JP3458897B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3458897B2 JP2000225214A JP2000225214A JP3458897B2 JP 3458897 B2 JP3458897 B2 JP 3458897B2 JP 2000225214 A JP2000225214 A JP 2000225214A JP 2000225214 A JP2000225214 A JP 2000225214A JP 3458897 B2 JP3458897 B2 JP 3458897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系樹脂と
芳香族ポリカーボネートからなる樹脂組成物に酸化チタ
ンおよびカップリング剤を配合してなる樹脂組成物に関
する。本発明の樹脂組成物は、機械的性質、熱的性質、
電気的性質、成形時の流動性(以下流動性と略記)に優
れ、特に高い光線反射率を有する樹脂組成物であり、液
晶表示のバックライト表示板、照光式プッシュスイッ
チ、光電スイッチの反射板などの高度の光線反射率を必
要とする分野に好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、光線反射板としては、ガラス製や
樹脂成形品に金属メッキ加工や塗装したものが使用され
てきた。ガラス製反射板は、重くて割れやすいという欠
点があった。樹脂成形品に金属メッキ加工した反射板
は、メッキ加工費用が高く、トータルコストが高いとい
う問題点もあった。従って、低価格で、後加工の不必要
な高い光線反射率を有する樹脂成形品が求められてい
た。
【0003】高い光線反射率を有する樹脂成形品を得る
方法としては、例えば、特開昭57−83549号に記
載の方法が考えられる。該公報には、芳香族ポリカーボ
ネート(以下PCと略記)と酸化チタンなどの顔料、シ
ラン系カップリング剤を均一にブレンド後、280℃で
溶融混練しペレットを得て、ペレットの分子量測定を行
い、該ペレットを280℃で成形し、成形品の色相を調
べている。そこで、特開昭57−83549号に準じ、
PC90重量部、酸化チタン10重量部、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン1重量部からなる組成
物を溶融混練して得たペレットから試験片を成形した結
果、確かに着色性は良好であったが、溶融混練温度や成
形温度が280℃と高く、試験片表面にシルバーが発生
し、機械的性質、特に破断伸びの低い試験片しか得られ
なかった。薄肉成形品を成形するため成形温度を300
℃以上にすると、試験片表面にシルバーが多発し、引張
り強さや破断伸びの著しく低い試験片しか得られなかっ
た。
【0004】また、特公昭63−26140号公報に
は、PCと末端停止ポリオルガノ水素シロキサン、酸化
チタン、安定剤からなる樹脂組成物が開示されている。
この公報に記載の組成物も、溶融粘度が高いので、溶融
混練温度が288℃、成形温度が300℃以上と高い。
また、光線反射板として使用する場合は、酸化チタンの
添加率が3重量部以上、好ましくは7〜15重量部必要
となる。酸化チタンを3重量部以上添加したPCを28
8℃以上で溶融混練後、樹脂温度300℃以上で射出成
形すると、末端停止ポリオルガノ水素シロキサンや安定
剤を添加したとしても、酸化チタンによるPCの熱分解
促進作用を抑制できず、成形品表面にシルバーが発生
し、商品価値を著しく損なうものであった。
【0005】特公昭63−31513号公報にも、P
C、オリゴマーまたはポリマーの炭化水素オキシシロキ
サン、リン系安定剤、エポキシ系安定剤からなる樹脂組
成物が開示されている。この場合も、溶融粘度が高く2
88−316℃で溶融混練、ペレット化し、ペレットを
316℃以上の温度で成形する方法が開示されている。
本発明者らも特公昭63−31513号公報記載の方法
に準じ、PC100重量部、酸化チタン3重量部、1,
3−ジブェニルテトラエトキシジシロキサン0.4重量
部、リン系安定剤0.1重量部、およびエポキシ系安定
剤0.1重量部からなる組成物を溶融混練し、ペレット
を得て63.5×12.7×3.2mmの衝撃試験片
と、ASTM−D638に準じた引張り試験片を成形し
た。得られた試験片の着色性は良好であったが、試験片
表面にはシルバーが多数発生し、破断伸びは5%以下と
低く、実用性の非常に低いものであった。
【0006】特開平3−247670号公報には、ポリ
オキシアルキレン誘導体とマレイン酸類との共重合体に
よって表面処理した酸化チタン等をPCに添加する方法
が開示されている。該公報の記載によれば、表面処理し
た酸化チタン1%をPCに添加したペレットを、340
℃窒素気流中1時間処理後の粘度平均分子量の低下は約
