JP7359686B2 - モルタル・コンクリート用混和材、これを含むセメント組成物、モルタル組成物及びコンクリート組成物、並びに、モルタル硬化物及びコンクリート硬化物の製造方法 - Google Patents

モルタル・コンクリート用混和材、これを含むセメント組成物、モルタル組成物及びコンクリート組成物、並びに、モルタル硬化物及びコンクリート硬化物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、モルタル・コンクリート用混和材、これを含むセメント組成物、モルタル組成物及びコンクリート組成物、並びに、モルタル硬化物及びコンクリート硬化物の製造方法に関する。
近年、建設業界における就業者不足又は高齢化等の問題から、コンクリート製品の活用の検討が進みつつあり、将来的な需要の増加が予想される。需要の増加に伴い、製品製造時の効率化への要求は高まると予想され、特に型枠回転率の向上により、生産性を向上させることは重要な課題と考えられる。型枠回転率向上のため、早期脱型を可能とする技術としては、混和材の利用に加え、高温条件での養生によって短時間で脱型強度を実現する技術(特許文献1)や、早期強度発現に優れるセメントを活用する技術(特許文献2)、石膏を添加・混合する技術(特許文献3)がある。
特開平10-101455号公報 特開2000-301531号公報 特開2012-184148号公報
短時間で脱型強度を実現するため、高い養生温度(例えば、80℃程度)を設定した場合、特に冬期ではこの温度を維持し続けることが技術的に困難であり、意図した脱型強度が得られないケースがある。混和材の添加によって早期に強度を得ようとする場合、流動性の経時変化が大きいため、流動性を制御するために多量の減水剤を使用する必要があることや、練混ぜ直後において過度に流動する状態とすることが必要となることがある。あるいは、早期強度発現に優れるセメントを活用することによって、早期に強度を得ることも考えられるが、設備上の問題からこのようなセメントを保管できない工場も多いため、その適用が制限される場合がある。
本発明は、モルタル・コンクリート用混和材であって、特殊なセメントを適用しなくても、蒸気養生において一般に適用される温度(例えば、50~70℃程度)の養生条件で早期に十分な脱型強度を得ることができるとともに、モルタル組成物及びコンクリート組成物の流動性の経時変化に及ぼす影響が十分に小さい混和材を提供することを目的とする。また、本発明は、この混和材を含むセメント組成物、モルタル組成物及びコンクリート組成物、並びに、モルタル硬化物及びコンクリート硬化物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定の材料を所定の組合せで混合して得た混和材が上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係るモルタル・コンクリート用混和材は、半水石膏及び無水石膏の少なくとも一方の石膏と、珪酸ナトリウム水和物と、硫酸アルミニウムとを含み、珪酸ナトリウム水和物中のSiOとNaOの質量比(SiO/NaO)が1以上3以下であり、且つ珪酸ナトリウム水和物100質量部の強熱減量が5質量部以上50質量部以下である。
早期強度発現性を向上すべきセメント(例えば、普通ポルトランドセメント)に対して適量の上記混和材を配合してモルタル組成物又はコンクリート組成物を調製することにより、蒸気養生において一般に適用される温度の養生条件で早期に十分な強度を有する硬化物を得ることができ、型枠回転率を向上することができる。
本発明に係るセメント組成物は、普通ポルトランドセメントと、上記混和材と、を含み、普通ポルトランドセメント100質量部に対し、上記混和材の含有量が0.5~10質量部である。本発明に係るモルタル組成物は、普通ポルトランドセメントと、上記混和材と、細骨材と、水と、を含み、普通ポルトランドセメント100質量部に対し、上記混和材の含有量が0.5~10質量部であり、細骨材の含有量が150~300質量部であり、水セメント比が40~65質量%である。本発明に係るコンクリート組成物は、普通ポルトランドセメントと、上記混和材と、細骨材と、粗骨材と、水と、を含み、普通ポルトランドセメント100質量部に対し、上記混和材の含有量が0.5~10質量部であり、細骨材の含有量が150~300質量部であり且つ粗骨材の含有量が200~400質量部であり、水セメント比が40~65質量%である。
本発明に係るセメント組成物等によれば、普通ポルトランドセメント100質量部に対して0.5~10質量部の上記混和材を添加することで、蒸気養生において一般に適用される温度の養生条件で早期に十分な強度を有する硬化物を得ることができ、型枠回転率を向上することができる。この混和材の添加量は、従来の混和材の添加量と同等レベルであり、実機プラントでの作業に適した量である。本発明に係るモルタル組成物及びコンクリート組成物は、混和材が添加されない組成物と比較して流動性が同等であるため、この点でも実機プラントでの作業性に優れるという利点がある。
