JP7188041B2 - 駆動装置、画像形成装置、および制御プログラム - Google Patents

駆動装置、画像形成装置、および制御プログラム Download PDF

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本発明は、駆動装置、画像形成装置、および制御プログラムに関する。
電子写真式プリンター等の画像形成装置では、用紙を搬送するための搬送ローラーが、ステッピングモーターにより駆動される。ステッピングモーターによれば、簡単な制御構成により、正確な速度・位置制御を行うことができる。
ところで、近年、画像形成装置の高速化に伴い、搬送ローラーの加速時間の短縮や目標速度の高回転化が要求されている。しかしながら、画像形成装置で使用される汎用のステッピングモーターでは、出力トルクが不足するため、脱調が起こり、搬送ローラーを短時間で加速することはできない。また、高トルクな高価なステッピングモーターを使用するような場合には、トルクマージン確保のため過剰な電流を常時流す必要があり、消費電力が増大してしまうという問題があった。
これに関連して、特許文献1には、起動時にブラシレスモーターの出力をステッピングモーターの出力に結合して、ブラシレスモーターによりステッピングモーター側の駆動列にトルクを発生させ、その後の定速回転時はステッピングモーターにより駆動する技術が開示されている。
停止状態のステッピングモーターを目標速度まで加速する場合、即時に目標速度の制御クロックで制御させた場合には、回転がロックする脱調という現象が発生してしまため、一般に、制御クロックの周波数を徐々に増加させることで、このような問題の発生を防止する。
これに関連し、特許文献2では、画像読取装置のキャリッジを駆動するステッピングモーターの目標速度までの加速時に、制御クロックの周波数を徐々に増加させるとともに、目標速度の手前の基準速度Aに達したときに、制御クロックに一定部分(定速)を設け、その後、オーバーショートした後の速度低下により基準速度Bレベルに達しときに、再び、制御クロックの周波数を目標値まで増加させることで、駆動開始時の速度の安定化を図っている。
特開2006-017988号公報 特開2002-259957号公報
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、複数の基準速度のそれぞれにおいて、速度制御を行うために、制御が複雑になるという課題がある。また、特許文献1では、起動時において、ステッピングモーターの出力に、ブラシレスモーターの出力を結合させている技術が開示されてはいるが、起動時の安定化制御については何ら開示がされていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、搬送ローラーの1つの回転軸を2つのモーターで駆動する場合に、良好な加減速特性を兼ね備えた駆動装置および画像形成装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)用紙を搬送するための搬送ローラーの回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角で回転する第1のモーターと、
前記搬送ローラーの前記回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角とは異なる第2のステップ角で回転する第2のモーターと、
前記クロック信号を生成し、生成したクロック信号で前記第1、第2のモーターの回転速度を制御するモーター制御部と、を備え、
前記モーター制御部は、加速時または減速時に、前記第1のモーターの速度を多段階で制御するとともに、前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および前記第1、第2のステップ角に基づいて、前記第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングで前記第2のモーターのクロック信号を生成する、駆動装置。
(2)前記第1のモーターはステッピングモーターであり、前記第2のモーターはステッピングモーターまたは、1回の入力クロック信号に応じて所定の回転量で回転するインナーDCブラシレスモーターである、上記(1)に記載の駆動装置。
(3)前記第1のモーターのステップ角に対する前記第2のモーターのステップ角が、倍以上異なる場合には、
前記モーター制御部は、前記第1のモーターの直前、および2回後以降のクロック信号の生成タイミング、ならびに、前記第1、第2のステップ角に基づいて、前記第2のモーターの次のクロック信号の生成タイミングを決定する、上記(1)、または上記(2)に記載の駆動装置。
(4)前記第1のモーターの速度制御に関し、前記加速時または減速時における速度に応じたカウンタ値が記載されたテーブルを記憶するメモリを、備え、
前記モーター制御部は、投入した前記テーブルの前記カウンタ値分だけ、基準周期でカウントすることで、前記クロック信号を生成するタイマー機能を有する、上記(1)から上記(3)のいずれかに記載の駆動装置。
(5)前記モーター制御部は、前記第1のモーターのクロック信号を反転するタイミングに同期させて、前記第2のモーターの前記カウンタ値を設定する、上記(4)に記載の駆動装置。
(6)前記モーター制御部は、前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミングと、生成してからの経過時間を演算し、
前記第1、第2のモーターのステップ角と、前記経過時間、前記クロック信号の生成回数から、前記第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定する、上記(1)から上記(5)のいずれかに記載の駆動装置。
(7)前記モーター制御部は、加速動作が完了して、定速動作に移行した後、
前記モーター制御部は、前記第1、第2のモーターのクロック信号の生成タイミングに合わせて、周期状態を検知し、維持する、上記(1)から上記(6)のいずれかに記載の駆動装置。
(8)さらに、前記搬送ローラーの前記回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角とは異なる第3のステップ角で回転する第3のモーターを、備え、