1000と小さいとされている。本発明らも、特開平3
−247670号公報の記載に準じて、PC100重量
部に対し、表面処理した酸化チタンを7重量部配合し、
シリンダー温度280℃の単軸押出機により溶融混練
後、ペレット化した。このペレットを120℃で7時間
予備乾燥後、樹脂温度300℃で127×12.7×
1.6mmの試験片を成形した。この試験片は酸化チタ
ンの配合比率が高いこともあり、試験片表面にシルバー
が発生し、シルバー発生部分とシルバーの発生していな
い部分の光線反射率が異なり、反射板用樹脂組成物とし
ては、不適当であることが明らかになった。
【0007】特開平4−159359号公報には、PC
とアルミニウムと珪素の含水酸化物で処理された酸化チ
タン粉体、特定の珪素化合物からなる組成物が反射板と
て有効であることが開示されている。しかしながら、P
C自体溶融粘度が高く、PC100重量部に対し、上記
方法で処理された酸化チタン粉体を5重量部以上配合し
た組成物の溶融粘度はさらに高くなり、その結果とし
て、成形温度を高くしなければ薄肉成形品が成形できな
かった。上記方法で処理された酸化チタン粉体を5重量
部以上配合したPC組成物であっても、300℃以上の
高温で成形すると、PCの分解が起こり、シルバーの発
生による光線反射率の低下、機械的性質の低下を生じ、
商品価値の著しく低い成形品しか得られなかった。
【0008】一方、成形時の樹脂温度を出来るだけ低く
するため、溶融粘度の低い低分子量PC、例えば粘度平
均分子量15000のPCに、酸化チタン粉体を5重量
部以上とシラン系カップリング剤や熱安定剤を配合した
組成物では、シルバーの発生はないが、クラックが発生
しやすく、機械的性質の低下も大きく、実用性の著しく
低い成形品しか得られなかった。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、成形時の
流動性に優れ、低温成形が可能で、シルバー発生がな
く、成形品全体均一で高い光線反射率と白色度、荷重撓
み温度や機械的性質に優れた光線反射板用樹脂組成物を
得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み、多角的に検討を行った結果、スチレン系樹脂
と芳香族ポリカーボネートからなる樹脂組成物に酸化チ
タンおよびカップリング剤を配合してなる樹脂組成物が
成形時の流動性に優れ、低温成形が可能で、シルバー発
生がなく、成形品全体が均一で高い光線反射率と白色
度、荷重撓み温度や機械的性質に優れた光線反射板用樹
脂組成物として好適なものであることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、(A)(a1)
スチレン系ポリマーおよびオリゴマーから選ばれた1種
以上5〜60重量%と、(a2)芳香族ポリカーボネート9
5〜40重量%からなる組成物100重量部に対し、
(B)粒径が0.1〜5μmの酸化チタン3〜25重量
部および(C)シラン系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤から選ばれたカップリング剤、0.0
5〜7重量部を配合してなる樹脂組成物である。
【0012】本発明の樹脂組成物は流動性に優れている
ので、比較的低温での成形が可能であり、射出成形時の
樹脂温度は、好ましくは290℃以下、さらに好ましく
は280℃以下である。射出成形時の樹脂温度は、成形
機によって多少異なるが、通常シリンダー設定温度より
5〜20℃高いことがあるので、その点注意が必要であ
る。本発明の樹脂組成物の樹脂温度の測定には、安立
(株)製・デジタル温度計CT−500P型を使用し
た。
【0013】本発明に使用されるスチレン系ポリマーお
よびオリゴマーとは、スチレン系化合物、スチレン系化
合物と共重合可能な他のビニル系単量体をゴム質重合体
存在または非存在下に重合して得られる重合体である。
スチレン系化合物とは、スチレン、α−メチルスチレ
ン、2.4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、
p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられ
る。また、スチレン系化合物と共重合可能なビニル系単
量体としては、メチルメタクリレートまたはエチルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステル類、アクリロニ
トリルまたはメタアクリロニトリルなどの不飽和ニトリ
ル化合物類、無水マレイン酸などの酸無水物があげら
れ、スチレン系化合物と共に使用される。
【0014】ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあ
るいは、共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマー
あるいはエチレン−プロピレン共重合系ゴムなどがあげ
られる。
【0015】本発明におけるPCは、粘度平均分子量は
18,000〜28,000、好ましくは、20,00
0〜26,000のものである。PCの粘度平均分子量
が18,000より低いと機械的性質の低下が大きく、
28,000を超えると溶融粘度が高すぎ、成形時の樹
脂温度が290℃を超える温度が必要となり好ましくな
い。
【0016】本発明に使用されるPCは、反応に不活性
な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下、二価フェノール
系化合物およびホスゲンと反応させた後、第三級アミン
もしくは第四級アンモニウム塩などの重合触媒を添加し
て重合させる界面重合法や、二価フェノール系化合物を
ピリジンまたはピリジンと不活性溶媒の混合溶液に溶解
し、ホスゲンを導入し直接PCを製造するピリジン法等
従来のPC製造法により得られるものが使用される。上
記の反応に際し、必要に応じて、分子量調節剤、分岐化
剤などが使用される。
【0017】本発明における二価フェノール系化合物と
しては、2, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (=ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2, 2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシ−3−タ
ーシャリブチルフェニル)プロパン、2, 2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2, 2
−ビス(4−ヒドロキシ−3, 5−ジブロモフェニル)
プロパン、2, 2−ビス(4−ヒドロキシ−3, 5−ジ
クロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシア
リール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1, 1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン(=ビスフェノールZ)の
ようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、
4, 4´−ジヒドロキシジフェニールエーテル、4,4
´−ジヒドロキシ−3, 3´−ジメチルジフェニールエ
ーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、
4, 4´−ジヒドロキシ−3, 3´−ジメチルジフェニ
ールスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフ
ィド類、4,4´−ジヒドロキシ−3, 3´−ジメチル
ジフェニールスルホキシドのようなジヒドロキシジアリ
ールスルホキシド類、4, 4´−ジヒドロキシ−3, 3
´−ジメチルジフェニールスルホンのようなジヒドロキ
シジアリールスルホン類などが単独または2種以上混合
して使用できる。
【0018】本発明に使用される酸化チタンは、市販の
酸化チタンが使用できるが、樹脂組成物の耐候性などの
点から塩素法で製造され、ルチル型の結晶構造を有する
ものが好ましい。酸化チタン表面は亜鉛、アルミ、シリ
カ処理したものが使用される。そのほかに例えば、セチ
ルトリメトキシシラン、γ- アミノプロピルトリメトキ
シシラン、メチルハイドロゼンポリシロキサン、メチル
ハイドロゼンポリシロキサンにジルコニウム塩を配合し
た有機シラン化合物で処理した酸化チタンも使用でき
る。
【0019】酸化チタンの粒径は0.1〜5μm、好ま
しくは0.1〜1μmの範囲のものが好適である。酸化
チタンの粒径が0.1μmより小さいと、光線反射率が
低下し、5μmを超えると成形品表面が凹凸となり外観
不良を生じたり、機械的性質、特に破断伸びの低下が大
きくなるので好ましくない。
【0020】本発明に使用されるカップリング剤として
は、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤があげられ、これらはそれ自体公知のものが使用
される。シラン系カップリング剤としては、例えば、セ
チルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ブロピルトリメトキシ
シラン、N−β(アミノエル)−γ−アミノプロピルメ
チル−ジメトキシシラン、ペンタメチルジシロキサン、
1, 3−ジフェニール−1, 3−ジメチルジシロキサ
