JP7181465B2 - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
CF2=CF-Rf1 (1)
(式中、Rf1は、-CF3または-ORf2を表す。Rf2は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物の共重合体であり、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)とフッ素樹脂(II)との質量比(I):(II)が95:5~50:50であり、フッ素樹脂(II)が芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)中に粒子状に分散しており、フッ素樹脂(II)の平均分散粒子径が3.0μm以下であることを特徴とする樹脂組成物が提案されている。
CF2=CF-Rf1 (1)
(式中、Rf1は、-CF3または-ORf2を表す。Rf2は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物の共重合体であることが好ましい。
含フッ素共重合体は他の樹脂と混ざりにくいため、含フッ素共重合体を含む樹脂組成物は、成形時に表面剥離を起こし、機械物性を発現させることが難しい。本開示者らが上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、混練時のせん断速度に着目し、混練中に効果的にせん断をかけることで、加熱を行っても含フッ素共重合体の粒子が凝集又は合体することを抑制することができる樹脂組成物を製造できることを見いだした。
本開示の樹脂組成物は、上記構成を有することによって、成形時の表面剥離を抑制することができる。また、成形後も機械物性を維持し、優れた引張破断伸びを有する成形品を製造することができる。更に、本開示の樹脂組成物から製造される成形品は耐衝撃性、靭性及び柔軟性にも優れる。更に、得られる成形品を低誘電率にすることもできる。
上記r1は、本開示の樹脂組成物中の含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径である。上記r2は、本開示の樹脂組成物に対し、ASTM D1238に従って、380℃、5000g荷重下及び5分予熱にてメルトフローレートを測定した後の樹脂組成物中の含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径である。
粒子状に分散した含フッ素共重合体(II)が上記MFRの測定によって凝集して含フッ素共重合体(II)の粒子が粗大化すると比r2/r1が大きくなる。従って、上記比r2/r1が1.60以下であることは、上記MFR測定によって含フッ素共重合体(II)の粒子が凝集しにくいことを表す。
より高い特性を有する成形品を得ることができるとともに、成形性がより優れたものとなることから、含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径は2.0μm以下であることがより好ましく、更に好ましくは1.5μm以下である。平均分散粒子径の下限は特に限定されないが0.01μmであってよい。
上記樹脂組成物における含フッ素共重合体の平均分散粒子径は、上記樹脂組成物のストランドもしくはペレットから切出した切片を押出方向に対して垂直に切断し、その断面を共焦点レーザー顕微鏡を使用することにより、確認することができる。得られた顕微鏡画像を、画像解析ソフト(Image J)を用いることで解析した。分散相を選択し、円相当径を求めた。分散相20個分の円相当径を算出し、これを平均し平均分散粒子径とした。
[-Ar-O-Ar-C(=O)-] (a1)
[-Ar-O-Ar-C(=O)-Ar-C(=O)-] (a2)
[-Ar-O-Ar-O-Ar-C(=O)-] (a3)
[-Ar-O-Ar-C(=O)-Ar-O-Ar-C(=O)-Ar-C(=O)-](a4)
[-Ar-O-Ar-O-Ar-C(=O)-Ar-C(=O)-] (a5)
(式中、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素環基を表す)
Arで表される2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、フェニレン基(o-、m-、又はp-フェニレン基など)、ナフチレン基などの炭素数が6~10のアリーレン基、ビフェニレン基(2,2’-ビフェニレン基、3,3’-ビフェニレン基、4,4’-ビフェニレン基など)などのビアリーレン基(各アリーレン基の炭素数は6~10)、o-、m-又はp-ターフェニレン基などのターアリーレン基(各アリーレン基の炭素数は6~10)などが例示できる。これらの芳香族炭化水素環基は、置換基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基などの直鎖上又は分岐鎖状の炭素数1~4のアルキル基など)、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~4のアルコキシ基など)、メルカプト基、アルキルチオ基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、N-置換アミノ基、シアノ基などを有していてもよい。なお、繰り返し単位(a1)~(a5)において、各Arの種類は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
好ましいArは、フェニレン基(例えば、p-フェニレン基)、ビフェニレン基(例えば、4,4’-ビフェニレン基)である。
アリーレン基とエーテル基とカルボニル基とで構成された繰り返し単位において、エーテルセグメント(E)とケトンセグメント(K)との割合は、例えば、E/K=0.5~3であり、好ましくは1~2.5程度である。エーテルセグメントは分子鎖に柔軟性を付与し、ケトンセグメントは分子鎖に剛直性を付与するため、エーテルセグメントが多いほど結晶化速度は速く、最終的に到達可能な結晶化度も高くなり、ケトンセグメントが多いほどガラス転移温度及び融点が高くなる傾向にある。