前記モーター制御部は、加速時または減速時に、前記第1のモーターの速度を多段階で制御するとともに、前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および前記第1、第3のステップ角に基づいて、前記第3のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングでクロック信号を生成する、上記(1)から上記(7)のいずれかに記載の駆動装置。
(9)前記モーター制御部は、ハードウェア回路により構成されている、上記(1)から上記(8)のいずれかに記載の駆動装置。
(10)上記(1)~(9)のいずれかに記載の駆動装置を有する画像形成装置。
(11)用紙を搬送するための搬送ローラーの回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角で回転する第1のモーターと、前記搬送ローラーの前記回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角とは異なる第2のステップ角で回転する第2のモーターと、を備える駆動装置を制御するコンピューターで実行される制御プログラムであって、
加速時または減速時に、前記第1のモーターの速度を多段階で変更して、前記第1のモーターの回転速度を変更するステップ(a)と、
前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および前記第1、第2のステップ角に基づいて、前記第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)で決定した生成タイミングで、前記第2のモーターのクロック信号を生成するステップ(c)と、
を含む処理を前記コンピューターに実行させるための制御プログラム。
本発明によれば、第1のステップ角で回転する第1のモーターと、第2のステップ角で回転する第2のモーターを、搬送ローラーを駆動する1つの回転軸に伝達するように構成した駆動装置において、第1、第2のモーターの駆動を制御するモーター制御部は、加速時または減速時に、第1のモーターの速度を多段階で制御するとともに、第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および第1、第2のステップ角に基づいて、第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングで第2のモーターのクロック信号を生成する。これにより、搬送ローラーの1つの回転軸を2つのモーターで駆動する場合に、良好な加減速特性を兼ね備えた駆動装置を提供できる。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 駆動装置の構成を示すブロック図である。 モーター制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。 従来技術でのステッピングモーターの加速時における回転速度のオーバーシュートを説明する図である。 従来技術における、複数の目標速度毎の複数の加速度テーブルを用意した場合におけるステッピングモーターの加速時における回転速度の示す概念図である。 本実施形態における、速度テーブルと、加速度テーブルの適用範囲を示す概念図である。 加減速時に用いる、線形の速度変更用の速度テーブルおよび非線形の速度変更用の加速度テーブルを示す図である。 クロック信号の出力に関する回路動作を示す概念図である。 モーター制御部により実行される駆動制御の手順を示すフローチャートである。 図10Aに続く駆動制御の手順を示すフローチャートである。 加速制御時のレジスタ設定を示す図である。 加速制御時のカウンタ値の推移を説明するための図である。 減速制御時のレジスタ設定を示す図である。 減速制御時のカウンタ値の推移を説明するための図である。 モーターのステップ角を説明するための模式図である。 加速制御時の2つのモーターに入力されるクロック信号と、回転量の推移を示すタイミングチャートである。 加速制御時のメインモーターの制御値と、アシストモーターの制御値の関係を示す図である。 変形例における速度テーブルと加速度テーブルの適用範囲を示す図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置10の概略構成を示す断面図である。図1に示すとおり、画像形成装置10は、制御部11、記憶部12、画像読取部13、画像形成部14、定着部15、給紙部16、および用紙搬送部17を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含み、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
記憶部12は、予め各種プログラムや各種データを格納しておくROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを格納するハードディスク等からなる。
画像読取部13は、蛍光ランプ等の光源およびCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー等の撮像素子を備える。画像読取部13は、所定の読み取り位置にセットされた原稿に光源から光を当て、その反射光を撮像素子で光電変換して、その電気信号から画像データを生成する。
画像形成部14は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の各色のトナーに対応した現像ユニット141Y~141Kを備える。各現像ユニット141Y~141Kにより帯電、露光、および現像のプロセスを経て形成されたトナー画像は、中間転写ベルト142上に順次重ねられて、2次転写ローラー143により用紙S上に転写される。
定着部15は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを備えており、両ローラーの定着ニップに搬送された用紙Sを加熱および加圧して、用紙S上のトナー画像をその表面に溶融定着する。
給紙部16は、複数の給紙トレイ161、162を備えており、給紙トレイ161、162に収容された用紙Sを1枚ずつ下流側の搬送経路に送り出す。
用紙搬送部17は、用紙Sを搬送するための複数の搬送ローラー171を備えており、画像形成部14、定着部15、および給紙部16の各部間で用紙Sを搬送する。複数の搬送ローラー171の全部または一部は、駆動装置20(図2等参照)により駆動される。
