の削減
と基準電圧源の削除と、更には高速スイッチ動作を実現
することを目的とする。 【構成】第1の定電流源MP1とこの定電流源の一端に
接続する第2、第3のトランジスタMP2、MP3と、
MP3の他端に接続される第2の定電流源MP4で構成
され、第2のトランジスタMP2の制御信号入力は、第
3のトランジスタMP3と第2の定電流源MP4の接続
点4に接続され、第3のトランジスタMP3の制御信号
には、外部よりデジタル信号Dが入力され、このデジタ
ル信号Dの値により第2のトランジスタの残りの他端を
電流出力端子とする部分に流れる電流をオン・オフす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電流スイッチ回路に関す
る。また、本発明は電流スイッチ回路を複数個備えた高
速ディジタル・アナログ変換装置(「D/A変換装置」
という)の構成と、更に電圧レベル変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術の一例として、図7に
従来の電流スイッチ回路の構成を示し、図9にこの電流
スイッチ回路を使ったD/A変換装置の構成ん一例を示
す。なお、図7及び図9に示す構成は、米国特許第4831
282号に開示されている。
【0003】まず、図7を参照して、従来の電流スイッ
チ回路について説明する。
【0004】図7には、P型の半導体基板上にMOSト
ランジスタで構成されることを考慮した電流スイッチ回
路10の構成が示されている。
【0005】図7を参照して、電流スイッチ回路10は、
ソース電極を電源端子6に接続し、ゲートをバイアス電
圧入力端子7に接続して電位VBにてバイアスし、所定
の電流値Iの定電流を生成する第1のPチャネルMOS
トランジスタMP1と、第1のPチャネルMOSトラン
ジスタMP1のドレイン電極に、ソース電極を共通に接
続する2つの第2、第3のPチャネルMOSトランジス
タMP2、MP3と、から構成されている。
【0006】図7に示すように、第2のPチャネルMO
Sトランジスタのゲート電極は基準電圧入力端子8に接
続されて一定電位VCでバイアスされ、ドレイン電極は
電流出力端子2に接続されている。
【0007】一方、第3のPチャネルMOSトランジス
タMP3は、そのゲート電極が、スイッチ信号入力端子
3に接続され、ドレイン電極が接地端子1に接続されて
いる。このスイッチ信号入力端子3に入力されるディジ
タル信号Dは第1のPチャネルMOSトランジスタMP
1で生成される定電流Iを、第2のPチャネルMOSト
ランジスタMP2側かあるいは第3のPチャネルMOS
トランジスタMP3側のいずれに流すかを選択切替する
役割をなしている。
【0008】次に、図7に示す従来の電流スイッチ回路
の動作について説明する。
【0009】スイッチ信号入力端子3から第3のPチャ
ネルMOSトランジスタMP3のゲートに入力されるス
イッチ信号のレベルが“1”(あるいは電源電圧VDD
の時、第3のPチャネルMOSトランジスタMP3はオ
フ状態、第2のPチャネルMOSトランジスタMP2は
オン状態となるため、第1のPチャネルMOSトランジ
スタMP1のドレイン電極から出力される電流Iは第2
のPチャネルMOSトランジスタMP2側に流れる。
【0010】逆に、第3のPチャネルMOSトランジス
タMP3のゲートに入力されるスイッチ信号レベルが
“0”(接地電位GND)の時、第3のPチャネルMO
SトランジスタMP3はオン状態、第2のPチャネルM
OSトランジスタMP2はオフ状態となり、第1のPチ
ャネルMOSトランジスタMP1のドレイン電極から出
力される電流Iは第3のPチャネルMOSトランジスタ
MP3の側に流れる。
【0011】次に、図9を参照して、この電流スイッチ
10を7個(電流スイッチ回路10(A)〜10(G))用いて構成
した3ビットのD/A変換装置を説明する。まず、D/
A変換装置の構成を説明する。
【0012】ディジタル信号入力Din1〜Din3は、デ
ィジタル入力信号端子13A〜13Cに入力される。このう
ち、ディジタル入力信号端子13Aを最小位ビット(LS
B)、ディジタル入力信号端子13Cを最重要ビット(M
SB)としている。
【0013】D/A変換装置は、このディジタル入力信
号端子13A〜13Cを入力とし7ビットのスイッチ信号D
(A)〜D(G)を出力するデコーダ9と、この7ビットのス
イッチ信号D(A)〜D(G)それぞれを図7の電流スイッチ
回路におけるスイッチ信号入力端子3に接続する7個の
電流スイッチ回路10(A)〜10(G)より構成されている。図
9では、電流スイッチ回路10(A)〜10(G)のスイッチ信号
入力端子はそれぞれ符号D(A)〜D(G)で表わされている。
【0014】図9において、電流スイッチ回路10(A)〜1
0(G)の残りの端子の接続については、図7の電流スイッ
チ回路におけるバイアス電圧入力端子7は、同一のバイ
アス電圧入力端子7に接続され、VBの電圧が与えられ
ている。
【0015】また、基準電圧入力端子8も、各電流スイ
ッチ回路10(A)〜10(G)に対して共通に接続され、VC
電圧が与えられている。
【0016】さらに、各電流スイッチ回路10(A)〜10(G)
間で電流出力端子2は共通に接続され、電流出力端子2
と接地端子1との間にRLの抵抗値を有する負荷抵抗11
を接続し、共通接続された電流出力端子2の電位をアナ
ログ電圧出力VOUTとしている。
【0017】一方、デコーダ9の動作については、図1
0の真理値表に従ったデータが出力されるような構成と
なっている。
【0018】次に、図9に示されるD/A変換装置の動
作を説明する。
【0019】まず、各電流スイッチ回路10A(A)〜10(G)
における図7の第1のPチャネルMOSトランジスタM