本発明に係るモルタル硬化物又はコンクリート硬化物の製造方法は、温度50~70℃、養生時間3~4時間の条件で上記モルタル組成物又は上記コンクリート組成物を蒸気養生する工程を含む。この製造方法によれば、3~4時間の養生で十分な強度を有する硬化物を得ることができ、型枠回転率を向上することができる。
本発明によれば、モルタル・コンクリート用混和材であって、特殊なセメントを適用しなくても、蒸気養生において一般に適用される温度の養生条件で早期に離型強度を得ることができるとともに、モルタル組成物及びコンクリート組成物の流動性の経時変化に及ぼす影響が十分に小さい混和材が提供される。また、本発明によれば、この混和材を含むセメント組成物、モルタル組成物及びコンクリート組成物、並びに、モルタル硬化物及びコンクリート硬化物の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<モルタル・コンクリート用混和材>
本実施形態に係るモルタル・コンクリート用混和材は、実施例の欄において詳細に説明する評価試験に基づくものである。本実施形態に係るモルタル・コンクリート用混和材は、半水石膏及び無水石膏の少なくとも一方の石膏と、珪酸ナトリウム水和物と、硫酸アルミニウムとを含み、珪酸ナトリウム水和物中のSiOとNaOの質量比(SiO/NaO)が1以上3以下であり、且つ珪酸ナトリウム水和物100質量部の強熱減量が5質量部以上50質量部以下である。
本実施形態に係る混和材を使用することによって、達成すべき脱型強度は好ましくは10~15N/mm、より好ましくは11~13N/mmである。
所定量の上記混和材を、例えば、普通ポルトランドセメントに配合することで早期強度発現性が著しく向上する。すなわち、上記混和材を使用して調製したモルタル組成物又はコンクリート組成物は、温度50~70℃程度の温度条件で、3~4時間程度の短時間の蒸気養生を行うことで、脱型に十分な強度(10N/mm以上)を得ることができる。以下、混和材を構成する各成分について説明する。
(石膏)
石膏は、半水石膏及び無水石膏のいずれであってもよく、これらを併用してもよい。これらの石膏を混和材の成分とすることで、脱型強度を向上することができる。石膏(半水石膏及び無水石膏の合計量)の含有率は、混和材の全質量を基準として、好ましくは65質量%以上100質量%未満であり、より好ましくは70質量%以上95質量%以下であり、更に好ましくは75質量%以上90質量%以下である。
半水石膏及び無水石膏のブレーン比表面積は、早期強度発現性の観点から、半水石膏の場合、好ましくは3000~15000cm /g、より好ましくは5000~12000cm /g、更に好ましくは8000~11000cm /gである。無水石膏のブレーン比表面積は、好ましくは2000~6000cm /g、より好ましくは3000~5000cm /g、更に好ましくは4000~4800cm /gである。なお、石膏のブレーン比表面積はJIS R5201に記載の方法に準拠して測定することができる。
(珪酸ナトリウム)
珪酸ナトリウム(「ケイ酸ソーダ」とも称される。)は、水和物である必要があり、これを混和材の成分とすることで、脱型強度を向上することができる。珪酸ナトリウム水和物の含有率は、混和材の全質量を基準として、好ましくは0質量%超30質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上11質量%以下である。
珪酸ナトリウム水和物100質量部中のNaOの含有量は、早期強度発現性の観点から、好ましくは22質量部以上28質量部以下であり、より好ましくは23質量部以上27質量部以下であり、更に好ましくは24質量部以上26質量部以下である。
珪酸ナトリウム水和物100質量部中のSiOの含有量は、早期強度発現性の観点から、好ましくは45質量部以上60質量部以下であり、より好ましくは48質量部以上58質量部以下であり、更に好ましくは50質量部以上55質量部以下である。
珪酸ナトリウム水和物中のSiOとNaOの質量比(SiO/NaO)は、早期強度発現性の観点から、1以上3以下であり、好ましくは1.5以上2.8以下であり、より好ましくは1.7以上2.6以下であり、更に好ましくは1.8以上2.4以下である。
珪酸ナトリウム水和物100質量部の強熱減量は、早期強度発現性の観点から、5質量部以上50質量部以下であり、好ましくは10質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは16質量部以上28質量部以下であり、更に好ましくは18質量部以上25質量部以下である。なお、珪酸ナトリウムの強熱減量はJIS R5202に記載の方法に準拠して測定することができる。
(硫酸アルミニウム)
硫酸アルミニウムは、無水物及び水和物のいずれであってもよく、これらを併用してもよい。これらの硫酸アルミニウムを混和材の成分とすることで、脱型強度を向上することができる。硫酸アルミニウムの含有率は、混和材の全質量を基準として、好ましくは0質量%超30質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以上10質量%以下である。