次に、図2および図3を参照して、搬送ローラー171を駆動する駆動装置20について説明する。図2は、第1の実施形態に係る駆動装置20の概略構成を示す模式図であり、図3は、駆動装置20の構成を示すブロック図である。
図2、図3に示すとおり、駆動装置20は、制御部11、モーター制御部21、モータードライバー22、23、およびモーター31、32を有する。モータードライバー22、23はそれぞれ、モーター31、32を制御する。モーター31、32はともにステッピングモーターである。モーター31、32には、回転軸a1、a2がそれぞれ設けられ、各回転軸a1、a2の一端にはギアG1、G2がそれぞれ取り付けられる。搬送ローラー171の回転軸a71には、ギアG7が取り付けられる。
「第1のモーター」であるモーター31は、複数のギアG1、G7(図示では2つのギアで示しているが、中間のギアを配置してもよい)を介して、搬送ローラー171の回転軸(駆動軸)a71に動力を伝達可能に連結されている。また、「第2のモーター」であるモーター32は、複数のギアG2、G7を介して、搬送ローラー171の回転軸a71に動力を伝達可能に連結される。このように2つのモーター31、32は、搬送ローラー171の1つの回転軸a71を回転するように構成する。なお、図2、図3では、1つの駆動装置20を示すが、複数の搬送ローラー171のそれぞれに対応して、モーター制御部21、モータードライバー22、23、およびモーター31、32を配置するよう構成してもよい。この場合、1つの制御部11が、複数のモーター制御部21を介して、複数組のモーター31、32の駆動を制御する。
モーター制御部21は、モーター31、32をオープンループ制御で駆動する。具体的にはモーター制御部21は、モーター31用のモータードライバー22に、制御値として設定したカウント値に基づいて生成したクロック信号(CLK)を送信することで、モーター31の回転速度を制御する。また、モーター制御部21は、モータードライバー22に設定電流信号(Vref)を送信して、モーター31の電流値を設定することで、モーター31に発生するトルクを制御する。第2のモーター32を制御するモータードライバー23についても同様である。
モーター31は、入力1つのクロック信号あたりの回転量であるステップ角は、第1のステップ角である。第2のモーター32のステップ角は、第1のステップ角とは異なる第2のステップ角である。例えば、第2のステップ角は、第1のステップ角よりも大きい。例えば、第1のステップ角は0.36~1.8deg/puls(以下においてはdeg/pulsを単に「度」で示す)の何れかであり、第2のステップ角は、0.72~3.0度の何れかである。例えば、第1のステップ角、第2のステップ角は、それぞれ1.8度、3.0度である。
第1のモーター32は、回転角度(回転速度)の制御に用いる回転精度重視で、用紙搬送の基準に用いるメインのモーターである。以下、第1のモーター31をメインモーター31ともいう。また、第2のモーター32は、トルク性能重視のアシスト用のモーターである。以下、第2のモーター32をアシストモーター32ともいう。
一般に、トルクが大きいモーター程、ステップ角が大きい傾向がある。本実施形態においては、1つの回転軸a71に動力を伝達する2つのモーター31、32を同期させて同じ回転量で回転させるために、メインモーター31の動きに合わせて、アシストモーター32の回転を制御する必要がある。特に、加速時と減速時には、メインモーター31の回転量、速度の変化に追従させて、数十μsec毎に、アシストモーター32の回転を制御する必要がある。そのため、本実施形態においては、以下に示すようにモーター制御用のハードウェアによる同期機構の構成とすることが好ましい。
(モーター制御部21)
図4は、モーター制御部21のハードウェア構成を示すブロック図である。モーター制御部21は、SRAM(Static RAM)211、レジスタ212、制御回路213、電流制御回路214、レジスタ215、および制御回路216を含む。
モーター制御部21は、制御部11から基準クロック(CLK_B)、および制御信号が入力される。基準クロックは振動子(図示せず)で生成され、例えば周波数は30MHzであり、後述するタイマーのカウントの基準周期として用いられる。
SRAM211には、速度制御に用いる複数のテーブルが記憶されている。テーブルには加減速時(加速時または減速時)に用いる、連続的な速度変化(線形の速度変化)そのもの(速度の絶対値)を格納するテーブル(以下、「速度テーブル」という)と、加速度の変化分(速度の変化率)を格納するテーブル(以下、「加速度テーブル」という)とが含まれる。テーブルには、リンク先アドレス情報とテーブル値から構成される。アドレス情報には、次のステップで実行すべきSRAM211の物理アドレス情報が格納される。テーブルの例については後述する。
レジスタ212は、制御部11により設定されるものであり、速度テーブルの変曲点を指定するレジスタ、加速度テーブルの開始アドレスを指定するレジスタ、加速/減速を選択するレジスタ、目標速度を設定するレジスタの役割を担う。レジスタ212に格納するデータの例については後述する。
制御回路213は、メインモーター31の回転を制御するためのクロック信号を生成する。制御回路213では、速度テーブルから波長(クロック周波数)に応じたカウンタ値を読み込み、読み込んだカウンタ値をカウンタにセットし、カウンタ値に応じたクロック信号を出力する。具体的には、基準周期でタイマーをカウントアップし、カウンタ値に達したところでクロック信号の論理を反転する。また以下の実施例においては、これを1つのカウンタ値に対して2回ずつ行うようにする(クロック信号のON/OFFの1周期分)。しかしながら、これに限られず、1回ずつ行うようにしてもよい。また、制御回路213は、加速度テーブルの加速度値を読み込み、読み込んだ加速度値、および1ステップ前の速度から次のステップの速度を演算し、速度に対応したカウンタ値を算出する演算機能を有する。
電流制御回路214は、モーター31、32のトルクを制御する。電流制御回路214は、入力された制御信号に応じて、設定電流信号(Vref)を生成し、モータードライバー22、23にそれぞれ出力する。
レジスタ215、制御回路216は、レジスタ212、制御回路213と同様の機能を有する。これらはアシストモーター32にクロック信号を出力し、速度制御を行う。
(速度制御)
