JP7180568B2 - 車両のボディ構造 - Google Patents
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Description
以下、図1から図9に基づいて、本発明の実施形態1に係る車両のボディ構造の説明を行う。本実施形態に係る車両のボディ構造は、車両のボディにおけるバックドア開口部の周縁の構造である。ここで、図中における前後左右及び上下は、車両の前後左右及び上下に対応している。
車両のボディ10の後部背面には、図1に示すように、バックドア開口部12が形成されており、そのバックドア開口部12が上下回動式のバックドア14(図4、図8、図9参照)により開閉可能に構成されている。なお、図1では、バックドア14は省略されている。ボディ10のバックドア開口部12の左右両側には、支柱であるリヤピラー15が立設されており、左右のリヤピラー15によってバックドア開口部12の左縦辺部と右縦辺部とが構成されている。また、左右のリヤピラー15によってルーフパネル16の後部左右端が支持されており、ルーフパネル16によってバックドア開口部12の上辺部が構成されている。さらに、左右のリヤピラー15間には、フロアパネルFの位置でボディ下梁部19が渡されており、そのボディ下梁部19によってバックドア開口部12の下辺部が構成されている。
ルーフパネル16は、アルミ合金製のパネルである。ルーフパネル16は、図1~図4に示すように、車両の意匠面を構成するルーフパネル本体部16eと、ルーフパネル16の後端部でバックドア14の回動中心側を収納するドア収納凹部16kとを備えている。ルーフパネル16のドア収納凹部16kには、図4に示すように、後端縁の位置に上記した囲い平面16xが下方に傾斜した状態で形成されている。そして、囲い平面16xの後端にフランジ部16fが直角上方に折り曲げ成形されている。
リヤピラー15は、図8、図9に示すように、アウタパネル155とインナパネル156等により筒状に形成されている。そして、アウタパネル155のフランジ部155fとインナパネル156のフランジ部156fとが互いに接合されることで、リヤピラー15のフランジ部15fが形成されている。ここで、左右のリヤピラー15は、等しい構成で左右対称に形成されているため、図5~図9に基づいて右側のリヤピラー15の構成について説明する。リヤピラー15を構成するアウタパネル155とインナパネル156とは鋼板製であり、アウタパネル155のフランジ部155fとインナパネル156のフランジ部156fとはスポット溶接Pにより接合される。そして、リヤピラー15のアウタパネル155におけるフランジ部155fの車幅方向に外側(図では右側)に上記した囲い平面15xが形成されている。
ウエザーストリップ20は、上記したように、車両のボディ10のフランジ部15f,16f,19fに取付けられて、バックドア14のシール面14sとボディ10間をシールする部材である。ウエザーストリップ20は、図4等の断面図に示すように、車両のボディ10のフランジ部15f,16f,19fに取付けられるフランジ固定部22と、そのフランジ固定部22の先端に設けられた角筒状のシール部24とを備えている。フランジ固定部22は、板バネ(図番省略)と、その板バネを覆うゴム材とから断面略コ字形に形成されており、フランジ部15f,16f,19fを表裏から覆った状態で前記板バネのバネ力によりフランジ部15f,16f,19fに取付けられる。ここで、フランジ固定部22の深さ寸法は、幅寸法(突出寸法)W1のフランジ本体部150,160,19fを収納できる寸法に設定されている。
埋設材30は、図5、図6に示すように、ルーフパネル16の囲い平面16xの左端部と右端部とに形成された凹部16yを埋める部材である。埋設材30は、リヤピラー15のフランジ部15fの幅広部152とルーフパネル16のフランジ部16fの幅広部162とがセルフピアスリベットRにより連結された後で、ウエザーストリップ20が取付けられる前に、凹部16yに嵌め込まれて固定される。埋設材30は、例えば、樹脂製であり、ウエザーストリップ20のゴム製のリップ部22rよりも硬く形成されている。埋設材30は、図5に示すように、凹部16yの平面形状に一致する形状の蓋部32と、その蓋部32の下側で埋設材30の高さを調整する高さ調整部34とから断面略T字形に形成されている。そして、埋設材30の高さ調整部34の下面から蓋部32の表面32eまでの高さ寸法が凹部15yの深さ寸法(W2-W1)に等しい値に設定されている。