これらの芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)のMFRは、ASTM D1238に準拠し、メルトインデクサーを用いて測定する。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)の溶融粘度は、ASTM D3835-02に準拠して測定する。
上記ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて、20℃/分の昇温速度からなる測定条件下で測定される。
上記融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
上記PAVEとしては、炭素数1~6のアルキル基を有するものが好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)等が挙げられる。
CF2=CF-Rf1 (1)
(式中、Rf1は、-CF3又は-ORf2を表す。Rf2は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物の共重合体であることがより好ましい。上記Rf1が、-ORf2である場合、上記Rf2は炭素数が1~3のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。上記含フッ素共重合体(II)を用いることによって、引張特性、柔軟性、耐衝撃性、低誘電率に優れた成形品を得ることができる。なお、引張特性に優れるとは、引張破断伸び率が大きいことを意味する。
上記含フッ素共重合体(II)としては、TFEとHFPとの共重合体、TFEとHFPとPPVEとの共重合体、及び、TFEとPPVEとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましく、TFEとHFPとの共重合体、及び、TFEとHFPとPPVEとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が特に好ましい。
また、含フッ素共重合体(II)を構成する一般式(1)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物の含有量の下限は、3質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。含フッ素共重合体(II)を構成する一般式(1)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物の含有量の上限は、23質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましく、17質量%が特に好ましく、15質量%が殊更に好ましい。
含フッ素共重合体(II)は、TFE及び一般式(1)で表されるパーフルオロエチレン性化合物のみからなる共重合体であることが好ましい。
上記含フッ素共重合体(II)の溶融粘度は、ASTM D3835-02に準拠して測定する。
上記含フッ素共重合体(II)のMFRは、ASTM D1238に準拠し、メルトインデクサーを用いて測定する。
上記比誘電率は、空洞共振器摂動法により測定した値である。
これらの添加剤は、本願の効果を損なわない範囲で、原料の芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)に加えてもよく、原料の含フッ素共重合体(II)に加えてもよい。また、本願の効果を損なわない範囲で、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)と含フッ素共重合体(II)を混練する際、溶融状態の原料に、サイドフィード方式等により添加してもよい。
本開示の樹脂組成物は、更に、繊維状充填剤(III)を含むことが好ましい。本開示の樹脂組成物に用いられる繊維状充填材は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンミルドファイバー、メタルファイバー、アスベスト、ロックウール、セラミックファイバー、スラグファイバー、チタン酸カリウムウィスカー、ボロンウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト、パリゴルスカイト(アタパルジャイト)、およびセピオライトなどの繊維状無機充填材、アラミド繊維、ポリイミド繊維およびポリベンズチアゾール繊維などの耐熱有機繊維に代表される繊維状耐熱有機充填材、並びにこれらの充填剤に対して例えば金属や金属酸化物などの異種材料を表面被覆した繊維状充填材などが例示される。異種材料を表面被覆した充填材としては、例えば金属コートガラス繊維および金属コート炭素繊維などが例示される。異種材料の表面被覆の方法としては特に限定されるものではなく、例えば公知の各種メッキ法(例えば、電解メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法(例えば熱CVD、MOCVD、プラズマCVDなど)、PVD法、およびスパッタリング法などを挙げることができる。これら繊維状充填材の中でも、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンミルドファイバー及びアラミド繊維からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ガラス繊維及び炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