ン、1, 3−ジフェニール−1, 1, 3, 3−テトラキ
ス(ジメチルシロキサン)ジシロキサン、メチルハイド
ロゼンポリシロキサン、メチルハイドロゼンポリシロキ
サンにジルコニウム塩を配合した有機シラン化合物であ
る。また、アルミニウム系カップリング剤としては、ア
セトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートがあ
る。これらのうち、シラン系カップリング剤が好適であ
る。
【0021】本発明の樹脂組成物の配合比率は、(A)
(a1)スチレン系ポリマーおよびオリゴマーから選ばれた
1種以上5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%
と、(a2)PC95〜40重量%、好ましくは90〜50
重量%からなる組成物100重量部に対し、(B)酸化
チタン3〜25重量部、好ましくは7〜15重量部およ
び(C)シラン系カップリング剤、アルミニウム系カッ
プリング剤から選ばれたカップリング剤0.05〜7重
量部、好ましくは、0.1〜3重量部が配合される。
【0022】PCが95重量%より多いと樹脂組成物の
溶融粘度が高くなり、射出成形時の樹脂温度が高くな
り、その結果としてPCが熱分解を起こし、成形品表面
にシルバーが発生したり、機械的性質が低下するので好
ましくない。逆にPCが40重量%より低いと、荷重撓
み温度や機械的性質の低下が大きく、好ましくない。
【0023】酸化チタンの配合量が3重量部より少ない
と、薄肉成形品で光線が透過し、光線反射率の低下を引
き起こすので避けなければならない。酸化チタンの量が
25重量部より多くなると、樹脂組成物の溶融粘度が高
くなり、射出成形時の樹脂温度も高くなり、さらに酸化
チタンがPCの分解を促進するので、成形品表面にシル
バーが発生したり、機械的性質が著しく低下するので好
ましくない。
【0024】シラン系カップリング剤またはアルミニウ
ム系カップリング剤の配合量が0.05重量部より低い
と、樹脂組成物の射出成形時のシルバー防止効果が小さ
く、7重量部を超えると荷重撓み温度や機械的性質の低
下が大きくなり、実用性を著しく損なうので好ましくな
い。
【0025】本発明の樹脂組成物をUL規格94号でV
−1以上に難燃化するためには、分子量1,000以上
の有機ハロゲン化合物および/または分子量500以上
で燐含有率8%以上の有機燐化合物が3〜20重量部配
合される。
【0026】このような有機ハロゲン化合物として、テ
トラブロムビスフェーノールAを出発原料とした重合度
3〜25のカーボネートオリゴマーや、ブロム化ポリス
チレン、ブロム化エポキシ化合物などがあげられる。有
機ハロゲン化合物が3重量部より少ないと、目標とする
難燃性を得ることができない。有機ハロゲン化合物が2
0重量部を超えると、樹脂組成物の機械的強度の低下
や、成形時の熱安定性の低下を招くのでこのましくな
い。
【0027】本発明に使用できる有機燐化合物として、
例えば、特開昭57−207461号、特開昭57−2
07462号、特開平5−170996号公報に開示さ
れているフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、フ
ェニル・クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、テ
トラフェニル・レゾルシン・ジホスフェート、フェニル
・トリクレジル・レゾルシン・ジホスフェート、ジフェ
ニール・ジクレジル・レゾルシン・ジホスフェート、ト
リフェニール・クレジル・レゾルシン・ジホスフェート
も使用できる。
【0028】有機ハロゲン化合物の分子量を1,000
以上に、また有機燐化合物の分子量を500以上に限定
した理由は、分子量が1,000または500より低い
と溶融混練時に揮散し、作業環境の汚染を生じたり、成
形品表面にブリードアウトし好ましいない。
【0029】さらに、難燃助剤としてアンチモン化合物
や、ジルコニウム化合物などを配合することもできる。
また、火の着いた樹脂の滴下防止を効果的にするために
分子量1,000,000以上のポリテトラフルオロエ
チレンのような化合物を少量、たとえば樹脂成分100
重量部に対して2重量部以下を配合することも可能であ
る。
【0030】本発明の樹脂組成物に、高度の耐衝撃性が
要求される場合は、下記に挙げるようなエラストマーを
1〜15重量部の範囲で配合できる。エラストマーの配
合量が1重量部より低いと耐衝撃性の改良効果が小さ
く、15重量部を超えると荷重撓み温度、弾性率の低下
が大きくなり過ぎ好ましくない。
【0031】本発明に使用されるエラストマーの具体例
として、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピ
レン・ジエン・メチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリイソプレ
ン、水添イソプレン、アクリル系エラストマー、ポリエ
ステル・ポリエーテルコエラストマー、東レ(株)から
「ペバックス」の商品名で販売されているようなポリア
ミド系エラストマー、大日本インキ化学工業(株)から
「グリラックスA」の商品名で販売されているようなポ
リアミド系エラストマー、エチレン・ブテン1共重合
体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素化ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体、エチレン・プロ
ピレン共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノ
ルボネン共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー、シェル化学(株)から「クレイトンG」の商品名で
販売されているような水添スチレン・エチレン・ブチレ
ン・スチレンブロック共重合体(以下SEBSと略
記)、三井石油化学(株)から「タフマー」の商品名で
販売されているようなエチレン−α−オレフィンコポリ
マーおよびプロピレン−α−オレフィンコポリマー、三
井・デュポンポリケミカル(株)から販売されているよ
うなエチレンメタクリル酸系特殊エラストマー、武田薬
品工業(株)から「スタフロイド」の商品名で販売され
ているようなコア層がゴム質でシェル層が硬質樹脂から
なるコア・シェルタイプのエラストマー、メチルメタア
クリレート・ブタジエン・スチレン共重合体であるクレ
ハBTAエラストマー、三菱レイヨン(株)から「メタ
ブレンS」の商品名で販売されているようなコア・シェ
ルタイプのエラストマーなどが使用できる。三菱レイヨ
ン(株)から販売されているようなコア層がシリコンゴ
ム、シェル層がアクリルゴムまたはアクリル樹脂からな
るコア・シェルタイプのエラストマーで、グレード名
「S2001」または「RK120」などが添加でき
る。さらにクラレ(株)から「セプトン」の商品名で販
売されているようなポリスチレン相と水素添加ポリイソ
プレン相からなるブロック共重合体も使用できる。
【0032】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
公知のフェノール系、燐系、チオエーテル系、ヒンダー
ドフェノール系、エポキシ系、硫化亜鉛、酸化亜鉛など
の熱安定剤および酸化防止剤を用いることができる。さ
らに、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、紫外線吸
収剤すなわちベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェ
ノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノア
クリレート系化合物、しゅう酸アニリド系化合物、光安
定剤として立体障害性を有するピペリジン誘導体や高分
子量のピペリジン誘導体なども添加することができる。
【0033】本発明の樹脂組成物は、一般に熱可塑性樹
脂組成物の製造に用いられる設備と方法により製造する
ことができる。例えば、 (1)本発明の樹脂組成物を構成する成分を、一括して
溶融混練してペレット化する方法。 (2)材料供給口を2か所以上有する押出機で、最初の
材料供給口からPC以外のポリマーと酸化チタンとカッ
プリング剤を投入し、溶融混練後、2番目の材料供給口
からPCを投入して溶融混練しペレット化するのも本発
明の好適な方法である。 (3)PC以外のポリマーと酸化チタンおよびカップリ
ング剤を溶融混練後、ペレット化し、該ペレットに残り
の成分を添加し、溶融混練し、ペレット化することも本
発明の好ましい方法である。上記三の製造方法のうち、
(1)より(2)および(3)の方法が、射出成形時の
熱安定性の点から好ましい方法である。なお、溶融混練
には一軸または二軸の押出機が好適に使用できる。
【0034】
【実施例】次に実施例と比較例により本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0035】本発明の実施例と比較例における使用原材
料は次の通りである。PCは三菱ガス化学(株)製、粘
度平均分子量20,000および25,000でビスフ
ェノールAを出発原料とした商品名「ユーピロンS30
00」および「ユーピロンS1000」(PC1および
PC2と略記)を使用した。
【0036】スチレン系ポリマーとして、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体(以下ABSと略
