JP6404021B2 - 補修補強用速硬性ポリマーセメントモルタル組成物及びそれを用いた補修補強方法 - Google Patents

補修補強用速硬性ポリマーセメントモルタル組成物及びそれを用いた補修補強方法 Download PDF

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本発明は、コンクリート床状構造物を補修補強するのに有用な速硬性を有するポリマーセメントモルタル組成物に関する。
通常のコンクリート構造物のひび割れや剥離の補修には、セメント水和物に起因する乾燥収縮性、耐薬品性、及び強度などに関する課題を解決する目的で、モルタルに、各種ポリマーを混和したポリマーセメントモルタルが建設材料として広く用いられている。しかしながら、従来のポリマーセメントモルタルでは、セメントが硬化するまでに長時間かかり、その傾向は特に低温では顕著になるため、現場での施工に関しては必ずしも十分とはいえるものではない。このため、例えば、超速硬性セメントを用いた速硬性ポリマーセメント組成物が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2011−016881号公報 特開2013−234489号公報
しかしながら、特許文献1記載のモルタル組成物は、繊維を必須成分として含むため薄層の補修用モルタル組成物としては使用できず、また水/セメント比が小さいためコンシステンシーが悪く、十分な圧縮強度も得られない。また、特許文献2記載のモルタル組成物は、繊維を含むためアスファルト舗装路面の補修には使用できても、薄層補修が要求されるコンクリート床状構造物には使用できず、減水剤も使用されていない。
従って、本発明の課題は、コンクリート床版のようなコンクリート床状構造物の薄層の補修、補強に適用できる速硬性ポリマーセメントモルタル組成物及びこれを用いたコンクリート床状構造物の補修、補強方法を提供することにある。
そこで本発明者は、コンクリート床状構造物の補修、補強に薄層であっても適用できる組成物を開発すべく研究したところ、速硬性セメント組成物、細骨材及びセメント用ポリマーに加えて減水剤を配合し、さらに一定量の水を使用すれば、薄層箇所においても収縮が小さく、また反り変化率が小さいため補修材のひび割れや剥離による不具合が生じにくい速硬性ポリマーセメントモルタル組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[]の発明を提供するものである。
〔1〕コンクリート床状構造物の補修又は補強に用いるモルタル組成物であって、
(A)速硬性セメント組成物 100質量部に対し、
(B)細骨材 100〜380質量部、
(C)セメント用ポリマー 固形分換算で10〜30質量部、
(D)減水剤 0.1〜5質量部、
(E)水 25〜45質量部を含有し、
細骨材が、粒径0.09mm超0.15mm以下の粒子の含有率、粒径0.15mm超0.30mm以下の粒子の含有率、粒径0.30mm超0.60mm以下の粒子の含有率、粒径0.60mm超1.18mm以下の粒子の含有率、及び粒径1.18mm超2.36mm以下の粒子の含有率が何れも10質量%以上あり、且つ、粒径0.09mm以下の粒子の含有率および粒径2.36mmを超える粒子の含有率が5質量%未満である、
速硬性ポリマーセメントモルタル組成物。
〕反り評価試験における材齢28日の長さ変化率が350×10-6以下である〔1〕に記載の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物。
〕補修又は補強が、厚さ50mm以下の薄層の補修又は補強である〔1〕又は〔2〕に記載の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物。
〕〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物を、コンクリート床状構造物の補修又は補強箇所に充填及び/又は塗布することを特徴とするコンクリート床状構造物の補修又は補強方法。
通常、コンクリート床状構造物の薄層箇所の補修は乾燥により収縮しやすく、収縮が生じた場合、ひび割れが生じやすい施工環境である。また、上下面に収縮差が生じると反りが生じ、補修材と母材の剥離が生じるおそれがある。ところが、本発明の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物を用いれば、良好な流動性を有するため施工性に優れており薄層箇所においても収縮が小さく、また反り変化率が小さいために、補修材のひび割れや剥離による不具合が生じにくい。