硫酸アルミニウムは、混和材の商品形態及び作業性の観点から、粉末(粉末状)であることが好ましく、その平均粒径は30μm以下であることが好ましく、8~24μm又は12~16μmであってよい。硫酸アルミニウムの平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置によって測定することができる。硫酸アルミニウムの比表面積は、早期強度発現性の観点から、好ましくは10m/g以下であり、より好ましくは1~8m/gであり、更に好ましくは3~6m/gである。なお、硫酸アルミニウムの表面積はJIS R5201に記載の方法に準拠して測定することができる。
<セメント組成物>
本実施形態に係るセメント組成物は、普通ポルトランドセメントと、上記混和材とを含み、普通ポルトランドセメント100質量部に対して上記混和材の含有量が0.5~10質量部である。このセメント組成物によれば、普通ポルトランドセメント100質量部に対して0.5~10質量部の上記混和材を添加することで、蒸気養生において一般に適用される温度の養生条件で早期に離型強度を得ることができる。この混和材の添加量は、従来の混和材の添加量と同等レベルであり、実機プラントでの作業に適した量である。
普通ポルトランドセメントのボーグ式で算出される鉱物組成は、例えば、以下の範囲であればよい。すなわち、CS量は、42~62質量%であり、50~61質量%又は55~60質量%であってもよい。CS量は、14~37質量%であり、13~25質量%又は12~18質量%であってもよい。CA量は、7~11質量%であり、8~10.5質量%又は9~10質量%であってもよい。CAF量は、7~13質量%であり、8~11質量%又は8.5~10質量%であってもよい。普通ポルトランドセメントのブレーン比表面積は、例えば、3000cm/g以上であり、好ましくは3100~3500cm/gであり、より好ましくは3200~3350cm/gである。
なお、本実施形態に係る混和材の適用対象は、普通ポルトランドセメントに限られず、例えば、早強セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントに対して適用してもよい。
<モルタル組成物及びコンクリート組成物>
本実施形態に係るモルタル組成物は、上記セメント組成物に細骨材及び水を混合したものである。すなわち、本実施形態に係るモルタル組成物は、普通ポルトランドセメントと、上記混和材と、細骨材と、水とを含み、普通ポルトランドセメント100質量部に対して混和材の含有量が0.5~10質量部であり且つ細骨材の含有量が150~300質量部(より好ましくは、150~250質量部、更に好ましくは180~250質量部)であり、水セメント比が40~65質量%(より好ましくは45~55質量%)である。
本実施形態に係るコンクリート組成物は、上記セメント組成物に細骨材、粗骨材及び水を混合したものである。すなわち、本実施形態に係るコンクリート組成物は、普通ポルトランドセメントと、上記混和材と、細骨材と、粗骨材と、水とを含み、普通ポルトランドセメント100質量部に対して混和材の含有量が0.5~10質量部であり、細骨材の含有量が150~300質量部(より好ましくは180~250質量部)であり且つ粗骨材の含有量が200~400質量部(より好ましくは250~350質量部)であり、水セメント比が40~65質量%(より好ましくは45~55質量%)である。
本実施形態に係るモルタル硬化物又はコンクリート硬化物の製造方法は、温度50~70℃、養生時間3~4時間の条件で上記モルタル組成物又は上記コンクリート組成物を蒸気養生する工程を含む。この製造方法によれば、3~4時間の養生で十分な強度を有する硬化物を得ることができ、型枠回転率を向上することができる。
実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[1.使用材料]
評価試験に供するモルタル又はコンクリートを作製するため、表1及び表2に示す材料を準備した。表2に示した珪酸ナトリウムについて、化学成分の代表値を表3に示す。
Figure 0007359686000001
Figure 0007359686000002
Figure 0007359686000003
試験に用いたモルタルの配合を表4に示し、試験に用いたコンクリートの配合を表5に示す。なお、表4に示すモルタル配合は、表5に示すコンクリート配合のスクリーニング配合に相当する。また、モルタル及びコンクリートは、20℃の恒温室内で30分前置き養生を行った後、昇温過程を設けず、65℃に温度設定された槽内で3時間にわたって蒸気養生を行った。
Figure 0007359686000004
Figure 0007359686000005
[2.モルタルに珪酸ナトリウムを単独添加した場合の効果確認]