ここで、速度テーブル、および加速度テーブルを説明する前に従来技術における課題について説明する。
図5は、従来技術でのステッピングモーターの加速時における回転速度のオーバーシュートを示す図である。図6は、従来技術における、複数の目標速度毎に複数の加速度テーブルを用意した場合におけるステッピングモーターの加速時における回転速度の示す概念図である。
ステッピングモーターは、いきなり目標速度で起動することはできず、徐々に加速して安定速度へ向かわないと、回転がロックする脱調という現象が発生してしまう。そこで、ステッピングモーターへ入力するクロック信号の立ち上がり間隔を徐々に小さくする制御、すなわち、クロック信号の周波数を徐々に高くする制御を行う必要がある。加速制御をする方法は主に2つの方式が存在する。(1)1つ目は、一定加速度でクロック信号の立ち上がり時にクロック信号の間隔を減算して加速させる方法である。(2)2つ目は、クロック信号の間隔をテーブル値として予めメモリに保存し、クロック信号単位でクロック信号の間隔を変更する方法である。(1)の方式では演算となるため、速度は一定加速で線形に増速する。このため、細かい制御を行うことができない。一方で(2)の方式では、任意のカーブで速度を設定できるため、加速カーブの制御の柔軟性は高いが、制御用のテーブルを予め保持する必要があり、メモリーソースが必要になる。一般に、(1)の方式ではハードウェアによる演算で高速化し、(2)の方式ではソフトウェアによるタイマー値の書き換え(逐次設定)によって加速制御を実現する。
しかしながら、近年は、用紙搬送において高速化のニーズが高まっていることから、(1)の演算方式によって加速度カーブを一定加速(線形)とし、目標速度で安定させようとすると、ステッピングモーター自体が速度のオーバーシュートを起こしてしまう。これにより、目標速度とクロック信号とで差が生じ、差が程度によっては、脱調が発生する恐れがある。図5には、クロック信号の出力と、実際のモーター速度との関係を示している。
このような問題に対する手段として、目標速度付近までは、概ね、一定加速で加速する制御を継続し、目標速度に近づいたら、加速度を漸減させる方式が考えられる。図5では「理想形」の制御カーブ(CLK出力)で示している。これを実現するためには、(2)のテーブル方式で対応する必要がある。
しかしながら、カーブのパターンをテーブル方式で実現する場合には、以下の2つの課題が挙げられる。
1つ目の課題は、メモリ容量の増加である。近年は、画像形成装置10は、多様な用紙への対応が求められため、全てを同じ線速(用紙の搬送速度)で対応することは困難であり、複数段階の用紙搬送速度に設定する場合がある。例えば厚紙では、斤量に応じて用紙の搬送速度を、普通紙の搬送速度よりも遅くする。図6に示すように、複数の搬送速度に対応した複数パターンのテーブルを準備しなくてはならず、メモリ容量が増加するという課題が生じる。
2つ目の課題は、CPU処理性能の限界である。高速化した搬送装置で制御性能を高めるためには、10個以上、例えば20個のステッピングモーターが必要となるが、テーブル方式を採用した場合いは、クロック信号の立ち上がり毎にタイマー値の書き換える割り込み処理が必要となり、リアルタイム処理が求められる状況化においては、同時に処理できるモーター数が限定されてしまう。
これらの課題を解決するため、本実施形態においては以下の対応を行う。図7は、速度テーブルT1と、加速度テーブルT2の適用範囲を示す概念図である。1つ目の課題(メモリ容量増加)に対しては、同図に示すように一定加速(線形)の部分を1つの速度テーブルT1で共通化する。また、各目標速度付近(少し前)に変曲点を設定し、変曲点以降を共通の加速度テーブルT2で変更するようにする(速度テーブルT1、加速度テーブルT2の具体例については後述する)。これにより、複数の搬送速度に対応が求められる場合において、メモリ容量の増加を抑制できる。
2つ目の課題(CPU性能の限界)に対しては、図4に示すようなハードウェア回路を適用する。これにより、CPUへの割り込み処理をハードウェア回路側で行うことにより、CPUの負荷を低減できる。
図8は、加減速時に用いる、線形の速度変更用の速度テーブルおよび非線形の速度変更用の加速度テーブルを示す図である。図8(a)は、メインモーター31用の速度テーブルT1であり、図8(b)は、メインモーター31用の加速度テーブルT2である。
図8の例では、速度テーブルT1には、クロック信号の間隔(波長)に応じたカウンタ値の絶対値が記述されている(「speed data」)。加速度テーブルT2には、カウンタ値の変化率が記述されている(「accelerated speed data」)。このカウンタ値は各モーターの「制御値」である。この制御値により、各モーターの回転速度が制御される。これらの制御値は、制御回路213に読み込まれて、処理されることによりメインモーター31用のクロック信号が生成される。また、アシストモーター32を制御する制御回路216は、このメインモーター31用の同じ制御値を読み込み(横取り)、この制御値と、ステップ角情報(第1、第2のステップ角)に基づいて、メインモーター31用の制御値を修正する。そして、修正後の制御値を、アシストモーター32用のカウンタ(後述)にセットしてクロック信号を出力する。
(カウンタ値を用いたクロック信号の出力)
図9は、クロック信号の出力に関する制御回路213の回路動作(タイマー機能)を示す概念図である。なお、説明を省略するが、制御回路216も同様のタイマー機能を有する。制御回路213は、SRAM211に記憶されている速度テーブルT1を用いた場合には、各アドレスに記憶されているカウンタ値を読み取る。そしてこれをカウンタにセットする。例えばカウンタ値「4570」がカウンタにセットされる。そしてこれを基準クロック(例えば30MHz)の周期(基準周期)でカウントし、カウンタ値分のカウント(4570回)を行った場合にクロック信号の論理を反転させる。本実施形態においては、このカウントは、基準周期でカウンタ値までカウントアップするように構成しているが、これに限られず、カウンタ値からゼロまでカウントダウンするように構成してもよい。
(駆動制御)
次に、図10A、図10Bを参照し、本実施形態に係る搬送ローラー171を駆動する駆動装置20の駆動制御について説明する。図10Aは、制御部11、およびモーター制御部21により実行される駆動制御の手順を示すフローチャートであり、図10Bは図10Aに続く手順を示すフローチャートである。