上記繊維状充填材は、その繊維径が0.1~20μmの範囲が好ましい。繊維径の上限は18μmがより好ましく、15μmが更に好ましい。一方繊維径の下限は1μmがより好ましく、6μmが更に好ましい。ここでいう繊維径とは数平均繊維径を指す。尚、かかる数平均繊維径は、成形品を溶剤に溶解するかもしくは樹脂を塩基性化合物で分解した後に採取される残渣、およびるつぼで灰化を行った後に採取される灰化残渣を走査電子顕微鏡観察した画像から算出される値である。
本開示の樹脂組成物に用いられる繊維状充填材がガラス繊維である場合、ガラス繊維のガラス組成は、Aガラス、Cガラス、およびEガラス等に代表される各種のガラス組成が適用され、特に限定されない。かかるガラス充填材は、必要に応じてTiO2、SO3、およびP2O5等の成分を含有するものであってもよい。これらの中でもEガラス(無アルカリガラス)がより好ましい。かかるガラス繊維は、周知の表面処理剤、例えばシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、またはアルミネートカップリング剤等で表面処理が施されたものが機械的強度の向上の点から好ましい。また、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびウレタン系樹脂等で集束処理されたものが好ましく、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂が機械的強度の点から特に好ましい。集束処理されたガラス繊維の集束剤付着量は、ガラス繊維100質量%中好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.2~1質量%である。本開示の樹脂組成物に用いられる繊維状充填材として、扁平断面ガラス繊維を用いることもできる。この扁平断面ガラス繊維としては、繊維断面の長径の平均値が好ましくは10~50μm、より好ましくは15~40μm、さらに好ましくは20~35μmで、長径と短径の比(長径/短径)の平均値が好ましくは1.5~8、より好ましくは2~6、さらに好ましくは2.5~5であるガラス繊維である。長径と短径の比の平均値がこの範囲の扁平断面ガラス繊維を使用した場合、1.5未満の非円形断面繊維を使用した場合に比べ、異方性が大きく改良される。また扁平断面形状としては扁平の他、楕円状、まゆ状、および三つ葉状、あるいはこれに類する形状の非円形断面形状を挙げることができる。なかでも機械的強度、低異方性の改良の点から扁平形状が好ましい。また、扁平断面ガラス繊維の平均繊維長と平均繊維径の比(アスペクト比)は2~120が好ましく、より好ましくは2.5~70、さらに好ましくは3~50であり、繊維長と平均繊維径の比が2未満であると機械的強度の向上効果が小さくなる場合があり、繊維長と平均繊維径の比が120を超えると異方性が大きくなる他、成形品外観も悪化する場合がある。かかる扁平断面ガラス繊維の平均繊維径とは、扁平断面形状を同一面積の真円形に換算したときの数平均繊維径をいう。また平均繊維長とは、本開示の樹脂組成物中における数平均繊維長をいう。尚、かかる数平均繊維長は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、並びに薬品による分解等の処理で採取される充填材の残さを光学顕微鏡観察した画像から画像解析装置により算出される値である。また、かかる値の算出に際しては繊維径を目安にそれ以下の長さのものはカウントしない方法による値である。
上記繊維状充填剤(III)の質量比は、本開示の樹脂組成物に対し、0~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、10~30質量%がさらに好ましい。
本開示の樹脂組成物、その意匠性等の改良のために、これらの改良に使用されている添加剤が有利に使用される。以下これら添加剤について具体的に説明する。
本開示の樹脂組成物は更に各種の染顔料を含有し多様な意匠性を発現する成形品を提供できる。本開示の樹脂組成物で使用する染顔料としては、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料などを挙げることができる。更に本開示の樹脂組成物はメタリック顔料を配合してより良好なメタリック色彩を得ることもできる。メタリック顔料としては、アルミ粉が好適である。また、蛍光増白剤やそれ以外の発光をする蛍光染料を配合することにより、発光色を生かした更に良好な意匠効果を付与することができる。
本開示の樹脂組成物は熱線吸収能を有する化合物を含有することができる。かかる化合物としてはフタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウム、酸化イモニウム、酸化チタンなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系や酸化タングステン系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、ならびに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR-362が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含む)およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤の含有量は、本開示の樹脂組成物100質量部に対して、0.0005~0.2質量部が好ましく、0.0008~0.1質量部がより好ましく、0.001~0.07質量部がさらに好ましい。金属酸化物系近赤外線吸収剤、金属ホウ化物系近赤外線吸収剤および炭素フィラーの含有量は、本開示の樹脂組成物中、0.1~200ppm(質量割合)の範囲が好ましく、0.5~100ppmの範囲がより好ましい。