表4に示したモルタル配合によって、表2に示した珪酸ナトリウムをセメントに対し内割りで添加したモルタルの養生後の圧縮強度(以下、脱型強度)について評価を行った。その結果を表6に示す。脱型強度の評価の基準は以下のとおりとした。
○:脱型強度が11N/mm以上となる
×:脱型強度が11N/mm未満となる
その結果、Nо.6~8では、脱型強度が11N/mm以上となることが分かった。表3の化学成分の代表値と共に考察すると、優れた脱型強度向上効果を得るためには、珪酸ナトリウムは水和物である必要があり、珪酸ナトリウム水和物中のSiOとNaOの質量比(SiO/NaO)が1以上3以下であり、且つ珪酸ナトリウム水和物100質量部の強熱減量が5質量部以上50質量部以下である必要があることが分かった。
Figure 0007359686000006

※:セメント100質量部に対する珪酸ナトリウムの添加量(質量部)
[3.モルタルに混和材配合材料を混合添加した場合の効果確認]
表4に示したモルタル配合によって、表2に示した材料を各種組み合わせた混和材をセメントに対し内割りで添加したモルタルの練上り直後の15打フローと脱型強度を確認した。なお、目標とする15打フローは、表5に示す目標スランプ(12.0cm)との関係を予め把握し、同スランプが得られる範囲として設定した。また、脱型強度は、各例に係る混和材を使用して調製したモルタル組成物を内容積196.25mLの型枠内に流し込み、これを20℃に設定された恒温室内で30分にわたって前置き養生を行った後、昇温過程を設けず、65℃の槽内で3時間にわたって蒸気養生した後に測定した。試験結果を表7に示す。
その結果、高性能減水剤をあまり増やさなくとも(高性能減水剤添加率が混和材無添加の1.4倍以下、すなわち0.42%以下)、フレッシュ時の流動性を損なうことなく(15打フローが混和材無添加の95%以上、すなわち183mm以上)、脱型強度が10N/mm以上となる水準はNo.16~24であった。
Figure 0007359686000007

※1:セメント100質量部に対する混和材の添加量(質量部)
※2:セメントと混和材の合計質量(B)に対する添加率
[4.モルタルに混和材配合材料を混合添加した場合の流動性の経時変化への影響確認]
No.18~20の水準に対して、15打フローの経時変化を測定し、15打フロー残存率を算出した。その結果を表8に示す。
その結果、No.18~20は、混和材無添加のNo.0と同等の15打フロー残存率となり、フレッシュ時の流動性の経時変化に与える影響は小さいことが分かった。
Figure 0007359686000008

※:各水準の練上り直後の15打フローを100%とした時の残存率。
[5.モルタルによる石膏種類の影響確認]
石膏、珪酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムの3種類を含む混和材について、石膏を無水物と半水物とした場合の影響を確認するため、表4に示すモルタル配合で、脱型強度の比較を行った。試験結果を表9に示す。なお、高性能減水剤の添加率は、練混ぜ後の15打フローが一定となるように調整した。
その結果、無水石膏については、特に銘柄の影響が認められず、流動性と脱型強度はほぼ同等であった。また、半水石膏はブレーン比表面積が9000cm/gを超えるが、本検討の使用範囲では流動性に大きな影響は認められなかった。石膏種類の比較の結果によれば、その影響は大きくないと判断される。なお、石膏のブレーン比表面積は、小さすぎると未水和粒子が残存して遅れ膨脹が生じる可能性があるため、3000cm/g以上が好ましいと判断される。
Figure 0007359686000009

※1:セメント100質量部に対する混和材の添加量(質量部)
※2:セメントと混和材の合計質量(B)に対する添加率
[7.コンクリートに混和材配合材料を混合添加した場合の効果確認]
モルタル試験によって、石膏、珪酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムを含む混和材を添加することによって、流動性の経時変化に与える影響が小さく優れた脱型強度向上効果を得ることができることが分かった。その効果をコンクリートで確認するため、表5に示したコンクリート配合によって、無水石膏、珪酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムを含む混和材をセメントに対し内割りで添加したコンクリートの練上り直後のスランプと脱型強度を確認した。なお、脱型強度は、各例に係る混和材を使用して調製したコンクリート組成物を内容積1570mLの型枠内に流し込み、これを20℃に設定された恒温室内で30分にわたって前置き養生を行った後、昇温過程を設けず、65℃の槽内で3時間にわたって蒸気養生した後に測定した。試験結果を表10に示す。評価の基準は以下のとおりとした。
○:高性能減水剤添加率0.77%以下(混和材無添加の1.4倍以下)の時、スランプが10cm以上(混和材無添加の75%以上)となり且つ脱型強度が10N/mm以上となる