(ステップS101)
制御部11は、レジスタ212、215にデータをセットする。図11は、レジスタ212にセットされたメインモーター31向けのレジスタ設定の例である。この設定は、例えば、印刷ジョブの実行を開始するときに、使用する用紙の斤量に応じて設定される。なお説明を省略するが、レジスタ215にもアシストモーター32向けのデータがセットされる。制御部11は、現状の速度、および目標速度に応じて、変曲点を決定し、これによりレジスタ212、215の設定を行う。
(ステップS102)
モーター制御部21は、ステップS101で行われたレジスタ設定を参照し、加減速か否かを判定する。減速制御であれば、処理を図10BのステップS211に進める。一方で、図11に示したようなレジスタ設定(d01:「加速」)であれば、処理をステップS111に進め、加速制御を実行する。
(加速制御)
(ステップS111)
モーター制御部21は、変曲点アドレスを書き換える。図12は、加速制御時のカウンタ値(制御値)の推移を説明するための図である。同図は、図8に対応するものであるが、このステップS111の処理により、図11のレジスタ設定のd11、d21に基づいて、変曲点アドレスに対応する速度テーブルT1のアドレスを書き換える(網掛け領域内の太文字部)。なお、図7において、時間t1での速度がこの変曲点アドレスでのカウンタ値に対応し、同図の「目標速度1」が目標速度レジスタのカウンタ値「2410」に対応する。なお、図12では、アシストモーター32のカウンタ値については記載を省略している。このアシストモーター32のカウント値は、メインモーター31のカウンタ値、すなわちクロック信号の生成タイミング、および第1、第2のステップ角に基づいて決定される。アシストモーター32のカウンタ値の決定手順についての詳細は後述する(後述の図15から図17)。
(ステップS112)
モーター制御部21は、制御部11が生成したトリガー信号に基づいて、メインモーター31、およびアシストモーター32を起動させ、加速を開始する。
(ステップS113)
モーター制御部21は、速度テーブルT1から値を読み込み、カウンタ値をカウンタにセットする。具体的には、図12に示すSRAM211のアドレス0のカウンタ値「13332」をカウンタ(図9参照)にセットし、基準周期でこのカウンタ値までカウントアップする。また、制御回路216は、このカウンタ値と、ステップ角情報(第1、第2のステップ角)に基づいて、メインモーター31用のカウンタ値を修正し、修正後のカウンタ値を、アシストモーター32用のカウンタにセットしてクロック信号を出力する。
(ステップS114)
制御回路213で、カウンタ値までカウントアップした場合には(YES)、処理をステップS115に進める。
(ステップS115)
モーター制御部21は、次のアドレス(図12の速度テーブルT1の「next addr」)が、速度テーブルT1に設定されているか、加速度テーブルT2に設定されているかを判定する。例えば速度テーブルT1の4行目のカウンタ値「5176」がカウンタにセットされ、カウントアップした場合には、次に参照するアドレスは「4」であるため、次のアドレスは速度テーブルT1である。この場合、処理をステップS113に戻す。一方で、5行目の「4570」がカウンタにセットされ、カウントアップした場合には、次に参照するアドレスは「262」であるため、次のアドレスは加速度テーブルT2である。この場合、処理をステップS116に進める。
(ステップS116)
モーター制御部21は、以下の手順により、加速度テーブルT2を用いて次のステップの制御値(カウンタ値(周波数))を計算し、カウンタにセットする。
図12の右端のテーブルに、カウンタ値の制御の推移の例を示している。直前のカウンタ値は、速度テーブルT1のカウンタ値(d40:4570)であり、このカウンタ値と、加速度テーブルT2のアドレス262に記憶されている加速度値(d51:28000)により次のカウンタ値(d41:4194)を算出する。
V1=V0+2as 式(1)
具体的には、上記式(1)を満たすV1となるカウンタ値を算出する。ここでV0は直前の回転速度(d40に対応)であり、asは、加速度(d51に対応)である。V1は、次のカウンタ値d41に対応する回転速度である。
加速度テーブルT2で、参照する加速度値d51のアドレスは、矢印で示す方向に1つずつずれていく。例えばカウンタ値d42の算出には、カウンタ値d41と加速度値d52を用い、カウンタ値d43の算出には、カウンタ値d42と加速度値d53を用いる。
(ステップS117)
制御回路213で、カウンタ値までカウントアップした場合には(YES)、処理をステップS118に進める。
(ステップS118)
モーター制御部21は、ステップS116で算出した速度が、目標値に到達したか否かを判定する。目標値は、図11に示すように目標速度レジスタ(d31:2410)に記述されている。目標値以下(YES)、すなわち、現在のカウンタ値が目標速度レジスタのカウンタ値以下(目標速度以上)であれば処理をステップS119に進め、依然として目標値を超えていれば(NO)であれば処理をステップS116に戻す。
図12の例において、ステップS16で算出したカウンタ値が「2390」であれば目標速度レジスタのカウンタ値「2410」以下なので、処理をステップS119に進める。
(ステップS119)
制御部21は、目標値であるカウンタ値「2410」をカウンタにセットする。また、このとき速度テーブルT1等の変曲点アドレスをリセットする。
以上で、加速制御の処理を終了し、以降は次の指示を制御部11から受けるまで、モーター制御部21は、カウンタ値「2410」を繰り返しカウンタに投入し、このカウンタ値に対応する目標速度(用紙の搬送速度)で、メインモーター31を定速動作させる。また、アシストモーター32の回転制御についても、第1、第2のモーターのクロック信号の生成タイミングに合わせて、周期状態を検知し、維持する。すなわち、アシストモーター32に関しては、第1、第2のステップ角の比率に応じたカウンタ値を繰り返しカウンタに投入して、定速動作させる。また、第1、第2のステップ角の最小公倍数毎の周期(例えば9度の回転量の周期)で、タイミングを合わせる。
(減速制御)
次に10Bを参照し、減速制御について説明する。ステップS101でセットしたレジスタ設定が、図13に示すようなレジスタ設定(d02:「減速」)であれば、ステップS211以下の減速制御を実行する。
(ステップS211)