記)は三井東圧(株)「サンタックGT15」を、アク
リレート・スチレン・アクリロニトリル共重合体(以下
ASAと略記)は日立化成(株)「バイタックスV67
01A」を、アクリロニトリル・スチレン共重合体(以
下ASと略記)は電気化学(株)「AS−S」を使用し
た。またメチルメタアクリレート60重量%とスチレン
40重量%の共重合体(以下MSと略記)として、新日
鉄化学(株)から販売されている「エスチレン600」
を使用した。また、スチレンオリゴマー(以下SOLと
略記)として分子量60,000の三洋化成(株)製
「ハイマーSB−125」を使用した。
【0037】エラストマーとして水添スチレン・エチレ
ン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(以下SEB
Sと略記)で、シェル化学から「クレイトンG165
1」の商品名で販売されているものを使用した。
【0038】酸化チタンは石原産業(株)製・タイペー
クで、粒径0.25〜0.40μm、主要処理剤がA
l,Si,ZnであるR−820(以下Ti1と略
記)、粒径0.25〜0.40μm、主要処理剤がAl
であるR−615(以下Ti2と略記)を使用した。
【0039】シラン系カップリング剤として、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランを使用した(以下シラン
系と略記)。アルミニウム系カップリング剤は、味の素
(株)製、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピ
レート(以下アルミ系と略記)を使用した。
【0040】有機ハロゲン化合物(難燃剤)として、三
菱ガス化学(株)製のテトラブロムビスフェーノールA
を出発原料とした、重合度10で両末端がトリブモフェ
ノールのカーボネートオリゴマー(以下TBAと略記)
を使用し、難燃助剤として三国精練(株)の四酸化アン
チモン(以下アンチモンと略記)を使用した。また、燃
焼試験時のドロッピング防止剤として、分子量2,00
0,000のポリテトラフルオロエチレン(以下PTF
と略記)を使用した。
【0041】実施例1 PC1=70重量部、ABS=30重量部、Ti1=4
重量部、シラン系=1重量部をヘンシェルミキサーで混
合し、スクリュウー径30mmの二軸押出機でシリンダ
ー設定温度240℃、スクリュウー回転数150rpm
で溶融混練後、ペレット化した。このペレットを110
℃で5時間乾燥後、住友重機械(株)製SG125型射
出成形機により、金型温度70℃、樹脂温度260℃、
射出圧力98Mpaで、ASTM−D638規定タイプ
1の3.2mm厚引張り試験片を成形した。引張試験片
と同一条件で100×100×2mmの角板、127×
12.7×1.6mmの燃焼試験片を成形した。
【0042】引張り破断伸び(以下伸びと略記)は、A
STM−D638に準じ、引張り速度5mm/分、試験
温度23℃で5本試験を行いその平均値は85%であっ
た。
【0043】光線反射率(以下反射率%と略記)は、
(株)島津製作所製UV256−FW型・反射率計によ
り400〜700nmの波長範囲で測定し、500〜7
00nmの波長範囲で最も低い反射率は91%であっ
た。なお、反射率90%以上を合格とした。
【0044】色相は、日本電色工業(株)製・Z−10
0DPのカラー測定器により、100×100×2mm
の角板で、L値=94.2、a値=−0.32、b値=
2.5を得た。なお、b値<3.0を合格とした。
【0045】成形品外観は燃焼試験片を目視により観察
し、シルバー発生の無い試験片をA、微小なシルバーの
発生した試験片をB、小さなシルバーの発生した試験片
をC、大きなシルバーの発生した試験片をDとし、Aお
よびBを合格とした。ここで得られた試験片の外観はA
であった。
【0046】比較例1 Ti1=1重量部とした以外は実施例1と同様な組成割
合とし、同一条件で試験を行い、伸び89%、反射率8
4%で不合格であった。色相は、L値=92.1、a値
=−0.42、b値=4.5で不合格であった。成形品
外観はAであった。
【0047】実施例2〜5 押出温度、成形温度、燃焼試験、組成物の配合割合以外
は、実施例1と同一条件で試験を行い、組成、成形条件
及び結果を表1に示した。なお、燃焼試験はUL規格9
4号に準じて行い、難燃性の高いものからV−0、V−
1、V−2、HBにランク分けされ、本発明で難燃性の
要求される場合、V−0またはV−1でなければならな
い。
【0048】
【表1】
【0049】比較例2〜5 押出温度、成形温度、燃焼試験、組成物の配合割合以外
は、実施例1と同一条件で試験を行い、組成、成形条件