また、細骨材の粒径がコントロールされた本発明の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物を用いれば、薄層箇所での収縮がさらに抑制でき、反り変化率も小さくでき、ひび割れや剥離も生じない。
反り評価試験に用いた銅製のパンチングボードの上面図及び側面図を示す。 反り評価試験用供試体の上面図及び側面図を示す。 反りの測定状況を示す写真である。
本発明のコンクリート床状構造物の補修又は補強に用いる速硬性ポリマーセメントモルタル組成物は、
(A)速硬性セメント組成物 100質量部に対し、
(B)細骨材 100〜400質量部、
(C)セメント用ポリマー 固形分換算で10〜30質量部、
(D)減水剤 0.1〜5質量部、
(E)水 25〜45質量部を含有することを特徴とする。
本発明に用いる(A)速硬性セメント組成物は、11CaO・7Al・CaX又は3CaO・3Al・CaSO(アウイン)を有効成分として含有する。11CaO・7Al・CaXは、いわゆるカルシウムアルミネートハロゲン化物系セメントである。ハロゲン原子としては、フッ素原子が特に好ましい。また、アウインは、カルシウムサルホアルミネート系セメント(アウイン系セメント)とも称されるものである。これらは、超速硬セメントと呼ばれるものであり、商品名ジェットセメント、スーパージェットセメントとして市販されている。本発明においては、特にアウイン系セメントが好ましい。
(A)速硬性セメント組成物中の11CaO・7Al・CaX及び/又はアウインの含有量は、所望の速硬性を奏する量であれば限定されないが、練混ぜ後3時間でコンクリートとの付着強度1.0N/mm以上、曲げ強度3.0N/mm以上を得る量であるのが好ましい。
(A)速硬性セメント組成物においては、速硬性セメントの一部をポルトランドセメントに置き換えてもよい。ここでポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントが使用できる。その含有量は可使時間確保、早期強度発現性、繰り返し載荷に対する耐久性の点から、(A)速硬性セメント組成物中、20質量%以下が好ましい。
本発明に用いる(B)細骨材としては、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材等が挙げられる。これらの細骨材の中から、真比重及び粒径比率が適当なものを選択して用いるのが好ましい。細骨材の真比重は練混ぜ水量を多くせず、長さ変化率が材齢7日で0.01%以下に抑制して金属との付着強度を確保し、繰り返し載荷に対する耐久性を維持し、曲げ強度を高くする点から、2.0以上が好ましい。
(B)細骨材の粒径は、薄層を均一な厚みで補修できる施工性、長さ変化率の抑制効果等の点から、粒径0.09mm超から2.36mm以下までの範囲で広く分布しているのが好ましく、特に粒径0.09mm超0.15mm以下の粒子の含有率、0.15mm超0.30mm以下の粒子の含有率、0.30mm超0.60mm以下の粒子の含有率、0.60mm超1.18mm以下の粒子の含有率、1.18mm超2.36mm以下の粒子の含有率が何れも10質量%以上あり、且つ、粒径0.09mm以下の粒子の含有率および粒径2.36mmを超える粒子の含有率が5質量%未満であることが好ましい。
細骨材の含有量は、速硬性セメント100質量部に対して100〜400質量部含有させる。これにより、乾燥収縮が低減され、金属およびコンクリートとの高い付着強度及び繰り返し載荷に対する耐久性が得られる。より好ましい含有量は、150〜380質量部であり、特に好ましくは200〜350質量部である。
(C)セメント用ポリマーとしては、JIS A 6203「セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂」に規定されるポリマーが好ましい。このようなセメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョン、再乳化形粉末樹脂が挙げられる。ポリマーディスパージョンとしては、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴム系;天然ゴム系;ゴムアスファルト系;エチレン酢酸ビニル系;アクリル酸エステル系;樹脂アスファルト系が好ましい。この中でも、合成ゴム系が好ましく、合成ゴムラテックス、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニルがより好ましく、コンクリートとの接着性の点から、スチレンブタジエンゴムが特に好ましい。スチレンブタジエンゴムは、スチレンとブタジエンを共重合した合成ゴムの一種であり、スチレン含有量や加硫量により品質を調整する。セメント混和用としては、結合スチレン量が50〜70質量%のものが多く、安定性や接着性を向上させて使用されている。
