JP7141195B2 - ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタル - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルに関する。
コンクリート構造物(例えば、鉄筋コンクリート(RC)床版又はボックスカルバートの中床版等の床版、壁、天井部)には、疲労、乾燥収縮等の要因によってひび割れが生じる。この種の劣化が進行したり、ひび割れがすり合わされたりすることによって、ひび割れ幅が大きくなると、劣化箇所から水、塩化物イオン等の劣化因子がコンクリート構造物内に侵入する。この結果、コンクリート構造物に埋没されている鉄筋が腐食する。コンクリート構造物のひび割れによる損傷を放置していると、最終的に内部の鉄筋が腐食して断面欠損し、構造物の安全性が保てなくなる。このため、劣化した箇所を除去した後、その凹部に補修材又は補強材を充填することが行われている。
上記補修材又は補強材として、ポリマーセメントモルタルが提案されている。しかしながら、既設コンクリートとポリマーセメントモルタルを硬化させた補修材との(静)弾性係数の差が大きい場合、繰り返しの荷重による疲労により、既設コンクリートと補修材との境界面にせん断力が生じ、境界面から再劣化が生じる場合があった。
特許文献1には、ガラス転移温度の低いポリマーエマルジョンを用いることで、セメント系成形板材の弾性係数を抑えることが提案されている。
特開2000-203916号公報
しかしながら、特許文献1のセメント系成形板材は成形品であるため、ポリマーエマルジョンとセメントとの混合物の流動性(充填性)やダレ性状については検討されていない。作業性が良好であり、且つ硬化後の劣化を抑制することができる、すなわち静弾性係数が低減された硬化体を与えるポリマーセメントモルタルが求められている。
従って、本発明は、作業性(流動性及びダレ性状)に優れ、且つ静弾性係数が小さい硬化体を与えるポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、特定の骨材を使用し、骨材の配合量及び粒度分布を調整することで、作業性に優れ、且つ静弾性係数が小さい硬化体を与えるポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[7]で示される。
[1]セメントと、軽量骨材を含む骨材と、セメント用ポリマーとを含み、骨材の含有量が、セメント100質量部に対し、25~80質量部であり、骨材の粒度は、骨材全量に対し、粒径が0.6mm以上5mm未満である粒子の質量割合が38質量%以上であり、粒径が0.15mm未満である粒子の質量割合が35質量%以下である、ポリマーセメントモルタル組成物。
[2]骨材が、細骨材を更に含む、[1]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[3]軽量骨材に対する細骨材の質量比([細骨材の質量]/[軽量骨材の質量])が1.15~5である、[2]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[4]軽量骨材の含有量が、セメント100質量部に対し、5~38質量部である、[2]又は[3]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[5]セメント用ポリマーの含有量が、セメント100質量部に対し、固形分換算で8~40質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[6]ポゾラン微粉末を更に含む、[1]~[5]のいずれかに記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[7][1]~[6]のいずれかに記載のポリマーセメントモルタル組成物と、水とを含み、水の含有量が、セメント100質量部に対し、20~45質量部である、ポリマーセメントモルタル。
本発明によれば、作業性に優れ、且つ静弾性係数が小さい硬化体を与えるポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、セメントと、軽量骨材を含む骨材と、セメント用ポリマーとを含む。
セメントは、種々のものを使用することができ、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、速硬性セメント等が挙げられる。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメントは、早期におけるより良好な強度発現性の観点から、速硬性セメントが好ましい。速硬性セメントは、カルシウムアルミネート類を有効成分として含有するものが好ましく、11CaO・7Al・CaX(Xはハロゲン原子を示す)又は3CaO・3Al・CaSO(アウイン)を有効成分として含有するものがより好ましい。11CaO・7Al・CaXは、いわゆるカルシウムアルミネートハロゲン化物系セメントである。ハロゲン原子は、フッ素原子が好ましい。また、アウインは、カルシウムサルホアルミネート系セメント(アウイン系セメント)とも称されるものである。これらは超速硬セメントと呼ばれるものであり、商品名ジェットセメント又はスーパージェットセメントとして市販されている。速硬性セメントは、アウイン系セメントが最も好ましい。