モーター制御部21は、ステップS111と同様に変曲点のアドレスを書き換える。図14は、減速制御時のカウンタ値(制御値)の推移を説明するための図である。同図は、図8(または図12)に対応するものである。このステップS211の処理においては、図14のレジスタ設定のd12、d32に基づいて、速度テーブルT1のアドレスを書き換える(網掛け領域の太文字部)。ここでも図12と同様に、アシストモーター32のカウンタ値については記載を省略している。このアシストモーター32のカウント値は、後述するようにメインモーター31のカウンタ値、すなわちクロック信号の生成タイミング、および第1、第2のステップ角に基づいて決定される。
(ステップS212)
モーター制御部21は、減速を開始する。
(ステップS213)
モーター制御部21は、速度テーブルの開始速度を読み込み、カウンタにセットする。図14の例では、それまではカウンタ値「2410」であり、これを開始速度の速度テーブルT1のカウンタ値(d60:2468)に変更(セット)する。
(ステップS214)
制御回路213で、カウンタ値までカウントアップした場合には(YES)、処理をステップS215に進める。
(ステップS215)
モーター制御部21は、加速度テーブルT2を用いて次のステップの制御値(カウンタ値)を計算し、カウンタにセットする。
図14の右端のテーブルに、カウンタ値の推移を示す。直前のカウンタ値は、上述のように速度テーブルT1のカウンタ値(d60:2468)であり、このカウンタ値と、加速度テーブルT2のアドレス277に記憶されている加速度値(d71:21000)により次のカウンタ値(d61:2488)を算出する。
V1=V0-2as 式(2)
具体的には、上記式(2)を満たすV1となるカウンタ値を算出する。ここでV0は直前の回転速度(d60に対応)であり、asは、加速度(d71に対応)である。V1は、次のカウンタ値d61に対応する回転速度である。
加速度テーブルT2で、参照する加速度値d71のアドレスは、矢印で示す方向に1つずつずれていく。例えばカウンタ値d62の算出には、カウンタ値d61と加速度値d72を用い、カウンタ値d63の算出には、カウンタ値d62と加速度値d73を用いる。
(ステップS216)
制御回路213で、カウンタ値までカウントアップした場合には(YES)、処理をステップS217に進める。
(ステップS217)
モーター制御部21は、次のステップの速度が、速度テーブルの目標値に到達するか否かを判断する。ステップS215と同じ処理により、加速度テーブルT2を用いて次のステップの制御値(カウンタ値)を計算する。そして計算結果を速度テーブルの目標値と比較する。この目標値は、図13の目標点先レジスタd22に記述されているアドレス4に対応する図14の速度テーブルT1のカウンタ値「4570」である。目標値以上(YES)、すなわち、本ステップで算出した次のステップのカウンタ値が目標値以上(目標速度以下)であれば処理をステップS218に進め、依然として目標値未満であれば(NO)であれば処理をステップS215に戻す。なお、ステップS215に戻した場合には、本ステップで算出した次のステップのカウンタ値をそのままステップS215に適用してもよい。
(ステップS218)
モーター制御部21は、参照先を加速度テーブルT2から速度テーブルT1に移行する。そして速度テーブルT1を読み込み、カウンタ値をカウンタにセットする。図14の例では、アドレス順を逆に辿り、アドレス4のカウンタ値「4570」からアドレス0のカウンタ値「13332」までを、順に読み込む。
(ステップS219)
制御回路213で、カウンタ値までカウントアップした場合には(YES)、処理をステップS220に進める。
(ステップS220~S221)
モーター制御部21は、目標値に到達するまで、速度テーブルT1を参照し、減速制御を行い、最終の目標値、すなわち最終値に達したところで、カウンタ値「FFFF」をセットして終了する。また、このとき速度テーブルT1等の変曲点アドレスをリセットする。
(アシストモーターの速度制御)
次に、図15から図17を参照し、アシストモーター32の速度制御について説明する。このアシストモーター32のカウント値は、上述した加減速時に非線形で刻々と変化するメインモーター31のカウンタ値に対応させて、以下に説明するように、メインモーター31のクロック信号の生成タイミング、および第1、第2のステップ角に基づいて決定される。
図15は、モーターのステップ角を説明するための模式図である。図16は、加速制御時の2つのモーターに入力されるクロック信号と、回転量の推移を示すタイミングチャートである。図17は、加速制御時のメインモーターの制御値と、この制御値に応じて設定したアシストモーターの制御値の関係を示す図である。なお、図17に示すテーブルでは、理解を容易にするクロック信号の周波数(pps)で示している。これは、テーブルT1、T2により算出されたものであり、これらを統合したテーブルに相当する。
図15に示すように、本実施形態においては、例として、アシストモーター32の第1のステップ角は3.0度であり、メインモーター31の第2のステップ角は1.8度である。
アシストモーター32を速度制御する制御回路216は、メインモーター31用の制御値(カウンタ値)を読み取り、この制御値を、第1、第2のステップ角に基づいて、修正し、修正後の制御値を、アシストモーター32用の制御値として用いる(カウンタにセットする)。
(タイミングt11)
具体的には、制御回路216は、タイミングt11の時点で、メインモーター31が3.6度回転(2パルス目)するよりも前のタイミングで、アシストモーター32のクロック信号を生成するように、アシストモーター32の制御値(周波数)を変更し、変更後の制御値をカウンタにセットする。図17では、600ppsに対応する制御値をカウンタにセットする。この変更後の制御値は、メインモーター31の回転角度が1.8度になってから、次の3.6度に回転するまでの間のタイミングで、カウントアップしてクロック信号を生成するような制御値に設定する。より好ましくは、メインモーター31が、連続的に回転すると仮定(実際とは異なる)した場合に、3.0度相当分のタイミングで、アシストモーター32の回転角度が3.0度になるように制御値を設定する。すなわち、第1、第2のモーターのステップ角の差と、経過時間、クロック信号の生成回数から、第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定するようにしてもよい。