ポリマーの含有量は、速硬性セメント100質量部に対して、固形分換算で10〜30質量部である。10質量部未満では、金属、コンクリートとの付着強度が十分でない。一方、50質量部を超えると、強度発現性が低下し、繰り返し載荷に対する耐久性が低下する。より好ましい含有量は11〜28質量部、さらに好ましくは12〜25質量部である。
本発明に用いられる減水剤は、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤、流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。具体的には、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、アクリル系減水剤が挙げられる。この中では、ナフタレンスルホン酸系減水剤が好ましい。本発明においては、減水剤を一定量配合することにより、流動性が良好となり、特に薄層箇所への施工性が良好になるとともに、均一な厚みで施工できることにより、反りが生じ難くなる。
(D)減水剤の含有量は、速硬性セメント100質量部に対して、0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.3〜4質量部であり、さらに好ましくは0.5〜3質量部である。0.1質量部未満では、流動性が向上しない。一方、5質量部を超えると、凝結が遅延する。
また、(C)減水剤と水の配合比は、流動性、圧縮強度および収縮量に影響を与えるので、減水剤/水の質量比は、0.003〜0.16が好ましく、0.01〜0.10がより好ましい。
本発明においては、水を速硬性セメント100質量部に対し25〜45質量部使用する。25質量部未満では、流動性が低下し、薄層を均一な厚さに施工できない。一方、45質量部を超えると、材料が分離したり、収縮量が大きくなったりする。好ましい水の量は27〜40質量部であり、より好ましくは28〜35質量部である。
本発明においては、さらに膨張材を添加することが好ましい。膨張材を少量配合することにより、収縮率の調整効果がある。膨張材としては、アウインを主成分とするカルシウムサルホアルミネート(アウイン)系膨張材、遊離石灰を主成分とする石灰系膨張材等があり、これらいずれの膨張材も使用できる。
膨張材の含有量は、収縮率の調整、供試体の反り量抑制、流動性確保等の点から、速硬性セメント100質量部に対して2〜15質量部含有させることが好ましい。より好ましくは、3〜10質量部である。
本発明のポリマーセメントモルタル組成物は、凝結遅延剤を添加することは有効である。特に、夏場等ポリマーセメントモルタルの練上がり温度が高くなる場合は、凝結遅延剤を配合することが好ましい。凝結遅延剤としては、例えばクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸、又はその塩、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩、糖類などの群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)のものが挙げられる。中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩の群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む水溶液が好ましい。凝結遅延剤の添加量は、凝結遅延剤中の有効成分(固形成分)が、速硬性セメント100質量部に対して、0.05〜2.0質量部であることが好ましい。
さらに、本発明の特長が損なわれない範囲で各種添加剤(材)が併用されても良い。この種の添加剤としては、例えば消泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、繊維等が挙げられる。ただし、繊維は、薄層補修、補強に用いる場合には、含有しないのが好ましい。
本発明の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物は、通常のポリマーセメントモルタルと同様に、ホバートミキサ、ハンドミキサ、傾胴ミキサ、2軸ミキサ等を用いて練り混ぜ後に混練物を補修必要箇所に充填施工すればよい。ただし、速硬性であるため、混練後は速やかに施工するのが好ましく、また補修箇所に充填する際は振動機を用いて振動させるのが好ましい。さらに表面仕上げはコテで行えばよい。
