JP7177891B2 - ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタル - Google Patents
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Description
[1](A)水硬性セメント、(B)細骨材、(C)軽量骨材、(D)セメント用ポリマー及び(F)繊維長10mm以下の繊維類を含み、(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対し、110~270質量部であり、且つ(F)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対し、0.2~10質量部である、ポリマーセメントモルタル組成物。
[2](C)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対し、1~25質量部である、[1]のポリマーセメントモルタル組成物。
[3](D)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対し、固形分換算で2~45質量部である、[1]又は[2]のポリマーセメントモルタル組成物。
[4](C)成分/((B)成分+(C)成分)が質量基準で0.02~0.10である、[1]~[3]のいずれかのポリマーセメントモルタル組成物。
[5][1]~[4]のいずれかのポリマーセメントモルタル組成物と、水とを含み、水の含有量が、(A)成分100質量部に対し、20~45質量部である、ポリマーセメントモルタル。
速硬性セメントは、カルシウムアルミネート類を有効成分として含有するものが好ましく、11CaO・7Al2O3・CaX2(Xはハロゲン原子を示す)又は3CaO・3Al2O3・CaSO4(アウイン)を有効成分として含有するものがより好ましい。11CaO・7Al2O3・CaX2は、いわゆるカルシウムアルミネートハロゲン化物系セメントである。ハロゲン原子は、フッ素原子が好ましい。また、アウインは、カルシウムサルホアルミネート系セメント(アウイン系セメント)とも称されるものである。これらは超速硬セメントと呼ばれるものであり、商品名ジェットセメント又はスーパージェットセメントとして市販されている。速硬性セメントは、アウイン系セメントが最も好ましい。
また、カルシウムアルミネート類としては、この他にもCaOをC、Al2O3をA、Fe2O3をFで表示した場合、C3A、C2A、C12A7、C5A3、CA、C3A5、CA2等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、C2AF、C4AF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、アルミナセメント、並びにこれらにSiO2、K2O、Fe2O3、TiO2等が固溶又は化合したもの等が含まれる。カルシウムアルミネート類は結晶質又は非晶質のいずれであってもよいし、結晶質と非晶質の混合体のようなものでもよい。これらのカルシウムアルミネート類と石膏等の無機塩類とを配合して調製された速硬性混和材を、ポルトランドセメントに添加したものも速硬性セメントとして用いることができる。
セメント用ポリマーの中でも、コンクリートとの接着性がより向上するという観点から、スチレンブタジエンゴムのポリマーディスパージョン及び/又は再乳化粉末樹脂が好ましい。スチレンブタジエンゴムは、スチレン及びブタジエンを共重合した合成ゴムの一種であり、スチレン含有量や加硫量により品質を適宜調整することができる。セメント混和用としては、結合スチレン量が50~70質量%のものが多く、安定性や接着性を向上させて使用されている。セメント用ポリマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
水硬性セメント100質量部に対して、細骨材、軽量骨材、セメント用ポリマー(固形分換算)及び繊維の各材料を表2となるように配合設計した。水硬性セメント100質量部に対して、減水剤は2質量部とし、凝結遅延剤は2質量部とした。なお、No.22の配合に関しては凝結遅延剤を含んでいない。
20℃の環境下において、セメント用ポリマー(ポリマーディスパージョン)を10Lの円筒容器に添加し、表2で配合設計したポリマーセメントモルタル組成物の各材料及び水を添加し、ハンドミキサで90秒混練してポリマーセメントモルタルを約3L作製した。
各項目については、以下の方法で評価した。評価結果を表3に示す。
・コンシステンシー
JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」12.フロー試験に準じて、20℃環境下でポリマーセメントモルタルのフロー値を測定し、これをコンシステンシーとして評価した。
・コテ性状
型枠(30×30×3cm)にポリマーセメントモルタルを施工した後コテで均して、ポリマーセメントモルタルのコテ性状の評価を行った。モルタル施工からコテ均しの仕上げ作業までの時間が5分以上の時間を要した場合にコテ性状を不良(×)と評価し、仕上げ下作業に5分要しなかった場合にコテ性状を良好(○)と評価し、コテ性状が良好と評価したもののうち、ポリマーセメントモルタルがコテに付着しなかった場合にコテ性状が特に良好(◎)と評価した。
・ダレ性状
型枠(30×30×3cm)を勾配5%の状態に設置し、ポリマーセメントモルタルを施工した後コテで均して、ポリマーセメントモルタルのダレ性状を目視観察した。ダレが生じたものを不良(×)と評価し、ダレを生じなかったものを良好(○)と評価した。
・圧縮強度
土木学会基準JSCE-G 505-2010「円柱供試体を用いたモルタル又はセメントペーストの圧縮強度試験方法(案)」に準じて、材齢28日におけるポリマーセメントモルタル硬化体の圧縮強度を測定した。供試体の寸法は、直径50mm、高さ100mmとした。供試体は調製翌日に脱型した後、材齢日まで気中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
Claims (8)
- (A)水硬性セメント、(B)細骨材、(C)軽量骨材、(D)セメント用ポリマー、(F)繊維長10mm以下の繊維類、減水剤及び凝結遅延剤を含み、
前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、110~270質量部であり、
前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、2~10質量部であり、
前記(F)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、0.2~10質量部であり、
前記減水剤の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、0.5~7.5質量部であり、且つ
前記凝結遅延剤の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、0.5~7.5質量部であり、
界面活性剤系起泡剤を含まない、ポリマーセメントモルタル組成物。 - 前記ポリマーセメントモルタル組成物のポリマーセメントモルタル硬化体の圧縮強度が33.5N/mm 2 ~42.5N/mm 2 である、請求項1に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
- コンクリート構造物の補修・補強用である、請求項1又は2に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
- 前記繊維類が、天然高分子系繊維である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
- 前記(D)成分が、ポリマーディスパージョンである、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
- 前記(D)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、固形分換算で2~45質量部である、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
- 前記(C)成分/(前記(B)成分+前記(C)成分)が質量基準で0.02~0.10である、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物と、水とを含み、
前記水の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し、20~45質量部である、ポリマーセメントモルタル。
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