また、カルシウムアルミネート類としては、この他にもCaOをC、AlをA、FeをFで表示した場合、CA、CA、C1、C、CA、C、CA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF、CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、アルミナセメント、並びにこれらにSiO、KO、Fe、TiO等が固溶又は化合したもの等が含まれる。カルシウムアルミネート類は結晶質又は非晶質のいずれであってもよいし、結晶質及び非晶質の混合体のようなものでもよい。これらのカルシウムアルミネート類と石膏等の無機塩類とを配合して調製された速硬性混和材を、ポルトランドセメントに添加したものも速硬性セメントとして用いることができる。
骨材は、軽量骨材を少なくとも有し、必要に応じて細骨材を有してもよい。より良好な流動性及び強度発現性を得ることと、静弾性係数をより小さくすることとを両立しやすいという観点から、骨材は、軽量骨材及び細骨材を併用することが好ましい。本明細書において「骨材」とは、軽量骨材のみを用いる場合には軽量骨材を示し、細骨材を併用する場合には軽量骨材と細骨材とを混合したものを示す。
骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、25~80質量部である。骨材の含有量が上記範囲外であると、良好な流動性と小さい静弾性係数とを両立することが難しくなる。可使時間を確保しやすく、より良好な流動性及びコテ作業性が得られやすく、静弾性係数をより小さくするという観点から、骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、25~75質量部であることが好ましく、30~70質量部であることがより好ましい。
骨材の粒度は、骨材全量に対し、粒径が0.6mm以上5mm未満である粒子の質量割合が38質量%以上であり、粒径が0.15mm未満である粒子の質量割合が35質量%以下である。粒径が0.6mm以上5mm未満である粒子及び粒径が0.15mm未満である粒子の質量割合が上記範囲外であると、良好な流動性と小さい静弾性係数とを両立することが難しくなる。より良好な流動性、強度発現性及びコテ作業性が得られやすく、静弾性係数をより小さくする観点から、粒径が0.6mm以上5mm未満である粒子の質量割合が、骨材全量に対し、39質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、同様の観点から、粒径が0.15mm未満である粒子の割合が、骨材全量に対し、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。粒径が0.15mm以上0.6mm未満である粒子の質量割合は、特に限定されないが、より良好な流動性、強度発現性及びコテ作業性が得られやすく、静弾性係数をより小さくする観点から、骨材全量に対し、15質量%以上62質量%以下であることが好ましく、25質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
本明細書において、骨材の粒度は、骨材全量をふるい分けし、5mmふるいを通過し、0.6mmふるい残留分を粒径が0.6mm以上5mm未満である粒子とし、0.6mmふるいを通過し、0.15mmふるい残留分を粒径が0.15mm以上0.6mm未満である粒子とし、0.15mmふるい通過分を0.15mm未満である粒子とする。
軽量骨材は、その種類が限定されるものではない。軽量骨材としては、例えば、黒曜石や真珠岩を焼成発泡させた無機系発泡性骨材であるパーライト、火力発電所で発生するフライアッシュバルーン、発泡ガラス粒(ガラスバルーン)等が挙げられる。軽量骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。軽量骨材は、例えば、かさ比重(kg/L)が0.1~0.8のものが好ましく、0.15~0.6のものがより好ましい。軽量骨材のかさ比重が上記範囲内であれば、より軽量化することができ、モルタルとした際の流動性が低下しにくく、ダレも生じにくく、静弾性係数も小さくなる傾向にある。
軽量骨材は、通常用いられる粒径5mm未満のもの(5mmふるい通過分)を使用するのが好ましい。軽量骨材の平均粒径は、0.05mm以上4.5mm以下であることが好ましく、0.1mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上1.5mm以下であることが最も好ましい。本明細書において、軽量骨材の平均粒径とは、JIS A 1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」に記載のふるい分け試験により各ふるいに留まる骨材の質量分率を測定し、各ふるいの目開きとそこに留まる骨材の質量分率から算出した値を平均粒径として用いる。
軽量骨材の含有量は、上記骨材の含有量の範囲内で調整することができる。例えば、骨材として軽量骨材のみを用いる場合、軽量骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、25~38質量部であることが好ましく、25~33質量部であることがより好ましい。骨材として軽量骨材及び細骨材を併用する場合、軽量骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、5~38質量部であることが好ましく、8~33質量部であることがより好ましく、10~28質量部であることが最も好ましい。軽量骨材の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を確保しやすく、より良好な流動性及びコテ作業性が得られやすく、静弾性係数をより小さくしやすい。