本発明の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物により得られるモルタルは、反り評価試験における材齢28日の長さ変化率が350×10-6以下であり、収縮に伴う反り抵抗性に優れている。本発明における「反り評価試験」は、縦50mm、横1000mm、高さ10mmの鋼製のパンチングボード上に作製されたモルタル供試体の反りの程度を評価する試験である。本評価方法は、下面がパンチングボードに拘束され、かつモルタルの厚みが小さいため、従来の収縮率評価試験に比べ、実際の薄層の補修又は補強の実態に近く、評価方法として好適である。
本発明の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物は、初期流動性を有し、収縮に伴う反り抵抗性に優れていることから、コンクリート床状構造物等の薄層の補修又は補強に適している。ここで薄層とは、50mm以下の厚さを言う。より好ましくは30mm以下の厚さである。特に好ましくは20mm以下である。補修箇所は必ずしも平坦とはいえないことから、場所によっては上記の厚みを超える箇所があってもよいが、補修面積の80%以上が上記の厚み以下の薄層であることを意味する。コンクリート床状構造物には、コンクリート床版、例えばコンクリート製の橋床、倉庫床、工場床などが含まれる。
RC(Reinforced-Concrete;鉄筋コンクリート)床版の補修は、床版の損傷部をはつり出し、はつり出した箇所を補修材により断面修復して完了する。一方、RC床版の補強には、打替え工法・増厚工法・プレストレス導入工法・シート接着工法などが用いられる。なかでも、増厚工法は、補強効果や施工期間およびコスト面で他工法よりも優れており、多くの現場で採用されている。本発明の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物は、この増厚工法にも適している。
以下、実施例により本発明を具体的に詳しく説明するが、本発明はここに表した実施例に限定されるものではない。
<使用材料>
速硬性セメント:太平洋セメント(株)製「商品名;スーパージェットセメント」
細骨材(1):珪砂3号 宇部サンド工業(株)製「商品名 宇部珪砂3号A」
細骨材(2):珪砂5号 宇部サンド工業(株)製「商品名 宇部珪砂新特5号A」
細骨材(3):珪砂6号 宇部サンド工業(株)製「商品名 宇部珪砂6号」
細骨材(4):珪砂7号 宇部サンド工業(株)製「商品名 宇部珪砂7号」
ポリマー:SBRエマルジョン 太平洋マテリアル(株)製「商品名;太平洋CX−B」
減水剤:ナフタレンスルホン酸系高性能減水剤 花王(株)製「商品名;マイティ100」
遅延剤:クエン酸 市販試薬 顆粒状(速硬性セメント100質量部に対し0.20質量部)
<細骨材の調整>
上記の細骨材を用いて粒度調整を行い、粒度分布の異なる3種類の細骨材(A、B、C)を得た。得られた細骨材の粒度分布を表1に示す。
<ポリマーセメントモルタルの作製>
上記に表す材料の中から選定される材料、調整した細骨材A及び水を表2に示す配合量となるようにホバートミキサに投入し、温度約20℃で3分間混練し、ポリマーセメントモルタルを作製した。
試験例1
作製したポリマーセメントモルタルに対し、次の評価を行った。
<コンシステンシーの評価>
JISR5201に準拠した方法で、20℃の実験室で練り上がった直後のモルタルのフロー値(15打フロー)を測定し、左官施工に適ったコンシステンシーが得られているかの評価指標とした。尚、コンシステンシーはフロー値が慨ね130〜210mmであれば工事に適うと判断される。フロー値の測定結果を表3に示す。
表3から、W/Cが小さい場合、P/Cが小さい場合、P/Cが大きい場合、S/Cが大きい場合、減水剤が少ない場合には、フロー値が小さく施工性が低下することがわかる。また、W/Cが大きい場合はフロー値が大きすぎる。また減水剤が多すぎると、凝結が遅延した。
<圧縮強度の評価>
作製したポリマーセメントモルタルを内径50mmで長さ100mmの円筒管内に充填し、20℃の温度下で3時間気中養生した後脱型してモルタル供試体を作製した。該モルタル供試体を、JSCE−G505−1999「円柱供試体を用いたモルタル又はセメントペーストの圧縮強度試験方法」に準じて、圧縮強度を測定した。その結果を表4に示す。