前記リヤピラー15、及びルーフパネル16等が本発明の車両のボディに相当し、バックドア開口部12が本発明のドア開口部に相当する。また、前記ウエザーストリップ20が本発明のシール部材に相当し、ウエザーストリップ20のフランジ固定部22のリップ部22rが本発明のシール部材におけるヒレ状部に相当する。
本実施形態に係る車両のボディ構造によると、囲い平面15x,16xからのフランジ部15f,16fの突出寸法は、囲い平面15x,16xの凹部15y,16yの位置で、囲い平面15x,16xの凹部15y,16y以外の位置よりも凹部15y,16yの深さ寸法分だけ大きく設定されている。しかし、囲い平面15x,16xの凹部15y,16yが埋設材30によって埋められているため、埋設材30の表面32e、及び囲い平面15x,16xに対して突出するフランジ部15f,16fの突出寸法(幅寸法)は一定である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、ルーフパネル16を左右のリヤピラー15と異なる金属で形成し、バックドア開口部12におけるルーフパネル16のフランジ部15fにおける左右の幅広部162と左右のリヤピラー15のフランジ部15fにおける上端部の幅広部152とを重ねて連結する例を示した。しかし、ボディ側面のスライドドア開口部におけるルーフパネルと前後のピラーとの連結部分に本発明を適用することも可能である。また、本実施形態では、埋設材30を接着剤等によりルーフパネル16の凹部16yに固定する例を示したが、クリップ等でルーフパネル16に固定する構成でも可能である。
12・・・・バックドア開口部(ドア開口部)
14・・・・バックドア(ドア)
14s・・・シール面
15・・・・リヤピラー(ボディ)
15f・・・フランジ部
15x・・・囲い平面
15y・・・凹部
152・・・幅広部
16・・・・ルーフパネル(ボディ)
16f・・・フランジ部
16x・・・囲い平面
16y・・・凹部
162・・・幅広部
20・・・・ウエザーストリップ(シール部材)
22・・・・フランジ固定部
22r・・・リップ部(ヒレ状部)
24・・・・シール部
30・・・・埋設材
32e・・・表面
Claims (5)
- 車両のボディにおけるドア開口部を囲んで枠状に形成されており、そのドア開口部を塞ぐドアのシール面に対向する囲い平面と、その囲い平面に対して折り曲げられて、前記囲い平面の内周縁に沿って形成されたフランジ部と、前記フランジ部を覆い、前記ドアのシール面と前記ボディ間をシールする枠状のシール部材とを備える車両のボディ構造であって、
前記囲い平面には、周方向における一部に凹部が形成されており、
前記フランジ部は、前記囲い平面の凹部の位置で、前記囲い平面の凹部以外の位置よりも前記凹部の深さ寸法分だけ前記囲い平面からの突出寸法が大きく設定されており、
前記囲い平面の凹部が埋設材によって埋められている車両のボディ構造。 - 請求項1に記載された車両のボディ構造であって、
前記フランジ部は、前記囲い平面の凹部以外の位置にあるフランジ本体部と、前記囲い平面の凹部の位置にあって前記フランジ本体部よりも突出寸法が大きな幅広部とを備えており、
前記幅広部において異なる種類の金属が連結されている車両のボディ構造。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のボディ構造であって、
前記囲い平面の凹部を埋めた埋設材の表面と、前記囲い平面とが連続した面となる車両のボディ構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された車両のボディ構造であって、
前記フランジ部に取付けられた前記シール部材のヒレ状部が前記埋設材の表面と前記囲い平面とに当接している車両のボディ構造。 - 請求項4に記載された車両のボディ構造であって、
前記埋設材は、前記シール部材のヒレ状部よりも硬い材料で製作されている車両のボディ構造。
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