細骨材は、通常用いられる骨材のうち上記軽量骨材に該当しないものであれば特に限定されるものではない。細骨材としては、例えば、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材等が挙げられる。細骨材は、これらの中から、微細な粉や粗い骨材を含まない粒度に調整した珪砂、石灰石等の骨材を用いることが好ましい。細骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
細骨材は、通常用いられる粒径5mm未満のもの(5mmふるい通過分)を使用するのが好ましい。細骨材の平均粒径は、0.05mm以上4.5mm以下であることが好ましく、0.1mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上1.5mm以下であることが最も好ましい。本明細書において、細骨材の平均粒径とは、JIS A 1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」に記載のふるい分け試験により各ふるいに留まる骨材の質量分率を測定し、各ふるいの目開きとそこに留まる骨材の質量分率から算出した値を平均粒径として用いる。
細骨材の含有量は、上記骨材の含有量の範囲内で調整することができる。細骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、20~75質量部であることが好ましく、30~60質量部であることがより好ましく、40~50質量部であることが最も好ましい。細骨材の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を確保しやすく、より良好な流動性、強度発現性及びコテ作業性が得られやすく、静弾性係数をより小さくしやすい。
骨材として軽量骨材及び細骨材を併用する場合、軽量骨材に対する細骨材の質量比([細骨材の質量]/[軽量骨材の質量])は、0.3~5であることが好ましく、1.15~5であることがより好ましく、1.5~5であることが更に好ましく、2~4.8であることが最も好ましい。軽量骨材に対する細骨材の質量比が上記範囲内であれば、より良好な流動性を得ることと静弾性係数を小さくすることとを両立しやすい。
セメント用ポリマーは、JIS A 6203:2015「セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂」に規定されるポリマーが好ましい。このようなセメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョン、再乳化形粉末樹脂等が挙げられる。ポリマーディスパージョンとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム系;天然ゴム系;ゴムアスファルト系;エチレン酢酸ビニル系;アクリル酸エステル系;樹脂アスファルト系等が挙げられる。ポリマーディスパージョンは、中でも、合成ゴム系、エチレン酢酸ビニル系及びアクリル酸エステル系が好ましく、具体的には、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴムラテックス、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニルがより好ましい。再乳化形粉末樹脂としては、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴム系;アクリル酸エステル系;エチレン酢酸ビニル系;酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル;酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル等が挙げられる。セメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョンを用いてもよく、再乳化形粉末樹脂を用いてもよく、ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂を併用してもよい。
セメント用ポリマーの中でも、コンクリートとの接着性がより向上するという観点から、スチレンブタジエンゴムのポリマーディスパージョン及び/又は再乳化粉末樹脂が好ましい。スチレンブタジエンゴムは、スチレン及びブタジエンを共重合した合成ゴムの一種であり、スチレン含有量や加硫量により品質を適宜調整することができる。セメント混和用としては、結合スチレン量が50~70質量%のものが多く、安定性や接着性を向上させて使用されている。セメント用ポリマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメント用ポリマーの含有量は、セメント100質量部に対し、固形分換算で8~40質量部であることが好ましく、10~35質量部であることがより好ましく、15~30質量部であることが最も好ましい。セメント用ポリマーの含有量が上記範囲内であれば、より良好な流動性、強度発現性及びコテ作業性が得られやすく、ダレが生じにくく、静弾性係数も小さくなる傾向にある。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は減水剤を含んでもよい。減水剤は、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204:2011「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミン系減水剤、アクリル系減水剤が挙げられる。これらの中では、ナフタレンスルホン酸系減水剤が好ましい。減水剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