P1が生成する定電流値を仮にIとする。
【0020】この場合、アナログ出力電圧VOUTは、図
10の真理値表に従って、接地端子電位GNDから7I
×RLの電位までI・RLステップで変化することにな
り、3ビットのディジタル・アナログ変換装置として動
作する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図7に示される電流ス
イッチ回路10は差動型であるにもかかわらず、信号入力
は、1つで済み、逆相の信号を生成する必要がない。こ
のため、必要とされるディジタル回路の回路素子数等を
削減する等の効果がある。
【0022】更に、図7の第2、第3のPチャネルMO
SトランジスタMP2、MP3のサイズを同一とした場
合、第2のPチャネルMOSトランジスタMP2と、第
3のPチャネルMOSトランジスタMP3のいずれかが
オンするかによって、共通ソース接続点5の電位V(5)
は、基準電圧入力端子8に入力される電位VCの分だけ
変動する。
【0023】この理由については、まずスイッチ信号入
力端子3に入力される信号が“0”の接地端子電位の
時、第3のPチャネルMOSトランジスタMP3がオン
するため、共通ソース接続点5の電位V(5)は、第3の
PチャネルMOSトランジスタMP3に電流Iが流れた
場合のゲート・ソース間電圧VgsMP3に等しくなる。
【0024】次に、スイッチ信号入力端子3に入力され
る信号が“1”となり、第3のPチャネルMOSトラン
ジスタMP3がオフし、第2のPチャネルMOSトラン
ジスタMP2がオンした時、第2のPチャネルMOSト
ランジスタMP2についても、トランジスタサイズが同
じであるため、同様のゲート・ソース間電圧VgsMP2
発生する。
【0025】すなわち、スイッチ信号入力端子3に入力
される信号が“1”の時の共通ソース接続点5の電位を
V´(5)とすると、V´(5)は基準電圧入力端子8の電圧
レベルVCを使って次式(1)で与えられる。
【0026】V′(5)=VC+VgsMP2 …(1)
【0027】第2及び第3のPチャネルMOSトランジ
スタMP2、MP3のゲート・ソース間電圧について、
gsMP2=VgsMP3であるため、V(5)とV′(5)の差は電
圧VCとなる。
【0028】図8に、スイッチ信号入力端子3に入力さ
れるディジタル信号Dの波形と、共通ソース接続点5の
電位変化を示す波形図を示す。
【0029】図8を参照して、スイッチ信号入力端子3
の入力信号と、共通ソース接続点5の電位変動が同一の
方向となることがわかる。このため米国特許第4831282
号においては、図7に示される第2、第3のPチャネル
MOSトランジスタMP2、MP3のゲート・ソース間
容量CGSMP2、CGSMP3の充・放電の電荷量が少くて済
み、より高速(100MHz前後)のスイッチングが可能で
あることが記載されている。
【0030】しかし、実際上では、共通ソース接続点5
の電位は、図8の101で示される波形のように変化する
ため、第2のPチャネルMOSトランジスタMP2のゲ
ート・ソース間容量CGSMP2を介して、基準電圧入力端
子8の基準電圧(バイアス電位)VCを102で示されるよ
うに変動させている。この変動は、基準電圧入力端子8
に接続されるバイアス源のインピーダンスが高いために
生じている。
【0031】基準電圧入力端子8のバイアス電位VC
変動は、当然のことながら共通ソース接続点5の電位も
変動させるため、スイッチング電流のセトリング時間を
遅らせることになる。
【0032】従って、図8の基準電圧入力端子8の波形
102に示される変動を小さくするため、モノリシック化
されたICでは、このバイアスをIC外部よりレギュレ
ータ等を通した非常に低いインピーダンスのバイアス源
を使って供給するようにしている。
【0033】しかしながら、このように、バイアスを外
部より供給する方法は、モノリシック化されたICでは
ピン数の増大を招く他、更にバイアス源用に別の部品が
必要であるといった問題を含んでいる。
【0034】また、前記従来の電流スイッチ回路におけ
る別の問題点としては、図7に示される電流スイッチ回
路10において、第2のPチャネルMOSトランジスタM
P2が完全にオフしない状態が生じ、電流出力端子2側
にリーク電流が発生することである。
【0035】この不具合は、図7の電流スイッチ回路10
におけるスイッチ信号入力端子3のディジタル信号Dが
“0”レベル(接地電位)の時、共通接続点5の電位V
(5)が高い場合に起る。
【0036】共通接続点5の電位V(5)が高いと、第2
のPチャネルMOSトランジスタMP2のゲート・ソー
ス間電圧VGSMP2(=V(5)−VC)がそのしきい値電圧
TMP 2以上となり、本来ならオフすべき第2のPチャネ
ルMOSトランジスタが完全にオフしない状態が生じる
ことになる。
【0037】この対策として、基準電圧入力端子8の基
準電圧VCを高くし、第2のPチャネルMOSトランジ
スタMP2のゲート・ソース間電圧VGSMP2を小さくす
るか、あるいは、第2、第3のPチャネルMOSトラン
ジスタMP2、MP3のチャネル長Lとチャネル幅Wの
比W/Lを大きく取り、共通ソース接続点5の電位V
(5)を低くする等の2つの対策が講じられる。
【0038】しかし前者の対策では、出力コンプライア
ンスは増加するものの、第1のPチャネルMOSトラン
ジスタMP1のドレイン電位が上昇し、飽和領域の条件
を満足しにくくなる。また、後者については、第2、第
3のPチャネルMOSトランジスタMP2、MP3のサ
イズが大きくなってしまうという問題が生じる。
【0039】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであって、上記問題点を解消するとともに、