本開示の樹脂組成物には、光高反射用白色顔料を配合して光反射効果を付与することができる。かかる白色顔料としては二酸化チタン(特にシリコーンなど有機表面処理剤により処理された二酸化チタン)顔料が特に好ましい。かかる光高反射用白色顔料の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、3~30質量部が好ましく、8~25質量部がより好ましい。尚、光高反射用白色顔料は2種以上を併用することができる。
本開示の樹脂組成物には紫外線吸収剤を配合して耐候性を付与することができる。かかる紫外線吸収剤としては、具体的にはベンゾフェノン系では、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンソフェノン、および2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノンなどが例示される。紫外線吸収剤としては、具体的に、ベンゾトリアゾール系では、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビス(4-クミル-6-ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’-p-フェニレンビス(1,3-ベンゾオキサジン-4-オン)、および2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾ-ル、並びに2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体や2-(2’―ヒドロキシ-5-アクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体などの2-ヒドロキシフェニル-2H-ベンゾトリアゾール骨格を有する重合体などが例示される。紫外線吸収剤は、具体的に、ヒドロキシフェニルトリアジン系では、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-メチルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-エチルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-プロピルオキシフェノール、および2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ブチルオキシフェノールなどが例示される。さらに2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノールなど、上記例示化合物のフェニル基が2,4-ジメチルフェニル基となった化合物が例示される。紫外線吸収剤は、具体的に環状イミノエステル系では、例えば2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-m-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、および2,2’-p,p’-ジフェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)などが例示される。また紫外線吸収剤としては、具体的にシアノアクリレート系では、例えば1,3-ビス-[(2’-シアノ-3’,3’-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3-ビス-[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどが例示される。さらに上記紫外線吸収剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤であってもよい。前記紫外線吸収性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、環状イミノエステル骨格、およびシアノアクリレート骨格を含有する化合物が好適に例示される。前記の中でも紫外線吸収能の点においてはベンゾトリアゾール系およびヒドロキシフェニルトリアジン系が好ましく、耐熱性や色相の点では、環状イミノエステル系およびシアノアクリレート系が好ましい。具体的には例えばケミプロ化成(株)「ケミソーブ79」、BASFジャパン(株)「チヌビン234」などが挙げられる。前記紫外線吸収剤は単独であるいは2種以上の混合物で用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、本開示の樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.01~3質量部、より好ましくは0.01~1質量部、さらに好ましくは0.05~1質量部、特に好ましくは0.05~0.5質量部である。
本開示の樹脂組成物には、帯電防止性能が求められる場合があり、かかる場合帯電防止剤を含むことが好ましい。かかる帯電防止剤としては、例えば(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩に代表されるアリールスルホン酸ホスホニウム塩、およびアルキルスルホン酸ホスホニウム塩などの有機スルホン酸ホスホニウム塩、並びにテトラフルオロホウ酸ホスホニウム塩の如きホウ酸ホスホニウム塩が挙げられる。該ホスホニウム塩の含有量は、本開示の樹脂組成物100質量部に対し、5質量部以下が適切であり、好ましくは0.05~5質量部、より好ましくは1~3.5質量部、更に好ましくは1.5~3質量部の範囲である。帯電防止剤としては例えば、(2)有機スルホン酸リチウム、有機スルホン酸ナトリウム、有機スルホン酸カリウム、有機スルホン酸セシウム、有機スルホン酸ルビジウム、有機スルホン酸カルシウム、有機スルホン酸マグネシウム、および有機スルホン酸バリウムなどの有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩が挙げられる。かかる金属塩は前述のとおり、難燃剤としても使用される。かかる金属塩は、より具体的には例えばドデシルベンゼンスルホン酸の金属塩やパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩などが例示される。有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩の含有量は本開示の樹脂組成物100質量部に対して、0.5質量部以下が適切であり、好ましくは0.001~0.3質量部、より好ましくは0.005~0.2質量部である。特にカリウム、セシウム、およびルビジウムなどのアルカリ金属塩が好適である。