減水剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.5~7.5質量部であることが好ましく、1~4質量部であることがより好ましい。減水剤の含有量が上記範囲内であれば、モルタルとした際により良好な流動性及びコテ性状が得られやすく、ダレにくく、硬化時の強度発現性もより向上しやすい。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は凝結遅延剤を含んでもよい。凝結遅延剤を含むことで、夏場等ポリマーセメントモルタルの練り上り温度が高くなる場合においても、可使時間を確保しやすい。凝結遅延剤としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸又はその塩;ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩;糖類が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。凝結遅延剤は、粉体であってもよく、液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)であってもよい。凝結遅延剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
凝結遅延剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.3~7.5質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。凝結遅延剤の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を更に確保しやすく、初期強度発現性が低下しにくい傾向にある。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物はポゾラン微粉末を含んでもよい。ポゾラン微粉末としては、例えば、フライアッシュ、シリカフューム、スラグ微粉末、火山灰、酸性白土や活性白土、カオリン鉱物等のアルミノケイ酸質の粘土鉱物やそれらの焼成物が挙げられる。ポゾラン微粉末は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。また、高流動性及び水中不分離性の観点から、ポゾラン微粉末の粉末度は、ブレーン比表面積で1500~8000cm/gが好ましく、2000~6000cm/gがより好ましい。
ポゾラン微粉末の含有量は、セメント100質量部に対し、1~18質量部であることが好ましく、2~15質量部であることがより好ましく、3~12質量部であることが最も好ましい。ポゾラン微粉末の含有量が上記範囲内であれば、ダレがより一層生じにくくなる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で各種混和剤(材)を配合してもよい。混和剤(材)としては、例えば、消泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、繊維が挙げられる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、通常用いられる混練器具により上記した各成分を混合することで調製でき、その器具は特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば、ホバートミキサ、ハンドミキサ、傾胴ミキサ、2軸ミキサ等が挙げられる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、水と混合してポリマーセメントモルタルとして調製することができ、その水の含有量は用途に応じて適宜調整すればよい。水の含有量は、セメント100質量部に対し、20~45質量部であることが好ましく、22~35質量部であることがより好ましく、22~30質量部であることが更により好ましく、20~30質量部であることが特に好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、より流動性を確保しやすく、材料分離の発生、硬化体の収縮の増加及び初期強度発現性の低下を抑制しやすく、静弾性係数も小さくなる傾向にある。
本実施形態のポリマーセメントモルタルの調製は、通常のポリマーセメントモルタルと同様の混練器具を使用することができ、特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば上述したものを用いることができる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルは、良好な流動性を有し、且つダレにくくいため作業性に優れており仕上がりもきれいなものとなる。さらに、これらは静弾性係数が小さいため既設コンクリート上に打設しても、境界面にせん断力が生じにくく、境界面から劣化しにくいものである。そのため、このようなポリマーセメントモルタル組成物及びこれを用いて調製したポリマーセメントモルタルは、例えば、コンクリート構造体、鋼・コンクリート複合構造体、道路等の補修・補強材料として用いることもできる。本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルの使用方法は適宜選択することができ、例えば、凹部にコテで充填する方法、充填後にバイブレーター等で均した後にコテで仕上げる方法、補修箇所に吹付ける方法等が選択できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお、No.3のポリマーセメントモルタル組成物は、参考例とする。