(タイミングt12)
次に、制御回路216は、タイミングt12時点で、図17に示すテーブルを先読みし、メインモーター31が5.4度回転(3パルス目)するよりも後で、7.2度回転(4パルス目)よりも前に、クロック信号が生成されるように、制御値を変更し、変更後の制御値をカウンタにセットする。制御回路216は、図17に示すように2000ppsに対応する制御値をカウンタにセットする。
(タイミングt13)
制御回路216は、メインモーター31が9.0度回転(5パルス目)と同じタイミングで、アシストモーター32が9.0度回転(3パルス目)するように、制御値を変更し、変更後の制御値をカウンタにセットする。制御回路216は、図17に示すように1800ppsに対応する制御値をカウンタにセットする。
(タイミングt14以降)
制御回路216は、タイミングt14では、タイミングt11時点と同様の処理により、アシストモーター32の制御値を変更し、変更後の制御値をカウンタにセットする。このときは、メインモーター31のクロック信号を生成(反転)するタイミングに同期させて、アシストモーター32の制御値(クロック周波数)を変更する。タイミングt14以降は、タイミングt11~t13での処理と同様の処理を、図12で示した手順で、刻々と変化するメインモーター31の制御値に応じて繰り返す。
なお、減速時の制御についての説明は省略するが、加速時と同様に、図14で示した手順で、刻々と変化するメインモーター31の制御値に応じて、アシストモーター32の制御値を修正変更して、変更後の制御値でクロック信号を生成させ、駆動制御する。
このように本実施形態に係る駆動装置は、第1のステップ角で回転する第1のモーター(メインモーター)と、第2のステップ角で回転する第2のモーター(アシストモーター)を、搬送ローラーを駆動する1つの回転軸に伝達するように構成した駆動装置において、第1、第2のモーターの駆動を制御するモーター制御部は、加速時または減速時に、第1のモーターの速度を多段階で制御するとともに、第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および第1、第2のステップ角に基づいて、第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングでクロック信号を生成する。このようにすることで、搬送ローラーの回転軸を駆動する際に複数のモーターの動作を、高精度で同期させることができるので、安定した良好な加減速特性を得ることができる。
(変形例)
上述の実施形態では、図7で示したように目標速度(搬送速度/停止速度)付近に変曲点を設定し、変曲点以降に加速度テーブルを適用することで、オーバーシュートを低減したモーターの駆動制御を実現した。さらに、以下に示すように停止からの立ち上がりや、目標速度からの立ち下がり時にも同様の駆動制御をしてもよい。
図18は、変形例における速度テーブルと加速度テーブルの適用範囲を示す図である。図18(a)に示すように、加速制御時において、起動時の一定加速(線形加速)までの立ち上がり時(停止速度から変曲点までの所定期間)に加速度テーブルT2を用いた駆動制御を実行してもよい。また目標速度(搬送速度)から停止に至る減速制御において、減速開始直後の立ち下がり時(目標速度から変曲点までの所定期間)に加速度テーブルT2を用いた駆動制御を実行してもよい。なお図18(b)に示す各テーブルT1~T2の数値は、概念を示すためのものであり、前述の図8等のテーブル値とは一致していない。
(他の変形例)
以上に説明した駆動装置20、およびこれを備えた画像形成装置10の構成は、上記の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られず、特許請求の範囲内において、以下に説明するように種々改変することができる。また、一般的な駆動装置20や画像形成装置10が備える構成を排除するものではない。
(他の変形例1)
例えば、第1のステップ角と第2のステップ角が、倍以上異なる場合、モーター制御部21は、第1のモーターの直前、および2回後以降のクロック信号の入力タイミング、ならびに、前記第1、第2のステップ角に基づいて、第2のモーターの次のクロック信号の生成タイミングを決定するようにする。
例えば第1のステップ角の1.8度に対して、第2のステップ角が3.6度以上の場合であれば、(a)第1のモーター31の直前(例えば図16の1パルス目)のクロック信号の生成タイミング、および(b)この直前のクロック信号の生成タイミングから2回後(同3パルス目)のクロック信号の生成タイミングから、第2のモーター32の次のクロック信号(同2パルス目)の生成タイミングを決定する。
(他の変形例2)
また、本実施形態においては、1つの回転軸a71を2つのモーター31、32で回転駆動するように構成しているが、3つ以上のモーターにより1つの回転軸a71を回転駆動するようにしてもよい。例えば、2つ目のアシストモーター、すなわち第3のモーターの第3のステップ角は、第1のモーター(メインモーター31)の第1のステップ角とは、異なるステップ角である。また、このような構成の場合に、モーター制御部21は、第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および第1、第3のステップ角に基づいて、第3のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングでクロック信号を生成する。
(他の変形例3)
本実施形態においては、第2のモーターとして第2のステップ角で回転するステッピングモーターを用いたが、これに換えて、ブラシレスモーターを用いてもよい。このブラシレスモーターは、角度制御が行えるブラシレスモーター(インナーDCブラシレスモーター)であり、1回のクロック信号により、所定の回転量(ステップ角に相当)で回転する。
(他の変形例4)
さらに、例えば、図12、図14で説明したようにレジスタ設定の変曲アドレスで、速度テーブルT1に加速度テーブルT2へのリンク先アドレスを設定するようにしたが、これに限られない。予め目標速度に対応して複数の速度テーブルT1を設け、その各速度テーブルT1にリンク先アドレスを記述しておいてもよい。
(他の変形例5)
さらに、モーター制御部21をハードウェア回路で行う構成としたが、これに限られず、モーター制御部21の機能をCPUで実行するソフトウェアで実現するようにしてもよい。