帯電防止剤としては、例えば(3)アルキルスルホン酸アンモニウム塩、およびアリールスルホン酸アンモニウム塩などの有機スルホン酸アンモニウム塩が挙げられる。該アンモニウム塩は本開示の樹脂組成物100質量部に対して、0.05質量部以下が適切である。帯電防止剤としては、例えば(4)ポリエーテルエステルアミドの如きポリ(オキシアルキレン)グリコール成分をその構成成分として含有するポリマーが挙げられる。該ポリマーは本開示の樹脂組成物100質量部に対して、5質量部以下が適切である。
本開示の樹脂組成物には、繊維状充填剤以外の強化フィラーとして公知の各種充填材を配合することができる。かかる充填材としては、各種の板状充填材および粒状充填材が挙げられる。ここで、板状充填材はその形状が板状(表面に凹凸を有するものや、板が湾曲を有するものを含む)である充填材である。粒状充填材は、不定形状を含むこれら以外の形状の充填材である。
板状充填材としては、ガラスフレーク、タルク、マイカ、カオリン、メタルフレーク、カーボンフレーク、およびグラファイト、並びにこれらの充填剤に対して例えば金属や金属酸化物などの異種材料を表面被覆した板状充填材などが好ましく例示される。その粒径は0.1~300μmの範囲が好ましい。かかる粒径は、10μm程度までの領域は液相沈降法の1つであるX線透過法で測定された粒子径分布のメジアン径(D50)による値をいい、10~50μmの領域ではレーザー回折・散乱法で測定された粒子径分布のメジアン径(D50)による値をいい、50~300μmの領域では振動式篩分け法による値である。かかる粒径は樹脂組成物中での粒径である。板状充填材は、各種のシラン系、チタネート系、アルミネート系、およびジルコネート系などのカップリング剤で表面処理されてもよく、またオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびウレタン系樹脂などの各種樹脂や高級脂肪酸エステルなどにより集束処理されるか、または圧縮処理された造粒物であってもよい。
本開示の樹脂組成物には、本開示の効果を損なわない範囲で、樹脂成分の一部に代えて、他の樹脂やエラストマーを本開示の効果を発揮する範囲において、少割合使用することもできる。他の樹脂やエラストマーの配合量は本開示の樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下、最も好ましくは3質量部以下である。かかる他の樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。また、エラストマーとしては、例えばイソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、コアシェル型のエラストマーであるMBS(メタクリル酸メチル/ステレン/ブタジエン)ゴム、MB(メタクリル酸メチル/ブタジエン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン)ゴム、フッ素ゴム、含フッ素エラストマー等が挙げられる。
本開示の樹脂組成物には、その他の流動改質剤、抗菌剤、流動パラフィンの如き分散剤、光触媒系防汚剤およびフォトクロミック剤などを配合することができる。
本開示は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)及び含フッ素共重合体(II)をせん断速度600秒-1以上で混練する工程を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法をも提供する。
上記せん断速度は、より好ましくは700秒-1(/sec)以上であり、更に好ましくは750秒-1(/sec)以上であり、特に好ましくは800秒-1(/sec)以上である。これにより、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)中に含フッ素共重合体(II)をサブミクロンオーダーで分散させることが可能になり、更に成形時に含フッ素共重合体(II)が凝集する挙動を抑制することができる。その結果、得られる樹脂組成物が流動性に一層優れるものとなり、また、引張特性、柔軟性、耐衝撃性及び低誘電率に一層優れる成形品を与えることができるものとなる。
なお、上記せん断速度(γ)は、例えば、下記式を用いて求める値である。
γ=πDr/C
D:スクリュー外径(mm)
r:スクリュー回転数(rpm)
C:チップクリアランス(mm)
内部帰還型スクリューは、先端部から後端側に向けてスクリュー中心軸に沿う帰還穴が形成されたスクリューである。混練部に内部帰還型スクリューを有する高せん断加工機においては、混練部に注入された溶融樹脂が内部帰還型スクリューの回転とともに先端側に送られ、先端部の流入口より帰還穴に流入して後方へ流れて吐出口より吐出され、再び内部帰還型スクリューの回転とともに先端側へ送られる循環がなされる。この循環により、溶融樹脂が高度に分散・混合され、分散相のサイズを小さくすることができる。上記高せん断加工機としては、特開2005-313608号公報、特開2011-046103号公報等に記載された装置が例示できる。
混練機として二軸押出機を用いる場合、L/Dの大きいスクリュー構成を有する二軸押出機を用いることが好ましい。二軸押出機のスクリュー構成はL/D=30以上が好ましく、より好ましくはL/D=35以上であり、更に好ましくはL/D=40以上である。なお、L/Dは、スクリューの有効長さ(L)/スクリュー直径(D)である。混練性、生産性向上の観点から、二軸押出機による溶融混練が最も好ましい。