基準電圧源を使用せずに、正相のディジタル信号1つの
みで動作させることにより、ディジタル回路の削減と基
準電圧源の削除と、更には高速スイッチ動作を実現する
電流スイッチ回路を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る電流スイッチ回路は、第1の電源端子
に一端が接続される第1の定電流源と、前記第1の定電
流源の他端に、2端子間が制御信号入力端子に入力され
る制御信号により導通又は非導通とされる第1及び第2
のスイッチトランジスタの該制御信号入力端子ではない
同一極性の一端をそれぞれ接続し、前記第1のスイッチ
トランジスタの前記制御信号入力端子ではない残りの一
端と第2の電源端子との間に第2の定電流源が接続さ
れ、前記第1のスイッチトランジスタと前記第2の定電
流源との接続点が前記第2のスイッチトランジスタの前
記制御信号入力端子に接続され、前記第2のスイッチト
ランジスタの残りの一端を電流出力端子とし、前記第1
のスイッチトランジスタの前記制御信号入力端子に外部
よりスイッチ信号が入力されることを特徴としている。
【0041】本発明は、好ましい態様として、第1及び
第2のMOSトランジスタのソースを共通接続し、この
共通接続点と第1の電源端子との間に第1の定電流源を
接続され、前記第1のMOSトランジスタは、ゲートが
スイッチ信号入力端子に接続され、ドレインが第2の定
電流源を介して第2の電源端子に接続され、前記第2の
MOSトランジスタは、ゲートが前記第1のMOSトラ
ンジスタのドレインに接続され、ドレインが電流出力端
子に接続されてなる電流スイッチ回路を特徴としてい
る。
【0042】また、本発明は、好ましくは、前記第1の
MOSトランジスタのドレインと前記第1の電源端子と
の間に第3の定電流源を接続してなる電流スイッチ回路
を特徴としている。なお、本発明において、上記スイッ
チトランジスタ又は上記MOSトランジスタをPチャネ
ルMOSトランジスタで構成した場合、第1の電源端子
には電源電位VDDが、第2の電源端子には接地電源GN
Dが与えられ、NチャネルMOSトランジスタで構成し
た場合には、第1の電源端子には接地電位GNDが、第
2の電源端子には電源電位VDDが与えられる。
【0043】
【作用】本発明によれば、差動型の電流スイッチ回路に
おいて前記従来例で必要とされる基準電圧源を不要と
し、例えば100MHz程度の高速のスイッチング動作が可
能な電流スイッチ回路を提供することができる。
【0044】また、本発明の電流スイッチ回路によれ
ば、基準電圧源入力が不要とされるため、前記従来例に
示したような基準電圧入力端子8を設ける必要がなくな
る。この結果、外付け部品点数を削減できる。
【0045】さらに、本発明の電流スイッチ回路によれ
ば、スイッチングトランジスタとしての働きをなす第
2、第3のPチャネルMOSトランジスタMP2、MP
3、及び定電流源を構成する第4のPチャネルMOSト
ランジスタMP4の各ゲートサイズは、前記従来例より
も大幅に縮小できる。
【0046】また、本発明の電流スイッチ回路におい
て、さらに第3の定電流源を設けた場合、スイッチング
時の電位整定時間をより短くして、高速スイッチング動
作を実現する。
【0047】そして、本発明の電圧レベル変換回路によ
れば、第4のPチャネルMOSトランジスタMP4と第
3のPチャネルMOSトランジスタMP3の接続点を電
圧出力として使用するならば、入力信号の逆相ではある
が、高周波のディジタル信号の伝達に適した小振幅のデ
ィジタル信号が得られる。
【0048】
【実施例】図面を参照して、本発明の実施例を以下に説
明する。
【0049】
【実施例1】図1及び図2を参照して、本発明の第1の
実施例を説明する。図1は、P型の半導体基板を想定し
た電流スイッチ回路の構成を示す図である。図2は、図
1の電流スイッチ回路において、スイッチ信号入力端子
3にディジタル信号Dが入力された場合の各接続点の電
圧波形を示す波形図である。
【0050】まず、図1を参照して、本実施例に係る電
流スイッチ回路10は、第1のPチャネルMOSトランジ
スタMP1及び第2のPチャネルMOSトランジスタM
P2、第3のPチャネルMOSトランジスタMP3、第
4のPチャネルMOSトランジスタMP4の計4つのP
チャネルMOSトランジスタで構成される。
【0051】第1のPチャネルMOSトランジスタMP
1はソースを電源端子6に、ゲートをバイアス電圧入力
端子7に接続され、ゲートにはVBのバイアス電位が印
加される。そして、第1のPチャネルMOSトランジス
タMP1は定電流源として次式(2)にて与えられる電流
値Iを生成する。
【0052】 I=(1/2)K(W/L)(VDD−VB−VTMP1)2 …(2)
【0053】ここに、Kは第1のPチャネルMOSトラ
ンジスタMP1のトランスコンダクタンス、(W/L)
はMOSトランジスタMP1のチャネル幅Wとチャネル
長Lの比、VDDは電源電位、VTMP1は第1のPチャネル
MOSトランジスタMP1のしきい値電圧をそれぞれ示
している。
【0054】第2のPチャネルMOSトランジスタMP
2と第3のPチャネルMOSトランジスタMP3はソー
スが共通接続とされ、第1のPチャネルMOSトランジ
スタMP1のドレインに接続されている。
【0055】更に、第2のPチャネルMOSトランジス
タMP2のゲートは第3のPチャネルMOSトランジス
タMP3のドレインに接続され、第3のPチャネルMO
SトランジスタMP3のゲートはスイッチ信号入力端子
3に接続され、ディジタル信号Dが入力される。第2及
び第3のPチャネルMOSトランジスタMP2、MP3
はスイッチ動作を行い、ディジタル信号Dの値により、
第1のPチャネルMOSトランジスタMP1で生成され