上述した各実施形態および各変形例に係る画像形成装置10または駆動装置20における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、制御システムの一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
10 画像形成装置
11 制御部
12 記憶部
13 画像読取部
14 画像形成部
15 定着部
16 給紙部
17 用紙搬送部
171 搬送ローラー
a71 回転軸
20 駆動装置
21 モーター制御部
211 SRAM
212、215 レジスタ
213、216 制御回路
214 電流制御回路
22、23 モータードライバー
31 モーター(メインモーター、第1のモーター)
32 モーター(アシストモーター、第2のモーター)

Claims (11)

  1. 用紙を搬送するための搬送ローラーの回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角で回転する第1のモーターと、
    前記搬送ローラーの前記回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角とは異なる第2のステップ角で回転する第2のモーターと、
    前記クロック信号を生成し、生成したクロック信号で前記第1、第2のモーターの回転速度を制御するモーター制御部と、を備え、
    前記モーター制御部は、加速時または減速時に、前記第1のモーターの速度を多段階で制御するとともに、前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および前記第1、第2のステップ角に基づいて、前記第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングで前記第2のモーターのクロック信号を生成する、駆動装置。
  2. 前記第1のモーターはステッピングモーターであり、前記第2のモーターはステッピングモーターまたは、1回の入力クロック信号に応じて所定の回転量で回転するインナーDCブラシレスモーターである、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記第1のモーターのステップ角に対する前記第2のモーターのステップ角が、倍以上異なる場合には、
    前記モーター制御部は、前記第1のモーターの直前、および2回後以降のクロック信号の生成タイミング、ならびに、前記第1、第2のステップ角に基づいて、前記第2のモーターの次のクロック信号の生成タイミングを決定する、請求項1、または請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記第1のモーターの速度制御に関し、前記加速時または減速時における速度に応じたカウンタ値が記載されたテーブルを記憶するメモリを、備え、
    前記モーター制御部は、投入した前記テーブルの前記カウンタ値分だけ、基準周期でカウントすることで、前記クロック信号を生成するタイマー機能を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動装置。
  5. 前記モーター制御部は、前記第1のモーターのクロック信号を反転するタイミングに同期させて、前記第2のモーターの前記カウンタ値を設定する、請求項4に記載の駆動装置。
  6. 前記モーター制御部は、前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミングと、生成してからの経過時間を演算し、
    前記第1、第2のモーターのステップ角と、前記経過時間、前記クロック信号の生成回数から、前記第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動装置。
  7. 前記モーター制御部は、加速動作が完了して、定速動作に移行した後、
    前記モーター制御部は、前記第1、第2のモーターのクロック信号の生成タイミングに合わせて、周期状態を検知し、維持する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置。
  8. さらに、前記搬送ローラーの前記回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角とは異なる第3のステップ角で回転する第3のモーターを、備え、
    前記モーター制御部は、加速時または減速時に、前記第1のモーターの速度を多段階で制御するとともに、前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および前記第1、第3のステップ角に基づいて、前記第3のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定し、決定した生成タイミングでクロック信号を生成する、請求項1から請求項7のいずれかに記載の駆動装置。
  9. 前記モーター制御部は、ハードウェア回路により構成されている、請求項1から請求項8のいずれかに記載の駆動装置。
  10. 請求項1~請求項9のいずれかに記載の駆動装置を有する画像形成装置。
  11. 用紙を搬送するための搬送ローラーの回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角で回転する第1のモーターと、前記搬送ローラーの前記回転軸に動力を伝達し、入力されたクロック信号に応じて、第1のステップ角とは異なる第2のステップ角で回転する第2のモーターと、を備える駆動装置を制御するコンピューターで実行される制御プログラムであって、
    加速時または減速時に、前記第1のモーターの速度を多段階で変更して、前記第1のモーターの回転速度を変更するステップ(a)と、
    前記第1のモーターのクロック信号の生成タイミング、および前記第1、第2のステップ角に基づいて、前記第2のモーターのクロック信号の生成タイミングを決定するステップ(b)と、
    前記ステップ(b)で決定した生成タイミングで、前記第2のモーターのクロック信号を生成するステップ(c)と、
    を含む処理を前記コンピューターに実行させるための制御プログラム。
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