上記溶融混練の温度は、上記芳香族ポリエーテルケトン樹脂の融点以上であり、かつ上記含フッ素共重合体(II)の融点以上であることが必要であり、240~450℃が好ましく、260~400℃がより好ましい。
本開示のペレットは、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)及び含フッ素共重合体(II)を混練して本開示の樹脂組成物を得た後、混練物を混練機から取り出して、その後、ペレットの形状に成形したものであってもよいし、混練機を用いて芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)及び含フッ素共重合体(II)を混練した後、混練機から溶融押出等により押出して成形したものであってもよい。
成形方法としては特に限定されないが、例えば、二軸押出機等を用いて溶融押出する方法等が挙げられる。
上記ペレットは、ペレットの形状に成形された後、後添加してもよい公知の成分を添加したものであってもよい。ペレットへの添加方法としては公知の方法が使用でき、ペレットにスプレー等で噴霧する方法、ペレットと添加物の粉末をドライブレンドする方法等が例示できる。例えば、上記ペレットは、成形後に滑剤(例えばステアリン酸マグネシウムなど)が添加されたものであってもよい。上記ペレットから形成された成形品は引張破断伸びに優れる。また、耐衝撃性、柔軟性及び低誘電率に優れる。
また、上記ペレットは、後添加してもよい公知の成分を添加した後にさらに混練してもよい。
また、上記製造方法により得られる樹脂組成物を成形して得られるペレット、及び、成形後に滑剤が添加されたペレットも本開示の一つである。
上記引張破断伸びは、ASTM D 638に準拠し、オートグラフにより試験速度2mm/minで測定した値である。
シャルピー強度は、ASTM D6110-02に準拠して測定した値である。
上記碁盤目剥離試験は、上記成形品に対して、JIS K5400に準拠し、1mm角の25格子の内の剥離した格子数にて評価を行ったものである。
上記比誘電率は、空洞共振器摂動法により測定した値である。
本開示の第2の成形品は、上述した本開示の樹脂組成物又はペレットから形成される成形品と同じ態様を適宜採用することができる。
(1)含フッ素共重合体のMFRは、ASTM D1238に準拠し、380℃、5000g荷重の条件下で、メルトインデクサーを用いて測定する。
(2)芳香族ポリエーテルケトン樹脂のMFRは、ASTM D1238に準拠し、380℃、5000g荷重の条件下で、メルトインデクサーを用いて測定する。
(3)含フッ素共重合体と芳香族ポリエーテルケトン樹脂とを混合して得られた樹脂組成物のMFRは、ASTM D1238に準拠し、予熱時間5分、温度380℃、荷重5000gで測定して得られる値である。
含フッ素共重合体の融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
示差走査熱量測定(DSC)装置によって測定する。
実施例で得られた混練物(樹脂組成物)、実施例で得られたMFRのストランド、及び実施例で得られた射出成形品(成形品)から切出した切片を、流れ方向に対し垂直に切断し、その断面を共焦点レーザー顕微鏡にて撮影し、得られた顕微鏡画像を画像解析ソフト(Image J)により解析した。分散相を選択し、円相当径を求めた。分散相20個分の円相当径を算出し、これを平均して平均分散粒子径r1及び平均分散粒子径r2とした。
混練時のせん断速度(γ)は、下記式を用いて求めた。
γ=πDr/C
D:スクリュー外径(mm)
r:スクリュー回転数(rpm)
C:チップクリアランス(mm)
実施例、比較例で製造した樹脂組成物を120℃で8時間乾燥した後、小型射出成形機により射出成形することでASTM多目的試験片(127×12.7×3.2 mmt)とASTM V号ダンベルを得た。
上述した方法で作製した射出成形品を用いて、ASTM D 638に準拠し、オートグラフにより引張破断伸びを測定した。測定条件は、試験速度2mm/minで行った。
上述したメルトフローレート測定で作成したストランドを、幅2mm・長さ100mmの短冊状に切り出し、空洞共振器摂動法(ネットワークアナライザ)にて、2.45GHzにおける比誘電率を測定した。
上述した方法で作製した射出成形品に対して、JIS K5400に準拠し、1mm角の25格子の内の剥離した格子数にて評価を行った。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(1):ポリエーテルケトンケトン(MFR;40.2g/10分、融点;331℃、Tg;162℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(2):ポリエーテルケトンケトン(MFR;79.5g/10分、融点;360℃、Tg;165℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(3):ポリエーテルエーテルケトン(MFR;24.5g/10分、融点;340℃、Tg;143℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(4):ポリエーテルエーテルケトン(MFR;75.6g/10分、融点;343℃、Tg;143℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(5):ポリエーテルエーテルケトン(MFR;10.0g/10分、融点;342℃、Tg;143℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(6):ポリエーテルエーテルケトン(MFR;29.6g/10分、融点;340℃、Tg;143℃)
含フッ素共重合体(2):TFE/HFP/PPVE共重合体。MFR;12.3g/10分。融点;255℃。