る電流値Iを、第2のPチャネルMOSトランジスタM
P2側か、あるいは第3のPチャネルMOSトランジス
タMP3側のいずれに流すかを決定している。第2のP
チャネルMOSトランジスタMP2のドレインは電流出
力端子2に接続されている。
【0056】第4のPチャネルMOSトランジスタMP
4は、ドレインとゲートとが短絡され擬似的なダイオー
ドとなっている。第4のPチャネルMOSトランジスタ
MP4のソースは第3のPチャネルMOSトランジスタ
MP3のドレインと接続され、第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4のドレイン及びソースは接地端子1
に接続されている。
【0057】次に、図1の電流スイッチ回路の動作を詳
細に説明する。
【0058】まず、スイッチ信号入力端子3にディジタ
ル信号D=“0”の接地端子電位が入力されると、第3
のPチャネルMOSトランジスタMP3がオン状態とな
り、この第3のPチャネルMOSトランジスタMP3側
に第1のPチャネルMOSトランジスタMP1からの電
流Iが流れ、更にカスコード接続された第4のPチャネ
ルMOSトランジスタMP4にも電流Iが流れる。第4
のPチャネルMOSトランジスタMP4は、ゲートとド
レインが短絡されているため、電流が流れた場合常に飽
和領域で動作する。
【0059】飽和領域における第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4のゲート・ソース間電圧の絶対値|
GSMP4|は、以下の次式(3)で与えられる。
【0060】
【数1】
【0061】但し、Kは第4のPチャネルMOSトラン
ジスタMP4のトランスコンダクタンス、VTMP4はMP
4しきい値電圧、(W/L)は第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4のサイズ比をそれぞれ示している。
【0062】上式(3)における|VGSMP4|は、第3のP
チャネルMOSトランジスタMP3について、ゲート電
圧が接地電位となっている(すなわちスイッチ信号入力
端子3のディジタル信号が“0”である)ため、第3の
PチャネルMOSトランジスタMP3のゲート・ドレイ
ン間電圧にも等しいと言える。
【0063】上式(3)より、電流Iが流れた場合、第4
のPチャネルMOSトランジスタMP4のゲート・ソー
ス間電圧の絶対値|VGSMP4|は、しきい値電圧VTMP4
より大きな値となる。
【0064】これは、第3のPチャネルMOSトランジ
スタMP3について、ドレイン電位がゲート電位よりし
きい値以上高いことを示し、第3のPチャネルMOSト
ランジスタMP3は非飽和領域で動作することになる。
非飽和領域ではドレイン・ソース間の抵抗が飽和領域に
比較して極めて低いため、第3のPチャネルMOSトラ
ンジスタMP3のドレイン・ソース間電圧は、例えば0.
1V以下の小さい値となる。
【0065】また、第3のPチャネルMOSトランジス
タMP3のドレイン・ソース間電圧は、図1の回路接続
上、第2のPチャネル型トランジスタMP2のゲート・
ソース間電圧に等しくなる。第2のPチャネルMOSト
ランジスタMP2のゲート・ソース間電圧はそのしきい
値電圧以下となるため、第2のPチャネルMOSトラン
ジスタMP2は完全にオフする。このため、第1のPチ
ャネルMOSトランジスタMP1で生成される電流Iは
すべて第3のPチャネルMOSトランジスタ側に流れ
る。
【0066】一方、スイッチ信号入力端子3に、ディジ
タル信号D=“1”のレベルとなる電源端子6の電位V
DDが入力されると、第3のPチャネルMOSトランジス
タMP3は完全にオフする。
【0067】この時、第4のPチャネルMOSトランジ
スタMP4のゲート・ソース間電圧VgsMP4、従って、
第2のPチャネルMOSトランジスタMP2のゲート電
位は、上式(3)より第1項が電流が流れないため零とな
ることから、VTMP4のしきい値電圧に等しくなる。
【0068】PチャネルMOSトランジスタのしきい値
電圧は0.8V程度(多くのMOSプロセスについて0.2V
DD程度)であるため、第2のPチャネルMOSトランジ
スタMP2はオンとなり、電流値IがすべてMP2側に
流れることになる。このようにして、図1に示す本実施
例は、スイッチ信号入力端子3に、ディジタル信号Dを
入力することにより、電流スイッチ回路として動作す
る。
【0069】第2のPチャネルMOSトランジスタMP
2と、第4のPチャネルMOSトランジスタMP4のト
ランジスタサイズを等しくした場合における動作時の各
接続点の電圧波形は、図2に示すものとなる。
【0070】図2と前記従来例における同様の部分の波
形を示した図8を比較して以下に説明する。
【0071】ここで、従来の電流スイッチ回路を示す図
7の第2のPチャネルMOSトランジスタMP2、第3
のPチャネルMOSトランジスタMP3に電流Iが流れ
た時に発生するゲート・ソース間電圧VgsMP2、VgsMP3
がともに約2Vであるものとし、第2のPチャネルMO
SトランジスタMP2のゲート電位基準電圧入力端子8
からの基準電位はVC=1.2Vであるものとする。
【0072】また、本実施例に係る電流スイッチ回路に
おける第2、第3のMOSトランジスタMP2、MP3
のゲート・ソース電圧についても同様であるものとす
る。
【0073】そして、本実施例において、第2のPチャ
ネルMOSトランジスタMP2、第4のPチャネルMO
SトランジスタMP4に電流Iがそれぞれ流れた時のゲ
ート・ソース間電圧VgsMP2、VgsMP4がともに約2Vで
あるものとし、これら2つのトランジスタのしきい値電
圧VTMP2、VTMP4をともに0.8Vと仮定する。