表4より、W/Cが小さい場合、W/Cが大きい場合、P/Cが小さい場合、P/Cが大きい場合、S/Cが小さい場合、S/Cが大きい場合は、いずれも28日材齢の強度が十分でない。
<反り評価試験>
作製したポリマーセメントモルタルを縦50mm、横1000mm、高さ10mmで底面に鋼製のパンチングボードを敷設した型枠に充填し、20℃の温度下で2時間気中養生した後脱型してモルタル供試体を作製した。該モルタル供試体の厚みとたわみ量を測定し、モルタル供試体の下面(パンチングボード側の長さ:b0)に対する上面(打設面側の長さ:b0)の長さ変化率を算出した。パンチングボードを図1に、反り評価試験用の供試体を図2に示す。たわみ量の測定状況を図3に示す。長さ変化率の算出方法を式1に示す。また、その結果を表5に表す。
0:パンチングボード側の長さ(1000mm)
1:打設面側の長さ(mm)
長さ変化率:(b0−b1)/b0
h:たわみ量(mm)
d:厚み(mm)
表5より、W/Cが小さい場合、W/Cが大きい場合、P/Cが小さい場合、P/Cが大きい場合、S/Cが小さい場合、S/Cが大きい場合、減水剤が少ない場合、及び減水剤が多い場合は、材齢28日における長さ変化率が350×10-6を超えた。
<収縮率評価試験>
作成したポリマーセメントモルタルを縦100mm、横400mm、高さ100mmの型枠に充填し、20℃の温度下で2時間気中養生した後脱型してモルタル供試体を作製した。JIS A1129−2「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」の測定方法を参考として、材齢2時間を基長としたときの該モルタル供試体の長さ変化率を測定した。結果を表6に表す。
表6より、W/Cが小さい場合、W/Cが大きい場合、P/Cが小さい場合、P/Cが大きい場合、S/Cが小さい場合、S/Cが大きい場合に、収縮率が大きく、長さ変化率が大きかった。
試験例2
粒度分布の異なる3種類の細骨材(細骨材Aは、試験例1で用いたもの)を用いて、ポリマーセメントモルタルを製造し、試験例1と同様のモルタルの評価を行った。細骨材以外の使用材料は試験例1と同じである。ポリマーセメントモルタルの配合を表7に、評価結果を表8〜表11に示す。
なお、実施例8及び9は参考例であって、本発明の範囲に含まれるものではない。
表7〜表11より、細骨材の粒度分布が粒径0.09mm超0.15mm以下の粒子の含有率、粒径0.15mm超0.30mm以下の粒子の含有率、粒径0.30mm超0.60mm以下の粒子の含有率、粒径0.60mm超1.18mm以下の粒子の含有率、及び粒径1.18mm超2.36mm以下の粒子の含有率が何れも10質量%以上あり、且つ、粒径0.09mm以下の粒子の含有率および粒径2.36mmを超える粒子の含有率が5質量%未満である場合は、反り評価試験における長さ変化率が小さく、特に良好である。

Claims (4)

  1. コンクリート床状構造物の補修又は補強に用いるモルタル組成物であって、
    (A)速硬性セメント組成物 100質量部に対し、
    (B)細骨材 100〜380質量部、
    (C)セメント用ポリマー 固形分換算で10〜30質量部、
    (D)減水剤 0.1〜5質量部、
    (E)水 25〜45質量部を含有し、
    細骨材が、粒径0.09mm超0.15mm以下の粒子の含有率、粒径0.15mm超0.30mm以下の粒子の含有率、粒径0.30mm超0.60mm以下の粒子の含有率、粒径0.60mm超1.18mm以下の粒子の含有率、及び粒径1.18mm超2.36mm以下の粒子の含有率が何れも10質量%以上あり、且つ、粒径0.09mm以下の粒子の含有率および粒径2.36mmを超える粒子の含有率が5質量%未満である、
    速硬性ポリマーセメントモルタル組成物。
  2. 反り評価試験における材齢28日の長さ変化率が350×10-6以下である請求項に記載の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物。
  3. 補修又は補強が、厚さ50mm以下の薄層の補修又は補強である請求項1又は2に記載の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の速硬性ポリマーセメントモルタル組成物を、コンクリート床状構造物の補修又は補強箇所に充填及び/又は塗布することを特徴とするコンクリート床状構造物の補修又は補強方法。
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