△:高性能減水剤添加率0.77%以下(混和材無添加の1.4倍以下)の時、スランプが10cm以上(混和材無添加の75%以上)となり且つ脱型強度が10N/mm未満となる
その結果、無水石膏、珪酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムを含む混和材をコンクリートに添加することによって、高性能減水剤をあまり増やさなくとも、フレッシュ時の流動性を損なうことなく、優れた脱型強度向上効果を得ることができることが分かった。
Figure 0007359686000010

※1:セメント100質量部に対する混和材の添加量(質量部)
※2:セメントと混和材の合計質量(B)に対する添加率
[8.コンクリートに混和材配合材料を混合添加した場合の流動性の経時変化への影響確認]
No.31、32及び36の水準に対して、練上り後30分のスランプの経時変化を測定した。その結果を表11に示す。
その結果、No.31、32及び36は、混和材無添加のNo.28と同等のスランプの経時変化となり、フレッシュ時の流動性の経時変化に与える影響は小さいことが分かった。
Figure 0007359686000011

Claims (11)

  1. 半水石膏及び無水石膏の少なくとも一方の石膏と、
    珪酸ナトリウム水和物と、
    硫酸アルミニウムと、
    を含むモルタル・コンクリート用混和材であって、
    前記珪酸ナトリウム水和物中のSiOとNaOの質量比(SiO/NaO)が1以上3以下であり、且つ前記珪酸ナトリウム水和物100質量部の強熱減量が5質量部以上50質量部以下である、モルタル・コンクリート用混和材。
  2. 前記珪酸ナトリウム水和物100質量部中のSiOの含有量が、45質量部以上60質量部以下である、請求項1に記載のモルタル・コンクリート用混和材。
  3. 前記珪酸ナトリウム水和物100質量部中のNaOの含有量が、22質量部以上28質量部以下である、請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート用混和材。
  4. 前記半水石膏のブレーン比表面積が3000~15000cm /gであり、
    前記無水石膏のブレーン比表面積が2000~6000cm /gである、請求項1~3のいずれか一項に記載のモルタル・コンクリート用混和材。
  5. 前記硫酸アルミニウムが粉末状であるとともに、平均粒径が30μm以下であり、且つ比表面積が10m/g以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のモルタル・コンクリート用混和材。
  6. 当該モルタル・コンクリート用混和材の全質量を基準として、
    前記石膏の含有率が65質量%以上100質量%未満であり、
    前記珪酸ナトリウム水和物の含有率が0質量%超30質量%以下であり、
    前記硫酸アルミニウムの含有率が0質量%超30質量%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のモルタル・コンクリート用混和材。
  7. 普通ポルトランドセメントと、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のモルタル・コンクリート用混和材と、
    を含み、
    前記普通ポルトランドセメント100質量部に対し、前記モルタル・コンクリート用混和材の含有量が0.5~10質量部であるセメント組成物。
  8. 普通ポルトランドセメントと、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のモルタル・コンクリート用混和材と、
    細骨材と、
    水と、
    を含み、
    前記普通ポルトランドセメント100質量部に対し、前記モルタル・コンクリート用混和材の含有量が0.5~10質量部であり、前記細骨材の含有量が150~300質量部であり、
    水セメント比が40~65質量%である、モルタル組成物。
  9. 普通ポルトランドセメントと、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のモルタル・コンクリート用混和材と、
    細骨材と、
    粗骨材と、
    水と、
    を含み、
    前記普通ポルトランドセメント100質量部に対し、前記モルタル・コンクリート用混和材の含有量が0.5~10質量部であり、前記細骨材の含有量が150~300質量部であり、前記粗骨材の含有量が200~400質量部であり、
    水セメント比が40~65質量%である、コンクリート組成物。
  10. 温度50~70℃、養生時間3~4時間の条件で請求項8に記載のモルタル組成物を蒸気養生する工程を含む、モルタル硬化物の製造方法。
  11. 温度50~70℃、養生時間3~4時間の条件で請求項9に記載のコンクリート組成物を蒸気養生する工程を含む、コンクリート硬化物の製造方法。
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