実施例で用いる材料と略称は以下のとおりである。
・セメント
CSA:超速硬性セメント(アウイン系)
・細骨材
S1:パーライト(軽量骨材)、平均粒径0.5mm、かさ比重0.2kg/L
S2:パーライト(軽量骨材)、平均粒径0.2mm、かさ比重0.2kg/L
S3:パーライト(軽量骨材)、平均粒径0.8mm、かさ比重0.2kg/L
S4:珪砂(細骨材)、平均粒径0.4mm、かさ比重1.5kg/L
S5:珪砂(細骨材)、平均粒径0.15mm、かさ比重1.5kg/L
S6:スラグ骨材(細骨材)、平均粒径0.4mm、かさ比重1.4kg/L
・ポゾラン微粉末
FA:フライアッシュ(ブレーン比表面積2000cm/g)
BS:スラグ微粉末(ブレーン比表面積4000cm/g)
・セメント用ポリマー
P1:SBR系エマルジョン
P2:アクリル酸エステル系エマルジョン
・水
W:上水道
<試験例1>
[ポリマーセメントモルタル組成物の配合設計]
セメント100質量部に対し、細骨材、セメント用ポリマー(固形分換算)の各材料を表1に示す割合とし、減水剤(ナフタレンスルホン酸系減水剤)を2質量部とし、凝結遅延剤(クエン酸)を1.5質量部として配合設計した。
[ポリマーセメントモルタルの作製]
20℃環境下において、セメント用ポリマー(ポリマーディスパージョン)を10Lの円筒容器に添加し、表1で配合設計したポリマーセメントモルタル組成物の各材料及び水を添加し、ハンドミキサで90秒混練してポリマーセメントモルタルを約3L作製した。
Figure 0007141195000001
[評価方法]
各項目については、以下の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
・コンシステンシー
JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」12.フロー試験に準じて、20℃環境下でポリマーセメントモルタルのフロー値を測定し、これをコンシステンシーとして評価した。
・ダレ性状
型枠(30×30×3cm)を勾配5%の状態に設置し、ポリマーセメントモルタルを施工した後にコテで均して、ポリマーセメントモルタルのダレ性状を目視観察した。ダレが生じたものを不良(×)と評価し、ダレを生じなかったものを良好(○)と評価した。
・圧縮強度
土木学会基準JSCE-G 505-2010「円柱供試体を用いたモルタル又はセメントペーストの圧縮強度試験方法(案)」に準じて、材齢4時間におけるポリマーセメントモルタル硬化体の圧縮強度を測定した。供試体の寸法は、直径50mm、高さ100mmとした。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
・静弾性係数
JIS A 1149:2010「コンクリートの静弾性係数試験方法」に準じて、材齢28日における静弾性係数を測定した。供試体の寸法は、直径100mm、高さ200mmとした。供試体は調製翌日に脱型した後、材齢日まで気中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
Figure 0007141195000002
<試験例2>
試験例1と同様にしてポリマーセメントモルタルを作製し、その性能を評価した。ポリマーセメントモルタル組成物の配合設計を表3に示し、評価結果を表4に示す。
Figure 0007141195000003
Figure 0007141195000004

Claims (8)

  1. セメントと、軽量骨材を含む骨材と、セメント用ポリマーとを含み、
    前記骨材の含有量が、前記セメント100質量部に対し、25~80質量部であり、
    前記骨材の粒度は、前記骨材全量に対し、粒径が0.6mm以上5mm未満である粒子の質量割合が38質量%以上であり、粒径が0.15mm以上0.6mm未満である粒子の質量割合が25質量%以上62質量%以下であり、粒径が0.15mm未満である粒子の質量割合が35質量%以下である、ポリマーセメントモルタル組成物。
  2. 前記骨材が、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂及びスラグ骨材からなる群から選択される細骨材を更に含む、請求項1に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  3. 前記軽量骨材に対する前記細骨材の質量比([細骨材の質量]/[軽量骨材の質量])が1.15~5である、請求項2に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  4. 前記軽量骨材の含有量が、前記セメント100質量部に対し、5~38質量部である、請求項2又は3に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  5. 前記セメント用ポリマーの含有量が、前記セメント100質量部に対し、固形分換算で8~40質量部である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  6. ポゾラン微粉末を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  7. 前記粒径が0.15mm未満である粒子の質量割合が0質量%超20質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物と、水とを含み、
    前記水の含有量が、前記セメント100質量部に対し、20~45質量部である、ポリマーセメントモルタル。
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