【0074】前記従来例(図8)と本実施例の電圧波形
である図2を比較すると、前記従来例では第2のPチャ
ネルMOSトランジスタMP2のゲート電圧波形102は
1.2Vと一定(端子8からの基準電圧VC)であるのに対
し、本実施例では、第2のPチャネルMOSトランジス
タMP2のゲート電圧波形102(すなわち接続点4の電
位)は、ロウレベル=0.8V、ハイレベル=2Vで、1.2
V程度の振幅を示す。
【0075】しかし、第2、第3のPチャネルMOSト
ランジスタMP2、MP3の共通ソース接続点5の電圧
波形は、前記従来例では、ロウレベル=2V、ハイレベ
ル=3.2Vで、振幅1.2Vの矩形波出力を示しているのに
対し、本実施例では、ロウレベル2V、ハイレベル2.8
Vで同様の矩形波出力を示している。
【0076】すなわち、本実施例では、前記従来例と同
様に、第2のPチャネルMOSトランジスタMP2のゲ
ート・ソース間容量CGSMP2、第3のPチャネルMOS
トランジスタMP3のゲート・ソース間容量CGSMP3
スイッチングによる電荷の充放電の量を小さく抑えられ
るため、高速のスイッチングが可能となる。
【0077】また、図1の第3のPチャネルMOSトラ
ンジスタMP3はオンの時(スイッチ信号入力端子3の
ディジタル信号Dがロウレベルの時)、必ず非飽和領域
となり、ドレイン・ソース間電圧は小さい値となる。こ
のため、第2のPチャネルMOSトランジスタMP2の
ゲート・ソース間電圧VgsMP2はそのしきい値電圧VT
MP2未満となり、前記従来例とは異なり、第3のPチャ
ネルMOSトランジスタMP3がオンの時に、電流出力
端子2側にリーク電流が生じることはない。
【0078】また、本実施例の大きな効果として、前記
従来例で必要とされた第2のPチャネルMOSトランジ
スタMP2のバイアス源が不要とされていることも明ら
かである。
【0079】
【実施例2】次に、図3及び図4を参照して、本発明の
第2の実施例を説明する。
【0080】本実施例では、前記第1の実施例における
効果を更に高速化のスイッチングに対応できるようにし
た構成の一例を示している。
【0081】図3を参照して、本実施例と図1の前記第
1の実施例との相違点は、本実施例では第3のPチャネ
ルMOSトランジスタMP3と第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4の接続点4に、ゲートをバイアス電
圧入力端子7に接続した第5のPチャネルMOSトラン
ジスタMP5を定電流源として電源端子6との間に設け
たことである。
【0082】このような構成により、本実施例は、図2
中の接続点4の電圧波形102において破線丸印で囲まれ
た103A〜103Cの立下がりの部分の時間(立下がり時
間)を短くするという効果を有し、このため、共通ソー
ス接続点5の波形101において、破線丸印の部分で囲ま
れた104A〜104Cのオーバーシュートを小さくしてい
る。
【0083】この結果、本実施例は、電流スイッチング
動作についてより高速なスイッチングを実現可能として
いる。
【0084】定電流源として、第5のPチャネルMOS
トランジスタを加えた目的は、第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4について、第3のPチャネルMOS
トランジスタMP3がオフ時にも、第4のPチャネルM
OSトランジスタMP4のソース・ドレイン間抵抗rSD
を下げて、接続点4に付随する容量C4との積rDS・C4
で表わされる時定数を小さく抑えることにある。
【0085】第4のPチャネルMOSトランジスタMP
4のソース・ドレイン間抵抗rSDが下がる理由について
以下に説明する。
【0086】MOSトランジスタにおいて、ゲートとド
レインを短絡した第4のPチャネルMOSトランジスタ
MP4のような接続のソース・ドレイン間抵抗rSDは次
式(4)で表わされる。
【0087】
【数2】
【0088】すなわち、ソース・ドレイン間の電流I′
が零の場合は、ソース・ドレイン間抵抗rSDの抵抗値は
無限大となるが、電流が流れていれば、ある程度抵抗値
を低くできることが上式(4)よりわかる。
【0089】本実施例に係る図3に示す電流スイッチ回
路における動作時の電位変化を図4に示す。
【0090】図4は、PチャネルMOSトランジスタM
P1に流れる電流Iより、第5のPチャネルMOSトラ
ンジスタMP5に流れる電流I′が十分小さいものとし
て示した。
【0091】図4に示すように、第3のPチャネルMO
SトランジスタMP3と第4のPチャネルMOSトラン
ジスタMP4の接続点4の波形102は、第5のPチャネ
ル型MOSトランジスタMP5で生成される定電流I′
が加わることにより、ロウレベルの電位V′gsMP4が、
図2の波形102の場合より上昇し、一方、ハイレベル電
位V″gsMP4については、電流値I+I′がIとさほど
変わらないため、図2の波形102におけるハイレベルV
gsMP4とほとんど変わらない。このため、本実施例では
接続点4の信号波形の振幅は小さくなっている。
【0092】さらに、立下がり時間も短縮化されるた
め、図2の波形102で示される接続点4における電位降
下時に生じるオーバーシュートを減少させている。
【0093】図4から明らかなように、図3に示される
本実施例による電流スイッチ回路10は、前記第1の実施
例と比較し、オン/オフ・スイッチング時の各接続点の
電位整定時間をより短くしている。
【0094】更に、本発明に係る電流スイッチ回路の適
用例として、図1又は図3に示した電流スイッチ回路10
を複数個使用することによりD/A変換装置が構成でき
る。これを図5に示す。図5は3bitのD/A変換装置
の構成例を示している。
【0095】図3のブロック構成と接続は、従来例のD