及び結果を表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】実施例7 ASA=40重量部、Ti1=10重量部、シラン系=
0.05重量部をヘンシェルミキサーで混合し、スクリ
ュウー径30mmの二軸押出機でシリンダー設定温度2
30℃、スクリュウー回転数150rpmで溶融混練
後、ペレット化した。このペレット50重量部に対し、
PC2=50重量部をタンブラーで混合し、スクリュウ
ー径30mmの二軸押出機でシリンダー設定温度250
℃、スクリュウー回転数150rpmで溶融混練後、ペ
レット化した。このペレットを110℃で5時間乾燥
後、住友重機械(株)製SG125型射出成形機によ
り、金型温度70℃、樹脂温度270℃、射出圧力98
Mpaで、ASTM−D638規定タイプ1の3.2m
m厚引張試験片を成形した。引張試験片と同一条件で1
00×100×2mmの角板、127×12.7×1.
6mmの燃焼試験片を成形した。物性試験は実施例1に
準じ、伸びは52%、反射率は92%、L値=93.
2、a値=−0.42、b値=2.0、成形品外観はA
であった。
【0052】実施例8 PC2=50重量部、ASA=50重量部、Ti1=1
0重量部、シラン系=0.05重量部を同時にヘンシェ
ルミキサーで混合し、スクリュウー径30mmの二軸押
出機でシリンダー設定温度250℃、スクリュウー回転
数150rpmで溶融混練後、ペレット化した。以下、
実施例7に準じ試験を行った結果、伸びは34%、反射
率は91%、L値=94.4、a値=−0.42、b値
=2.5、成形品外観はBであった。
【0053】比較例7 PC2=50重量部、ASA=50重量部、Ti1=1
0重量部を同時にヘンシェルミキサーで混合し、スクリ
ュウー径30mmの二軸押出機でシリンダー設定温度2
50℃、スクリュウー回転数150rpmで溶融混練
後、ペレット化した。以下、実施例6に準じ試験を行っ
た結果、伸びは9%、反射率は85%、L値=93.
1、a値=−0.42、b値=4.8、成形品外観はC
であった。
【0054】
【発明の効果】本発明は、機械的性質、熱的性質、電気
的性質、成形時の流動性(以下流動性と略記)に優れ、
特に高い光線反射率を有する樹脂組成物に関し、液晶表
示のバックライト表示板、照光式プッシュスイッチ、光
電スイッチの反射板などの高度の光線反射率を必要とす
る分野で使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 51/04 C08L 55/02 55/02 C08K 5/54 (72)発明者 桑原 久征 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三菱瓦斯化学株式会社 プラスチックス センター内 (56)参考文献 特開 平5−239349(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 25/00 - 25/18 C08L 51/04 C08L 55/02 C08L 69/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a1)スチレン系ポリマーおよびオ
    リゴマーから選ばれた1種以上5〜60重量%と、(a2)
    芳香族ポリカーボネート95〜40重量%からなる組成
    物100重量部に対し、(B)粒径が0.1〜5μmの
    酸化チタン3〜25重量部および(C)シラン系カップ
    リング剤、アルミニウム系カップリング剤から選ばれた
    カップリング剤0.05〜7重量部からなる樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 スチレン系ポリマーおよびオリゴマーが
    スチレン系化合物、スチレン系化合物と共重合可能な他
    のビニル系単量体を、ゴム質重合体存在または非存在下
    に重合して得られたものである請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 スチレン系ポリマーが、アクリロニトリ
    ル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリレート・ス
    チレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル
    ・スチレン共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 カップリング剤がシラン系カップリング
    剤である請求項1記載の樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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