含フッ素共重合体(3):TFE/PPVE共重合体。MFR;31.4g/10分。融点;301℃。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(1)及び含フッ素共重合体(1)を表1に示す割合(質量%)でドライブレンドし、120℃で8時間乾燥させたものを、還流式高せん断加工機(株式会社ニイガタマシンテクノ製)を用いて、以下に示す所定の条件で溶融混練した。なお、帰還穴の径はφ2.5mmのものを使用した。
スクリューのL/D:1.8
混練温度:370℃
混練時のせん断速度:870秒-1
混練時間:10秒
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の種類、含フッ素共重合体の種類を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。また、同様にして、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(3)及び含フッ素共重合体(1)を表1に示す割合(質量%)で予備混合を行い、二軸押出機(φ30mm、L/D=36)を使用して、シリンダー温度390℃の条件下で溶融混練し、樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして各種物性を測定した。結果を表1に示す。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(1)、含フッ素共重合体(1)及びチョップドガラス繊維(1)を表2に示す割合(質量%)でドライブレンドし、120℃で8時間乾燥させたものを、還流式高せん断加工機(株式会社ニイガタマシンテクノ製)を用いて、以下に示す所定の条件で溶融混練した。帰還穴の径はφ2.5mmのものを使用した。
スクリューのL/D:1.8
混練温度:370℃
混練時のせん断速度:870秒-1
混練時間:10秒
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の種類、含フッ素共重合体の種類を表1に示すように変更し、二軸押出機をφ15mm、L/D=60に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。また、同様にして、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の種類、含フッ素共重合体の種類を表1に示すように変更し、二軸押出機の代わりにラボプラストミルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。また、同様にして、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂の種類、含フッ素共重合体の種類を表1に示すように変更したこと以外は、比較例3と同様にして樹脂組成物を製造した。また、同様にして、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(1)、含フッ素共重合体(1)及びチョップドガラス繊維(1)を表2に示す割合(質量%)でドライブレンドし、120℃で8時間乾燥させたものを、二軸押出機をφ15mm、L/D=60に変更した以外は、実施例7と同様にして樹脂組成物を製造した。また、同様にして、各種物性を測定した。結果を表2に示す。
Claims (8)
- 芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)及び含フッ素共重合体(II)を含む樹脂組成物であって、
含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径r1と、ASTM D1238に従って、380℃、5000g荷重下及び5分予熱にてメルトフローレートを測定した後の含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径r2の比r2/r1が1.60以下であり、
含フッ素共重合体(II)は、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)及びパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種のパーフルオロエチレン性不飽和化合物との共重合体であることを特徴とする樹脂組成物。 - 芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)は、融点が300~380℃である請求項1記載の樹脂組成物。
- 芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)は、ガラス転移温度が130~220℃である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 含フッ素共重合体(II)の融点が200~323℃である請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)と含フッ素共重合体(II)との質量比(I):(II)が99:1~30:70である請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 更に、繊維状充填剤(III)を含む請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1~6のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られることを特徴とするペレット。
- 請求項1~6のいずれかに記載の樹脂組成物、若しくは、請求項7記載のペレットから形成されることを特徴とする成形品。
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