/A変換装置としてで説明した図9の場合とほぼ同様で
あるため、以下では相違点のみを説明する。本実施例に
係るD/A変換装置においては、前記従来例と相違し
て、電流スイッチ回路10(A)〜10(G)を、図1又は図3の
電流スイッチ回路に置きかえたこと、更に、この置換に
より、図9の前記従来例で必要とされた基準電圧入力端
子8が削除されている。
【0096】このD/A変換装置の全体の動作は、デコ
ーダ9を図10の真理値表と全く同じものを使用した場
合、前記従来例と同様3ビットのD/A変換装置として
動作する。
【0097】なお、上記第1及び第2の実施例におい
て、第4のPチャネルMOSトランジスタMP4の代わ
りに、ダイオード、あるいは抵抗を接続した構成として
もよい。
【0098】本発明の上記各実施例に係る電流スイッチ
回路は、例えば100MHz以上の高速なスイッチング動作
が可能とされ、また高速の信号は、振幅レベルをより小
さく抑えた方が外部に与えるノイズが小さく有利である
ことから、後に説明するように、高周波のディジタル信
号を外部に伝達するレベルシフト回路としての役割をな
すことも可能である。
【0099】また、前記従来例では、前記した通り、第
2のPチャネルMOSトランジスタMP2が完全にオフ
しないことによるリーク電流を防ぐために、更に加えて
第2、第3のPチャネルMOSトランジスタMP2、M
P3のサイズを小さく抑えるために、第2のPチャネル
MOSトランジスタMP2へ与えるゲート電圧を約1.2
Vと必要以上に高い電圧を与えていた。例えば図7及び
図9の前記従来例において、第2のPチャネルMOSト
ランジスタMP2のゲート電圧として必要な条件を説明
する。
【0100】D/A変換装置のアナログ出力電圧VOUT
(図9参照)の電流出力の精度を保証できる最大のアナ
ログ出力電圧として定義される出力コンプライアンス
は、100MHz以上の高速のD/A変換装置において1V
〜1.5V程度である。
【0101】仮に、出力コンプライアンスを1.5Vとす
るならば、前記従来例における基準電圧入力端子8に入
力される電圧VCは、第2のPチャネルMOSトランジ
スタMP2の飽和領域の条件を満足するためMP2のし
きい値電圧をVTMP2とすると、基準電圧VCは次式(5)で
表わされる条件を満たすことが必要とされる。
【0102】 VC>(出力コンプライアンス電圧)−VTMP2C>1.5V−0.8V=0.7V …(5)
【0103】すなわち、基準電圧VCは0.7Vより大であ
れば十分である。図1に示す本発明の前記第1の実施例
では、第2のPチャネルMOSトランジスタMP2がオ
ンしている時のゲート電圧は、第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4のしきい値電圧VTMP4=約0.8Vと
なるため、上式(5)は満足している。なお、前記従来例
では基準電圧VCは1.2Vとされ、上式(5)の条件は十分
満足している。
【0104】次に、本実施例における第2、第3、第4
のPチャネルMOSトランジスタMP2、MP3、MP
4のゲートサイズについて説明する。
【0105】まず、前記従来例において第3のPチャネ
ルMOSトランジスタMP3がオン、第2のPチャネル
MOSトランジスタMP2がオフの状態において、前記
従来例の問題点として説明したように、共通ソース接続
点5の電位V(5)は次式(6)の条件を満足することが必要
とされる。
【0106】 V(5)<VC+VTMP2 V(5)<1.2V+0.8V=2.0V …(6)
【0107】すなわち、第3のPチャネルMOSトラン
ジスタMP3に電流値Iが流れた時のゲート・ソース間
電圧VgsMP3は2V未満にしなければならない。
【0108】同様に、図1の本発明の前記第1の実施例
に係る回路においては、共通ソース接続点5の電位V
(5)は、電源端子6の電位をVCC=5V、バイアス電圧
入力端子7の電位をVB=3Vとした場合、第1のPチ
ャネルMOSトランジスタMP1が飽和領域で動作すれ
ばよいため約3V未満にすれば良い。
【0109】ところで、前記従来例における第3のPチ
ャネルMOSトランジスタMP3は、本発明の前記第1
及び第2の実施例においては、第4のPチャネルMOS
トランジスタMP4に相当する。
【0110】前記従来例における第3のPチャネルMO
SトランジスタMP3に電流値Iが流れた時のゲート・
ソース間電圧VgsMP3は約2V未満であるのに対し、本
発明の実施例ではVgsMP4は約3V未満で良い。
【0111】このゲート・ソース間電圧の差は、前記式
(3)の第1項の値に差により実現できる。
【0112】前記式(3)の第1項において、電流値Iは
等しく、トランジスタのトランスコンダクタンスKもほ
ぼ等しいと考えられるため、ゲート・ソース間電圧の差
は(W/L)比でおおよそ決まることになる。この(W
/L)の差は、前記従来例による第3のPチャネルMO
SトランジスタMP3の(W/L)比を1とするなら
ば、本発明の上記実施例における第4のPチャネルMO
SトランジスタMP4は前記式(3)の第1項を約0.55倍
にすれば実現できる。すなわち、(W/L)の比では、
2乗倍の約0.3倍前後で十分となる。
【0113】本発明の前記実施例では、第3のPチャネ
ルMOSトランジスタMP3が必要とされる。第3のP
チャネルMOSトランジスタMP3は、導通時非飽和領
域で動作するため、サイズは第4のPチャネルMOSト
ランジスタと同程度のサイズで実現できる。
【0114】すなわち、本発明の上記実施例において、
スイッチングトランジスタとしての働きをなす第2、第
3のPチャネルMOSトランジスタMP2、MP3、及
び第4のPチャネルMOSトランジスタMP4の各ゲー
トサイズは、前記従来例よりも最小で1/3程度に縮小
することができる。
【0115】
【実施例3】図6を参照して、本発明の第3の実施例を
説明する。
【0116】図6に示すように、本実施例においては、
図1に示した第2のPチャネルMOSトランジスタMP
2のドレイン出力、すなわち電流出力端子2を接地端子
1に接続し、第3のPチャネルMOSトランジスタMP
3のドレインと第2のPチャネルMOSトランジスタM
P2のゲートの接続点4を電圧出力VOとして使用する
ことにより、接地電位から電源端子電位VDDまでフル・
スイングするディジタル信号Dの入力レベルを、1V程
度の小振幅として出力するレベル変換回路として用いる
ことを可能としたものである。なお、本実施例では図1
のPチャネルMOSトランジスタMP4は、ゲートとド
レインが互いに接続されたNチャネルMOSトランジス
タMN4とされる。
【0117】この電圧出力VOの波形は、図2の102で示
される波形と同一のものが出力される。また、ディジタ
ル信号Dの入力に対し、電圧出力VOは論理が逆となる
特徴がある。
【0118】以上、上記実施例では電流スイッチ回路を
Pチャネル型トランジスタを用いて構成した例について
説明したが、N型チャネル型トランジスタについても同
様に適用可能である。例えば図1に示す電流スイッチ回
路をNチャネルMOSトランジスタで構成する場合、第
2、第3のNチャネルMOSトランジスタの共通接続さ
れたソースと接地間に第1のNチャネルMOSトランジ
スタからなる定電流源を接続し、第3のNチャネルMO
Sトランジスタのドレインと電源端子の間に第4のNチ
ャネルMOSトランジスタからなる電流源を接続し、第
2のNチャネルMOSトランジスタのドレインを電流出
力端子2に接続し、ゲートを第3のNチャネルMOSト
ランジスタのドレインに接続するという具合に構成され
る。
【0119】以上本発明を上記各実施例に即して説明し
たが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでなく、
本発明の原理に準ずる各種態様を含むことは勿論であ
る。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、差
動型の電流スイッチ回路において従来例にみられる基準
電圧源を全く必要とせずに、例えば100MHz程度の高速
のスイッチング動作が可能な電流スイッチ回路を提供で
きる。
【0121】また、本発明によれば、基準電圧源入力が
不要となったため、従来例に示したような基準電圧入力
端子を設ける必要がなくなる。この結果、外付け部品点
数を削減できる。
【0122】さらに、前記従来例では第2PチャネルM
OSトランジスタMP2が完全にオフしないことによる
リーク電流を防ぐために、更に加えて第2、第3のPチ
ャネルMOSトランジスタMP2、MP3のサイズを小
さく抑えるために、第2のPチャネルMOSトランジス
タMP2へ与えるゲート電圧を約1.2V(基準電圧VC
と必要以上に高い電圧を与えていた。例えば図7及び図
9において、第2のPチャネルMOSトランジスタMP
2のゲート電圧として必要な条件を説明すると、D/A
変換装置のアナログ出力電圧VOUTの電流出力の精度を
保証できる最大のアナログ出力電圧と定義されている出
力コンプライアンスは、100MHz以上の高速のD/A変
換装置において1V〜1.5V程度とされ、仮に、出力コ
ンプライアンスを1.5Vとするならば、前記従来例にお
ける基準電圧入力端子8に入力される電圧VCは第2の
PチャネルMOSトランジスタMP2の飽和領域の条件
を満足するためMP2のしきい値電圧をVTMP2とする
と、上式(5)で示される条件から、基準電圧は0.7Vより
大きければ十分である。
【0123】本発明では、第2のPチャネルMOSトラ
ンジスタMP2がオンしている時のゲート電圧は、第4
のPチャネルMOSトランジスタMP4のしきい値V
TMP4=約0.8Vとなるため、上式(5)は満足できる。そし
て、本発明においては第3のPチャネルMOSトランジ
スタMP3がオンの時に非飽和領域で動作することか
ら、電流出力端子からリーク電流が流れることはない。
【0124】そして、本発明によれば、前記従来例によ
る第3のPチャネルMOSトランジスタMP3の(W/
L)比を1とした時、第2の定電流源をなす第4のPチ
ャネルMOSトランジスタMP4は、前記式(3)の第1
項を約0.55倍とすればよく、(W/L)の比では2乗倍
の約0.3倍前後で十分となる。すなわち、本発明におい
て、スイッチングトランジスタとしての働きをなす第2
及び第3のPチャネルMOSトランジスタMP2、MP
3、及び定電流源としての第4のPチャネルMOSトラ
ンジスタMP4のゲートサイズは、前記従来例よりも最
小で約1/3程度にまで縮小可能とされ、チップ面積を
削減するという効果を有する。
【0125】また、本発明の電流スイッチ回路において
第3の定電流源を設けた場合、スイッチング時の電位整
定時間をより短くし、一層の高速スイッチング動作を実
現する。
【0126】更に、本発明の電圧レベル変換回路によれ
ば、第4のPチャネルMOSトランジスタMP4と第3
のPチャネルMOSトランジスタMP3の接続点を電圧
出力として使用するならば、入力信号の逆相ではある
が、高周波のディジタル信号の伝達に適した小振幅のデ
ィジタル信号が得られるという効果を有する。
【0127】そして、本発明に係る電流スイッチ回路か
らなるD/A変換装置によれば、高速変換動作を可能と
すると共に、基準電圧入力端子が削除され、回路構成が
簡易化され、チップ面積が削減されるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る電流スイッチ回路
の構成を示す図である。
【図2】図1に示す本発明の第1の実施例の回路の各接
続点の電位変化を時間軸に対して示した信号波形図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例に係る電流スイッチ回路
の構成を示す図である。
【図4】図3に示す本発明の第1の実施例の回路の各接
続点の電位変化を時間軸に対して示した信号波形図であ
る。
【図5】本発明の第1又は第2の実施例に係る電流スイ
ッチ回路を複数使用して構成される3bitD/A変換装
置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る電流スイッチ回路
の構成を示す図である。
【図7】従来の電流スイッチ回路の構成を示す図であ
る。
【図8】図7の回路の各接続点の電位変化を時間軸に対
して示した信号波形図である。
【図9】図7の従来の電流スイッチ回路を複数使用して
構成した3bitD/A変換装置の構成を示すブロック図
である。
【図10】図5及び図9中のデコーダ9の動作を示す真
理値表である。
【符号の説明】
1 接地端子 2 電流出力端子 3 スイッチ信号入力端子 4 接続点 5 共通ソース接続点 6 電源端子 7 バイアス電圧入力端子 8 基準電圧入力端子 9 デコーダ 10、10(A)〜(G) 電流スイッチ回路 11 負荷抵抗 13A〜13C ディジタル入力信号端子 MP1 第1のPチャネルMOSトランジスタ MP2 第2のPチャネルMOSトランジスタ MP3 第3のPチャネルMOSトランジスタ MP4 第4のPチャネルMOSトランジスタ MP5 第5のPチャネルMOSトランジスタ MN4 第4のNチャネルMOSトランジスタ I MP1で生成される電流値 I′ MP5で生成される電流値 C4 容量 100 スイッチ信号入力3の波形 101 共通ソース接続点5の波形 102 接続点4の波形 103A〜103C 波形102における立下がり波形 104A〜104C 波形101における立上がり時のオーバー
シュート CGSMP2 MP2におけるゲート・ソース間容量 CGSMP3 MP3におけるゲート・ソース間容量 VTMP2 第2のPチャネルMOSトランジスタMP2の
しきい値電圧(約0.8V) VTMP4 第4のPチャネルMOSトランジスタMP4の
しきい値電圧(約0.8V) VgsMP2 第2のPチャネルMOSトランジスタMP2
側に電流Iが流れた時のMP2のゲート・ソース間電圧
(約2V) VgsMP4 第4のPチャネルMOSトランジスタMP4
側に電流Iが流れた時のMP4のゲート・ソース間電圧
(約2V)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電源端子に一端が接続される第1の
    定電流源と、 前記第1の定電流源の他端に、2端子間が制御信号入力
    端子に入力される制御信号により導通又は非導通とされ
    る第1及び第2のスイッチトランジスタの該制御信号入
    力端子ではない同一極性の一端をそれぞれ接続し、 前記第1のスイッチトランジスタの前記制御信号入力端
    子ではない残りの一端と第2の電源端子との間に第2の
    定電流源が接続され、 前記第1のスイッチトランジスタと前記第2の定電流源
    との接続点が前記第2のスイッチトランジスタの前記制
    御信号入力端子に接続され、 前記第2のスイッチトランジスタの残りの一端を電流出
    力端子とし、 前記第1のスイッチトランジスタの前記制御信号入力端
    子に外部よりスイッチ信号が入力されることを特徴とす
    る電流スイッチ回路。
  2. 【請求項2】第1及び第2のMOSトランジスタのソー
    スを共通接続し、この共通接続点と第1の電源端子との
    間に第1の定電流源が接続され、 前記第1のMOSトランジスタは、ゲートがスイッチ信
    号入力端子に接続され、ドレインが第2の定電流源を介
    して第2の電源端子に接続され、 前記第2のMOSトランジスタは、ゲートが前記第1の
    MOSトランジスタのドレインに接続され、ドレインが
    電流出力端子に接続されてなる電流スイッチ回路。
  3. 【請求項3】前記第2の定電流源の代わりに、ダイオー
    ド又は抵抗のいずれかが接続されたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の電流スイッチ回路。
  4. 【請求項4】前記第1のMOSトランジスタのドレイン
    と前記第1の電源端子との間に第3の定電流源を接続し
    てなることを特徴とする請求項2記載の電流スイッチ回
    路。
  5. 【請求項5】第1及び第2のMOSトランジスタのソー
    スを共通接続し、この共通接続点と第1の電源端子との
    間に第1の定電流源が接続され、 前記第1のMOSトランジスタは、ゲートが信号入力端
    子に接続されると共に、ドレインが第2の定電流源を介
    して第2の電源端子に接続され、 前記第2のMOSトランジスタは、ゲートが前記第1の
    MOSトランジスタのドレインに接続されると共に、ド
    レインが第2の電源端子に接続され、 前記第1のMOSトランジスタのドレインが信号出力端
    子に接続されてなる電圧レベル変換回路。
  6. 【請求項6】請求項2から4のいずれか一に記載の電流
    スイッチ回路を複数個備え、複数のディジタル信号入力
    をデコードするデコーダ回路の出力を前記電流スイッチ
    回路のスイッチ信号入力端子にそれぞれ入力することを
    特徴とするディジタル・アナログ変換回路。
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